JP2003149185A - 電子線を用いた試料観察装置および方法 - Google Patents

電子線を用いた試料観察装置および方法

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    • H01J2237/31745Etching microareas for preparing specimen to be viewed in microscopes or analyzed in microanalysers

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜化した試料に電子線を照射して観察、特
にX線検出による元素分析を、背景雑音を低減して高精
度、高分解能で行える試料観察装置および試料観察方法
を実現することを目的とする。 【解決手段】 薄膜試料の直後に孔部を有する軽元素材
料からなる部材56を配置して、電子線8で該試料22
の特定部位を観察する。 【効果】 本発明により、薄膜試料に電子線を照射して
観察する際に、該試料以外の部分から発生するX線、お
よび、該試料以外の箇所で散乱されて再び該試料に入射
する電子線を低減できる。これにより高精度、高感度な
2次電子像観察および元素分析が可能となり、一段と微
細化が進むLSIデバイス等の内部観察等を、高精度、
高分解能で実施できる試料観察装置および試料観察方法
を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に薄膜試料、粉
体の観察・分析・評価手段や、被観察対象物の表面のみ
ならず表面に近い内部の断面をも観察分析することを必
要とする、半導体デバイス、液晶デバイス、磁気ヘッ
ド、等の電子デバイスやマイクロデバイス等の研究開発
や製造における観察・分析・評価手段として利用される
装置システムに関する。
【0002】
【従来の技術】試料の元素組成情報を得る手段として電
子線を照射して発生するX線を検出する手法が知られて
いる。X線は試料を構成する元素に特有なエネルギーを
持つ特性X線と制動輻射による入射電子線のエネルギー
以下の連続X線からなり、X線のエネルギースペクトルを
解析することにより試料の元素組成を知ることができ
る。特開昭55−68060号公報に試料からのX線を
取り入れるためのX線検出器より小さい開口部を有する
コリメータが開示されている。(公知例1)更に検討を加
えた構成が知られその装置の概略構成を図21に示す。
この構成では電子線を試料に照射し、試料の斜め上方に
設けられたX線検出素子と、X線検出素子と試料の間にX
線検出素子に入るX線の光路を制限するコリーメータを
有するX線検出器により、試料から発生するX線を検出す
る構成を取っていた。図23は図22に示したインレン
ズ型の電子顕微鏡におけるおける試料周りの様子を表す
概略拡大図である。対物レンズを構成する上側磁極70
7と下側磁極708に挟まれた空間に微小試料22が挿
入される。微小試料22はメッシュ26で保持され、こ
れを介して試料ホルダー706に取り付けられている。
電子線8が試料22に照射されると、X線401、2次
電子301、反射電子205が発生する。X線を検出し
て微小試料の元素分析を実施する場合、測定されるX線
がこのX線401のみであれば理想的である。しかしな
がら、現実には以下に述べるようにさまざまな原因によ
るX線が発生する。反射電子205の一部は上側磁極の
表面に衝突して試料とは関係のないエネルギーを持つX
線402を発生する。X線403,406は試料を透過
した電子線201、202が試料ホルダー706、下側
磁極708に衝突して発生したものである。X線407
は透過電子線202が下側磁極708で弾性散乱された
反射電子207が試料ホルダー706に衝突して発生し
たものである。X線405は下側磁極に透過電子202
が衝突して発生したX線が試料ホルダーに入射して発生
したものである。図示していないが、反射電子、透過電
子が試料の別の部分やメッシュに衝突して発生するX線
もある。これらのX線は背景X線と呼ばれ、試料に起因す
るものではないので、元素分析の精度を劣化させる要因
となる。図21に示すコリメータは上記の背景X線がX線
検出素子に入るのをなるべく低減するために設けたもの
である。背景X線を低減する別の手法の例は、「プリン
シプルズ オブ アナリティカルエレクトロン マイク
ロスコピー」デビッド シー ジョイ他編 131ペー
ジから135ページ 1986年 プレナムプレス ニ
ューヨーク(”Principles of Analytical Electron Mi
croscopy”, Edited by David C Joy et al., p.p. 131
-135, 1986, Plenum Press, New York)(公知例2)に
開示されている。この例では、図24に示したように上
下の磁極の表面に軽元素材料からなる電子線を透過させ
るための孔を有する板501,502を設置することに
より、試料からの反射電子、透過電子が直接Feを主成分
とする磁極に衝突していたのを、軽元素板に衝突するよ
うにしている。これにより磁極での反射電子数、特性X
線のエネルギー、連続X線量が低減できるので、結果と
して背景X線を低減できる。試料上の観測点以外の箇所
に反射電子および透過電子が衝突して発生する背景X線
を低減する方法が特開平8−261894(公知例3)
に開示されている。これは、試料のうち薄膜化した観測
面を作成する際に、薄膜化しない試料の側面に対し傾斜
するように観測面を形成し、観測面以外の試料部の表面
をカーボン膜で覆うように形成するものである。さら
に、カーボンで覆った試料台を用いる方法も知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた従来法には
次のような問題がある。公知例1の方法は、X線検出素
子と試料の間にコリメータを設置して試料以外から発生
するX線が検出素子に入らないようにする方法である
が、薄膜試料を用いた場合に試料を透過した透過電子線
が試料直下の試料台の部分に衝突して発生するX線に対
して有効ではないという問題があった。また、試料上の
電子線照射点のみからのX線に限定するために細長いコ
リメータを設置する方法では検出素子と試料の間の距離
を長くせざるを得なく、従って、検出立体角を大きく取
れないので検出効率が低下するという問題があった。ま
た、X線検出器を試料に対して正確に設置する必要があ
り、試料の位置がずれたりすると検出感度が低下すると
いう問題があった。公知例2に示した対物レンズの上下
磁極の表面を軽元素材料で覆う方法は透過型電子顕微鏡
のように電子線の加速電圧が高くまた100nm以下という
非常に薄い試料を用いた場合には試料を透過する電子線
の散乱が少ない場合には有効であるが、一般の走査型電
子顕微鏡や100nm以上の厚い試料では試料を透過した電
子線の散乱角が大きいので、試料台や磁極を覆った軽元
素材料以外の部分電子線が衝突して発生する背景X線が
大きくなる。このため、検出精度が低下するという問題
があった。
【0004】公知例3に示した微小試料の加工方法によ
っても上記したように散乱された電子が試料台や試料室
以外の部分に衝突して発生する背景X線について考慮さ
れておらず、信号と背景雑音の比が悪く、また、試料の
測定対象部以外からのX線が検出されてしまい測定精度
が低下してしまうという問題について十分考慮がなされ
ていなかった。試料に蒸着したカーボン膜を形成して、
該膜に散乱電子が衝突した場合に発生するX線はカーボ
ン膜がない場合に比べて、低減するが、その程度は十分
ではなかった。また、微小試料の一部にカーボン膜を形
成する方法は蒸着装置を必要とし、試料作成のたびに、
蒸着する必要があり、試料作成が複雑になる、また時間
を要するという問題があった。
【0005】試料台をカーボンで覆う方法では試料台を
構成する元素からの信号を低減できるが、塗布したカー
ボン膜からの特性X線、連続X線が検出され、信号雑音比
が大きく改善されないという問題があった。
【0006】以上、X線検出による元素分析についての
問題について述べてきたが、試料を透過して散乱した電
子が他の部分に衝突して発生した反射電子が再び試料の
測定箇所以外の部分に入射し2次電子を発生し、本来の
2次電子像とは異なるものにしてしまうという問題があ
った。
【0007】上述の問題点に鑑み、本願の目的は、対象
試料の内部断面を垂直断面観察できて、高分解能、高精
度、高スループットで観察・分析できる試料観察装置お
よび試料観察方法を提供すること、さらに大気暴露によ
る劣化無し、失敗無しで観察・分析できる試料観察装置
および試料観察方法提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上に述べたような目的
は、以下により達成される。
【0009】(1)電子源、電子ビームを集束するレン
ズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビーム光学系
