JP2003155192A - クレーンの運転方法及び制御装置並びにこれを備えたクレーン - Google Patents

クレーンの運転方法及び制御装置並びにこれを備えたクレーン

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JP2003155192A
JP2003155192A JP2001352233A JP2001352233A JP2003155192A JP 2003155192 A JP2003155192 A JP 2003155192A JP 2001352233 A JP2001352233 A JP 2001352233A JP 2001352233 A JP2001352233 A JP 2001352233A JP 2003155192 A JP2003155192 A JP 2003155192A
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crane
jib
rope
suspended load
tip
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Masaki Nishioka
正樹 西岡
Yoshitaka Ikeda
嘉隆 池田
Nobuo Yoshioka
伸郎 吉岡
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66CCRANES; LOAD-ENGAGING ELEMENTS OR DEVICES FOR CRANES, CAPSTANS, WINCHES, OR TACKLES
    • B66C13/00Other constructional features or details
    • B66C13/04Auxiliary devices for controlling movements of suspended loads, or preventing cable slack
    • B66C13/06Auxiliary devices for controlling movements of suspended loads, or preventing cable slack for minimising or preventing longitudinal or transverse swinging of loads
    • B66C13/063Auxiliary devices for controlling movements of suspended loads, or preventing cable slack for minimising or preventing longitudinal or transverse swinging of loads electrical
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66CCRANES; LOAD-ENGAGING ELEMENTS OR DEVICES FOR CRANES, CAPSTANS, WINCHES, OR TACKLES
    • B66C13/00Other constructional features or details
    • B66C13/18Control systems or devices
    • B66C13/48Automatic control of crane drives for producing a single or repeated working cycle; Programme control

Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷役作業における吊荷の振れを最小限に抑え
て、作業性の向上を図ることが可能なクレーンの運転方
法及び制御装置並びにこれを備えたクレーンを提供す
る。 【解決手段】 仮想ロープ長を設定する仮想ロープ長設
定工程と、仮想ロープ長が変化しない条件で吊荷が目標
位置において静止する場合のロープの振れ角の仮想加速
度パターンを演算する仮想加速度パターン演算工程と、
各時刻における実際のロープ長の変化を得るロープ長変
化取得工程と、ロープの振れ角の加速度パターンが仮想
加速度パターンに一致するように、ロープ長変化取得工
程で得た実際のロープ長の変化を考慮してジブ先端の加
速度パターンを演算するジブ先端加速度パターン演算工
程と、ジブ先端加速度パターン演算工程に基づいてジブ
先端を直線移動させるジブ移動工程とを用いて運転を制
御した。また、直線移動が困難な場合、最小旋回円に1
点で接する円弧経路でジブ先端を移動させることとし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吊荷を荷役するク
レーンの運転方法及び制御装置並びにこれを備えたクレ
ーンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、クレーンによって吊り上げられた
吊荷は、吊り上げを開始する初期位置から吊り上げを終
了する目標位置まで様々な経路を辿って移動させられて
いる。これは、クレーンの運転がジブ(「ブーム」とも
言う)の起伏、旋回等の複合動作から構成されるためで
あり、機械構造上における可動範囲にも制限されるため
である。
【0003】図5、図6を用いて従来のクレーンにおけ
るクレーンの運転方法について説明する。図5(a)
は、吊荷を多角形直線移動または直線移動させた場合の
ジブ先端の移動経路を示した平面図である。また、図5
(b)は、吊荷を最小旋回円の接線を用いて移動させる
ジブ先端の移動経路を示した平面図である。さらに、図
6(a)は時間とジブ先端の移動速度との関係、及び時
間と鉛直方向に対する吊荷の振れ角との関係を示したグ
ラフ線図である。また、図6(b)は移動する振り子の
モデルを示した模式図である。
【0004】図5に示される符号Oは、クレーンの旋回
中心であり、クレーンの荷役作業における作業半径の中
心である。また、符号A,A1はそれぞれ異なる吊荷の
初期位置を示し、B,B1はそれぞれ異なる吊荷の目標
位置を示している。半径r0で示される円は、クレーン
の最小旋回円であって、機械構造上の制約によって荷役
作業がこの円の内側では行うことができないことを示し
ている。
【0005】図5(a)におけるジブ先端の経路3は、
特開2000−38286号公報に開示されたものであ
る。これによるとクレーンは、旋回、ジブの起伏動作に
よって直線部を複数組み合わせた多角形直線運動を行い
ながら吊荷を移動させている。詳しく説明すると、ジブ
先端は初期位置Aにて吊荷を吊り上げ、旋回中心Oを中
心に図において右方向に旋回する。吊荷を移動させる最
短経路は初期位置Aと目標位置Bとを直線で結んだ経路
が好ましい。しかし、クレーンにおける機械構造上の制
約によって、吊荷の移動経路は最小旋回円を跨ぐことが
できないので、該最小旋回円を回避するように旋回中心
Oから離れる方向に作業半径を拡大させながら旋回する
ことになる。この場合におけるジブ先端の移動経路は直
線とされ、ジブの伏せ動作と旋回動作との組み合わせに
よって行われる。
【0006】ある所定の経路長さでジブ先端が直線移動
すると、今度は最小旋回円に沿うように移動方向が変更
される。この場合におけるジブ先端の移動経路は先と同
様に直線とされ、ジブの引き込み動作と旋回動作との組
み合わせによって行われる。さらに、ジブ先端は途中で
移動方向が変更され、目標位置Bに向かって直線方向に
移動する。これらの動作によって経路3は複数の直線が
組み合わされた多角形型となり、吊荷は最終的に目標位
置Bに到達することとなる。
【0007】一方、吊荷の移動経路が初期位置A1と目
標位置B1とを結ぶ1本の直線とされる場合がある。こ
れは、初期位置A1と目標位置B1とが比較的外側に位
置している場合や、移動させる範囲が小さい場合に用い
られる場合が多い。通常、初期位置A1から目標位置B
1に吊荷を移動させる場合、点線の経路1に示されるよ
うにジブの起伏動作を多用せずに、旋回動作を主として
運転が行われる。吊荷が目標位置B1に近づくにつれ、
半径方向にはズレが生じるので、これを補正するために
ジブの起伏動作が経路1の最後に行われる。
【0008】この場合、吊荷の移動方向と半径方向とに
振れが生じることが予想される。なぜなら、移動方向に
おいては加速・減速による慣性が吊荷に作用するからで
あり、また、半径方向においては旋回による遠心力が吊
荷に作用するからである。従って、経路2に示すよう
に、初期位置A1から目標位置B1までを1本の直線で
結ぶことによって、移動における最短経路が実現できる
とともに、遠心力を除去することが可能となる。
【0009】しかし、上述した吊荷の直線的な移動経路
に対しても振れ止めを行う必要がある。吊荷を直線移動
させる場合の振れ止めは、特開2000−313586
号公報、または特開2000−153989号公報に開
示されている。これらは、吊荷を吊り上げる門型クレー
ンのトロリーの速度を制御するものである。これらによ
ると、吊荷を吊っているロープ長さを測定し、仮想振り
子の運動パターンに照らし合わせて吊荷の振れ周期を仮
