JP3820964B2 - 電子線を用いた試料観察装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に薄膜試料、粉体の観察・分析・評価手段や、被観察対象物の表面のみならず表面に近い内部の断面をも観察分析することを必要とする、半導体デバイス、液晶デバイス、磁気ヘッド、等の電子デバイスやマイクロデバイス等の研究開発や製造における観察・分析・評価手段として利用される装置システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
試料の元素組成情報を得る手段として電子線を照射して発生するX線を検出する手法が知られている。X線は試料を構成する元素に特有なエネルギーを持つ特性X線と制動輻射による入射電子線のエネルギー以下の連続X線からなり、X線のエネルギースペクトルを解析することにより試料の元素組成を知ることができる。特開昭55−68060号公報に試料からのX線を取り入れるためのX線検出器より小さい開口部を有するコリメータが開示されている。(公知例1)更に検討を加えた構成が知られその装置の概略構成を図21に示す。
この構成では電子線を試料に照射し、試料の斜め上方に設けられたX線検出素子と、X線検出素子と試料の間にX線検出素子に入るX線の光路を制限するコリーメータを有するX線検出器により、試料から発生するX線を検出する構成を取っていた。
図23は図22に示したインレンズ型の電子顕微鏡におけるおける試料周りの様子を表す概略拡大図である。対物レンズを構成する上側磁極707と下側磁極708に挟まれた空間に微小試料22が挿入される。微小試料22はメッシュ26で保持され、これを介して試料ホルダー706に取り付けられている。電子線8が試料22に照射されると、X線401、2次電子301、反射電子205が発生する。X線を検出して微小試料の元素分析を実施する場合、測定されるX線がこのX線401のみであれば理想的である。しかしながら、現実には以下に述べるようにさまざまな原因によるX線が発生する。
反射電子205の一部は上側磁極の表面に衝突して試料とは関係のないエネルギーを持つX線402を発生する。X線403,406は試料を透過した電子線201、202が試料ホルダー706、下側磁極708に衝突して発生したものである。X線407は透過電子線202が下側磁極708で弾性散乱された反射電子207が試料ホルダー706に衝突して発生したものである。X線405は下側磁極に透過電子202が衝突して発生したX線が試料ホルダーに入射して発生したものである。図示していないが、反射電子、透過電子が試料の別の部分やメッシュに衝突して発生するX線もある。これらのX線は背景X線と呼ばれ、試料に起因するものではないので、元素分析の精度を劣化させる要因となる。
図21に示すコリメータは上記の背景X線がX線検出素子に入るのをなるべく低減するために設けたものである。
背景X線を低減する別の手法の例は、「プリンシプルズ オブ アナリティカルエレクトロン マイクロスコピー」デビッド シー ジョイ他編 131ページから135ページ 1986年 プレナムプレス ニューヨーク(”Principles of Analytical Electron Microscopy”, Edited by David C Joy et al., p.p. 131-135, 1986, Plenum Press, New York)(公知例2)に開示されている。この例では、図24に示したように上下の磁極の表面に軽元素材料からなる電子線を透過させるための孔を有する板501,502を設置することにより、試料からの反射電子、透過電子が直接Feを主成分とする磁極に衝突していたのを、軽元素板に衝突するようにしている。これにより磁極での反射電子数、特性X線のエネルギー、連続X線量が低減できるので、結果として背景X線を低減できる。
試料上の観測点以外の箇所に反射電子および透過電子が衝突して発生する背景X線を低減する方法が特開平8−261894(公知例3)に開示されている。これは、試料のうち薄膜化した観測面を作成する際に、薄膜化しない試料の側面に対し傾斜するように観測面を形成し、観測面以外の試料部の表面をカーボン膜で覆うように形成するものである。
さらに、カーボンで覆った試料台を用いる方法も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べた従来法には次のような問題がある。
公知例1の方法は、X線検出素子と試料の間にコリメータを設置して試料以外から発生するX線が検出素子に入らないようにする方法であるが、薄膜試料を用いた場合に試料を透過した透過電子線が試料直下の試料台の部分に衝突して発生するX線に対して有効ではないという問題があった。また、試料上の電子線照射点のみからのX線に限定するために細長いコリメータを設置する方法では検出素子と試料の間の距離を長くせざるを得なく、従って、検出立体角を大きく取れないので検出効率が低下するという問題があった。また、X線検出器を試料に対して正確に設置する必要があり、試料の位置がずれたりすると検出感度が低下するという問題があった。
公知例2に示した対物レンズの上下磁極の表面を軽元素材料で覆う方法は透過型電子顕微鏡のように電子線の加速電圧が高くまた100nm以下という非常に薄い試料を用いた場合には試料を透過する電子線の散乱が少ない場合には有効であるが、一般の走査型電子顕微鏡や100nm以上の厚い試料では試料を透過した電子線の散乱角が大きいので、試料台や磁極を覆った軽元素材料以外の部分電子線が衝突して発生する背景X線が大きくなる。このため、検出精度が低下するという問題があった。
【0004】
公知例3に示した微小試料の加工方法によっても上記したように散乱された電子が試料台や試料室以外の部分に衝突して発生する背景X線について考慮されておらず、信号と背景雑音の比が悪く、また、試料の測定対象部以外からのX線が検出されてしまい測定精度が低下してしまうという問題について十分考慮がなされていなかった。試料に蒸着したカーボン膜を形成して、該膜に散乱電子が衝突した場合に発生するX線はカーボン膜がない場合に比べて、低減するが、その程度は十分ではなかった。また、微小試料の一部にカーボン膜を形成する方法は蒸着装置を必要とし、試料作成のたびに、蒸着する必要があり、試料作成が複雑になる、また時間を要するという問題があった。
【0005】
試料台をカーボンで覆う方法では試料台を構成する元素からの信号を低減できるが、塗布したカーボン膜からの特性X線、連続X線が検出され、信号雑音比が大きく改善されないという問題があった。
【0006】
以上、X線検出による元素分析についての問題について述べてきたが、試料を透過して散乱した電子が他の部分に衝突して発生した反射電子が再び試料の測定箇所以外の部分に入射し2次電子を発生し、本来の2次電子像とは異なるものにしてしまうという問題があった。
【0007】
上述の問題点に鑑み、本願の目的は、対象試料の内部断面を垂直断面観察できて、高分解能、高精度、高スループットで観察・分析できる試料観察装置および試料観察方法を提供すること、さらに大気暴露による劣化無し、失敗無しで観察・分析できる試料観察装置および試料観察方法提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上に述べたような目的は、以下により達成される。
【0009】
(1)電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載置する試料台と、該電子ビームを該試料に照射して該試料から発生する電子を検出する電子線検出器とX線を検出するX線検出器のいずれか、または両方を備える試料観察装置において、試料の背後に軽元素材料を含み、かつ、孔を有する部材(吸収部材)を、試料台に設置して、該電子ビームを照射して該試料を観察する機能を有することを特徴とする試料観察装置。