と、試料を載置する試料台と、該電子ビームを該試料に
照射して該試料から発生する電子を検出する電子線検出
器とX線を検出するX線検出器のいずれか、または両方を
備える試料観察装置において、試料の背後に軽元素材料
を含み、かつ、孔を有する部材(吸収部材)を、試料台
に設置して、該電子ビームを照射して該試料を観察する
機能を有することを特徴とする試料観察装置。これによ
り、電子ビームが薄膜の試料を透過して試料以外の部材
に入射していたのを、軽元素材料からなる部材に入射す
るようになるので、発生する連続X線と後方散乱電子数
が低減できる。このため、試料に含まれている元素に対
応する特性X線スペクトルピークをバックグラウンドの
連続X線スペクトルに対し高い信号雑音比で検知でき、
また、電子ビームが試料を透過して他の部分に衝突して
発生する反射電子や、微小試料に再入射して、発生する
2次電子及び透過電子の影響を低減できるので、高精度
の2次電子及び反射電子の測定、高空間分解能観察が可
能となる。しかも試料を装置の外部に取り出すことが無
いため短時間で観察・分析できる試料観察装置を提供で
きる。
【0010】また、荷電粒子線照射時の原子特性X線検
出による元素分析において、微小試料を薄膜化すること
で、荷電粒子線の試料への侵入によるX線発生領域拡大
を回避でき、また、軽元素材料からなる部材を挿入し、
対象試料を透過した電子線が該微小試料以外の個所で入
射して発生するX線や該個所から後方に散乱された電子
が対象試料に再入射して発生するX線の影響を低減でき
るので高空間分解能元素分析が可能となる。
【0011】これにより、対象試料の内部断面を高分解
能かつ高精度かつ短時間で観察・分析できる試料観察装
置を提供できる。 (2)イオン源、イオンビームを集束するレンズ、イオ
ンビーム走査偏向器を備える集束イオンビーム光学系
と、電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビーム
走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載置す
る試料台を備える試料観察装置において、該集束イオン
ビームを用いて該試料から第2の試料を分離する機能
と、該第2の試料を摘出するためのマニピュレータと電
子ビームを該微小試料に照射して該試料から発生する電
子を検出する電子線検出器とX線を検出するX線検出器の
いずれか、または両方を具備し、摘出された該第2の試
料の背後に軽元素材料を含み、かつ、孔を有する部材
(吸収部材)を、該試料台または該試料台と該第2の試
料の間に設置して、該第2の試料を電子ビームで観察す
る機能を有することを特徴とする試料観察装置とする。
【0012】これにより、上記したように、高空間分解
能で、高精度な観察が可能になるばかりでなく、試料を
装置の外部に取り出すことが無いため短時間で観察・分
析できる試料観察装置を提供できる。 (3)導入試料から分離した第2の試料を摘出するため
のマニピュレータは、該マニピュレータを該試料台と独
立に駆動させるマニピュレータ制御装置とを具備し、該
第2の試料を前記マニピュレータで支持した状態で、観
察用荷電粒子ビームの該第2の試料への照射角度可変機
能を有することを特徴とする試料観察装置とする。
【0013】これにより、観察したい箇所を含む試料を
マニピュレータに接着したままで、該試料を走査電子顕
微光学系もしくは集束イオンビーム光学系に対し位置を
移動できるため、観察分解能がより高くなる位置に微小
試料を配置することができる。また対象試料の内部断面
観察方向を自由に選択することができる。このため断面
を垂直に観察すれば、エッチングや平坦化の形状寸法や
埋め込み状況、膜厚等を高分解能で観察でき、高精度な
計測・評価ができる試料観察装置を提供できる。しかも
試料を装置の外部に取り出すことが無いため短時間で観
察・分析できる試料観察装置を提供できる。 (4)軽元素部材を先端に有する第2のマニピュレータ
により、第1のマニピュレータに摘出された該観察試料
の背後空間、すなわち、該観測用荷電粒子ビームを発生
する装置に対して反対の空間に該軽元素部材を挿入する
方法であることを特徴とする試料観測装置とする。
【0014】これにより、該試料を透過した電子ビーム
が該試料以外の個所で入射して発生する後方散乱電子の
影響を低減できるため高分解能観察ができ、しかも試料
を装置の外部に取り出すことが無いため短時間で観察・
分析できる試料観察装置を提供できる。また、荷電粒子
線照射時の原子特性X線検出による元素分析において、
微小試料を薄膜化することで、荷電粒子線の試料への侵
入によるX線発生領域拡大を回避でき、また、軽元素材
料からなる部材を挿入し、対象試料を透過した電子線が
該微小試料以外の個所で入射して発生するX線や該個所
から後方に散乱された電子が対象試料に再入射して発生
するX線の影響を低減できるので高分解能元素分析が可
能となる。 (5)導入試料から摘出した観察試料を載置して、請求
項1記載の試料台に請求項1記載の軽元素部材を有する
第2の試料台を具備することを特徴とする請求項2記載
の試料観察装置とする。
【0015】これによっても、上記した理由により高分
解能観察ができ、短時間で観察・分析できる試料観察装
置を提供できる。また、摘出した試料を第2の試料台の
一部に接触させて固定することにより、試料観察におけ
る振動の問題を回避できる。 (6)試料から摘出した観察対象箇所を含む試料を載置
して、請求項1記載の試料台とは独立に駆動し、観測用
荷電ビームの該試料への照射位置、角度を可変できる機
能と、請求項1記載の軽元素部材を有する第3の試料台
を具備することを特徴とする請求項2記載の試料観察装
置とする。
【0016】これにより、試料の対象内部断面を高分解
能かつ短時間で観察、分析できる試料観察装置を提供で
きる。また、摘出した試料をマニピュレータから切り離
して、ひとつのマニピュレータで複数の試料を第2の試
料台に固定することが可能となることで、断面観察と元
素分析の時間を短縮することができる。また、マニピュ
レータから切り離して試料を第2の試料台に固定するの
で、試料観察における振動の問題を回避できる。 (7)請求項1および請求項2記載の吸収部材が孔を有
し、試料の直後に設置され、試料と孔の上面までの距離
と孔の直径の比が1/5以下であることを特徴とする試
料観察装置。これにより、該試料を透過した電子線が該
軽元素部材の孔に入射し、入射した電子は孔の側面及び
底面に衝突する。側面に衝突して電子の大部分が孔底の
方向に散乱されるので、再び表面に戻ってくる電子を大
幅に低減できる。また、試料を透過して孔に入射し、孔
の内面で衝突することによって発生するX線は該軽元素
部材を通過してX線検出器に到着し、通過する際に減衰
するために、孔内で発生するX線の影響を低減できる。
このため、高精度高分解能で観察できる試料観察装置を
提供できる。 (8)上記の孔を有する吸収部材が重元素材料で覆われ
ていることを特徴とする試料観察装置とする。これによ
り、試料を透過して孔の内面に衝突して発生するX線が
軽元素材料からなる吸収部材で減衰を受け、さらに吸収
部材の外側を覆っているより減衰能力の大きい重元素材
料により減衰されるため、X線検出器で検出される孔内
で発生したX線を大幅に低減できる。このため、高精度
高分解能で観察できる試料観察装置を提供できる。 (9)該軽元素部材が炭素、または、ベリリウム、また
は、炭素とベリリウムの複合物からなることを特徴とす
る試料観察装置とする。一般にある元素からなる物質に
電子が衝突すると、物質の元素に特有な特性X線呼ばれ
るX線および制動輻射による連続X線が発生する。このう
ち特性X線はスペクトルピークとして観測され、このピ
ークの存在によりその元素が試料内に含まれているとい
う情報が得られるのであるから、このようなピークとな
るX線はなるべく試料の観察対象部以外からは発生しな
いことが望ましい。前記したように本発明では薄膜試料
を透過した電子線は薄膜試料の直後に配置した軽元素材
料からなる部材の孔に入射して孔の内部でX線を発生す
るようになっている。X線のエネルギーが小さいほどX線
は物質により吸収されて減衰を受けやすい。このため、
特にベリリウムまたは炭素で構成すると著しく背景X線
を低減できる。また、ベリリウムのK線のエネルギーは1
10eVで、通常の半導体検出器では検出されないX線であ
るので都合がよい。さらに、シリコンを主成分とするウ
エハや、試料保持部を構成する金属材料からなる部分に
衝突した場合と比較して、試料を透過した電子線の衝突
によりベリリウムまたは炭素からなる物質から発生する
連続X線は5分の1以下にでき、また、反射電子の数も
低減できる。これにより、高分解能かつ高精度で観察で
きる試料観察装置を提供できる。 (10)該軽元素部材の厚さが電子ビームの進入深さよ
り厚いことを特徴とする試料観察装置とする。これによ
り、該試料を透過してきた電子線が該軽元素部材を透過
することなく該軽元素部材で吸収されるので、高分解能
かつ高精度で観察できる試料観察装置を提供できる。 (11)該軽元素部材が接地されていることを特徴とす