想振り子の運動パターンと一致させるように速度制御を
行うものである。
【0010】直線移動における振れ止めについて図を参
照しながら説明する。トロリーは、吊荷を一定方向に移
動させるものであって、単振り子の振れで解釈される。
図6(a)で示されるように、トロリーは、加速時間t
1で加速を行い、加速後の速度で等速時間t2の間に等
速運動を行う。そして、トロリーが等速時間t2を終え
た後、減速時間t3をかけて減速を行う。そして、目標
位置B1で速度が零となって停止することになる。な
お、ここで示される台形面積Sは、初期位置A1から目
標位置B1の距離を表していることになる。
【0011】また、図6(b)を参照しながら吊荷の振
れ角θを説明すると、加速時間t1間では、吊荷の振れ
角が移動方向と反対側に振れながら一旦最大となり、次
第に減衰していく。そして、等速時間t2に達すると同
時に吊荷の振れ角は零となる。そして、減速時間t3で
減速を行うことによって、吊荷の振れ角が移動方向と同
じ側に振れながら一旦最大となり、次第に減衰して停止
時に振れ角が零となる。
【0012】つまり、吊荷の振れ止めを行う場合、加速
時間t1及び減速時間t3のそれぞれの時間を、図6
(b)に示されるような仮想振り子の周期の整数倍で合
わせることで実現されている。これによって、吊荷の振
れ周期が上述した仮想振り子と一致するので、振れ止め
が可能となる。
【0013】また、加速時間t1と等速時間t2とを合
わせた時間と、等速時間t2と減速時間t3とを合わせ
た時間とのそれぞれを、仮想振り子とされた吊荷の周期
の整数倍に合わせることでも可能とされる。この方法は
短距離で吊荷を移動させる場合に適している。
【0014】これら吊荷の振れ止めは、仮想振り子を想
定しながら実際のロープ長さを予め考慮して振れ止めを
行うパターン振れ止めをいうものである。そして、さら
に加速度計等のセンサーを設けて得られた数値から実際
のフィードバック制御をかけることで、振れ止めの精度
を向上させることも可能とされている。
【0015】次に、図5(b)を用いてジブ先端の経路
4について説明する。図5(b)におけるジブ先端の経
路4は、特開平8−245164号公報に開示されたも
のである。これによるとクレーンのジブ先端は、初期位
置Aから最小旋回円に向かって接するように直線移動す
る。そして、その後にジブ先端は、最小旋回円に接する
ことでこの円周の一部を辿り、途中で最小旋回円から離
脱して目標位置Bに向かって直線移動することになる。
つまり、この経路4は、初期位置A及び目標位置Bにお
ける最小旋回円の接線と、最小旋回円とによって構成さ
れるものであり、直線移動できない場合の移動距離とし
ては最短な経路となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記説
明した従来のクレーンの運転方法においては、以下の問
題を有していた。まず1つ目には、吊荷の直線移動にお
ける振れ止めが、ロープ長の変化に追従できない問題が
ある。つまり、ロープ長を検知して振れ止め制御を行っ
ているが、このロープ長が吊り上げ開始時点から常に一
定とされる場合に限られているからである。トロリーを
含んで構成される門型クレーンにおいては、ロープ長が
一定として使用される場合では、目標位置に移動して吊
荷の振れがない状態でロープの巻き上げ下げ動作が行わ
れる。従って、吊荷の振れ止めにおける大きな問題とは
なりにくい。トロリーの移動とロープの巻き上げ下げ動
作が同時に行われる場合では、ロープ長の変化を考慮す
る必要があるが、特開2000−313586号公報、
または特開2000−153989号公報に開示されて
いるトロリーの走行加速度の演算式では、実際のロープ
長の加速度が考慮されておらず、実際にロープ長の変化
があると吊荷の振れパターンと仮想振り子との振れパタ
ーンがずれることになる。
【0017】しかし、旋回動作を含むジブを備えたジブ
クレーン等(モバイルハーバクレーン、クローラクレー
ン、ホイールクレーン、タワークレーンなどを言う)に
おいては、ジブの起伏によってロープの長さが多用に変
化する。このような場合においても、ジブの起伏動作に
合わせて予めロープ長を予想することも可能である。し
かし、実際のクレーンでの荷役作業においては、吊荷を
移動させる際に障害物を避けたり、位置合わせなど微妙
な高さ変更が必要とされるで、オペレータの操作次第に
よって予想したロープ長と必ずしも一致することはほと
んどない。従って、振れ止めのために演算されたロープ
長が、時々刻々と変化することとなり、仮想振り子に照
らし合わせた吊荷の周期が、既に演算された仮想振り子
の周期からずれることとなり、吊荷の振れ止めを行うこ
とが困難となることが多々あった。
【0018】また、2つ目には、初期位置と目標位置と
を結ぶ直線が最小旋回円を跨ぐ場合、上述した多角形直
線運動による経路3と最小旋回円に接する接線を用いた
経路4との2つの運転方法では遠心力が大きく作用する
ことが度々あった。なぜなら、図5(a)の多角形直線
運動による経路3の場合には、経路3が折れ曲がる箇所
にて吊荷の移動方向が急激に変化し、変化する前の吊荷
の慣性が発生するからである。また、図5(b)の最小
旋回円に接する接線を用いた経路4の場合には、最小旋
回円を通ることによって吊荷の移動する半径が小さくな
り、遠心力が大きく作用するためである。さらに、図5
(a),(b)に示される経路3及び経路4ともに不連
続な移動経路とされているので、各経路途中での方向性
が変化する際に、移動方向とは異なる別方向の振れが生
じたり、一時的な停止動作が生じたりすることがあっ
た。
【0019】2つ目の問題によって、クレーンの運転で
は吊荷の移動速度を遅くさせざるを得ず、作業効率が重
要視されるクレーンでは解決すべき問題とされている。
また、吊荷を直線移動させる1つ目に説明した場合にお
いても、吊荷の振れが残存するとこれを消去させるため
の運転操作時間が必要となり、クレーンにおける作業性
の低下が生じていた。
【0020】本発明は上記事情に鑑みて成されたもので
あり、クレーンでの荷役作業における吊荷の振れを最小
限に抑えて、作業性の向上を図ることが可能なクレーン
の運転方法及び制御装置並びにこれを備えたクレーンを
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用する。請求項1に記載の
発明は、ジブ先端から垂下されたロープによって吊荷を
吊り下げ、該吊荷を初期位置から目標位置まで移動させ
て荷役作業を行うクレーンの運転方法において、仮想ロ
ープ長を設定する仮想ロープ長設定工程と、前記仮想ロ
ープ長が変化せず、且つ前記吊荷が前記初期位置から前
記目標位置まで直線移動する条件で前記吊荷が前記目標
位置において静止する場合の前記ロープの振れ角の仮想
加速度パターンを演算する仮想加速度パターン演算工程
と、各時刻における実際のロープ長の変化を得るロープ
長変化取得工程と、前記ロープの振れ角の加速度パター
ンが前記仮想加速度パターンに一致するように、前記ロ
ープ長変化取得工程で得た実際のロープ長の変化を考慮
して前記ジブ先端の加速度パターンを演算するジブ先端
加速度パターン演算工程と、該ジブ先端加速度パターン
演算工程に基づいて前記ジブ先端を直線移動させるジブ
移動工程と、を含むことを特徴とする。
【0022】これによると、仮想ロープ長の仮想振り子
が最下点から最下点へ1周期する間に初期位置から目標
位置へ到達するように仮想加速度パターンが仮想加速度
パターン演算工程から導き出される。そして、ロープ変
化取得工程にて得られた実際のロープ長における振れ角
の加速度パターンを上述した仮想加速度パターンに一致
させるようにジブ先端のジブ先端加速度パターンが演算
される。これによって、目標位置において振れがないよ
うにするジブ先端加速度パターンが随時演算されるの
で、この演算結果に基づいてジブ移動工程への指令値が
出力されて実際のジブ及び旋回動作による吊荷の振れ止
めがなされることとなる。なお、ジブ先端が直線移動を
可能とされた場合に特に有効な運転方法とされ、吊荷の
移動方向における振れ止めが行われることになる。
【0023】請求項2に記載の発明は、前記仮想ロープ
長が、前記クレーンの能力によって決定される、前記ジ
ブを直線移動させうる最大加速度に基づいて設定される
ことを特徴とする。
【0024】仮想ロープ長は、仮想加速度パターン演算
工程にて演算される任意に設定可能な数値であり仮想加
速度パターンを決定するものである。従って、仮想加速
度パターンにおける仮想加速度においても、仮想ロープ
長から得られるものであり、これもまた任意に設定され
るものである。仮想加速度パターンは、クレーンにおけ
る作業性の向上のため、可能な限り大きな加速度を有し
て導かれることが好ましい。しかしながら、実際にジブ
を移動させる場合には、この加速度の限界がある。つま
り、クレーンの機械構造上における限界のことである。
従って、仮想ロープ長がジブの移動における最大加速度
によって決定されることで、最も効率的な仮想加速度パ
ターンが導かれることとなり、実際にジブ先端の移動を
クレーン自体の最大加速度付近で動作させることにな
る。
【0025】請求項3に記載の発明は、前記ジブ先端加
速度パターン演算工程におけるジブ先端加速度akが、
