JP4204172B2 - 光学フイルムの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光学フイルム、偏光板および液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光のような自然光やランプのような通常の人為的光源からの光は無偏光(ランダム偏光)であるが、偏光素子を用いることで偏光(直線偏光、円偏光、楕円偏光)成分を取り出すことができる。取り出した偏光は、様々な光学機器に利用できる。現在広く普及している液晶表示装置は、偏光の性質を利用して画像を表示する装置であるとも言える。
広義の偏光素子には、直線偏光素子、円偏光素子および楕円偏光素子が含まれる。ただし、通常の(狭義の)偏光素子は、直線偏光素子を意味する。本明細書においても、特に規定しない「偏光素子」は、直線偏光素子を意味する。直線偏光素子は、最も基本的な偏光素子である。円偏光素子は、一般に、直線偏光素子とλ/4板との直線偏光素子の積層体である。楕円偏光素子は、一般に、直線偏光素子とλ/4板以外の位相差板との積層体である。従って、様々な(広義の)偏光素子において、直線偏光素子の光学的な機能が重要である。
【0003】
直線偏光素子としては、一般にポリビニルアルコール系フイルムからなる光吸収型偏光素子が用いられている。ポリビニルアルコール系偏光素子は、ポリビニルアルコール系フイルムを延伸しヨウ素または二色性染料を吸着するのとにより製造する。偏光素子の透過軸(偏光軸)は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
光吸収型偏光素子は、透過軸に平行な偏光成分のみを透過して、それと直交方向の偏光成分を吸収する。従って、光の利用効率は、理論的に50%以下(実際にはさらに低い値)である。
【0004】
偏光素子の光の利用効率を向上させるため、光吸収型偏光素子に代えて、または光吸収型偏光素子に加えて、光散乱型偏光素子を使用することが提案されている。光散乱型偏光素子も、光吸収型偏光素子と同様に、透過軸と平行な偏光成分のみを透過する。ただし、光散乱型偏光素子では、透過軸と直交方向の偏光成分を吸収せずに前方もしくは後方に散乱し、偏光素子の光の利用効率を向上させる。
光散乱型偏光素子による光の利用効率改善の機構は以下のように複数ある。
【0005】
(A)前方散乱光の偏光解消による光の利用効率改善
光散乱型偏光素子では、透過軸と直交方向の偏光成分は前方もしくは後方に散乱される。このうち前方散乱された光が偏光解消され、前方散乱光の偏光方向が入射光の偏光方向から回転することにより、光散乱型偏光素子の透過軸方向の偏光成分が入射光よりも増加する。光散乱型偏光素子において、厚み方向に多数の粒子が存在する場合には、多重散乱により偏光解消の程度が強くなる。このように、散乱型偏光素子を使用する場合には、前方散乱光の偏光解消により光吸収型偏光素子のみを使用する場合よりも光の利用効率が向上する。
【0006】
(B)後方散乱光の再利用(偏光解消)による光の利用効率改善
光散乱型偏光素子の透過軸と直交方向の偏光成分のうち後方散乱された光は、後方散乱される際に偏光解消される。後方散乱された光は、光源であるバックライトの背面に配置された金属反射板により反射され、再度光散乱型偏光素子へ入射する。ここで、再入射する光は後方散乱する際に偏光解消を受け、散乱型偏光素子の透過軸と平行方向の偏光成分が生じており、この偏光成分は散乱型偏光素子を透過する。このように、光散乱型偏光素子による後方散乱と金属反射板での反射を繰り返すことにより光の利用効率を向上させることができる。
【0007】
(C)後方散乱光の再利用(偏光方向の回転)による光の利用効率改善
λ/4板と金属反射板とを配置した光学系に、λ/4板の遅相軸と45°をなすように直線偏光を入射させると、偏光方向が入射光と90°回転した反射光が戻ってくる。光散乱型偏光素子と金属反射板(バックライトの背面に配置される)との間に、λ/4板を光散乱型偏光素子の透過軸とλ/4板の遅相軸が45°をなすように配置することによって上記と同じ効果が得られる。
光散乱型偏光素子において後方散乱された光の偏光方向の分布は、光散乱型偏光素子の透過軸と直交方向が大きい。この後方散乱された光がλ/4板を透過して金属反射板により反射され再度、光散乱型偏光素子に入射する光の偏光方向の分布は、光散乱型偏光素子の透過軸に平行方向に大きくなっており、透過軸に平行な偏光成分は光散乱型偏光素子を透過する。このように、光散乱型偏光素子と金属反射板との間にλ/4板を配置することにより、光の利用効率を向上させることができる。
【0008】