これにより、電子ビームが薄膜の試料を透過して試料以外の部材に入射していたのを、軽元素材料からなる部材に入射するようになるので、発生する連続X線と後方散乱電子数が低減できる。このため、試料に含まれている元素に対応する特性X線スペクトルピークをバックグラウンドの連続X線スペクトルに対し高い信号雑音比で検知でき、また、電子ビームが試料を透過して他の部分に衝突して発生する反射電子や、微小試料に再入射して、発生する2次電子及び透過電子の影響を低減できるので、高精度の2次電子及び反射電子の測定、高空間分解能観察が可能となる。しかも試料を装置の外部に取り出すことが無いため短時間で観察・分析できる試料観察装置を提供できる。
【0010】
また、荷電粒子線照射時の原子特性X線検出による元素分析において、微小試料を薄膜化することで、荷電粒子線の試料への侵入によるX線発生領域拡大を回避でき、また、軽元素材料からなる部材を挿入し、対象試料を透過した電子線が該微小試料以外の個所で入射して発生するX線や該個所から後方に散乱された電子が対象試料に再入射して発生するX線の影響を低減できるので高空間分解能元素分析が可能となる。
【0011】
これにより、対象試料の内部断面を高分解能かつ高精度かつ短時間で観察・分析できる試料観察装置を提供できる。
(2)イオン源、イオンビームを集束するレンズ、イオンビーム走査偏向器を備える集束イオンビーム光学系と、電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載置する試料台を備える試料観察装置において、該集束イオンビームを用いて該試料から第2の試料を分離する機能と、該第2の試料を摘出するためのマニピュレータと電子ビームを該微小試料に照射して該試料から発生する電子を検出する電子線検出器とX線を検出するX線検出器のいずれか、または両方を具備し、摘出された該第2の試料の背後に軽元素材料を含み、かつ、孔を有する部材(吸収部材)を、該試料台または該試料台と該第2の試料の間に設置して、該第2の試料を電子ビームで観察する機能を有することを特徴とする試料観察装置とする。
【0012】
これにより、上記したように、高空間分解能で、高精度な観察が可能になるばかりでなく、試料を装置の外部に取り出すことが無いため短時間で観察・分析できる試料観察装置を提供できる。
(3)導入試料から分離した第2の試料を摘出するためのマニピュレータは、該マニピュレータを該試料台と独立に駆動させるマニピュレータ制御装置とを具備し、該第2の試料を前記マニピュレータで支持した状態で、観察用荷電粒子ビームの該第2の試料への照射角度可変機能を有することを特徴とする試料観察装置とする。
【0013】
これにより、観察したい箇所を含む試料をマニピュレータに接着したままで、該試料を走査電子顕微光学系もしくは集束イオンビーム光学系に対し位置を移動できるため、観察分解能がより高くなる位置に微小試料を配置することができる。また対象試料の内部断面観察方向を自由に選択することができる。このため断面を垂直に観察すれば、エッチングや平坦化の形状寸法や埋め込み状況、膜厚等を高分解能で観察でき、高精度な計測・評価ができる試料観察装置を提供できる。しかも試料を装置の外部に取り出すことが無いため短時間で観察・分析できる試料観察装置を提供できる。
(4)軽元素部材を先端に有する第2のマニピュレータにより、第1のマニピュレータに摘出された該観察試料の背後空間、すなわち、該観測用荷電粒子ビームを発生する装置に対して反対の空間に該軽元素部材を挿入する方法であることを特徴とする試料観測装置とする。
【0014】
これにより、該試料を透過した電子ビームが該試料以外の個所で入射して発生する後方散乱電子の影響を低減できるため高分解能観察ができ、しかも試料を装置の外部に取り出すことが無いため短時間で観察・分析できる試料観察装置を提供できる。また、荷電粒子線照射時の原子特性X線検出による元素分析において、微小試料を薄膜化することで、荷電粒子線の試料への侵入によるX線発生領域拡大を回避でき、また、軽元素材料からなる部材を挿入し、対象試料を透過した電子線が該微小試料以外の個所で入射して発生するX線や該個所から後方に散乱された電子が対象試料に再入射して発生するX線の影響を低減できるので高分解能元素分析が可能となる。
(5)導入試料から摘出した観察試料を載置して、請求項1記載の試料台に請求項1記載の軽元素部材を有する第2の試料台を具備することを特徴とする請求項2記載の試料観察装置とする。
【0015】
これによっても、上記した理由により高分解能観察ができ、短時間で観察・分析できる試料観察装置を提供できる。また、摘出した試料を第2の試料台の一部に接触させて固定することにより、試料観察における振動の問題を回避できる。
(6)試料から摘出した観察対象箇所を含む試料を載置して、請求項1記載の試料台とは独立に駆動し、観測用荷電ビームの該試料への照射位置、角度を可変できる機能と、請求項1記載の軽元素部材を有する第3の試料台を具備することを特徴とする請求項2記載の試料観察装置とする。
【0016】
これにより、試料の対象内部断面を高分解能かつ短時間で観察、分析できる試料観察装置を提供できる。また、摘出した試料をマニピュレータから切り離して、ひとつのマニピュレータで複数の試料を第2の試料台に固定することが可能となることで、断面観察と元素分析の時間を短縮することができる。また、マニピュレータから切り離して試料を第2の試料台に固定するので、試料観察における振動の問題を回避できる。
(7)請求項1および請求項2記載の吸収部材が孔を有し、試料の直後に設置され、試料と孔の上面までの距離と孔の直径の比が1/5以下であることを特徴とする試料観察装置。
これにより、該試料を透過した電子線が該軽元素部材の孔に入射し、入射した電子は孔の側面及び底面に衝突する。側面に衝突して電子の大部分が孔底の方向に散乱されるので、再び表面に戻ってくる電子を大幅に低減できる。また、試料を透過して孔に入射し、孔の内面で衝突することによって発生するX線は該軽元素部材を通過してX線検出器に到着し、通過する際に減衰するために、孔内で発生するX線の影響を低減できる。このため、高精度高分解能で観察できる試料観察装置を提供できる。
(8)上記の孔を有する吸収部材が重元素材料で覆われていることを特徴とする試料観察装置とする。
これにより、試料を透過して孔の内面に衝突して発生するX線が軽元素材料からなる吸収部材で減衰を受け、さらに吸収部材の外側を覆っているより減衰能力の大きい重元素材料により減衰されるため、X線検出器で検出される孔内で発生したX線を大幅に低減できる。このため、高精度高分解能で観察できる試料観察装置を提供できる。
(9)該軽元素部材が炭素、または、ベリリウム、または、炭素とベリリウムの複合物からなることを特徴とする試料観察装置とする。
一般にある元素からなる物質に電子が衝突すると、物質の元素に特有な特性X線呼ばれるX線および制動輻射による連続X線が発生する。このうち特性X線はスペクトルピークとして観測され、このピークの存在によりその元素が試料内に含まれているという情報が得られるのであるから、このようなピークとなるX線はなるべく試料の観察対象部以外からは発生しないことが望ましい。前記したように本発明では薄膜試料を透過した電子線は薄膜試料の直後に配置した軽元素材料からなる部材の孔に入射して孔の内部でX線を発生するようになっている。X線のエネルギーが小さいほどX線は物質により吸収されて減衰を受けやすい。このため、特にベリリウムまたは炭素で構成すると著しく背景X線を低減できる。また、ベリリウムのK線のエネルギーは110eVで、通常の半導体検出器では検出されないX線であるので都合がよい。
さらに、シリコンを主成分とするウエハや、試料保持部を構成する金属材料からなる部分に衝突した場合と比較して、試料を透過した電子線の衝突によりベリリウムまたは炭素からなる物質から発生する連続X線は5分の1以下にでき、また、反射電子の数も低減できる。