る試料観察装置とする。これにより、該軽元素部材が帯
電することがないので、高分解能かつ高精度で観察でき
る試料観察装置を提供できる。 (12)電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビ
ーム走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載
置する試料台と、該電子ビームを該試料に照射して該試
料から発生する電子およびX線を検出する検出器を備え
る試料観察装置において、試料の背後に少なくとも軽元
素材料を含む部材(吸収部材)を設置して、該電子ビー
ムを照射して該試料を観察する機能を有することを特徴
とする試料観察方法とする。これにより、該試料を透過
した電子ビームが該試料以外の個所で入射して発生する
後方散乱電子およびX線の影響を低減できるため、高精
度かつ高感度で観察・分析できる試料観察方法を提供で
きる。 (12)イオン源、イオンビームを集束するレンズ、イ
オンビーム走査偏向器を備える集束イオンビーム光学系
と、電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビーム
走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載置す
る試料台を備える試料観察装置において、該集束イオン
ビームを用いて該試料から第2の試料を分離する機能
と、該第2の試料を摘出するためのマニピュレータと電
子ビームを該微小試料に照射して該第2試料から発生す
る電子およびX線を検出する検出器を具備し、摘出され
た該第2の試料の背後に少なくとも軽元素材料を含む部
材(吸収部材)を設置して、該第2の試料を電子ビーム
で観察する機能を有することを特徴とする試料観察方法
とする。これにより、摘出した試料を大気に取り出すこ
とがなく、また、摘出した試料の観察対象面を観察する
ためのビームに対して自由に設定でき、試料を透過した
電子が試料以外の部材に衝突して発生する後方散乱電子
およびX線の影響を低減できる。このため、試料の内部
断面を高分解能かつ短時間で観察・分析できる試料観察
方法を提供できる。特に、半導体ウェーハに適用するこ
とにより、半導体製造プロセス検査に活用でき、デバイ
ス不良の早期発見および短時間品質管理により製造歩留
まりの向上に貢献する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態である試料観察
装置の構成及びその動作を説明する。 <実施の形態1>第1の実施例の装置構成と動作を図
1、図2、図3、図4、図5および図6を用いて説明す
る。図1、図2は装置全体構成を、図3は集束イオビー
ム光学系、走査電子顕微鏡光学系および試料台周辺の構
成を詳細に示す。なお、本実施の形態では、本発明の試
料観察装置のうちウェーハ対応装置を示す。また、図3
は、図1の概略俯瞰断面を表しているが、説明の都合
上、機器の向きや詳細には幾分の相違があるが本質的差
ではない。図1において、装置システムの中心部には集
束イオンビーム光学系31と電子ビーム光学系41が真
空試料室60の上部に適宜設置されている。真空試料室
60の内部には試料となるウェーハ21を載置する試料
台24が設置されている。2鏡筒の光学系31及び41
は各々の中心軸がウェーハ21表面付近で一点に交わる
ように調整されている。試料台24にはウェーハ21を
前後左右に高精度で移動する機構を内蔵しており、ウェ
ーハ21上の指定箇所が集束イオンビーム光学系31の
真下に来るように制御される。試料台24は、さらに、
回転、上下、あるいは傾斜する機能を有する。真空試料
室60には図示を省略した排気装置が接続され適切な圧
力に制御されている。尚、光学系31、41にも図示を
省略した排気系を個別に備え適切な圧力に維持してい
る。真空試料室60内にはウェーハ導入手段61、ウェ
ーハ搬送手段62を有する。真空試料室60に隣接して
ウェーハ移載ロボット82、カセット導入手段81が配
置されている。真空試料室60の左隣には試料加工観察
評価を含む装置全体の一連の処理を制御管理する操作制
御部100を配備している。
【0018】次に、本実施形態のウェーハ導入操作を概
説する。ウェーハカセット23がカセット導入手段81
のテーブルに置かれ、作業開始指令が操作制御卓100
から発せられると、ウェーハ搬送ロボット82がカセッ
ト内の指定されたスロットから試料となるウェーハを引
き出し、図2に示すオリエンテーション調整手段83で
ウェーハ21の向きを所定の位置に調整される。次に、
ウェーハ21はウェーハ搬送ロボット82によりウェー
ハ導入手段61上部のハッチ64が開かれた時点でウェ
ーハを載置台63に乗せられる。ハッチ64を閉じる
と、ウェーハ周囲に狭い空間が形成されロードロック室
となり、図示を省略した真空排気手段で排気した後、載
置台63を下降する。次いで、ウェーハ搬送手段62が
載置台63のウェーハ21を取り上げ、真空試料室60
内の試料台24に載置する。尚、試料台24にはウェー
ハ21の反り矯正や振動防止のためウェーハ21をチャ
ックする手段を必要に応じて設ける。入力されたウェー
ハ21上の観察分析位置の座標値情報をもとに操作制御
部100により、試料台24を動かしウェーハ21の観
察分析位置を収束イオンビー部光学系31の直下に合わ
せて停止する。
【0019】次に、図3を用いて試料加工観察評価の過
程を説明する。本発明の試料観察装置では、集束イオビ
ーム光学系31は、イオン源1、イオン源1から放出す
るイオンビームを集束するレンズ2、イオンビーム走査
偏向器3等で構成され、また、電子ビーム光学系41
は、電子銃7、前記電子銃7から放出する電子ビーム8
を集束する電子レンズ9、電子ビーム走査偏向器10で
構成される。その他に、集束イオンビーム(FIB)4また
は電子ビーム8をウェーハ21に照射してウェーハから
の二次粒子を検出するための二次粒子検出器6、ウェー
ハ21を載せる可動の試料台24、所望の試料位置を特
定するため試料台の位置を制御する試料台制御装置2
5、マニピュレータ70先端のプローブ72を微小試料
の摘出位置に移動し、摘出し、集束イオンビーム(FIB)
4または電子ビーム8を照射して微小試料の特定位置を
観察評価する上で最適な位置や方向を制御するためのマ
ニピュレータ制御装置15と電子ビーム8の照射時に励
起されるX線検出のためのX線検出器16と、微小試料
をプローブ72に固定するための堆積ガス供給装置17
と、先端に軽元素材料からなる部材56を有する軽元素
部材挿入装置55を備えている。軽元素部材56の大き
さは長さ5mm幅2mm厚さ2.5mmである。軽元素部材56は
図7に示すように孔57を有している。孔の直径は1mm
で深さ2mmである。
【0020】次に、本実施形態で、ウェーハ導入後の試
料加工観察評価の過程を概説する。まず、試料台を下げ
てプローブ72の先端をウェーハ21から離した状態
で、試料台24に対して水平方向(XY方向)にプロー
ブ72を移動し、プローブ72の先端をFIB4の走査領
域に設定する。マニピュレータ制御装置15は位置座標
を保存した後、プローブ72を退避する。
【0021】集束イオンビーム光学系31からFIB4を
ウェーハ21に照射して、図4に示すように観察分析位
置p2を横切ってコの字を描くように溝を形成する。加
工領域は、長さ約5μm、幅約1μm、深さ約3μmで
あり、片方側面でウェーハ21と接続している。その
後、試料台24を傾斜させ、FIB4で三角柱の斜面を形
成するように加工する。ただし、この状態では、微小試
料22とウェーハ21とは支持部S2で接続されてい
る。次に、試料台24傾斜を戻した後、微小試料22
に、マニピュレータ70先端のプローブ72を微小試料
22の端部に接触させた後に、堆積ガス供給装置17
(図3)により接触点33に照射し、FIB4の照射によ
り接触点33に堆積膜を形成して、プローブ72を微小
試料22に接合し一体化する。次に、支持部S2をFIB
4で切断して微小試料22を切り取る。微小試料22は
プローブ72に支持された状態になり、観察・分析を目
的とする表面及び内部断面が微小試料22の観察分析面
p3として取り出す準備が完了する。図4中で71はマ
ニピュレータ70にプローブ72を保持するプローブ保
持部である。次に、図5の(b)に示すように、マニピュ
レータ70を操作して微小試料22をウェーハ21表面
から上の高さまで持ち上げる。尚、図5の(c)に示すよ
うに、必要に応じてプローブ72に支持された状態で微
小試料22にFIB4を照射して適切に追加工して所望の
厚さを持つ観察断面p3を形成する。
【0022】次に、図6に示すように、微小試料22を
回転させて、電子ビーム光学系41の電子ビーム8が観
察断面p3へ概略垂直に入射するようにマニピュレータ
70を動かして微小試料22の姿勢を制御した後静止さ
せる。次に、図6に示すように電子ビーム8が入射する
面とは反対側の空間に軽元素部材挿入装置55により炭
素からなる軽元素部材56マニピュレータ70の先端の
