JP3821079B2 - 膜パターンの形成方法、膜パターン形成装置、導電膜配線、電気光学装置、電子機器並びに非接触型カード媒体 - Google Patents

膜パターンの形成方法、膜パターン形成装置、導電膜配線、電気光学装置、電子機器並びに非接触型カード媒体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜パターンの形成方法、及び導電膜配線、電気光学装置、電子機器並びに非接触型カード媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子回路又は集積回路等に使われる配線の製造には、フォトリソグラフィー法を用いられているが、このフォトリソグラフィー法では、真空装置等の大掛かりな設備と複雑な工程を必要とすることから、配線の形成成分となる導電性微粒子を含有させた液状体を基板上に直接吐出する液滴吐出法(インクジェット法)を用いてパターンを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
更に、精度良く、且つ効率的にパターンを形成するために、親液性又は撥液性を一様に調整した基板、又は撥液部と親液部のパターンを形成した基板上に、導電性微粒子や有機ケイ素化合物等の膜形成成分を含有させた液状体を液滴として吐出し、膜パターンを形成する方法も提案されている。このような、親液性又は撥液性を一様に調整した基板を用いて膜パターンを形成する場合、液体と基板との接触角を、例えば60゜に均一に制御する必要があり、また、撥液部と親液部のパターンを形成した基板を用いる場合にも、まず、親液性を一様に調整した基板を用意し、この基板上に親液部のパターンを形成する必要がある。
【0004】
【特許文献1】
米国特許5132248号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、膜パターンが形成されるパターン形成領域上に、例えば、線幅の異なる配線を形成する場合、一様な撥液性を有する領域では、線幅の細い線が好適に形成できたとしても、前記領域上に、線幅の太い線や膜部を形成すると、断線や液溜まり(バルジ)等が発生する可能性があるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、基板上の膜パターン形成領域に、形状の異なる複数のパターンを好適に形成する膜パターンの形成方法と、該形成方法によって得られる導電膜配線等を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の膜パターンの形成方法では、基板上に、パターン形成成分を含有する液状体からなる液滴を吐出し、所定のパターンを形成する膜パターンの形成方法において、前記基板の表面を所望の撥液性に調整する第1の表面処理工程を含み、該第1の表面処理工程後の前記基板上に、第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、該第1のパターン形成工程後に、前記基板の表面の撥液性を劣化させる第2の表面処理工程と、該第2の表面処理工程後の前記基板上に、前記第1のパターンと異なる形状を有する第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程とを有することを特徴としている。
上記の膜パターン形成方法によれば、第1の表面処理工程によって所望の撥液性とした基板上に、第1のパターンを形成した後、第2の表面処理工程によって前記基板の表面の撥液性を劣化させ、第1のパターンと異なる形状を有する第2のパターンを形成するのに好適な撥液性を得ることができる。
【0008】
本発明の膜パターンの形成方法では、前記第2のパターン形成工程後に、前記基板の撥液性を更に劣化させる表面処理工程と、該表面処理工程後の前記基板上に、既成のパターンと異なる形状を有するパターンを形成するパターン形成工程とを、複数回繰り返すことを特徴としている。
上記の膜パターン形成方法によれば、第2のパターン形成工程後に、基板の撥液性を劣化させる表面処理工程と、既成のパターンと異なる形状を有するパターンを形成するパターン形成工程とを複数回繰り返すので、基板の撥液性を、常に、パターンを形成するのに好適なものとすることが可能となる。
【0009】
本発明の膜パターンの形成方法では、前記第1の表面処理工程は、前記基板の表面に撥液化処理を施し、その後に親液化処理を施すことを特徴としている。
これによれば、基板の表面に、一旦撥液化処理を充分に行い、その後親液化処理によって、先に付与した撥液性を緩和することにより、第1のパターンを形成するに好適な撥液性を均一に得ることができる。
【0010】
本発明の膜パターンの形成方法では、前記撥液化処理が、基板の表面に撥液性の単分子膜を形成する処理であることを特徴としており、単分子膜としては有機分子からなる自己組織化膜が好ましい。この場合容易に単分子膜を形成できる。また、前記撥液化処理としては、基板の表面にフッ化重合膜を形成する処理も好適に採用できる。フッ化重合膜の形成は、フルオロカーボン系化合物を反応ガスとするプラズマ処理によって容易になすことができる。
【0011】
本発明の膜パターンの形成方法では、前記親液化処理が、紫外光の照射によることを特徴としている。この場合、一旦形成された撥液性の膜を、部分的に、もしくは全体的に均一に破壊することができるので、撥液性を緩和し、所望の撥液性を均一に得ることができる。また、前記撥液化処理の後に行う親液化処理としては、酸素を反応ガスとするプラズマ処理や、基板をオゾン雰囲気にさらす処理も好適に採用できる。この場合も一旦形成された撥液性の膜を、部分的に、もしくは全体的に均一に変質させることができるので、撥液性を緩和し、所望の撥液性を均一に得ることができる。
