JP2000313586A - 吊荷の振れ止め制御装置 - Google Patents

吊荷の振れ止め制御装置

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JP2000313586A
JP2000313586A JP12436099A JP12436099A JP2000313586A JP 2000313586 A JP2000313586 A JP 2000313586A JP 12436099 A JP12436099 A JP 12436099A JP 12436099 A JP12436099 A JP 12436099A JP 2000313586 A JP2000313586 A JP 2000313586A
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traveling
acceleration
pattern
rope length
pendulum
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JP12436099A
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English (en)
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Takashi Toyohara
尚 豊原
Junichi Nishizaki
純一 西崎
Hiromitsu Hoshina
博光 星名
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短い時間で吊り荷の振れを止めることができ
る吊荷の振れ止め制御装置を提供すること。 【解決手段】 基準ロープ長λ0を持つ仮想振り子が最
下点から最下点へ1周期する間に初期位置から目標位置
へ到達するようにトロリー(12)を加速及び減速させ
た時の仮想振り子の運動パターンを計算し、ロープ長検
出器(17)で検出したロープ長λを持つ実際の振り子
が仮想振り子の運動パターンに一致するようにトロリー
の走行加速度パターンa(t) を加速、及び減速について
それぞれ計算し、これらを一定の時間τ(0<τ<仮想
振り子の1周期分の時間T)だけ重ねあわせて走行速度
パターンv(t)を計算し、この走行速度パターンv(t)に
基づいて速度指令値uをトロリー駆動装置(15)へ出
力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走行体から垂れ下げ
たロープの下端に吊荷を取り付けて、走行体の走行によ
り吊荷を目標位置まで運搬するクレーンの吊荷の振れ止
め制御を行う吊荷の振れ止め制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】走行体から垂れ下げたロープの下端に吊
荷を取り付けて、走行体の走行により吊荷を目標位置ま
で運搬するクレーンが広く利用されている。図1は上記
タイプのクレーンの構造を示しており、トロリー12か
らロープ13が垂れ下がっており、このロープ13の下
端に吊荷14を取り付けた状態でトロリー12がレール
11上を走行して吊荷4を運搬するようになっている。
このようなクレーンにおいて自動運転を行う場合には、
トロリー12を走行させて吊荷14を指示された目標位
置まで運搬するのと同時に、トロリー12の走行終了後
に吊荷14の振れが残らないようにする吊荷14の振れ
止め制御機能をクレーンに組み込む必要がある。
【0003】そこで、従来はバンバン(bang-bang) 型の
制御装置による吊荷の振れ止め制御が提案されている。
即ち、上記のようなクレーンは台車・振り子系としてモ
デル化することができ、このような台車・振り子系モデ
ルについては、トロリー12の走行加速度を切り替える
バンバン型制御装置により吊荷の振れ止め制御が可能で
あることが示されている(参考文献「トロリーの最大速
度に注目したクレーンの最短時間制御方法」、美多勉
他、計測自動制御学会論文集VOλ.15 No.6 pp.125-130
1979)。
【0004】このバンバン型制御装置の出力特性を図8
に示す。バンバン型制御装置では、図8の(a)に示す
ような走行速度パターンを予め計算しておき、この走行
速度パターンにしたがってトロリー12を速度制御する
ことにより、吊荷14の振れ止め制御を行う。図8の
(b)と図8の(c)には、図8の(a)に示す走行速