前記仮想ロープ長をλ0、前記ロープ長をλ、前記ロー
プ長の速度をν、前記ロープの加速度をκ、前記仮想加
速度パターン演算工程における前記ジブ先端仮想加速度
をak0、前記吊荷の振れ角をθ、前記吊荷の振れ角速度
をω、重力加速度をgとした場合、
【数8】 で表されることを特徴とする。
【0026】上記示される式(1)によって、ジブ先端
加速度akが求められる。この式(1)によれば、ロー
プ長の変化に時々刻々と対応することができる。つま
り、吊荷の振れ角θを認識しながらジブ先端加速度ak
は、実際のロープ長の変化に合わせて随時変更され、仮
想加速度パターンによって得られた振れ止めの周期に合
わせられることになる。
【0027】上記の式(1)に至る演算過程について説
明する。単振り子の運動方程式は、吊点の加速度を
k、振り子の振れ量をχ、ロープ長をλ、重力加速度
をgとすると、以下の式(2)として表される。なお、
これ上記に示される各符号(例えば、吊点の加速度
k、ロープ長λ、振り子の振れ角θ等)は、それぞれ
上述した各符号(例えば、ジブ先端加速度a k、吊荷を
吊り下げるロープ長λ、吊荷の振れ角θ等)と同一な状
態として求められるものであるので、同じ符号を用いて
説明する。
【数9】
【0028】この式(2)において、振り子の振れ角θ
が小さいときには、平行振れ量をχとして置いた場合、
χは以下に示す式(3)と表すことができる。 χ=λθ
…(3) さらに、式(3)を1回微分、2回微分してみると、式
(4),式(5)に表すことができる。
【数10】
【数11】
【0029】ここで得られた式(5)を、式(2)に入
れて整理すると、振れ角の2回微分である振れ角加速度
が下記式(6)で表される。
【数12】
【0030】次に、式(6)において、ロープ長λを一
定長とされた仮想ロープ長λ0、吊点の加速度akを一定
な加速度ak0とに置き換えて、加速時間を仮想ロープ長
の1周期とした時を考える。この場合、仮想ロープ長λ
0が一定長とされることで、この仮想ロープ長λ0の1回
微分及び2回微分の値は共に零となり、式(6)は下記
式(7)となる。
【数13】
【0031】ここで、振り子の振れ角加速度が同じとな
るような吊点の加速度akを求めるために、式(6)と
式(7)との右辺を等しいとする。そして、この式を整
理すると、下記式(8)が求められる。
【数14】 よって、ロープ長λの速度をν、ロープ長λの加速度を
κ、振れ角速度をωとすると、本請求項3に示される数
式が導かれることとなる。なお、一定な加速度ak0につ
いては、任意に設定することが可能であるため、より大
きく設定することが好適である。しかし、例えばクレー
ン自体の動力性能の限界があるので、これを考慮して設
定することが望ましい。
【0032】請求項4に記載の発明は、ジブ先端から垂
下されたロープによって吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期
位置から目標位置まで移動させて荷役作業を行うクレー
ンの運転方法において、前記初期位置から前記目標位置
までを円弧で結んだ曲線に沿って前記吊荷を移動させる
ことを特徴とする。
【0033】このようなクレーンの運転方法によって、
ジブ先端が初期位置と目標位置とを通る円弧上の経路を
辿ることとなり、この円弧に沿って吊荷が移動すること
になる。ジブ先端を該円弧に沿って移動させるには、ジ
ブの起伏動作とクレーンの旋回動作等との少なくとも2
つ以上を両方同時に且つそれぞれ別の動作で行うことに
よってなされるものである。また、円弧はできる限り大
きな曲率半径で導くことが望ましい。なぜなら、吊荷に
働く遠心力を低下させる作用を導くためである。
【0034】請求項5に記載の発明は、前記円弧が前記
クレーンの最小旋回円に一点で接することを特徴とす
る。
【0035】このようなクレーンの運転方法によって、
ジブ先端が初期位置と目標位置とを通り、且つクレーン
に最小旋回円に一点で接する円弧上の経路を辿ることと
なる。そして、この円弧に沿って吊荷が移動することに
なる。上述した円弧は、クレーンの作業範囲の中で初期
位置と目標位置とを結ぶ円弧の中で最も曲率半径が大き
なものである。吊荷がこの円弧に沿って移動すること
で、該吊荷には移動速度に応じた最小限の遠心力のみが
作用することになる。
【0036】請求項6に記載の発明は、前記吊荷の移動
経路を平面視してXY平面に投影し、基準となる前記ク
レーンの旋回中心の座標をO(0,0)、前記初期位置
の座標をA(xA,yA)、前記目標位置の座標をB(x
B,yB)、前記A点と前記B点との中点の座標をC(x
C,yC)、前記A点と前記C点との距離をLA、C点を
通る直線ABの垂線とx軸とのなす角度をφ、クレーン
の最小旋回円の半径をr0、求める前記円弧の中心座標
をD(xD,yD)、前記C点と前記D点との距離をLと
し、下記の各式によってα,β,γ,δ,εを定めた場
合に、
【数15】
【数16】
【数17】
【数18】
【数19】 前記Lの長さが下記の式で表され、
【数20】 該Lによって前記円弧の中心であるD点の座標が、 (xD,yD)=(xC−Lcosφ,xC−Lsinφ) で表されることを特徴とする。
【0037】このように円弧の中心座標Dが、既知とさ
れた、各座標位置、つまり初期位置A点と、目標位置B
点と、A点とB点とを直線で結んだ中点であるC点と、
点AC間の距離であるLAと、C点を通る直線ABの垂
線と基準とするx軸とのなす角度φと、クレーンの最小
旋回円の半径r0とによって求められる。これによって
吊荷を移動させるための円弧の中心座標Dが求まるとと
もに、円弧の半径も容易に求められる。これら数値は、
旋回中心Oを基準として得られるものである。
【0038】これによって、ジブ先端が初期位置Aと目
標位置Bとを通り、且つクレーンの最小旋回円に一点で
接する円弧上の経路を辿ることとなり、この円弧に沿っ
て吊荷が移動することになる。
【0039】図2を参照しながら、円弧の中心座標Dを
求める過程について以下に説明する。図2には初期位置
Aと目標位置Bとを結び、且つクレーンの最小旋回円に
接するジブ先端の移動経路となる円弧が既に示されてい
る。そして、未知とされた円弧上に任意の点をP(x,
y)、該P点と点Oとの距離をLPとおいて考える。
【0040】求める円弧の半径をRとした場合、三角形
ADCから下記の式(9)が得られる。 R2=L2+LA 2 …(9) また、円弧の方程式より、下記式(10)が得られる。 R2=(x−xD2+(y−yD2 …(10) さらに、LPは図より下記式(11)として表せる。 LP 2=x2+y2 …(11)
【0041】ここで、図2に示すように、LPの最小値
とされる点Pの位置は、点Dと点Oとを結んだ直線が、
円弧に交わった交点とされるので、LPの最小値をL
Pminとすると、 LPmin=R−√(xD 2+yD 2) …(12) となる。点Dと点Oとを結んだ直線と円弧とが交わる場
合に最小旋回円に接するためには、LPminがr0となら
なくてはいけないので、LPminは下記の式(13)に表
される。
【数21】
【0042】この式(13)を整理してから、二乗して
再び整理すると、下記式(14)が導き出される。な
お、下記に示されるα,βは、上述したα,βと同様な
数式を表しており、既知とされた値を入れることによっ
て、数値として得られるものである。 2r0√(L2−LA 2)=αL+β …(14)
【0043】そして、式(14)の両辺を二乗して整理
すると、下記の式(15)が導き出される。なお、下記
に示されるγ,δ,εは、上述したγ,δ,εと同様な
数式を表しており、既知とされた値を入れることによっ
て、数値として得られるものである。 γL2+δL+ε=0 …(15)
【0044】従って、点OD間の距離Lは、式(15)
の2次方程式の解として導くことができるので、Lが正
であることを考慮すると、下記の式(16)にてLを表
すことができる。
【数22】
【0045】点OD間の距離Lが、上記の式(16)に
よって求まることによって、次に点Dの座標を求める。
点Dの座標は、図2から (xD,yD)=(xC−Lcosφ,xC−Lsinφ) …(17) として求められるので、該式(17)にLを代入する
と、円弧の中心座標であるDの座標が求められることに
なる。
【0046】このように、上記説明した各式は、初期位
置Aと目標位置Bの中点であるC点を求め、このC点を
通り直線ABに対して直角にひかれた垂線上に、求める
円弧の中心D点が存在することによって導かれるもので
ある。
【0047】請求項7に記載の発明は、ジブ先端から垂
下されたロープによって吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期
位置から目標位置まで移動させて荷役作業を行うクレー
ンの運転方法において、前記初期位置と前記目標位置と
を結ぶ直線経路を演算し、該直線経路がクレーンの最小
旋回円に干渉しない場合、請求項1〜請求項3のいずれ
かに記載のクレーンの運転方法を行うことを特徴とす
る。
【0048】このような運転方法によれば、まず初期位
置と目標位置とからこれら両方の点を結ぶ直線が演算に
よって求められる。そして、この演算結果によって得ら
れた直線がクレーンの最小旋回円に干渉しないかどうか
が判断される。該直線が最小旋回円に干渉しない、つま