プローブ72と試料台24との間の位置に相対的に移動
し挿入する。このとき軽元素部材に設けた孔の上面の中
心付近に試料が位置するようにする。微小試料22から
孔の上面までの距離は約0.1mmになるように設置する。
【0023】電子ビーム8が微小試料22に入射すると
微小試料22の表面から内部構造および表面形状を反映
した2次電子301が発生するとともに、入射部分の元
素組成に特有な特性X線を含むX線401が発生する。
X線401を検出し、そのエネルギー分布を分析するこ
とにより電子ビームが照射される部分の元素組成を知る
ことができる(スポット元素分析)。電子ビーム8を微
小試料22の観測分析面を一方向または2次元方向に走
査し、この2次電子、およびX線をそれぞれ2次電子検
出器6、X線検出器16で検出することにより観測分析
面の形状及び、元素組成分布(元素ライン分析またはマ
ッピング分析)を観察する。
【0024】図8は本実施例における軽元素部材56の
効果を説明する図で、図8(a)は従来の観測法、図8(b)
は軽元素部材が挿入されていない微小試料を観測する場
合、図8(c)、(d)は本発明の軽元素部材56を挿入し
た場合を示す。
【0025】以下の説明では電子ビーム8の加速電圧が
15kVで、試料21がシリコンウエハで、試料21お
よび微小試料22の主成分がシリコンで、電子ビーム8
の入射方向に沿った微小試料22の厚さが0.1μmであ
る場合について述べる。電子ビーム8が微小試料22に
入射すると約95%の電子が微小試料22を透過する。
透過した電子の一例を図8(b)、(c)、(d)中の201
で示した。透過する電子の広がり角は全角で約40度で
ある。図に示した透過電子201はその一例を表したも
のであり、透過した電子がすべてこの軌道を通るわけで
はない。
【0026】図8(b)に示した軽元素部材が挿入されて
いない場合には、微小試料22を透過した電子201は
試料であるシリコンウエハ21に入射する。入射した電
子201はシリコンウエハ内で散乱され、再びシリコン
ウエハ表面から飛び出してくる電子205がある。この
電子を後方散乱電子と呼ぶ。この過程で、シリコンウエ
ハの表面から2次電子303、X線403が発生する。
垂直入射(入射角0度)で約20%、60度入射で40%の入
射電子が後方に散乱される。後方散乱された電子205
は再び微小試料22に入射し、電子ビーム8の入射点と
は別の個所で2次電子304、X線404を発生する。
【0027】図6に示した2次電子検出器6は測定試料
だけでなくその近傍から出た2次電子をほとんどすべて
検出するようになっているので、微小試料表面で発生し
た2次電子301以外に透過電子により発生した2次電
子303、後方散乱電子により発生した2次電子304
も検出される。高分解能観察ではこのような2次電子は
なるべく少ないほうが好ましい。次に、X線検出につい
て述べる。図6には一般的な半導体X線検出器16示し
た。電子ビーム8の微小試料上の照射点とX線検出素子
161の検出面で構成される円錐の側面の一部に沿った
内面を持つコリメータ162がX線検出器の先端に取り
付けられている。しかしながら、図中に示した2本の点
線で挟まれた空間で発生したX線も検出される。したが
って、図8(b)で示した微小試料22の電子ビーム8の
照射点以外で発生したX線403,404も検出してし
まう。このため、観察対象の微小試料からの信号だけで
はなく、微小試料の下にある導入試料であるシリコンウ
エハからの信号が検出されてしまい、実際に測定した結
果でもシリコンウエハに直接電子線を照射した場合とほ
ぼ同じX線スペクトルとなる。しかも、微小試料も導入
試料も母材はシリコンであり、X線スペクトルには微小
試料からのSiの特性X線と導入試料からのSiの特性X線が
重なった状態で現れる。両成分の分離は不可能であっ
た。このため、この構成では微小試料元素組成を精度良
く、高感度で測定することが不可能であった。
【0028】図8(c)に示した微小試料22と試料21
の間に孔を持たない表面が平坦な軽元素部材56を挿入
する方法では、微小試料22を透過した電子は炭素から
なる軽元素部材56に入射する。炭素からなる物質では
シリコンからなる物質よりも後方散乱の割合が少なく、
垂直入射(入射角0度)で約6%、60度入射で27%の割合
で、導入試料であるシリコンウエハと比較して後方散乱
の割合を1/3以下になった。
【0029】微小試料を透過した電子201により炭素
部材からは炭素原子に特有な特性X線403が発生す
る。X線検出素子で検出した信号はX線エネルギーごとに
弁別するので、微小試料のシリコンからのX線と区別す
ることができる。また、炭素部材で後方散乱される電子
の数をシリコンウエハで後方散乱される電子の数より少
なくできるので、後方散乱電子205が微小試料22に
戻って発生する2次電子304、X線404も少なくでき
る。ただし、炭素部材で発生した制動輻射による連続X
線はシリコンウエハから発生する連続X線と積分強度で
は1/5程度になるもののSiの特性X線ピークの現れる1
から3keVのエネルギー領域の連続X線(背景)強度はほ
とんど低減できなかった。このためこのエネルギー範囲
にある特性X線を発生する元素の感度を向上させること
ができなかった。
【0030】図8(d)に示した本発明の特徴である、微
小試料22と試料21の間に孔を設けた軽元素部材56
を挿入する方法では、微小試料22を透過した電子のほ
とんどが炭素からなる軽元素部材56の孔57に入射す
る。
【0031】透過した電子201が孔57の側面および
底面に衝突すると上記と同様に反射電子403またはX
線303が発生する。反射電子は入射電子に対して反射
の関係にある方向に放射されるものが多い。従って、反
射電子は孔内で吸収されるものが多く、再び孔から出て
くるものが少なくなる。従って、微小試料22に再入射
する反射電子は図8(c)と比較しても非常に少なくな
る。加速電圧15kVの電子線を炭素からなる軽元素部
材に照射した場合、電子線の進入深さは2.6μmである。
本実施例では孔の底の厚さは0.2mmあるので、電子線は
炭素部材を突き抜ける事は無い。また、孔内で発生した
X線303は軽元素材部56の側部で吸収されるものが
あり、X線検出器に到達するX線は低減される。このた
め、微小試料の観察対象以外で発生するX線が検出され
ることが低減される。また、炭素部材の帯電を防ぐため
に、炭素部材は接地されている。結果として、背景雑音
が少なくなり高精度、信号雑音比の高い元素分析が可能
となる。このため、微小試料22の高分解能かつ高精度
な観察が可能となる。
【0032】図25は上記の本発明の効果を示すX線ス
ペクトルである。効果を明確にするために、Siウエハの
代わりにAl板を設置し、微小試料としては、Siウエハー
から取り出した試料で、厚さを0.15ミクロンに薄膜化し
た微小試料を用いた。加速電圧25kV、ビーム電流約
1nA の電子線を微小試料に照射して発生するX線を100秒
間蓄積して得た結果である。
【0033】点線で示した曲線は図8(b)に対応するス
ペクトルで、連続X線信号の上に4個の特性X線ピークが
観測されている。微小試料の母材であるSiに帰属する特
性X線ピーク以外に微小試料の下側にあるAl板からの大
きなAl特性X線ピークがスペクトルに現れている。これ
らの2つのピーク以外に、酸素と炭素元素に相当する特
性X線ピークが現れている。これは微小試料及びAl板の
酸化膜及び表面に付着したハイドロカーボンを反映した
ものと考えられる。連続X線の量は、Si単独の場合のSi
の特性X線ピークと連続X線の比よりも大きくAl板からの
連続X線が重なっていると考えられる。このように図8
(b)に示す構成では下地のAl板からの大きなAl特性X線ピ
ークと連続X線が重なり、微小試料のSiからの特性X線ピ
ークの信号雑音比が悪くなっていることが判る。下地が
Siウエハの場合には微小試料からのSiピークと下地から
のSiピークが重なってしまい、分離できなくなってしま
う。
【0034】次に、細い実線で示した曲線L2は図8(c)
に対応するスペクトルで、Siを母材とする微小試料とAl
板の間に炭素板を挿入した場合に得られたものである。
炭素板を挿入することにより、Al板からのAlのピークは
ほとんど観測されなくなる代わりに、炭素のピークが大
きくなることが観測された。これは微小試料を透過し
て、Al板に衝突していた電子が炭素板に衝突して炭素の
特性X線ピークが大きくなる。このようにこの実験条件
では微小試料に照射した電子のほとんどが微小試料を透
過していることが理解される。一方、連続X線の信号の
総量は小さくなっているが、Siの特性X線のエネルギー
では炭素板を挿入する前と比較して大きく異なっていな
い。このため、Siのピークは孤立ピークになり判別が容
易になったが、連続X線に対する比(信号雑音比)はあま
り改善されていない。
【0035】次に、太い実線で示した曲線L3は図8(c)
に対応するスペクトルで、Siを母材とする微小試料とAl
板の間に孔を有する炭素板を挿入した場合に得られたも
