JP7314896B2 - 荷役搬送経路生成方法、荷役搬送クレーン及び荷役運搬方法 - Google Patents
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本発明の一態様によれば、上記の荷役搬送クレーンを用いて吊荷を搬送する、荷役運搬方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る荷役搬送クレーン1について説明する。荷役搬送クレーン1は、図1及び図2に示すように、クレーンアーム2と、アーム起伏機構3と、アーム旋回機構4と、アーム伸縮機構5と、ワイヤー6とを備える。クレーンアーム2のワイヤー6が取り付けられた先端を、アーム先端部21ともいう。なお、図面において、x軸、y軸及びz軸は、互いに直交する軸であり、x軸及びy軸は水平方向に平行な軸であり、z軸は鉛直方向に平行な軸である。荷役搬送クレーン1は、ワイヤー6の先端に取り付けられる吊荷7を吊り上げ、荷役初期位置A1から荷役目標位置A2まで搬送する。なお、図3に示すように、荷役初期位置A1の座標は(x1,y1)[単位m]であり、荷役目標位置A2の座標は(x2,y2)[単位m]である。また、本実施形態では、一例として、吊荷7は、製鉄所で製造された製品であるコイルとする。
図3を参照して、制御装置による、本実施形態に係る荷役搬送経路の生成方法について説明する。本実施形態では、まず、荷役搬送クレーン1の旋回中心Crと荷役初期位置A1との第1距離d1[m]が、荷役搬送クレーン1の最小旋回半径rmin以上、最大旋回半径rmax以内であるか否かが判定される(S100)。なお、ステップS100では、上述の判定の代わりに、荷役初期位置A1が荷役可能範囲Da内に在るか否かが判定されてもよい。
第1中継点A3を経由する経路(図6の矢印で示す、荷役初期位置A1から第1中継点A3まで直線状に移動した後、第1中継点A3から荷役目標位置A2まで直線状に移動する経路)を第2搬送経路ともいう。第2搬送経路は、点Crを中心として半径がrmin未満となる円形状の領域を通過せず、一点の中継点を経由して荷役初期位置A1から荷役目標位置A2まで移動する経路のうち、距離が最小となる経路である。
本実施形態に係る荷役運搬方法では、荷役搬送クレーン1を用いて、上述の荷役搬送経路の生成方法により決定された荷役搬送経路で吊荷7を搬送する。この際、第2中継点A4から荷役目標位置A2までの経路のように搬送経路が円弧状である場合、荷振れが起こらない程度の遅い搬送速度で吊荷が搬送される。一方、搬送経路が直線状である場合には、以下の振れ止め制御が行われる速度パターンで吊荷が搬送される。搬送経路が直線状となる場合とは、第1搬送経路で搬送する場合、第2搬送経路において荷役初期位置A1から第1中継点A3まで搬送する場合、第2搬送経路において第1中継点A3から荷役目標位置A2まで搬送する場合、及び第3搬送経路において荷役初期位置A1から第2中継点A4まで搬送する場合である。
また、特許文献1の搬送方法では、フィードバック制御のみで吊荷の振れ止め制御しているため、搬送開始時の加速によって大きな荷振れが発生し、振れ止め操作量も大きくなり、駆動系出力が大きい荷役搬送クレーンが必要となる。これに対して、本実施形態によれば、速度パターンによる振れ止め制御を行うことで、駆動系出力が小さい荷役搬送クレーンでも適用することができる。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
また、上記実施形態では、吊荷の振れ止め制御がクレーン先端の速度パターン制御によって行われるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。風等による外乱影響が大きい場合には、上述の速度パターン制御にフィードバック制御を組み合わせてもよい。
実施例1では、図1及び図2で示されるような荷役搬送クレーン1で振れ止め制御を行い、長さ10mのワイヤー6で吊った重量10tの熱延コイルを座標(x,y)[単位m]の(0,10)に旋回中心がある荷役搬送クレーン1で荷役初期位置A1(25,5)から荷役目標位置A2(-20,15)まで搬送する場合の経路生成を行った。この荷役搬送クレーン1の最小旋回半径rminは11m、最大旋回半径rmaxは45m、振れが発生しない旋回速度N1=0.3rpm、振れ止め制御時最大速度vmax=1.5m/sである。
