JP2002006139A - 偏光板、光散乱型偏光素子の製造方法および液晶表示装置 - Google Patents

偏光板、光散乱型偏光素子の製造方法および液晶表示装置

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JP2002006139A
JP2002006139A JP2001020434A JP2001020434A JP2002006139A JP 2002006139 A JP2002006139 A JP 2002006139A JP 2001020434 A JP2001020434 A JP 2001020434A JP 2001020434 A JP2001020434 A JP 2001020434A JP 2002006139 A JP2002006139 A JP 2002006139A
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light
polarizing element
polarizing plate
polarization
liquid crystal
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JP2001020434A
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English (en)
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Ichiro Amimori
一郎 網盛
Yoji Ito
洋士 伊藤
Eiichiro Aminaka
英一郎 網中
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示装置のような画像表示装置におい
て、光の利用効率を改善する。 【解決手段】 所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を
選択的に反射または散乱する偏光選択層を有する光散乱
型偏光素子と、所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を
選択的に吸収する偏光選択層を有する光吸収型偏光素子
とを積層し、光散乱型偏光素子の偏光透過軸と光吸収型
偏光素子の偏光透過軸とが実質的に平行となるように配
置し、そして、光散乱型偏光選択素子の偏光選択層が光
学的等方性連続相と光学的異方性不連続相とから構成す
ることにより得られる偏光板を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の偏光を選択
的に透過し、他の偏光を選択的に反射または散乱する偏
光選択層を有する光散乱型偏光素子と、所定の偏光を選
択的に透過し、他の偏光を選択的に吸収する偏光選択層
を有する光吸収型偏光素子とが積層されている偏光板に
関する。さらに本発明は、偏光板を用いて光の利用効率
が改善された液晶表示装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光のような自然光やランプのような
通常の人為的光源からの光は無偏光(ランダム偏光)で
あるが、偏光板を用いることで偏光(直線偏光、円偏
光、楕円偏光)成分を取り出すことができる。取り出し
た偏光は、様々な光学機器に利用できる。現在広く普及
している液晶表示装置は、偏光の性質を利用して画像を
表示する装置であるとも言える。広義の偏光板には、直
線偏光板、円偏光板および楕円偏光板が含まれる。ただ
し、通常の(狭義の)偏光板は、直線偏光板を意味す
る。本明細書においても、特に規定しない「偏光板」
は、直線偏光板を意味する。直線偏光板は、最も基本的
な偏光板である。
【0003】直線偏光板としては、一般にポリビニルア
ルコール系フイルムからなる光吸収型偏光素子が用いら
れている。ポリビニルアルコール系偏光素子は、ポリビ
ニルアルコール系フイルムを延伸しヨウ素または二色性
染料を吸着することにより製造する。偏光素子の透過軸
(偏光軸)は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当
する。光吸収型偏光素子は、偏光軸に平行な偏光成分の
みを透過して、それと直交方向の偏光成分を吸収する。
従って、光の利用効率は、理論的に50%(実際にはさ
らに低い値)以下である。
【0004】偏光素子の光の利用効率を向上させるた
め、光吸収型偏光素子に代えて、光散乱型偏光素子を使
用することが提案されている。光散乱型偏光素子も、光
吸収型偏光素子と同様に、偏光軸と平行な偏光成分のみ
を透過する。ただし、光散乱型偏光素子では、偏光軸と
直交方向の偏光成分を吸収せずに前方もしくは後方に散
乱し、偏光素子の光の利用効率を向上させる。光散乱型
偏光素子については、特開平8−76114号、同9−
274108号、同9−297204号、特表平11−
502036号、同11−509014号の各公報およ
び米国特許5783120号、同5825543号、同
5867316号の各明細書に記載がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光の
利用効率を向上させることができる偏光板を提供するこ
とである。本発明の別の目的は、明るい表示画像が得ら
れる液晶表示装置を提供することでもある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(13)の偏光板および下記(14)〜(1
9)の液晶表示装置により達成された。 (1)所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を選択的に
反射または散乱する偏光選択層を有する光散乱型偏光素
子と、所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を選択的に
吸収する偏光選択層を有する光吸収型偏光素子とが積層
されている偏光板。
【0007】(2)さらに、少なくとも一枚の透明支持
体を有する(1)に記載の偏光板。 (3)光散乱型偏光素子が、透明支持体と偏光選択層と
からなる(1)または(2)に記載の偏光板。 (4)光散乱型偏光素子の偏光選択層が光学的等方性連
続相と光学的異方性不連続相とからなる(1)乃至
(3)のいずれか一つに記載の偏光板。 (5)光散乱型偏光素子の偏光透過軸と光吸収型偏光素
子の偏光透過軸とが実質的に平行となるように配置され
ている(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の偏光
板。 (6)光学的等方性連続相が、高分子化合物を含む
(4)に記載の偏光板。 (7)偏光選択層の面内の方向において、光学的等方性
連続相の屈折率と、光学異方性不連続相の屈折率との差
の最小値が0.05未満である(4)または(6)に記
載の偏光板。 (8)偏光選択層の面内の方向において、光学的等方性
連続相の屈折率と、光学異方性不連続相の屈折率との差
の最大値が0.05以上である(4)、(6)、(7)
のいずれか一つに記載の偏光板。
【0008】(9)光学的異方性不連続相が、0.01
乃至10μmの平均径を有する(4)、(6)、
(7)、(8)のいずれか一つに記載の偏光板。 (10)光学的異方性不連続相が、液晶性化合物を含む
(4)、(6)、(7)、(8)、(9)のいずれか一
つに記載の偏光板。 (11)光学的異方性不連続相が、重合性基を有する液
晶性化合物の重合生成物を含む(4)、(6)、
(7)、(8)、(9)のいずれか一つに記載の偏光
板。 (12)光学的異方性不連続相が、光配向性官能基を有
する化合物を含む(4)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)のいずれか一つに記載の偏
光板。 (13)光配向性官能基を有する化合物を含む不連続相
に光照射することにより、光学的異方性不連続相が形成
されている(2)に記載の偏光板。 (14)光吸収型偏光素子の偏光度が99%以上である
(1)に記載の偏光板。
【0009】(15)透明支持体が、セルローストリア
セテートフイルムからなる(2)に記載の偏光板。 (16)セルローストリアセテートフイルムが、ハロゲ
ン化炭化水素を溶媒として実質的に使用せずに製造され
たフイルムである(15)に記載の偏光板。 (17)さらに、ディスコティック化合物からなる光学
異方層を有し、光学異方層、光吸収型偏光素子、そして
光散乱型偏光素子の順に積層されている(1)に記載の
偏光板。 (18)光学的等方性連続相を形成する材料中に光学的
異方性不連続相を形成する材料を分散した後、透明支持
体上に塗設し、次いで光照射することにより、光学的等
方性連続相と光学的異方性不連続相とは直交する直線偏
光の一方に対する屈折率がほぼ同じで、他方に対する屈
折率が異なる偏光選択層を形成する光散乱型偏光素子の
製造方法。 (19)バックライトおよび偏光板を備えた液晶表示装
置であって、偏光板として、(1)または(17)に記
載の偏光板を光散乱型偏光素子がバックライト側となる
ように配置したことを特徴とする液晶表示装置。
【0010】(20)バックライト、偏光板、ツイスト
ネマチック配向モードの液晶セル、そして偏光板が、こ
の順に積層されている液晶表示装置であって、バックラ
イト側の偏光板が、バックライト側から順に、所定の偏
光を選択的に透過し他の偏光を選択的に反射または散乱
する偏光選択層を有する光散乱型偏光素子と、所定の偏
光を選択的に透過し他の偏光を選択的に吸収する偏光選
択層を有する光吸収型偏光素子とが積層されており、光
散乱型偏光素子の偏光透過軸と光吸収型偏光素子の偏光
透過軸とが実質的に平行となるように配置されており、
そして、光散乱型偏光選択素子の偏光選択層が光学的等
方性連続相と光学的異方性不連続相とからなる液晶表示
装置。 (21)バックライト側の偏光板が、バックライト側か
ら順に、上記の光散乱型偏光素子、上記の光吸収型偏光
素子、透明支持体、そして、ディスコティック化合物か
らなる光学異方性層が積層されている(20)に記載の
液晶表示装置。 (22)透明支持体が光学異方性を有し、ディスコティ
ック化合物の円盤面の法線の該透明支持体面への正射影
の平均方向と該透明支持体の面内遅相軸との角度が実質
的に平行または実質的に垂直になり、さらに、該透明支
持体の面内遅相軸と光吸収型偏光素子の面内透過軸とが
実質的に平行または実質的に垂直になるように、光学異
方性層、透明支持体および光吸収型偏光素子が配置され
ている(21)に記載の液晶表示装置。
【0011】(23)バックライト、偏光板、ベンド配
向モードの液晶セル、そして偏光板が、この順に積層さ
れている液晶表示装置であって、バックライト側の偏光
板が、バックライト側から順に、所定の偏光を選択的に
透過し他の偏光を選択的に反射または散乱する偏光選択
層を有する光散乱型偏光素子と、所定の偏光を選択的に
透過し他の偏光を選択的に吸収する偏光選択層を有する
光吸収型偏光素子とが積層されており、光散乱型偏光素
子の偏光透過軸と光吸収型偏光素子の偏光透過軸とが実
質的に平行となるように配置されており、そして、光散
乱型偏光選択素子の偏光選択層が光学的等方性連続相と
光学的異方性不連続相とからなる液晶表示装置。 (24)バックライト側の偏光板が、バックライト側か
ら順に、上記の光散乱型偏光素子、上記の光吸収型偏光
素子、透明支持体、そして、ディスコティック化合物か
らなる光学異方性層が積層されている(23)に記載の
液晶表示装置。 (25)透明支持体が光学異方性を有し、ディスコティ
ック化合物の円盤面の法線の該透明支持体面への正射影
の平均方向と該透明支持体の面内遅相軸との角度が実質
的に45゜になり、さらに、該透明支持体の面内遅相軸
と光吸収型偏光素子の面内透過軸とが実質的に平行また
は実質的に垂直になるように、光学異方性層、透明支持
体および光吸収型偏光素子が配置されている(24)に
記載の液晶表示素子。
【0012】(26)バックライト、偏光板、水平配向
モードの液晶セル、そして偏光板が、この順に積層され
ている液晶表示装置であって、バックライト側の偏光板
が、バックライト側から順に、所定の偏光を選択的に透
過し他の偏光を選択的に反射または散乱する偏光選択層
を有する光散乱型偏光素子と、所定の偏光を選択的に透
過し他の偏光を選択的に吸収する偏光選択層を有する光
吸収型偏光素子とが積層されており、光散乱型偏光素子
の偏光透過軸と光吸収型偏光素子の偏光透過軸とが実質
的に平行となるように配置されており、そして、光散乱
型偏光選択素子の偏光選択層が光学的等方性連続相と光
学的異方性不連続相とからなる液晶表示装置。 (27)バックライト側の偏光板が、バックライト側か
ら順に、上記の光散乱型偏光素子、上記の光吸収型偏光
素子、透明支持体、そして、ディスコティック化合物か
らなる光学異方性層が積層されている(26)に記載の
液晶表示装置。 (28)透明支持体が光学異方性を有し、ディスコティ
ック化合物の円盤面の法線の該透明支持体面への正射影
の平均方向と該透明支持体の面内遅相軸との角度が実質
的に45゜になり、そして、該透明支持体の面内遅相軸
と偏光素子の面内透過軸とが実質的に平行または実質的
に垂直になるように、光学異方性層、透明支持体および
光吸収型偏光素子が配置されていることを特徴とする
(27)に記載の液晶表示装置。
【0013】なお、本明細書において、「実質的に垂
直」、「実質的に平行」あるいは「実質的に45゜」と
は、厳密な角度よりも±5°未満の範囲内であることを
意味する。この範囲は、±4°未満であることが好まし
く、±3°未満であることがさらに好ましく、±2°未
満であることが最も好ましい。また、本明細書におい
て、「遅相軸(slow axis) 」は屈折率が最大となる方向
を、そして「透過軸(transmission axis) 」は透過率
が最大となる方向をそれぞれ意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】(光散乱型偏光素子による光の利
用効率改善)光散乱型偏光素子による光の利用効率改善
の機構として、下記(A)〜(C)が提案されている。
いずれも、本発明に応用できる。
【0015】(A)前方散乱光の偏光解消 光散乱型偏光素子では、偏光軸と直交方向の偏光成分は
前方もしくは後方に散乱される。このうち前方散乱され
た光が偏光解消され、前方散乱光の偏光方向が入射光の
偏光方向から回転することにより、光散乱型偏光素子の
偏光軸方向の偏光成分が入射光よりも増加する。光散乱
型偏光子において、厚み方向に多数の粒子が存在する場
合には、多重散乱により偏光解消の程度が強くなる。こ
のように、散乱型偏光板を使用する場合には、前方散乱
光の偏光解消により光吸収型偏光板のみを使用する場合
よりも光の利用効率が向上する。
【0016】(B)後方散乱光の再利用(偏光解消)に
よるもの 光散乱型偏光素子の偏光軸と直交方向の偏光成分のうち
後方散乱された光は、後方散乱される際に偏光解消され
る。後方散乱された光は、光源であるバックライトの背
面に配置された金属反射板により反射され、再度光散乱
型偏光素子へ入射する。ここで、再入射する光は後方散
乱する際に偏光解消を受け、散乱型偏光板の偏光軸と平
行方向の偏光成分が生じており、この偏光成分は散乱型
偏光子を透過する。このように、光散乱型偏光子による
後方散乱と金属反射板での反射を繰り返すことにより光
の利用効率を向上させることができる。
【0017】(C)後方散乱光の再利用(偏光方向の回
転) λ/4板と金属反射板とを配置した光学系に、λ/4板
の遅相軸と45°をなすように直線偏光を入射させる
と、偏光方向が入射光と90°回転した反射光が戻って
くる。光散乱型偏光素子と金属反射板(バックライトの
背面に配置される)との間に、λ/4板を光散乱型偏光
素子の偏光軸とλ/4板の遅相軸が45°をなすように
配置することによって上記と同じ効果が得られる。光散
乱型偏光素子において後方散乱された光の偏光方向の分
布は、光散乱型偏光素子の偏光軸と直交方向が大きい。
この後方散乱された光がλ/4板を透過して金属反射板
により反射され再度、光散乱型偏光素子に入射する光の
偏光方向の分布は、光散乱型偏光素子の偏光軸に平行方
向に大きくなっており、偏光軸に平行な偏光成分は光散
乱型偏光素子を透過する。このように、光散乱型偏光素
子と金属反射板との間にλ/4板を配置することによ
り、光の利用効率を向上させることができる。
【0018】(光学フイルムおよび液晶表示装置の構
成)図1は、光学フイルムの基本的な構成を示す断面模