【0012】
本発明の膜パターンの形成方法では、前記第2の表面処理工程は、前記基板を加熱することを特徴としている。
これによれば、第1の表面処理工程により基板の表面に施された撥液性を、基板を加熱することによって劣化させるので、第2のパターンを撥液性が緩和された親液性の領域に好適に形成することができる。
また、第2の表面処理工程としては、前記基板に紫外光を照射しても好適に採用できる。この場合も第1の表面処理工程により基板の表面に施された撥液性を、基板に紫外光を照射することによって劣化させるので、第2のパターンを撥液性が緩和された親液性の領域に好適に形成することができる。
【0013】
本発明の膜パターン形成装置では、基板上に、パターン形成成分を含有する液状体からなる液滴を吐出し、所定のパターンを形成する膜パターンの形成装置において、上記のいずれか一項に記載の膜パターンの形成方法によって膜パターンを形成することを特徴としている。
上記の装置によれば、簡単な工程で、基板上の膜パターン形成領域に、形状の異なる複数のパターンを好適に形成する膜パターン形成装置とすることが可能となる。
【0014】
また、本発明の導電膜配線は、上記のいずれかに記載の膜パターンの形成方法によって形成されたことを特徴としている。
本発明は、パターン形成成分が導電性微粒子を含有する場合に好適に適用でき、これによれば、膜厚が厚く電気伝導に有利で、断線や短絡等の不良が生じにくく、しかも微細に形成可能な導電膜配線を形成することができる。
【0015】
また、本発明の電気光学装置は、上記発明に係る導電膜配線を備えることを特徴としている。本発明に採用される電気光学装置としては、例えば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置等を挙げることができる。また、本発明に係る電子機器は、本発明に係る電気光学装置を備えることを特徴としており、更に、本発明の非接触型カード媒体は、上記発明に係る導電膜配線をアンテナ回路として備えることを特徴としている。
これらの発明によれば、配線部やアンテナの断線や短絡等の不良が生じにくく、しかも、小型化や薄型化が可能な電気光学装置、及びこれを用いた電子機器並びに非接触型カード媒体を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態として、本発明の膜パターンの形成方法の一例である配線形成方法について説明する。
本実施形態に係る配線形成方法は、基板の表面を所望の撥液性に調整する第1の表面処理工程と、該第1の表面処理工程後の基板上に、第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、該第1のパターン形成工程後に、前記基板の表面の撥液性を劣化させる第2の表面処理工程と、該第2の表面処理工程後の基板上に、前記第1のパターンと異なる幅を有する第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程とから構成される。また、必要に応じて第2のパターン形成工程後に、前記基板の撥液性を更に劣化させて、表面処理工程とパターン形成工程を複数回繰り返す。以下に、各工程について説明する。
【0017】
なお、導電膜からなる配線を形成すべき基板としては、Siウエハ、石英ガラス、ガラス、プラスチック、金属板など各種のものを用いることができる。また、これら各種の素材基板の表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されたものを導電膜配線を形成すべき基板として用いてもよい。
【0018】
(第1の表面処理工程)
上記の導電膜配線を形成すべき基板の表面を、後述する第1のパターンの形成に最適な撥液性とするように、即ち、導電性微粒子を含有した液体に対する所定の接触角が所望の値となるように、表面処理を施す。この表面処理として、第1の表面処理工程では、基板の表面に撥液化処理を施し、更に、その後に親液化処理を施す。
なお、所望の接触角の値は、後述の吐出工程の具体的方法に応じて適宜選択する。例えば、液滴を、前に吐出した液滴と重ねながら吐出する場合の接触角は、30°以上、60°以下とすることが好ましい。また、一回目の吐出では複数の液滴を互いに接しないように離間して吐出し、2回目以降の吐出によって、その間を埋めていくような吐出方法では、60°以上、好ましくは90°以上、110°以下となるように表面処理を施すことが好ましい。
【0019】
まず、基板の表面に撥液化処理を施す方法について説明する。
撥液化処理の方法の一つとしては、基板の表面に、有機分子膜などからなる自己組織化膜を形成する方法が挙げられる。基板表面を処理するための有機分子膜は、一端側に基板に結合可能な官能基を有し、他端側に基板の表面性を撥液性等に改質する(表面エネルギーを制御する)官能基を有すると共に、これらの官能基を結ぶ炭素の直鎖あるいは一部分岐した炭素鎖を備えており、基板に結合して自己組織化して分子膜、例えば単分子膜を形成するものである。
【0020】
自己組織化膜とは、基板など下地層等構成原子と反応可能な結合性官能基とそれ以外の直鎖分子とからなり、該直鎖分子の相互作用により極めて高い配向性を有する化合物を、配向させて形成された膜である。この自己組織化膜は、単分子を配向させて形成されているので、極めて膜厚を薄くすることができ、しかも、分子レベルで均一な膜となる。即ち、膜の表面に同じ分子が位置するため、膜の表面に均一でしかも優れた撥液性等を付与することができる。
