JP2023082654A - 旋回式クレーンの振れ止め制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】旋回式クレーンの振れ止め制御において、クレーン停止時においての残留振れをなくすことで、吊り荷の搬送時間の短縮化することができる、旋回式クレーンの振れ止め制御方法を提供する。【解決手段】ブーム11を有する旋回式クレーン1を用いて吊り荷5を始点から終点まで搬送する際に、終点到着後の吊り荷5の振れ止めをフィードフォワード制御する、旋回式クレーン1の振れ止め制御方法であって、始点から終点まで吊り荷5を搬送させる仮加速度パターン又は仮速度パターンを用いて、残留振れ量を推定し、推定された残留振れ量を打ち消す補償パターンを算定し、この補償パターンを終点到着後、吊り荷の振れ周期の整数倍の時間を遡って仮加速度パターン又は仮速度パターンに印加して、吊り荷5を搬送させる加速度パターン又は速度パターンを算定し、算定された加速度パターン又は仮加速度パターンを用いて吊り荷5を搬送する。【選択図】 図1
Description
本発明は、旋回式クレーンの振れ止め制御方法に関する。
クレーンの搬送運転においては、吊り荷を始点から終点まで搬送させる際に、終点到着後の吊り荷に振れがないように、振れ止め制御を行う方法がとられている。
例えば、非特許文献1及び特許文献1には、天井クレーンにおける振れ止め制御方法として、クレーン搬送の加速度パターン又は速度パターンを用いることにより、搬送後の停止位置(終点)において、吊り荷の振れ止めを行う方法が開示されている。
また、特許文献2には、天井クレーンのような走行・横行の直線的な搬送とは異なり、旋回動作を含む旋回式クレーンにおける振れ止め制御が開示されている。しかし、特許文献2に開示された方法では、吊り荷の振れ止めを完全に行うことができないため、最適レギュレータによるフィードバック制御が行われている。さらに、非特許文献2には、旋回式クレーンにおける振れ止め制御方法として、パターン生成に熟練者の制御戦略を加え、さらにフィードバック制御を付加する方法が開示されている。
天井クレーンの自動化、NKK技報No149、40/45(1995)
熟練者の制御戦略を考慮した旋回式クレーンの制御、SISE論文集VOL33、No9、923/929(1997)
しかしながら、特許文献2や非特許文献2に記載の振れ止め制御方法では、クレーン停止後の荷の振れ(残留振れ)があるため、フィードバック制御により、これを抑えるため、振れ止めまでの時間が長くなることが問題であった。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、旋回式クレーンの振れ止め制御において、クレーン停止時においての残留振れをなくすことで、吊り荷の搬送時間を短縮化することができる、制御方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、ブームを有する旋回式クレーンを用いて吊り荷を始点から終点まで搬送する際に、終点到着後の吊り荷の振れ止めをフィードフォワード制御する振れ止め制御方法であって、吊り荷を搬送させる仮加速度パターン又は仮速度パターンを用いて、残留振れ量を推定し、推定された残留振れ量を打ち消す補償パターンを算定する。この補償パターンを振れ周期の整数倍の時間を搬送終了時刻から遡って、上記の仮加速度パターン又は仮速度パターンに印加する。この印加後のパターンを用いて搬送し、停止位置における振れ止めを行う。
本発明の一態様によれば、旋回式クレーンの振れ止め制御において、クレーン停止時においての残留振れをなくすことで、吊り荷の搬送時間を短縮化することができる。