式図である。図1に示す光学フイルムでは、透明支持体
(11)上において、偏光選択層(12)が光学的等方
性連続相(13)と光学的異方性不連続相(14)とに
相分離している。不連続相(14)は複屈折を有する光
学異方性化合物からなる。不連続相の二つの屈折率(n
1およびn2)は、用いる光学的異方性化合物の性質あ
るいは不連続相内における配向度により異なる。図1に
示す光学フイルムが、光散乱型偏光素子として機能する
ためには、光学的異方性不連続相(14)の二つの屈折
率(n1およびn2)の一方が、光学的等方性連続相の
屈折率と実質的に等しい値、すなわち0.05未満とな
ることが必要である。屈折率が実質的に等しくなる屈折
率(n1またはn2)の方向が、偏光選択層の透過軸に
相当する。
【0019】図2は、光吸収型偏光素子のみを用いた従
来の液晶表示装置を示す断面模式図である。図2に示す
液晶表示装置は、光源として最裏面にエッジライト方式
のバックライト光源(21)を配置し、裏面より順に、
バックライトの光を表面に出射させる反射板(22)お
よび導光板(23)を有する。導光板を用いない直下型
バックライト使用タイプの液晶表示装置もある。光源の
上には、両側を2枚の光吸収型偏光素子(24、25)
により挟持されてなる液晶セル(26)が配置されてい
る。2枚の光吸収型偏光素子と液晶セルとの組み合わせ
により、画像を表示する。光源(21)から出射された
光は、下側の光吸収型偏光素子(24)によって、少な
くとも50%吸収される。
【0020】図3は、光吸収型偏光素子と光散乱型偏光
素子とを積層せずに用いた液晶表示装置を示す断面模式
図である。図3に示す液晶表示装置では、図2に示す液
晶表示装置に、光散乱型偏光素子(31)を追加した構
成を有する。光散乱型偏光素子(31)によって、下側
の光吸収型偏光素子(24)の透過軸と同じ方向の偏光
は選択的に透過し、透過軸と直交する偏光の一部は前方
散乱による偏光解消によって偏光面が透過軸方向に揃え
られることにより利用効率が向上する。また、透過軸と
直交する偏光の一部は、後方散乱によって光源(21)
側へ戻り、導光板(23)により偏光解消されて反射板
(22)で反射され、再び光散乱型偏光素子(31)に
戻って再利用されることによっても、利用効率が向上す
る。図3に示す液晶表示装置では、光吸収型偏光素子
(24)と光散乱型偏光素子(31)とを積層していな
いが、これらを積層した偏光板として用いることで、光
の利用効率をさらに改善することができる。
【0021】図4は、光吸収型偏光素子と光散乱型偏光
素子とを積層した偏光板を用いた液晶表示装置を示す断
面模式図である。図4に示す液晶表示装置では、光源
(21)から出射され、反射板(22)および導光板
(23)を経由した光は散乱シート(33)により面内
で輝度が均一化され、光を所定方向に集光する機能を有
する集光性フイルム(34)により、ユーザが見ること
の無い極端に斜め方向の光を正面付近に集光させて利用
効率を向上させる。集光性フイルム(34)では逆にユ
ーザが見る可能性のある正面よりやや斜め方向の光を減
少させるが、光吸収型偏光素子(24)と光散乱型偏光
素子(31)とを積層した偏光板(32)によって適度
に拡散される。光吸収型偏光素子(24)と光散乱型偏
光素子(31)とを積層した偏光板(32)は、さらに
図3に示す液晶表示装置と同様の原理で輝度を向上させ
る。以上の結果、自然な輝度の視野角分布が得られるこ
とになる。図3に示す液晶表示装置は、光散乱型偏光素
子(31)の偏光選択層とは反対側の面および光吸収型
偏光素子(24)の表面で反射があるため、光の利用効
率が約10%減少する。一方、図4に示す液晶表示装置
では、光吸収型偏光素子(24)と光散乱型偏光素子
(31)とを積層した偏光板(32)を用いることで、
これらの反射面が無くなり、それだけでも光の利用効率
は約10%増加する。
【0022】図5は、光吸収型偏光素子と光散乱型偏光
素子とを積層した偏光板を用いた別の液晶表示装置を示
す断面模式図である。図5に示す液晶表示装置では、光
吸収型偏光素子(24)と光散乱型偏光素子(31)と
を積層した偏光板(32)の輝度向上機能が、さらに改
善されている。光散乱型偏光素子(31)の偏光選択層
表面に直接または他の層を介して反射防止層(35)を
設けることにより、表面での反射を減少させ、偏光選択
層内に入射する光量を増加させることができる。さらに
前記(C)の後方散乱光の再利用(偏光方向の回転)で
述べたように、偏光板(32)の下側にλ/4板(3
6)を用いることにより、後方散乱された光散乱型偏光
素子(31)の透過軸と直交する偏光が2度λ/4板
(36)を通過して、光散乱型偏光素子(31)の透過
軸に偏光面を有するように回転され、光の利用効率が著
しく改善される。その他の光源(21)、反射板(2
2)、導光板(23)、散乱シート(33)および集光
性フイルム(34)の機能は、図4に示す液晶表示装置
と同様である。
【0023】(透明支持体)偏光板は、少なくとも一枚
の透明支持体を有することが好ましい。一枚の透明支持
体を光散乱型偏光素子と光吸収型偏光素子とで共有する
こともできる。また、光散乱型偏光素子と光吸収型偏光
素子とが、それぞれ透明支持体を有することもできる。
また、光散乱型偏光素子または光吸収型偏光素子の偏光
選択層の両面を、二枚の透明支持体で保護してもよい。
透明支持体が「透明」であるとは、光線透過率が80%
以上であることを意味する。また、透明支持体は、正面
から見たときに光学的等方性を有することが好まし
い。。従って、透明支持体は小さい固有複屈折を有する
材料から形成することが好ましい。ただし、固有複屈折
の大きい素材(例、ポリカーボネート、ポリエステル、
ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン)であっても、フイルム製造(例えば、溶液流延や溶
融押し出し)条件、あるいは縦、横方向の延伸条件を適
宜調節することによって、光学的等方性のフイルムを得
ることができる。
【0024】透明支持体としては、ガラス板またはポリ
マーフイルムを用いることができる。ポリマーフイルム
が好ましい。フイルムを形成するポリマーの例には、ポ
リオレフィン(例、ポリエチレン)、ノルボルネン樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチ
レン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリア
リレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースエステ
ル(例、セルロースアセテート)が含まれる。二種類以
上のポリマーを混合したフイルムを用いてもよい。市販
のポリマー(例、ゼオネックス、日本ゼオン(株)製;
ARTON、JSR(株)製;フジタック(富士写真フ
イルム(株)製)を使用することもできる。透明支持体
は、偏光選択層(特に光吸収型偏光素子の偏光選択層)
の保護機能を有することが好ましい。保護機能の観点で
は、セルロールアセテートフイルムが好ましい。セルロ
ースアセテートの酢化度は、55乃至61.5%(セル
ロールジアセテートまたはセルローストリアセテート)
であることが好ましく、59乃至61%(セルロースト
リアセテート)であることがさらに好ましい。
【0025】セルローストリアセテートフイルムを透明
支持体として使用する場合、セルローストリアセテート
フイルムは、ハロゲン化炭化水素を溶媒として実質的に
使用せずに製造されたフイルムであることが好ましい。
従来のセルローストリアセテートフイルムは、一般にハ
ロゲン化炭化水素(特に塩化メチレン)を溶媒として製
造されていた。しかし、環境問題から、ハロゲン化炭化
水素の使用は徐々に制限されている。一方、ハロゲン化
炭化水素以外の有機溶媒では、セルローストリアセテー
トを溶解させることは困難であった。特開平9−955
38号、同9−95544号および同9−95557号
の各公報には、冷却によってセルローストリアセテート
を通常の有機溶媒(炭素原子数3乃至12のエステル、
エーテル、ケトンまたはアルコール)に溶解する方法が
開示されている。この方法を用いることで、ハロゲン化
炭化水素を溶媒として実質的に使用せずに製造されたセ
ルローストリアセテートフイルムを製造することができ
る。この「実質的に使用せずに」とは、溶媒中のハロゲ
ン化炭化水素の量が、5質量%以下(好ましくは1質量
%以下)であることを意味する。また、製造されたセル
ローストリアセテートフイルムから、ハロゲン化炭化水
素が全く検出されないことが好ましい。
【0026】透明支持体の厚みは、10乃至500μm
が好ましく、40乃至200μmがさらに好ましい。透
明支持体に表面処理(例、化学処理、機械処理、コロナ
処理、グロー放電処理)を行ってもよい。化学処理とし
ては、ケン化処理が代表的である。透明支持体と、偏光
選択層のような隣接層とを密着性させるため、透明支持
体に下塗り層を設けることができる。セルローストリア
セテートフイルムを透明支持体として用いる場合は、下
塗り層を、ゼラチン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリルア
ミド、ポリスチレン、ポリブタジエンあるいはこれらの
共重合体から形成することができる。
【0027】(光学的等方性連続相)光散乱型偏光素子
は、所定の偏光を選択的に透過し、他の偏光を選択的に
反射または散乱する偏光選択層を有する。上記「所定の
偏光」と「他の偏光」とは、一般に偏光面が互いに直交
する。光散乱型偏光素子の偏光選択層は、光学的等方性
連続相と光学異方性不連続相とからなる。光学的等方性
連続相は偏光選択層の5乃至95質量%であることが好
ましく、20乃至90質量%であることがさらに好まし
く、50乃至80質量%であることが最も好ましい。光
学的等方性連続相の「光学的等方性」とは、具体的に
は、光学的異方性が0.05未満であることを意味する
(光学的異方性は、後述する光学的異方性不連続相につ
いて定義する)。
【0028】光学的等方性連続相は、ポリマーマトリッ
クスとして形成することができる。使用するポリマー
は、偏光選択層の形成段階(例えば、層の塗布液の状
態)からポリマーであってもよいし、偏光選択層の形成
段階ではモノマーであって、その後、重合によりポリマ
ーを形成してもよい。ポリマーとしては、光学的等方性
が高いポリマーを用いる。ただし、固有複屈折が比較的
大きいとされるポリマー(例、ポリカーボネート、ポリ
スチレン)であっても、添加剤により光学的等方性にす
ることで光学的等方性連続相に使用することもできる。
【0029】なお、光散乱型偏光素子へ入射する光に対
する反射率を低下させることにより、バックライト光の
利用効率を向上させることができる。そのためには、光
学的等方性連続相を構成するポリマーマトリックスの平
均屈折率(n)は1.70以下であることが好ましく、
1.6以下であることがさらに好ましく、1.55以下
であることが最も好ましい。ここで、平均屈折率(n)
は下記式で表される。 n=(nx+ny+nz)/3 式中、nxは、面内の遅相軸方向の屈折率であり;ny
は、面内の進相軸方向の屈折率であり;そして、nz
は、厚み方向の屈折率である。
【0030】光学的等方性連続相に使用するポリマーの
例には、タンパク質(例、ゼラチン、カゼイン)、多糖
類(例、アガロース、セルロース、プルラン、カラギー
ナン、ポリガラクツロン酸、アルギン酸)、セルロース
エーテル、セルロースエステル(例、セルロースアセテ
ート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテ
ート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレー
ト、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
ニトレート)、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリメチルペンテン)、ポリオレフィン
誘導体(例、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、
変性ポリビニルアルコール、ノルボルネン樹脂)、ポリ
スチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポ
リエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリカーボネート、ポリ−1,4−シ
クロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン
−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキ
シレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレ
ート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリ
アクリル酸エステルおよびポリメタクリル酸エステル
(例、メチルメタクリレート)が含まれる。
【0031】二種類以上のポリマーを混合して用いても
よい。市販のポリマー(例、ゼオネックス、日本ゼオン
(株)製;ARTON、JSR(株)製;フジタック
(富士写真フイルム(株)製)を使用することもでき
る。光学的等方性連続相のポリマーを形成するためのモ
ノマーは、熱または電離放射線照射により重合すること
が好ましい。モノマーの重合性基の例には、エチレン性
不飽和二重結合、イソシアナート基、エポキシ基、アジ
リジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル
基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基、活
性メチレン基、ビニルスルホ基、酸無水結合(−CO−
O−CO−)、シアノアクリレート基、メラミン、エー
テル化メチロール、エステル結合、、ウレタン結合およ
び金属アルコキシド(テトラメトキシシラン)構造が含
まれる。エチレン性不飽和二重結合が好ましい。二個以
上のエチレン性不飽和重合性基を有するモノマーを用い
て、架橋構造を有するポリマーを形成することが特に好
ましい。
【0032】二個以上のエチレン性不飽和結合を有する
モノマーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル
酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,3,5−
シクロヘキサントリオールトリアクリレート、ポリウレ
タンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレー
ト)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−
ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロ
イルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノ
ン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アク
リルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)および
メタクリルアミドが含まれる。
【0033】(光学的異方性不連続相)光学的異方性不
連続相は偏光選択層の3質量%以上であることが好まし
く、4質量%以上であることがより好ましく、5質量%
以上であることがさらに好ましく、10質量%以上であ
ることがさらにまた好ましく、20質量%以上であるこ
とが最も好ましい。光学的異方性不連続相は偏光選択層
の95質量%以下であることが好ましく、80質量%以
下であることがより好ましく、60質量%以下であるこ
とがさらに好ましく、50質量%以下であることがさら
にまた好ましく、40質量%以下であることが最も好ま
しい。光学的異方性不連続相の「光学的異方性」とは、
具体的には、光学的異方性が0.05以上であることを
意味する。光学的異方性は、偏光選択層の全光線透過率
が最大となる偏光の偏光面を含む軸方向の屈折率(n
1)と全光線透過率が最小となる偏光の偏光面を含む軸
方向の屈折率(n2)との差の絶対値である複屈折(|
n1−n2|)に相当する。光学的異方性は、0.05
乃至1.00であることが好ましく、0.10乃至1.