光散乱型偏光素子については、特開平8−76114号、特開平9−274108号、特開平9−297204号、特表平11−502036号、特表平11−509014号の各公報および米国特許5783120号、米国特許5825543号、米国特許5867316号明細書に記載がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光散乱型偏光素子のうち、特開平8−76114号、特開平9−274108号、特開平9−297204号、特表平11−509014号の各公報および米国特許5783120号、米国特許5825543号、同5867316号の各明細書に開示されている光散乱型偏光素子は、光吸収型偏光素子と同様にポリマーフイルムの延伸により製造している。ポリマーフイルムの延伸による製造方法では、フイルム面内の延伸むらが生じやすく、大面積にわたって均一な散乱特性を得ることは困難である。また、延伸ではポリマーマトリックスと分散粒子の屈折率を個別に制御することが困難である。
特表平11−502036号公報記載の光散乱型偏光素子は、ポリマーフイルム中に液晶を分散し、電場または磁場を印加する方法で光学的異方性化合物(液晶)を配向させている。しかし、電場または磁場を大面積に均一に印加することは困難であり、大面積にわたって均一な散乱特性を得ることは困難である。
しかも上記のような光散乱型偏光素子の面内の散乱特性の不均一性は、液晶表示装置の面内の輝度のむらにつながる。
本発明の目的は、偏光素子の光利用効率を向上させ、かつその散乱特性の制御が容易であり、かつ大面積にわたって均一な散乱特性を示す偏光選択性光学フイルムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下のように達成された。
(1)透明支持体上に、透過軸と同じ方向の偏光を選択的に透過し、透過軸と直交方向の偏光を選択的に反射または散乱する偏光選択層が形成されている光学フイルムの製造方法であって、透明支持体上に、光学的等方性相と光学的異方性相とからなり、光学的異方性相が配向により光学的異方性を発現する化合物と光により該化合物を配向させる機能を有する光配向性高分子化合物とを含む層を形成する工程;および該層を光照射し光学的異方性相の光学的異方性発現させ、これにより面内の遅相軸および進相軸の一方の軸における光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実質的に同じである偏光選択層を形成する工程からなることを特徴とする光学フイルムの製造方法
(2)照射する光が直線偏光である(1)に記載の光学フイルムの製造方法
(3)光配向性高分子化合物が、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、シンナモイル基、カルコン構造またはクマリン構造を含む側鎖と炭化水素主鎖とを有するポリマーである(1)に記載の光学フイルムの製造方法
(4)配向により光学的異方性を発現する化合物が棒状液晶性分子である(1)に記載の光学フイルムの製造方法。
(5)透明支持体上に、透過軸と同じ方向の偏光を選択的に透過し、透過軸と直交方向の偏光を選択的に反射または散乱する偏光選択層が形成されている光学フイルムの製造方法であって、透明支持体上に、光学的等方性相と光学的異方性相とからなり、光学的異方性相が光により自身を配向させる機能を有する光配向性高分子化合物を含む層を形成する工程;および該層を光照射し光学的異方性相の光学的異方性を発現させ、これにより面内の遅相軸および進相軸の一方の軸における光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実質的に同じである偏光選択層を形成する工程からなることを特徴とする光学フイルムの製造方法。
(6)照射する光が直線偏光である(5)に記載の光学フイルムの製造方法。
(7)光配向性高分子化合物が、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、シンナモイル基、カルコン構造またはクマリン構造を含む側鎖と炭化水素主鎖とを有するポリマーである(5)に記載の光学フイルムの製造方法。
【0012】
本明細書において、「光学的異方性」とは複屈折率が0.05乃至1.00(0.05以上、1.00以下)であることを意味し、「光学的等方性」とは複屈折率が0.05未満であることを意味する。また、「屈折率が実質的に異なる」とは屈折率の差が0.05以上であることを意味し、「屈折率が実質的に同じ」とは、屈折率の差が0.05未満であることを意味する。さらに、「面内の遅相軸」は面内で(すなわちフイルム法線方向から観察したとき)屈折率が最大となる方向を意味し、「面内の進相軸」は面内で屈折率が最小となる方向を意味する。
また、本明細書において「実質的に平行」とは、厳密に平行となる方向から±15゜までの方向を意味する。
【0013】
【発明の効果】
2種類の化合物の混合層は、塗布のみによって、あるいは熱または光照射することにより相分離を引き起こして白濁する。分離した相のうち一方が光学的異方性を有するとき、その異方性の一方の軸から見た屈折率が光学的に等方な相の屈折率とほぼ同じ場合、偏光面がその軸を含む面内にある偏光は散乱することなく透過する。一方、この偏光と直交する偏光面を有する偏光は光学的異方相と光学的等方相の屈折率差によって散乱する。