以下の詳細な説明では、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。各図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる場合が含まれる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものである。また、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1に係る振れ止め制御方法を図1に示す。旋回式クレーン1は、ブーム11を有し、旋回動作と引き込み動作とを行うことで、ブーム11の先端に吊り下げられた吊り荷5を始点から終点まで搬送する。このような旋回式クレーンとしては、水平引き込み式クレーン(LLC)があり、以下、これを前提に話を進める。なお、旋回式クレーン1のブーム11の先端位置は、旋回と引き込み動作のため極座標で表し、振れ角は直交座標で表している。このため、この間の座標変換を行っている。
本発明の実施形態1に係る振れ止め制御方法を図1に示す。旋回式クレーン1は、ブーム11を有し、旋回動作と引き込み動作とを行うことで、ブーム11の先端に吊り下げられた吊り荷5を始点から終点まで搬送する。このような旋回式クレーンとしては、水平引き込み式クレーン(LLC)があり、以下、これを前提に話を進める。なお、旋回式クレーン1のブーム11の先端位置は、旋回と引き込み動作のため極座標で表し、振れ角は直交座標で表している。このため、この間の座標変換を行っている。
旋回式クレーン1は、旋回制御装置2と、引き込み制御装置3と、振れ止め制御装置4とを備える。旋回制御装置2は、旋回式クレーン1のブーム11の旋回角度を検出し、移動条件に応じて振れ止め制御装置4で生成される加速度パターン又は速度パターンに応じて旋回動作を行うモータへ速度指令を出力する。また、引き込み制御装置3は、旋回式クレーン1のブーム11の先端位置を検出し、移動条件に応じて振れ止め制御装置4で生成される加速度パターン又は速度パターンに応じて引き込み動作を行うモータへ速度指令を出力する。
振れ止め制御装置4は、後述する方法にて、吊り荷5の移動条件から推定される残留振れに応じて残留振れ量を打ち消す補償パターンを考慮した加速度パターン又は速度パターンを生成する装置である。
ここで、旋回式クレーン1における残留振れについて説明する。表1に示す搬送条件において、振れ止め制御として特許文献1に記載の方法を用いて生成した旋回式クレーン1の旋回(θ軸)加速度パターンと引き込み(r軸)加速度パターンとを図2、図3に示す。
また、この時のブーム11の先端位置の経路を図4に示す。図5のレーダチャートは、旋回中(図4の始点Aから終点Bまでの搬送中)の吊り荷5の振れ量と、旋回後(終点Bに到着後)の吊り荷5の残留振れ量を示す。特許文献1のように吊り荷5を直線的に搬送させる加速度パターンでは、楕円状の残留振れが発生し、振れ止めができていないことがわかる。
以下クレーン1の振れ止め制御装置4について説明する。まず、移動条件に応じた仮加速度パターンを生成するが、図2、図3で示したような、既知の加速度パターンを用いてもよい。次いで、この仮加速度パターンを用いて、残留振れ量を推定する。図6は、残留振れの開始(搬送終了)を起点とするトレンド表示である。
次いで、推定された残留振れを打ち消す操作量と操作タイミング、すなわち補償パターンを算定する。この補償パターンは、複数の同一形状のパターンで構成されるが、以下の説明では、この同一形状のパターンを方形波としている。残留振れを打ち消すための吊り荷に加える加速度、吊り荷の加速度、吊り荷の振れ角(残留振れ量)の関係を(1)、(2)式に示す。
(1)、(2)式に示すX軸、Y軸のクレーン加速度のインパルス応答を求める。図7(A)に示すように、X軸加速度として、0.1m/sec2を10サンプリング、計1の方形波を入力した時に生じる振れ角の推移を図7(B)に示す。なお、この時のロープ長Lは10mである。このインパルス応答から、残留振れを打ち消す操作量がわかる。この例では、正弦波正側(0~π)の面積(高さ×2)は0.01であるため、ゲインは0.01となる。なお、このゲインは、(1)、(2)式に基づいて、ロープ長さLに合わせて求めてもよく、テーブルとして予め設定されていてもよい。