00であることがさらに好ましく、0.15乃至1.0
0であることが最も好ましい。
【0034】光学フイルムが、光散乱型偏光素子として
機能するためには、光学的異方性不連続相の二つの屈折
率(n1およびn2)の一方が、光学的等方性連続相の
屈折率と実質的に等しい(具体的には、差が0.05未
満の)値となることが必要である。屈折率の差は、0.
01未満であることが好ましく、0.001未満である
ことがさらに好ましい。連続相と不連続相の屈折率が実
質的に等しい値となる方向が、偏光選択層の透過軸に相
当する。光学的異方性不連続相は、粒子または液滴の状
態で、光学的等方性連続相中に分散している。粒子また
は液滴の平均粒径(粒子または液滴の平面領域をほぼ同
面積の円で近似した近似円形の平均径)は、0.01乃
至10μmであることが好ましく、0.05乃至5μm
であることがさらに好ましく、0.05乃至1μmであ
ることが最も好ましい。粒子または液滴の形状について
は、特に制限はない。実質的に球状(平均アスペクト比
が2以下)であっても、表面積が大きな不定形であって
もよい。
【0035】光学的異方性不連続相は、光学的異方性物
質を用いて形成する。光学的異方性は、偏光選択層の形
成後に、一定方向からの光照射により光学的異方性物質
に発現(配向)させることが好ましい。光学的異方性物
質としては、光配向性化合物(光反応性化合物または光
異性化化合物)、液晶性化合物あるいは光配向性化合物
と液晶性化合物との混合物が好ましく用いられる。光配
向性化合物および光配向性化合物と液晶性化合物との混
合物は、一定方向からの光照射により光学的異方性を発
現させることができる。液晶性化合物自身が光配向性を
有して光の方向に自発的に並ぶ(液晶性化合物が後述す
る光異性化基あるいは光反応性基を有する)場合は、液
晶性化合物のみでも一定方向からの光照射により光学的
異方性を発現させることができる。
【0036】光配向性化合物(光反応性化合物または光
異性化化合物)は、ポリマー、すなわち光反応性ポリマ
ーまたは光異性化ポリマーであることが好ましい。光反
応性ポリマーは、さらに光二量化ポリマーと光分解ポリ
マーとに分類できる。光二量化ポリマーは、光二量化型
の感光性基を側鎖に有する。光二量化型感光性基は、光
(好ましくは紫外線)の照射によって、二つの基の間に
付加反応を起こして環化する官能基である。この付加反
応により、ポリマーが二量化する。光二量化反応につい
ては、永松乾「感光性高分子」(講談社、1977)に
記載がある。
【0037】光二量化型感光性基は、(a)カルボニル
基または(b)エチレン不飽和結合と(c)芳香族基ま
たは(d)複素環基とを有することが好ましい。(a)
カルボニル基と(b)エチレン不飽和結合の双方を有す
ることが好ましい。また、(d)複素環基よりも(c)
芳香族基の方が好ましい。従って、光二量化型感光性基
は、(a)カルボニル基、(b)エチレン不飽和結合お
よび(c)芳香族基を有する官能基であることが好まし
い。 (a)カルボニル基は、アシル基、アシルオキシ基また
はアルコキシカルボニル基に含まれていることが好まし
い。 (b)エチレン性不飽和結合は、シス型よりもトランス
型の方が好ましい。複数のエチレン不飽和結合が含まれ
る場合、それらは共役していることが好ましい。
【0038】(a)カルボニル基、(b)エチレン不飽
和結合および(c)芳香族基を有する官能基では、主鎖
−(a)−(b)−(c)の順序で結合していることが
好ましい。上記(a)、(b)および(c)を有する官
能基の例には、シンナモイルおよびフェニルマレイミド
が含まれる。シンナモイル基を有する化合物について
は、Jpn.J.Appl.Phys.,31,P.2155(1992)に記載がある。
光二量化ポリマーの主鎖と側鎖とはエステル結合で結合
し、(a)カルボニル基はエステル結合に含まれている
ことが好ましい。
【0039】(b)エチレン不飽和結合、(c)芳香族
基および(d)複素環基は、置換基を有していてもよ
い。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ヘキシル)、アルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、
アルケニル基(例、アリル)、アルケニルオキシ基
(例、アリルオキシ)、アリール基(例、フェニル)、
アリールオキシ基(例、フェノキシ)、シアノ、アルコ
キシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基)、ヒドロキシ、アルキル置換アミノ基
(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ)およびニトロ
が含まれる。置換基としては、炭素原子数が1乃至6の
アルキル基、炭素原子数が1乃至6のアルコキシ基、シ
アノ基、炭素原子数が1乃至6のアルコキシカルボニル
基が好ましい。
【0040】光二量化型感光性基を側鎖に有する光二量
化ポリマーは、様々な方法で合成できる。例えば、感光
性基と重合性基とを有する化合物(モノマー)を重合さ
せることにより、ポリマーを合成することができる。重
合性基としては、アクリロイル基またはメタクリロイル
基が好ましい。(メタ)アクリロイル基は、ラジカル重
合反応によって、容易にポリマーを合成できる。また、
ヒドロキシ、カルボキシル、アミノあるいはシアネート
のような重合性基の縮重合反応によるポリエステル、ポ
リアミド、ポリイミドあるいはポリウレタンであっても
よい。これらの縮重合の場合は、モノマー中に少なくと
も二つの重合性基が必要である。また、感光性基を有す
る化合物と、ポリマーとを反応させて、感光性基を有す
ポリマーを得ることもできる。感光性基を有する化合物
と反応させるポリマーとしては、ポリビニルアルコール
およびポリ(メタ)アクリル酸が好ましい。ポリマー
(主鎖)と化合物(側鎖)との結合は、エーテル結合、
エステル結合またはアミド結合であることが好ましい。
代表的な光二量化ポリマーは、ポリビニルシンナメート
である。
【0041】光二量化ポリマーを用いる代わりに、感光
性基を有する化合物をポリマー(バインダー)中に分散
して用いてもよい。バインダーとして用いるポリマー
は、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリエステルまたは
ポリウレタンであることが好ましい。感光性基を有する
化合物をバインダー中に分散してから、重合開始剤を用
いて重合させてもよい。光分解ポリマーの例には、ポリ
イミドが含まれる。光分解型ポリイミドについては、特
開平5−34699号、同6−289399号、同8−
122792号の各公報および第22回液晶討論会講演
予稿集、1672頁A17(1996)に記載がある。光分解
ポリマーよりも光二量化ポリマーの方が好ましい。
【0042】光異性化化合物は、一般にフォトクロミッ
ク化合物として知られている。光異性化化合物は、光の
作用で化学構造に変化が生じ、それにより光に対する挙
動(例えば色調)も変化する化合物である。一般に、そ
れらの変化は可逆的である。光異性化化合物には、アゾ
ベンゼン化合物(K. Ichimura et al., Langmuir,vol.
4, page 1214 (1988);K. Aoki et al., Langmuir, vo
l. 8, page 1007 (1992);Y. Suzuki et al., Langmui
r, vol. 8, page 2601 (1992);K. Ichimuraet al., Ap
pl. Phys. Lett., vol. 63, No. 4, page 449 (1993);
N. Ishizuki,Langmuir, vol. 9, page 3298 (1993) ;
N. Ishizuki, Langmuir, vol. 9, page 857 (1993))、
カルコン化合物(Nature,381,P.212(1998))、クマリン
化合物(SID'98.Digest,P.734(1998))、ヒドラゾノ−
β−ケトエステル化合物(S. Yamamura et al., Liquid
Crystals, vol. 13, No. 2, page 189 (1993))、スチ
ルベン化合物(市村國宏他、高分子論文集、第47巻、
10号、771頁(1990))およびスピロピラン化合物
(K. Ichimura et al., Chemistry Letters, page1063
(1992) ;K. Ichimura et al., Thin Solid Films, vo
l. 235, page 101 (1993) )が含まれる。
【0043】C=C、C=NまたはN=Nからなる二重
結合構造を含む光異性化化合物が、特に好ましい。二重
結合構造を有するフォトクロミック化合物は、下記
(1)および(2)の必須要素と、下記(3)〜(5)
の任意要素からなる。 (1)C=C、C=NまたはN=Nからなる二重結合構
造 (2)上記(1)の結合の両側に(直結しなくてもよ
く)存在する環状構造 (3)任意の(1)と(2)との間の連結基 (4)任意の(1)の炭素原子の置換基 (5)任意の(2)の環状構造の置換基
【0044】上記(1)の二重結合構造は、シス型より
もトランス型が好ましい。二重結合構造は、分子内に二
つ以上存在していてもよい。複数の二重結合構造は、共
役の関係にあることが好ましい。上記(2)の環状構造
の例には、ベンゼン環、ナフタレン環および含窒素複素
環(例、ピリジニウム環、ベンゾピリジニウム環)が含
まれる。含窒素複素環の場合、環を構成する(窒素原子
ではなく)炭素原子が(1)の二重結合構造の炭素原子
または窒素原子と結合することが好ましい。ベンゼン環
が特に好ましい。
【0045】上記(3)の連結基の例には、−NH−お
よび−CO−が含まれる。ただし、(3)の連結基がな
く、(1)と(2)とが直結していることが好ましい。
上記(4)の置換基の例には、アリール基(例、フェニ
ル)およびシアノが含まれる。ただし、(4)の置換基
がなく、二重結合構造に含まれる炭素原子が、(2)と
の結合以外は無置換(−CH=CH−または−CH=N
−)であることが好ましい。
【0046】上記(5)の置換基の例には、アルコキシ
基(例、メトキシ、ヘキシルオキシ)、シアノ、アルキ
ル基(例、ブチル、ヘキシル)およびアルキルアミノ基
(例、ジメチルアミノ)を挙げることができる。(2)
の環状構造がベンゼン環の場合、パラ位に置換基が結合
することが好ましい。なお、後述するように、フォトク
ロミック化合物をポリマーに化学的結合させて使用する
場合は、ポリマーに化学的結合させるための官能基を、
(5)の置換基として光異性化化合物に導入する。
【0047】光異性化化合物は、ポリマーに化学的に結
合させて用いることが好ましい。使用するポリマーは、
親水性ポリマー(例、ゼラチン、ポリビニルアルコー
ル)であることが好ましい。ポリビニルアルコールが特
に好ましく用いられる。光異性化化合物とポリマーとの
反応は、ポリマーの種類(特に官能基の種類)に応じて
決定する。ポリビニルアルコールのような水酸基を有す
るポリマーの場合は、酸ハライドと水酸基との反応を利
用して、光異性化化合物をポリマーと結合させることが
できる。具体的には、ハロゲン化アシル基(−COX、
Xはハロゲン)を、光異性化化合物に置換基として導入
し、ハロゲン化アシル基とポリマーの水酸基との反応
(Ph−COX+HO−Pl→Ph−CO−O−Pl+
HX、Phは光異性化化合物、Plはポリマーの主鎖)
により化学的に結合させる。
【0048】光配向性化合物(光反応性化合物または光
異性化化合物)は、光配向性官能基として、アゾベンゼ
ン構造、スチルベン構造、シンナモイル基、カルコン構
造、クマリン構造またはポリイミド構造を有することが
好ましく、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、シンナ
モイル基、カルコン構造またはクマリン構造を有するこ
とがさらに好ましく、シンナモイル構造、カルコン構造
またはクマリン構造を有することが特に好ましい。光配
向性化合物と液晶性化合物とを併用する場合は、光学的
異方性不連続相に、光配向性化合物が0.05乃至10
質量%含まれることが好ましく、0.1乃至5質量%含
まれることがさらに好ましい。以下に光配向性化合物の
例を、ポリマーの繰り返し単位として示す。ポリマーと
しては、他の繰り返し単位を含むコポリマーを用いても
よい。
【0049】
【化1】
【0050】
【化2】
【0051】液晶性化合物は、π共役が3個以上結合し
た化合物であることが好ましい。光学的異方性を満足す
るためには、常光屈折率と異常光屈折率との差が大きな
液晶性化合物を用いることが好ましい。室温でネマチッ
ク相もしくはスメクティック相を示す液晶性化合物が好
ましい。棒状液晶性化合物を用いることが特に好まし
い。棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキ
シ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル
類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フ
ェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、
シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェ
ニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類お
よびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ま
しい。なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれ
る。
【0052】棒状液晶性化合物については、季刊化学総
説第22巻液晶の化学(1994年)日本化学会編の第
4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハン
ドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記
載がある。棒状液晶性化合物の固有複屈折は、0.00
1以上であることが好ましく、0.05以上であること
がさらに好ましく、0.10以上であることが最も好ま
しい。固有複屈折は、1.00以下であることが好まし
く、0.70以下であることがさらに好ましい。棒状液
晶性化合物は、重合性基(重合架橋性基を含む)を有す
ることが好ましい。重合性基としては、不飽和重合性
基、エポキシ基またはアジリジニル基が好ましく、不飽
和重合性基がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性