特に光照射を用いる場合、光配向性の化合物と併用することによって、光学的異方性を発現する化合物を光配向させることができるが、この方法は前記延伸による製造方法に比べ、大面積にわたって均一な散乱特性が得られる。また、電場や磁場による製造方法に比べると簡便に大面積で配向させることができ、結果として大面積にわたって均一な散乱特性が得られる。
【0014】
以上のように、本発明の光学フイルムでは、光照射によって光散乱型偏光素子として必要な光学的性質を容易に達成することができる。必要な光学特性を達成した光散乱型偏光素子を用いることで、前記前方散乱偏光解消型、後方散乱偏光解消型、後方散乱偏光回転型のいずれか方式により偏光素子の光の利用効率を著しく向上することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、光学フイルムの基本的な構成を示す断面模式図である。
図1のa〜cに示す光学フイルムは、いずれも、透明支持体(11)上において、偏光選択層(12)が光学的異方性化合物からなる光学的異方相(13)と光学的等方性化合物からなる光学的等方相(14)に相分離している。光学的異方相(13)は、光照射により、光学的異方性が発現している。光照射により発現した光学異方相の二つの屈折率n1とn2との大小関係は、用いる光学的異方性化合物の性質により異なる。光学フイルムが偏光選択性光学フイルムとして機能するためには、n1とn2の一方が光学的等方性化合物の屈折率と実質的に等しい値、すなわち0.05未満となることが必要である。屈折率が実質的に等しくなるn1またはn2の方向が、偏光選択層の透過軸に相当する。
【0016】
図2は、最も基本的な液晶表示装置の構成である。
一般的な液晶表示装置は、光源として最裏面にエッジライト方式のバックライト光源(21)を配置し、裏面より順にバックライトの光を表面に出射させる反射板(22)および導光板(23)とからなる。なお、導光板を用いない直下型バックライトを使用する液晶表示装置もある。
光源の上には両側を2枚の従来の光吸収型偏光素子(24)、(25)により挟持されてなる液晶セル(26)があり、これにより画像表示機能を有する。光源から出射された光は下側偏光素子(24)によって、少なくとも50%吸収されるため、この構成では理論上50%以上の光の利用効率は得られない。
【0017】
図3は、光学フイルムを用いた液晶表示装置の構成例である。
図3のaは、光学フイルムの効果を示す単純な構成例である。
光学フイルム(31)によって、光吸収型偏光素子(24)の透過軸と同じ方向の偏光は選択的に透過し、偏光素子透過軸と直交する偏光は一部は前方散乱による偏光解消によって偏光面が透過軸方向に揃えられることにより利用効率が向上し、一部は後方散乱によって光源側へ戻り、導光板等で偏光解消されて反射板で反射し、再び光学フイルム(31)に戻って再利用されることにより利用効率が向上する。
【0018】
図3のbは、光学フイルムを偏光素子の保護膜として用いた光散乱型偏光選択素子(32)を、さらに他の機能を有するフイルムと組み合わせた構成例である。
光源から出射された光は散乱シート(33)により面内で輝度が均一化され、光を所定方向に集光する機能を有するフイルム(34)により、ユーザが見ることの無い極端に斜め方向の光を正面付近に集光させて利用効率を向上させる。このフイルムでは逆にユーザが見る可能性のある正面よりやや斜め方向の光を減少させるが、偏光素子によって適度に拡散され、図3のaと同様の原理で輝度を向上させると共に自然な輝度の視野角分布が得られることになる。
また、図3のaの構成では、光学フイルム(31)の偏光選択層と反対側の面および光吸収型偏光素子表面で反射があるため光の利用効率が約10%減少するが、偏光素子の保護膜として用いることによりこの反射面が無くなるため、これだけでも光の利用効率は約10%増加する。
【0019】
図3のcは、光学フイルムあるいは偏光素子の輝度向上機能を更に良化した液晶表示装置の構成例である。
偏光選択層の表面に直接または他の層を介して反射防止層(35)を付与することにより、表面での反射を減少させ、偏光選択層内に入射する光量を増加させることができる。さらに前記後方散乱偏光回転型のように、偏光素子(32)の下側にλ/4板(36)を用いることにより、後方散乱された光散乱型偏光素子の透過軸と直交する偏光が2度λ/4板を通過することにより光散乱型偏光素子の透過軸に偏光面を有するように回転され、光の利用効率を向上させることができる。
【0020】
透明支持体としては、光線透過率が80%以上のものが好ましく、また正面から見たときに光学的等方性を有するものが好ましい。従って、透明支持体は小さい固有複屈折を有する材料が好ましい。このような材料としてはゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(JSR(株)製)、およびフジタック(富士写真フイルム(株)製:トリアセチルセルロース)のような市販品を使用することができる。さらにポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンのような固有複屈折の大きい素材であっても、溶液流延、溶融押し出し等の条件、さらには縦、横方向の延伸条件を適宜設定することにより透明支持体として使用することができる。