のある。孔の直径は1mm、深さは2mmであった。孔は貫通
しておらず、孔底の厚さは0.5mmであった。微小試料の
0.1mm下に孔の開口面のほぼ中心が来るように設置し
た。連続X線が大幅に減少すると共に、炭素の特性X線も
減少することが確認できた。これにより、Siの特性X線
ピークが高感度で検出することが実現できた。
【0036】図8(a)はウエハー最表面など微小試料で
はなく厚い試料をを観察する場合の2次電子の発生状況
を示したものである。ウエハー最表面に入射した電子ビ
ーム8はウエハ内部で散乱を受け半径で約1μmの領域
211に拡散し、一部はウエハ内で吸収され、一部は後
方散乱される。上記拡散領域で最表面から数nm深さの間
で発生した2次電子のみが表面から発生し、2次粒子検
出器により検出される。すなわち、検出される2次電子
は電子ビーム8の照射点からの2次電子301と後方散
乱電子による2次電子302の和となる。X線は物質中
の透過力が強いために、上記拡散領域で発生したX線4
02はウエハ表面に達する。このため、上記の測定条件
ではX線による元素分析の空間分解能は数μmである。ま
た、1μm以下の領域に存在する母材の元素とは異なる元
素を検出しようとした場合、数μmに広がった部分から
のX線を含んでしまうので、信号雑音比が低下してしま
い高感度な検出が困難となる。
【0037】一方、本実施の形態では、微小試料の厚さ
を0.1μm程度に薄く加工してあるので、電子ビーム8
の微小試料中ではその厚さ程度にしか拡散せず、また微
小試料中で後方散乱する電子も少ない。従って、2次電
子は照射点で発生するものの比重が大きくなり、高分解
能観察が可能となる。また、X線の発生領域も電子線の
拡散領域に限られるので、X線検出による2次元元素分
析の空間分解能を0.1μmと飛躍的に向上できる。
【0038】さらに、観察分析面p3の角度を望ましい
角度に調整できるので、2次電子検出器6での2次電子
の検出効率はウェーハ最表面を観察する場合と同程度に
なり、微小試料22の観察分析面p3の観察条件は非常
に良好なものになり、従来例で問題であった分解能の低
下を回避でき、しかも、より綿密な観察分析ができるよ
うになる。また、微小試料22を、装置の外部に取り出
すことなく、真空雰囲気の試料室内に置いたまま、観察
・分析するため、対象試料の内部断面を室内大気暴露に
よる汚染や異物付着無しに、高分解能、高精度、最適角
度での観察・分析が実現可能となる。しかも1時間当た
り2〜3ヶ所以上の高い処理能力での観察・分析が可能
となる。
【0039】本実施の形態では、垂直に加工した孔を利
用した例を示したが、入射した電子が再放出されること
がない構造であれば、どのような形状の孔でも本発明が
適用されることは自明である。
【0040】但し、プローブ72で宙吊り状態となった
微小試料22は振動の影響を受け易いので、高倍率や振
動の多い設置環境下で観察・分析する場合には、図9に
示したように微小試料22を、軽元素部材56へ着地さ
せることにより微小試料の振動を大幅に抑えることがで
き、良質の観察・分析が可能となる。
【0041】以上、シリコンウエハ内の断面P3の観察
について述べてきたが、シリコン表面の一部P2を観察
する場合には図10に示すように観察分析面P2を電子
ビーム8で走査すれば良い。この場合、面P2方向に反
対側を薄く製膜する。従来、図7(a)に示す方法でシリ
コンウエハ表面を2次電子像観察によりシリコンウエハ
の表面に異物が観察された場合、その組成をX線観察に
より調べようとすると異物の厚さが薄いためにシリコン
ウエハ基板からのX線信号に埋もれてしまい、組成分析
ができないことがあった。本実施例では薄く製膜した微
小試料を観測するので、表面異物の下地からの信号が減
少し、表面異物の組成に対する感度を一桁向上すること
が可能となる。
【0042】また、軽元素部材の材質として炭素の場合
について述べたが、ベリリウムや、ベリリウムと炭素の
複合物でもよい。ベリリウムを用いたときは微小試料を
突き抜けてくる電子がベリリウムに衝突して発生するX
線はベリリウム固有のエネルギーを持つが、現状のX線
検出器では検出可能なエネルギー範囲より小さいので、
X線スペクトルに現れないという利点がある。また、炭
素とベリリウムの複合物を用いたときには、軽元素部材
の位置を調整して、微小試料を透過した電子線が軽元素
部材の炭素の部分に入射する場合とベリリウムに入射す
る場合の2つのスペクトルを観測することにより、スペ
クトルに現れる炭素のピークの発生要因、すなわち、微
小試料からのものか、軽元素部材からのものかを分析で
きる。
【0043】軽元素部材にあけた孔は本実施例において
は円柱状の孔を用いたが、円柱状であることは本質では
なく、微小試料を透過した電子線が孔に入ることが本質
なので、孔の形状については特に限定するものではな
い。これらを纏めると、電子源、電子ビームを集束する
レンズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビーム光学
系と、試料を載置する試料台と、該電子ビームを該試料
に照射して該試料から発生する電子およびX線を検出す
る検出器を備える試料観察装置において、試料の背後に
少なくとも軽元素材料を含む部材(吸収部材)を設置し
て、該電子ビームを照射して該試料を観察するする試料
観察方法にある。又、イオン源、イオンビームを集束す
るレンズ、イオンビーム走査偏向器を備える集束イオン
ビーム光学系と、電子源、電子ビームを集束するレン
ズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビーム光学系
と、試料を載置する試料台を備える試料観察装置におい
て、該集束イオンビームを用いて該試料から第2の試料
を分離する機能と、該第2の試料を摘出するためのマニ
ピュレータと電子ビームを該微小試料に照射して該第2
試料から発生する電子およびX線を検出する検出器を具
備し、摘出された該第2の試料の背後に少なくとも軽元
素材料を含む部材(吸収部材)を設置して、該第2の試
料を電子ビームで観察する試料観察方法にもある。 <実施の形態2>本発明の第2の実施例である試料観察
装置の概略構成を図11、図12により説明する。本実
施例では、図3に示した試料観察装置の基本構成に、第
2のマニピュレータ55の先端に備えた軽元素部材のか
わりに、図11に示した試料台24に埋め込んだ炭素か
らなる軽元素部材56を用いる。試料台24は試料21
を搭載する面とその面より5mm程度低い面を有し、低い
面に軽元素部材56を設置してある。図22は軽元素部
材56を含む主要部の詳細断面図である。軽元素部材5
5は中心部に微小試料22を観測するための電子ビーム
の照射する方向に孔57を有している。孔57の直径は
1mm、深さは2mmである。軽元素部材57はX線検出器
16の方向に盛り上がった部分を有し、その部分に孔5
7の上側中心部に伸びた炭素板500が固定されてい
る。試料21から集束イオンビームにより摘出し、必要
に応じて加工した微小試料22をマニピュレータと試料
台24の移動により孔57の入り口中心部に移動する。
プローブ72に保持された試料を炭素板500の先端に
接触して観測する。接触により観測時の微小試料の振動
による影響を低減できる。
【0044】炭素板500の上面はコリメータ162に
より制限されるX線検出角409の下の境界線と一致す
るように配置されている。このため、電子ビーム8が微
小試料22を透過し拡散を受けて孔57の内面に衝突し
て発生したX線の一部は厚い軽元素部材およびその外周
の金属部材で吸収される。これにより観測されるX線ス
ペクトルは背景雑音が少ないものになり、高精度かつ高
感度な元素分析が可能となる。
【0045】さらに、本実施例では、試料を設置する位
置と微小試料を軽元素部材56に移動して観測する位置
の高さが異なっている。このため、電子光学系41から
の距離(ワーキングディスタンス)を長くすることがで
き、高加速電圧にしても電子ビームを細く絞ることがで
きる。本例では15kVの加速電圧で観測することが可
能となっている。これにより低加速電圧の電子ビーム照
射ではX線ピークが重なって弁別できない元素の検出が
容易となる。また、高加速電圧の電子線は微小試料内で
の散乱が小さく、拡散しないので、高い空間分解能で微
小試料の元素分布観測が可能になる。本実施例ではひと
つの軽元素部材56を設置した例を示したが、複数個の
軽元素部材を試料21の周辺に配置してもよい。この場
合には、試料21内の微小試料を摘出した部分に一番近
い軽元素部材に微小試料を移動させることにより、より
短時間で観測を開始することが可能となる。
【0046】以上に述べたように、本実施例では、観察
分析の角度を、垂直観察を含めた望ましい角度に調整で
きること、真空雰囲気の試料室内に置いたまま観察でき
ること、微小試料を軽元素部材に固定することで、微小
試料観測における振動の問題を回避できる、背景雑音の
小さいX線スペクトルが得られる、高い加速電圧の電子
ビームを用いることが可能となる、等により、微小試料
