JP2003149831A - 単分子層のパターン形成方法、パターン化単分子層を利用した導電膜パターンの形成方法、及び電気光学装置 - Google Patents

単分子層のパターン形成方法、パターン化単分子層を利用した導電膜パターンの形成方法、及び電気光学装置

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JP2003149831A
JP2003149831A JP2001344925A JP2001344925A JP2003149831A JP 2003149831 A JP2003149831 A JP 2003149831A JP 2001344925 A JP2001344925 A JP 2001344925A JP 2001344925 A JP2001344925 A JP 2001344925A JP 2003149831 A JP2003149831 A JP 2003149831A
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Masahiro Furusawa
昌宏 古沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスマスクを使用せず、しかもパターン形
成精度や位置の再現性の優れた撥液性単分子層のパター
ン形成方法、及びその単分子層パターンを用いて形成す
る半導体、金属などのパターン、更にそれを用いて製造
される電気光学装置、及びこの電気光学装置を備える電
子機器を提供すること。 【解決手段】 基板上に、加水分解性基と、撥液性末端
を有する炭素含有基とを有するシラン化合物がこの基板
に結合した単分子層を形成し、アルカリ性の液体をイン
クジェット法で基板上にパターン塗布し、この塗布した
部分において前記単分子層を上記アルカリ性液体の加水
分解作用により除去し、撥液性の単分子層と、パターン
化された親液性の基板表面を形成する。更に、このパタ
ーン化された基板を用いて電気光学装置、及びこの電気
光学装置を備えた電子機器を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水性単分子層の
パターン形成方法、及びその単分子層パターンを用いて
形成する半導体、金属などのパターン、更にそれを用い
て製造される電気光学装置、及びこの電気光学装置を備
える電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】単分子層のパターン形成方法としては、
特開2000−282240号公報に開示された技術が
知られている。この公報に記載の方法によれば、フッ化
アルキルシラン等の単分子層を気相成長(CVD)によ
って基板全面に形成し、マスクを通した紫外線照射によ
って紫外線の照射された領域の単分子層を分解除去(実
際にはフッ化アルキル基が分解除去され(−O)3Si
OHが基板表面に残る)してパターンを形成する。この
ような単分子層パターンは、膜厚数nmのエッチングレジ
ストとして使用したり、インクジェット法により液滴を
適所に配置する場合のテンプレートとして用いることが
できる。インクジェット法にて前記単分子層をテンプレ
ートとして用いるときは、液滴を所定領域の単分子層の
分解除去された親液部のみに正確に配置することができ
る。
【0003】しかしながら、単分子層を十分に除去する
ためには、例えば、波長172nmの紫外線を10mW/
cm2の強度で5分ほど照射する必要があり、実際のプ
ロセスに応用するには時間がかかりすぎるという問題が
あった。また、172nmの紫外線はガラスマスクに対す
る透過率が悪く、特に基板が大判になってガラスマスク
の厚さが数mmとなると、単分子層を除去する時間は30
分ほどにもなる。更に、ガラスマスク自体にも高価な石
英ガラスを用いないと、ガラスが紫外線照射によって着
色してしまう。
【0004】その他にマイクロコンタクトプリンティン
グ法によって、簡単に撥液親液パターンを形成する方法
も知られている。しかしながら、この方法はエラストマ
ーをスタンプとして用いるため、パターン形成精度や、
位置の再現性に問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガラスマス
クを使用せず、しかもマイクロコンタクトプリンティン
グ法よりもパターン形成精度や位置の再現性が優れイン
ク材料の選択の幅が広い撥液性単分子層のパターン形成
方法、及びその単分子層パターンを用いて形成する半導
体、金属などのパターン、並びにそれらパターンを用い
て製造される電気光学装置、及びこの電気光学装置を備
える電子機器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に単分
子層を形成し、アルカリ性の液体をインクジェット法で
基板上にパターン塗布し、このパターン塗布した部分に
おいて前記単分子層を除去し、撥液性の単分子層と、パ
ターン化された親液性の基板表面を形成することを特徴
とする撥液性単分子層のパターン形成方法を提供する。
この方法によれば、ガラスマスクを使用せず、パターン
形成精度や位置の再現性の優れた撥液性単分子層のパタ
ーンを形成することができる。このようにしてパターン
化単分子層を有する基板が得られる。
【0007】本発明に用いうる基板として、Siウエハ
ー、石英ガラス、ガラス、プラスチックフィルム、金属
板など各種のものを用いることができる。また、これら
各種の素材基板の表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、
有機膜などが下地層として形成されたものも、基板とし
て用いてもよい。
【0008】前記基板上に単分子層を形成する1つの具
体例は、該基板表面に加水分解性基と撥液性端末を有す
る炭素含有基を有する炭素含有基を有するシラン化合物
をこの基板に結合させて単分子層を形成することであ
る。前記加水分解性基と、撥液性末端を有する炭素含有
基とを有するシラン化合物は、一般にRnSiX4−n
(ここに、Rは炭素原子及び水素原子以外の元素を有す
ることのある炭化水素基であり、Xはヒドロキシル基又
は加水分解性の基であり、nは1以上3以下の整数であ
る。)で表される。Rの例としては、炭素原子及び水素
原子以外の元素を有することのある炭素原子数1〜30
のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラル
キル基が挙げられる。これらの基はその水素原子がアミ
ノ基、チオール基、フッ素原子などで置換されていても
良いし、その炭素原子の間に−O−、−S−、−NH
―、―N=等のヘテロ原子やベンゼン環が挟まっていて
も良い。Xの例としては、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、アシロキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。nは
1であることが好ましい。
【0009】このシラン化合物の具体的例としては、プ
ロピルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラ
ン、デシルオクチルトリメトキシシラン、アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、アミノオクチルトリメトキシシ
ラン、アミノデシルオクチルトリメトキシシラン、メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトオクチ
ルトリメトキシシラン、メルカプトデシルオクチルトリ
メトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、オクチ
ルトリエトキシシラン、デシルオクチルトリエトキシシ
ラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノオク
チルトリエトキシシラン、アミノデシルオクチルトリエ
トキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、メルカプトオクチルトリエトキシシラン、メルカプ
トデシルオクチルトリエトキシシラン、プロピルトリク
ロロシラン、オクチルトリクロロシラン、デシルオクチ
ルトリクロロシラン、アミノプロピルトリクロロシラ
ン、アミノオクチルトリクロロシラン、アミノデシルオ
クチルトリクロロシラン、メルカプトプロピルトリクロ
ロシラン、メルカプトオクチルトリクロロシラン、メル
カプトデシルオクチルトリクロロシラン等、及び後記F
ASを挙げることができる。これらの1種又は2種以上
の混合物を用いることができる。
【0010】本発明方法により、基板表面に結合され微
細にパターン化された撥液性単分子層が形成される。こ
の単分子層を基板に形成する具体的な方法としては、基
板と、前記シラン化合物とを同一の密閉容器中に入れ、
室温で2〜3日、或いは100℃程度で3時間程度保持
する方法がある。これらの方法は、気相からの形成法で
あるが、液層からも単分子層を形成することは可能であ
り、例えば、原料化合物を含む溶媒中に基板を浸漬し、
洗浄、乾燥することにより基板上に単分子層を形成する
ことができる。このとき、基板表面の原子Mとシラン化
合物とが直接又は間接に反応する。例えば、シラン化合
物の加水分解性基の少なくとも一部が加水分解されてS
iOHが生成し、原子M若しくは酸素と結合したM又は
何らかの原因で予めMOHの形になった原子Mと前記シ
ラン化合物又はSiOHを持つように変性されたシラン
化合物とが反応してSi−O−M結合が形成される。従
って、この単分子層は、正確には基板に結合された単分
子の層である。この明細書においては、簡単に表現する
ために、単に「単分子層」という。
【0011】前記単分子層は自己組織化膜であることが
好ましい。本発明において基板表面に形成される自己組
織化膜とは、基板など下地層の構成原子と反応した結合
性基とそれ以外の直鎖基とからなり、複数の該直鎖基の
相互作用により極めて高い配向の形成された膜である。
前記自己組織化膜はフォトレジスト材等の樹脂膜とは異
なり、単分子層においてその中の鎖が配向されて形成さ
れているので、極めて膜厚を薄くすることができ、しか
も、分子レベルで均一な膜となる。即ち、膜の表面に同
じ基が位置するため、膜の表面に均一でしかも優れた強
い撥液性や弱い撥液性を付与することができ、微細なパ
ターン形成をする際に特に有用である。
【0012】例えば、前記の高い配向性を有する基を与
える化合物として、後述するフルオロアルキルシランを
用いた場合には、膜の表面にフルオロアルキル基が位置
するように各基が配向されて自己組織化膜が形成される
ので、膜の表面に均一な撥液性が付与される。
【0013】なお、自己組織化膜は、例えば、“An Int
roduction to ULTRATHIN ORGANIC FILMS: Ulman, ACADE
MIC PRESS”に詳しく開示されている。
【0014】このような自己組織化膜を形成する化合物
としては、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラ
ヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロ
−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリメトキシシラ
ン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロ
デシルトリクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,
2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリ
デカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルト
リメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2
テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロ
プロピルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラ
ン(以下「FAS」という)を挙げることができる。使
用に際しては、一つの化合物を単独で用いるのも好まし
いが、2種以上の化合物を組合せて使用しても、本実施
形態の所期の目的を損なわなければ制限されない。ま
た、本実施形態においては、前記の自己組織化膜を形成
する化合物として、前記FASを用いるのが、基板との
密着性及び良好な撥液性を付与する上で好ましい。
【0015】FASは、一般的に構造式R1nSiX1
(4−n)で表される。ここでnは1以上3以下の整数
を表し、X1はメトキシ基、エトキシ基、アセトキシ
基、ハロゲン原子などの加水分解基である。またR1は
フルオロアルキル基であり、(CF3)(CF2)x
(CH2)yの(ここでxは0以上10以下の整数を、
yは0以上4以下の整数を表す)構造を持ち、複数個の
R1又はX1がSiに結合している場合には、R1又は
X1はそれぞれすべて同じでも良いし、異なっていても
よい。X1で表される加水分解性基は加水分解によりシ
ラノール(SiOH)を形成して、基板(ガラス、シリ
コン)等の下地のヒドロキシル基と反応してSi−O−
M結合で基板と結合する。一方、R1は端部に(CF
3)等のフルオロ基を有し、この基が単分子層の表面に
配置されるため、基板等の下地表面を濡れない(表面エ
ネルギーが低い)表面に改質する。このFASの式にお
いても、nは1であることが好ましい。
【0016】自己組織化膜は、上記の原料化合物と基板
とを同一の密閉容器中に入れておき、室温の場合は2〜
3日程度の間放置すると基板上に形成される。また、密
閉容器全体を100℃に保持することにより、3時間程
度で基板上に自己組織化膜は形成される。これらの方法
は、気相からの形成法であるが、液相からも自己組織化
膜は形成可能である。例えば、原料化合物を含む溶液中
に基板を浸積し、洗浄、乾燥することにより基板上に自
己組織化膜が得られる。なお、自己組織化膜を形成する
前に、基板表面に紫外光を照射したり、基板表面を溶剤
や酸素プラズマにより洗浄したりして、前処理を施すこ
とが望ましい。これによって基板表面に多数のOHが生
成し、これによって自己組織化膜を高密度に欠陥を少な
く形成することができる
【0017】前記アルカリ性の液体は特に限定されな
い。その例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の水溶液が挙げられる。この水溶液のpHは10以
上であることが望ましい。更に好ましくは12以上、最
も好ましくは14以上である。pHが10より小さい
と、アルカリ性液体を塗布した所望の部分での単分子層
の除去に時間がかかり、また、この除去が不十分となり
やすい。アルカリ性液体は基板上に配置した後、数分〜
数時間放置して基板上の単分子層を分解する。そのた
め、その間、液滴が乾燥しないようにするため、高沸点
の有機溶剤や、界面活性剤などを添加するのが好まし
い。前記高沸点溶剤の具体例としては、グリセリン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールメチルエチルエーテル等が挙げられる。また、界
面活性剤としては、フッ素系、シリコーン系、ノニオン
系などの表面張力調整剤が挙げられる。
【0018】前記単分子層表面に前記アルカリ性液体を
塗布したときの該アルカリ性液体の接触角は30°以上
60°以下であることが望ましい。接触角が30°より
小さいときは、液滴が基板上で塗れ広がり過ぎるため、
形状の乱れたパターンが形成されやすい。また60°よ
りも大きければ、インクジェット液滴が基板に着弾し既
に基板上にある液滴と接した際にその液滴に取り込まれ
てしまうことにより、線パターンに切れ目が出来やすい
からである。例えば、FASの単分子層上では、水の接
触角は110°ほどになることがあり、このような撥水
性面の上では、水のような表面張力の大きい液滴を連続
的に滴下してラインを形成しても、基板に付与された液
体はラインの中を動いて、基板上のゴミ、傷、ラインの
曲がり角などのイレギュラーな部分に集まってきて、バ
ルジと呼ばれる液溜まりを形成してしまい、ラインはで
きない。そこで、接触角を上記30°以上60°以下の
範囲にする1つの方法は、アルカリ性液体自体の表面張
力を調整して、単分子層の形成された基板との接触角が
30°以上60°以下となるようにすることである。こ
のアルカリ性液体の表面張力の調節のため、この液に、
フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調
節剤を微量添加することができる。別の方法は、基板の
撥液性を調節することである。更に、両者を組合せても
よい。
【0019】前記基板の撥液性を調節する1つの方法
は、単分子層の上記炭化水素基Rを適当に選ぶことであ
る。例えば、Rを−(CH2)10SHのみとすると接
触角は約30°となる。前記単分子層が上記FAS由来
のものであるときは、この接触角は通常60°より大き
い。この場合には、単分子層全面に紫外線照射を行い、
この際の照射時間を制御することによって接触角を適度
に小さくすることができる。照射時間が短すぎると接触
角を十分小さくすることができず、長すぎると接触角が
小さくなりすぎる。この照射時間の長さは、単分子層の
種類や紫外線の波長によって異なり、一概には言えな
い。しかしながら、実際には、単分子層の撥液性を大き
くしたまま、インク自体の表面張力を調整するほうが好
ましい。これは、後に別のインクを親液部のみに配置す
る場合に撥液部の撥液性が高い方が良好な線パターンを
与えるからである。
【0020】上述のように、前記単分子層表面に前記ア
ルカリ性液体を塗布したときの該アルカリ性液体の接触
角を30°〜60°としたときには、前記インクジェッ
ト法により吐出する工程は次のように行う。即ち、前記
液体を、前記基板上において形成されるべき同一配線内
で互いに隣り合う前記液体のインクジェット液滴の中心
間の距離が、前記基板上に付与された際の前記インクジ
ェット液滴の半径と、前記基板上に付与される前の前記
インクジェット液滴の半径との和よりも大きく、かつ前
記基板上に付与された際の前記インクジェット液滴の半
径の2倍よりも小さくなるように吐出する。この吐出法
の詳細は、特願2001−193679号明細書に記載
されている。
【0021】上記アルカリ性液体をインクジェット法
で、前記単分子層を形成した基板にパターン塗布する
と、アルカリの作用により、この塗布した部分において
Si−O−M結合のSiとOの間が切断され、有機シラ
ノール化合物が基板表面から分離される。この分離を十
分に行うために、室温で1〜20分、好ましくは2〜1
5分、更に好ましくは3〜10分放置する。その後、こ
の分離されたシラノール化合物を洗浄液で洗浄除去す
る。この洗浄液としては、水や有機溶剤を使用すること
ができる。かくして基板表面には多数のOH基が残り、
親液性になる部分と、撥液性のまま残る部分と、からな
るパターンが形成される。
【0022】この単分子層は、これをエッチングレジス
トとして用いて、例えば薄膜のエッチングを行うことに
より、パターンニングを行うのに利用することができ
る。エッチングは、ウエットエンチングが好ましい。エ
ッチングの対象となる基板の例としては、シリコンウェ
ハ、ガラス、石英、プラスチック等を挙げることができ
る。その基板の上の膜としては、金、銀、銅、アルミニ
ウム、ニッケルなどの金属膜、シリコン、ゲルマニウ
ム、ガリウム砒素などの半導体膜、SiO2やSiNな
どの絶縁膜、発光ポリマーや有機半導体などの有機物の
薄膜等を挙げることができる。エッチング液の例として
は、フッ酸、フッ硝酸、フッ酸フッ化アンモニウム混合
液、塩酸、硝酸、りん酸、硫酸、塩化鉄およびそれらの
混合液などの一般的なウェットエッチングに用いられる
エッチング液等を挙げることができる。このようなエッ
チングは、通常のレジストを用いたウェットエッチング
の代替として利用することができるため、プリント基
板、LSI、薄膜トランジスタなどのパターニングに利
用することができる。これらは、一般的な電子機器なら
どのようなものにでも応用できる。例えば、パーソナル
コンピューター、デジタルカメラ、携帯電話等の分野に
おいて利用することが出来る。
【0023】本発明によれば、その表面に、加水分解性
基と、撥液性末端を有する炭素含有基とを有するシラン
化合物が結合した単分子層を有する基板上の所定の領域
にアルカリ性液体をインクジェット法によりパターン塗
布し、この塗布した部分において前記単分子層を除去
し、撥水性の単分子層と、パターン化された親液性の基
板表面を形成出来るようにしてなることを特徴とする基
板への撥水性パターン化単分子層の形成装置が提供され
る。
【0024】このパターン化単分子層を有する基板は、
更にパターン化単分子層をインクジェット法等で塗布形
成するときのテンプレートとして利用し、種々のパター
ン形成に利用することができる。
【0025】上記テンプレートとしての利用の1つの方
法は、導電性微粒子を含有する液体を、このパターン化
単分子層を有する基板の親液部に選択的に塗布し、この
親液部に塗布された前記液体を熱処理によって導電膜に
変換することを特徴とする導電性パターンを形成する方
法である。前記パターン化単分子層を有する基板の単分
子層が残っている部分(撥液部)と単分子層が取り除か
れた部分(親液部)の接触角の差が30°より大きい場
合には、例えば、前記単分子層がFASであり、前記液
体がエタノールのようなアルコール類、n−ヘプタンの
ような炭化水素系溶剤、エチレングリコールジメチルエ
ーテルのようなエーテル系溶剤、プロピレンカーボネー
トのような極性溶剤などであるときは、前記塗布方法と
しては、スピンコート法、カーテンコート法、ディップ
コート法、スプレーコート法、インクジェット法などの
方法を用いることができる。塗布した液体が撥液性の単
分子層にはじかれて親液性のパターン化された裸の基板
表面に集まったり、撥液性の単分子層にから除去され、
親液性の部分にのみ残存したりするからである。こうし
て結局、前記導電性微粒子を含有する液体は親液性のパ
ターン化された裸の基板表面のみに塗布されることとな
る。前記パターン化単分子層を有する基板の単分子層が
FASのような撥液性単分子層でなく、撥液性の低い単
分子層を形成したとき、すなわち単分子層が残っている
部分と単分子層が取り除かれた部分の接触角の差が30
°より小さい場合、前記塗布法としてインクジェット法
を用いるのが好ましい。この方法によれば、基板の露出
した所望の部分にのみ、簡単な工程で精度良く導電性パ
ターンを形成することができる。
【0026】他の方法は、ケイ素化合物を含有する液体
を、前記パターン化単分子層を有する基板の親液部に選
択的に塗布し、熱処理及び/又は光処理によって前記液
体の塗布液をシリコン膜に変換することを特徴とするシ
リコン膜パターンを形成する方法である。前記パターン
化単分子層を有する基板の単分子層を形成すべき液体の
基板に対する接触角が30°より大きいとき、例えば、
前記単分子層がFASであり、前記液体がエタノールの
ようなアルコール類、n−ヘプタンのような炭化水素系
溶剤、エチレングリコールジメチルエーテルのようなエ
ーテル系溶剤、プロピレンカーボネートのような極性溶
剤などであるときは、前記塗布方法としては、スピンコ
ート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレ
ーコート法、インクジェット法などの方法を用いること