度パターンに対応したトロリー12の走行加速度と、ロ
ープ13と吊荷12とからなる振り子の振幅(振れ角)
とを示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のバンバン型制御装置によって吊荷の振れ止め制御を
行う場合には、図8の(c)に示すようにトロリー12
の加速終了時に振れが残留しないようにするため、加速
時には吊荷の振れのおよそ1周期分の時間を必要とす
る。また、減速においても、減速終了時に吊荷の振れが
残らないようにするため、吊荷の振れのおよそ1周期分
の時間を必要とする。このため、トロリー12の移動に
必要な時間として吊荷の振れの1周期以上の時間が必要
となっている。このことが吊荷14の運搬時間を長くす
る要因となって荷役効率を低下させるという重大な問題
を有していた。
【0006】本発明は上記問題に鑑み、短い時間で吊り
荷の振れを止めることができる吊荷の振れ止め制御装置
を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、走行体から垂れ下げたロープの下端に吊荷を取り付
けて、走行体の走行により吊荷を目標位置まで運搬する
クレーンの吊荷の振れ止め制御装置であって、ロープの
長さを検出するロープ長検出手段と、走行体の位置を検
出する走行体位置検出手段と、走行体を走行速度可変に
駆動する走行体駆動手段と、走行体駆動手段へ速度指令
値を出力する制御手段とを備え、制御手段が、ロープ長
検出手段で検出したロープ長、走行体位置検出手段で検
出した走行体の初期位置と、予め定めた最大走行速度
と、予め定めた目標位置とに基づいて、検出されたロー
プ長の仮想振り子が最下点から最下点へ1周期する間に
初期位置から目標位置へ到達するように走行体を加速及
び減速させた時の仮想振り子の運動パターンを演算し、
実際の吊り荷の振り子運動を仮想振り子の運動パターン
に一致せしめる走行体の加速時の走行加速度パターンお
よび減速時の走行加速度パターンを演算し、加速時の走
行加速度パターンと減速時の走行加速度パターンを振り
子運動の半周期以内の任意の時間だけ重ね合わせて吊り
荷が目標位置において振れが無いようにする走行加速度
パターンを演算し、この走行加速度パターンに基づいて
走行体駆動手段へ速度指令値を出力する吊荷の振れ止め
制御装置が提供される。
【0008】このように構成された吊荷の振れ止め制御
装置では、まず基準ロープ長の仮想振り子がが最下点か
ら最下点へ1周期する間に初期位置から目標位置へ到達
するように走行体を加速及び減速させた時の仮想振り子
の運動パターンを計算され、次に実際の吊り荷の振り子
運動を仮想振り子の運動パターンに一致せしめる走行体
の加速時の走行加速度パターンおよび減速時の走行加速
度パターンが演算され、さらに、加速時の走行加速度パ
ターンと減速時の走行加速度パターンを振り子運動の半
周期以内の任意の時間だけ重ね合わせて吊り荷が目標位
置において振れが無いようにする走行加速度パターンが
演算され、この走行加速度パターンに基づいて走行体駆
動手段へ速度指令値が出力される。
【0009】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
において、予め定めた基準ロープ長で仮想振り子の運動
パターンを演算しておき、この基準ロープ長での仮想振
り子の運動パターンから検出されたロープ長での仮想振
り子の運動パターンを演算するようにされた吊荷の振れ
止め制御装置が提供される。このように構成された吊荷
の振れ止め制御装置によれば予め定めた基準ロープ長で
の仮想振り子運動パターンから検出されたロープ長での
仮想振り子の運動パターンが演算される。
【0010】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
において、ロープ長検出手段の代わりに、吊荷の実際の
振り子運動の振れ周期もしくは振動数を検出する振り子
運動特性検出手段を備えたことを特徴とする吊荷の振れ
止め制御装置が提供される。このように構成された吊荷
の振れ止め制御装置によれば、実際の振り子の振れ周期
もしくは振動数を検出して、目標パターンに合致するよ
う速度指令値を決定される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1に示すクレーンでは、ト
ロリー12からロープ13が垂れ下がっており、このロ
ープ13の下端に吊荷14を取り付けた状態でトロリー
12がレール11上を走行して吊荷14を運搬するよう