基が最も好ましい。棒状液晶性化合物は、短軸方向に対
してほぼ対称となる分子構造を有することが好ましい。
そのためには、棒状分子構造の両端に重合性基を有する
ことが好ましい。以下に、棒状液晶性化合物の例を示
す。
【0053】
【化3】
【0054】
【化4】
【0055】
【化5】
【0056】
【化6】
【0057】
【化7】
【0058】
【化8】
【0059】
【化9】
【0060】
【化10】
【0061】
【化11】
【0062】
【化12】
【0063】
【化13】
【0064】
【化14】
【0065】
【化15】
【0066】二種類以上の光反応性化合物、光異性化化
合物または液晶性化合物を併用できる。光学的異方性不
連続相には、光反応性化合物、光異性化化合物または液
晶性化合物に加えて、可塑剤、ポリマーバインダーある
いは光重合開始剤を、必要に応じて添加することができ
る。可塑剤は、重合性を有することが好ましい。
【0067】(光散乱型偏光素子の偏光選択層形成)光
散乱型偏光素子の偏光選択層は、下記(I)〜(III)の
順序で形成できる。 (I)光学的等方性連続相の材料(一般にポリマー溶
液)中に、光学的異方性不連続相の材料を、乳化または
分散する。 (II)得られた塗布液を支持体上に塗布および乾燥す
る。 (III)一定方向から光を照射することで、光学的異方性
不連続相の光学的異方性を発現(液晶性化合物ならば配
向)させる。
【0068】(I)の乳化または分散は、攪拌機(例、
ホモジナイザー)あるいは混練機(例、サンドミル、コ
ロイドミル)を用いることが好ましい。界面活性剤を添
加して、光学的異方性不連続相の粒径を微細かつ均一に
調節してもよい。また、界面活性剤により光学的異方性
不連続相の分散安定性を改善することもできる。界面活
性剤は、光学的等方性連続相の溶媒が水である場合(光
学的等方性連続相のポリマーが水溶性である場合)に特
に有効である。ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤および両性界面活性剤のいずれ
も使用できる。
【0069】ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレ
ン、ポリグリシジルあるいはソルビタンを用いることが
できる。ノニオン界面活性剤の例には、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニールエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレングリコール、多価アルコール脂肪酸部分エステ
ル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エス
テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステルおよび脂肪酸ジエタノールアミド、
トリエタノールアミン脂肪酸部分エステルが含まれる。
アニオン界面活性剤としては、カルボン酸塩、硫酸塩、
スルホン酸塩あるいはリン酸エステル塩を用いることが
できる。アニオン界面活性剤の例には、脂肪酸塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α―オレフィンスルホ
ン酸塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩、α―スルホン
化脂肪酸塩、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油
スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩およ
びナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物が含
まれる。
【0070】カチオン界面活性剤としては、アミン塩、
4級アンモニウム塩あるいはピリジニウム塩を用いるこ
とができる。カチオン界面活性剤の例には、第一〜第三
脂肪アミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリア
ルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩
およびアルキルイミダゾリウム塩が含まれる。両性界面
活性剤としては、カルボキシベタインまたはスルホベタ
インを用いることができる。両性界面活性剤の例には、
N−トリアルキル−N−カルボキシメチルアンモニウム
ベタインおよびN−トリアルキル−N−スルフォアルキ
レンアンモニウムベタインが含まれる。界面活性剤につ
いては、「界面活性剤の応用(幸書房、刈米孝夫著、昭
和55年9月1日発行)」に記載がある。界面活性剤の使用
量は、不連続相1g当たり、0.001乃至1gである
ことが好ましく、0.01乃至0.1gであることがさ
らに好ましい。
【0071】(II)の塗布は、公知の塗布方法(例、デ
ィップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコー
ト法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラ
ビアコート法、押し出しコート法、スピンコート法、印
刷コート法、スプレイコート法およびスライドコート
法)により実施できる。連続塗布が可能である方法、す
なわち、ディップコート法、カーテンコート法、押し出
しコート法(米国特許2681294号明細書記載)、
ローラーコート法およびスライドコート法が好ましい。
二以上の層(二以上の層から成る偏光選択層、あるいは
偏光選択層とと他の層)とを同時に塗布してもよい。同
時塗布の方法については、米国特許2761791号、
同2941898号、同3508947号、同3526
528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工
学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。偏
光選択層中で、光学的異方性不連続相の粒径に厚み方向
で分布をつける場合は、C型重層塗布法を採用すること
が好ましい。
【0072】形成する偏光選択層の厚さは、0.1μm
以上であることが好ましく、1μm以上であることがよ
り好ましく、3μm以上であることがさらに好ましく、
10μm以上であることが最も好ましい。偏光選択層の
厚さは、1000μm以下であることが好ましく、50
0μm以下であることがより好ましく、300μm以下
であることがさらに好ましく、100μm以下であるこ
とがさらにまた好ましく、70μm以下であることが最
も好ましい。偏光選択層は、上記のように、任意の支持
体(例えば、バンドまたはドラムのような無端支持体)
の上に形成し、支持体から剥ぎ取ってから(III)の光照
射を実施し、それを透明支持体にラミネートすることが
できる。また、透明支持体に塗布した後、そのまま(II
I)の光照射を実施して用いることもできる。また、任意
の支持体の上に偏光選択層を形成し、(III)の光照射を
実施して、それから透明支持体に転写してもよい。
【0073】(III)の光照射は、光として直線偏光を用
いることが好ましい。また、なるべく単一方向から光を
照射することも好ましい。単一方向とは、層の平面(光
の方向を平面に投影した向き)において単一の方向であ
ることを意味し、平面に対して水平または垂直の方向も
含む。光の波長は、一般に190乃至1600nmであ
り、320nm以下(紫外線)であることが好ましい。
具体的な波長は、光配向性化合物の光配向性官能基の種
類に応じて決定する。光源としては、水銀灯、キセノン
灯、蛍光灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプお
よび不活性ガスレーザーが好ましい。光源から出射され
た紫外線は、偏光素子を利用して紫外線偏光とする。偏
光素子は、プリズム系素子(例、グラントムソンプリズ
ム)またはブリュースター角を利用した反射型素子であ
ることが好ましい。なお、不活性ガスレーザーを光源と
する紫外線は偏光となっている場合がある。その場合に
は、偏光素子は不要である。非偏光を用いる場合は、斜
めに光を照射する必要がある。非偏光の斜め照射による
光学異方性の発現(配向)については、Polym.Mater.Sc
i.Eng.,66.P.263 (1992)に記載がある。
【0074】露光量は、1mJ/cm2 以上であること
が好ましく、10mJ/cm2 以上であることがより好
ましく、20mJ/cm2 以上であることがさらに好ま
しく、40mJ/cm2 以上であることがさらにまた好
ましく、80mJ/cm2 以上であることが最も好まし
い。露光量は、10J/cm2 以下であることが好まし
く、2J/cm2 以下であることがより好ましく、1J
/cm2 以下であることがさらに好ましく、500mJ
/cm2 以下であることが最も好ましい。露光強度は、
20乃至2000mW/cm2 であることが好ましく、
40乃至1000mW/cm2 であることがさらに好ま
しく、80乃至500mW/cm 2 であることが最も好
ましい。短時間で光学的異方性を発現させるために、加
熱しながら光を照射してもよい。
【0075】(光吸収型偏光素子)光吸収型偏光素子
は、所定の偏光を選択的に透過し、他の偏光を選択的に
吸収する偏光選択層を有する。上記「所定の偏光」と
「他の偏光」とは、一般に偏光面が互いに直交する。光
吸収型偏光素子の偏光選択層は、一般にポリビニルアル
コール系フイルムからなる光吸収型偏光素子が用いられ
ている。ポリビニルアルコール系フイルムを延伸し、ヨ
ウ素または二色性染料を吸着することにより光吸収型偏
光素子の偏光選択層が得られる。光吸収型偏光素子の透
過軸(偏光軸)は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に
相当する。光吸収型偏光素子の偏光度は、99%以上で
あることが好ましい。偏光度は、下記式で定義される値
である。 偏光度=100×{(P−C)/(P+C)}1/2 式中、Pは透過軸を平行にした2枚の偏光素子を透過す
る光の透過率であり;そして、Cは透過軸を直交させた
2枚の偏光素子を透過する光の透過率である。光吸収型
偏光素子は、市販されており、市販品を用いてもよい。
【0076】(偏光板)光散乱型偏光素子と、光吸収型
偏光素子とを積層して偏光板として用いる。光散乱型偏
光素子の透過軸と光吸収型偏光素子の透過軸とは、実質
的に平行になるように配置する。偏光板は、直線偏光板
として機能する。偏光板とλ/4板とを積層すること
で、積層体を円偏光板として機能させることもできる。
円偏光板では、偏光板の透過軸とλ/4板の遅相軸との
角度を、実質的に45゜になるように配置する。円偏光
板を液晶表示装置に組み込む場合、一般に、バックライ
ト側からλ/4板、光散乱型偏光素子、光吸収型偏光素
子の順序で配置する。光散乱型偏光素子の偏光選択層側
表面に、反射防止層を設けることもできる。反射防止層
により表面反射が減少し、結果としてディスプレイの輝
度を上昇させることができる。反射防止層としては、低
屈折率層と高屈折率層の積層体(日本写真学会誌29、
137頁(1966)記載)あるいは低屈折率層一層の
みを設けることができる。
【0077】偏光板と液晶表示装置の光学補償シートと
を組み合わせることもできる。本発明の偏光板と光学補
償フイルムとを組み合わせると、液晶表示装置の視野角
を著しく拡大し、高い輝度の画像が得られる。透明支持
支持体上にディスコティック液晶性化合物から形成した
光学異方性層を有する光学補償シート(特許第2587
398号公報記載)が好ましい。光学補償シートの透明
支持体は、偏光板の透明支持体(前述)とは異なり、光
学的異方性を有することが好ましい。特開平7−191
217号公報に記載されているように、光学補償シート
と偏光板と一体化することもできる。
【0078】(液晶表示装置)偏光板は、液晶表示装置
に組み込んで使用する。本発明は、液晶表示装置がツイ
ストネマチック配向モードの液晶セル、ベンド配向モー
ドの液晶セルまたは水平配向モードの液晶セルを有する
場合に、特に効果がある。透過型液晶表示装置では、液
晶セルの両側(バックライト側と観察者側)に二枚の偏
光板を使用する。本発明の偏光板をバックライト側の偏
光板として使用すると、液晶表示装置の光の利用効率を
改善できる。一体型の偏光板は、バックライト付き透過
型の液晶表示装置のバックライト側の偏光板に、異方性
散乱体が偏光素子よりバックライト側になるように配置
して用いる。これにより、偏光素子のみからなる偏光板
を用いた液晶表示装置よりもバックライト光の偏光板透
過率を高い、明るく鮮明な液晶表示装置が得られる。偏
光素子の光吸収軸に平行な偏光成分は偏光素子内部でそ
の100%近くが吸収される。一体型の偏光素子におい
ては、偏光素子の光吸収軸と異方性散乱層の散乱軸が平
行に配置されている。そのため、バックライトの光吸収
軸に平行な偏光成分は、最初に入射する異方性散乱層で
強く散乱を受け、後方散乱光がバックライト側に戻され
る。
【0079】後方散乱光の大部分は、バックライト部分
(例えば、導光板、光拡散板、集光シート)で散乱反射
された後に再び異方性散乱層に入射する。この再入射し
た光は、散乱に基づく偏光解消を受けて楕円偏光になる
ため、偏光素子の光透過軸に平行な偏光成分が出現す
る。また、前方散乱光についても僅かに散乱解消によっ
て楕円偏光となるため、光透過軸に平行な偏光成分が出
現する。これらの結果として、偏光素子の光透過軸に平
行な偏光成分が増加し、トータルでバックライト光の偏
光板透過率が上昇する。一体型の偏光板の偏光度につい
ては、一体化された偏光素子の高い偏光度がそのまま維
持され、偏光素子単独の偏光度と同等以上の値を得るこ
とができる。ツイストネマチック(TN)配向モードの
液晶セルは、最も普通に(特に、TFT液晶表示装置
に)用いられている液晶セルであって、様々な文献に記
載がある。本発明の偏光板と光学異方性透明支持体上に
ディスコティック液晶性化合物から形成した光学異方性
層を有する光学補償シートとを一体化した積層体を、ツ
イストネマチック配向モードの液晶表示装置に組み込む
場合、ディスコティック液晶性化合物の円盤面の法線の
光学異方性透明支持体面への正射影の平均方向と光学異
方性透明支持体の面内遅相軸との角度が実質的に平行ま
たは実質的に垂直になるように、光学異方性層と光学異
方性透明支持体とを配置する。また、光学異方性透明支
持体の面内遅相軸と偏光板の面内透過軸とは、実質的に
平行または実質的に垂直になるように、光学異方性透明
支持体と偏光板とを配置する。
【0080】ベンド配向モードの液晶セルは、セル中央
部の液晶分子がねじれ配向していてもよい。ベンド配向
液晶セルでは、液晶性化合物の屈折率異方性Δnと、液
晶セルの液晶層の厚みdとの積(Δn×d)は、輝度と
視野角を両立させるために、100乃至2000nmの