【0021】
上記の高い配向性を有する化合物として、例えばフルオロアルキルシランを用いた場合には、膜の表面にフルオロアルキル基が位置するように各化合物が配向されて自己組織化膜が形成されるので、膜の表面に均一な撥液性が付与される。
【0022】
自己組織化膜を形成する化合物としては、例えば、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン(以下、「FAS」と表記する)を挙げることができる。使用に際しては、一つの化合物を単独で用いるのも好ましいが、2種以上の化合物を組合せて使用しても、本発明の所期の目的を損なわなければ制限されない。また、本発明においては、前記の自己組織化膜を形成する化合物として、前記FASを用いるのが、基板との密着性及び良好な撥液性を付与する上で好ましい。
【0023】
FASは、一般的に構造式RnSiX(4−n)で表される。ここで、nは1以上3以下の整数を表し、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子等の加水分解基である。また、Rはフルオロアルキル基であり、(CF)(CF)x(CH)yの(ここで、xは0以上10以下の整数を、yは0以上4以下の整数を表す)構造を持ち、複数個のR又はXがSiに結合している場合には、R又はXはそれぞれすべて同じでも良いし、異なっていてもよい。Xで表される加水分解基は加水分解によりシラノールを形成して、基板の下地のヒドロキシル基と反応してシロキサン結合で基板と結合する。一方、Rは表面に(CF)等のフルオロ基を有するため、基板等の下地表面を濡れない(表面エネルギーが低い)表面に改質する。
【0024】
有機分子膜などからなる自己組織化膜は、上記の原料化合物と基板とを同一の密閉容器中に入れておき、室温の場合は2〜3日程度の間放置すると基板上に形成される。また、密閉容器全体を100℃に保持することにより、3時間程度で基板上に形成される。以上に述べたのは、気相からの形成法であるが、液相からも自己組織化膜は形成可能である。例えば、原料化合物を含む溶液中に基板を浸積し、洗浄、乾燥することで基板上に自己組織化膜が得られる。
なお、自己組織化膜を形成する前に、基板表面に紫外光を照射したり、溶媒により洗浄したりして、前処理を施すことが望ましい。
【0025】
撥液化処理の他の方法として、常圧又は真空中でプラズマ照射する方法が挙げられる。プラズマ処理に用いるガス種は、基板の表面材質等を考慮して種々選択できる。例えば、4フッ化メタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロデカン等のフルオロカーボン系ガスを処理ガスとして使用できる。この場合、基板の表面に、撥液性のフッ化重合膜を形成することができる。
【0026】
撥液化処理は、所望の撥液性を有するフィルム、例えば4フッ化エチレン加工されたポリイミドフィルム等を基板表面に貼着することによっても行うことができる。なお、ポリイミドフィルムをそのまま基板として用いてもよい。
【0027】
次に、親液化処理を施す方法について説明する。
上記の撥液化処理が終了した段階の基板表面は、通常所望の撥液性よりも高い撥液性を有するので、親液化処理により撥液性を緩和する。
親液化処理としては、170〜400nmの紫外光を照射する方法が挙げられる。これにより、一旦形成した撥液性の膜を、部分的に、しかも全体としては均一に破壊して、撥液性を緩和することができる。
この場合、撥液性の緩和の程度は紫外光の照射時間で調整できるが、紫外光の強度、波長、熱処理(加熱)との組み合わせ等によって調整することもできる。
【0028】
親液化処理の他の方法としては、酸素を反応ガスとするプラズマ処理が挙げられる。これにより、一旦形成した撥液性の膜を、部分的に、しかも全体としては均一に変質させて、撥液性を緩和することができる。
【0029】
親液化処理のさらに他の方法としては、基板をオゾン雰囲気に曝す処理が挙げられる。これにより、一旦形成した撥液性の膜を、部分的に、しかも全体としては均一に変質させて、撥液性を緩和することができる。
この場合、撥液性の緩和の程度は、照射出力、距離、時間等によって調整することができる。
【0030】
(第1のパターン形成工程)
第1のパターン形成工程は、吐出工程と、熱処理/光処理工程とから構成される。以下、各工程について説明する。
【0031】
まず、吐出工程について説明する。
配線を形成する場合、吐出工程で吐出する液状体は、導電性微粒子(パターン形成成分)を含有する液状体である。導電性微粒子を含有する液状体としては、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液を用いる。ここで用いられる導電性微粒子は、金、銀、銅、パラジウム、ニッケルの何れかを含有する金属微粒子の他、導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。
【0032】
導電性微粒子は、分散性を向上させるために表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の表面にコーティングするコーティング材としては、例えばキシレン、トルエン等の有機溶剤やクエン酸等が挙げられる。また、導電性微粒子の粒径は5nm以上、0.1μm以下であることが好ましい。0.1μmより大きいと、ノズルの目詰まりが起こりやすく、インクジェット法による吐出が困難になるからである。また、5nmより小さいと、導電性微粒子に対するコーティング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となるからである。