残留振れ止めでは、旋回式クレーン1を動かして振れ止めを行うため、旋回式クレーン1を動かしたことによって旋回式クレーン1の停止位置が変化してはいけない。つまり、ブーム11の先端の移動量の和を0mにする必要がある。また、振れ止めのためのブーム11の先端の速度の和(時間積分)を0m/sec、ブーム11の先端の加速度の和(時間積分)を0m/sec2にする必要もある。このような条件を満たす補償パターンの一例を図8に示す。
図8(A)は図6に示すX軸方向の残留振れ量である振れ角Xを示し、図8(B)が補償パターンである。この例では、幅が10サンプリングの正側2個及び負側1個の計3個の方形波で構成されている。図8のt1、t2、t3は、振れ角の正負が反転する時刻であり、各方形波の開始時刻は、これら時刻を基準とし、t1、t210サンプリング前、t3、となる。
なお、図8(B)に示す補償パターンは、方形波には幅があるため、この開始時刻は微調整を行った結果であり異なる微調整も行うことができる。例えば、各方形波の開始時刻をt1、t25サンプリング前、t310サンプリング前、とすることもできる。
上述のパターン生成の制約から、操作量(方形波高さ)は、(3)式~(5)式を満足することが必要である。ここで、(3)式~(5)式におけるUは、(6)式で求められる。また、(6)式の分子の2は面積を求めるために用いられ、分母の2は操作が上下双方向で実施されるためにその片側分を表すために用いられる。
Ui:時刻tiにおける1サンプルの操作量(加速度)
di:時刻tiにおける振れ角速度符号(-1又は1)
i=1,2,3
H:残留振れ高さ
G:ステップ応答ゲイン
n:各操作量のサンプル数(出力回数)
図8(B)の補償パターンによるX軸方向の振れ止め結果を図9に示す。図9(A)は振れ角加速度、図9(B)は振れ角速度、図9(C)は振れ角の終点到着後からの時間変化を示す。補償パターンを印加させることで、振れ角速度や振れ角が徐々に減衰し、振れ止めができることがわかる。
搬送終了時に吊り荷5の振れ止めを行うために、吊り荷5の振れに、減衰がほとんどないこと、また、ロープ長Lが変化しないことが条件ではあるが、補償パターンを搬送中側に振れ周期の整数倍移動し、仮の加速度パターンに印加する。図10は、図8(B)に示す補償パターンを振れ周期の2倍の時間、終点到着時刻から遡る例である。このような補償パターンを生成することで、終点到着時(搬送終了時)において、振れ止めをすることができるため、搬送時間を短縮化することができる。また、残留振れを減衰させるフィードバック制御が不要となる。
なお、本発明では、残留振れ量を推定した後、この残留振れ量を評価し、残留振れが大きい時のみ、補償パターンを算定し、上記実施形態と同様に加速度パターン又は速度パターンを算定し、吊り荷5の搬送を行う。一方、この残留振れ量が小さい時は、仮加速度パターン又は仮速度パターンを加速度パターン又は速度パターンとし、吊り荷5の搬送を行う。この評価検証を実行システム建設前に行うことにより、本演算処理が簡素化できる可能性がある。なお、この評価する時の閾値は、0.01radが好ましい。
[実施例1]
実施形態1における旋回クレーン振れ止めシミュレーション方法と、その結果を実施例1として示す。
(完全振れ止めパターン生成)
図2、図3で示した加速度パターンを仮のパターンとし、このパターンにおける残留振れ量を求める。ここでは、残留振れ量を直交座標で表現するため、旋回(θ軸)及び引き込み(r軸)の加速度パターンを(7)、(8)式にしたがい、直交座標(X軸、Y軸)に変換する。なお、加速度以外に速度や位置に関するパラメータもあるが、当該加速度の積分、2階積分することで、求めることができる。また、(7)式の右辺第1項が引き込みによるX軸方向加速度成分、第2項が旋回による同成分、第3項が遠心力による同成分、第4項がコリオリの力による同成分である。(8)式は、Y軸についてであるが、X軸と同様である。