ができる。塗布した液体が撥液性の単分子層にはじかれ
て親液性のパターン化された裸の基板表面に集まるから
である。前記パターン化単分子層を有する基板の単分子
層がFASのような撥液性単分子層を形成しないとき
は、インクジェット法を用いるのが好ましい。この方法
によれば、シリコン膜をガス相からではなく、液体材料
から製膜してパターン形成を行い、尚且つ簡便な工程で
良質な特性のシリコン膜パターンを得ることができる。
【0027】上記テンプレートとしての利用の更に他の
方法は、前記パターン化単分子層を有する基板の親液部
にアクティべーション処理を施し、次いで無電解メッキ
液を当該処理を施した領域に選択的に吐出し、または基
板全体を無電解メッキ液に浸漬することにより、アクテ
ィベーション処理を行った部分のみに選択的にメッキを
行うこと、を特徴とする金属薄膜パターンを形成する方
法である。この方法によれば、基板の露出した所望の部
分にのみ簡単な工程で精度良く金属薄膜パターンを形成
することができる。
【0028】本発明によれば、前記導電膜パターン又は
金属薄膜パターンからなる導電膜配線が提供される。こ
の導電膜配線は、簡単な工程で精度良く作成されたもの
である。
【0029】本発明によれば、この導電膜配線を備える
ことを特徴とする電気光学装置が提供される。この電気
光学装置は、それが備える導電膜配線が簡単な工程で精
度良く作成されたものであるから、それ自体制作が容易
で精度のよいものである。
【0030】本発明によれば、前記電気光学装置を備え
ることを特徴とする電子機器が提供される。この電子機
器は、制作が容易で精度のよい電気光学装置を備えるか
ら、それ自体制作が容易で精度のよいものである。
【0031】本発明によれば、前記導電膜配線をアンテ
ナ回路として備えることを特徴とする非接触型カード媒
体が提供される。この非接触型カード媒体は、それが備
える導電膜配線が簡単な工程で精度良く作成されたもの
であるから、それ自体制作が容易で精度のよいものであ
る。
【0032】本発明によれば、前記方法でシリコン膜パ
ターンを形成することを特徴とする半導体装置の製造方
法を提供する。この方法によれば、ガス相からではな
く、液体材料から製膜してパターン形成を行い、尚且つ
簡便な工程で良質な特性のシリコン膜パターンを得る工
程を含んだ半導体装置の製造方法が提供される。
【0033】本発明によれば、前記方法で得られた半導
体装置を備えたコンピューターが提供される。この方法
によれば、液体材料から製膜してパターン形成を行い、
尚且つ簡便な工程で良質な特性のシリコン膜パターンを
得る工程を含んだ半導体装置を備えたコンピューターを
得ることが出来るという利点がある。
【0034】本発明によれば、前記半導体装置を備えた
電気光学装置が提供される。この方法によれば、液体材
料から製膜してパターン形成を行い、尚且つ簡便な工程
で良質な特性のシリコン膜パターンを得る工程を含んだ
半導体装置を備えた電気光学装置を得ることが出来ると
いう利点がある。
【0035】本発明によれば、前記電気光学装置を備え
たことを特徴とする電子機器が提供される。この方法に
よれば、前記利点を有する電気光学装置を備えた電子機
器を得ることが出来るという利点がある。
【0036】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕第1実施形態とし
て、本発明の撥液性の単分子層と、パターン化された親
液性の基板表面を形成することを特徴とする撥液性単分
子層のパターン形成方法を詳細に説明する。
【0037】先ず、図1に示すように、基板11と撥液
性末端を有する炭素含有基とを有するシラン化合物を同
一の密閉容器に入れ、室温で2〜3日、或いは100℃
程度で3時間程度保持することにより、基板11表面に
前記シラン化合物を結合させて、結合されたシラン化合
物の単分子層12を形成する。
【0038】次いで、図2に示すように、後で形成する
パターンに合わせてアルカリ性液体の液滴13を単分子
層12にインクジェット法で塗布し、数分〜数時間放置
してこの層12の当該塗布部分を加水分解して除去し、
基板表面を露出させ、この単分子層12をパターニング
する。このとき、前記単分子層表面に前記アルカリ性液
体を塗布したときの該アルカリ性液体の接触角を上述の
ような方法を用いて30°〜60°とする。前記パター
ニングの後、アルカリ性液体や分解除去されたシラン化
合物を基板から洗浄除去する。こうして図3に示すよう
に、基板表面が露出した部分が液体材料に対して濡れ性
を持った親液部11aとなり、単分子層12が残存して
いる部分は液体材料に対して濡れ性を持っていない撥液
部11bとなる。こうしてパターン化された撥液性単分
子層を有する基板が形成される。
【0039】尚、結合されたシラン化合物の単分子層1
2を最初に基板全面に形成する前に、基板表面に紫外光
を照射したり、酸素プラズマ処理したり、溶媒により洗
浄したりして、前処理を施し、該表面を親水化させるこ
とが望ましい。
【0040】次に、上記第1実施形態のパターン化単分
子層形成方法を実施するためのパターン化単分子層形成
装置について説明する。図7は、前記パターン化単分子
層形成装置の概略斜視図である。図7に示すように、パ
ターン化単分子層形成装置100は、インクジェットヘ
ッド群101と、インクジェットヘッド群101をX方
向に駆動するためのX方向ガイド軸102と、X方向ガ
イド軸102を回転させるX方向駆動モータ103とを
備えている。また、基板Wを載置するための載置台10
4と、載置台104をY方向に駆動するためのY方向ガ
イド軸105と、Y方向ガイド軸105を回転させるY
方向駆動モータ106とを備えている。また、X方向ガ
イド軸102とY方向ガイド軸105とが、各々所定の
位置に固定される基台107を備え、その基台107の
下部には、制御装置108を備え、更に、クリーニング
機構部114を備えている。
【0041】インクジェットヘッド群101は、アルカ
リ性液体をノズル(吐出口)から吐出して所定間隔で基
板に付与する複数のインクジェットヘッドを備えてい
る。そして、これら複数のインクジェットヘッド各々か
ら、制御装置108から供給される吐出電圧に応じて個
別にアルカリ性液体を吐出できるようになっている。イ
ンクジェットヘッド群101はX方向ガイド軸2に固定
され、X方向ガイド軸102には、X方向駆動モータ1
03が接続されている。X方向駆動モータ103は、ス
テッピングモータ等であり、制御装置108からX軸方
向の駆動パルス信号が供給されると、X方向ガイド軸1
02を回転させるようになっている。そして、X方向ガ
イド軸102が回転させられると、インクジェットヘッ
ド群101が基台107に対してX軸方向に移動するよ
うになっている。
【0042】載置台104は、このパターン化単分子層
形成装置100によってアルカリ性液体を付与される基
板Wを載置させるもので、この基板Wを基準位置に固定
する機構を備えている。この載置台104はY方向ガイ
ド軸105に固定され、Y方向ガイド軸105には、Y
方向駆動モータ106が接続されている。Y方向駆動モ
ータ106は、ステッピングモータ等であり、制御装置
108からY軸方向の駆動パルス信号が供給されると、
Y方向ガイド軸105を回転させるようになっている。
そして、Y方向ガイド軸105が回転させられると、載
置台104が基台107に対してY軸方向に移動するよ
うになっている。
【0043】クリーニング機構部114は、インクジェ
ットヘッド群101をクリーニングする機構を備えてい
る。クリーニング機構部114は、Y方向の駆動モータ
113によってY方向ガイド軸105に沿って移動する
ようになっている。クリーニング機構部114の移動
も、制御装置108によって制御されている。
【0044】前記パターン化単分子層形成装置100に
おいて、所定のパターン化単分子層形成領域にアルカリ
性液体を吐出するためには、制御装置108から所定の
駆動パルス信号をX方向駆動モータ103及び/又はY
方向駆動モータ106とに供給し、インクジェットヘッ
ド群101及び/又は載置台104を移動させることに
より、インクジェットヘッド群101と基板W(載置台
104)とを相対移動させる。そして、この相対移動の
間にインクジェットヘッド群101における所定のイン
クジェットヘッドに制御装置108から吐出電圧を供給
し、当該インクジェットヘッドからアルカリ性液体を吐
出させる。
【0045】前記パターン化単分子層形成装置100に
おいて、インクジェットヘッド群101の各ヘッドから
の液滴の吐出量は、制御装置108から供給される吐出
電圧の大きさによって調整できる。また、基板Wに吐出
される液滴のピッチは、インクジェットヘッド群101
と基板W(載置台104)との相対移動速度及びインク
ジェットヘッド群101からの吐出周波数(吐出電圧供
給の周波数)によって決定される。
【0046】〔実施形態2〕第2実施形態として、本実
施形態のパターン化単分子層を有する基板をエッチング
レジストとしてウェットエッチングに利用する例を説明
する。二酸化ケイ素の薄膜を有するシリコン基板に実施
形態1の方法でFASの単分子層を形成する。この単分
子層上にアルカリ性液体をインクジェット法により吐出
してパターン描画する。このパターン描画した部分にて
前記単分子層を前記アルカリ性液体の作用により前記の
基板表面に結合したFASを加水分解除去する。基板上
に残ったFASの部分をエッチングレジストとし、エッ
チング液としてフッ酸を用いて、シリコン基板上の二酸
化ケイ素薄膜のエッチングを行う。これにより二酸化ケ
イ素薄膜を完全に除去できる。
【0047】この方法で形成されたパターン化シリコン
を用いて、例えば、薄膜トランジスタにおけるコンタク
トホールを有する電子部品、例えば薄膜トランジスタア
レイを作ることができ、そのような電子部品を用いて各
種電子機器、例えば液晶ディスプレイ、パーソナルコン
ピューター、携帯電話等を作ることができる。
【0048】〔実施形態3〕第3実施形態として、本実
施形態のパターン化単分子層を有する基板に、導電性微
粒子を含有する液体を選択的に塗布し、この親液部に塗
布された前記液体を熱処理によって導電膜に変換する、
導電性パターン形成方法について詳細に説明する。
【0049】導電性微粒子を含有する液体としては、導
電性微粒子を分散媒に分散させた分散液を用いる。ここ
で用いられる導電性微粒子は、金、銀、銅、パラジウ
ム、ニッケルの何れかを含有する金属微粒子の他、導電
性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。これ
らの導電性微粒子は、分散性を向上させるために表面に
有機物などをコーティングして使うこともできる。導電
性微粒子の表面にコーティングするコーティング材とし
ては、例えば、これらの微粒子の分散媒の分子そのもの
や、クエン酸などの有機分子、その他一般的な界面活性
剤などが挙げられる。導電性微粒子の粒径は5nm以上
0.1μm以下であることが好ましい。0.1μmより
大きいと、溶剤への分散性が低下すると共に、インクジ
ェット法を用いる場合に液滴の吐出が困難になるからで
ある。また、5nmより小さいと、分散媒中で容易に分
散が壊れてしまうからである。
【0050】導電性微粒子を含有する液体の分散媒とし
ては、室温での蒸気圧が0.001mmHg以上200
mmHg以下(約0.133Pa以上約26.6kPa
以下)であるものが好ましい。蒸気圧が200mmHg
(約26.6kPa)より高い場合には、塗布後に分散
媒が急激に蒸発してしまい、良好な膜を形成することが
困難となるためである。一方、室温での蒸気圧が0.0
01mmHg(約0.133Pa)より低い分散媒の場
合、乾燥が遅くなり塗布膜中に分散媒が残留しやすくな
り、後工程の熱及び/又は光処理後に良質の導電膜が得
られがたい。また、上記液体の塗布を後述のインクジェ
ット装置によって行う場合には、分散媒の蒸気圧は0.