になっている。そして、このクレーンにはロープ13の
長さ(ロープ長)λを検出するロープ長検出器17と、
トロリー12の現在位置x0を検出するトロリー位置検
出器16と、トロリー12の現在速度v0を検出するト
ロリー速度検出器24と、吊荷14の角度s0を検出す
る吊荷振れ角検出器22と、吊荷14の振れ角速度w0
を検出する吊荷振れ角速度検出器23と、速度指令値u
に基づいてトロリー12の走行速度を制御する機能を有
するトロリー駆動装置15と、トロリー駆動装置15へ
速度指令値uを出力する制御装置18とを備えており、
これらのロープ長検出器17、トロリー位置検出器1
6、トロリー駆動装置15及び制御装置18によって本
実施の形態に係る吊荷の振れ止め制御装置が構成されて
いる。
【0012】図2に示すように、制御装置18には振れ
止めパターン演算部21が設けられており、この振れ止
めパターン演算部21では、詳細は後述するが、ロープ
長検出器17で検出したロープ長λ及びトロリー位置検
出器16で検出した現在位置x0と、前もって制御装置
18に与えられたパラメータである任意の基準ロープ長
λ0、トロリー12の走行最大速度Vmax及びトロリー1
2の走行目標位置P0とに基づいて、吊荷14の振れ止
めに必要なトロリー12の走行速度パターンv(t) を計
算し、この走行速度パターンv(t) に基づいて速度指令
値uをトロリー駆動装置15へ出力する。
【0013】ここで、図3のフローチャートに基づき、
振れ止めパターン演算部21で実行される処理について
具体的に説明する。図3のフローチャートにおいて、ス
テップ1〜ステップ3は吊荷14の振れ止めのための走
行速度パターンv(t) の計算方法を示しており、ステッ
プ4〜ステップ7はステップ1において計算した走行速
度パターンv(t) にしたがってトロリー12を駆動する
手順(速度指令値uを出力する手順)を示している。
【0014】従って、まず、ステップ1〜ステップ3に
おける走行速度パターンv(t) の計算方法について説明
する。 [ステップ1]:走行パターンの計算 まず、ロープ長検出器17によって現在のロープ長λを
検出する。なお、ロープ長を可変とする場合、例えば、
トロリー12の加速時にロープ13を図示しない巻き取
り装置により巻き取って吊荷14を上昇させるような場
合には、このときのロープ長の時間的な変化が予めわか
っているものとする。また、計算に使用するパラメータ
として、基準ロープ長λ0と走行最大速度Vmaxとを設定
する。
【0015】計算手順は次の〔1-1〕〜〔1-6〕の通り
である(図4参照)。 〔1-1〕トロリー12が走行して吊荷14を運搬すると
き(加速時)にロープ長が固定の場合には、ロープ長検
出器17で検出したロープ長λを用いる。トロリー12
が走行して吊荷14を運搬するとき(加速時)にロープ
長が可変の場合には、時間的に変化するロープ長λを予
め計算しておく。
【0016】〔1-2〕一方、基準ロープ長λ0に基づい
て、次の(1)式により基準周期Tを計算する。 基準周期T=2π√(λ0/9.8) … (1)
【0017】〔1-3〕上記〔1-2〕で計算した基準周期
Tと走行最大速度Vmaxとに基づいて、次の(2)式に
よりトロリー12の基準走行加速度ak0を計算する。そ
の結果、図4(a)に点線で示すような一定の基準走行
加速度ak0が得られる。 基準走行加速度ak0=走行最大速度Vmax/基準周期T … (2)
【0018】〔1-4〕ここで、ロープ13と吊荷14と
からなる実際の振り子(ロープ長λを持つ振り子)とト
ロリー12とに関する運動方程式は、次の(3)式のよ
うに求められる。但し、(3)式において、φは振り子
の振れ角、ωは振り子の振れ角速度、gは重力加速度、
kはトロリー12の走行加速度、νはロープ長変化率
である。なお、ロープ長変化率νはロープ長を可変とし
た場合のロープ長の単位時間当たりの変化率であり、ロ
ープ長が固定の場合にはゼロとなる。
【数1】
【0019】従って、基準ロープ長λ0を持つ仮想振り
子とトロリー12とに関する運動方程式は、トロリー1
2を基準走行加速度akで基準周期Tだけ加速する場
合、次の(4)式のようになる。
【数2】
【0020】この(4)式で基準ロープ長λ0を固定と
し、基準走行加速度ak0を一定とすると、(4)式か
ら、基準ロープ長λ0を持つ仮想振り子の振れに関し
て、次の(5)式のような解が求められる。
【数3】
【0021】〔1-5〕即ち、基準ロープ長λ0を持つ仮
想振り子の基準周期Tの間の振れ角φ及び振れ角速度ω
の時間的な変化は図4の(c)、図4の(d)に示すよ