り直線が最小旋回円を跨がないと判断された場合、ジブ
先端は先に求められた直線を移動するための直線経路と
して判断し、これに沿って移動することになる。そし
て、ジブ先端から吊り下げられた吊荷は、初期位置から
目標位置まで直線移動することとなる。さらに、ジブ先
端が直線経路を移動する際は、吊荷の移動方向の振れを
なくすように、実際のロープの長さ変化が随時捉えられ
ながら、吊荷の振れ止め制御を実施したクレーンの運転
が行われることになる。
【0049】請求項8に記載の発明は、ジブ先端から垂
下されたロープによって吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期
位置から目標位置まで移動させて荷役作業を行うクレー
ンの運転方法において、前記初期位置と前記目標位置と
を結ぶ直線経路を演算し、該直線経路がクレーンの最小
旋回円を跨ぐ場合、請求項4〜請求項6のいずれかに記
載のクレーンの運転方法を行うことを特徴とする。
【0050】このようなクレーンの運転方法によれば、
まず初期位置と目標位置とからこれら両方の点を結ぶ直
線が演算によって求められる。そして、この演算結果に
よって得られた直線がクレーンの最小旋回円に干渉しな
いかどうかが判断される。該直線が最小旋回円を干渉す
る、つまり跨ぐことが判断された場合、ジブ先端は請求
項4〜6に示した円弧経路に沿って移動することにな
る。従って、吊荷は初期位置から目標位置に向かって連
続する円弧上に沿って最小限の遠心力を受けながら移動
することになる。
【0051】請求項9に記載の発明は、ジブ先端から垂
下されたロープによって吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期
位置から目標位置まで移動させて荷役作業を行うクレー
ンの運転方法において、前記初期位置と前記目標位置と
を結ぶ直線経路を演算し、該直線経路がクレーンの最小
旋回円に干渉しない場合、請求項1〜3のいずれかに記
載のクレーンの運転方法を行い、前記直線経路が前記最
小旋回円を跨ぐ場合、請求項4〜6のいずれかに記載の
クレーンの運転方法を行うことを特徴とする。
【0052】このようなクレーンの運転方法によれば、
まず初期位置と目標位置とからこれら両方の点を結ぶ直
線が演算によって求められる。そして、この演算結果に
よって得られた直線がクレーンの最小旋回円に干渉しな
いかどうかが判断される。該直線が最小旋回円に干渉し
ない、つまり直線が最小旋回円を跨がないと判断された
場合、ジブ先端は先に求められた直線を、移動するため
の直線経路として判断し、これに沿って移動することに
なる。そして、ジブ先端から吊り下げられた吊荷は、初
期位置から目標位置まで直線移動することとなる。さら
に、ジブ先端が直線経路を移動する際は、吊荷の移動方
向の振れをなくすように、実際のロープ長の変化が随時
捉えられ、吊荷の振れ止め制御が実施されながら運転が
行われることになる。
【0053】また一方で、初期位置と目標位置とを結ぶ
直線が、最小旋回円を跨ぐと判断された場合、ジブ先端
は請求項4〜6に示した直線経路を用いずに円弧経路に
沿って移動することとなる。その結果、吊荷は初期位置
から目標位置に向かって連続する円弧上に沿って移動す
ることになる。
【0054】請求項10に記載の発明は、ジブ先端から
垂下されたロープによって吊荷を吊り下げ、該吊荷を初
期位置から目標位置まで移動させて荷役作業を行うクレ
ーンの制御装置において、各時刻における実際のロープ
長の変化を得るロープ長変化取得手段と、仮想ロープ長
を設定しつつ、該仮想ロープ長の長さが変化せず、且つ
前記吊荷が前記初期位置から前記目標位置まで直線移動
する条件で前記吊荷が前記目標位置において静止する場
合の前記ロープの振れ角の仮想加速度パターンを演算
し、前記ロープ長変化取得手段で得た実際のロープ長の
変化を考慮して、実際のロープの振れ角の加速度パター
ンが前記仮想加速度パターンに一致するように、前記ジ
ブ先端の加速度パターンを演算するジブ先端加速度パタ
ーン演算手段と、該ジブ先端加速度パターン演算手段に
基づいてジブ先端を直線移動させる直線運転指示手段
と、を備えていることを特徴とする。
【0055】クレーンの制御装置に上記示した各手段を
備えることで、仮想ロープ長の仮想振り子が最下点から
最下点へ1周期する間に初期位置から目標位置へ到達す
るように仮想加速度パターンが仮想加速度パターン演算
手段によって導き出される。そして、ロープ変化取得手
段にて得られた実際のロープ長における振れ角の加速度
パターンを、上述した仮想加速度パターンに一致させる
ようにジブ先端のジブ先端加速度パターンが演算される
ことになる。これによって、目標位置において振れがな
いようにするジブ先端加速度パターンが演算されるの
で、この演算結果に基づいて直線運転指示手段への指令
値が出力される。そして、実際のジブ先端の動作が制御
されて吊荷の振れ止めがなされることとなる。なお、ジ
ブ先端が直線移動を可能とされた場合に特に有効な運転
方法とされ、吊荷の移動方向における振れ止めが確実に
行われることになる。
【0056】請求項11に記載の発明は、ジブ先端から
垂下されたロープによって吊荷を吊り下げ、該吊荷を初
期位置から目標位置まで移動させて荷役作業を行うクレ
ーンの制御装置において、前記初期位置から前記目標位
置までを円弧で結んだ曲線に沿ってクレーンの旋回動作
とジブの起伏動作を制御する円弧運転指示手段を備えて
いることを特徴とする。
【0057】円弧運転指示手段によって、ジブ先端は初
期位置から目標位置へと円弧上の経路を辿ることとな
り、この円弧に沿って吊荷が移動することになる。ジブ
先端を該円弧に沿って移動させるには、ジブの起伏動作
とクレーン自体の旋回動作等との少なくとも2つ以上を
両方同時に且つそれぞれ別の動作で行うことで実施され
るものであり、円弧運転指示手段がこれらの動作を指示
することになる。なお、円弧運転指示手段がクレーンに
対して指示する円弧経路は、曲率半径が大きく且つ連続
している円弧経路を導くように設定することが望まし
い。
【0058】請求項12に記載の発明は、ジブ先端から
垂下されたロープによって吊荷を吊り下げ、該吊荷を初
期位置から目標位置まで移動させて荷役作業を行うクレ
ーンの制御装置において、前記初期位置と前記目標位置
とを結ぶ直線を演算してクレーンの最小旋回円との位置
関係を出力する経路判定手段と、各時刻における実際の
ロープ長の変化を得るロープ長変化取得手段と、仮想ロ
ープ長を設定しつつ、該仮想ロープ長の長さが変化せ
ず、且つ前記吊荷が前記初期位置から前記目標位置まで
直線移動する条件で前記吊荷が前記目標位置において静
止する場合の前記ロープの振れ角の仮想加速度パターン
を演算し、前記ロープ長変化取得手段で得た実際のロー
プ長の変化を考慮して、実際のロープの振れ角の加速度
パターンが前記仮想加速度パターンに一致するように、
前記ジブ先端の加速度パターンを演算するジブ先端加速
度パターン演算手段と、該ジブ先端加速度パターン演算
手段に基づいてジブ先端を直線移動させる直線運転指示
手段と、前記初期位置から前記目標位置までを円弧で結
んだ曲線に沿ってクレーンの旋回動作とジブの起伏動作
を制御する円弧運転指示手段とを備え、前記経路判定手
段が、前記直線運転指示手段または前記円弧運転指示手
段のどちらか一方を選択することを特徴とする。
【0059】経路判定手段によって、初期位置から目標
位置へと吊荷を移動させるための経路の判定がなされ、
直線移動が可能と判定されると、直線運転指示手段を選
択してジブ先端を直線移動させる運転を行わせることに
なる。一方、経路判定手段が、初期位置から目標位置へ
と吊荷を直線移動させることが不可能、つまり、初期位
置と目標位置とを結ぶ直線が最小旋回円を跨いでしまう
ことを判断すると、円弧運転指示手段を選択することに
なる。そして、円弧運転指示手段は、ジブ先端を最小旋
回円を回避するような円弧経路で移動させる運転を行わ
せることになる。
【0060】請求項13に記載の発明は、ジブ先端から
垂下されたロープによって吊荷を吊り下げ、該吊荷を初
期位置から目標位置まで移動させて荷役作業を行うクレ
ーンにおいて、請求項10〜請求項12のいずれかに記
載のクレーンの制御装置を備えていることを特徴とす
る。
【0061】クレーンは、吊荷を初期位置から目標位置
まで移動させる経路の中で、吊荷の振れを除去あるいは
最小限に抑えて移動させることが可能な経路を選択し
て、荷役作業を行うことになる。
【0062】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は本実施形態におけ
るモバイルハーバクレーン1の概略図である。また、図
2、図3は該クレーンのジブ先端Hの移動経路を示した
図であって、図2(a)はジブ先端Hの直線移動を示し
た平面図、図2(b)はその際の速度パターン図、図3
はジブ先端Hの円弧経路及びその導き方を示した平面図
である。さらに、図4は振れ止めを行う際の制御部10
の指令信号の流れを示した流れ図である。
【0063】図1に示される符号1は、港湾設備として
用いられて好適なモバイルハーバクレーン(以下、単に
「機体」ともいう。)を示している。このモバイルハー
バクレーンの機体1は、複数のアウトリガ12を備えた