001mmHg以上50mmHg以下(約0.133P
a以上約6.65kPa以下)であることがより好まし
い。蒸気圧が50mmHgより高い場合には、インクジ
ェット法で液滴を吐出する際に乾燥によるノズル詰まり
が起こり易く、安定な吐出が困難となるためである。一
方、室温での蒸気圧が0.001mmHg(約0.13
3Pa)より低い分散媒の場合、吐出した液体の乾燥が
遅くなり膜中に分散媒が残留しやすくなり、後工程の熱
処理後に良質の導電膜が得られにくい。
【0051】使用する分散媒としては、上記の導電性微
粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれ
ば特に限定されないが、水の他に、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、
n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、トルエン、キシ
レン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テト
ラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘ
キシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
メチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビ
ス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンな
どのエーテル系化合物、更にプロピレンカーボネート、
γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘ
キサノンなどの極性化合物を挙げることができる。これ
らのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、またイン
クジェット法への適用のし易さの点で、水、アルコール
類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、
更に好ましい分散媒としては水、炭化水素系化合物を挙
げることができる。これらの分散媒は、単独でも、ある
いは2種以上の混合物としても使用できる。
【0052】上記導電性微粒子を分散媒に分散する場合
の分散質濃度は1質量%以上80質量%以下であり、所
望の導電膜の膜厚に応じて調整することができる。80
質量%を超えると凝集をおこしやすくなり、均一な膜が
得にくい。1質量%未満では1液滴中の導電性微粒子の
量が少なすぎて基板上に導電性微粒子パターンを形成す
るために所望の厚さのパターンを得るために導電性微粒
子含有液の塗布回数を多くしなければならず、不経済で
ある。
【0053】上記導電性微粒子の分散液の表面張力は
0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲に入るこ
とが好ましい。インクジェット法にて液体を吐出する
際、表面張力が0.02N/m未満であると、インク組
成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲り
が生じ易くなり、0.07N/mを超えるとノズル先端
でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量、吐出タ
イミングの制御が困難になるためである。
【0054】表面張力を調整するため、上記分散液に
は、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張
力調節剤を微量添加することができる。ノニオン系表面
張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を良好化し、膜の
レベリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌
の発生などの防止に役立つものである。
【0055】上記分散液の粘度は1mPa・s以上50
mPa・s以下であることが好ましい。粘度が1mPa
・sより小さい場合には塗膜が薄くなりやすく、所望の
導電性膜厚を得るために塗布乾燥の繰り返し回数が多く
なって好ましくない。インクジェット法の場合には液滴
を吐出する際、ノズル周辺部がインクの流出により汚染
されやすい。また粘度が50mPa・sより大きい場合
は、インクジェット法以外の方法のときは、塗布後基板
の親液部のみへの液の集まり性が悪くなり、インクジェ
ット法の場合はノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円
滑な液滴の吐出が困難となるためである。
【0056】次に、単分子層12がパターニングされた
基板の親液部11aのみに微粒子分散液を選択的に塗布
する。塗布の方法としては、スピンコート法、ロールコ
ート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレ
ー法、インクジェット法などの方法を用いることができ
る。スピンコート法を用いる場合のスピナーの回転数は
必要な導電膜の膜厚、微粒子分散液の固形分濃度や粘度
などにより決まるが一般に100rpm〜5000rp
m、好ましくは300rmp〜3000rpmが用いら
れる。
【0057】また、本実施形態の微粒子分散液の塗布方
法として、インクジェット法を用いることは特に好まし
い。親液部11aのみをねらって、必要量だけ塗布でき
るためである。これにより、スピンコート法などの場合
とちがって、吐出量を制御することにより膜厚制御が容
易となり、基板上の異なった場所には異なった膜厚や異
なった材料の微粒子からなる膜を形成することが可能と
なる。また、必要な場所のみに塗布するため、材料の使
用量が少なくてすむという利点もある。また、基板上の
親液部、撥液部のパターンはフォトリソグラフィーで形
成されたバンクと同じような作用を及ぼし、親液部にイ
ンクジェット法により吐出された液滴は親液部から、は
み出ることはなく、精密に位置が制御されることにな
る。
【0058】本実施形態で使用するインクジェット方式
の液滴吐出装置は任意の液滴を一定量吐出できるもので
あれば如何なる機構のものでもよく、特に数十ng程度
の液滴を形成、吐出できる圧電素子を用いたインクジェ
ット方式、ヒーターの熱エネルギーを利用して気泡を発
生させるバブルジェット(登録商標)方式などいずれの
方式のものでもかまわない。さらに必要に応じて上記の
スピンコート、ディップコート、スプレーコート、ロー
ルコート、カーテンコート等の一般的な塗布方式を組み
合わせることもできる。
【0059】微粒子分散液が選択的に塗布された基板
は、溶媒を除去し、微粒子間の電気的接触をよくするた
めに、熱処理に供される。熱処理は通常大気中で行われ
るが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの
不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。上記の熱処理
の処理温度は溶媒の沸点(蒸気圧)、圧力及び微粒子の
熱的挙動により適宜定めれば良く、特に限定されるもの
ではないが室温以上300℃以下で行うことが望まし
い。特に、プラスチックなどの広範囲な基板を使用でき
るという点では、室温から100℃以下で行うことが特
に望ましい。
【0060】また熱処理は通常のホットプレート、電気
炉などでの処理の他、ランプアニールによって行うこと
もできる。ランプアニールに使用する光の光源として
は、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンラン
プ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレー
ザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrC
l、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光
源として使用することができる。これらの光源は一般に
は、10〜5000Wの出力のものが用いられるが、通
常100〜1000Wで十分である。このようにして導
電性パターンを有する単分子層を備えた基板が得られ
る。
【0061】〔実施形態4〕第4実施形態として、本実
施形態のパターン化単分子層を有する基板の露出された
親液部に、ケイ素化合物を含有する液体を選択的に塗布
し、この親液部に塗布された前記液体を熱処理及び/又
は光処理によってシリコン膜に変換する、シリコン膜パ
ターン形成方法について詳細に説明する。
【0062】ここで用いられるケイ素化合物は、一般式
SinXm(ここで、Xは水素原子及び/又はハロゲン原
子を表し、nは3以上の整数を表し、mはn又は2n−
2又は2n又は2n+2の整数を表す)で表されること
を特徴とする。ここでnは3以上であるが、熱力学的安
定性、溶解性、精製の容易性などの点で、5〜20程
度、特に5あるいは6の環状シラン化合物が好ましい。
nが5より小さい場合には、シラン化合物自体が不安定
になるため取り扱いに難点が生じる。またnが20より
大きい場合にはシラン化合物の凝集力に起因する溶解性
の低下が認められ使用する溶媒の選択が狭まる。
【0063】また、本実施形態に使用するシラン化合物
の一般式SinXm中のXは水素原子及び/又はハロゲン
原子である。これらのシラン化合物はシリコン膜への前
駆体化合物であるため、熱処理及び/又は光処理で最終
的にはアモルファスシリコン或いは多結晶状シリコンに
する必要があり、ケイ素−水素結合、ケイ素−ハロゲン
結合は上記の処理で開裂し、新たにケイ素−ケイ素結合
が生じ最終的にシリコンへと変化するものである。ハロ
ゲン原子としては、通常フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、沃素原子であり、上記結合開裂の点で塩素、臭素が
好ましい。Xは水素原子単独又はハロゲン原子単独でも
よいし、水素原子とハロゲン原子の総和がmとなるよう
な部分ハロゲン化シラン化合物でもよい。
【0064】本実施形態の一般式SinXmで表されるシ
ラン化合物の具体例として、m=2n+2である具体例
としては、トリシラン、テトラシラン、ペンタシラン、
ヘキサシラン、ヘプタシランなどの水素化シランが、ま
たこれらの水素原子の一部又はすべてをハロゲン原子に
置換したものがある。m=2nである具体例としては、
シクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタ
シラン、シリルシクロペンタシラン、シクロヘキサシラ
ン、シリルシクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン、
などの一個の環系を有する水素化シラン化合物及びこれ
らの水素原子の一部又はすべてをハロゲン原子に置換し
たヘキサクロルシクロトリシラン、トリクロルシクロト
リシラン、オクタクロルシクロテトラシラン、テトラク
ロルシクロテトラシラン、デカクロルシクロペンタシラ
ン、ペンタクロルシクロペンタシラン、ドデカクロルシ
クロヘキサシラン、ヘキサクロルシクロヘキサシラン、
テトラデカクロルシクロヘプタシラン、ヘプタクロルシ
クロヘプタシラン、ヘキサブロモシクロトリシラン、ト
リブロモシクロトリシラン、ペンタブロモシクロトリシ
ラン、テトラブロモシクロトリシラン、オクタブロモシ
クロテトラシラン、テトラブロモシクロテトラシラン、
デカブロモシクロペンタシラン、ペンタブロモシクロペ
ンタシラン、ドデカブロモシクロヘキサシラン、ヘキサ
ブロモシクロヘキサシラン、テトラデカブロモシクロヘ
プタシラン、ヘプタブロモシクロヘプタシランなどのハ
ロゲン化環状シラン化合物がある。m=2n−2である
具体例としては、1、1’−ビスシクロブタシラン、
1,1’−ビスシクロペンタシラン、1,1’−ビスシ
クロヘキサシラン、1,1’−ビスシクロヘプタシラ
ン、1,1’−シクロブタシリルシクロペンタシラン、
1,1’−シクロブタシリルシクロヘキサシラン、1,
1’−シクロブタシリルシクロヘプタシラン、1,1’
−シクロペンタシリルシクロヘキサシラン、1,1’−
シクロペンタシリルシクロヘプタシラン、1,1’−シ
クロヘキサシリルシクロヘプタシラン、スピロ[2.