図14に示すように、直線L1a,L1bと直線L2a,L2bとの交点Bi(図14中ではB1,B3のみを表示)のうち中継点としたときに最も経路が小さくなる交点B1(0.68,21.04)が第1中継点A3となる。さらに、直線L1a,L1bと円R2との交点のうち中継点としたときに最も経路が小さくなる点C1(-17.26,24.21)が、第2中継点A4となる。これら2点を中継点とする第2搬送経路及び第3搬送経路について(19)式及び(20)式を用いて第2搬送時間T2及び第3搬送時間T3を算出した。その結果、第1中継点A3を経由する第2搬送時間T2が56.1秒、第2中継点A4を経由する第3搬送時間T3が52.1秒となった。実際にこれらの搬送ルートで吊荷7を搬送した際の結果を図15に示す。旋回終了(運搬終了)までに要した時間は、第2搬送経路で55.7秒、第3搬送経路で51.7秒となり、計算値とほぼ一致し、交点Ciを中継点とする最短経路が導出できることがわかった。
2 クレーンアーム
21 アーム先端部
3 アーム起伏機構
4 アーム旋回機構
5 アーム伸縮機構
6 ワイヤー
7 吊荷
Claims (4)
- クレーンアームのアーム先端部に吊り下げられた吊荷を、前記クレーンアームの旋回動作によって任意の荷役初期位置から任意の荷役目標位置まで搬送するための荷役搬送経路を生成する荷役搬送経路生成方法であって、
前記荷役初期位置と、前記荷役目標位置と、前記クレーンアームのアーム最小旋回円の範囲と、に基づいて、少なくとも一部の荷役搬送経路において前記吊荷を少なくとも鉛直方向から視て直線軌道で搬送するための荷役搬送経路を算出し、
前記アーム最小旋回円の外側に中継点を設置し、前記荷役初期位置から中継点を経由して前記荷役目標位置まで前記吊荷を搬送する荷役搬送経路を生成し、
前記中継点は、鉛直方向から視て、前記荷役初期位置を通る前記アーム最小旋回円の接線と、前記荷役目標位置を通る前記アーム最小旋回円の同心円との交点である、荷役搬送経路生成方法。 - クレーンアームのアーム先端部に吊り下げられた吊荷を、前記クレーンアームの旋回動作によって任意の荷役初期位置から任意の荷役目標位置まで搬送するための荷役搬送経路を生成する荷役搬送経路生成方法であって、
前記荷役初期位置と、前記荷役目標位置と、前記クレーンアームのアーム最小旋回円の範囲と、に基づいて、少なくとも一部の荷役搬送経路において前記吊荷を少なくとも鉛直方向から視て直線軌道で搬送するための荷役搬送経路を算出し、
前記アーム最小旋回円の外側に中継点を設置し、前記荷役初期位置から中継点を経由して前記荷役目標位置まで前記吊荷を搬送する荷役搬送経路を生成し、
鉛直方向から視て、前記荷役初期位置を通る前記アーム最小旋回円の接線と、前記荷役目標位置を通る前記アーム最小旋回円の接線との交点を第1中継点、前記荷役初期位置を通る前記アーム最小旋回円の接線と、前記荷役目標位置を通る前記アーム最小旋回円の同心円との交点を第2中継点とし、
前記中継点は、前記第1中継点を経由する第2搬送経路と、前記第2中継点を経由する第3搬送経路のうち、搬送時間が短い経路の中継点である、荷役搬送経路生成方法。 - 旋回動作可能とされ、先端部に吊荷が吊り下げられるクレーンアームと、
前記クレーンアームを旋回させるアーム旋回機構と、
前記クレーンアームの起伏角を調整するアーム起伏機構と、
少なくとも一部の荷役搬送経路において前記吊荷の軌道が少なくとも鉛直方向から視て直線軌道となるように、前記アーム旋回機構及び前記アーム起伏機構を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、請求項1又は2に記載した荷役搬送経路生成方法を用いて荷役搬送経路を生成し、前記荷役搬送経路に基づいて前記吊荷を搬送する、荷役搬送クレーン。 - 請求項3に記載した荷役搬送クレーンを用いて吊荷を搬送する、荷役運搬方法。
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