22の観察条件は非常に良好になる。これにより、従来
問題であった分解能の低下を回避でき、しかも最適、綿
密な観察分析を迅速で高効率に行うことができる。結果
として高品質な観察分析を高スループットで実行でき
る。 <実施の形態3>本発明の第3の実施例である試料観察
装置の概略構成を図13により説明する。本実施例で
は、図3に示した試料観察装置の基本構成に、軽元素部
材を先端に有する第2のマニピュレータ55がないかわ
りに、第3の試料台18と、第3の試料台の角度や高さ
等を制御する第2試料台制御装置19を加えたものであ
る。本実施例における集束イオンビーム光学系31から
イオンビームを試料に照射してウェーハから微小試料を
摘出するまでの過程は第1実施例と同様である。本実施
例は、摘出した微小試料を、マニピュレータで支持した
状態で観察・分析する代わりに、第3の試料台に固定し
観察・分析を行うものである。図14は、第3の試料台
18に微小試料22を固定した状態を示す。本実施例で
は、第3試料台18の微小試料固定部分の背面に炭素か
らなる軽元素部材56を設置してある。微小試料22の
観察面が軽元素部材56の反対側になるように、微小試
料の底面を第3試料台18に接触して、FIB4で堆積性
ガスを第3試料台18と微小試料22の接触点に堆積さ
せたイオンアシストデポ膜75で第3試料台18への微
小試料22を固定する。なお、微小試料22作成時や、
該堆積性ガスを堆積させた時などに、観察断面21の表
面への異物吸着や観察断面21の表面が破壊される不都
合を予防するために、FIB4の照射角を微小試料の観察
断面に平行になるように第3試料台操作で適切に角度設
定した後、FIB4を照射して所望の観察断面21を作成
することもできる。電子ビームは軽元素部材56とは反
対側から照射して断面観察することになる。図15に示
す第3試料台を設置することにより複数の微小試料をま
とめて扱うこともできる。ウェーハ21から微小試料2
2を摘出し、試料台脇の第3試料台18の適所へ固定
し、次の微小試料22を摘出する操作を繰り返すことに
より、ウェーハ21を試料台24に固定したまま複数個
の断面観察と元素分析が可能であり、ウェーハ21全体
に亘る断面構造の分布を効率的に調べることができる。
図15において、第3試料台18に微小試料を数個並べ
て固定し、電子ビーム8に対して微小試料22が適切な
角度になるように試料台24の停止方位と第2試料台1
8の角度を併せ調整した状態で試料観察・分析を行え
ば、複数個の微小試料を連続的あるいは比較しながら繰
り返し観察分析できるので、ウェーハ21全体に亘って
断面構造や元素分布を詳細かつ能率的に調べることがで
きる。
【0047】以上に述べたように、本実施例も、ウェー
ハ表面を観察する場合と同程度の二次電子検出効率が得
られること、観察分析の角度を、垂直観察を含めた望ま
しい角度に調整できること、真空雰囲気の試料室内に置
いたまま観察できること、マニュピレータから切り離し
て微小試料を第2の試料台に固定することで、微小試料
観測における振動の問題を回避できる、等により、微小
試料22の観察条件は非常に良好になるの。これによ
り、従来問題であった分解能の低下を回避でき、しかも
最適、綿密な観察分析を迅速で高効率に行うことができ
る。結果として高品質な観察分析を高スループットで実
行できる。
【0048】本実施例では、第1のマニピュレータで摘
出した微小試料を第3の試料台に固定して観察する方
法、形態を示したが摘出した微小試料を第1のマニピュ
レータに固定した状態で、その下側に第3の試料台が来
るようにして、第1のマニピュレータ(第1の保持器)に
より微小試料の向きを適宜調整して観察しても本発明が
適用されることは自明である。また、このときに、微小
試料が第2の試料台から離れているか、接触しているか
は本質的な問題ではなくどちらでも構わない。 <実施の形態4>本発明の第4の実施例である試料観察
装置の概略構成を図16、図17により説明する。本実
施例では、図3に示した試料観察装置の基本構成に、第
2のマニピュレータ(第2の保持器)55の先端に備えた
軽元素部材のかわりに、図17に示した第3試料台58
を用いる。第3試料台58は、炭素からなる軽元素部材
56を備え、試料台保持棒59を介して第2のマニピュ
レータ55の先端に取り付けられている。試料台保持棒
は試料台58が振動しないような材質、寸法で設計され
ている。
【0049】本実施例における集束イオンビーム光学系
31からイオンビームを試料に照射してウェーハから微
小試料を摘出するまでの過程は第1実施例と同様であ
る。本実施例は、摘出した微小試料を、マニピュレータ
で支持した状態で観察・分析する代わりに、第3試料台
58に固定し観察・分析を行うものである。図17は、
第3試料台58に微小試料22を固定した状態を示す。
本実施例では、第2試料台18の微小試料固定部分の背
面に炭素からなる軽元素部材56を設置してある。微小
試料22の観察面が軽元素部材56の反対側になるよう
に、微小試料の底面を第3試料台58に接触して、FIB
4で堆積性ガスを第2試料台58と微小試料22の接触
点に堆積させたイオンアシストデポ膜75で第3試料台
58に微小試料22を固定する。なお、微小試料22作
成時や、該堆積性ガスを堆積させた時などに、観察断面
21の表面への異物吸着や観察断面21の表面が破壊さ
れる不都合を予防するために、FIB4の照射角を微小試
料の観察断面に平行になるように第3試料台の操作で適
切に角度設定した後、FIB4を照射して所望の観察断面
21を作成することもできる。電子ビームは軽元素部材
56とは反対側から照射して断面観察することになる。
第3の実施の形態で述べたように、本実施の形態でも複
数の微小試料をまとめて扱うこともできる。ウェーハ2
1から微小試料22を摘出し、試料台脇の第2試料台5
8の適所へ固定し、次の微小試料22を摘出する操作を
繰り返すことにより、ウェーハ21を試料台24に固定
したまま複数個の断面観察と元素分析が可能であり、ウ
ェーハ21全体に亘る断面構造の分布を効率的に調べる
ことができる。
【0050】以上に述べたように、本実施例も、ウェー
ハ表面を観察する場合と同程度の二次電子検出効率が得
られること、観察分析の角度を、垂直観察を含めた望ま
しい角度に調整できること、真空雰囲気の試料室内に置
いたまま観察できること、微小試料摘出用マニュピレー
タから切り離して微小試料を第3の試料台に固定するこ
とで、微小試料観測における振動の問題を回避できる、
等により、微小試料22の観察条件は非常に良好にな
る。これにより、従来問題であった分解能の低下を回避
でき、しかも最適、綿密な観察分析を迅速で高効率に行
うことができる。結果として高品質な観察分析を高スル
ープットで実行できる。 <実施の形態5>本発明の第5の実施例である試料観察
装置の概略構成を図18により説明する。本実施例は従
来の技術の項で述べたインレンズ方式走査型電子顕微鏡
に本発明を適用した例で、図18は電子顕微鏡の対物レ
ンズ周辺の詳細図である。ここでのインレンズ方式とは
対物レンズ内に試料台と試料台上載置された試料を配置
して計測する走査電子顕微鏡装置を示す。
【0051】図18に示すように本実施例では上下に配
置した対物レンズの磁極707,708で挟まれた空間
に試料台706に設置した薄膜試料22を挿入して観察
する。薄膜試料22は所望の観察領域を含むようにFIB
加工装置で実施の形態1の項で説明した方法で薄膜加工
したもの、あるいは、従来の機械的研磨、イオンミリン
グにより薄膜化した試料、あるいは、粉体を炭化水素系
の薄膜に固定したものである。薄膜試料22はメッシュ
と呼ばれる半円状の支持体26に固定されている。
【0052】薄膜試料22の下には本発明の特徴の一つ
である孔を有し、つば付き円筒状の外形を持つ炭素部材
56が設置されている。孔の直径は1mm、深さは1.5m
m、孔底の厚さは0.5mmである。薄膜試料22の右上方に
はX線検出素子161が配置されている。薄膜試料22
に電子線8を走査して発生するX線401をX線検出素子
161で検出することにより薄膜試料22の元素分析をす
る。
【0053】炭素板501を磁極707の下面に設置し
て、薄膜試料22に電子線8を照射して発生する、試料
の上方に向かう反射電子205が衝突して発生する反射
電子およびX線を低減している。炭素部材56の周辺は
材質がタングステンの重金属材503で囲まれている。
これにより炭素部材を突き抜けるX線を減衰するように
なっている。また、炭素部材56の上部でX線検出器側
の部分には、薄膜試料22を接着しているメッシュ26
を覆うように炭素部材56に固定するための炭素材質の
固定具504が設置されている。固定具504はX線検
出素子の検出部周辺と薄膜試料22の電子線照射点を結
ぶ円錐に接するように外側に向かって盛り上がった形状
と名手いる。これにより炭素部材56の孔の入り口近傍
に散乱電子が衝突して発生するX線をなるべく吸収し、X
線検出素子に入らないようにしている。また、電子線8
は完全な線状のビームではなく多少広がりを持つ。この
裾部にある電子がメッシュに衝突するとメッシュの代表