2]ペンタシラン、スピロ[3.3]ヘプタタシラン、
スピロ[4.4]ノナシラン、スピロ[4.5]デカシ
ラン、スピロ[4.6]ウンデカシラン、スピロ[5.
5]ウンデカシラン、スピロ[5.6]ドデカシラン、
スピロ[6.6]トリデカシランなどの2個の環系を有
する水素化シラン化合物及びこれらの水素原子の一部又
はすべてをSiH3基やハロゲン原子に置換したシラン
化合物がある。m=nである具体例としては下記式の化
合物1〜化合物5で表される多環系を有する水素化シラ
ン化合物及びこれらの水素原子の一部又はすべてを部分
的にSiH3基やハロゲン原子に置換したシラン化合物
を挙げることができ、これらは2種以上を混合して使用
することもできる。これらの内、溶媒への溶解性の点で
1,1’−ビスシクロペンタシラン、1,1’−ビスシ
クロヘキサシラン、スピロ[4.4]ノナシラン、スピ
ロ[4.5]デカシラン、スピロ[5.5]ウンデカシ
ラン、スピロ[5.6]ドデカシラン及びこれらの骨格
にSiH3基を有するケイ素化合物が特に好ましい。
【0065】
【化1】
【0066】さらに、これらのシラン化合物は必要に応
じてホウ素やリンなどの第3族あるいは第5族の元素で
変性した化合物を使用することもできる。変性シラン化
合物の具体例としては、炭素原子を含まないものが好ま
しく、一般式SiaXbYc(ここで、Xは水素原子及び
/又はハロゲン原子を表し、Yはホウ素原子又はリン原
子を表し、aは3以上の整数を表し、bはa以上で2a
+c+2以下の整数を表し、cは1以上でa以下の整数
を表す)で表される変性シラン化合物が挙げられる。こ
こで、熱力学的安定性、溶解性、精製の容易性などの点
でaとcの和が5〜20程度、特に5あるいは6の変性
シラン化合物が好ましい。a+cが5より小さい場合に
は変性シラン化合物自体が環による歪みにより不安定に
なるため取り扱いに難点が生じる。またa+cが20よ
り大きい場合には変性シラン化合物の凝集力に起因する
溶解性の低下が認められ使用する溶媒の選択が狭まる。
また、上記変性シラン化合物の一般式SiaXbYc中の
Xは、上記のSinXmで表される無変性のシラン化合物
の一般式中におけるXと同様に水素原子及び/又はハロ
ゲン原子であり、通常フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、沃素原子であり、上記結合開裂の点で塩素、臭素が
好ましい。Xは水素原子単独又はハロゲン原子単独でも
よいし、水素原子とハロゲン原子の総和がbとなるよう
な部分ハロゲン化シラン化合物でもよい。
【0067】本実施形態の変性シラン化合物は、変性シ
ラン化合物のみで使用してもよいし、変性されていない
前記シラン化合物と混合して使用することができる。変
性シラン化合物と変性されていないシラン化合物との混
合割合はホウ素あるいはリンの変性元素の含有率により
異なるが、ケイ素原子に対して変性元素が1ppb〜2
5%程度である。本実施形態では上記のシラン化合物又
は上記のシラン化合物と上記の変性シラン化合物の混合
物を溶媒に溶解した液体を、基板上の親液部にのみ選択
的に塗布する。ここで使用する溶媒は室温での蒸気圧が
0.001〜200mmHgであるものが好ましい。蒸
気圧が200mmHgより高い場合には、塗布膜を形成
する時に溶媒が早期に蒸発してしまい良好な塗布膜を形
成することが困難となるためである。一方、室温での蒸
気圧が0.001mmHgより低い溶媒の場合、乾燥が
遅くなり塗布膜中に溶媒が残留しやすくなり、後工程の
熱及び/又は光処理後に良質のシリコン膜が得られ難
い。また、上記溶液の塗布を後述のインクジェット装置
によって行う場合には、溶媒の蒸気圧は0.001〜5
0mmHgであることが望ましい。蒸気圧が50mmH
gより高い場合には、インクジェット装置で液滴を吐出
する際に乾燥によるノズル詰まりが起こりやすく、安定
な吐出が困難となるためである。一方、蒸気圧が0.0
01mmHgより低い場合には吐出したインクの乾燥が
遅くなりシラン化合物に溶媒が残留し易くなり、後工程
の熱及び/又は光処理後にも良質のシリコン膜が得られ
難い。
【0068】本実施形態で使用する溶媒としては、上記
シラン化合物を溶解し溶媒と反応しないものであれば特
に限定されないが、n−ヘプタン、n−オクタン、デカ
ン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデ
ン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロ
ナフタレン、シクロへキシルベンゼンなどの炭化水素系
溶媒の他、エチレングリコールジメチルエーテル、エチ
レングリコールジエチルエーテル、エチレングリコール
メチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジ
エチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジ
メトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテ
ル、p−ジオキサンなどのエーテル系溶、さらにプロピ
レンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−
2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、シクロヘキサノンなどの極性溶媒を挙げるこ
とができる。これらの内、ケイ素化合物の溶解性と該溶
液の安定性の点で炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒が好
ましく、さらに好ましい溶媒としては炭化水素系溶媒を
挙げることができる。これらの溶媒は、単独でも、或い
は2種以上の混合物としても使用できる。
【0069】上記シラン化合物を溶媒に溶解する場合の
濃度は1〜80質量%程度であり、所望のシリコン膜厚
に応じて調整することができる。80質量%を超えると
析出しやすく均一な塗布膜が得られない。
【0070】本実施形態で用いられる、上記シラン化合
物の溶液は、目的の機能を損なわない範囲で必要に応じ
てフッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力
調節材を微量添加することができる。このノニオン系表
面張力調節材は、溶液の塗布対象物への濡れ性を良好化
し、塗布した膜のレベルリング性を改良し、塗膜のぶつ
ぶつの発生、ゆず肌の発生などを防止に役立つものであ
る。
【0071】かくして調製したシラン化合物の溶液の粘
度は1〜50mPa・sであることが好ましい。後述の
インクジェット装置にて溶液を塗布する場合、粘度が1
mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部がインクの
流出により汚染され易く、また粘度が50mPa・sよ
り大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり
円滑な液滴の吐出が困難となるためである。
【0072】さらに、かくして調製したシラン化合物の
溶液の表面張力は0.02〜0.07N/mの範囲に入
ることが望ましい。後述のインクジェット装置にて溶液
を塗布する場合、表面張力が0.02N/m未満である
と、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大する
ため飛行曲がりが生じ易くなり、0.07N/mを超え
るとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため
インク組成物の吐出量、吐出タイミングの制御が困難に
なるためである。
【0073】次に、上記のように有機分子膜がパターニ
ングされた基板の親液部11aのみにケイ素化合物の溶
液14を選択的に塗布する(図4)。塗布の方法として
は、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート
法、ディップコート法、スプレー法、インクジェット法
などの方法を用いることができる。塗布は一般には室温
(約20℃)以上の温度で行われる。室温未満の温度で
はケイ素化合物の溶解性が低下し一部析出する場合があ
る。また塗布する場合の雰囲気は、窒素、ヘリウム、ア
ルゴンなどの不活性ガス中で行うことが好ましい。さら
に必要に応じて水素などの還元性ガスを混入したものが
好ましい。スピンコート法を用いる場合のスピナーの回
転数は形成する薄膜の膜厚、塗布溶液の組成により決ま
るが一般に100rpm〜5000rpm、好ましくは
300rmp〜3000rpmが用いられる。
【0074】また、本実施形態のケイ素化合物溶液の塗
布方法として、インクジェット法を用いることは特に好
ましい。親液部11aのみをねらって、必要量だけ液滴
13を吐出して塗布できるためである。これにより、ス
ピンコート法などの場合とちがって、膜厚のコントロー
ルが容易となり、基板上の異なった場所には異なった膜
厚のシリコン膜を形成することが可能となる。また、必
要な場所のみに塗布するため、材料の使用量が少なくて
すむというメリットもある。
【0075】本実施形態で使用するインクジェット方式
の液滴吐出装置は任意の液滴を一定量吐出できるもので
あれば如何なる機構のものでもよく、特に数十ng程度
の液滴を形成、吐出できる圧電素子を用いたインクジェ
ット方式、ヒーターの熱エネルギーを利用して気泡を発
生させるバブルジェット方式など、いづれの方式のもの
でも構わない。さらに必要に応じて上記のスピンコー
ト、ディップコート、スプレーコート、ロールコート、
カーテンコート等の一般的な塗布方式を組み合わせるこ
ともできる。上記インクジェット方式で上記ケイ素化合
物の溶液を塗布するときの雰囲気は通常アルゴン、ヘリ
ウム、窒素などの不活性ガス中であり、温度は溶液の特
性により室温から100℃程度まで適宜選ぶことができ
る。
【0076】塗布後、必要に応じて乾燥させて塗布膜1
5を得る(図5)。
【0077】本実施形態のケイ素化合物の塗布膜を形成