実施形態1における旋回クレーン振れ止めシミュレーション方法と、その結果を実施例1として示す。
(完全振れ止めパターン生成)
図2、図3で示した加速度パターンを仮のパターンとし、このパターンにおける残留振れ量を求める。ここでは、残留振れ量を直交座標で表現するため、旋回(θ軸)及び引き込み(r軸)の加速度パターンを(7)、(8)式にしたがい、直交座標(X軸、Y軸)に変換する。なお、加速度以外に速度や位置に関するパラメータもあるが、当該加速度の積分、2階積分することで、求めることができる。また、(7)式の右辺第1項が引き込みによるX軸方向加速度成分、第2項が旋回による同成分、第3項が遠心力による同成分、第4項がコリオリの力による同成分である。(8)式は、Y軸についてであるが、X軸と同様である。
求めたいX軸の残留振れ量は、(1)式のθXであるから、(7)式を(1)式に代入し、搬送の始点(開始)から逐次2階積分することにより求めることができる。なお、搬送の始点では、振れは無いものとしている。Y軸方向の振れも同様に、(8)式を(2)式に代入して2階積分することで求めることができる。
具体的なシミュレーションの処理としては、搬送の始点から時刻経過50msec毎に、逐次、旋回及び引き込みの加速度からのX軸方向及びY軸方向の加速度、速度及び位置を求めるとともに、これに従う、X軸方向及びY軸方向の振れ角の加速度、速度及び位置を求める。
求められた振れ角に対して残留振れ止めパターンを生成することができるが、直交座標系の振れ止めであるため、旋回(θ軸)及び引き込み(r軸)の極座標系への変換を行う。直交座標から極座標位置への変換は、振れ角の時間微分で速度変換ができ、またこの2階微分で加速度への変換が可能である。(9)、(10)式に、加速度の変換を示す。
この式にしたがって、求めた補償量を振れ周期の2倍の時間、終点到着時刻から遡って、図2、図3の仮加速度パターンに付加すると、残留振れを生じさせない、完全振れ止め加速度パターンになる。このパターンを図11、図12に示す。図の後半の台形パターンに6個のパルス的波形が見られるが、これが付加した補償量である。X軸、Y軸の補償は、各3個ずつであり、この旋回(θ軸)、引き込み(r軸)変換で計6個となっている。
(振れ止めシミュレーション)
実機では、図11、図12に示す加速度パターンから速度パターンを生成し、当該モータの速度指令とするが、本シミュレーションでは、上述の補償後加速度パターンを適用した場合の残留振れ量を検証する。このシミュレーションの結果を図13に示すが、図5の旋回後の振れ角に比べて残留振れが殆どないことが確認できる。
実機では、図11、図12に示す加速度パターンから速度パターンを生成し、当該モータの速度指令とするが、本シミュレーションでは、上述の補償後加速度パターンを適用した場合の残留振れ量を検証する。このシミュレーションの結果を図13に示すが、図5の旋回後の振れ角に比べて残留振れが殆どないことが確認できる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2に係る振れ止め制御方法について説明する。実施形態2に係る振れ止め制御方法は、実施形態1と同様に図1に示す旋回式クレーン1を用いて行われる。また、実施形態2に係る振れ止め制御方法は、実施形態1に対して、残留振れ量を打ち消す補償パターンの推定方法が異なるが、その他の構成については同様である。このため、以下の説明では、補償パターンの推定方法についてのみ説明をするが、実施形態1に記載した補償パターンの推定方法以外の構成については、実施形態2にも同様に適用できる。
次に、本発明の実施形態2に係る振れ止め制御方法について説明する。実施形態2に係る振れ止め制御方法は、実施形態1と同様に図1に示す旋回式クレーン1を用いて行われる。また、実施形態2に係る振れ止め制御方法は、実施形態1に対して、残留振れ量を打ち消す補償パターンの推定方法が異なるが、その他の構成については同様である。このため、以下の説明では、補償パターンの推定方法についてのみ説明をするが、実施形態1に記載した補償パターンの推定方法以外の構成については、実施形態2にも同様に適用できる。