これにより、高分解能かつ高精度で観察できる試料観察装置を提供できる。
(10)該軽元素部材の厚さが電子ビームの進入深さより厚いことを特徴とする試料観察装置とする。これにより、該試料を透過してきた電子線が該軽元素部材を透過することなく該軽元素部材で吸収されるので、高分解能かつ高精度で観察できる試料観察装置を提供できる。
(11)該軽元素部材が接地されていることを特徴とする試料観察装置とする。これにより、該軽元素部材が帯電することがないので、高分解能かつ高精度で観察できる試料観察装置を提供できる。
(12)電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載置する試料台と、該電子ビームを該試料に照射して該試料から発生する電子およびX線を検出する検出器を備える試料観察装置において、試料の背後に少なくとも軽元素材料を含む部材(吸収部材)を設置して、該電子ビームを照射して該試料を観察する機能を有することを特徴とする試料観察方法とする。これにより、該試料を透過した電子ビームが該試料以外の個所で入射して発生する後方散乱電子およびX線の影響を低減できるため、高精度かつ高感度で観察・分析できる試料観察方法を提供できる。
(12)イオン源、イオンビームを集束するレンズ、イオンビーム走査偏向器を備える集束イオンビーム光学系と、電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載置する試料台を備える試料観察装置において、該集束イオンビームを用いて該試料から第2の試料を分離する機能と、該第2の試料を摘出するためのマニピュレータと電子ビームを該微小試料に照射して該第2試料から発生する電子およびX線を検出する検出器を具備し、摘出された該第2の試料の背後に少なくとも軽元素材料を含む部材(吸収部材)を設置して、該第2の試料を電子ビームで観察する機能を有することを特徴とする試料観察方法とする。これにより、摘出した試料を大気に取り出すことがなく、また、摘出した試料の観察対象面を観察するためのビームに対して自由に設定でき、試料を透過した電子が試料以外の部材に衝突して発生する後方散乱電子およびX線の影響を低減できる。このため、試料の内部断面を高分解能かつ短時間で観察・分析できる試料観察方法を提供できる。特に、半導体ウェーハに適用することにより、半導体製造プロセス検査に活用でき、デバイス不良の早期発見および短時間品質管理により製造歩留まりの向上に貢献する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態である試料観察装置の構成及びその動作を説明する。
<実施の形態1>
第1の実施例の装置構成と動作を図1、図2、図3、図4、図5および図6を用いて説明する。図1、図2は装置全体構成を、図3は集束イオビーム光学系、走査電子顕微鏡光学系および試料台周辺の構成を詳細に示す。なお、本実施の形態では、本発明の試料観察装置のうちウェーハ対応装置を示す。また、図3は、図1の概略俯瞰断面を表しているが、説明の都合上、機器の向きや詳細には幾分の相違があるが本質的差ではない。図1において、装置システムの中心部には集束イオンビーム光学系31と電子ビーム光学系41が真空試料室60の上部に適宜設置されている。真空試料室60の内部には試料となるウェーハ21を載置する試料台24が設置されている。2鏡筒の光学系31及び41は各々の中心軸がウェーハ21表面付近で一点に交わるように調整されている。試料台24にはウェーハ21を前後左右に高精度で移動する機構を内蔵しており、ウェーハ21上の指定箇所が集束イオンビーム光学系31の真下に来るように制御される。試料台24は、さらに、回転、上下、あるいは傾斜する機能を有する。真空試料室60には図示を省略した排気装置が接続され適切な圧力に制御されている。尚、光学系31、41にも図示を省略した排気系を個別に備え適切な圧力に維持している。真空試料室60内にはウェーハ導入手段61、ウェーハ搬送手段62を有する。真空試料室60に隣接してウェーハ移載ロボット82、カセット導入手段81が配置されている。真空試料室60の左隣には試料加工観察評価を含む装置全体の一連の処理を制御管理する操作制御部100を配備している。
【0018】
次に、本実施形態のウェーハ導入操作を概説する。ウェーハカセット23がカセット導入手段81のテーブルに置かれ、作業開始指令が操作制御卓100から発せられると、ウェーハ搬送ロボット82がカセット内の指定されたスロットから試料となるウェーハを引き出し、図2に示すオリエンテーション調整手段83でウェーハ21の向きを所定の位置に調整される。次に、ウェーハ21はウェーハ搬送ロボット82によりウェーハ導入手段61上部のハッチ64が開かれた時点でウェーハを載置台63に乗せられる。ハッチ64を閉じると、ウェーハ周囲に狭い空間が形成されロードロック室となり、図示を省略した真空排気手段で排気した後、載置台63を下降する。次いで、ウェーハ搬送手段62が載置台63のウェーハ21を取り上げ、真空試料室60内の試料台24に載置する。尚、試料台24にはウェーハ21の反り矯正や振動防止のためウェーハ21をチャックする手段を必要に応じて設ける。入力されたウェーハ21上の観察分析位置の座標値情報をもとに操作制御部100により、試料台24を動かしウェーハ21の観察分析位置を収束イオンビー部光学系31の直下に合わせて停止する。
【0019】
次に、図3を用いて試料加工観察評価の過程を説明する。本発明の試料観察装置では、集束イオビーム光学系31は、イオン源1、イオン源1から放出するイオンビームを集束するレンズ2、イオンビーム走査偏向器3等で構成され、また、電子ビーム光学系41は、電子銃7、前記電子銃7から放出する電子ビーム8を集束する電子レンズ9、電子ビーム走査偏向器10で構成される。その他に、集束イオンビーム(FIB)4または電子ビーム8をウェーハ21に照射してウェーハからの二次粒子を検出するための二次粒子検出器6、ウェーハ21を載せる可動の試料台24、所望の試料位置を特定するため試料台の位置を制御する試料台制御装置25、マニピュレータ70先端のプローブ72を微小試料の摘出位置に移動し、摘出し、集束イオンビーム(FIB)4または電子ビーム8を照射して微小試料の特定位置を観察評価する上で最適な位置や方向を制御するためのマニピュレータ制御装置15と電子ビーム8の照射時に励起されるX線検出のためのX線検出器16と、微小試料をプローブ72に固定するための堆積ガス供給装置17と、先端に軽元素材料からなる部材56を有する軽元素部材挿入装置55を備えている。軽元素部材56の大きさは長さ5mm幅2mm厚さ2.5mmである。軽元素部材56は図7に示すように孔57を有している。孔の直径は1mmで深さ2mmである。
【0020】
次に、本実施形態で、ウェーハ導入後の試料加工観察評価の過程を概説する。まず、試料台を下げてプローブ72の先端をウェーハ21から離した状態で、試料台24に対して水平方向(XY方向)にプローブ72を移動し、プローブ72の先端をFIB4の走査領域に設定する。マニピュレータ制御装置15は位置座標を保存した後、プローブ72を退避する。
【0021】
集束イオンビーム光学系31からFIB4をウェーハ21に照射して、図4に示すように観察分析位置p2を横切ってコの字を描くように溝を形成する。加工領域は、長さ約5μm、幅約1μm、深さ約3μmであり、片方側面でウェーハ21と接続している。その後、試料台24を傾斜させ、FIB4で三角柱の斜面を形成するように加工する。ただし、この状態では、微小試料22とウェーハ21とは支持部S2で接続されている。次に、試料台24傾斜を戻した後、微小試料22に、マニピュレータ70先端のプローブ72を微小試料22の端部に接触させた後に、堆積ガス供給装置17(図3)により接触点33に照射し、FIB4の照射により接触点33に堆積膜を形成して、プローブ72を微小試料22に接合し一体化する。次に、支持部S2をFIB4で切断して微小試料22を切り取る。微小試料22はプローブ72に支持された状態になり、観察・分析を目的とする表面及び内部断面が微小試料22の観察分析面p3として取り出す準備が完了する。図4中で71はマニピュレータ70にプローブ72を保持するプローブ保持部である。次に、図5の(b)に示すように、マニピュレータ70を操作して微小試料22をウェーハ21表面から上の高さまで持ち上げる。尚、図5の(c)に示すように、必要に応じてプローブ72に支持された状態で微小試料22にFIB4を照射して適切に追加工して所望の厚さを持つ観察断面p3を形成する。