された基板は、熱処理及び/又は光処理に供される。こ
れらの処理を行う場合の雰囲気としては、窒素、アルゴ
ン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うが、必要
に応じて水素などの還元性ガスをこれらに少量混合して
使用することもできる。熱処理は、溶液を塗布後、溶媒
の除去と金属シリコン膜への変換を目的に行うものであ
る。溶媒を除去する場合の熱処理温度は溶媒の沸点(蒸
気圧)、圧力及びケイ素化合物の熱的挙動により適宜定
めれば良く、特に限定されるものではないが300℃以
下で行うことが望ましい。金属シリコン膜への変換は通
常アルゴン雰囲気中あるいは水素を含有したアルゴン中
で100〜800℃程度で、好ましくは200〜600
℃程度で、さらに好ましくは300℃〜500℃程度で
処理され、一般に到達温度が約550℃未満の温度では
アモルファス状、550℃以上の温度では多結晶状のシ
リコン膜が得られる。到達温度が100℃未満の場合
は、ケイ素化合物の熱分解が十分に進行せず、十分な厚
さのシリコン膜を形成できない場合がある。多結晶状の
シリコン膜を得たい場合は、上記で得られたアモルファ
ス状シリコン膜のレーザーアニールによって多結晶シリ
コン膜に変換することができる。上記レーザーアニール
を行う場合の雰囲気も、ヘリウム、アルゴンなどの不活
性ガス、もしくはそれらに水素などの還元性ガスを混入
したものが好ましい。
【0078】本実施形態のケイ素化合物の塗布膜15
は、塗布膜中の溶媒を除去する前及び/又は溶媒を除去
した後に、不活性ガス雰囲気中で光処理に供される場合
もある。溶媒可溶性のケイ素化合物は本光処理による開
環反応により溶媒不溶性の強靱な塗膜になるだけでな
く、光処理の後に及び/又は同時に行われる熱処理によ
って光学的電気的特性に優れたシリコン膜(16)(図
6)に変換される。
【0079】本実施形態で使用する光の光源としては、
低圧あるいは高圧の水銀ランプ、重水素ランプあるいは
アルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスの放電光の
他、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレー
ザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrC
l、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光
源として使用することができる。これらの光源は一般に
は、10〜5000Wの出力のものが用いられるが、通
常100〜1000Wで十分である。これらの光源の波
長はケイ素化合物及び光開環したケイ素化合物塗膜が多
少でも吸収するものであれば特に限定されないが通常1
70nm〜600nmであり、レーザー光の使用が特に
好ましい。これらの光処理時の温度は通常室温〜500
℃であり、得られるシリコン膜の半導体特性に応じて適
宜選ぶことができる。
【0080】〔実施形態5〕第5実施形態として、本実
施形態のパターン化単分子層を有する基板の露出された
親液部に、無電解メッキ液を選択的に吐出し、これを乾
燥して金属膜のパターン形成方法、または上記基板の親
液部に無電解メッキのためのアクティベーターを含む液
体を選択的に吐出し、その後基板全体を無電解メッキ液
に浸漬して、アクティベーターの付与された親液部のみ
に金属膜のパターンを形成する方法、について詳細に説
明する。
【0081】無電解メッキ液としては、ニッケル塩化
物、次亜リン酸及び水を含むニッケル無電解メッキ液、
及び水を含む金無電解メッキ液等のメッキ溶液がある。
特にFAS等の自己組織化膜のパターンと組み合せると
きは、例えば、アクティベーターとして、4wt%塩酸1
00mLに塩化パラジウム20mgを溶解し、更に水酸化ナ
トリウムを加えてpHが5となるように調整した液体を
用い、無電解メッキ液として、水1リットルに塩化ニッ
ケル25g及び次亜リン酸ナトリウム25gを溶解し、
更にpH調整剤を加えてpH5程度にした溶液を用いる
ことが好ましい。
【0082】無電解メッキ液等のメッキ液滴を2種以上
用い、単分子層パターンにおいて異なる領域(異なる親
インク部)に2種以上の異なる金属薄膜を成形してもよ
い。金属薄膜の厚さは、無電解メッキ液滴の吐出ドット
数を制御して、所定の厚さに制御できる。金属薄膜の厚
さは、メッキ液滴の吐出を所定回数繰り返すことにより
制御できる。単分子層パターンの同一の領域(親インク
部)に2種以上の無電解メッキ液滴を吐出して異なる金
属薄膜を重ね合わせることも可能である。無電解メッキ
液滴に用いる金属の析出条件に応じて、インク吐出条件
を制御すればよい。本発明によって得られた機能性薄膜
は、均一な厚さを持っており、厚さの変化を±5%以内
に抑えることが出来る。
【0083】無電解メッキにより機能性を持った薄膜を
得る場合、親インク領域にインクジェット法により液滴
を吐出する前に、新インク部をアクティベーション処理
しておくことが、親インク部に良好に選択的に無電解メ
ッキする上で必要である。即ち、図8に示すように、ア
クティベーション処理により活性種層(部分)22を基
板上に形成し、次いで、図9に示すように、インク吐出
用のヘッド30から親インク部21aに選択的に無電解
メッキ液滴40を吐出・塗布して金属皮膜を形成する。
アクティベーション処理は、公知のアクティベーター
(パラジウム塩化物、塩化水素等を含有する混合液に、
例えば室温で、pHが5.8になるように水酸化ナトリ
ウム水溶液を加えて調節したもの等)に、1〜5分間基
板を浸漬することである。これにより、親インク部に相
当する基板表面に活性種(上記のアクティベーターを用
いた場合には、パラジウム)が付着し活性種からなる層
が形成される。金属薄膜の厚さは無電解メッキ液滴の吐
出ドット数を制御して、所定の厚さに制御することが出
来る。この場合には、所望の金属被膜の厚さに応じて、
ロット毎に吐出ドット数を変更したり、1つの基板中
で、吐出ドット数を位置に応じて変更して、金属薄膜の
厚みを適宜変更することができる。また、金属薄膜の厚
さは、無電解メッキ液滴の吐出ドット数を吐出を所定回
数繰り返すことにより、稼ぐことが出来る。また、上述
のアクティベーターをインクジェット法にて上記基板の
親液部のみに吐出することもできる。この場合には上記
のアクティベーターをインクジェットにて吐出した後
に、室温で1〜5分間放置して、その後基板を水洗す
る。このようにすることによって基板の親液部のみに活
性種が付着する。その後、基板全体を上述のメッキ液に
浸漬することによって、活性種の存在する部分のみに金
属膜がメッキにより選択的に形成される。この場合の膜
厚はメッキ液への浸漬時間によって決定される。
【0084】最終的に得られるメッキ膜の厚さは最終用
途如何によって任意に設定することが出来るが、0.0
2〜2μmとするのが好ましい。尚、無電解メッキ液滴
に用いる金属の析出条件に応じて、吐出条件は制御され
る。
【0085】具体的には、金属としてニッケルを用いる
場合には、吐出時の基板温度を、30〜60℃とし、湿
度を70%以上に保持するのが好ましく、吐出ドット数
を5回程度とし吐出回数を1回程度とし、1ドット当た
りの吐出量を、30pL程度とすることが好ましい。ま
た、無電解メッキ液滴を2種以上用い、2種以上の金属
薄膜からなるパターンを形成することもできる。例え
ば、ある領域は、ニッケル薄膜パターンを形成し、これ
以外の領域については金薄膜パターンを形成することが
できる。このようにして種々の配線を形成することもで
きる。
【0086】〔第6実施形態〕第6実施形態として、本
発明の電気光学装置の一例である液晶装置について説明
する。図11は、本実施形態に係る液晶装置の第1基板
300上の信号電極310等の平面レイアウトを示すも
のである。本実施形態に係る液晶装置は、この第1基板
300と、図12に示す走査電極370等が設けられた
第2基板360と、第1基板と第2基板との間に封入さ
れた液晶361とから図10に概略断面を示す液晶装置
のように概略構成されている。図10において示す液晶
表示装置200においては、下側基板(第1基板)30
0と上側基板(第2基板)360とがそれぞれの基板の
周縁部においてシール材362を介して所定間隔で貼着
され、下側基板300、上側基板360間に液晶層36
1が挟持されている。下側基板300の液晶層361側
表面には、図11に示す信号電極310と、配向膜36
3とが順次積層形成され、上側基板360の液晶層36
1側表面にも同様に、ストライプ状に形成された複数の
透明電極370と配向膜364とが順次積層形成され、
各透明電極370と信号電極310とは互いに交差する
ように形成されている。
【0087】図11に示すように、第1基板300上の
画素表示領域303には、複数の信号電極310が設け
られており、この信号電極310は、第1信号電極31
1…と第2信号電極312…とから多重マトリクスを構
成するように設けられている。特に各第1及び第2信号
電極311…、312…は、各画素に対応して縦横に整
列形成された複数の画素電極部311a…、312a…
と、これらを多重マトリクス状に接続する信号配線部3
11b…、312b…とからそれぞれ構成されており、
Y方向に伸延している。また、符号350は1チップ構
造の液晶駆動回路で、この液晶駆動回路350と信号配
線部分311b…、312b…の一端側(図中下側)と
が第1引き回し配線331を介して接続されている。ま
た、符号340…は画素表示領域303の側部側に一列
に整列形成された上下導通端子で、これらの上下導通端
子340…と、図8に示す第2基板360上に設けられ
た端子342とが上下導通材341…によって接続され
ている。また、上下導通端子340と液晶駆動回路35
0とが第2引き回し配線332…を介して接続されてい
る。
【0088】本実施形態では、上記第1基板300上に
設けられた第1引き回し配線331、第2引き回し配線
332及び信号配線部311b,312bが、各々第3