範囲であることが好ましく、150乃至1700nmの
範囲であることがさらに好ましく、500乃至1500
nmの範囲であることが最も好ましい。本発明の偏光板
と光学異方性透明支持体上にディスコティック液晶性化
合物から形成した光学異方性層を有する光学補償シート
とを一体化した積層体を、ベンド配向モードの液晶表示
装置に組み込む場合、ディスコティック液晶性化合物の
円盤面の法線の光学異方性透明支持体面への正射影の平
均方向と光学異方性透明支持体の面内遅相軸との角度が
実質的に45゜になるように、光学異方性層と光学異方
性透明支持体とを配置する。また、光学異方性透明支持
体の面内遅相軸と偏光板の面内透過軸とが実質的に平行
または実質的に垂直になるように、透明支持体と偏光板
とを配置する。
【0081】水平配向液晶セルでは、液晶性化合物の屈
折率異方性Δnと、液晶セルの液晶層の厚みdとの積
(Δn×d)は、輝度と視野角を両立させるために、1
00乃至2000nmの範囲であることが好ましく、1
00乃至1000nmの範囲であることがさらに好まし
く、100乃至700nmの範囲であることが最も好ま
しい。本発明の偏光板と光学異方性透明支持体上にディ
スコティック液晶性化合物から形成した光学異方性層を
有する光学補償シートとを一体化した積層体を、水平配
向モードの液晶表示装置に組み込む場合、ディスコティ
ック液晶性化合物の円盤面の法線の光学異方性透明支持
体面への正射影の平均方向と光学異方性透明支持体の面
内遅相軸との角度が実質的に45゜になるように、光学
異方性層と光学異方性透明支持体とを配置する。また、
光学異方性透明支持体の面内遅相軸と偏光板の面内透過
軸とが実質的に平行または実質的に垂直になるように、
光学異方性透明支持体と偏光板とを配置する。液晶セル
は、いずれも、ノーマリーホワイトモード(NWモー
ド)またはノーマリーブラックモード(NBモード)で
用いることができる。ことが好ましい。
【0082】[実施例1] (屈折率の測定)偏光素子の製造後では屈折率の測定が
難しいため、製造前に光学的等方性連続相と光学的異方
性不連続相との屈折率を測定した。ゼラチン(光学的等
方性連続相のポリマーマトリックス)10質量部を水9
0質量部に加え、加熱しながら溶解した。得られた溶液
を高屈折率ガラス上に塗布し、乾燥した。形成したゼラ
チン膜(光学的等方性相)の屈折率をナトリウムのD線
においてアッベ屈折計で測定したところ、いずれの方向
の屈折率も1.54であった。光配向性ポリマー(PA
−5、光二量化ポリマー)をジクロロメタンに溶解して
30質量%溶液を調製した。溶液を高屈折率ガラス上に
塗布し、乾燥した後、室温で波長365nmの直線偏光
(200mW/cm2 )を10秒間照射した。形成した
光配向性ポリマーの被膜(光学的異方性相)の屈折率を
アッベ屈折計で測定したところ、偏向方向の屈折率(n
e)は1.64、偏向方向と直交する方向の屈折率(n
o)は1.54であった。
【0083】(光散乱型偏光素子の作製)ゼラチン10
質量部を水90質量部に加え、加熱しながら溶解した。
得られた溶液に、光配向性ポリマー(PA−5、光二量
化ポリマー)の30質量%ジクロロメタン溶液2質量部
を添加し、ホモジナイザーを用いて乳化した。セルロー
ストリアセテートフイルム(透明支持体)に、ゼラチン
下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、得られた
乳化液を塗布し、乾燥した。形成した厚さ30μmの被
膜に、室温で波長365nmの直線偏光(200mW/
cm2)を10秒間照射し、光散乱型偏光素子を作製し
た。
【0084】(偏光板の作製)作製した光散乱型偏光素
子と、市販の光吸収型偏光素子とを接着剤を介して積層
し、偏光板を作製した。偏光板を液晶表示装置用バック
ライトの上に配置した。光散乱型偏光素子の透過軸(光
学的等方性連続相の屈折率と光学的異方性不連続相の屈
折率とが実質的に等しくなる方向)と光吸収型偏光素子
の透過軸とは、平行になるように配置した。その状態で
透過率を測定したところ、45%であった。
【0085】[実施例2] (屈折率の測定)光配向性ポリマー(PA−1、光異性
化ポリマー)をシクロヘキサノンに溶解して30質量%
溶液を調製した。溶液を高屈折率ガラス上に塗布し、乾
燥した後、室温で波長435nmの直線偏光(200m
W/cm2 )を10秒間照射した。形成した光配向性ポ
リマーの被膜(光学的異方性相)の屈折率をアッベ屈折
計で測定したところ、偏向方向の屈折率(ne)は1.
54、偏向方向と直交する方向の屈折率(no)は1.
62であった。
【0086】(光散乱型偏光素子の作製)ゼラチン10
質量部を水90質量部に加え、加熱しながら溶解した。
得られた溶液に、光配向性ポリマー(PA−1、光異性
化ポリマー)の30質量%シクロヘキサノン溶液2質量
部を添加し、ホモジナイザーを用いて乳化した。セルロ
ーストリアセテートフイルム(透明支持体)に、ゼラチ
ン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、得られ
た乳化液を塗布し、乾燥した。形成した厚さ30μmの
被膜に、室温で波長435nmの直線偏光(200mW
/cm2)を10秒間照射し、光散乱型偏光素子を作製
した。
【0087】(偏光板の作製)作製した光散乱型偏光素
子と、市販の光吸収型偏光素子とを接着剤を介して積層
し、偏光板を作製した。偏光板を液晶表示装置用バック
ライトの上に配置した。光散乱型偏光素子の透過軸(光
学的等方性連続相の屈折率と光学的異方性不連続相の屈
折率とが実質的に等しくなる方向)と光吸収型偏光素子
の透過軸とは、平行になるように配置した。その状態で
透過率を測定したところ、44.5%であった。
【0088】[実施例3] (屈折率の測定)光配向性ポリマー(PA−5、光二量
化ポリマー)10質量部および棒状液晶性化合物(N2
6)90質量部を混合した。混合物をジクロロメタンに
溶解して、30質量%溶液を調製した。溶液を高屈折率
ガラス上に塗布し、乾燥した後、室温で波長365nm
の直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射し
た。さらに、波長310nmの非偏光(200mW/c
2 )を10秒間照射して、棒状液晶性化合物を重合さ
せて配向状態を固定した。形成した被膜(光学的異方性
相)の屈折率をアッベ屈折計で測定したところ、偏向方
向の屈折率(ne)は1.66、偏向方向と直交する方
向の屈折率(no)は1.54であった。
【0089】(光散乱型偏光素子の作製)ゼラチン10
質量部を水90質量部に加え、加熱しながら溶解した。
得られた溶液に、光配向性ポリマー(PA−5、光二量
化ポリマー)10質量部および棒状液晶性化合物(N2
6)90質量部からなる混合物の30質量%ジクロロメ
タン溶液2質量部を添加し、ホモジナイザーを用いて乳
化した。セルローストリアセテートフイルム(透明支持
体)に、ゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層
の上に、得られた乳化液を塗布し、乾燥した。形成した
厚さ30μmの被膜に、室温で波長365nmの直線偏
光(200mW/cm2)を10秒間照射した。さら
に、波長310nmの非偏光(200mW/cm2)を
10秒間照射して、棒状液晶性化合物を重合させて配向
状態を固定し、光散乱型偏光素子を作製した。
【0090】(偏光板の作製)作製した光散乱型偏光素
子と、市販の光吸収型偏光素子とを接着剤を介して積層
し、偏光板を作製した。偏光板を液晶表示装置用バック
ライトの上に配置した。光散乱型偏光素子の透過軸(光
学的等方性連続相の屈折率と光学的異方性不連続相の屈
折率とが実質的に等しくなる方向)と光吸収型偏光素子
の透過軸とは、平行になるように配置した。その状態で
透過率を測定したところ、46%であった。
【0091】[実施例4] (屈折率の測定)光配向性ポリマー(PA−1、光異性
化ポリマー)10質量部および棒状液晶性化合物(N2
6)90質量部をシクロヘキサノンに溶解して30質量
%溶液を調製した。溶液を高屈折率ガラス上に塗布し、
乾燥した後、室温で波長435nmの直線偏光(200
mW/cm2 )を10秒間照射した。偏光照射後、13
0℃で30分間加熱した。さらに、波長310nmの非
偏光(200mW/cm2)を10秒間照射して、棒状
液晶性化合物を重合させて配向状態を固定した。形成し
た被膜(光学的異方性不連続相)の屈折率をアッベ屈折
計で測定したところ、偏向方向の屈折率(ne)は1.
54、偏向方向と直交する方向の屈折率(no)は1.
65であった。
【0092】(光散乱型偏光素子の作製)ゼラチン10
質量部を水90質量部に加え、加熱しながら溶解した。
得られた溶液に、光配向性ポリマー(PA−1、光異性
化ポリマー)10質量部および棒状液晶性化合物(N2
6)90質量部からなる混合物の30質量%シクロヘキ
サノン溶液2質量部を添加し、ホモジナイザーを用いて
乳化した。セルローストリアセテートフイルム(透明支
持体)に、ゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り
層の上に、得られた乳化液を塗布し、乾燥した。形成し
た厚さ30μmの被膜に、室温で波長435nmの直線
偏光(200mW/cm2)を10秒間照射した。偏光
照射後、130℃で30分間加熱した。さらに、波長3
10nmの非偏光(200mW/cm2 )を10秒間照
射して、光散乱型偏光素子を作製した。
【0093】(偏光板の作製)作製した光散乱型偏光素
子と、市販の光吸収型偏光素子とを接着剤を介して積層
し、偏光板を作製した。偏光板を液晶表示装置用バック
ライトの上に配置した。光散乱型偏光素子の透過軸(光
学的等方性連続相の屈折率と光学的異方性不連続相の屈
折率とが実質的に等しくなる方向)と光吸収型偏光素子
の透過軸とは、平行になるように配置した。その状態で
透過率を測定したところ、45.5%であった。
【0094】[実施例5] (円偏光板の作製)実施例2で作製した偏光板の光散乱
型偏光素子側に、λ/4板を積層して円偏光板を作製し
た。偏光板の透過軸とλ/4板の遅相軸とは、同一平面
で45゜の角度で交差するように配置した。円偏光板の
λ/4板側を液晶表示装置用バックライトの上に配置し
た。その状態で透過率を測定したところ、49%であっ
た。
【0095】[参考例1]市販の光吸収型偏光素子を、
液晶表示装置用バックライトの上に配置した。その状態
で透過率を測定したところ、41%であった。
【0096】[実施例6] (屈折率の測定)ゼラチン10質量部を水90質量部に
加熱溶解した溶液を高屈折率ガラス上に塗布し、乾燥さ
せた。ゼラチンフイルム(光学的等方性相)の屈折率を
アッベ屈折計で測定したところ、いずれの方向も1.5
4であった。光配向性ポリマー(PA−5、光二量化ポ
リマー)の30質量%ジクロロメタン溶液を高屈折率ガ
ラス上に塗布し、乾燥させた後、室温で波長365nm
の直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射し
た。光配向性ポリマーのフイルム(光学的異方性相)で
は偏向方向の屈折率(ne)は1.64、偏向方向と直
交方向の屈折率(no)は1.54であった。
【0097】(光散乱型偏光素子の作製)ゼラチン10
質量部を水90質量部に加熱溶解した溶液に、光配向性
ポリマー(PA−5、光二量化ポリマー)の30質量%
ジクロロメタン溶液を2質量部添加し、ホモジナイザー
を用いて分散させた。この液をゼラチン下塗層を設けた
セルローストリアセテートフイルム(透明支持体)に塗
布し、乾燥させた。さらに、室温で波長365nmの直
線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射し、光散
乱型偏光素子を作製した。
【0098】(偏光板の作製)延伸したポリビニルアル
コールフイルムにヨウ素を吸着させて、光吸収型偏光素
子を作製した。光吸収型偏光素子の片側に、ポリビニル
アルコール系接着剤を用いて、作製した光散乱型偏光素
子を、偏光選択層が外側となるように貼り付けた。反対
側には、セルローストリアセテートフイルム(フジタッ
ク、富士写真フイルム(株)製)を同様にポリビニルア
ルコール系接着剤を用いて貼り付けた。作製した偏光板
を、光散乱型偏光素子がバックライト側となるように、
バックライト上に配置したときの透過率を測定したとこ
ろ、46%であった。
【0099】[実施例7] (屈折率の測定)光配向性ポリマー(PA−1、光異性
化ポリマー)の30質量%シクロヘキサノン溶液を、高
屈折率ガラス上に塗布し、乾燥させた後、室温で波長4
35nmの直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間
照射した。偏光照射後、130℃で30分間加熱処理し
た。直線偏光照射した光配向性ポリマーのフイルム(光
学的異方性相)では偏向方向の屈折率(ne)が1.6
2、偏向方向と直交方向の屈折率(no)が1.54で
あった。
【0100】(光散乱型偏光素子の作製)ゼラチン10
質量部を水90質量部に加熱溶解した溶液に、光配向性
ポリマー(PA−1、光異性化ポリマー)の30質量%
ジクロロメタン溶液を2質量部添加し、ホモジナイザー
を用いて分散させた。ゼラチン下塗層を設けたセルロー
ストリアセテートフイルム(透明支持体)上にこの液を
塗布し、乾燥させた。さらに、室温で波長435nmの
直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射し、偏
光照射後、130℃で30分間加熱処理し、光散乱型偏
光素子を作製した。
【0101】(偏光板の作製)延伸したポリビニルアル
コールフイルムにヨウ素を吸着させて、光吸収型偏光素
子を作製した。光吸収型偏光素子の片側に、ポリビニル
アルコール系接着剤を用いて、作製した光散乱型偏光素
子を、偏光選択層が外側となるように貼り付けた。反対
側には、セルローストリアセテートフイルム(フジタッ
ク、富士写真フイルム(株)製)を同様にポリビニルア
ルコール系接着剤を用いて貼り付けた。作製した偏光板
を、光散乱型偏光素子がバックライト側となるように、
バックライト上に配置したときの透過率を測定したとこ
ろ、45.5%であった。
【0102】[実施例8] (屈折率の測定)光配向性ポリマー(PA−5、光二量
化ポリマー)10質量部と棒状液晶性化合物(N26)
90質量部との混合物の30質量%ジクロロメタン溶液
を高屈折率ガラス上に塗布し、乾燥させた後、室温で波
長365nmの直線偏光(200mW/cm2 )を10
秒間照射した。この後、波長310nmの非偏光(20
0mW/cm2 )を10秒間照射し、棒状液晶性化合物
を重合させて配向を固定した。直線偏光照射したフイル
ム(光学異方性相)では偏向方向の屈折率(ne)が
1.66、偏向方向と直交方向の屈折率(no)が1.