【0033】
導電性微粒子を含有する液体の分散媒としては、室温での蒸気圧が0.001mmHg以上、200mmHg以下(約0.133Pa以上、26600Pa以下)であるものが好ましい。蒸気圧が200mmHgより高い場合には、吐出後に分散媒が急激に蒸発してしまい、良好な膜を形成することが困難となるためである。
また、分散媒の蒸気圧は0.001mmHg以上、50mmHg以下(約0.133Pa以上、6650Pa以下)であることがより好ましい。蒸気圧が50mmHgより高い場合には、インクジェット法で液滴を吐出する際に乾燥によるノズル詰まりが起こり易く、安定な吐出が困難となるためである。一方、室温での蒸気圧が0.001mmHgより低い分散媒の場合、乾燥が遅くなり膜中に分散媒が残留しやすくなり、後工程の熱及び/又は光処理後に良質の導電膜が得られにくい。
【0034】
使用する分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されないが、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、又はエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、更にプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を挙げることができる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また、インクジェット法への適用のし易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、更に好ましい分散媒としては水、炭化水素系化合物を挙げることができる。これらの分散媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用できる。
【0035】
上記導電性微粒子を分散媒に分散する場合の分散質濃度は、1質量%以上、80質量%以下であり、所望の導電膜の膜厚に応じて調整することができる。80質量%を超えると凝集をおこしやすくなり、均一な膜が得にくい。
【0036】
上記導電性微粒子の分散液の表面張力は、0.02N/m以上、0.07N/m以下の範囲に入ることが好ましい。インクジェット法にて液体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じ易くなり、0.07N/mを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量、吐出タイミングの制御が困難になるためである。
【0037】
表面張力を調整するため、上記分散液には、基板との接触角を不当に低下させない範囲で、フッ素系、シリコン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加することができる。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を良好化し、膜のレベリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などの防止に役立つものである。上記分散液は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでいても差し支えない。
【0038】
上記分散液の粘度は、1mPa・s以上、50mPa・s以下であることが好ましい。インクジェット法にて吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合には、ノズル周辺部がインクの流出により汚染されやすく、また、粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となるためである。
【0039】
本実施形態では、上記分散液の液滴をインクジェットヘッドから吐出して基板上の配線を形成すべき場所に滴下する。このとき、液だまり(バルジ)が生じないように、続けて吐出する液滴の重なり程度を制御する必要がある。また、一回目の吐出では複数の液滴を互いに接しないように離間して吐出し、2回目以降の吐出によって、その間を埋めていくような吐出方法を採用することもできる。このような吐出方法によって、第1のパターン形成工程では、配線幅が、例えば50μm程度の細線が形成される。
【0040】
液滴を吐出した後、分散媒の除去を行うため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板を加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる処理の他、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上、5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では、100W以上、1000W以下の範囲で十分である。
【0041】
次に、熱処理/光処理工程について説明する。
吐出工程後の乾燥膜は、微粒子間の電気的接触をよくするために、分散媒を完全に除去する必要がある。また、導電性微粒子の表面に分散性を向上させるために有機物などのコーティング材がコーティングされている場合には、このコーティング材も除去する必要がある。そのため、吐出工程後の基板には熱処理及び/又は光処理が施される。