キャリアフレーム11と、該キャリアフレーム11に載
上された旋回フレーム13及び本体フレーム14と、本
体フレーム14に取り付けられたジブ2とを主たる構成
とされている。
【0064】キャリアフレーム11は、このほぼ両端側
から長手方向に対して直角となる方向に各アウトリガ1
2を張り出して機体1の安定を確保している。そして、
アウトリガ12がキャリアフレーム11に格納された場
合は、図示しない走行タイヤ等によって港湾の構内を移
動可能とされている。
【0065】キャリアフレーム11のほぼ中央部には、
円環状の旋回ベアリング(図示せず)が設けられ、これ
を介して旋回フレーム13が載上されている。旋回ベア
リングの周部にはラック状の歯が形成され、旋回駆動装
置(図示せず)に取り付けられたピニオン(図示せず)
が噛み合わされている。なお、旋回駆動装置は旋回フレ
ーム13側に取り付けられている。従って、旋回フレー
ム13は、ピニオンの回転によって旋回ベアリング16
の中心で360度回転可能とされている。なお、旋回ベ
アリング16の中心は旋回中心Oをいうものであり、ク
レーンでの荷役作業を行う上での作業半径の中心を意味
している。また、旋回フレーム13の旋回中心O付近に
は、キャリアフレーム11に対して旋回フレーム13の
旋回方向を検出する旋回角検出装置5aが備わり、後述
する制御部10と点線で示されるケーブルによって接続
されている。
【0066】旋回フレーム13上には、ジブ2の基端部
を回動可能に支持する本体フレーム14と、吊荷Gにつ
ながるロープ3(「ワイヤ」とも言う)を巻き取るウイ
ンチ4と、ジブ2を起伏させるシリンダ6と、オペレー
タが搭乗してクレーン操作を行う運転室(図示せず)と
が主として設けられている。ウインチ4には、ロープ3
の繰り出し状態を検出するエンコーダ4a(ロープ長変
化取得手段)が設けられている。そして、エンコーダ4
aは後述する制御部10と点線で示されるケーブルによ
って接続されている。
【0067】本体フレーム14は、棒状の部材が複数組
み合わされたトラス構造として形成されている。この本
体フレーム14のほぼ中間にあたる位置には、ジブ2の
基端部(図において左側)がジブフートピン(図示せ
ず)を介して取り付けられている。そして、ジブフート
ピンあるいはジブ2の側面には、該ジブ2の起伏角度を
検出する起伏角検出装置2aが設けられている。そし
て、起伏角検出装置2aは、後述する制御部10と点線
で示されるケーブルによって接続されている。
【0068】ジブ2は、トラス構造の長尺な形状で形成
されており、この一端である基端部は上述したように本
体フレーム14に回動可能に支持されている。また、ジ
ブ2の基端部から僅かに先端側に位置した下側には、シ
リンダ6のロッド側端部が図示しないピンを介して回動
可能に取り付けられ、ジブ2の支持がなされている。こ
のシリンダ6のボトム側端部は旋回フレーム13の前部
にピン(図示せず)を介して回動可能に取り付けられて
いる。ジブ2は、該シリンダ6の伸縮動作によってジブ
フートピンを中心に起伏動作がなされ、ジブ先端Hにお
ける荷役作業の作業半径が規定されることになる。
【0069】ロープ3は、一端部が吊荷Gを吊るための
フック(図示せず)に巻回されており、ジブ先端Hから
吊荷Gに向かって垂れ下げられている。また、ロープ3
の他端部は、旋回フレーム2上に設置されたウインチ4
に巻き取られるようになっている。ウインチ4の回転動
作によってロープ3が巻き取られることになり、これに
よって、吊荷Gは上方に移動することになる。また、ウ
インチ4の逆回転動作によって、吊荷Gは下方に移動す
ることになる。
【0070】また、機体1の動作を制御する制御装置
は、制御部10を含んでなお且つ上述した旋回角検出装
置5a、起伏角検出装置2a、エンコーダ4aとを少な
くとも備えて構成されるものである。
【0071】次に、図1を参照しながら吊荷Gの荷役作
業について図2、図3を用いて説明する。クレーンの運
転を行うオペレータは、吊荷Gが既に置かれている初期
位置Aと、移動先である目標位置Bとの位置情報を運転
前に予め入力する。各位置を入力する作業は、機体1の
設置段階における旋回中心Oを基準点としたXY平面と
され、オペレータが該XY平面と同等な操作パネル上で
の平面で各位置を入力することになる。この作業によっ
て、初期位置A及び目標位置Bの位置情報がクレーンの
制御部10に出力される。
【0072】さて、初期位置A及び目標位置Bが入力さ
れると、この各座標データは制御部10に出力されて、
これら各位置A,Bを結ぶ直線が導き出される。そし
て、この直線が最小旋回円を跨ぐか否かが演算によって
判断されることになる。直線が最小旋回円を跨ぐか否か
を判断するには、例えば初期位置Aと目標位置Cとを結
ぶ直線に対して旋回中心Oから垂線を下ろし、該直線と
の交点とO点との距離が最小旋回円の半径r0よりも大
きいか否かを判断すればよい。なお、このような判断
は、後述する制御部10内に設けられた図4に記載の座
標変換部50(経路判定手段)によって行われるもので
ある。また、最小旋回円とは、機械構造上の制約によっ
て荷役作業が不可能な範囲の最外周を示した半径r0
された円であり、ジブ2の最起立時におけるジブ先端H
の移動可能な経路を示している。
【0073】そして、初期位置Aと目標位置Bとを結ぶ
直線が、最小旋回円を跨がないことが判断されると、図
2に示されるように先に導き出された直線に沿って吊荷
Gを移動させるためのジブ先端Hの直線移動が行われ
る。なお、初期位置Aと目標位置Bとを結ぶ直線が、最
小旋回円を跨ぐことが演算によって判断されると、図3
に示されるジブ先端Hの円弧移動が選択されることにな
る。この運転方法については後に説明する。
【0074】ジブ先端Hを直線移動させることは、ジブ
2の起伏動作と旋回フレーム13の旋回動作を連動させ
ることによってなされる。この場合、オペレータはジブ
2の起伏動作によって吊荷Gの高さを極端に変更したく
ないので、吊荷Gの高さを一定に保つべくウインチ4の
操作を追加することになる。さらに、オペレータは、移
動経路に障害物があったり、地面からある一定な高さを
保ったりするために吊荷Gの巻き上げ下げ動作を追加す
ることがある。
【0075】しかし、以下に説明する吊荷Gの直線移動
の運転方法によれば、旋回動作を行っても吊荷Gには遠
心力・移動方向の振れが作用せず、なお且つ最短距離で
移動させることが可能となる。課題となる移動方向に作
用する吊荷Gの振れに関しては、変化するロープ3の長
さに応じて振れがなくなるようにジブ先端Hの移動速度
が制御されることになる。
【0076】ジブ先端Hの移動方向における吊荷Gの振
れ止め制御について、図4を用いて説明する。最初に初
期位置Aと初期位置Bとの座標が座標変換部50にて演
算用の座標に変換される。次に、仮想振り子の基準とな
る基準ロープ長λ0(仮想ロープ長)が、基準ロープ長
設定部51にて機体1の機械構造上の限界加速度、限界
速度、実際のロープ長λが考慮されて導き出される。そ
して、ここで得られた結果が、基準ロープ長振れ止めパ
ターン作成部52に出力される。なお、実際のロープ長
λは後述する実ロープ長加速度指令計算部54(ジブ先
端加速度パターン演算手段)にも直接出力される。ま
た、求められた基準ロープ長λ0についても、実ロープ
長加速度指令計算部54に直接出力される。
【0077】演算用の座標と基準ロープ長λ0とを入力
した基準ロープ長振れ止めパターン作成部52では、こ
の基準ロープ長λ0における仮想振り子が、最下点から
最下点へ1周期する間に初期位置Aから目標位置Bへ到
達するような振れ止めパターン(仮想加速度パターン)
が作成される。ここで、基準ロープ長λ0における仮想
振り子の加速度ak0が求められることになり、この結果
は実ロープ長加速度指令計算部54に直接出力されると
ともに、基準ロープ長振れ角計算部53に出力されるこ
ととなる。仮想振り子の加速度ak0及び基準ロープ長λ
0の求め方については後の演算過程にて説明する。
【0078】基準ロープ長振れ角計算部52に入力され
た基準ロープ長λ0における仮想振り子の加速度a
k0は、ここで基準ロープ長λ0における仮想振り子の振
れ角θが求められて実ロープ長加速度指令計算部54に
出力されることとなる。さらに、実際のロープ長の速度
νと加速度κが、実際のロープ長を計測するエンコーダ
4aでの時間的計測によって求められ、この結果が実ロ
ープ長加速度指令計算部54に出力される(図示せ
ず)。また、吊荷の振れ角速度ωは、吊荷の周期Tから
求められる。つまり、周期Tは下記の式(18) 周期T=2π√(λ/g) …(18) から求まるので、振れ角速度ωは下記の式(19) 振れ角速度ω=2π/T …(19) から求められる。
【0079】上述したように、実ロープ長加速度指令計
算部54に基準ロープ長λ0の長さ、加速度κ、振れ角
θ、実際のロープ長λ、さらには、実際のロープ長の速
度νと加速度κ、吊荷の振れ角速度ωが入力されるの
で、段落〔0025〕にて既に示した式(1)と同一な
下記の式(20)でジブ先端加速度akが求めるられ
る。
【数23】
【0080】なお、仮想振り子の加速度ak0は、クレー
ン自体の機械上の限界加速度や、実際のロープ長λによ
って求められるものであり、上記の式(20)の第1項