54であった。
【0103】(光散乱型偏光素子の作製)ゼラチン10
質量部を水90質量部に加熱溶解した溶液に、光配向性
ポリマー(PA−5、光二量化ポリマー)10質量部と
棒状液晶性化合物(N26)90質量部との混合物の3
0質量%ジクロロメタン溶液を2質量部添加し、ホモジ
ナイザーを用いて分散させた。ゼラチン下塗層を設けた
セルローストリアセテートフイルム(透明支持体)上に
この液を塗布し、乾燥させた。このフイルムに室温で波
長365nmの直線偏光(200mW/cm2 )を10
秒間照射した。この後、波長310nmの非偏光(20
0mW/cm2 )を10秒間照射し、棒状液晶性化合物
を重合させて配向を固定し、光散乱型偏光素子を作製し
た。
【0104】(偏光板の作製)延伸したポリビニルアル
コールフイルムにヨウ素を吸着させて、光吸収型偏光素
子を作製した。光吸収型偏光素子の片側に、ポリビニル
アルコール系接着剤を用いて、作製した光散乱型偏光素
子を、偏光選択層が外側となるように貼り付けた。反対
側には、セルローストリアセテートフイルム(フジタッ
ク、富士写真フイルム(株)製)を同様にポリビニルア
ルコール系接着剤を用いて貼り付けた。作製した偏光板
を、光散乱型偏光素子がバックライト側となるように、
バックライト上に配置したときの透過率を測定したとこ
ろ、47%であった。
【0105】[実施例9] (屈折率の測定)光配向性ポリマー(PA−1、光異性
化ポリマー)10質量部と棒状液晶性化合物(N26)
90質量部との混合物の30質量%シクロヘキサノン溶
液を高屈折率ガラス上に塗布し、乾燥させた後、室温で
波長435nmの直線偏光(200mW/cm2 )を1
0秒間照射した。偏光照射後、130℃で30分間加熱
処理した。この後、波長310nmの非偏光(200m
W/cm2 )を10秒間照射し、棒状液晶性化合物を重
合させて配向を固定した。直線偏光照射したフイルム
(光学異方性相)では偏向方向の屈折率(ne)が1.
65、偏向方向と直交方向の屈折率(no)が1.54
であった。
【0106】(光散乱型偏光素子の作製)ゼラチン10
質量部を水90質量部に加熱溶解した溶液に、光配向性
ポリマー(PA−1、光異性化ポリマー)10質量部と
棒状液晶性化合物(N26)90質量部90質量部との
混合物の30質量%ジクロロメタン溶液を2質量部添加
し、ホモジナイザーを用いて分散させた。ゼラチン下塗
層を設けたセルローストリアセテートフイルム(透明支
持体)上にこの液を塗布し、乾燥させた。このフイルム
に室温で波長435nmの直線偏光(200mW/cm
2 )を10秒間照射した。偏光照射後、130℃で30
分間加熱処理した。この後、波長310nmの非偏光
(200mW/cm2 )を10秒間照射し、棒状液晶性
化合物を重合させて配向を固定して、光散乱型偏光素子
を作製した。
【0107】(偏光板の作製)延伸したポリビニルアル
コールフイルムにヨウ素を吸着させて、光吸収型偏光素
子を作製した。光吸収型偏光素子の片側に、ポリビニル
アルコール系接着剤を用いて、作製した光散乱型偏光素
子を、偏光選択層が外側となるように貼り付けた。反対
側には、セルローストリアセテートフイルム(フジタッ
ク、富士写真フイルム(株)製)を同様にポリビニルア
ルコール系接着剤を用いて貼り付けた。作製した偏光板
を、光散乱型偏光素子がバックライト側となるように、
バックライト上に配置したときの透過率を測定したとこ
ろ、46.5%であった。
【0108】[実施例10] (円偏光板の作製)実施例7で作製した偏光板の光散乱
型偏光素子側に、λ/4板を積層して円偏光板を作製し
た。偏光板の透過軸とλ/4板の遅相軸とは、同一平面
で45゜の角度で交差するように配置した。円偏光板の
λ/4板側を液晶表示装置用バックライトの上に配置し
た。その状態で透過率を測定したところ、50%であっ
た。
【0109】[実施例11] (光学異方性透明支持体の作製)下記組成のセルロース
アセテート溶液をミキシングタンクに投入し、加熱攪拌
して溶解した。
【0110】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 TPP(トリフェニルホスフェート) 7.8質量部 BDP(ビフェニルジフェニルホスフェート) 3.9質量部 メチレンクロライド 300質量部 メタノール 54質量部 1−ブタノール 11質量部 ────────────────────────────────────
【0111】別のミキシングタンクに、下記の溶液を加
熱攪拌、溶解して作製し、上記ドープ474質量部に対
し22質量部添加して充分攪拌混合した。
【0112】 ──────────────────────────────────── レターデーション上昇剤溶液組成 ──────────────────────────────────── 2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン 12質量部 2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン 4質量部 メチレンクロライド 80質量部 メタノール 20質量部 ────────────────────────────────────
【0113】セルロースアセテート溶液とレターデーシ
ョン上昇剤溶液との混合液(ドープ)を、流延口からを
0℃に冷却したドラム上に流延した。フイルムの溶媒含
有率70質量%の状態で剥取り、両端をピンテンターに
固定し、3〜5質量%の領域で機械方向と垂直方向の延
伸率3%となる間隔に保ちつつ乾燥し、その後多数のロ
ールを有する熱処理装置の中を搬送することにより乾燥
した。ガラス転移温度である120℃を越える領域で
は、機械方向の延伸率が実質0%であった。剥取り時に
機械方向に4%延伸するため、機械方向と垂直方向の延
伸率と機械方向の全延伸率の比は0.75となるように
して、厚さ107μmのセルロースアセテートフイルム
を作製した。このようにしてセルロースアセテートフイ
ルムを作製した。得られたフイルムの弾性率は、機械方
向(MD)で430kg/mm2 、機械方向に垂直な方
向(TD)で360kg/mm2 、MD/TD比が1.
19であった。また、Rthは80nm、Reは11nm
であった。後述の下塗後も、支持体フイルム表面への析
出が認められず、光学異方性の高いムラのない良好な透
明支持体が得られた。
【0114】(下塗り層の形成)光学異方性透明支持体
に下記組成の塗布液を28ml/m2 塗布、乾燥し、
0.1μmのゼラチン下塗り層を塗設した。
【0115】 ──────────────────────────────────── ゼラチン下塗り層塗布液組成 ──────────────────────────────────── ゼラチン 0.542質量部 ホルムアルデヒド 0.136質量部 サリチル酸 0.160質量部 アセトン 39.1質量部 メタノール 15.8質量部 メチレンクロライド 40.6質量部 水 1.2質量部 ────────────────────────────────────
【0116】ゼラチン下塗り層の上に下記組成の塗布液
を7ml/m2 塗布、乾燥して、第2下塗り層を設け
た。
【0117】 ──────────────────────────────────── 第2下塗り層塗布液組成 ──────────────────────────────────── 下記のアニオン性コポリマー 0.079質量部 クエン酸モノエチルエステル 1.01質量部 アセトン 20質量部 メタノール 87.7質量部 水 4.05質量部 ────────────────────────────────────
【0118】
【化16】
【0119】さらに、光学異方性透明支持体の反対側
に、下記組成の塗布液を25ml/m 2 塗布、乾燥し、
バック層を設けた。
【0120】 ──────────────────────────────────── バック層塗布液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度55%のセルロースジアセテート 0.656質量部 シリカ系マット剤(平均粒径:1μm) 0.065質量部 アセトン 67.9質量部 メタノール 10.4質量部 ────────────────────────────────────
【0121】(光学異方性層の形成)第2下塗り層の上
に、厚さ0.5μmのポリビニルアルコール系配向膜を
設け、表面をラビング処理した。配向膜の上に、下記の
ディスコティック液晶性化合物9.1g、エチレンオキ
サイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(SP327、大阪有機化学(株)製) 0.9g、セ
ルロ−スアセテ−トブチレ−ト(CAB551−0.
2、イ−ストマンケミカル社製)0.2g、セルロ−ス
アセテ−トブチレ−ト(CAB531−1、イ−ストマ
ンケミカル社製)0.05g、光重合開始剤(イルガキ
ュアー907、チバガイギー社製)3.0gおよび光増
感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.
1gを、20.67gのメチルエチルケトンに溶解した
塗布液を、#4のワイヤーバーで塗布した。これを、金
属の枠に貼りつけて120℃の高温槽中で3分間加熱
し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。12
0℃のまま高圧水銀灯を用いて1分間UV照射し、室温
まで放冷して、ディスコティック液晶性化合物を含む光
学異方性層を形成した。
【0122】
【化17】
【0123】光学異方性層の厚さは、1.9μmであっ
た。光学異方性層と光学異方性透明支持体との積層体
(光学補償シート)のレターデーションを、配向膜のラ
ビング方向に沿って測定したところ、光学軸の平均傾斜
角は18.2゜、厚み方向のレターデーション(Rth)
は156nm、面内レターデーション(Re)は33n
mであった。
【0124】(光学異方性層付き偏光板の作製)延伸し
たポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させ
て、光吸収型偏光素子を作製した。光吸収型偏光素子の
片側に、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、光学
異方性層と光学異方性透明支持体との積層体を、光学異
方性層が外側となるように貼り付けた。反対側には、ポ
リビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例6で作製
した光散乱型偏光素子を偏光選択層が外側となるように
貼り付けた。光吸収型偏光素子の透過軸と、光学異方性
層と光学異方性透明支持体との積層体の遅相軸とは、平
行になるように配置した。更に光吸収型偏光素子の透過
軸と、光散乱型偏光素子の透過軸(ne方向)も平行に
なるように配置し、光学異方性層付き偏光板を作製し
た。光学異方性層付き偏光板をアクリル系接着剤を用い
てガラス板に貼り付け、高温、加圧下でエイジングした
後、90℃の恒温槽に入れ、500時間放置した。偏光
板を調べたところ、剥離、泡の発生あるいは皺の発生の
ような問題は全く認められなかった。さらに500時間
(合計1000時間)90℃の恒温槽に入れてから調べ
ても、剥離、泡の発生あるいは皺の発生のような問題は
全く認められなかった。
【0125】[実施例12] (液晶表示装置の作製)ITO透明電極が設けられたガ
ラス基板の上に、ポリイミド配向膜を設け、ラビング処
理を行った。5μmのスペーサーを介して、二枚の基板
を配向膜が向かい合うように重ねた。配向膜のラビング
方向が直交するように、基板の向きを調節した。基板の
間隙に、棒状液晶性分子(ZL4792、メルク社製)
を注入し、液晶層を形成した。液晶性分子のΔnは0.