偏光素子の偏光層を保護する保護フイルムを透明支持体として用いる場合には、トリアセチルセルロースが特に好ましい。
透明支持体の厚みは10乃至500μmが好ましく、40乃至200μmがさらに好ましい。
【0021】
透明支持体上には、隣接する層との密着性を付与するために下塗り層を設けてもよい。このような下塗り層を形成する素材は特に限定されないが、例えばトリアセチルセルロース上においてはゼラチンやポリ(メタ)アクリレート樹脂及びその置換体、スチレン−ブタジエン樹脂等が用いられる。また、化学処理、機械処理、コロナ処理、グロー放電処理等の表面処理を行ってもよい。
【0022】
配向により光学的異方性を発現する化合物(光学的異方性化合物)としては、直接または光配向剤と併用することによって配向して光学的異方性を発現すれば特に限定されない。このような化合物の例としては、液晶または液晶に類似した構造を有する化合物が挙げられる。
光学的異方性化合物は偏光選択層のうち20乃至95重量%、好ましくは50乃至90重量%含まれる。
【0023】
液晶としては、棒状液晶性分子が好ましく用いられる。棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましい。なお、棒状液晶性分子には、金属錯体も含まれる。
棒状液晶性分子については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994年)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
【0024】
棒状液晶性分子の複屈折は0.05乃至1.00であることが好ましい。棒状液晶性分子は、重合性基を有することが好ましい。重合性基としては、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリニジル基が好ましく、不飽和重合性基がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基が最も好ましい。
棒状液晶性分子は、短軸方向に対してほぼ対称となる分子構造を有することが好ましい。そのためには、棒状液晶構造の両端に重合性基を有することが好ましい。
以下に、棒状液晶性分子の例を示す。
【0025】
【化1】
Figure 0004204172
【0026】
【化2】
Figure 0004204172
【0027】
【化3】
Figure 0004204172
【0028】
【化4】
Figure 0004204172
【0029】
【化5】
Figure 0004204172
【0030】
【化6】
Figure 0004204172
【0031】
【化7】
Figure 0004204172
【0032】
【化8】
Figure 0004204172
【0033】
【化9】
Figure 0004204172
【0034】
【化10】
Figure 0004204172
【0035】
【化11】
Figure 0004204172
【0036】
【化12】
Figure 0004204172
【0037】
【化13】
Figure 0004204172
【0038】
光学的等方性化合物としては、偏光選択層中において光学的に等方性であれば限定されない。ここで光学的等方性とは複屈折が0.05未満を指す。つまり光学的異方性化合物も偏光選択層中において等方性であれば光学的等方性化合物として用いることができる。中でも高分子化合物または熱または電離放射線照射により重合するモノマーは、層を形成するバインダとしても用いることができるため特に好ましい。
光学的等方性化合物は偏光選択層のうち5乃至80重量%、好ましくは10乃至50重量%含まれる。
【0039】
高分子化合物としては水溶性でも有機溶剤可溶性でも構わない。水溶性高分子化合物の例としては、ゼラチン、アガロース、セルロース、ポリビニルアルコールとそれらの誘導体、あるいはポリアクリル酸、ポリガラクツロン酸、ポリアルギン酸とそれらの塩が挙げられる。有機溶剤可溶性高分子化合物の例としては、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが挙げられる。
【0040】
熱または電離放射線照射により重合するモノマーの例としては、エチレン性不飽和重合性基、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基の他、ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシド等を含む化合物が挙げられる。
中でも光により容易に重合させられることからエチレン性不飽和重合性基を含む化合物が好ましく、重合後、熱による影響を小さくする点で2以上のエチレン性不飽和重合性基を含む化合物が特に好ましい。