実施形態又は第5実施形態に係る配線形成方法によって
形成されている。
【0089】第1信号電極311、及び第2信号電極3
12は図に示すようにY方向の1つの列内で2つの異な
る信号を与えられるように多重マトリクス状に配置され
ていると良い。これにより、1つの操作電極370(図
12)からの操作信号に対して2画素分の作動をさせる
ことができるという利益が得られる。
【0090】〔第7実施形態〕第7実施形態として、本
発明の電気光学装置の一例であるプラズマ型表示装置に
ついて説明する。図13は本実施形態のプラズマ型表示
装置500の分解斜視図を示す。この実施形態のプラズ
マ型表示装置500は、互いに対向して配置されたガラ
ス基板501とガラス基板502と、これらの間に形成
された放電表示部510とから概略構成される。放電表
示部510は、複数の放電室516が集合されてなり、
複数の放電室516のうち、赤色放電室516(R)、
緑色放電室516(G)、青色放電室516(B)の3
つの放電室516が対になって1画素を構成するように
配置されている。前記(ガラス)基板501の上面には
所定の間隔でストライプ状にアドレス電極511が形成
され、それらアドレス電極511と基板501の上面と
を覆うように誘電体層519が形成され、更に誘電体層
519上においてアドレス電極511、511間に位置
して各アドレス電極511に沿うように隔壁515が形
成されている。なお、隔壁515においてはその長手方
向の所定位置においてアドレス電極511と直交する方
向にも所定の間隔で仕切られており(図示略)、基本的
にはアドレス電極511の幅方向左右両側に隣接する隔
壁と、アドレス電極511と直交する方向に延設された
隔壁により仕切られる長方形状の領域が形成され、これ
ら長方形状の領域に対応するように放電室516が形成
され、これら長方形状の領域が3つ対になって1画素が
構成される。また、隔壁515で区画される長方形状の
領域の内側には蛍光体517が配置されている。蛍光体
517は、赤、緑、青の何れかの蛍光を発光するもの
で、赤色放電室516(R)の底部には赤色蛍光体51
7(R)が、緑色放電室516(G)の底部には緑色蛍
光体517(G)が、青色放電室516(B)の底部に
は青色蛍光体517(B)が各々配置されている。
【0091】次に、前記ガラス基板502側には、先の
アドレス電極511と直交する方向に複数の表示電極5
12がストライプ状に所定の間隔で形成され、これらを
覆って誘電体層513が形成され、更にMgOなどから
なる保護膜514が形成されている。そして、前記ガラ
ス基板501とガラス基板502が、前記アドレス電極
511と表示電極512を互いに直交させるように対向
させて相互に貼り合わされ、基板501と隔壁515と
ガラス基板502側に形成されている保護膜514とで
囲まれる空間部分を排気して希ガスを封入することで放
電室516が形成されている。なお、ガラス基板502
側に形成される表示電極512は各放電室516に対し
て2本ずつ配置されるように形成されている。上記アド
レス電極511と表示電極512は図示略の交流電源に
接続され、各電極に通電することで必要な位置の放電表
示部510において蛍光体517を励起発光させて、カ
ラー表示ができるようになっている。
【0092】本実施形態では、上記アドレス電極511
と表示電極512が、各々第3又は5実施形態に係る配
線形成方法によって形成されている。本実施形態の液晶
装置によれば、上記各電極の断線や短絡等の不良が生じ
にくく、しかも、小型化、薄型化が可能なプラズマ型表
示装置とすることができる。
【0093】〔第8実施形態〕第8実施形態として、本
発明の電子機器の具体例について説明する。図14
(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図1
4(a)において、600は携帯電話本体を示し、60
1は第6実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示し
ている。図14(b)は、ワープロ、パソコンなどの携
帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図14
(b)において、700は情報処理装置、701はキー
ボードなどの入力部、703は情報処理本体、702は
第6実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示してい
る。図14(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した
斜視図である。図14(c)において、800は時計本
体を示し、801は第6実施形態の液晶装置を備えた液
晶表示部を示している。図14(a)〜(c)に示す電
子機器は、上記実施形態の液晶装置を備えたものである
ので、配線類の断線や短絡等の不良が生じにくく、しか
も、小型化、薄型化が可能となる。なお、本実施形態の
電子機器は液晶装置を備えるものとしたが、有機エレク
トロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置等、
他の電気光学装置を備えた電子機器とすることもでき
る。
【0094】〔第9実施形態〕第9実施形態として、本
発明の非接触型カード媒体の実施形態について説明す
る。図15に示すように、本実施形態に係る非接触型カ
ード媒体400は、カード基体402とカードカバー4
18から成る筐体内に、半導体集積回路チップ408と
アンテナ回路412を内蔵し、図示されない外部の送受
信機と電磁波又は静電容量結合の少なくとも一方により
電力供給あるいはデータ授受の少なくとも一方を行うよ
うになっている。
【0095】本実施形態では、上記アンテナ回路412
が、第3又は5実施形態に係る配線形成方法によって形
成されている。本実施形態の非接触型カード媒体によれ
ば、上記アンテナ回路412の断線や短絡等の不良が生
じにくく、しかも、小型化、薄型化が可能な非接触型カ
ード媒体とすることができる。
【0096】
【実施例】(実施例1)ガラス基板表面に、波長172
nmの紫外線を10mW/cm2の強度で30分間照射して
表面を洗浄した後、このガラス基板と、ヘプタデカフロ
オロ−1,1,2,2,−テトラヒドロデシルトリメト
キシシラン(以下「FAS−17」と記載する)0.1
mLとを容積3リットルの密閉容器に入れて、120℃に
加熱し、1時間保持した。その結果、ガラス基板の表面
に撥水性の単分子層が形成された。この基板と水との接
触角を測定したところ、110°であった。次に、1N
水酸化ナトリウム水溶液に表面張力調整剤としてポリオ
キシエチレンアルキルエーテルとグリセリンを添加して
粘度を調整した。この液体と上記の基板との接触角は6
0°であった。この液体をインクジェットヘッドから基
板上に、下記のようにして一定間隔で吐出して基板上に
ラインを形成した。即ち、インクジェットヘッドとし
て、市販のプリンター(商品名「MJ930C」)のヘ
ッドを使用した。上記液体をこのインクジェットヘッド
から駆動電圧20Vにて吐出すると、25ピコリットル
の体積の液滴が吐出された。その直径は36μmであっ
た。その液滴は、上記基板上(接触角60°)に着弾し
た後は、基板上で直径72μmに広がった。ラインを形
成するに当たり、隣接した液滴が重なるように、即ち、
65μm間隔(基板上に広がった液滴の直径の5%が重
なるように)で吐出した。その結果、上記の液体からな
る線幅72μm、長さ10mmのラインが形成された。こ
の状態で、室温にて10分間放置し、その後、純水で基
板上の液体を洗い流し洗浄を行った。その結果、基板に
は線幅72μm、長さ10mmのライン状の親水部(水と
の接触角はほぼ0°)が形成された。その他の部分はF
ASが残っているため、水との接触角は110°のまま
であった。
【0097】(実施例2)実施例1と同様の方法でFA
S−17単分子層をガラス基板上に形成した。得られた
基板に波長172nmの紫外線を10mW/cm2で30
秒照射した。この基板と水との接触角は70°まで低下
していた。実施例1で用いたのと同じ粘度と表面張力を
調整した水酸化ナトリウム水溶液(1N)とこの基板と
の接触角は30°であった。この液体を実施例1と同じ
インクジェットヘッドから吐出電圧20Vで25ピコリ
ットルの液滴(直径36μm)を吐出したところ、基板
上で120μmに広がった。この液体を実施例1と同様
に、基板上での液滴の直径の5%が重なるように吐出し
てラインを形成した。即ち、重なりが6μmとなるよう
に、114μmの間隔で上記液滴を吐出してパターン塗
布し、基板上に、線幅120μm、長さ10mmのライン
を形成した。この基板を90℃に加熱して5分放置した
ところ、液体は全て蒸発し、基板上には液体から析出し
た固体が上記のライン上に残っていた。その後、純水で
基板上の固体を洗い流し洗浄を行った。その結果、基板
には線幅120μm、長さ10mmのライン状の親水部が
形成された。この場合には、その他の部分はFASが部
分的に紫外線によって分解除去されているため、水との
接触角は70°のままであった。
【0098】(実施例3)前記ガラス基板の代わりにシ
リコン基板を用いた他は、実施例1と同様にしてパター
ン化されたFAS単分子層を有するシリコン基板を得
た。この基板には、線幅72μm、長さ10mmのライン
状の親水部(水との接触角はほぼ0°)が形成された。
その他の部分はFASが残っているため、水との接触角
は110°のままであった。
【0099】(実施例4)実施例1と同様にして形成し
たパターン化FASを有するガラス基板を用い、粒径1
0nmからなる金の微粒子をα−テルピネオールに分散
させた液体(真空冶金社製、商品名「パーフェクトゴー
ルド」)を上記の撥液部に親液部がパターニングされた
基板にスピンコートしたところ、親液部のみに液体が残
存し、撥液部には液体は残らなかった。この基板を大気
中にて300℃で15分間焼成したところ、親液部に塗
布されていた液体は金の薄膜となり、前記アルカリ性液