0969であった。以上のように作製したTN液晶セル
のバックライト側に、実施例11で作製した光学異方性
層付き偏光板を貼り付け、反対側には光散乱型偏光素子
がない光学異方性層付き偏光板を貼り付けて、液晶表示
装置を作製した。光学異方性層と光学異方性透明支持体
との積層体の遅相軸と、液晶セルのラビング方向とは、
直交するように配置した。
【0126】図6は、作製した液晶表示装置の断面模式
図である。図6に示す液晶表示装置は、透明支持体
(1)、光吸収型偏光素子(2)、光学異方性層付き透
明支持体(3)、TN液晶セル(4)、光学異方性層付
き透明支持体(5)、光吸収型偏光素子(6)、光散乱
型偏光素子(7)、そしてバックライト(8)が、この
順に積層された構成を有する。光学異方性層付き透明支
持体(5)、光吸収型偏光素子(6)および光散乱型偏
光素子(7)が、偏光板(9)を構成する。
【0127】液晶表示装置の液晶セルに、電圧を印加
し、白表示2V、黒表示5Vにおける白表示と黒表示と
の透過率の比をコントラスト比として、上下左右でコン
トラスト比が10、かつ階調反転のない領域を視野角と
して測定した。その結果、上下の視野角は125゜、左
右の視野角は165゜であった。また、正面コントラス
トは、230であった。従来の偏光板を用いた液晶表示
装置と比較したところ、正面輝度が約40%上昇した。
【0128】[実施例13] (光学異方性透明支持体の作製)室温において、平均酢
化度60.9%のセルロースアセテート45質量部、下
記のレターデーション上昇剤1.62質量部、メチレン
クロリド232.72質量部、メタノール42.57質
量部およびn−ブタノール8.50質量部を混合して、
溶液(ドープ)を調製した。得られたドープを、有効長
6mのバンド流延機を用いて、乾燥膜厚が100μmに
なるように流延して乾燥した。得られたセルロースアセ
テートフイルム(光学異方性透明支持体)について、エ
リプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用
いて、波長550nmにおけるレターデーションを測定
したところ、Reレターデーション値が5nm、Rthレ
ターデーション値が120nmであった。
【0129】
【化18】
【0130】(光学異方性層の形成)光学異方性透明支
持体にゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の
上に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコー
ターで28ml/m2 塗布した。60℃の温風で60
秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。次に、光
学異方性透明支持体の遅相軸(波長632.8nmで測
定)と45゜の方向に、形成した膜に対してラビング処
理を実施した。
【0131】 ──────────────────────────────────── 配向膜塗布液組成 ──────────────────────────────────── 下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部 水 371質量部 メタノール 119質量部 グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部 ────────────────────────────────────
【0132】
【化19】
【0133】配向膜上に、実施例11で用いたディスコ
ティック液晶性化合物41.01g、エチレンオキサイ
ド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#
360、大阪有機化学(株)製)4.06g、セルロー
スアセテートブチレート(CAB551−0.2、イー
ストマンケミカル社製)0.90g、セルロースアセテ
ートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミ
カル社製)0.23g、光重合開始剤(イルガキュアー
907、チバガイギー社製)1.35g、増感剤(カヤ
キュアーDETX、日本化薬(株)製)0.45gを、
102gのメチルエチルケトンに溶解した塗布液を、#
3のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付
けて、130℃の恒温槽中で2分間加熱し、ディスコテ
ィック液晶性化合物を配向させた。次に、130℃で1
20W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射しデ
ィスコティック化合物を重合させた。その後、室温まで
放冷した。このようにして、光学異方性層を形成した。
波長546nmで測定した光学異方性層のReレターデ
ーション値は38nmであった。また、円盤面と光学異
方性透明支持体面との間の平均角度(平均傾斜角)は4
0゜であった。
【0134】(楕円偏光板の作製)光学異方性透明支持
体をアルカリ浴槽中でケン化処理し、ポリビニルアルコ
ールとヨウ素とからなる光吸収型偏光素子の一方の面に
接着剤を介して貼り合わせた。さらに、光学異方性層と
光学異方性透明支持体との積層体の光学異方性透明支持
体面と、光吸収型偏光素子と光学異方性透明支持体との
積層体の光学異方性透明支持体面とを粘着剤を介して貼
り合わせた。光吸収型偏光素子の透過軸と、二枚の光学
異方性透明支持体の遅相軸とは、全て平行に配置した。
光吸収型偏光素子のもう一方の面に、光散乱型偏光素子
を、光吸収型偏光素子の透過軸と光散乱型偏光素子の透
過軸(ne方向)とが平行になるように、接着剤を介し
て貼り合わせ、楕円偏光板を作製した。
【0135】(第2楕円偏光板の作製)光散乱型偏光素
子の代わりに、光学的等方性セルローストリアセテート
フイルムを用いた以外は楕円偏光板の作製と同様にし
て、第2楕円偏光板を作製した。
【0136】(ベンド配向液晶セルの作製)ITO電極
付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設
け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガ
ラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わ
せ、セルギャップを6μmに設定した。セルギャップに
Δnが0.1396の液晶性化合物(ZLI1132、
メルク社製)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製し
た。
【0137】(液晶表示装置の作製)作製したベンド配
向セルを挟むように、作製した楕円偏光板と第2楕円偏
光板とを貼り付けた。楕円偏光板は光散乱型偏光素子が
バックライト側になるように貼り付け、楕円偏光板は光
学的等方性セルローストリアセテートフイルムが視認側
になるように貼り付けた。そして、各楕円偏光板の光学
異方性層がセル基板に対面し、液晶セルのラビング方向
とそれに対面する光学異方性層のラビング方向とが反平
行となるように配置した。
【0138】[実施例14] (透明支持体の作製)厚さ100μmのセルローストリ
アセテートフイルムに、厚さ0.1μmのゼラチン下塗
り層を設けて、透明支持体を作製した。波長546nm
におけるレターデーションを測定したところ、Reレタ
ーデーション値が0.6nm、Rthレターデーション値
が35nmであった。
【0139】(配向膜の形成)透明支持体のゼラチン下
塗り層の上に、実施例13で用いた配向膜塗布液を#1
6のワイヤーバーコーターで28ml/m2 塗布した。
60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒
乾燥した。次に、透明支持体の遅相軸(波長632.8
nmで測定)と45゜の方向に、形成した膜に対してラ
ビング処理を実施した。
【0140】(光学異方性層の形成)配向膜上に、実施
例11で用いたディスコティック液晶性化合物41.0
1g、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパン
トリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)
製)4.06g、セルロースアセテートブチレート(C
AB551−0.2、イーストマンケミカル社製)0.
90g、セルロースアセテートブチレート(CAB53
1−1、イーストマンケミカル社製)0.23g、光重
合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)
1.35g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬
(株)製)0.45gを、102gのメチルエチルケト
ンに溶解した塗布液を、#3のワイヤーバーで塗布し
た。これを金属の枠に貼り付けて、130℃の恒温槽中
で2分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向
させた。次に、130℃で120W/cm高圧水銀灯を
用いて、1分間UV照射しディスコティック化合物を重
合させた。その後、室温まで放冷した。このようにし
て、光学異方性層を形成した。波長546nmで測定し
た光学異方性層のReレターデーション値は38nmで
あった。また、円盤面と透明支持体面との間の平均角度
(平均傾斜角)は40゜であった。
【0141】(楕円偏光板の作製)透明支持体をアルカ
リ浴槽中でケン化処理した。その透明支持体面を、ポリ
ビニルアルコールとヨウ素とからなる光吸収型偏光素子
の一方の面に接着剤を介して貼り合わせた。さらに、光
学異方性層と透明支持体との積層体の透明支持体面と、
光吸収型偏光素子と透明支持体との積層体の透明支持体
面とを粘着剤を介して貼り合わせた。光吸収型偏光素子
の透過軸は、透明支持体の遅相軸と直交させた。光吸収
型偏光素子のもう一方の面に、光散乱型偏光素子を、光
吸収型偏光素子の透過軸と光散乱型偏光素子の透過軸
(ne方向)とが平行になるように、接着剤を介して貼
り合わせ、楕円偏光板を作製した。
【0142】(第2楕円偏光板の作製)光散乱型偏光素
子の代わりに、光学的等方性セルローストリアセテート
フイルムを用いた以外は楕円偏光板の作製と同様にし
て、第2楕円偏光板を作製した。
【0143】(水平配向液晶セルの作製)ITO電極付
きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、
配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガラス
基板をラビング方向が反平行となる配置で向かい合わ
せ、セルギャップを3.7μmに設定した。セルギャッ
プにΔnが0.0988の液晶性化合物(ZLI479
2、メルク社製)を注入し、水平配向液晶セルを作製し
た。
【0144】(液晶表示装置の作製)作製した水平配向
セルを挟むように、作製した楕円偏光板と第2楕円偏光
板とを貼り付けた。楕円偏光板は光散乱型偏光素子がバ
ックライト側になるように貼り付け、第2楕円偏光板は
光学的等方性セルローストリアセテートフイルムが視認
側になるように貼り付けた。そして、二枚の楕円偏光板
の光学異方性層がセル基板に対面し、液晶セルのラビン
グ方向とそれに対面する光学異方性層のラビング方向と
が反平行となるように配置した。
【0145】(液晶表示装置の評価)実施例13および
14で作製した液晶表示装置について、視野角と明るさ
を評価した。結果を第1表に示す。
【0146】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 液晶表示装置 表示モード 視野角(上/下/左/右) 明るさ ──────────────────────────────────── 実施例13 ベンド配向 80゜/70゜/73゜/73゜ 600cd 実施例14 水平配向 75゜/45゜/56゜/55゜ 450cd ────────────────────────────────────
【0147】[実施例15] (偏光選択層用塗布液の調製)市販の棒状液晶性化合物
(E9、メルク・ジャパン(株)製)7.2g、ポリビ
ニルシンナメート0.3g、2−エチルヘキシルアクリ
レート2.4g、光重合開始剤(イルガキュア907、
チバガイギー社製)0.1gをジクロロメタン40gに
溶解し、孔径30μmのテフロン(登録商標)製フィル
ターでろ過して、偏光選択層用塗布液を調製した。
【0148】(光散乱型偏光素子の作製)80μmの厚
さのセルローストリアセテートフイルム(TAC−TD
80U、富士写真フイルム(株)製)に、偏光選択層用
塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥
の後、偏光紫外線露光装置((株)ニコン技術工房製)
を用いて、照度30mW/cm2 、照射量400mJ/
cm2 の直線偏光紫外線を照射して塗布層を硬化させ、
厚さ15μmの偏光選択層を形成することにより光散乱
型偏光素子を作製した。
【0149】(偏光板の作製)作製した光散乱型偏光素
子と、市販の光吸収型偏光素子とを接着剤を介して積層
し、偏光板を作製した。
【0150】[実施例16] (偏光選択層用塗布液の調製)棒状液晶性化合物(N2
6)を4.5g、ジペンタエリスリトールペンタアクリ
レートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの
混合物(DPHA、日本化薬(株)製)0.3g、光配
向性ポリマー(PA−1、光異性化ポリマー)0.1
g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー
社製)0.1gを酢酸エチル15.0gに溶解し、孔径
30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、光
学的異方性相を調製した。一方、ゼラチン(681、新
田ゼラチン(株)製)10gを水90gに溶解し、さら
に界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.2gを添加、溶解後、孔径30μmのポリプロ
ピレン製フィルターでろ過して、光学的等方性相を調製
した。光学的異方性相10gと光学的等方性相10gと
を混合した液を60℃に加温し、超音波分散によりこの
液を分散して偏光選択層用塗布液を調製した。
【0151】(光散乱型偏光素子の作製)ゼラチン下塗
り層を有する100μmの厚さのセルローストリアセテ
ートフイルム(富士写真フイルム(株)製)に、上記の
偏光選択層用塗布液をカーテンコート法により塗布し、
10℃にてゼラチンをセットさせた後、25℃で乾燥の
後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイ
グラフィックス(株)製、波長範囲200〜500n
m、最大波長365nm)を用い、光をコリメートして
平行光にしてから入射角45°、照度200mW/cm
2 、照射量400mJ/cm2 の紫外線を照射して塗布
層を硬化させ、厚さ30μmの偏光選択層を形成するこ
とにより光散乱型偏光素子を作製した。
【0152】(偏光板の作製)作製した光散乱型偏光素
子と、市販の光吸収型偏光素子とを接着剤を介して積層
し、偏光板を作製した。
【0153】[実施例17] (偏光選択層用塗布液の調製)光配向性ポリマー(PA
−5、光二量化ポリマー)4.6g、ジペンタエリスリ
トールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)
製)0.3g、光重合開始剤(イルガキュア907、チ
バガイギー社製)0.1gを酢酸エチル15.0gに溶
解し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ
過して、光学的異方性相を調製した。光学的異方性相1
0gと実施例16で調製した光学的等方性相10gとを
混合した液を60℃に加温し、超音波分散によりこの液
を分散して偏光選択層用塗布液を調製した。
【0154】(光散乱型偏光素子の作製)80μmの厚
さのセルローストリアセテートフイルム(TAC−TD
80U、富士写真フイルム(株)製)に、上記の偏光選
択層用塗布液をカーテンコート法により塗布し、10℃
にてゼラチンをセットさせた後、25℃で乾燥の後、偏
光紫外線露光装置((株)ニコン技術工房製)を用い
て、照度30mW/cm2 、照射量400mJ/cm2
の直線偏光紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ3
0μmの偏光選択層を形成することにより光散乱型偏光
素子を作製した。
【0155】(偏光板の作製)作製した光散乱型偏光素
子と、市販の光吸収型偏光素子とを接着剤を介して積層
し、偏光板を作製した。
【0156】[比較例1] (偏光選択層用塗布液の調製)市販の棒状液晶性化合物
(E9、メルク・ジャパン(株)製)7.5g、2−エ