【0042】
熱処理及び/又は光処理は、通常大気中で行なわれるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。熱処理及び/又は光処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング材の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定される。例えば、有機物からなるコーティング材を除去するためには、約300℃で焼成することが必要である。また、プラスチックなどの基板を使用する場合には、室温以上100℃以下で行うことが好ましい。
【0043】
熱処理及び/又は光処理は、通常のホットプレート、電気炉などによる処理の他、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上、5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では、100W以上、1000W以下の範囲で十分である。以上の工程により吐出工程後の乾燥膜は微粒子間の電気的接触が確保され、導電膜に変換される。
【0044】
(第2の表面処理工程)
上記の第1の表面処理工程では、導電膜配線を形成すべき基板の表面を、第1のパターンの形成に最適な撥液性とするように表面処理を施したが、第2の表面処理工程では、更に、後述する第2のパターンの形成に最適な撥液性となるように、即ち、第1の表面処理工程で付与された撥液性を劣化させるような表面処理を施す。この表面処理としては、例えば、第1のパターンが形成された基板を加熱する加熱処理が採用できる。
【0045】
上記加熱処理は、通常大気中で行なわれるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。加熱処理の処理温度及び処理時間は、後述の第2のパターン形成工程で形成されるパターン形状を考慮して適宜決定される。例えば、配線幅が、約120μm程度の配線を好適に形成するためには、約80℃、約2分の処理条件で加熱することが必要となる。この場合、第1の表面処理工程で付与された撥液性を完全に損なうことがないように、加熱温度は、150℃以下とすることが好ましい。
【0046】
加熱処理は、通常のホットプレート、電気炉などによる処理の他、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上、5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では、100W以上、1000W以下の範囲で十分である。
【0047】
また、第2の表面処理工程としては、更に、170〜400nmの紫外光を照射する方法も好適に採用できる。これにより、第1の表面処理工程で付与した撥液性の膜を、部分的に、しかも全体としては均一に破壊して、撥液性を劣化させることができる。この場合、撥液性の劣化の程度は、紫外光の照射時間で調整できるが、紫外光の強度、波長、もしくは、上記の加熱処理との組み合わせ等によって調整することもできる。
【0048】
(第2のパターン形成工程)
第2のパターン形成工程は、第1のパターン形成工程と同様に、吐出工程と、熱処理/光処理工程とから構成される。従って、各工程の詳細説明は省略する。第2のパターン形成工程では、前工程である第2の表面処理工程によって、基板の撥液性が劣化されているので、第1のパターン形成工程で形成された配線の配線幅に対して太い配線幅を有する配線や膜部を好適に形成することができる。この場合も、液だまり(バルジ)が生じないように、続けて吐出する液滴の重なり程度を制御する必要がある。また、一回目の吐出では複数の液滴を互いに接しないように離間して吐出し、2回目以降の吐出によって、その間を埋めていくような吐出方法を採用することもできる。
【0049】
図1に、上記各工程により形成される膜パターンの一例を示す。
図1に示すように、基板上に、単位長さDを有する格子状の複数のビット(単位領域)からなるビットマップ(描画領域)BMを設定する。基板の表面には、第1の表面処理工程によって、撥液性が好適に付与されている。
図1(a)に示すように、第1のパターン形成工程によって、配線幅が単位長さDである第1配線1が形成される。この場合、第1配線1の配線幅は、基板上の良好な撥液性により、吐出された液滴が濡れ拡がらず、所望の単位長さDとなる。第1のパターン形成工程が終了した後、第2の表面処理工程によって、基板上の撥液性が劣化される。
【0050】
次に、図1(b)に示すように、第2のパターン形成工程によって、配線幅が略2Dの第2配線2が、第1配線1と接続するように形成される。この場合、第2配線2の配線幅は、基板上の撥液性が劣化しているため、吐出された液滴が濡れ拡がり、理論値の2Dよりも広い、所望の値となる。更に、第2のパターン形成工程が終了した後、第3の表面処理工程を行うことによって基板上の撥液性が更に劣化される。
【0051】
次に、図1(c)に示すように、第3のパターン形成工程を行うことによって、配線幅が略3Dの第3配線3が、第2配線2と接続するように形成される。この場合も、第3配線3の配線幅は、基板上の撥液性が劣化していることにより、吐出された液滴が濡れ拡がり、所望の面積の膜部3が形成される。
以下、必要に応じて表面処理工程及びパターン形成工程を追加する。
【0052】