【0041】
2以上のエチレン性不飽和重合性基を含む化合物の例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが挙げられる。
【0042】
光配向性化合物としては、光により自身または光学的異方性化合物を配向させるものであれば特に限定されない。一般に知られている光配向性化合物としてはアゾベンゼン、スチルベン、シンナモイル、カルコン、クマリン、ポリイミド等が挙げられるが、光学的異方性化合物を配向させるという点において、アゾベンゼン、スチルベン、シンナモイル、カルコン、クマリンが好ましく、光二量化によって構造が安定化するシンナモイル、カルコン、クマリンが特に好ましい。
また、溶解性や親疎水性コントロールの観点から、高分子化合物であることが好ましい。
シンナモイルを有する化合物については、Jpn.J.Appl.Phys.,31,P.2155(1992)に、カルコンを有する化合物については、Nature,381,P.212(1998)に、クマリンを有する化合物については、SID’98.Digest,P.734(1998)に記載がある。
光配向性化合物は、偏光選択層中の光学異方性化合物のうち0.05乃至10重量%、好ましくは0.1乃至5重量%含まれる
【0043】
光配向性化合物の中には、光により自身が配向して光学的異方性を発現する化合物がある。中でも構造中にビフェニル基やターフェニル基、トラン基のような光学的異方性の大きい構造を有している光配向性化合物は、光学的異方性化合物としても用いることができ、しかも光配向性化合物によって光学的異方性化合物を配向させるより高い配向性を示すので好ましい。
このような光配向性光学的異方性化合物は、偏光選択層のうち20乃至95重量%、好ましくは50乃至90重量%含まれる。
【0044】
以下に、光配向性化合物または光配向性光学的異方性化合物の例を示す。示したものは高分子の繰返し単位であり、他の繰返し単位を含む共重合体でもよい。
【0045】
【化14】
Figure 0004204172
【0046】
【化15】
Figure 0004204172
【0047】
偏光選択層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)等により、塗布により形成することができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
偏光選択層は1乃至100μmが好ましく、10乃至70μmがより好ましい。
【0048】
光照射は190乃至1600nmの光が用いられる。波長については光配向性化合物の光配向性官能基によってそれぞれ最適な吸収波長を有しているため、最適な波長を含む光源を用いれば良い。また、偏光でも非偏光でも構わないが、光配向性化合物を配向させる必要があるため、非偏光の場合は斜め照射することが必要である。斜め非偏光照射による光配向については、例えばPolym.Mater.Sci.Eng.,66.P.263(1992)に記載がある。
照射量は、20乃至2000mJ/cm2 であることが好ましく、40乃至1000mJ/cm2 であることがさらに好ましく、80乃至500mJ/cm2 であることが最も好ましい。短時間で光学的異方性を発現させるために、加熱しながら光を照射してもよい。
【0049】
光照射により光学的異方性を発現した光学的異方性化合物の偏光方向の屈折率(n1)と偏光方向と直交方向の屈折率(n2)との差の絶対値である複屈折(|n1−n2|)は、0.05乃至1.00であることが好ましく、0.1乃至0.7であることがさらに好ましく、0.2乃至0.5であることが最も好ましい。
光学的等方性化合物は複屈折が0.05未満であればよく、屈折率としては光学的異方性化合物のn1またはn2との差が0.05未満、好ましくは0.01未満、より好ましくは0.001未満であればよい。
光学的異方性化合物との屈折率の関係が上記の関係を満足することにより、光学フイルムが偏光選択性光学フイルムとして機能する。光学的異方性相の屈折率のうち一方が光学的等方性化合物の屈折率と実質的に等しい値、すなわち0.05未満となる方向が、偏光選択層の透過軸に相当する。
【0050】
本発明の偏光選択性光学フイルムを用いた光散乱型偏光素子は、一般に光吸収型偏光素子と積層して用いられる。光散乱型偏光素子の透過軸と光吸収型偏光素子の透過軸とが実質的に平行になるように貼合し、この積層体を液晶セルの2枚の偏光素子のうちバックライト側偏光素子として、且つ偏光素子の偏光選択性層をバックライト側へ向けて配置する。また、バックライトの背面には金属反射板が配置される。
【0051】
光散乱型偏光素子の偏光選択層側表面に反射防止層を付与することができる。反射防止層により表面反射が減少し、結果としてディスプレイの輝度を上昇させることができる。この反射防止層は例えば日本写真学会誌,29,P.137(1966)に知られているような低屈折率層と高屈折率層の積層体でも、低屈折率層を1層のみ設けたものでも良い。