は機械構造上の限界加速度をamax、安全係数をsfと
おくと、下記式(21)として表すことができる。
【数24】 従って、上記の式(21)における仮想振り子の加速度
k0は規定され、これが規定されることによって、仮想
振り子の基準ロープ長λ0は機械構造上の限界加速度a
maxによって自ずと導かれることとなる。もちろんこれ
に特定されるものではないが、クレーンの能力を最大限
に利用できる利点がある。
【0081】以上説明したように、上記式(20)によ
って長さが変化する実際のロープ長λを考慮しつつ、ジ
ブ先端Hの加速度指令が時々刻々と得られることとな
り、これを積分することでジブ先端Hの速度指令が導か
れ、さらに積分することでジブ先端が移動する位置指令
が求められることになる。位置指令が求められることに
より、この結果を座標変換部55で再度機体1の設置平
面であるXY平面上に座標変換を行い、旋回角度指令と
起伏角度指令とを出力する。もちろん旋回角度指令と起
伏角度指令とは互いに連動して得られる制御指令であ
る。旋回角度指令は、旋回角検出装置5aの出力値を参
照しながら旋回駆動装置に出力され、本体フレーム14
に取り付けられたジブ2を有する旋回フレーム13の旋
回動作を促すことになる。また、起伏角度指令は、シリ
ンダ6の長さ用の座標変換部56に一旦入力されること
で、シリンダ6の長さ指令に変換され、シリンダ6の伸
張動作を促すこととなる。
【0082】実際のジブ先端Hの速度パターンについて
一例を挙げて説明する。図2(b)に示すように、加速
時には、吊荷の振れ周期が1周期とされて、一定速度と
なる段階で振れがなくなるような加速度パターンに従っ
てクレーンの運転が行われる。そして、等速度部分で予
想し得ない巻き下げ操作が行われた場合を仮定すると、
実際のロープ3の長さが予想した長さと比べて変化する
ので、これに合わせてジブ先端Hの速度パターン、つま
り加速度パターンの変更が行われる。図に示される破線
は、ロープ3の長さの変化がジブ2の起伏に応じて予め
わかっている場合である。つまり、加速開始時とほぼ同
一な速度パターンとなっている。しかし、上述したよう
に等速度部分で予想し得ない操作があると、実線で示さ
れるようにジブ先端Hの速度パターン、さらには加速度
パターンが変化するので、これによって吊荷の振れが抑
えられて目標位置Bに向かうことになる。また、予想し
得ない巻き下げ操作によって、ロープ3の長さが大きく
なるので、吊荷の一周期における振れ量は増加すること
になる。しかし、吊荷の振れ角に従って制御するので、
振れ角は図に示すように変化しないことになる。
【0083】さて、次に初期位置Aと目標位置Bとを結
ぶ直線が、半径r0とされた最小旋回円を跨ぐことが演
算によって判断された場合のジブ先端Hの移動経路につ
いて図3を用いて説明する。図に示される符号について
説明すると、O(0,0)は旋回中心、該O点を中心と
して半径r0とされた円は最小旋回円、初期位置A点の
座標は(xA,yA)、目標位置B点の座標は(xB
B)、A点とB点との中点をC点(xC,yC)、A点
とB点との距離をLA、円弧の半径をR、円弧上の任意
の点をP点(x,y)、該C点を通って直線ABの垂線
とx軸とのなす角をφとする。また、C点とD点との距
離を仮にL、O点とP点との距離を仮にLPと置く。
【0084】初期位置Aと目標位置Bとを結ぶ直線AB
が、上述した演算によって最小旋回円を跨ぐと判断され
ると、制御部10(図1参照)ではこれらAB点を結ぶ
円弧経路を導くための演算を開始する。該円弧に沿って
ジブ先端Hを移動させる円弧移動の過程について説明す
る。
【0085】段落〔0036〕に示すように、既知とさ
れた座標と、φで表される式を下記の式(22)〜(2
7)のように置き換えると、
【数25】
【数26】
【数27】
【数28】
【数29】 C点と前記D点との距離Lが下記の式(28)とし求め
られる。
【数30】
【0086】一方、求めたいD点の座標は、下記の式
(29)として表せるので、 (xD,yD)=(xC−Lcosφ,xC−Lsinφ) …(29) 上記の式(28)によって得られたLを代入すること
で、Dの座標が求められる。
【0087】また、求める円弧の半径Rは、図より下記
の式(30)として表せるので、
【数31】 これによって、円弧の半径R及び、旋回中心Oに対する
円弧の中心座標Dが求められることとなる。
【0088】上記説明した演算過程は、図4に示される
円弧運転指令部60(円弧運転指示手段)によって行わ
れ、この結果が座標変換部55に入力されて旋回フレー
ム13の旋回動作と、ジブ2の起伏動作の同時制御が行
われる。もちろん、ジブ2の起伏動作については、シリ
ンダ6用の座標変換部56を介してシリンダ6の長さ指
令に変換されて出力されるものである。
【0089】そして、ジブ先端Hは、図3に示される円
弧を移動経路として辿り、吊荷Gを初期位置Aから目標
位置Bに移動させる荷役作業が実行されることになる。
この円弧移動においては、最小旋回円に一点で接してお
り、最小旋回円を辿ることはない。つまり、半径r0
りも遥かに大きな円弧の半径Rで移動することになる。
吊荷の移動半径が大きくなると、遠心力が小さくなるこ
とは言うまでもない。
【0090】また、最小旋回円に接する円弧を求めてジ
ブ先端Hの円弧移動を説明したが、これに限定解釈され
るものではなく、以下に記載する円弧経路を導いてもよ
い。半径r0の最小旋回円は、ジブ2の最起立によって
規定されることを説明した。つまり、最小旋回円は機械
構造上の可動できる限界付近とされているので、状況に
よっては例えばシリンダ6の封じ込めが発生したりする
ので、的確な動作を得ることが困難となる可能性があ
る。また、吊荷Gを低い高さで移動させる場合、アウト
リガ12(図1参照)が移動経路の障害となる可能性も
ある。これを回避すべく、最小旋回円よりも外側に半径
0以上の仮想円を設定し、この仮想円に接する円弧経
路を導くこととしてもよい。従って、上記説明した最小
旋回円の半径r0を仮想円の半径に置き換えて求めるこ
とで実用に沿った的確な吊荷Gの荷役作業が行えること
となる。
【0091】以上説明した本実施形態におけるジブ先端
Hを移動させるクレーンの運転方法によれば、吊荷Gの
初期位置Aと目標位置Bとから最適な移動経路を導くこ
とができ、荷役作業の作業性が向上する。そして、ジブ
先端Hの直線移動においては、ロープ3の長さの加速度
変化に左右されずに吊荷Gの振れをほとんど零に抑える
ことができ、振れ止めを行うための時間が節約されてク
レーンの作業性が向上する。また、常に機械構造上の限
界加速度付近でクレーンの動作が得られるので、吊荷G
の高さを自由に調整しながら短い時間で吊荷Gを移動さ
せることができる。
【0092】また、オペレータは振れ止めの操作を行う
必要がなくなったり、大幅に低減されるので、運転時の
労力軽減にもつながる。さらに、オペレータは自由に巻
き上げ・巻き下げ操作を介入して行えるので、より適切
な荷役作業を実現することが可能となる。また、ジブ先
端Hの円弧移動においては、吊荷Gを大きな移動半径R
を用いて連続する一本の円弧経路を辿らせることができ
るので、遠心力を最低限で抑えることができるととも
に、吊荷に対して複雑且つ急激な慣性を作用させずに旋
回速度を高めることができる。これによって、荷役作業
における作業性の向上を図ることができる。
【0093】なお、本実施形態においては、モバイルハ
ーバクレーン1に適用した例を示したが、旋回機能を有
するジブを備えたすべてのクレーンに適用可能である。
また、吊荷Gをジブ先端Hから吊り下げた場合における
移動経路について説明したが、吊荷Gを吊り下げない吊
具等のみでのクレーンの案内作業としても利用可能であ
ることは言うまでもない。これは、吊具等についても振
れが生じると振れ止めが必要となり、荷役作業の障害と
なるからである。これによれば、吊荷Gを目標位置Bに
降ろして、再び初期位置A付近にある別の吊荷を取りに
行く場合の繰り返し作業でのサイクルタイムが短縮され
ることになる。
【0094】
【発明の効果】以上説明した本発明のクレーン制御にお
いては以下の効果を奏する。請求項1記載の発明は、仮
想ロープ長を設定する仮想ロープ長設定工程と、仮想ロ
ープ長が変化しない条件で吊荷が目標位置において静止
する場合のロープの振れ角の仮想加速度パターンを演算
する仮想加速度パターン演算工程と、各時刻における実
際のロープ長の変化を得るロープ長変化取得工程と、ロ
ープの振れ角の加速度パターンが仮想加速度パターンに
一致するように、ロープ長変化取得工程で得た実際のロ
ープ長の変化を考慮してジブ先端の加速度パターンを演
算するジブ先端加速度パターン演算工程と、該ジブ先端
加速度パターン演算工程に基づいてジブ先端を直線移動
させるジブ移動工程とを含んで構成されるクレーンの運
転方法とされているので、直線移動時に作用する移動方
向の振れをロープ長の変化に関係なく除去することがで
き、オペレータが手動介入することが可能となって操作
における融通性が向上する。また、これによって吊荷を
目標位置に的確且つ安全に導くことが可能となる。ま
た、吊荷の振れ止めがなされることで、オペレータが振
れ止め操作を行う必要がなくなり労力軽減にもつなが
る。また、吊荷を繰り返し移動させるサイクルタイムが
短縮されるので、荷役作業における作業性向上を図るこ