うになり、基準周期Tが経過した時点では振れ角φ及び
振れ角速度ωは何れもゼロとなっている。従って、ロー
プ長λを持つ実際の振り子の基準周期Tの間の振れ角φ
及び振れ角速度ωが上式(5)となるようにトロリー1
2の走行加速度akを決めてやれば、吊荷14(実際の
振り子)に対して期待通りの振れ止め制御ができるはず
である。そこで、上記の(3)式と(4)式の右辺どう
しが等しいとして走行加速度akを求めると、次の
(6)式が得られる。
【数4】 従って、この(6)式により、時間tが0からTまでの
加速時の走行加速度a a(t) を求めることができる。即
ち、図4の(a)に実線で示したように、時間の経過と
ともに連続的に変化する加速時の走行加速度aa(t) が
得られる。
【0022】〔1-6〕そして、時間tが0からTまでの
走行加速度aa(t) を次の(7)式のように積分して、
トロリー12の加速時の走行速度va(t) を計算する。
かくして、図4の(b)に実線で示すような走行速度パ
ターンの加速部分が得られる。つまり、走行速度パター
ンの加速部分が図4の(b)に実線で示すようなパター
ンに設定されれば、加速時の走行加速度aa(t) は図4
の(a)に実線で示すように滑らかに変化することにな
る。
【数5】
【0023】[ステップ2]:走行減速時の走行速度パ
ターンの計算 計算に使用するロープ長としてステップ1で検出したロ
ープ長λを用いる。なお、ロープ長を可変とする場合、
例えば、トロリー12の減速時にロープ13を図示しな
い巻き取り装置により巻き戻して吊荷14を上昇もしく
は下降させるような場合には、このときのロープ長の時
間的な変化が予めわかっているものとする。また、ステ
ップ1で設定した基準ロープ長λ0と走行最大速度Vmax
とをパラメータとして使用する。
【0024】計算手順は次の〔2-1〕〜〔2-7〕の通り
である(図5参照)。 〔2-1〕トロリー12が走行して吊荷14を運搬すると
き(減速時)にロープ長が固定の場合には、ステップ1
においてロープ長検出器17で検出したロープ長λを用
いる。トロリー12が走行して吊荷14を運搬するとき
(減速時)にロープ長が可変の場合には、時間的に変化
するロープ長λを予め計算しておく。
【0025】〔2-2〕一方、基準ロープ長λ0に基づい
て、次の(8)式により基準周期Tを計算する。 T=2π√(λ0/9.8) … (8)
【0026】〔2-3〕上記〔2-2〕で計算した基準周期
Tと走行最大速度Vmaxとに基づいて、次の(10)式
によりトロリー12の基準走行加速度ak0を計算する。
その結果、図5の(a)に点線で示すような一定の基準
走行加速度ak0が得られる。なお、同図に示すように、
減速時であるため基準走行加速度ak0はマイナスとなっ
ている。 基準走行加速度ak0=走行最大速度/基準周期T … (9)
【0027】〔2-4〕基準ロープ長λ0を持つ仮想振り
子について、トロリー12を基準走行加速度akで基準
周期Tだけ減速する場合の振れに関する解は、ステップ
1と同様の計算により(ステップ1の計算手順参照)、
次の(10)式のように得られる。
【数6】
【0028】〔2-5〕即ち、基準ロープ長λ0を持つ仮
想振り子の基準周期Tの間の振れ角φ及び振れ角速度ω
の時間的な変化は図5の(c)、(d)に示すようにな
り(減速時であるため振り子の振れ方向が図4の
(c)、(d)に示す加速時の振れ方向とは逆になって
いる)、基準周期Tが経過した時点では振れ角φ及び振
れ角速度ωは何れもゼロとなっている。従って、ロープ
長λを持つ実際の振り子がこのような振れとなるために
必要なトロリー12の走行加速度akを、ステップ1と
同様の計算により(ステップ1の計算手順〔1-5〕参
照)、次の(11)式のように求める。
【数7】
【0029】この(11)式により、時間tが0からT
までの減速時の走行加速度ad(t)を求めることができ
る。即ち、図5の(a)に実線で示したように、時間t
の経過とともに連続的に変化する減速時の走行加速度a
d(t) が得られる。なお、同図に示すように、減速時で
あるため走行加速度ad(t) はマイナスとなっている。
【0030】〔2-6〕そして、時間tが0からTまでの
走行加速度ad(t) を次の(12)式のように積分し
て、トロリー12の減速時の走行速度vd(t) を計算す
る。かくして、図5の(b)に実線で示すような走行速
度パターンの加速部分が得られる。つまり、走行速度パ
ターンの減速部分が図5の(b)に実線で示すようなパ