このように、本実施形態により形成される導電膜は、撥液性が適切に調整された基板を用いるので、バルジを生じさせることなく細線化、厚膜化を達成することができる。特に、本実施形態によれば、導電膜及び導電膜配線を形成する前工程として、基板上のパターン形成領域の撥液性を、形成する膜パターンの形状、即ち、導電膜及び導電膜配線の形状に適した撥液性に適宜調整するので、電気伝導に有利で、断線や短絡等の不良が生じにくい導電膜及び導電膜配線を形成することができる。
【0053】
〔第2実施形態〕
第2実施形態として、本発明の膜パターン形成装置の一例として、上記第1実施形態の配線形成方法を実施するための配線形成装置について説明する。
【0054】
図2は、本実施形態に係る配線形成装置の概略斜視図である。図2に示すように、配線形成装置100は、インクジェットヘッド群1と、インクジェットヘッド群1をX方向に駆動するためのX方向ガイド軸2と、X方向ガイド軸2を回転させるX方向駆動モータ3とを備えている。また、基板Wを載置するための載置台4と、載置台4をY方向に駆動するためのY方向ガイド軸5と、Y方向ガイド軸5を回転させるY方向駆動モータ6とを備えている。また、X方向ガイド軸2とY方向ガイド軸5とが、各々所定の位置に固定される基台7を備え、その基台7の下部には、制御装置8を備えている。さらに、クリーニング機構部14およびヒータ15とを備えている。
【0055】
インクジェットヘッド群1は、導電性微粒子を含有する分散液をノズル(吐出口)から吐出して所定間隔で基板に付与する複数のインクジェットヘッドを備えている。そして、これら複数のインクジェットヘッド各々から、制御装置8から供給される吐出電圧に応じて個別に分散液を吐出できるようになっている。インクジェットヘッド群1はX方向ガイド軸2に固定され、X方向ガイド軸2には、X方向駆動モータ3が接続されている。X方向駆動モータ3は、ステッピングモータ等であり、制御装置8からX軸方向の駆動パルス信号が供給されると、X方向ガイド軸2を回転させるようになっている。そして、X方向ガイド軸2が回転させられると、インクジェットヘッド群1が基台7に対してX軸方向に移動するようになっている。
【0056】
載置台4は、この配線形成装置100によって分散液を付与される基板Wを載置させるもので、この基板Wを基準位置に固定する機構を備えている。載置台4はY方向ガイド軸5に固定され、Y方向ガイド軸5には、Y方向駆動モータ6、16が接続されている。Y方向駆動モータ6、16は、ステッピングモータ等であり、制御装置8からY軸方向の駆動パルス信号が供給されると、Y方向ガイド軸5を回転させるようになっている。そして、Y方向ガイド軸5が回転させられると、載置台4が基台7に対してY軸方向に移動するようになっている。
【0057】
クリーニング機構部14は、インクジェットヘッド群1をクリーニングする機構を備えている。クリーニング機構部14は、Y方向の駆動モータ16によってY方向ガイド軸5に沿って移動するようになっている。クリーニング機構部14の移動も、制御装置8によって制御されている。
【0058】
ヒータ15は、ここではランプアニールにより基板Wを熱処理する手段であり、基板上に吐出された液体の蒸発・乾燥を行うとともに導電膜に変換するための熱処理を行うようになっている。このヒータ15の電源の投入及び遮断も制御装置8によって制御されるようになっている。
【0059】
本実施形態の配線形成装置100において、所定の配線形成領域に分散液を吐出するためには、制御装置8から所定の駆動パルス信号をX方向駆動モータ3及び/又はY方向駆動モータ6とに供給し、インクジェットヘッド群1及び/又は載置台4を移動させることにより、インクジェットヘッド群1と基板W(載置台4)とを相対移動させる。そして、この相対移動の間にインクジェットヘッド群1における所定のインクジェットヘッドに制御装置8から吐出電圧を供給し、当該インクジェットヘッドから分散液を吐出させる。
【0060】
本実施形態の配線形成装置100において、インクジェットヘッド群1の各ヘッドからの液滴の吐出量は、制御装置8から供給される吐出電圧の大きさによって調整できる。また、基板Wに吐出される液滴のピッチは、インクジェットヘッド群1と基板W(載置台4)との相対移動速度及びインクジェットヘッド群1からの吐出周波数(吐出電圧供給の周波数)によって決定される。
【0061】
本実施形態の配線形成装置100によれば、バルジを生じさせることなく細線化、厚膜化を達成するとともに、膜厚が均一化され、エッジ形状が良好な導電膜を形成することが可能となる。
従って、本実施形態によれば、基板上の配線形成領域に、形状の異なる複数の導電膜配線を好適に形成することができる。
【0062】
〔第3実施形態〕
第3実施形態として、本発明の電気光学装置の一例である液晶装置について説明する。
図3は、本実施形態に係る液晶装置の第1基板上の信号電極等の平面レイアウトを示すものである。本実施形態に係る液晶装置は、この第1基板と、走査電極等が設けられた第2基板(図示せず)と、第1基板と第2基板との間に封入された液晶(図示せず)とから概略構成されている。
【0063】
図3に示すように、第1基板300上の画素領域303には、複数の信号電極310…が多重マトリクス状に設けられている。特に各信号電極310…は、各画素に対応して設けられた複数の画素電極部分310a…とこれらを多重マトリクス状に接続する信号配線部分310b…とから構成されており、Y方向に伸延している。また、符号350は1チップ構造の液晶駆動回路で、この液晶駆動回路350と信号配線部分310b…の一端側(図中下側)とが第1引き回し配線331…を介して接続されている。また、符号340…は上下導通端子で、この上下導通端子340…と、図示しない第2基板上に設けられた端子とが上下導通材341…によって接続されている。また、上下導通端子340…と液晶駆動回路350とが第2引き回し配線332…を介して接続されている。