【0022】
次に、図6に示すように、微小試料22を回転させて、電子ビーム光学系41の電子ビーム8が観察断面p3へ概略垂直に入射するようにマニピュレータ70を動かして微小試料22の姿勢を制御した後静止させる。次に、図6に示すように電子ビーム8が入射する面とは反対側の空間に軽元素部材挿入装置55により炭素からなる軽元素部材56マニピュレータ70の先端のプローブ72と試料台24との間の位置に相対的に移動し挿入する。このとき軽元素部材に設けた孔の上面の中心付近に試料が位置するようにする。微小試料22から孔の上面までの距離は約0.1mmになるように設置する。
【0023】
電子ビーム8が微小試料22に入射すると微小試料22の表面から内部構造および表面形状を反映した2次電子301が発生するとともに、入射部分の元素組成に特有な特性X線を含むX線401が発生する。X線401を検出し、そのエネルギー分布を分析することにより電子ビームが照射される部分の元素組成を知ることができる(スポット元素分析)。電子ビーム8を微小試料22の観測分析面を一方向または2次元方向に走査し、この2次電子、およびX線をそれぞれ2次電子検出器6、X線検出器16で検出することにより観測分析面の形状及び、元素組成分布(元素ライン分析またはマッピング分析)を観察する。
【0024】
図8は本実施例における軽元素部材56の効果を説明する図で、図8(a)は従来の観測法、図8(b)は軽元素部材が挿入されていない微小試料を観測する場合、図8(c)、(d)は本発明の軽元素部材56を挿入した場合を示す。
【0025】
以下の説明では電子ビーム8の加速電圧が15kVで、試料21がシリコンウエハで、試料21および微小試料22の主成分がシリコンで、電子ビーム8の入射方向に沿った微小試料22の厚さが0.1μmである場合について述べる。電子ビーム8が微小試料22に入射すると約95%の電子が微小試料22を透過する。透過した電子の一例を図8(b)、(c)、(d)中の201で示した。透過する電子の広がり角は全角で約40度である。図に示した透過電子201はその一例を表したものであり、透過した電子がすべてこの軌道を通るわけではない。
【0026】
図8(b)に示した軽元素部材が挿入されていない場合には、微小試料22を透過した電子201は試料であるシリコンウエハ21に入射する。入射した電子201はシリコンウエハ内で散乱され、再びシリコンウエハ表面から飛び出してくる電子205がある。この電子を後方散乱電子と呼ぶ。この過程で、シリコンウエハの表面から2次電子303、X線403が発生する。垂直入射(入射角0度)で約20%、60度入射で40%の入射電子が後方に散乱される。後方散乱された電子205は再び微小試料22に入射し、電子ビーム8の入射点とは別の個所で2次電子304、X線404を発生する。
【0027】
図6に示した2次電子検出器6は測定試料だけでなくその近傍から出た2次電子をほとんどすべて検出するようになっているので、微小試料表面で発生した2次電子301以外に透過電子により発生した2次電子303、後方散乱電子により発生した2次電子304も検出される。高分解能観察ではこのような2次電子はなるべく少ないほうが好ましい。次に、X線検出について述べる。図6には一般的な半導体X線検出器16示した。電子ビーム8の微小試料上の照射点とX線検出素子161の検出面で構成される円錐の側面の一部に沿った内面を持つコリメータ162がX線検出器の先端に取り付けられている。しかしながら、図中に示した2本の点線で挟まれた空間で発生したX線も検出される。したがって、図8(b)で示した微小試料22の電子ビーム8の照射点以外で発生したX線403,404も検出してしまう。このため、観察対象の微小試料からの信号だけではなく、微小試料の下にある導入試料であるシリコンウエハからの信号が検出されてしまい、実際に測定した結果でもシリコンウエハに直接電子線を照射した場合とほぼ同じX線スペクトルとなる。しかも、微小試料も導入試料も母材はシリコンであり、X線スペクトルには微小試料からのSiの特性X線と導入試料からのSiの特性X線が重なった状態で現れる。両成分の分離は不可能であった。このため、この構成では微小試料元素組成を精度良く、高感度で測定することが不可能であった。
【0028】
図8(c)に示した微小試料22と試料21の間に孔を持たない表面が平坦な軽元素部材56を挿入する方法では、微小試料22を透過した電子は炭素からなる軽元素部材56に入射する。炭素からなる物質ではシリコンからなる物質よりも後方散乱の割合が少なく、垂直入射(入射角0度)で約6%、60度入射で27%の割合で、導入試料であるシリコンウエハと比較して後方散乱の割合を1/3以下になった。
【0029】
微小試料を透過した電子201により炭素部材からは炭素原子に特有な特性X線403が発生する。X線検出素子で検出した信号はX線エネルギーごとに弁別するので、微小試料のシリコンからのX線と区別することができる。また、炭素部材で後方散乱される電子の数をシリコンウエハで後方散乱される電子の数より少なくできるので、後方散乱電子205が微小試料22に戻って発生する2次電子304、X線404も少なくできる。ただし、炭素部材で発生した制動輻射による連続X線はシリコンウエハから発生する連続X線と積分強度では1/5程度になるもののSiの特性X線ピークの現れる1から3keVのエネルギー領域の連続X線(背景)強度はほとんど低減できなかった。このためこのエネルギー範囲にある特性X線を発生する元素の感度を向上させることができなかった。
【0030】
図8(d)に示した本発明の特徴である、微小試料22と試料21の間に孔を設けた軽元素部材56を挿入する方法では、微小試料22を透過した電子のほとんどが炭素からなる軽元素部材56の孔57に入射する。
【0031】
透過した電子201が孔57の側面および底面に衝突すると上記と同様に反射電子403またはX線303が発生する。反射電子は入射電子に対して反射の関係にある方向に放射されるものが多い。従って、反射電子は孔内で吸収されるものが多く、再び孔から出てくるものが少なくなる。従って、微小試料22に再入射する反射電子は図8(c)と比較しても非常に少なくなる。加速電圧15kVの電子線を炭素からなる軽元素部材に照射した場合、電子線の進入深さは2.6μmである。本実施例では孔の底の厚さは0.2mmあるので、電子線は炭素部材を突き抜ける事は無い。また、孔内で発生したX線303は軽元素材部56の側部で吸収されるものがあり、X線検出器に到達するX線は低減される。このため、微小試料の観察対象以外で発生するX線が検出されることが低減される。また、炭素部材の帯電を防ぐために、炭素部材は接地されている。結果として、背景雑音が少なくなり高精度、信号雑音比の高い元素分析が可能となる。このため、微小試料22の高分解能かつ高精度な観察が可能となる。
【0032】
図25は上記の本発明の効果を示すX線スペクトルである。効果を明確にするために、Siウエハの代わりにAl板を設置し、微小試料としては、Siウエハーから取り出した試料で、厚さを0.15ミクロンに薄膜化した微小試料を用いた。加速電圧25kV、ビーム電流約 1nA の電子線を微小試料に照射して発生するX線を100秒間蓄積して得た結果である。
【0033】