体を吐出して形成したパターンに従った幅72μm、長
さ10mmの金薄膜のラインパターンが形成された。この
金薄膜の膜厚は0.5μmで、比抵抗は5×10−6Ω
cmであった。
【0100】(実施例5)実施例1と同様にして形成し
たパターン化FASを有するガラス基板を用い、シリコ
ンを堆積させた。即ち、シクロヘキサシランの10wt%
トルエン溶液を、窒素雰囲気中で上記と同様のインクジ
ェットヘッドにより、基板の親液部を狙って、吐出間隔
30μmで、直径36μmの液滴として吐出した。基板に
吐出された液体は親液部の線幅(72μm)にまで広が
ったが、撥液部にははみ出さず、上記液体からなる線幅
72μm、長さ10mmのラインが形成された。この基板
を窒素雰囲気にて500℃、10分で熱処理したとこ
ろ、上記液体は熱分解されて幅72μm、長さ10mmの
アモルファスシリコン膜のパターンが形成された。
【0101】(実施例6)実施例1と同様にして形成し
たパターン化FASを有するガラス基板の親水部のみに
次のようにして無電解ニッケルメッキを行った。アクチ
ベーターとして4wt%塩酸100mLに塩化パラジウム2
0mgを溶解し、更に水酸化ナトリウムを加えてpHが5
となるように液体を調整した。この液体を実施例1と同
様のインクジェットヘッドにより、基板の親液部を狙っ
て、吐出間隔30μmで、直径36μmの液滴として、吐
出した。基板に吐出された液体は親液部の線幅(72μ
m)にまで広がったが撥液部には、はみ出さず、上記液
体からなる線幅72μm、長さ10mmのラインが形成さ
れた。この状態のまま5分間室温で放置した後、基板を
水洗した。その後、この基板を無電解ニッケルメッキ液
(水1リットルに塩化ニッケル25g及び次亜リン酸ナ
トリウム25gを溶解し、更にpH調整剤を加えてpH
5程度にしたもの)に浸漬し、80℃で10分間メッキ
を行ったところ、親水部にのみ無電解メッキによりニッ
ケルが析出し、線幅72μmで膜厚3μmのニッケルパタ
ーンが形成された。
【0102】(実施例7)実施例3のFASパターン化
シリコン基板表面を0.5wt%フッ酸エッチング液に浸
漬した。シリコン表面の自然酸化膜(SiO2)は、厚
みが2nmであり、エッチング速度は5nm/分であるの
で、浸漬時間は30秒とした。FAS−17単分子層が
エッチング液によるダメージを受け、下地が露出するま
でには10分以上を要するため、リソグラフィー用レジ
スト膜として十分に機能した。エッチングの結果、幅7
2μm、長さ10mmのパターンでシリコン表面の自然酸
化膜(SiO2)を除去できた。
【0103】上記実施例から明らかなように、本発明の
方法によれば、ガラスマスクを使用せずに、パターン形
成精度や位置の再現性の優れた撥液性単分子層のパター
ンを基板に形成することができる。また、このようにし
て形成されたパターン化単分子層を有する基板が得られ
る。また、この基板から精度の良い、金属やシリコン等
のパターンを形成することが出来る。一方、この基板上
の単分子層をエッチングレジストとして、エッチングに
利用することができる。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、マスクを通した紫外線
照射を行わなくても簡単なプロセスでパターン形成が可
能で、しかもパターン形成精度や位置の再現性の優れた
撥液性単分子層へのパターン形成方法;そのパターン化
単分子層をエッチングレジストとして利用したエッチン
グを行うことによりパターンニングを行う方法;及びそ
のパターン化単分子層を用いて形成する半導体、金属な
どのパターン;並びにそれら半導体、金属などのパター
ンを用いて製造される電気光学装置、及びこの電気光学
装置を備える電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基板上に形成された単分子層の断面図。
【図2】 単分子層のパターン形成の工程を示す断面
図。
【図3】 単分子層がパターン形成された状態を示す断
面図。
【図4】 基板の親液部にのみ液滴材料が塗布された状
態を示す断面図。
【図5】 溶液を乾燥後、親液部に形成されたケイ素化
合物の塗布膜の断面図。
【図6】 ケイ素化合物の塗布膜を熱処理して形成され
たシリコン膜の断面図。
【図7】 基板が単分子層で覆われていない領域に無電
解メッキの活性化種の層が形成されている状態を示す断
面図。
【図8】 パターン化単分子層形成装置の概略斜視図。
【図9】 基板上の所定の領域に選択的に無電解メッキ
液がインクジェットヘッドから吐出されている状態を示
す断面図。
【図10】 本発明の第7実施形態の液晶装置の概略断
面図。
【図11】 本発明の第7実施形態に係る液晶装置の第
1基板の概略平面図。
【図12】 本発明の第7実施形態に係る液晶装置の第
2基板の概略平面図。
【図13】 本発明の第7実施形態に係るプラズマ型表
示装置の第1基板の概略平面図。
【図14】本発明の第8実施形態に係る電子機器で、
(a)は第6実施形態液晶表示装置を備えた携帯電話の
一例を示す図、(b)は第6実施形態液晶表示装置を備
えた携帯型情報処理装置の一例を示す図、(c)は第6
実施形態液晶表示装置を備えた腕時計型電子機器の一例
を示す図である。
【図15】本発明の第9実施形態に係る非接触型カード
媒体の分解斜視図。
【符号の説明】
11…基板、11a…親液部、11b…撥液部、12…
単分子層、13…アルカリ性液体の液滴、14…ケイ素
化合物の溶液、15…ケイ素化合物の塗布液、16…シ
リコン膜、21…基板、21a…親インク部、21b…
撥インク部、22…活性種層、24…単分子層、100
…パターン化単分子層形成装置、101…インクジェッ
トヘッド群、W…基板、200…液晶装置、300…第
1基板、310…信号電極、311a,312b…信号
配線部、331…第1引き回し配線、332…第2引き
回し配線、500…プラズマ型表示装置、501、50
2…ガラス基板、511…アドレス電極、512…表示
電極、516…放電室、517…蛍光体、600…携帯
電話本体、601…液晶表示部、700…情報処理装
置、702…液晶表示部、703…情報処理本体、80
0…時計本体、801…液晶表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/786 Fターム(参考) 2C056 FB01 FB02 FB04 FB05 2H096 AA25 AA27 GA60 4M104 BB01 BB04 BB05 BB07 BB08 BB09 BB36 DD07 DD09 DD16 DD22 DD51 DD53 DD71 DD78 EE18 GG20 HH20 5F033 HH04 HH05 HH11 HH13 HH14 HH38 PP26 PP28 QQ00 QQ09 QQ19 QQ73 QQ82 QQ83 QQ89 RR03 RR04 RR21 SS03 SS21 VV15 XX33 5F110 AA30 BB01 DD02 DD03 DD05 GG02 GG13 GG41 PP02 PP03 PP13 PP29 QQ01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に単分子層を形成し、アルカリ性
    の液体をインクジェット法でこの基板上にパターン塗布
    し、前記アルカリ性液体の分解作用により前記単分子層
    を除去し、前記基板上に撥液性の単分子層とパターン化
    された親液性の基板表面を形成することを特徴とする撥
    液性単分子層のパターン形成方法。
  2. 【請求項2】 前記基板上に単分子層を形成すること
    が、該基板の表面に、加水分解性基と撥液性端末を有す
    る炭素含有基を有するシラン化合物を結合させて単分子
    層を形成することである、請求項1に記載の撥液性単分
    子層のパターン形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法で製造され
    たパターン化単分子層を有する基板。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の単分子層をエッチング
    レジストとして利用してエッチングを行うことを特徴と
    するパターンニング方法。
  5. 【請求項5】 導電性微粒子を含有する液体を、請求項
    3に記載のパターン化単分子層を有する基板の親液部に
    選択的に塗布し、この親液部に塗布された前記液体を熱
    処理によって導電膜に変換することを特徴とする導電膜
    パターンの形成方法。
  6. 【請求項6】 ケイ素化合物を含有する液体を、請求項
    3に記載のパターン化単分子層を有する基板の親液部に
    選択的に塗布し、熱処理及び/又は光処理によって前記
    液体の塗布液をシリコン膜に変換することを特徴とする
    シリコン膜パターンの形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載のパターン化単分子層を
    有する基板の親液部にアクティべーション処理を施し、
    無電解メッキ液によって当該処理を施した領域に選択的
    にメッキすることを特徴とする金属薄膜パターンを形成
    する方法。
  8. 【請求項8】 請求項5又は7に記載の方法により形成
    されたことを特徴とする導電膜配線。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の導電膜配線を備えるこ
    とを特徴とする電気光学装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電気光学装置を備え
    ることを特徴とする電子機器。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の導電膜配線をアンテ
    ナ回路として備えることを特徴とする非接触型カード媒
    体。
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