【0064】
本実施形態では、上記第1基板300上に設けられた信号配線部分310b…、第1引き回し配線331…、第2引き回し配線332…が、各々第1実施形態に係る配線形成方法によって形成されている。
本実施形態の液晶装置によれば、上記各配線類の断線や短絡等の不良が生じにくく、しかも、小型化、薄型化が可能な液晶装置とすることができる。
【0065】
〔第4実施形態〕
第4実施形態として、本発明の電気光学装置の一例であるプラズマ型表示装置について説明する。
図4は、本実施形態のプラズマ型表示装置500の分解斜視図を示す。
プラズマ型表示装置500は、互いに対向して配置されたガラス基板501とガラス基板502と、これらの間に形成された放電表示部510とから概略構成される。
【0066】
放電表示部510は、複数の放電室516が集合されてなり、複数の放電室516のうち、赤色放電室516(R)、緑色放電室516(G)、青色放電室516(B)の3つの放電室516が対になって1画素を構成するように配置されている。前記(ガラス)基板501の上面には所定の間隔でストライプ状にアドレス電極511が形成され、それらアドレス電極511と基板501の上面とを覆うように誘電体層519が形成され、更に誘電体層519上においてアドレス電極511、511間に位置して各アドレス電極511に沿うように隔壁515が形成されている。
【0067】
なお、隔壁515においてはその長手方向の所定位置においてアドレス電極511と直交する方向にも所定の間隔で仕切られており(図示略)、基本的にはアドレス電極511の幅方向左右両側に隣接する隔壁と、アドレス電極511と直交する方向に延設された隔壁により仕切られる長方形状の領域が形成され、これら長方形状の領域に対応するように放電室516が形成され、これら長方形状の領域が3つ対になって1画素が構成される。また、隔壁515で区画される長方形状の領域の内側には蛍光体517が配置されている。蛍光体517は、赤、緑、青の何れかの蛍光を発光するもので、赤色放電室516(R)の底部には赤色蛍光体517(R)が、緑色放電室516(G)の底部には緑色蛍光体517(G)が、青色放電室516(B)の底部には青色蛍光体517(B)が各々配置されている。
【0068】
次に、前記ガラス基板502側には、先のアドレス電極511と直交する方向に複数のITOからなる透明表示電極512がストライプ状に所定の間隔で形成されるとともに、高抵抗のITOを補うために、金属からなるバス電極512aが形成されている。また、これらを覆って誘電体層513が形成され、更にMgOなどからなる保護膜514が形成されている。また、前記基板501とガラス基板502の基板2が、前記アドレス電極511…と透明表示電極512…を互いに直交させるように対向させて相互に貼り合わされ、基板501と隔壁515とガラス基板502側に形成されている保護膜514とで囲まれる空間部分を排気して希ガスを封入することで放電室516が形成されている。なお、ガラス基板502側に形成される透明表示電極512は各放電室516に対して2本ずつ配置されるように形成されている。上記アドレス電極511と透明表示電極512は図示略の交流電源に接続され、各電極に通電することで必要な位置の放電表示部510において蛍光体517を励起発光させて、カラー表示ができるようになっている。
【0069】
本実施形態では、上記アドレス電極511と透明表示電極512およびバス電極512aが、各々第2実施形態に係る配線形成装置を用いて、第1実施形態に係る配線形成方法によって形成されている。
本実施形態の液晶装置によれば、上記各電極の断線や短絡等の不良が生じにくく、しかも、小型化、薄型化が可能なプラズマ型表示装置とすることができる。
【0070】
〔第5実施形態〕
第5実施形態として、本発明の電子機器の具体例について説明する。
図5(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。
図5(a)において、600は携帯電話本体を示し、601は第2実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示している。
図5(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。
図5(b)において、700は情報処理装置、701はキーボードなどの入力部、703は情報処理本体、702は第2実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示している。
図5(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。
図5(c)において、800は時計本体を示し、801は第2実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示している。
図5(a)〜(c)に示す電子機器は、上記実施形態の液晶装置を備えたものであるので、配線類の断線や短絡等の不良が生じにくく、しかも、小型化、薄型化が可能となる。
なお、本実施形態の電子機器は液晶装置を備えるものとしたが、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置等、他の電気光学装置を備えた電子機器とすることもできる。