的な材質であるNi等の元素に特有なX線が発生し薄膜試
料の正確な元素分析を阻害する。本実施例ではメッシュ
の上側を炭素材で覆うことによりメッシュを構成してい
る元素の特性X線が発生しないようにしている。これら
の効果に合わせて、薄膜試料22を透過する電子は炭素
部材56の孔に入射するので、実施の形態1の項で述べ
た効果と同様にX線検出素子で検出される背景X線と薄膜
試料22に再衝突する反射電子を低減できる。炭素部材
56の孔底の厚さは0.5mmあるので、50kVの加速電圧
でも電子線は透過することなく、吸収される。従って、
本実施例では下側の磁極708には炭素板を設けていな
い。
【0054】本実施例においても背景X線雑音、薄膜試
料に再衝突する反射電子を大幅に低減できるので、高精
度高感度な試料観察装置が可能となる。 <実施の形態6>本発明の第6の実施例である試料観察
装置の概略構成を図19により説明する。本実施例は走
査型透過電子顕微鏡に本発明を適用した例で、図19は
走査型透過電子顕微鏡電子顕微鏡の対物レンズ周辺の詳
細図である。実施の形態5の項で述べたインレンズ型の
走査電子顕微鏡と同じ構造となっている。透過型電子顕
微鏡の場合には試料を透過する電子線で入射電子線と進
行方法がほぼ同じ電子線を回折電子線像を観測して試料
の原子配列などの構造を分析するのが主要な機能であ
る。
【0055】薄膜試料22の下には本発明の特徴の一つ
である。薄膜試料が上側磁極707と下側磁極708と
の間に試料台706が設けられている。試料台706に
はメッシュ26がと付けられそれに試料が取り付けられ
ている。電子線が試料を通過する際に生じるX線をが試
料台やその周辺に散乱して照射され、そこから更にX線
が発生しそれが検出素子161に入射すると前回実施例
と同様に検出信号のバックグランドを上げてしまう原因
となる。これを防ぐために、試料台706を軽元素部材
でX線に対し覆う構造とする。具体的には、試料を通過
した電子線を下側対物708の下に設けられたカメラユ
ニット(図示はしていない)に入射させるための開口部を
有する試料台の内壁部を軽元素で覆うこととする。この
軽元素部材を試料台にネジでとめる構造や溶接固定する
構造が考えられる。試料台の円筒状試料保持部分は例え
ば、内径が1mmで長さが3〜5mm肉厚が0.5mmのもの
が考えられる。薄膜試料22の右上方にはX線検出素子
161が配置されている。薄膜試料22に電子線8を走
査して発生するX線401をX線検出素子161で検出す
ることにより薄膜試料22の元素分析をする。
【0056】試料台706の構造は炭素部材56の孔が
貫通している以外は実施の形態5で述べたものと同じで
ある。炭素部材56の孔が貫通しているので試料を透過
した電子の一部は対物レンズの下側の磁極708に衝突
するものがあるので、磁極708の上面を炭素板502
で覆っている。
【0057】本実施例においても背景X線雑音、薄膜試
料に再衝突する反射電子を大幅に低減できるので、高精
度高感度な試料観察装置が可能となる。 <実施の形態7>本発明の第7の実施例である試料観察
装置の概略構成を図20により説明する。本実施例は汎
用型の走査電子顕微鏡に本発明を適用した例で、図20
は汎用型走査電子顕微鏡電子顕微鏡の対物レンズ周辺の
詳細図である。本実施例における電子顕微鏡の対物レン
ズは試料の上側のみに磁極707を持つ構造になってい
る。磁極707の下側の空間が広く開いており、大型の
試料台801に試料を設置して測定するようになってい
る。
【0058】一般にこの型の電子顕微鏡では当方的に反
射電子が発生するので、X線検出素子161と試料の間
には一組の永久磁石からなる反射電子除去器802を設
置して、反射電子がX線検出素子161に入射しないよ
うにしている。反射電子除去器の原理は試料の観測点と
X線検出素子の検出面で張られる空間を挟んで1組の永久
磁石を設置し、磁石間にできる磁界により反射電子が曲
げられる現象を利用したものである。実施の形態1から
4までのX線検出器では明示しなかったが、反射電子除
去器がコリメーターの内部に収納されている。
【0059】本実施例においても薄膜試料22の直下に
は本発明の特徴である孔を備えた炭素部材56が設置さ
れている。
【0060】本実施例においても背景X線雑音、薄膜試
料に再衝突する反射電子を大幅に低減できるので、高精
度高感度な試料観察装置が可能となる。
【0061】以上の実施の形態において、軽元素部材と
して軽元素材料を加工した部材を用いた例を示したが、
金属等で加工した部材に軽元素材料を塗布したものでも
よい。この場合、塗布する軽元素材料は電子線が透過し
ない厚さであることが必要がある。
【0062】以上実施例を整理してみると、第1の発明
は、電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビーム
走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載置す
る試料台と、該電子ビームを該試料に照射して該試料か
ら発生する電子を検出する電子線検出器とX線を検出す
るX線検出器のいずれか、または両方を備える試料観察
装置において、試料の背後に軽元素材料を含み、かつ、
孔を有する部材(吸収部材)を、試料台に設置して、該
電子ビームを照射して該試料を観察する機能を有する電
子線を用いた試料観察装置。
【0063】また、第2の発明は、イオン源、イオンビ
ームを集束するレンズ、イオンビーム走査偏向器を備え
る集束イオンビーム光学系と、電子源、電子ビームを集
束するレンズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビー
ム光学系と、試料を載置する試料台を備える試料観察装
置において、該集束イオンビームを用いて該試料から第
2の試料を分離する機能と、該第2の試料を摘出するた
めのマニピュレータと電子ビームを該微小試料に照射し
て該試料から発生する電子を検出する電子線検出器とX
線を検出するX線検出器のいずれか、または両方を具備
し、摘出された該第2の試料の背後に軽元素材料を含
み、かつ、孔を有する部材(吸収部材)を、該試料台ま
たは該試料台と該第2の試料の間に設置して、該第2の
試料を電子ビームで観察する機能を有する点にも有りま
す。
【0064】更に、第2の発明で、第2の試料を摘出す
るためのマニピュレータは、該マニピュレータを該試料
台と独立に駆動させるマニピュレータ制御装置を具備
し、該第2の試料を前記マニピュレータで支持した状態
で、観察用荷電粒子ビームの該第2の試料への照射角度
可変機能を有することにもあります。また、第2の発明
の吸収部材を配置する手段が、吸収部材を先端に有する
第2のマニピュレータにより、請求項3記載のマニピュ
レータに摘出された該第2の試料の背後空間、すなわ
ち、該観測用荷電粒子ビームを発生する装置に対して反
対の空間に吸収部材を挿入する方法にあります。また、
第2の発明の第2の試料を載置して、請求項2記載の試
料台に軽元素材料からなる吸収部材を有する第2の試料
台を具備する点にも有ります。更に第2の発明の第2の
試料を載置して、請求項2記載の試料台とは独立に駆動
し、観測用荷電ビームの該微小試料への照射位置、角度
を可変できる機能と、請求項1記載の軽元素部材を有す
る第3の試料台を具備することに有ります。
【0065】吸収部材が重元素材料で覆われていて、そ
の吸収部材が少なくとも、炭素、または、ベリリウム、
または炭素とベリリウムの複合物で厚さが電子ビームの
進入深さより大きいく接地されている点にも有ります。
【0066】
【発明の効果】本発明により、益々微細化が進むLSI
デバイス等の内部観察を高分解能で高品質かつ短時間で
実施できる試料観察装置および微小試料加工観察方法が
実現できる。さらに薄膜成形加工した微小試料をEDX
分析して高精度な元素分析することにより、総合的に断
面の観察や分析の効率の良い試料観察装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態における装置全体構
成図。
【図2】本発明の第一の実施の形態における装置全体構
成で平面図。
【図3】本発明の第一の実施の形態における装置詳細構
成図。
【図4】本発明の微小試料加工方法の例を示す図。
【図5】本発明の微小試料観察方法の例を示す図。
【図6】本発明の第一の実施の形態における詳細構成
図。
【図7】本発明の第三の実施の形態における主要部詳細
図。
【図8】本発明の原理を説明する概略図。
【図9】本発明の第一の実施の形態における別の応用を
示す概略図。
【図10】本発明の第一の実施の形態におけるさらに別
の応用を示す概略図。
【図11】本発明の第二の実施の形態における主要部詳
細図。
【図12】本発明の第二の実施の形態における主要部拡
大断面図。
【図13】本発明の第三の実施の形態における装置全体
構成を示す図。
【図14】本発明の第三の実施の形態における主要部詳
細図。
【図15】本発明の第三の実施の形態における主要部詳
細図。
【図16】本発明の第四の実施の形態における装置全体