ターンに設定されれば、減速時の走行加速度ad(t) は
図5の(a)に実線で示すように滑らかに変化すること
になる。
【数8】
【0031】[ステップ3]:走行速度パターンの結合
(加速部分+減速部分) ステップ3ではステップ1で計算した走行速度パターン
の加速部分(図4の(b)参照)と、ステップ2で計算
した走行速度パターンの減速部分(図5の(b)参照)
とを結合して、走行速度パターンv(t) を計算する。入
力として、ステップ1で計算した加速側走行加速度パタ
ーンの時系列データaa(t) 、ステップ2で計算した減
速側走行加速度パターンの時系列データad(t) 、トロ
リーの目標走行距離D、基準ロープ長の振れの1周期以
内の加減速時間τ、及び基準ロープ長の振れ周期Tを使
用し、出力として、走行速度パターンv(t) (速度指令
値uの時系列データ)を求める。
【0032】計算手順は次の〔3-1〕〜〔3-4〕の通り
である(図6参照)。 〔3-1〕走行を開始する時間を基準として、走行加減速
時間τにより決まる次の3つの時間帯についてそれぞれ
走行加速度akを計算する。 1)時間<加減速時間τの区間 加速側の加速度aaを走行加速度akとする。 2)<時間<Tの区間 加速側の加速度aaと減速側の加速度adの和を、走行加
速度akとする。 3)T<時間<T+の区間 減速側の加速度adを走行加速度akとする。
【0033】〔3-2〕次に、走行加速度を時間0からt
まで積分して走行速度を計算する。
【数9】
【0034】〔3-3〕更に、この走行速度vt0(t) を次
式のように0からTまで積分して、トロリー12の仮の
走行距離Dcを計算する。
【数10】
【0035】〔3-4〕上記手順〔3-3〕で計算した仮の
走行距離Dcはトロリー12の最大速度をVmax仮定した
ときの移動距離である。トロリー12の移動距離は目標値
としてDが与えられており、この走行距離Dに合わせる
ため、目標移動距離Dと仮の走行距離Dcの比による、
換算係数rを求める。 r=D/Dc … (15)
【0036】〔3-5〕走行速度vt0に換算係数rを乗じ
て、走行速度パターンvt(t) を計算する。 vt(t) =r×vt0(t) (0<t<T) … (16) このように、トロリー12の加速と減速の加速度パター
ンを重ねあわせることにより、走行速度パターンv(t)
を求めることができる。即ち、図7の(b)に示すよう
な加減速を行う走行速度パターンv(t) が得られる。図
7の(a)と図7の(c)には、図7の(b)に示す走
行加速度パターンakに対応したトロリー12の走行速
度v(t) と、ロープ13と吊荷12とからなる実際の振
り子の振幅(振れ角)φとを示す。
【0037】〔3-6〕走行速度パターンv(t) の所要時
間は次の(17)式となる。この所要時間T+τは後述
する走行速度パターンの終了判定に用いる。 走行速度パターン所要時間=T+τ (0<t<T) … (17) 以上のように、ステップ1〜ステップ3の処理により、
吊荷14の振れ止め制御を行うための走行速度パターン
v(t) を計算することができる。
【0038】次に、この走行速度パターンv(t) にした
がってトロリー12を駆動する手順(速度指令値uを出
力する手順)について説明する(ステップ4〜ステップ
7)。 [ステップ4]:走行速度パターン出力の準備 ステップ4では走行速度パターン出力の準備、即ち、ト
ロリー駆動装置15へ速度指令値uを出力する準備とし
て、時間カウントの初期化を行う。
【0039】振れ止めパターン演算部21では、刻み時
間Δtごとに演算処理が行われるものとする。そして、
時間カウントiを用意し、この時間カウントiを増加す
ることにより、次の(18)式に示すように時間tを刻
み時間Δtずつ増加させて、時間tの経過を表す。そこ
で、まず、初期化処理として、次の(19)式に示すよ
うに時間カウントiを0に初期化する。 t=Δt×i … (18) i=0 … (19)
【0040】[ステップ5]:時間カウントを進める ステップ5では、次の(20)式に示すように、時間カ
ウントiの前回値に1をたすことによって時間カウント
iを進める。 i=i+1 … (20)
【0041】[ステップ6]:速度指令値の出力 ステップ6では走行速度パターンv(t) に基づいて速度
指令値uをトロリー駆動装置15へ出力する。走行速度
パターンv(t) の開始からの経過時間tは上記(18)
式のようにt=Δt×iで表されるため、この経過時間
tに対応した走行速度パターンv(t)の値を、次の(2
1)式のように、トロリー12に対する速度指令値uと