【0071】
〔第6実施形態〕
第6実施形態として、本発明の非接触型カード媒体の実施形態について説明する。本実施形態に係る非接触型カード媒体は、図6に示すように、本実施形態に係る非接触型カード媒体400は、カード基体402とカードカバー418から成る筐体内に、半導体集積回路チップ408とアンテナ回路412を内蔵し、図示されない外部の送受信機と電磁波または静電容量結合の少なくとも一方により電力供給あるいはデータ授受の少なくとも一方を行うようになっている。
【0072】
本実施形態では、上記アンテナ回路412が、第1実施形態に係る配線形成方法によって形成されている。
本実施形態の非接触型カード媒体によれば、上記アンテナ回路412の断線や短絡等の不良が生じにくく、しかも、小型化、薄型化が可能な非接触型カード媒体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る膜パターンの概略図である。
【図2】第2実施形態に係る膜パターン形成装置の斜視図である。
【図3】第3実施形態に係る液晶装置の第1基板上の平面図である。
【図4】第4実施形態に係るプラズマ型表示装置の分解斜視図である。
【図5】第5実施形態に係る電子機器の例を示す図である。
【図6】第6実施形態に係る非接触型カード媒体の分解斜視図である。
【符号の説明】
1・・・第1配線(第1のパターン)、2・・・第2配線(第2のパターン)、3・・・膜部(第2のパターン)、100・・・配線形成装置、310b・・・信号配線部分、331・・・第1引き回し配線、332・・・第2引き回し配線、511・・・アドレス電極、512・・・表示電極、400・・・非接触型カード媒体、412・・・アンテナ回路

Claims (17)

  1. 基板上に、パターン形成成分を含有する液状体からなる液滴を吐出し、所定のパターンを形成する膜パターンの形成方法において、
    前記基板の表面を所望の撥液性に調整する第1の表面処理工程を含み、
    該第1の表面処理工程後の前記基板上に、第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、
    該第1のパターン形成工程後に、前記基板の表面の撥液性を劣化させる第2の表面処理工程と、
    該第2の表面処理工程後の前記基板上に、前記第1のパターンと異なる形状を有する第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程と、
    を有することを特徴とする膜パターンの形成方法。
  2. 前記第2のパターン形成工程後に、
    前記基板の撥液性を更に劣化させる表面処理工程と、
    該表面処理工程後の前記基板上に、既成のパターンと異なる形状を有するパターンを形成するパターン形成工程と、
    を複数回繰り返すことを特徴とする請求項1記載の膜パターンの形成方法。
  3. 前記第1の表面処理工程は、前記基板の表面に撥液化処理を施し、その後に親液化処理を施すことを特徴とする請求項1記載の膜パターンの形成方法。
  4. 前記撥液化処理が、基板の表面に撥液性の単分子膜を形成する処理であることを特徴とする請求項3記載の膜パターンの形成方法。
  5. 前記撥液性の単分子膜が、有機分子からなる自己組織化膜であることを特徴とする請求項4記載の膜パターンの形成方法。
  6. 前記撥液化処理が、基板の表面にフッ化重合膜を形成する処理であることを特徴とする請求項3記載の膜パターンの形成方法。
  7. 前記フッ化重合膜が、フルオロカーボン系化合物を反応ガスとするプラズマ処理によって形成されることを特徴とする請求項6記載の膜パターンの形成方法。
  8. 前記親液化処理が、紫外光の照射によることを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の膜パターンの形成方法。
  9. 前記親液化処理が、酸素を反応ガスとするプラズマ処理によることを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の膜パターンの形成方法。
  10. 前記親液化処理が、基板をオゾン雰囲気にさらす処理であることを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の膜パターンの形成方法。
  11. 前記第2の表面処理工程は、前記基板を加熱することを特徴とする請求項1記載の膜パターンの形成方法。
  12. 前記第2の表面処理工程は、前記基板に紫外光を照射することを特徴とする請求項1記載の膜パターンの形成方法。
  13. 基板上に、パターン形成成分を含有する液状体からなる液滴を吐出し、所定のパターンを形成する膜パターンの形成装置において、
    請求項1から12のいずれか一項に記載の膜パターンの形成方法によって膜パターンを形成することを特徴とする膜パターン形成装置。
  14. 前記請求項1から12のいずれかに記載の膜パターンの形成方法によって形成されたことを特徴とする導電膜配線。
  15. 請求項14に記載された導電膜配線を備えることを特徴とする電気光学装置。
  16. 請求項15に記載された電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
  17. 請求項14に記載された導電膜配線をアンテナ回路として備えることを特徴とする非接触型カード媒体。
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