点線で示した曲線は図8(b)に対応するスペクトルで、連続X線信号の上に4個の特性X線ピークが観測されている。微小試料の母材であるSiに帰属する特性X線ピーク以外に微小試料の下側にあるAl板からの大きなAl特性X線ピークがスペクトルに現れている。これらの2つのピーク以外に、酸素と炭素元素に相当する特性X線ピークが現れている。これは微小試料及びAl板の酸化膜及び表面に付着したハイドロカーボンを反映したものと考えられる。連続X線の量は、Si単独の場合のSiの特性X線ピークと連続X線の比よりも大きくAl板からの連続X線が重なっていると考えられる。このように図8(b)に示す構成では下地のAl板からの大きなAl特性X線ピークと連続X線が重なり、微小試料のSiからの特性X線ピークの信号雑音比が悪くなっていることが判る。下地がSiウエハの場合には微小試料からのSiピークと下地からのSiピークが重なってしまい、分離できなくなってしまう。
【0034】
次に、細い実線で示した曲線L2は図8(c)に対応するスペクトルで、Siを母材とする微小試料とAl板の間に炭素板を挿入した場合に得られたものである。炭素板を挿入することにより、Al板からのAlのピークはほとんど観測されなくなる代わりに、炭素のピークが大きくなることが観測された。これは微小試料を透過して、Al板に衝突していた電子が炭素板に衝突して炭素の特性X線ピークが大きくなる。このようにこの実験条件では微小試料に照射した電子のほとんどが微小試料を透過していることが理解される。一方、連続X線の信号の総量は小さくなっているが、Siの特性X線のエネルギーでは炭素板を挿入する前と比較して大きく異なっていない。このため、Siのピークは孤立ピークになり判別が容易になったが、連続X線に対する比(信号雑音比)はあまり改善されていない。
【0035】
次に、太い実線で示した曲線L3は図8(c)に対応するスペクトルで、Siを母材とする微小試料とAl板の間に孔を有する炭素板を挿入した場合に得られたものある。孔の直径は1mm、深さは2mmであった。孔は貫通しておらず、孔底の厚さは0.5mmであった。微小試料の0.1mm下に孔の開口面のほぼ中心が来るように設置した。連続X線が大幅に減少すると共に、炭素の特性X線も減少することが確認できた。これにより、Siの特性X線ピークが高感度で検出することが実現できた。
【0036】
図8(a)はウエハー最表面など微小試料ではなく厚い試料をを観察する場合の2次電子の発生状況を示したものである。ウエハー最表面に入射した電子ビーム8はウエハ内部で散乱を受け半径で約1μmの領域211に拡散し、一部はウエハ内で吸収され、一部は後方散乱される。上記拡散領域で最表面から数nm深さの間で発生した2次電子のみが表面から発生し、2次粒子検出器により検出される。すなわち、検出される2次電子は電子ビーム8の照射点からの2次電子301と後方散乱電子による2次電子302の和となる。X線は物質中の透過力が強いために、上記拡散領域で発生したX線402はウエハ表面に達する。このため、上記の測定条件ではX線による元素分析の空間分解能は数μmである。また、1μm以下の領域に存在する母材の元素とは異なる元素を検出しようとした場合、数μmに広がった部分からのX線を含んでしまうので、信号雑音比が低下してしまい高感度な検出が困難となる。
【0037】
一方、本実施の形態では、微小試料の厚さを0.1μm程度に薄く加工してあるので、電子ビーム8の微小試料中ではその厚さ程度にしか拡散せず、また微小試料中で後方散乱する電子も少ない。従って、2次電子は照射点で発生するものの比重が大きくなり、高分解能観察が可能となる。また、X線の発生領域も電子線の拡散領域に限られるので、X線検出による2次元元素分析の空間分解能を0.1μmと飛躍的に向上できる。
【0038】
さらに、観察分析面p3の角度を望ましい角度に調整できるので、2次電子検出器6での2次電子の検出効率はウェーハ最表面を観察する場合と同程度になり、微小試料22の観察分析面p3の観察条件は非常に良好なものになり、従来例で問題であった分解能の低下を回避でき、しかも、より綿密な観察分析ができるようになる。また、微小試料22を、装置の外部に取り出すことなく、真空雰囲気の試料室内に置いたまま、観察・分析するため、対象試料の内部断面を室内大気暴露による汚染や異物付着無しに、高分解能、高精度、最適角度での観察・分析が実現可能となる。しかも1時間当たり2〜3ヶ所以上の高い処理能力での観察・分析が可能となる。
【0039】
本実施の形態では、垂直に加工した孔を利用した例を示したが、入射した電子が再放出されることがない構造であれば、どのような形状の孔でも本発明が適用されることは自明である。
【0040】
但し、プローブ72で宙吊り状態となった微小試料22は振動の影響を受け易いので、高倍率や振動の多い設置環境下で観察・分析する場合には、図9に示したように微小試料22を、軽元素部材56へ着地させることにより微小試料の振動を大幅に抑えることができ、良質の観察・分析が可能となる。
【0041】
以上、シリコンウエハ内の断面P3の観察について述べてきたが、シリコン表面の一部P2を観察する場合には図10に示すように観察分析面P2を電子ビーム8で走査すれば良い。この場合、面P2方向に反対側を薄く製膜する。従来、図7(a)に示す方法でシリコンウエハ表面を2次電子像観察によりシリコンウエハの表面に異物が観察された場合、その組成をX線観察により調べようとすると異物の厚さが薄いためにシリコンウエハ基板からのX線信号に埋もれてしまい、組成分析ができないことがあった。本実施例では薄く製膜した微小試料を観測するので、表面異物の下地からの信号が減少し、表面異物の組成に対する感度を一桁向上することが可能となる。
【0042】
また、軽元素部材の材質として炭素の場合について述べたが、ベリリウムや、ベリリウムと炭素の複合物でもよい。ベリリウムを用いたときは微小試料を突き抜けてくる電子がベリリウムに衝突して発生するX線はベリリウム固有のエネルギーを持つが、現状のX線検出器では検出可能なエネルギー範囲より小さいので、X線スペクトルに現れないという利点がある。また、炭素とベリリウムの複合物を用いたときには、軽元素部材の位置を調整して、微小試料を透過した電子線が軽元素部材の炭素の部分に入射する場合とベリリウムに入射する場合の2つのスペクトルを観測することにより、スペクトルに現れる炭素のピークの発生要因、すなわち、微小試料からのものか、軽元素部材からのものかを分析できる。
【0043】
軽元素部材にあけた孔は本実施例においては円柱状の孔を用いたが、円柱状であることは本質ではなく、微小試料を透過した電子線が孔に入ることが本質なので、孔の形状については特に限定するものではない。
これらを纏めると、
電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載置する試料台と、該電子ビームを該試料に照射して該試料から発生する電子およびX線を検出する検出器を備える試料観察装置において、試料の背後に少なくとも軽元素材料を含む部材(吸収部材)を設置して、該電子ビームを照射して該試料を観察するする試料観察方法にある。又、イオン源、イオンビームを集束するレンズ、イオンビーム走査偏向器を備える集束イオンビーム光学系と、電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載置する試料台を備える試料観察装置において、該集束イオンビームを用いて該試料から第2の試料を分離する機能と、該第2の試料を摘出するためのマニピュレータと電子ビームを該微小試料に照射して該第2試料から発生する電子およびX線を検出する検出器を具備し、摘出された該第2の試料の背後に少なくとも軽元素材料を含む部材(吸収部材)を設置して、該第2の試料を電子ビームで観察する試料観察方法にもある。
<実施の形態2>