してトロリー駆動装置15へ順次出力する。 u=v(t) … (21)
【0042】[ステップ7]:走行速度パターンの終了
判定 ステップ7では走行速度パターンv(t) の出力(速度指
令値uの出力)の開始からの経過時間tが、走行速度パ
ターンv(t) の所要時間T+τを超えているか否かを判
定する。経過時間tが所要時間T+τを超えている場合
には、走行速度パターン出力を終了させる。経過時間t
が所要時間T+τを超えていない場合には、ステップ5
に戻って時間カウントiを進めるとともに、走行速度パ
ターン出力を継続する。
【0043】なお、具体的には、ステップ1〜ステップ
7の処理プログラムを、制御装置18を構成するマイク
ロコンピュータなどに実装し、このマイクロコンピュー
タで連続して処理することにより、上記のような走行パ
ターンv(t)の計算と、これらの走行パターンに基づく
トロリー12の駆動制御(走行速度制御)、即ち、吊荷
14の振れ止め制御とを行うことができる。
【0044】以上のように、本実施の形態に係る吊荷の
振れ止め制御装置では、制御装置18の振れ止めパター
ン演算部21において、ロープ長検出器17で検出した
ロープ長λ及びトロリー位置検出器16で検出した現在
位置x0と、前もって与えられた任意の基準ロープ長
λ0、走行最大速度Vmax及び走行目標位置P0とに基づ
いて、基準ロープ長λ0を持つ仮想振り子が最下点から
最下点へ1周期する間に初期位置から目標位置へ到達す
るようにトロリー12を加速及び減速させた時の仮想振
り子の運動パターンを計算し、ロープ長検出器17で検
出したロープ長λを持つ実際の振り子が仮想振り子の運
動パターンに一致するようにトロリー12の走行加速度
パターンa(t) を加速、及び減速についてそれぞれ計算
し、これらを一定の時間τ(0<τ<仮想振り子の1周
期分の時間T)だけ重ねあわせて走行速度パターンv
(t)を計算し、この走行速度パターンv(t)に基づいて速
度指令値uをトロリー駆動装置15へ出力する。
【0045】従って、本実施の形態に係る吊荷の振れ止
め制御装置によれば、図7に示すようにトロリー12の
移動中に吊荷14の2周期分の時間よりも短い時間とな
るような走行速度パターンv(t) を得ることができ、こ
の走行速度パターンv(t) に基づいて、従来方法よりも
短い時間でトロリー12の移動が完了する高速な振れ止
め制御を行うことができる。
【0046】なお、上記の吊荷の振れ止め制御装置では
ロープ長検出器17を有し、このロープ長検出器17で
検出したロープ長λを用いて走行速度パターンv(t) を
計算しているが、走行速度パターンv(t) を計算するた
めには吊荷14(実際の振り子)の振れ周期もしくは振
動数がわかればよい。
【0047】即ち、具体的な数式は省略するが、吊荷1
4の振れ周期に基づいて、同振れ周期とロープ長λとの
関係式からロープ長λを計算することができ、もしくは
吊荷14の振動数に基づいて、同振動数と振れ周期との
関係式及び同振れ周期とロープ長λとの関係式からロー
プ長λを計算することができるため、この計算したロー
プ長λを上記(3)式に用いればよい。このため、ロー
プ長検出器17の代わりに、吊荷14の振れ周期もしく
は振動数を検出する装置を備えるようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、まず基
準ロープ長の仮想振り子が最下点から最下点へ1周期す
る間に初期位置から目標位置へ到達するように走行体を
加速及び減速させた時の仮想振り子の運動パターンを計
算され、次に実際の吊り荷の振り子運動を仮想振り子の
運動パターンに一致せしめる走行体の加速時の走行加速
度パターンおよび減速時の走行加速度パターンが演算さ
れ、さらに、加速時の走行加速度パターンと減速時の走
行加速度パターンを振り子運動の半周期以内の任意の時
間だけ重ね合わせて吊り荷が目標位置において振れが無
いようにする走行加速度パターンが演算され、この走行
加速度パターンに基づいて走行体駆動手段へ速度指令値
が出力される。この結果、吊荷の振れ周期の2周期分よ
りも短い時間で振れ止め制御ができ荷役時間の短縮を可
能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る吊荷の振れ止め制御
装置を備えたクレーンのモデル図である。
【図2】吊荷の振れ止め制御装置のブロック図である。
【図3】吊荷の振れ止め制御装置の処理を示すフローチ
ャートである。
【図4】吊荷の振れ止め制御装置における走行速度パタ