【0052】
光散乱型偏光素子および光吸収型偏光素子の積層体とバックライトとの間に、さらにλ/4板を配置することが好ましい。ここで、光散乱型偏光素子および光吸収型偏光素子の透過軸とλ/4板の遅相軸とが実質的に45°になるように配置することにより、後方散乱偏光回転型で光の利用効率を上げることができる。
【0053】
偏光選択性光学フイルムあるいは光散乱型偏光素子を液晶表示装置に用いることにより、光の利用効率が大きくなり、結果としてディスプレイの輝度が上昇する。
偏光選択性光学フイルムは、透明電極、画素電極を有する一対の基板と、その基板間に液晶性化合物が封入された液晶セルとその外側に配置された一対の偏光素子からなる液晶表示装置において、該液晶セルのバックライト側偏光素子の表面に粘着剤等を用いて貼り合わせて用いることができる。
光散乱型偏光素子は、透明電極、画素電極を有する一対の基板と、その基板間に液晶性化合物が封入された液晶セルとその外側に配置された一対の偏光素子からなる液晶表示装置において、該液晶セルのバックライト側偏光素子として用い、且つ偏光選択性層をバックライト側へ向けて配置して用いることができる。
また、本発明の偏光選択性光学フイルムあるいは光散乱型偏光素子は、視野角補償フイルム(特開平2−160204号、特許2587398号の各公報に記載)と併用することもできる。
【0054】
【実施例】
(偏光選択層用塗布液Aの調製)
棒状液晶(E9、メルク・ジャパン(株)製)7.2g、ポリビニルシンナメート0.3g、2−エチルヘキシルアクリレート2.4g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.1gをジクロロメタン40gに溶解し、孔径30μmのテフロン製フィルターでろ過して、偏光選択層用塗布液Aを調製した。
【0055】
(偏光選択層用塗布液Bの調製)
重合性棒状液晶N26を4.5g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)0.3g、側鎖アゾベンゼンポリマーPA1を0.1g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.1gを酢酸エチル15.0gに溶解し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、光学的異方性化合物および光配向性化合物を含むO−1液を調製した。
一方、ゼラチン(681、新田ゼラチン(株)製)10gを水90gに溶解し、さらに界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2gを添加、溶解後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、光学的等方性化合物を含むW−1液を調製した。
O−1液10gとW−1液10gを混合した液を60℃に加温し、超音波分散によりこの液を分散して偏光選択層用塗布液Bを調製した。
【0056】
(偏光選択層用塗布液Cの調製)
光配向性光学異方性化合物PA−5を4.6g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)0.3g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.1gを酢酸エチル15.0gに溶解し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、光配向性光学的異方性化合物O−2液を調製した。
O−2液10gと前記W−1液10gを混合した液を60℃に加温し、超音波分散によりこの液を分散して偏光選択層用塗布液Cを調製した。
【0057】
(偏光選択層用塗布液Dの調製)
棒状液晶(E9、メルク・ジャパン(株)製)7.5g、2−エチルヘキシルアクリレート2.4g、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.1gをジクロロメタン40gに溶解し、孔径30μmのテフロン製フィルターでろ過して、偏光選択層用塗布液Dを調製した。
【0058】
[実施例1]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)に、上記の偏光選択層用塗布液Aをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、偏光紫外線露光装置((株)ニコン技術工房製)を用いて、照度30mW/cm2 、照射量400mJ/cm2 の直線偏光紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ15μmの偏光選択層を形成することにより実施例1の光学フイルムを作成した。
【0059】
[実施例2]