補償パターンは、吊り荷5の振れ角速度のフィードバック制御を行った時の操作量パターンである。この振れ角速度のフィードバック制御は、実運転における振れ角速度のフィードバックではなく、吊り荷5の搬送を模擬して求める。
図14に、この操作量を求めるブロック図を示す。図14中のトロリー加速度の時系列データが、補償パターンとなる。具体的には、操作量を(11)~(14)式で求める。なお、(11)~(14)式では、直交座標系でX軸方向に関して記載しているが、Y軸も同様である。なお、この時の目標値は、ゼロである。
FBX:フィードバック補償量(加速度、X軸方向)
K:フィードバックゲイン
SP:振れ角速度目標値(0)
θX:振れ角
Δt:サンプリング時間
L:ロープ長
g:重力加速度
T:時刻
Te:終点到着時刻 T>Te
(11)式で、フィードバック補償量を求めるが、マイナスを付けるのは、この速度フィードバックは、同符号がフィードバックとなるからである。また、サンプリング時間で割るのは、(12)式の運動方程式の加速度の扱いに合わせるためである。(13)式は、振れ角速度、(14)式は、振れ角をそれぞれ求める時間積分である。
そして、時刻Teにおける振れ角、振れ角速度、振れ角加速度を初期値として、振れ周期の整数倍の時間のフィードバック補償量を(11)~(14)式に従い逐次、求める。
そして、時刻Teにおける振れ角、振れ角速度、振れ角加速度を初期値として、振れ周期の整数倍の時間のフィードバック補償量を(11)~(14)式に従い逐次、求める。
求められた補償量の加速度の和、また速度の和を完全には、0にできないため、吊り荷5の停止位置がずれる。このため、補償パターンを推定する際には、振れ周期の2倍以上の時間をかけて補償量が正負振動しながら収束させることで、停止位置のずれを実用上問題ない程度に小さくしている。この時のフィードバックゲインは、0.2程度である。
ここで、実施形態1に係る旋回式クレーン1の振れ止め制御方法では、補償パターンとして方形波を用いるため、補償パターンを印加した搬送加速度パターンにパルス的凹凸が生じる。このパルス的凹凸が大きいと、搬送時のモータの加速度制約にかかる可能性があり、その時は、制約を満足するように、最初に演算する仮加速度パターンの最大加速度を下げる必要があり、搬送能率が下がる。一方、実施形態2に係る旋回式クレーン1の振れ止め制御方法によれば、補償パターンがなめらかなため、パルス的凹凸が生じないため、搬送時のモータの加速度制約を満足する可能性が大きく、搬送能率の低下を防止することができる。
[実施例2]
実施形態2における旋回クレーン振れ止めシミュレーション方法と、その結果を実施例2として示す。
実施形態2における旋回クレーン振れ止めシミュレーション方法と、その結果を実施例2として示す。
(完全振れ止めパターン生成)
実施例2では、実施例1と同様に残留振れ量を推定し、この残留振れを収束させる補償パターンを振れ角速度のフィードバック制御を用いて求める。なお、補償量の開始位置は、終点到着時刻より振れ周期2倍分を遡っている。
図15、図16にX軸及びY軸における補償量パターンの算出結果を示す。
実施例2では、実施例1と同様に残留振れ量を推定し、この残留振れを収束させる補償パターンを振れ角速度のフィードバック制御を用いて求める。なお、補償量の開始位置は、終点到着時刻より振れ周期2倍分を遡っている。
図15、図16にX軸及びY軸における補償量パターンの算出結果を示す。
(振れ止めシミュレーション)
この補償量パターンを、図2、図3に示す仮加速度パターンの直交座標に変換したパターンに印加し、極座標に再変換したものを図17、図18に示す。図11、図12に較べ、パルス的凹凸がないことがわかる。特にr軸では顕著である。