とができる。
【0095】請求項2記載の発明は、仮想ロープ長がク
レーンの能力によって決定されるジブを直線移動させる
最大加速度に基づいて設定されることとされているの
で、クレーンの能力を最大限に導いて吊荷を素早く移動
させることができ、クレーンが有する能力以上の高負荷
運転を回避しつつ、荷役作業の作業性の向上を図ること
ができる。
【0096】請求項3記載の発明は、ジブ先端加速度パ
ターン演算工程におけるジブ先端加速度akが式として
表されるので、得られる各数値からジブ先端の加速度a
kを的確に求めることができ、この結果に基づいてジブ
先端を直線移動させることによって吊荷の振れ止めを確
実に行うことが可能となる。
【0097】請求項4記載の発明は、初期位置から前記
目標位置までを円弧で結んだ曲線に沿って吊荷を移動さ
せる運転方法とされているので、最小旋回円をかわして
連続する大きな円弧で初期位置と目標位置との間で吊荷
を移動させることができる。これによって、吊荷に作用
する遠心力が低減されて吊荷をより早く移動させること
が可能となる。また、遠心力が低減されることによっ
て、吊荷の振れを小さくすることができ、振れ止めに要
する時間の短縮につながる。また、移動経路上に不連続
点がないので、急激且つ複雑な振れを助長させずに安定
した吊荷の移動を行うことができる。
【0098】請求項5記載の発明は、前記円弧が前記ク
レーンの最小旋回円に一点で接する円弧とされているの
で、最も半径が大きい円弧経路を導くことができ、遠心
力を最小限に抑えることができるとともに、移動距離を
少なくすることができる。従って、最小旋回円が移動経
路上に干渉する場合において、最も作業性が高いクレー
ンの荷役作業を実現することができる。
【0099】請求項6記載の発明は、初期位置Aと目標
位置Bとの中点Cと、円弧中心であるD点の距離が求ま
ることにより、該D点の座標、さらには円弧の半径R等
などを容易に導くことが可能となるので、円弧移動にお
ける円弧経路を明確に定義することができ、この移動経
路に沿ったジブ先端の円弧移動が実現可能となる。
【0100】請求項7記載の発明は、初期位置と目標位
置とを結ぶ直線経路を演算し、該直線経路がクレーンの
最小旋回円に干渉しない場合、請求項1〜請求項3のい
ずれかに記載のクレーンの運転方法を行うので、様々な
移動経路の中で最も距離が短く、さらに移動方向の振れ
が確実に除去されたクレーンの運転が選択されることと
なり、素早く吊荷を移動させることが可能となって、荷
役の作業性を向上させることができる。
【0101】請求項8記載の発明は、初期位置と目標位
置とを結ぶ直線経路を演算し、該直線経路がクレーンの
最小旋回円を跨ぐ場合、請求項4〜請求項6のいずれか
に記載のクレーンの運転方法を行うので、機械構造上の
制約をクリアしつつ、連続した円弧経路で吊荷にかかる
遠心力を最小限にとどめて適切に移動させることが可能
となる。
【0102】請求項9記載の発明は、初期位置と目標位
置とを結ぶ直線経路を演算し、該直線経路がクレーンの
最小旋回円に干渉しない場合、請求項1〜3のいずれか
に記載のクレーンの運転方法を行い、直線経路が最小旋
回円を跨ぐ場合、請求項4〜6のいずれかに記載のクレ
ーンの運転方法を行うので、あらゆる状況下におかれた
吊荷を最も適した移動経路で移動させることができ、直
線移動がなされた場合には吊荷の振れは除去され、円弧
移動がなされた場合には遠心力が抑えられて、共により
早いジブ先端の移動速度を導いて荷役における高い作業
性を実現することが可能となる。
【0103】請求項10記載の発明は、各時刻における
実際のロープ長の変化を得るロープ長変化取得手段と、
仮想ロープ長を設定しつつ、該仮想ロープ長の長さが変
化しない条件で吊荷が目標位置において静止する場合の
ロープの振れ角の仮想加速度パターンを演算し、ロープ
長変化取得手段で得た実際のロープ長の変化を考慮し
て、実際のロープの振れ角の加速度パターンが仮想加速
度パターンに一致するように、ジブ先端の加速度パター
ンを演算するジブ先端加速度パターン演算手段と、該ジ
ブ先端加速度パターン演算手段に基づいてジブ先端を直
線移動させる直線運転指示手段とを備えているので、直
線移動時に作用する移動方向の振れをロープ長の変化に
関係なく除去することができ、オペレータが手動介入す
ることが可能となって操作における融通性が向上する。
また、これによって吊荷を目標位置に的確且つ安全に導
くことが可能となる。そして、振れ止めがなされること
で、オペレータの労力軽減にもつながる。また、吊荷繰
り返し移動させる場合には、サイクルタイムの短縮がな
され、作業性の向上を図ることができる。
【0104】請求項11記載の発明は、初期位置から目
標位置までを円弧で結んだ曲線に沿ってクレーンの旋回
動作とジブの起伏動作を制御する円弧運転指示手段を備
えたクレーンの制御装置とされているので、初期位置と
目標位置との間で最小旋回円をかわして大きな円弧で吊
荷を移動させることができ、これによって、吊荷に作用
する遠心力が低減されて吊荷をより早く移動させること
が可能となる。また、遠心力が低減されることによっ
て、吊荷の振れを小さくすることができ、オペレータへ
の労力軽減がなされる。また、移動経路上に不連続な点
がないので、振れ止めに対して多くの制御を必要としな
くなり、振れ止め制御の簡略化が得られる。
【0105】請求項12記載の発明は、初期位置と目標
位置とを結ぶ直線を演算してクレーンの最小旋回円との
位置関係を出力する経路判定手段と、各時刻における実
際のロープ長の変化を得るロープ長変化取得手段と、仮
想ロープ長を設定しつつ、該仮想ロープ長の長さが変化
しない条件で吊荷が目標位置において静止する場合のロ
ープの振れ角の仮想加速度パターンを演算し、ロープ長
変化取得手段で得た実際のロープ長の変化を考慮して、
実際のロープの振れ角の加速度パターンが仮想加速度パ
ターンに一致するように、ジブ先端の加速度パターンを
演算するジブ先端加速度パターン演算手段と、該ジブ先
端加速度パターン演算手段に基づいてジブ先端を直線移
動させる直線運転指示手段と、前記初期位置から前記目
標位置までを円弧で結んだ曲線に沿ってクレーンの旋回
動作とジブの起伏動作を制御する円弧運転指示手段とを
備え、経路判定手段が直線運転指示手段または円弧運転
指示手段のどちらか一方を選択するクレーンの制御装置
なので、ジブ先端を初期位置から目標位置に移動させる
際に最も適した移動経路が選択されることとなり、直線
移動がなされた場合には吊荷の振れは除去され、円弧移
動がなされた場合には遠心力が抑えられて、共により早
いジブ先端の移動速度を導いて荷役における高い作業性
を実現することが可能となる。
【0106】請求項13記載の発明は、ジブ先端から垂
下されたロープによって吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期
位置から目標位置まで移動させて荷役作業を行うクレー
ンにおいて、請求項10〜請求項12のいずれかに記載
のクレーンの制御装置が備えられているので、吊荷の振
れ止めがなされてジブ先端の移動速度を高めることがで
き、作業性の向上とオペレータの労力軽減を実現可能な
クレーンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態におけるモバイルハーバ
クレーンの概略図である。
【図2】 本発明の一実施形態におけるモバイルハーバ
クレーンのジブ先端の移動経路を示した図であって、図
2(a)はジブ先端の直線移動を示した平面図、図2
(b)はその際の移動速度を示した速度パターン図であ
る。
【図3】 本発明の一実施形態におけるモバイルハーバ
クレーンのジブ先端の移動経路を示した図であって、円
弧経路及びその導き方を説明する平面図である。
【図4】 本発明の一実施形態におけるモバイルハーバ
クレーンの制御部での指令信号の流れを示した流れ図で
ある。
【図5】 従来のクレーンにおけるジブ先端の移動経路
を示した平面図であって、図5(a)は多角形直線移動
または直線移動させた場合のジブ先端の移動経路の平面
図、図5(b)は最小旋回円の接線を用いたジブ先端の
移動経路を示した平面図である。
【図6】 従来のクレーンにおける吊荷の振れ止めパタ
ーンを説明する図であって、図6(a)は時間とジブ先
端の移動速度との関係、及び時間と鉛直方向に対する吊
荷の振れ角との関係を示したグラフ線図、図6(b)は
移動する振り子のモデルを示した模式図である。
【符号の説明】
2 ジブ 3 ロープ 4a エンコーダ(ロープ長変化取得手段) 10 制御部 13 旋回フレーム 54 実ロープ長加速度指令計算部(ジブ先端加速度パ
ターン演算手段) 60 円弧運転指令部(円弧運転指示手段) A 初期位置 B 目標位置 H ジブ先端 r0 最小旋回円の半径 ak 実ロープ長でのジブ先端加速度 ak0 基準ロープ長(仮想ロープ長)でのジブ先端加速
度 θ 吊荷の振れ角(仮想振り子の振れ角) λ0 基準ロープ長(仮想ロープ長) λ 実際のロープ長 κ 実際のロープの加速度
フロントページの続き (72)発明者 吉岡 伸郎 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 Fターム(参考) 3F204 AA04 CA03 EA02 EA08 EA11