ーンの加速部分の計算方法を表す説明図である。
【図5】吊荷の振れ止め制御装置における走行速度パタ
ーンの減速部分の計算方法を表す説明図である。
【図6】吊荷の振れ止め制御装置における走行速度パタ
ーンの一定速度部分の計算方法を表す説明図である。
【図7】吊荷の振れ止め制御装置の出力特性を表す説明
図である。
【図8】従来の吊荷の振れ止め制御装置の出力特性を表
す説明図である。
【符号の説明】
12…トロリー 15…トロリー駆動装置 16…トロリー位置検出器 17…ロープ長検出器 18…制御装置 21…振れ止めパターン演算部
フロントページの続き (72)発明者 星名 博光 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 Fターム(参考) 3F204 AA02 CA01 CA03 DB02 DB06 DB09 DD02 DD14 EA03 EA08 EA11 EA17 EB01 EB08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行体から垂れ下げたロープの下端に吊
    荷を取り付けて、走行体の走行により吊荷を目標位置ま
    で運搬するクレーンの吊荷の振れ止め制御装置であっ
    て、 ロープの長さを検出するロープ長検出手段と、 走行体の位置を検出する走行体位置検出手段と、 走行体を走行速度可変に駆動する走行体駆動手段と、 走行体駆動手段へ速度指令値を出力する制御手段とを備
    え、 制御手段が、 ロープ長検出手段で検出したロープ長、走行体位置検出
    手段で検出した走行体の初期位置と、予め定めた最大走
    行速度と、予め定めた目標位置とに基づいて、 検出されたロープ長の仮想振り子が最下点から最下点へ
    1周期する間に初期位置から目標位置へ到達するように
    走行体を加速及び減速させた時の仮想振り子の運動パタ
    ーンを演算し、 実際の吊り荷の振り子運動を仮想振り子の運動パターン
    に一致せしめる走行体の加速時の走行加速度パターンお
    よび減速時の走行加速度パターンを演算し、 加速時の走行加速度パターンと減速時の走行加速度パタ
    ーンを振り子運動の半周期以内の任意の時間だけ重ね合
    わせて吊り荷が目標位置において振れが無いようにする
    走行加速度パターンを演算し、この走行加速度パターン
    に基づいて走行体駆動手段へ速度指令値を出力すること
    を特徴とする吊荷の振れ止め制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の吊荷の振れ止め制御装
    置において、予め定めた基準ロープ長で仮想振り子の運
    動パターンを演算しておき、この基準ロープ長での仮想
    振り子の運動パターンから検出されたロープ長での仮想
    振り子の運動パターンを演算することを特徴とする吊荷
    の振れ止め制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の吊荷の振れ止め制御装
    置において、 ロープ長検出手段の代わりに、吊荷の実際の振り子運動
    の振れ周期もしくは振動数を検出する振り子運動特性検
    出手段を備えたことを特徴とする吊荷の振れ止め制御装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003155192A (ja) * 2001-11-16 2003-05-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd クレーンの運転方法及び制御装置並びにこれを備えたクレーン
JP2008202719A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Toyohashi Univ Of Technology 時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラム
JP2017052601A (ja) * 2015-09-08 2017-03-16 Jfeプラントエンジ株式会社 クレーンの振れ止め制御装置、及びクレーンの振れ止め制御方法
CN113148845A (zh) * 2021-04-01 2021-07-23 长沙亿美博智能科技有限公司 起重机防摇摆控制方法及采用此方法的起重机

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