本発明の第2の実施例である試料観察装置の概略構成を図11、図12により説明する。本実施例では、図3に示した試料観察装置の基本構成に、第2のマニピュレータ55の先端に備えた軽元素部材のかわりに、図11に示した試料台24に埋め込んだ炭素からなる軽元素部材56を用いる。試料台24は試料21を搭載する面とその面より5mm程度低い面を有し、低い面に軽元素部材56を設置してある。図22は軽元素部材56を含む主要部の詳細断面図である。軽元素部材55は中心部に微小試料22を観測するための電子ビームの照射する方向に孔57を有している。孔57の直径は1mm、深さは2mmである。軽元素部材57はX線検出器16の方向に盛り上がった部分を有し、その部分に孔57の上側中心部に伸びた炭素板500が固定されている。試料21から集束イオンビームにより摘出し、必要に応じて加工した微小試料22をマニピュレータと試料台24の移動により孔57の入り口中心部に移動する。プローブ72に保持された試料を炭素板500の先端に接触して観測する。接触により観測時の微小試料の振動による影響を低減できる。
【0044】
炭素板500の上面はコリメータ162により制限されるX線検出角409の下の境界線と一致するように配置されている。このため、電子ビーム8が微小試料22を透過し拡散を受けて孔57の内面に衝突して発生したX線の一部は厚い軽元素部材およびその外周の金属部材で吸収される。これにより観測されるX線スペクトルは背景雑音が少ないものになり、高精度かつ高感度な元素分析が可能となる。
【0045】
さらに、本実施例では、試料を設置する位置と微小試料を軽元素部材56に移動して観測する位置の高さが異なっている。このため、電子光学系41からの距離(ワーキングディスタンス)を長くすることができ、高加速電圧にしても電子ビームを細く絞ることができる。本例では15kVの加速電圧で観測することが可能となっている。これにより低加速電圧の電子ビーム照射ではX線ピークが重なって弁別できない元素の検出が容易となる。また、高加速電圧の電子線は微小試料内での散乱が小さく、拡散しないので、高い空間分解能で微小試料の元素分布観測が可能になる。
本実施例ではひとつの軽元素部材56を設置した例を示したが、複数個の軽元素部材を試料21の周辺に配置してもよい。この場合には、試料21内の微小試料を摘出した部分に一番近い軽元素部材に微小試料を移動させることにより、より短時間で観測を開始することが可能となる。
【0046】
以上に述べたように、本実施例では、観察分析の角度を、垂直観察を含めた望ましい角度に調整できること、真空雰囲気の試料室内に置いたまま観察できること、微小試料を軽元素部材に固定することで、微小試料観測における振動の問題を回避できる、背景雑音の小さいX線スペクトルが得られる、高い加速電圧の電子ビームを用いることが可能となる、等により、微小試料22の観察条件は非常に良好になる。これにより、従来問題であった分解能の低下を回避でき、しかも最適、綿密な観察分析を迅速で高効率に行うことができる。結果として高品質な観察分析を高スループットで実行できる。
<実施の形態3>
本発明の第3の実施例である試料観察装置の概略構成を図13により説明する。本実施例では、図3に示した試料観察装置の基本構成に、軽元素部材を先端に有する第2のマニピュレータ55がないかわりに、第3の試料台18と、第3の試料台の角度や高さ等を制御する第2試料台制御装置19を加えたものである。本実施例における集束イオンビーム光学系31からイオンビームを試料に照射してウェーハから微小試料を摘出するまでの過程は第1実施例と同様である。本実施例は、摘出した微小試料を、マニピュレータで支持した状態で観察・分析する代わりに、第3の試料台に固定し観察・分析を行うものである。図14は、第3の試料台18に微小試料22を固定した状態を示す。本実施例では、第3試料台18の微小試料固定部分の背面に炭素からなる軽元素部材56を設置してある。微小試料22の観察面が軽元素部材56の反対側になるように、微小試料の底面を第3試料台18に接触して、FIB4で堆積性ガスを第3試料台18と微小試料22の接触点に堆積させたイオンアシストデポ膜75で第3試料台18への微小試料22を固定する。なお、微小試料22作成時や、該堆積性ガスを堆積させた時などに、観察断面21の表面への異物吸着や観察断面21の表面が破壊される不都合を予防するために、FIB4の照射角を微小試料の観察断面に平行になるように第3試料台操作で適切に角度設定した後、FIB4を照射して所望の観察断面21を作成することもできる。電子ビームは軽元素部材56とは反対側から照射して断面観察することになる。
図15に示す第3試料台を設置することにより複数の微小試料をまとめて扱うこともできる。ウェーハ21から微小試料22を摘出し、試料台脇の第3試料台18の適所へ固定し、次の微小試料22を摘出する操作を繰り返すことにより、ウェーハ21を試料台24に固定したまま複数個の断面観察と元素分析が可能であり、ウェーハ21全体に亘る断面構造の分布を効率的に調べることができる。図15において、第3試料台18に微小試料を数個並べて固定し、電子ビーム8に対して微小試料22が適切な角度になるように試料台24の停止方位と第2試料台18の角度を併せ調整した状態で試料観察・分析を行えば、複数個の微小試料を連続的あるいは比較しながら繰り返し観察分析できるので、ウェーハ21全体に亘って断面構造や元素分布を詳細かつ能率的に調べることができる。
【0047】
以上に述べたように、本実施例も、ウェーハ表面を観察する場合と同程度の二次電子検出効率が得られること、観察分析の角度を、垂直観察を含めた望ましい角度に調整できること、真空雰囲気の試料室内に置いたまま観察できること、マニュピレータから切り離して微小試料を第2の試料台に固定することで、微小試料観測における振動の問題を回避できる、等により、微小試料22の観察条件は非常に良好になるの。これにより、従来問題であった分解能の低下を回避でき、しかも最適、綿密な観察分析を迅速で高効率に行うことができる。結果として高品質な観察分析を高スループットで実行できる。
【0048】
本実施例では、第1のマニピュレータで摘出した微小試料を第3の試料台に固定して観察する方法、形態を示したが摘出した微小試料を第1のマニピュレータに固定した状態で、その下側に第3の試料台が来るようにして、第1のマニピュレータ(第1の保持器)により微小試料の向きを適宜調整して観察しても本発明が適用されることは自明である。また、このときに、微小試料が第2の試料台から離れているか、接触しているかは本質的な問題ではなくどちらでも構わない。
<実施の形態4>
本発明の第4の実施例である試料観察装置の概略構成を図16、図17により説明する。本実施例では、図3に示した試料観察装置の基本構成に、第2のマニピュレータ(第2の保持器)55の先端に備えた軽元素部材のかわりに、図17に示した第3試料台58を用いる。第3試料台58は、炭素からなる軽元素部材56を備え、試料台保持棒59を介して第2のマニピュレータ55の先端に取り付けられている。試料台保持棒は試料台58が振動しないような材質、寸法で設計されている。
【0049】
本実施例における集束イオンビーム光学系31からイオンビームを試料に照射してウェーハから微小試料を摘出するまでの過程は第1実施例と同様である。本実施例は、摘出した微小試料を、マニピュレータで支持した状態で観察・分析する代わりに、第3試料台58に固定し観察・分析を行うものである。図17は、第3試料台58に微小試料22を固定した状態を示す。本実施例では、第2試料台18の微小試料固定部分の背面に炭素からなる軽元素部材56を設置してある。微小試料22の観察面が軽元素部材56の反対側になるように、微小試料の底面を第3試料台58に接触して、FIB4で堆積性ガスを第2試料台58と微小試料22の接触点に堆積させたイオンアシストデポ膜75で第3試料台58に微小試料22を固定する。なお、微小試料22作成時や、該堆積性ガスを堆積させた時などに、観察断面21の表面への異物吸着や観察断面21の表面が破壊される不都合を予防するために、FIB4の照射角を微小試料の観察断面に平行になるように第3試料台の操作で適切に角度設定した後、FIB4を照射して所望の観察断面21を作成することもできる。電子ビームは軽元素部材56とは反対側から照射して断面観察することになる。