チルヘキシルアクリレート2.4g、光重合開始剤(イ
ルガキュア907、チバガイギー社製)0.1gをジク
ロロメタン40gに溶解し、孔径30μmのテフロン製
フィルターでろ過して、偏光選択層用塗布液を調製し
た。
【0157】(光散乱型偏光素子の作製)80μmの厚
さのセルローストリアセテートフイルム(TAC−TD
80U、富士写真フイルム(株)製)に、上記の偏光選
択層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃
で乾燥の後、偏光紫外線露光装置((株)ニコン技術工
房製)を用いて、照度30mW/cm2 、照射量400
mJ/cm2 の直線偏光紫外線を照射して塗布層を硬化
させ、厚さ15μmの偏光選択層を形成することにより
光散乱型偏光素子を作製した。
【0158】(偏光板の作製)作製した光散乱型偏光素
子と、市販の光吸収型偏光素子とを接着剤を介して積層
し、偏光板を作製した。
【0159】[比較例2]実施例15の光散乱型偏光素
子の作製において、光を照射しなかったこと以外は同様
にして、光散乱型偏光素子および偏光板を作製した。
【0160】(光散乱型偏光素子の評価) 1.屈折率 光学的異方性相および光学的等方性相の屈折率をアッベ
屈折率計により測定した。光学的異方性相の屈折率を測
定する際には、光学的異方性化合物に光配向性化合物を
混合した液を高屈折率ガラスに塗布し、直線偏光を照射
して配向させてから測定した。光学的等方性相は、ポリ
マーそのものあるいは必要に応じて添加した添加剤を含
んだものを高屈折率ガラスに塗布し、測定した。屈折率
の測定結果を第2表に示す。
【0161】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 光学的異方性化合物 光学的等方性化合物 光散乱型偏光素子 n1 n2 n3 ──────────────────────────────────── 実施例15 1.78 1.53 1.53 実施例16 1.66 1.53 1.53 実施例17 1.64 1.53 1.53 比較例1 1.78 1.53 1.53 比較例2 1.78 1.53 1.53 ────────────────────────────────────
【0162】2.光線透過率、光散乱性(ヘイズ) 光散乱型偏光素子の光線透過率および光散乱性(ヘイ
ズ)をヘイズメーター(MODEL1001DP、日本
電色工業(株)製)を用いて測定した。測定は光源とフ
イルムの間に偏光素子を挿入して行い、偏光素子の透過
軸と偏光選択層の透過軸を同じにしたものを平行、直交
させたものを直交として。光線透過率は全光線透過率
を、光散乱性はヘイズを指標として評価した。偏光選択
性がある場合、平行の方が直交に比べて高透過率、低ヘ
イズとなる。光線透過率、光散乱性の測定結果を第3表
に示す。
【0163】3.面状 光散乱型偏光素子の面状を、透過軸を直交させた2枚の
偏光素子の間に試料を挟み、偏光素子の間で試料の方向
を回転させながら観察した。測定結果は第3表に示す。
【0164】
【表3】 第3表 ──────────────────────────────────── 光散乱型 全光線透過率 ヘイズ 面状 偏光素子 平行 直交 平行 直交 ──────────────────────────────────── 実施例15 85.3 46.2 5.3 82.3 均一 実施例16 80.2 55.7 10.2 63.8 均一 実施例17 82.9 51.0 8.8 79.4 均一 比較例1 59.2 61.4 28.2 28.6 散乱の異方性なし 比較例2 67.4 66.3 31.8 33.3 散乱の異方性なし ──────────────────────────────────── 註:全光線透過率の単位は、%である。
【0165】実施例15〜17の光散乱型偏光素子の透
過率は、いずれも平行では80%以上、直交で20%以
下となり高い偏光選択性を示した。実施例15〜17は
いずれもほとんど着色が無いため、ここで直交における
透過しなかった光は全て後方散乱されたと考えられる。
このフイルムを液晶表示装置に用いることにより、大き
な光の利用効率の向上が期待できる。実施例16は、本
来の光学的異方性化合物の有するΔnに比べると偏光選
択性が小さかったが、これは光照射により充分に異方性
が発揮されなかったためであり、直線偏光照射の方がよ
り優れた性能となることを示している。比較例1、2は
偏光選択性を示さなかった。これは比較例1は光配向性
化合物を含まなかったため、比較例2は光照射を行わな
かったため、光学的異方性化合物が配向しなかったため
と考えられる。実際、400倍の偏光顕微鏡下で観察を
行ったところ、小さなドメイン内で任意の方向に配向し
ていた。
【0166】[実施例18] (光の利用効率改善の確認)実施例17で作製した偏光
板をアルミニウムでできた反射板の上に偏光選択層を反
射板側にして置いて観察したところ、光散乱型偏光素子
の方が反射板が明るく見えた。これは外光が反射板で反
射し、反射光が偏光選択層において透過軸の偏光のみ透
過し、後方散乱した光が再度反射板で反射して偏光選択
層に到達することによって光の利用効率が上がったこと
を示している。
【0167】[実施例19]実施例17の偏光板を用
い、図4に示す構成の液晶表示装置を作製した。
【0168】[比較例3]光学干渉による偏光選択層を
有する市販の輝度上昇フイルム(DBEF、3M製)を
用い、図4に示す構成の液晶表示装置を作製した。
【0169】(液晶表示装置の評価)光散乱型偏光素子
を用いた実施例19の液晶表示装置は、正面だけでなく
斜めから見たときも明らかに輝度の上昇が見られた。一
方、比較例3の液晶表示装置は、正面は輝度が上昇して
いるものの、斜めから見たときはほとんど輝度の上昇は
なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学フイルムの基本的な構成を示す断面模式図
である。
【図2】光吸収型偏光素子のみを用いた従来の液晶表示
装置を示す断面模式図である。
【図3】光吸収型偏光素子と光散乱型偏光素子とを積層
せずに用いた液晶表示装置を示す断面模式図である。
【図4】光吸収型偏光素子と光散乱型偏光素子とを積層
した偏光板を用いた液晶表示装置を示す断面模式図であ
る。
【図5】光吸収型偏光素子と光散乱型偏光素子とを積層
した偏光板を用いた別の液晶表示装置を示す断面模式図
である。
【図6】実施例12で作製した液晶表示装置の断面模式
図である。
【符号の説明】
1 透明支持体 2 光吸収型偏光素子 3 光学異方性層付き透明支持体 4 TN液晶セル 5 光学異方性層付き透明支持体 6 光吸収型偏光素子 7 光散乱型偏光素子 8 バックライト 9 偏光板 11 透明支持体 12 偏光選択層 13 光学的等方性連続相 14 光学的異方性不連続相 21 バックライト光源 22 反射板 23 導光板 24 下側光吸収型偏光素子 25 上側光吸収型偏光素子 26 液晶セル 31 光散乱型偏光素子 32 偏光板 33 散乱シート 34 集光性フイルム 35 反射防止層 36 λ/4板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 網中 英一郎 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA03 BA04 BA07 BA25 BA27 BA44 BA47 BB03 BB33 BB43 BB49 BB51 BB63 BB65 BC03 BC04 BC05 BC09 BC14 BC22 2H091 FA08X FA10Z FA11Z FA29Z FA32Z FA41Z FD06 HA06 HA07 LA16

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を
    選択的に反射または散乱する偏光選択層を有する光散乱
    型偏光素子と、所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を
    選択的に吸収する偏光選択層を有する光吸収型偏光素子
    とが積層されている偏光板。
  2. 【請求項2】 さらに、少なくとも一枚の透明支持体を
    有する請求項1に記載の偏光板。
  3. 【請求項3】 光散乱型偏光素子が、透明支持体と偏光
    選択層とからなる請求項1または2に記載の偏光板。
  4. 【請求項4】 光散乱型偏光素子の偏光選択層が光学的
    等方性連続相と光学的異方性不連続相とからなる請求項
    1乃至3のいずれか一項に記載の偏光板。
  5. 【請求項5】 光散乱型偏光素子の偏光透過軸と光吸収
    型偏光素子の偏光透過軸とが実質的に平行となるように
    配置されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    偏光板。
  6. 【請求項6】 光学的等方性連続相が、高分子化合物を
    含む請求項4に記載の偏光板。
  7. 【請求項7】 偏光選択層の面内の方向において、光学
    的等方性連続相の屈折率と、光学異方性不連続相の屈折
    率との差の最小値が0.05未満である請求項4または
    6に記載の偏光板。
  8. 【請求項8】 偏光選択層の面内の方向において、光学
    的等方性連続相の屈折率と、光学異方性不連続相の屈折
    率との差の最大値が0.05以上である請求項4、6、
    7のいずれか一項に記載の偏光板。
  9. 【請求項9】 光学的異方性不連続相が、0.01乃至
    10μmの平均径を有する請求項4、6、7、8のいず
    れか一項に記載の偏光板。
  10. 【請求項10】 光学的異方性不連続相が、液晶性化合
    物を含む請求項4、6、7、8、9のいずれか一項に記
    載の偏光板。
  11. 【請求項11】 光学的異方性不連続相が、重合性基を
    有する液晶性化合物の重合生成物を含む請求項4、6、
    7、8、9のいずれか一項に記載の偏光板。
  12. 【請求項12】 光学的異方性不連続相が、光配向性官
    能基を有する化合物を含む請求項4、6、7、8、9、
    10、11のいずれか一項に記載の偏光板。
  13. 【請求項13】 光配向性官能基を有する化合物を含む
    不連続相に光照射することにより、光学的異方性不連続
    相が形成されている請求項2に記載の偏光板。
  14. 【請求項14】 光吸収型偏光素子の偏光度が99%以
    上である請求項1に記載の偏光板。
  15. 【請求項15】 透明支持体が、セルローストリアセテ
    ートフイルムからなる請求項2に記載の偏光板。
  16. 【請求項16】 セルローストリアセテートフイルム
    が、ハロゲン化炭化水素を溶媒として実質的に使用せず
    に製造されたフイルムである請求項15に記載の偏光
    板。
  17. 【請求項17】 さらに、ディスコティック化合物から
    なる光学異方層を有し、光学異方層、光吸収型偏光素
    子、そして光散乱型偏光素子の順に積層されている請求
    項1に記載の偏光板。
  18. 【請求項18】 光学的等方性連続相を形成する材料中
    に光学的異方性不連続相を形成する材料を分散した後、
    透明支持体上に塗設し、次いで光照射することにより、
    光学的等方性連続相と光学的異方性不連続相とは直交す
    る直線偏光の一方に対する屈折率がほぼ同じで、他方に
    対する屈折率が異なる偏光選択層を形成する光散乱型偏
    光素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 バックライトおよび偏光板を備えた液
    晶表示装置であって、偏光板として、請求項1または請
    求項17に記載の偏光板を光散乱型偏光素子がバックラ
    イト側となるように配置したことを特徴とする液晶表示
    装置。
  20. 【請求項20】 バックライト、偏光板、ツイストネマ
    チック配向モードの液晶セル、そして偏光板が、この順
    に積層されている液晶表示装置であって、バックライト
    側の偏光板が、バックライト側から順に、所定の偏光を
    選択的に透過し他の偏光を選択的に反射または散乱する
    偏光選択層を有する光散乱型偏光素子と、所定の偏光を
    選択的に透過し他の偏光を選択的に吸収する偏光選択層
    を有する光吸収型偏光素子とが積層されており、光散乱
    型偏光素子の偏光透過軸と光吸収型偏光素子の偏光透過
    軸とが実質的に平行となるように配置されており、そし
    て、光散乱型偏光選択素子の偏光選択層が光学的等方性
    連続相と光学的異方性不連続相とからなる液晶表示装
    置。
  21. 【請求項21】 バックライト側の偏光板が、バックラ
    イト側から順に、上記の光散乱型偏光素子、上記の光吸
    収型偏光素子、透明支持体、そして、ディスコティック
    化合物からなる光学異方性層が積層されている請求項2
    0に記載の液晶表示装置。
  22. 【請求項22】 透明支持体が光学異方性を有し、ディ
    スコティック化合物の円盤面の法線の該透明支持体面へ
    の正射影の平均方向と該透明支持体の面内遅相軸との角
    度が実質的に平行または実質的に垂直になり、さらに、
    該透明支持体の面内遅相軸と光吸収型偏光素子の面内透
    過軸とが実質的に平行または実質的に垂直になるよう
    に、光学異方性層、透明支持体および光吸収型偏光素子
    が配置されている請求項21に記載の液晶表示装置。
  23. 【請求項23】 バックライト、偏光板、ベンド配向モ
    ードの液晶セル、そして偏光板が、この順に積層されて
    いる液晶表示装置であって、バックライト側の偏光板
    が、バックライト側から順に、所定の偏光を選択的に透
    過し他の偏光を選択的に反射または散乱する偏光選択層
    を有する光散乱型偏光素子と、所定の偏光を選択的に透
    過し他の偏光を選択的に吸収する偏光選択層を有する光
    吸収型偏光素子とが積層されており、光散乱型偏光素子
    の偏光透過軸と光吸収型偏光素子の偏光透過軸とが実質
    的に平行となるように配置されており、そして、光散乱
    型偏光選択素子の偏光選択層が光学的等方性連続相と光
    学的異方性不連続相とからなる液晶表示装置。
  24. 【請求項24】 バックライト側の偏光板が、バックラ
    イト側から順に、上記の光散乱型偏光素子、上記の光吸
    収型偏光素子、透明支持体、そして、ディスコティック
    化合物からなる光学異方性層が積層されている請求項2
    3に記載の液晶表示装置。
  25. 【請求項25】 透明支持体が光学異方性を有し、ディ
    スコティック化合物の円盤面の法線の該透明支持体面へ
    の正射影の平均方向と該透明支持体の面内遅相軸との角
    度が実質的に45゜になり、さらに、該透明支持体の面
    内遅相軸と光吸収型偏光素子の面内透過軸とが実質的に
    平行または実質的に垂直になるように、光学異方性層、
    透明支持体および光吸収型偏光素子が配置されている請
    求項24に記載の液晶表示素子。
  26. 【請求項26】 バックライト、偏光板、水平配向モー
    ドの液晶セル、そして偏光板が、この順に積層されてい
    る液晶表示装置であって、バックライト側の偏光板が、
    バックライト側から順に、所定の偏光を選択的に透過し
    他の偏光を選択的に反射または散乱する偏光選択層を有
    する光散乱型偏光素子と、所定の偏光を選択的に透過し
    他の偏光を選択的に吸収する偏光選択層を有する光吸収
    型偏光素子とが積層されており、光散乱型偏光素子の偏
    光透過軸と光吸収型偏光素子の偏光透過軸とが実質的に
    平行となるように配置されており、そして、光散乱型偏
    光選択素子の偏光選択層が光学的等方性連続相と光学的
    異方性不連続相とからなる液晶表示装置。
  27. 【請求項27】 バックライト側の偏光板が、バックラ
    イト側から順に、上記の光散乱型偏光素子、上記の光吸
    収型偏光素子、透明支持体、そして、ディスコティック
    化合物からなる光学異方性層が積層されている請求項2
    6に記載の液晶表示装置。
  28. 【請求項28】 透明支持体が光学異方性を有し、ディ
    スコティック化合物の円盤面の法線の該透明支持体面へ
    の正射影の平均方向と該透明支持体の面内遅相軸との角
    度が実質的に45゜になり、そして、該透明支持体の面
    内遅相軸と偏光素子の面内透過軸とが実質的に平行また
    は実質的に垂直になるように、光学異方性層、透明支持
    体および光吸収型偏光素子が配置されていることを特徴
    とする請求項27に記載の液晶表示装置。
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