ゼラチン下塗り層を有する100μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(富士写真フイルム(株)製)に、上記の偏光選択層用塗布液Bをカーテンコートを用いて塗布し、10℃にてゼラチンをセットさせた後、25℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製、波長範囲200〜500nm、最大波長365nm)を用い、光をコリメートして平行光にしてから入射角45°、照度200mW/cm2 、照射量400mJ/cm2 の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ30μmの偏光選択層を形成することにより実施例2の光学フイルムを作成した。
【0060】
[実施例3]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)に、上記の偏光選択層用塗布液Cをカーテンコートを用いて塗布し、10℃にてゼラチンをセットさせた後、25℃で乾燥の後、偏光紫外線露光装置((株)ニコン技術工房製)を用いて、照度30mW/cm2 、照射量400mJ/cm2 の直線偏光紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ30μmの偏光選択層を形成することにより実施例3の光学フイルムを作成した。
【0061】
[比較例1]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)に、上記の偏光選択層用塗布液Dをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、偏光紫外線露光装置((株)ニコン技術工房製)を用いて、照度30mW/cm2 、照射量400mJ/cm2 の直線偏光紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ15μmの偏光選択層を形成することにより比較例1の光学フイルムを作成した。
【0062】
[比較例2]
実施例1の光学フイルムと光を照射しなかったこと以外は同じようにして比較例2の光学フイルムを作成した。
【0063】
[比較例3]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)に、ポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ(株)製)を塗布し、その上をラビングして配向層付支持体を作成した。その上に上記の偏光選択層用塗布液Aをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製、波長範囲200〜500nm、最大波長365nm)を用いて、照度200mW/cm2 、照射量400mJ/cm2 の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ15μmの偏光選択層を形成することにより比較例3の光学フイルムを作成した。
【0064】
(偏光選択性光学フイルムの評価)
1.屈折率
光学的異方性化合物および光学的等方性化合物の屈折率をアッベ屈折率計により測定した。光学的異方性化合物の屈折率を測定する際には、光学的異方性化合物に光配向性化合物を混合した液を高屈折率ガラスに塗布し、直線偏光を照射して配向させてから測定に供した。光学的等方性化合物はそのものあるいは必要に応じて添加した添加剤を含んだものを高屈折率ガラスに塗布し、測定に供した。
屈折率の測定結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0004204172
【0066】
2.光線透過率、光散乱性(ヘイズ)
得られたフイルムの光線透過率および光散乱性(ヘイズ)をヘイズメーターMODEL 1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。測定は光源とフイルムの間に偏光素子を挿入して行い、偏光素子の透過軸と偏光選択層の透過軸を同じにしたものを平行、直交させたものを直交として。光線透過率は全光線透過率を、光散乱性はヘイズを指標として評価した。偏光選択性がある場合、平行の方が直交に比べて高透過率、低ヘイズとなる。
光線透過率、光散乱性の測定結果を表2に示す。
3.面状
得られたフイルムの面状は、透過軸を直交させた2枚の偏光素子の間に試料を挟み、偏光素子の間で試料の方向を回転させながら観察した。測定結果は表2に示す。
【0067】
【表2】
Figure 0004204172
【0068】
実施例1から3の透過率はいずれも高い偏光選択性を示した。実施例1から3はいずれもほとんど着色が無いため、ここで直交における透過しなかった光は全て後方散乱されたと考えられる。このフイルムを液晶表示装置に用いることにより、大きな光の利用効率アップが期待できる。
実施例2は、本来の光学的異方性化合物の有するΔnに比べると偏光選択性が小さかったが、これは光照射により十分に異方性が発揮されなかったためであり、直線偏光照射の方がより優れた性能となることを示している。