第3の実施の形態で述べたように、本実施の形態でも複数の微小試料をまとめて扱うこともできる。ウェーハ21から微小試料22を摘出し、試料台脇の第2試料台58の適所へ固定し、次の微小試料22を摘出する操作を繰り返すことにより、ウェーハ21を試料台24に固定したまま複数個の断面観察と元素分析が可能であり、ウェーハ21全体に亘る断面構造の分布を効率的に調べることができる。
【0050】
以上に述べたように、本実施例も、ウェーハ表面を観察する場合と同程度の二次電子検出効率が得られること、観察分析の角度を、垂直観察を含めた望ましい角度に調整できること、真空雰囲気の試料室内に置いたまま観察できること、微小試料摘出用マニュピレータから切り離して微小試料を第3の試料台に固定することで、微小試料観測における振動の問題を回避できる、等により、微小試料22の観察条件は非常に良好になる。これにより、従来問題であった分解能の低下を回避でき、しかも最適、綿密な観察分析を迅速で高効率に行うことができる。結果として高品質な観察分析を高スループットで実行できる。
<実施の形態5>
本発明の第5の実施例である試料観察装置の概略構成を図18により説明する。本実施例は従来の技術の項で述べたインレンズ方式走査型電子顕微鏡に本発明を適用した例で、図18は電子顕微鏡の対物レンズ周辺の詳細図である。ここでのインレンズ方式とは対物レンズ内に試料台と試料台上載置された試料を配置して計測する走査電子顕微鏡装置を示す。
【0051】
図18に示すように本実施例では上下に配置した対物レンズの磁極707,708で挟まれた空間に試料台706に設置した薄膜試料22を挿入して観察する。薄膜試料22は所望の観察領域を含むようにFIB加工装置で実施の形態1の項で説明した方法で薄膜加工したもの、あるいは、従来の機械的研磨、イオンミリングにより薄膜化した試料、あるいは、粉体を炭化水素系の薄膜に固定したものである。薄膜試料22はメッシュと呼ばれる半円状の支持体26に固定されている。
【0052】
薄膜試料22の下には本発明の特徴の一つである孔を有し、つば付き円筒状の外形を持つ炭素部材56が設置されている。孔の直径は1mm、深さは1.5mm、孔底の厚さは0.5mmである。薄膜試料22の右上方にはX線検出素子161が配置されている。薄膜試料22に電子線8を走査して発生するX線401をX線検出素子161で検出することにより薄膜試料22の元素分析をする。
【0053】
炭素板501を磁極707の下面に設置して、薄膜試料22に電子線8を照射して発生する、試料の上方に向かう反射電子205が衝突して発生する反射電子およびX線を低減している。炭素部材56の周辺は材質がタングステンの重金属材503で囲まれている。これにより炭素部材を突き抜けるX線を減衰するようになっている。また、炭素部材56の上部でX線検出器側の部分には、薄膜試料22を接着しているメッシュ26を覆うように炭素部材56に固定するための炭素材質の固定具504が設置されている。固定具504はX線検出素子の検出部周辺と薄膜試料22の電子線照射点を結ぶ円錐に接するように外側に向かって盛り上がった形状と名手いる。これにより炭素部材56の孔の入り口近傍に散乱電子が衝突して発生するX線をなるべく吸収し、X線検出素子に入らないようにしている。また、電子線8は完全な線状のビームではなく多少広がりを持つ。この裾部にある電子がメッシュに衝突するとメッシュの代表的な材質であるNi等の元素に特有なX線が発生し薄膜試料の正確な元素分析を阻害する。本実施例ではメッシュの上側を炭素材で覆うことによりメッシュを構成している元素の特性X線が発生しないようにしている。これらの効果に合わせて、薄膜試料22を透過する電子は炭素部材56の孔に入射するので、実施の形態1の項で述べた効果と同様にX線検出素子で検出される背景X線と薄膜試料22に再衝突する反射電子を低減できる。炭素部材56の孔底の厚さは0.5mmあるので、50kVの加速電圧でも電子線は透過することなく、吸収される。従って、本実施例では下側の磁極708には炭素板を設けていない。
【0054】
本実施例においても背景X線雑音、薄膜試料に再衝突する反射電子を大幅に低減できるので、高精度高感度な試料観察装置が可能となる。
<実施の形態6>
本発明の第6の実施例である試料観察装置の概略構成を図19により説明する。本実施例は走査型透過電子顕微鏡に本発明を適用した例で、図19は走査型透過電子顕微鏡電子顕微鏡の対物レンズ周辺の詳細図である。実施の形態5の項で述べたインレンズ型の走査電子顕微鏡と同じ構造となっている。透過型電子顕微鏡の場合には試料を透過する電子線で入射電子線と進行方法がほぼ同じ電子線を回折電子線像を観測して試料の原子配列などの構造を分析するのが主要な機能である。
【0055】
薄膜試料22の下には本発明の特徴の一つである。薄膜試料が上側磁極707と下側磁極708との間に試料台706が設けられている。試料台706にはメッシュ26がと付けられそれに試料が取り付けられている。電子線が試料を通過する際に生じるX線をが試料台やその周辺に散乱して照射され、そこから更にX線が発生しそれが検出素子161に入射すると前回実施例と同様に検出信号のバックグランドを上げてしまう原因となる。これを防ぐために、試料台706を軽元素部材でX線に対し覆う構造とする。具体的には、試料を通過した電子線を下側対物708の下に設けられたカメラユニット(図示はしていない)に入射させるための開口部を有する試料台の内壁部を軽元素で覆うこととする。この軽元素部材を試料台にネジでとめる構造や溶接固定する構造が考えられる。試料台の円筒状試料保持部分は例えば、内径が1mmで長さが3〜5mm肉厚が0.5mmのものが考えられる。薄膜試料22の右上方にはX線検出素子161が配置されている。薄膜試料22に電子線8を走査して発生するX線401をX線検出素子161で検出することにより薄膜試料22の元素分析をする。
【0056】
試料台706の構造は炭素部材56の孔が貫通している以外は実施の形態5で述べたものと同じである。炭素部材56の孔が貫通しているので試料を透過した電子の一部は対物レンズの下側の磁極708に衝突するものがあるので、磁極708の上面を炭素板502で覆っている。
【0057】
本実施例においても背景X線雑音、薄膜試料に再衝突する反射電子を大幅に低減できるので、高精度高感度な試料観察装置が可能となる。
<実施の形態7>
本発明の第7の実施例である試料観察装置の概略構成を図20により説明する。本実施例は汎用型の走査電子顕微鏡に本発明を適用した例で、図20は汎用型走査電子顕微鏡電子顕微鏡の対物レンズ周辺の詳細図である。本実施例における電子顕微鏡の対物レンズは試料の上側のみに磁極707を持つ構造になっている。磁極707の下側の空間が広く開いており、大型の試料台801に試料を設置して測定するようになっている。
【0058】
一般にこの型の電子顕微鏡では当方的に反射電子が発生するので、X線検出素子161と試料の間には一組の永久磁石からなる反射電子除去器802を設置して、反射電子がX線検出素子161に入射しないようにしている。反射電子除去器の原理は試料の観測点とX線検出素子の検出面で張られる空間を挟んで1組の永久磁石を設置し、磁石間にできる磁界により反射電子が曲げられる現象を利用したものである。実施の形態1から4までのX線検出器では明示しなかったが、反射電子除去器がコリメーターの内部に収納されている。
【0059】
本実施例においても薄膜試料22の直下には本発明の特徴である孔を備えた炭素部材56が設置されている。
【0060】
本実施例においても背景X線雑音、薄膜試料に再衝突する反射電子を大幅に低減できるので、高精度高感度な試料観察装置が可能となる。
【0061】