構成を示す図。
【図17】本発明の第四の実施の形態における主要部詳
細図。
【図18】本発明の第五の実施の形態における主要部詳
細図。
【図19】本発明の第六の実施の形態における主要部詳
細図。
【図20】本発明の第七の実施の形態における主要部詳
細図。
【図21】従来の装置の概略構成図。
【図22】従来の加工方法を示す図。
【図23】従来の観察方法を示す図。
【図24】従来の装置の詳細構成図。
【図25】本発明の効果を示すX線スペクトル図。
【符号の説明】
1…イオン源、2…レンズ、3…イオンビーム走査偏向
器、4…集束イオンビーム(FIB)、5…中央制御表示装
置、6…二次電子検出器、7…電子銃、8…電子ビー
ム、9…電子レンズ、10…電子ビーム走査偏向器、1
4…マニピュレータ、15…マニピュレータ制御装置、
16…X線検出器、17…堆積ガス供給装置、18…第
3試料台、19…第2試料台制御装置、21…ウェー
ハ、22…微小試料、23…カセット、24…試料台、
25…試料台制御装置、31…集束イオンビーム光学
系、32…集束イオンビーム光学系(#2)、41…電子ビ
ーム光学系、51…分析装置、55…軽元素部材挿入装
置、56…軽元素部材、57…孔、58…第3試料台、
59…保持棒、60…真空試料室、61…ウェーハ導入
手段、62…ウェーハ搬送手段、63…載置台、64…
ハッチ、70…マニピュレータ、71…プローブ保持
部、72…プローブ、75…アシストデポ膜、77…試
料回収トレイ、81…カセット導入手段、82…ウェー
ハ搬送ロボット、83…オリエンテーション調整手段、
90…ガス導入管、100…操作制御部、101…試
料、105…堆積性ガス、107…角孔、108…底
孔、109…きりかき溝、110…ガスノズル161…
X線検出素子、162…コリメータ、201−203…
透過電子、205−207…後方散乱(反射)電子、30
1−304…2次電子、401−408…X線、409
…X線検出角、500−504…炭素板、706…試料
台、802…反射電子除去器 p1…観察箇所、p2…観察分析面、p3…観察分析
面、s1…内部断面、s2…支持部。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 37/252 H01J 37/252 A 37/31 37/31 H01L 21/66 H01L 21/66 N (72)発明者 富松 聡 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 福田 宗行 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 佐藤 貢 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器グループ内 (72)発明者 石谷 享 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器グループ内 Fターム(参考) 2G001 AA03 AA05 BA05 BA07 CA01 CA03 DA02 GA01 GA08 JA03 KA01 LA11 MA04 MA05 PA01 PA02 PA16 QA01 SA04 4M106 AA10 BA02 BA03 CA70 CB21 DB05 DH33 5C001 AA01 CC05 5C033 PP02 PP04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子源、電子ビームを集束するレンズ、電
    子ビームを走査する偏向器と、試料に電子ビームを照射
    するための対物レンズと、試料を載置する試料台と、電
    子ビームを試料片に照射して試料片から発生するX線を
    検出するX線検出器と、試料片を保持する第1の保持器
    と、前記試料台と前記第1の保持器の間に設けた軽元素
    材料を含みX線を低減する部材から成る遮蔽部材と、前
    記遮蔽部材を保持する第2の保持器と、を有することを
    特徴とする電子線を用いた試料観察装置。
  2. 【請求項2】電子源、電子ビームを集束するレンズ、電
    子ビームを走査する偏向器と、試料に電子ビームを照射
    するための対物レンズと、一部が軽元素材料を含みX線
    を低減する部材から成る試料台と、試料片を保持する保
    持器と、前記保持に取り付けられた試料片を前記試料台
    の一部に接触し試料片に電子ビームを照射して試料片か
    ら発生するX線を検出するX線検出器と、を有することを
    特徴とする電子線を用いた試料観察装置。
  3. 【請求項3】電子源、電子ビームを集束するレンズ、電
    子ビームを走査する偏向器と、試料に電子ビームを照射
    するための対物レンズと、試料を載置する第1の試料台
    と、前記第1の試料台上に設けられた第2の試料台と、
    前記第2の試料台の一部が軽元素材料を含みX線を低減
    する部材からなる遮蔽部材と、前記第2の試料台上に載
    置された試料に電子ビームを照射して試料から発生する
    X線を検出するX線検出器と、を有することを特徴とする
    電子線を用いた試料観察装置。
  4. 【請求項4】前記遮蔽部材に開口部を有することを特徴
    する請求項1に記載の電子線を用いた試料観察装置。
  5. 【請求項5】電子源、電子ビームを集束するレンズ、電
    子ビームを走査する偏向器と、試料に電子ビームを照射
    するための対物レンズと、試料を載置する試料台と、電
    子ビームを試料に照射して試料から発生するX線を検出
    するX線検出器と、前記試料台に筒状で内壁が軽元素材
    料を含みX線を低減する部材から成る試料を保持するの
    保持器と、を有することを特徴とする電子線を用いた試
    料観察装置。
  6. 【請求項6】前記対物レンズの内部に前記保持器が配置
    されていることを特徴する請求項5記載の電子線を用い
    た試料観察装置。
  7. 【請求項7】イオン源、イオンビームを集束するレン
    ズ、イオンビーム走査する偏向器を備える集束イオンビ
    ーム光学系と、電子源、電子ビームを集束するレンズ、
    電子ビーム走査する偏向器を備える電子ビーム光学系
    と、試料を載置する試料台と、集束イオンビームを用い
    て試料から試料片を分離し、試料片を摘出するためのマ
    ニピュレータと、電子ビームを試料片に照射して試料片
    から発生するX線を検出するX線検出器と、摘出された試
    料片の背後に軽元素材料を含む吸収部材と、試料片を電
    子ビームで観察する機能と、を有することを特徴とする
    電子線を用いた試料観察装置。
  8. 【請求項8】電子源、電子ビームを集束する工程と、電
    子ビームを偏向する工程と、、試料を試料台に載置する
    工程と、試料に電子ビームを試料に照射する工程と、電
    子ビームを試料に照射して試料から発生するX線を検出
    する工程と、前記試料台の試料から試料片を取り出すた
    めの試料片を保持する保持工程と、前記試料台から試料
    片を分離する工程と、と前記保持工程で保持された試料
    片を所定の位置に相対的に移動する工程と、軽元素材料
    を含みX線を低減する部材から成る遮蔽部材を前記試料
    台と前記保持器との間に設定する工程と、を有すること
    を特徴とする電子線を用いた試料観察方法。
  9. 【請求項9】イオン源からのイオンビームを集束する工
    程と、集束されたイオンビームで試料台上の試料から分
    離するために試料に保持器を固定する工程と、前記保持
    器に分離された試料片を取り付け所定位置に相対的に移
    動する工程と、前記試料台と前記保持器との間に軽元素
    材料を含みX線を低減する部材から成る遮蔽部材を配置
    する工程と、電子源からの電子ビームを集束する工程
    と、電子ビームを試料片上を照射して偏向する工程と、
    電子ビームを試料片を照射して試料から発生するX線を
    検出する工程と、を有することを特徴とする電子線を用
    いた試料観察方法。
  10. 【請求項10】凹状で軽元素材料を含みX線を低減する
    遮蔽領域を含む試料台に試料を載置する工程と、イオン
    源からのイオンビームを集束する工程と、集束されたイ
    オンビームで前記試料台上の試料から試料片を分離する
    ために試料に保持器を固定する工程と、前記保持器に分
    離された試料片を取り付け前記試料台の前記遮蔽領域に
    相対的に移動する工程と、電子源からの電子ビームを集
    束する工程と、電子ビームを試料片上を照射して偏向す
    る工程と、電子ビームを試料片を照射して試料から発生
    するX線を検出する工程と、を有することを特徴とする
    電子線を用いた試料観察方法。
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