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジブ先端から垂下されたロープによって
    吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期位置から目標位置まで移
    動させて荷役作業を行うクレーンの運転方法において、 仮想ロープ長を設定する仮想ロープ長設定工程と、 前記仮想ロープ長が変化せず、且つ前記吊荷が前記初期
    位置から前記目標位置まで直線移動する条件で前記吊荷
    が前記目標位置において静止する場合の前記ロープの振
    れ角の仮想加速度パターンを演算する仮想加速度パター
    ン演算工程と、 各時刻における実際のロープ長の変化を得るロープ長変
    化取得工程と、 前記ロープの振れ角の加速度パターンが前記仮想加速度
    パターンに一致するように、前記ロープ長変化取得工程
    で得た実際のロープ長の変化を考慮して前記ジブ先端の
    加速度パターンを演算するジブ先端加速度パターン演算
    工程と、 該ジブ先端加速度パターン演算工程に基づいて前記ジブ
    先端を直線移動させるジブ移動工程と、を含むことを特
    徴とするクレーンの運転方法。
  2. 【請求項2】 前記仮想ロープ長は、前記クレーンの能
    力によって決定される、前記ジブを直線移動させうる最
    大加速度に基づいて設定されることを特徴とする請求項
    1記載のクレーンの運転方法。
  3. 【請求項3】 前記ジブ先端加速度パターン演算工程に
    おけるジブ先端加速度akは、 前記仮想ロープ長をλ0、前記ロープ長をλ、前記ロー
    プ長の速度をν、前記ロープの加速度をκ、前記仮想加
    速度パターン演算工程における前記ジブ先端仮想加速度
    をak0、前記吊荷の振れ角をθ、前記吊荷の振れ角速度
    をω、重力加速度をgとした場合、 【数1】 で表されることを特徴とする請求項1または請求項2記
    載のクレーンの運転方法。
  4. 【請求項4】 ジブ先端から垂下されたロープによって
    吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期位置から目標位置まで移
    動させて荷役作業を行うクレーンの運転方法において、 前記初期位置から前記目標位置までを円弧で結んだ曲線
    に沿って前記吊荷を移動させることを特徴とするクレー
    ンの運転方法。
  5. 【請求項5】 前記円弧は、前記クレーンの最小旋回円
    に一点で接することを特徴とする請求項4記載のクレー
    ンの運転方法。
  6. 【請求項6】 前記吊荷の移動経路を平面視してXY平
    面に投影し、 基準となる前記クレーンの旋回中心の座標をO(0,
    0)、前記初期位置の座標をA(xA,yA)、前記目標
    位置の座標をB(xB,yB)、前記A点と前記B点との
    中点の座標をC(xC,yC)、前記A点と前記C点との
    距離をLA、C点を通る直線ABの垂線とx軸とのなす
    角度をφ、クレーンの最小旋回円の半径をr0、求める
    前記円弧の中心座標をD(xD,yD)、前記C点と前記
    D点との距離をLとし、 下記の各式によってα,β,γ,δ,εを定めた場合
    に、 【数2】 【数3】 【数4】 【数5】 【数6】 前記Lの長さが下記の式で表され、 【数7】 該Lによって前記円弧の中心であるD点の座標が、 (xD,yD)=(xC−Lcosφ,xC−Lsinφ) で表されることを特徴とする請求項5記載のクレーンの
    運転方法。
  7. 【請求項7】 ジブ先端から垂下されたロープによって
    吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期位置から目標位置まで移
    動させて荷役作業を行うクレーンの運転方法において、 前記初期位置と前記目標位置とを結ぶ直線経路を演算
    し、 該直線経路がクレーンの最小旋回円に干渉しない場合、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載のクレーンの運転
    方法を行うことを特徴とするクレーンの運転方法。
  8. 【請求項8】 ジブ先端から垂下されたロープによって
    吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期位置から目標位置まで移
    動させて荷役作業を行うクレーンの運転方法において、 前記初期位置と前記目標位置とを結ぶ直線経路を演算
    し、 該直線経路がクレーンの最小旋回円を跨ぐ場合、請求項
    4〜請求項6のいずれかに記載のクレーンの運転方法を
    行うことを特徴とするクレーンの運転方法。
  9. 【請求項9】 ジブ先端から垂下されたロープによって
    吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期位置から目標位置まで移
    動させて荷役作業を行うクレーンの運転方法において、 前記初期位置と前記目標位置とを結ぶ直線経路を演算
    し、 該直線経路がクレーンの最小旋回円に干渉しない場合、
    請求項1〜3のいずれかに記載のクレーンの運転方法を
    行い、 前記直線経路が前記最小旋回円を跨ぐ場合、請求項4〜
    6のいずれかに記載のクレーンの運転方法を行うことを
    特徴とするクレーンの運転方法。
  10. 【請求項10】 ジブ先端から垂下されたロープによっ
    て吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期位置から目標位置まで
    移動させて荷役作業を行うクレーンの制御装置におい
    て、 各時刻における実際のロープ長の変化を得るロープ長変
    化取得手段と、 仮想ロープ長を設定しつつ、該仮想ロープ長の長さが変
    化せず、且つ前記吊荷が前記初期位置から前記目標位置
    まで直線移動する条件で前記吊荷が前記目標位置におい
    て静止する場合の前記ロープの振れ角の仮想加速度パタ
    ーンを演算し、前記ロープ長変化取得手段で得た実際の
    ロープ長の変化を考慮して、実際のロープの振れ角の加
    速度パターンが前記仮想加速度パターンに一致するよう
    に、前記ジブ先端の加速度パターンを演算するジブ先端
    加速度パターン演算手段と、 該ジブ先端加速度パターン演算手段に基づいてジブ先端
    を直線移動させる直線運転指示手段と、 を備えていることを特徴とするクレーンの制御装置。
  11. 【請求項11】 ジブ先端から垂下されたロープによっ
    て吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期位置から目標位置まで
    移動させて荷役作業を行うクレーンの制御装置におい
    て、 前記初期位置から前記目標位置までを円弧で結んだ曲線
    に沿ってクレーンの旋回動作とジブの起伏動作を制御す
    る円弧運転指示手段を備えていることを特徴とするクレ
    ーンの制御装置。
  12. 【請求項12】 ジブ先端から垂下されたロープによっ
    て吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期位置から目標位置まで
    移動させて荷役作業を行うクレーンの制御装置におい
    て、 前記初期位置と前記目標位置とを結ぶ直線を演算してク
    レーンの最小旋回円との位置関係を出力する経路判定手
    段と、 各時刻における実際のロープ長の変化を得るロープ長変
    化取得手段と、 仮想ロープ長を設定しつつ、該仮想ロープ長の長さが変
    化せず、且つ前記吊荷が前記初期位置から前記目標位置
    まで直線移動する条件で前記吊荷が前記目標位置におい
    て静止する場合の前記ロープの振れ角の仮想加速度パタ
    ーンを演算し、前記ロープ長変化取得手段で得た実際の
    ロープ長の変化を考慮して、実際のロープの振れ角の加
    速度パターンが前記仮想加速度パターンに一致するよう
    に、前記ジブ先端の加速度パターンを演算するジブ先端
    加速度パターン演算手段と、 該ジブ先端加速度パターン演算手段に基づいてジブ先端
    を直線移動させる直線運転指示手段と、 前記初期位置から前記目標位置までを円弧で結んだ曲線
    に沿ってクレーンの旋回動作とジブの起伏動作を制御す
    る円弧運転指示手段とを備え、 前記経路判定手段が、前記直線運転指示手段または前記
    円弧運転指示手段のどちらか一方を選択することを特徴
    とするクレーンの制御装置。
  13. 【請求項13】 ジブ先端から垂下されたロープによっ
    て吊荷を吊り下げ、該吊荷を初期位置から目標位置まで
    移動させて荷役作業を行うクレーンにおいて、 請求項10〜請求項12のいずれかに記載のクレーンの
    制御装置を備えていることを特徴とするクレーン。
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