以上の実施の形態において、軽元素部材として軽元素材料を加工した部材を用いた例を示したが、金属等で加工した部材に軽元素材料を塗布したものでもよい。この場合、塗布する軽元素材料は電子線が透過しない厚さであることが必要がある。
【0062】
以上実施例を整理してみると、第1の発明は、電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載置する試料台と、該電子ビームを該試料に照射して該試料から発生する電子を検出する電子線検出器とX線を検出するX線検出器のいずれか、または両方を備える試料観察装置において、試料の背後に軽元素材料を含み、かつ、孔を有する部材(吸収部材)を、試料台に設置して、該電子ビームを照射して該試料を観察する機能を有する電子線を用いた試料観察装置。
【0063】
また、第2の発明は、イオン源、イオンビームを集束するレンズ、イオンビーム走査偏向器を備える集束イオンビーム光学系と、電子源、電子ビームを集束するレンズ、電子ビーム走査偏向器を備える電子ビーム光学系と、試料を載置する試料台を備える試料観察装置において、該集束イオンビームを用いて該試料から第2の試料を分離する機能と、該第2の試料を摘出するためのマニピュレータと電子ビームを該微小試料に照射して該試料から発生する電子を検出する電子線検出器とX線を検出するX線検出器のいずれか、または両方を具備し、摘出された該第2の試料の背後に軽元素材料を含み、かつ、孔を有する部材(吸収部材)を、該試料台または該試料台と該第2の試料の間に設置して、該第2の試料を電子ビームで観察する機能を有する点にも有ります。
【0064】
更に、第2の発明で、第2の試料を摘出するためのマニピュレータは、該マニピュレータを該試料台と独立に駆動させるマニピュレータ制御装置を具備し、該第2の試料を前記マニピュレータで支持した状態で、観察用荷電粒子ビームの該第2の試料への照射角度可変機能を有することにもあります。また、第2の発明の吸収部材を配置する手段が、吸収部材を先端に有する第2のマニピュレータにより、請求項3記載のマニピュレータに摘出された該第2の試料の背後空間、すなわち、該観測用荷電粒子ビームを発生する装置に対して反対の空間に吸収部材を挿入する方法にあります。また、第2の発明の第2の試料を載置して、請求項2記載の試料台に軽元素材料からなる吸収部材を有する第2の試料台を具備する点にも有ります。
更に第2の発明の第2の試料を載置して、請求項2記載の試料台とは独立に駆動し、観測用荷電ビームの該微小試料への照射位置、角度を可変できる機能と、請求項1記載の軽元素部材を有する第3の試料台を具備することに有ります。
【0065】
吸収部材が重元素材料で覆われていて、その吸収部材が少なくとも、炭素、または、ベリリウム、または炭素とベリリウムの複合物で厚さが電子ビームの進入深さより大きいく接地されている点にも有ります。
【0066】
【発明の効果】
本発明により、益々微細化が進むLSIデバイス等の内部観察を高分解能で高品質かつ短時間で実施できる試料観察装置および微小試料加工観察方法が実現できる。さらに薄膜成形加工した微小試料をEDX分析して高精度な元素分析することにより、総合的に断面の観察や分析の効率の良い試料観察装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態における装置全体構成図。
【図2】本発明の第一の実施の形態における装置全体構成で平面図。
【図3】本発明の第一の実施の形態における装置詳細構成図。
【図4】本発明の微小試料加工方法の例を示す図。
【図5】本発明の微小試料観察方法の例を示す図。
【図6】本発明の第一の実施の形態における詳細構成図。
【図7】本発明の第三の実施の形態における主要部詳細図。
【図8】本発明の原理を説明する概略図。
【図9】本発明の第一の実施の形態における別の応用を示す概略図。
【図10】本発明の第一の実施の形態におけるさらに別の応用を示す概略図。
【図11】本発明の第二の実施の形態における主要部詳細図。
【図12】本発明の第二の実施の形態における主要部拡大断面図。
【図13】本発明の第三の実施の形態における装置全体構成を示す図。
【図14】本発明の第三の実施の形態における主要部詳細図。
【図15】本発明の第三の実施の形態における主要部詳細図。
【図16】本発明の第四の実施の形態における装置全体構成を示す図。
【図17】本発明の第四の実施の形態における主要部詳細図。
【図18】本発明の第五の実施の形態における主要部詳細図。
【図19】本発明の第六の実施の形態における主要部詳細図。
【図20】本発明の第七の実施の形態における主要部詳細図。
【図21】従来の装置の概略構成図。
【図22】従来の加工方法を示す図。
【図23】従来の観察方法を示す図。
【図24】従来の装置の詳細構成図。
【図25】本発明の効果を示すX線スペクトル図。
【符号の説明】
1…イオン源、2…レンズ、3…イオンビーム走査偏向器、4…集束イオンビーム(FIB)、
5…中央制御表示装置、6…二次電子検出器、7…電子銃、8…電子ビーム、9…電子レンズ、
10…電子ビーム走査偏向器、14…マニピュレータ、15…マニピュレータ制御装置、
16…X線検出器、17…堆積ガス供給装置、18…第3試料台、19…第2試料台制御装置、21…ウェーハ、22…微小試料、23…カセット、24…試料台、25…試料台制御装置、31…集束イオンビーム光学系、32…集束イオンビーム光学系(#2)、41…電子ビーム光学系、51…分析装置、55…軽元素部材挿入装置、56…軽元素部材、57…孔、58…第3試料台、59…保持棒、60…真空試料室、61…ウェーハ導入手段、62…ウェーハ搬送手段、63…載置台、64…ハッチ、
70…マニピュレータ、71…プローブ保持部、72…プローブ、75…アシストデポ膜、
77…試料回収トレイ、81…カセット導入手段、82…ウェーハ搬送ロボット、83…オリエンテーション調整手段、90…ガス導入管、100…操作制御部、101…試料、105…堆積性ガス、107…角孔、108…底孔、109…きりかき溝、110…ガスノズル
161…X線検出素子、162…コリメータ、201−203…透過電子、205−207…後方散乱(反射)電子、301−304…2次電子、401−408…X線、409…X線検出角、500−504…炭素板、706…試料台、802…反射電子除去器
p1…観察箇所、p2…観察分析面、p3…観察分析面、s1…内部断面、s2…支持部。
Claims (4)
- イオン源、イオンビームを集束するレンズ、イオンビーム走査する偏向器を備える集束イオンビーム光学系と、
電子源、該電子源により発生する電子ビームを集束するレンズ、前記電子ビームを走査する偏向器を少なくとも備える電子ビーム光学系と、
試料を載置する試料台と、
前記集束イオンビームにより前記試料から作製される試料片を、前記試料から摘出するためのマニピュレータと、
前記試料片に対して電子ビームを照射することにより該試料片から発生するX線を検出するX線検出器と、
軽元素材料を含む吸収部材と、
当該軽元素部材を前記マニピュレータにより保持された試料片と前記試料台上の試料との間に移動する軽元素部材挿入装置とを備えたことを特徴とする電子線を用いた試料観察装置。 - 請求項1に記載の観察装置において、
前記試料片を電子ビームで観察する機能を有することを特徴とする試料観察装置。 - 請求項1または2に記載の観察装置において、
前記軽元素材料が炭素またはベリリウムを含む材料であることを特徴とする試料観察装置。 - 試料台に載置された試料に対して集束イオンビームを照射して試料片を作製し、
マニピュレータで当該試料片を前記試料から摘出し、
該マニピュレータにて保持された試料片と前記試料台に載置された試料との間に軽元素を含む吸収部材を移動し、
前記試料片に対して電子ビームを照射し、発生するX線を検出することを特徴とする試料分析方法。
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