比較例1、2は偏光選択性を示さなかった。これは比較例1は光配向性化合物を含まなかったため、比較例2は光照射を行わなかったため、光学的異方性化合物が配向しなかったためと考えられる。実際、400倍の偏光顕微鏡下で観察を行ったところ、小さなドメイン内で任意の方向に配向していた。
比較例3は均一な偏光選択性は示したが、配向性に視角依存性も見られた。これは液晶配向が厚み方向に均一になっていないためであり、ラビングによる液晶配向では液晶の厚み方向の配向均一性が光配向より劣ることを示している。
【0069】
[実施例4]
実施例3の偏光選択性光学フイルムを用いて光散乱偏光選択素子を作成した。この光散乱偏光素子と通常の偏光素子をアルミニウムでできた反射板の上に偏光選択層を反射板側にして置いて観察したところ、光散乱偏光素子の方が反射板が明るく見えた。これは外光が反射板で反射し、反射光が偏光選択層において透過軸の偏光のみ透過し、後方散乱した光が再度反射板で反射して偏光選択層に到達することによって光の利用効率が上がったことを示している。
【0070】
[実施例5]
実施例4の光散乱型偏光板を用いて、そして液晶表示装置の構成は図3−bの通りにして、実施例5の液晶表示装置を作成した。
【0071】
[比較例4]
光学干渉による偏光選択層を有する市販の輝度上昇フイルム(DBEF、3M製)を用いて、そして液晶表示装置の構成は図3−bの通りにして、比較例4の液晶表示装置を作成した。
【0072】
光散乱偏光素子を用いた液晶表示装置は、正面だけでなく斜めから見たときも明らかに輝度の上昇が見られた。一方、比較例4は正面は輝度が上昇しているものの、斜めから見たときはほとんど輝度の上昇はなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学フイルムの基本的な構成を示す断面模式図である。
【図2】基本的な液晶表示装置の構成図である。
【図3】光学フイルムを用いた液晶表示装置の構成図である。
【符号の説明】
11 透明支持体
12 偏光選択層
13 光学的異方相
14 光学的等方相
21 バックライト光源
22 反射板
23 導光板
24 下側光吸収型偏光素子
25 上側光吸収型偏光素子
26 液晶セル
31 偏光選択性光学フイルム(本発明)
32 光散乱型偏光素子
33 散乱シート
34 集光性フイルム
35 反射防止層
36 λ/4板

Claims (7)

  1. 透明支持体上に、透過軸と同じ方向の偏光を選択的に透過し、透過軸と直交方向の偏光を選択的に反射または散乱する偏光選択層が形成されている光学フイルムの製造方法であって、透明支持体上に、光学的等方性相と光学的異方性相とからなり、光学的異方性相が配向により光学的異方性を発現する化合物と光により該化合物を配向させる機能を有する光配向性高分子化合物とを含む層を形成する工程;および該層を光照射し光学的異方性相の光学的異方性を発現させ、これにより面内の遅相軸および進相軸の一方の軸における光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実質的に同じである偏光選択層を形成する工程からなることを特徴とする光学フイルムの製造方法。
  2. 照射する光が直線偏光である請求項1に記載の光学フイルムの製造方法。
  3. 光配向性高分子化合物が、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、シンナモイル基、カルコン構造またはクマリン構造を含む側鎖と炭化水素主鎖とを有するポリマーである請求項1に記載の光学フイルムの製造方法。
  4. 配向により光学的異方性を発現する化合物が棒状液晶性分子である請求項1に記載の光学フイルムの製造方法。
  5. 透明支持体上に、透過軸と同じ方向の偏光を選択的に透過し、透過軸と直交方向の偏光を選択的に反射または散乱する偏光選択層が形成されている光学フイルムの製造方法であって、透明支持体上に、光学的等方性相と光学的異方性相とからなり、光学的異方性相が光により自身を配向させる機能を有する光配向性高分子化合物を含む層を形成する工程;および該層を光照射し光学的異方性相の光学的異方性を発現させ、これにより面内の遅相軸および進相軸の一方の軸における光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実質的に同じである偏光選択層を形成する工程からなることを特徴とする光学フイルムの製造方法。
  6. 照射する光が直線偏光である請求項5に記載の光学フイルムの製造方法。
  7. 光配向性高分子化合物が、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、シンナモイル基、カルコン構造またはクマリン構造を含む側鎖と炭化水素主鎖とを有するポリマーである請求項5に記載の光学フイルムの製造方法。
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