図19に、図17と図18の振れ止めパターンを用いて搬送した時の搬送中と搬送後の振れ量を示す。搬送後の振れ量は、図5に較べ、十分小さく、振れ止めできることがわかる。なお、実施例1の補正した加速度パターンによる残留振れ量に比べ、若干ではあるが、大きい。
この補償量パターンを、図2、図3に示す仮加速度パターンの直交座標に変換したパターンに印加し、極座標に再変換したものを図17、図18に示す。図11、図12に較べ、パルス的凹凸がないことがわかる。特にr軸では顕著である。
図19に、図17と図18の振れ止めパターンを用いて搬送した時の搬送中と搬送後の振れ量を示す。搬送後の振れ量は、図5に較べ、十分小さく、振れ止めできることがわかる。なお、実施例1の補正した加速度パターンによる残留振れ量に比べ、若干ではあるが、大きい。
1 旋回式クレーン
11 ブーム
2 旋回制御装置
3 引き込み制御装置
4 振れ止め制御装置
5 吊り荷
11 ブーム
2 旋回制御装置
3 引き込み制御装置
4 振れ止め制御装置
5 吊り荷
Claims (7)
- ブームを有する旋回式クレーンを用いて吊り荷を始点から終点まで搬送する際に、前記終点到着後の前記吊り荷の振れ止めをフィードフォワード制御する、旋回式クレーンの振れ止め制御方法であって、
前記始点から前記終点まで前記吊り荷を搬送させる仮加速度パターン又は仮速度パターンを用いて、残留振れ量を推定し、
推定された前記残留振れ量を打ち消す補償パターンを算定し、
前記仮加速度パターン又は仮速度パターンに前記補償パターンを印加して、前記吊り荷を搬送させる加速度パターン又は速度パターンを算定し、
算定された前記加速度パターン又は前記速度パターンを用いて前記吊り荷を搬送する、旋回式クレーンの振れ止め制御方法。 - 前記加速度パターン又は前記速度パターンを算定する際に、前記補償パターンの開始時間が、前記仮加速度パターン又は前記仮速度パターンにおける前記吊り荷の到着時間から、振れ周期の整数倍移動させた時間となるように、前記補償パターンを前記仮加速度パターン又は前記仮速度パターンに印加する、請求項1に記載の旋回式クレーンの振れ止め制御方法。
- 前記補償パターンは、前記残留振れの正弦波の正側又は負側の片側の区間πの面積を打ち消す加速度パターン、又は前記加速度パターンから求められる速度パターンとし、前記加速度パターンは、高さが異なる3個以上の同形状のパターンで構成し、
前記補償パターンを算定する際に、前記同形状のパターンにおける加速度の和が0、速度の和が0、及び移動量の和が0となるように、前記振れ周期の1/2を単位として、前記同形状のパターンの符号及び高さを変える、請求項1又は2に記載の旋回式クレーンの振れ止め制御方法。 - 前記補償パターンは、前記吊り荷の振れ角速度のフィードバック制御を行った時の操作量パターンである、請求項1又は2に記載の旋回式クレーンの振れ止め制御方法。
- 前記補償パターンは、振れ周期の2倍以上の時間をかけて、残留振れが収束するように、前記フィードバック制御のゲインを調整して求められる、請求項4に記載の旋回式クレーンの振れ止め制御方法。
- 前記残留振れ量を推定する際に、前記仮加速度パターン又は前記仮速度パターンとして、前記吊り荷を直線的に搬送させる場合において、前記吊り荷を振れ止め可能な加速度パターン又は速度パターンを用いる、請求項1又は2に記載の旋回式クレーンの振れ止め制御方法。
- 前記残留振れ量を推定した後、前記残留振れ量が0.01rad以上であるか否かを判断し、
前記残留振れ量の判断にて前記残留振れ量の推定量が0.01rad以上である場合には、前記補償パターンを算定し、
前記残留振れ量の判断にて前記残留振れ量の推定量が0.01rad未満である場合には、前記仮加速度パターン又は前記仮速度パターンを前記加速度パターン又は前記速度パターンとし、前記吊り荷の搬送を行う、請求項1又は2に記載の旋回式クレーンの振れ止め制御方法。
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