JPH08261894A - Tem評価試料及びその作成方法 - Google Patents

Tem評価試料及びその作成方法

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JPH08261894A
JPH08261894A JP6407095A JP6407095A JPH08261894A JP H08261894 A JPH08261894 A JP H08261894A JP 6407095 A JP6407095 A JP 6407095A JP 6407095 A JP6407095 A JP 6407095A JP H08261894 A JPH08261894 A JP H08261894A
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JP
Japan
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tem
evaluation sample
tem evaluation
observation
observation surface
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JP6407095A
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English (en)
Inventor
Koji Fukumoto
晃二 福本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 定量分析を可能にするTEM評価試料作成方
法およびその作成方法を得る。 【構成】 TEM観察面6をTEM評価試料4表面上に
傾斜する。またTEMによる観察時に照射する電子ビー
ムの入射側のTEM評価試料4をその表面から裏面にか
けて垂直に切り落とた形状とす。 【効果】 TEM観察面での散乱電子がTEM評価試料
に衝突しにくくなり、TEMによる元素分析の定量的分
析を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透過型電子顕微鏡(以
下TEMという)を用いて評価するためのTEM評価試
料及びその作成方法に関し、特に元素分析の定量的分析
を可能にするTEM評価試料及びその作成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス等の試料を拡大して、観
察する方法の一つとしてTEMは良く知られている。数
百kVあるいはそれ以上の高電圧によって加速された電
子ビームを試料の観察したい部位を有するTEM観察面
に照射し、そのTEM観察面を透過した通過電子を結像
させて観察(TEM観察)する。このTEM観察は極め
て高分解能での観察が可能であり、2オングストローム
をきるレベルの点分解能を有している。
【0003】画像を結像させるに十分な電子ビームを透
過させるためには、試料のTEM観察面の厚さを極めて
薄くする必要がある。一般に格子像と呼ばれる原子の配
列を反映させた像を得るためには、TEM観察面の厚さ
を0.1μmレベルの厚さまで薄くしなければならな
い。
【0004】近年、試料の特定の部位をTEM観察する
ために、試料の観察したい部位をダイサーと集束イオン
ビーム(FIB(Focused Ion Bea
m))装置とを組み合わせて、極めて薄く形成して得ら
れるTEM観察面を有するTEM評価試料の作成方法が
一般的になってきている。
【0005】そのダイサーとFIB装置によるTEM評
価試料の作成方法の一例は、日本電子顕微鏡学会関西支
部技術研究会「電子顕微鏡による半導体評価」の予稿集
(平成6年12月3日版)に記載されている。その予稿
集に記載されている事項に基づき、従来のTEM評価試
料の作成方法を、図9乃至図12を参照しながら、簡略
して説明する。
【0006】図9乃至図12中の1は半導体デバイス等
の試料、2は観察の対象である観察部位、3はマーキン
グにより形成されたマーク、4はTEM評価試料、5は
TEM評価試料4に形成された突出部、6はTEM観察
面である。
【0007】まず、図9を参照して、FIB装置を用い
て、試料1の観察したい観察部位2の近傍をエッチング
して、マーク3を形成することでマーキングしておく。
次に、図10を参照して、ダイサーを用いて、試料1か
ら、ダイシング(切断)して、観察部位2を含む部分を
切り出して、TEM評価試料4の全体を形成する。次
に、図11を参照して、ダイサーを用いて、観察する観
察部位2の近傍以外のTEM評価試料4の表面を、ダイ
サー所定の切断方向(図11に示す水平方向X及び垂直
方向Y、以後、その他の各図に記載されている水平方向
X及び垂直方向Yは互いに対応している)にダイシング
して、切り落とし、突出部5を形成する。次に、図12
を参照して、TEM評価試料4を加工するための水平な
ステージ(図示していない)に載置して、FIB装置を
用いて、マーク3を参考にして観察部位2の位置を確か
めながら、その観察部位2の両側をエッチングして、薄
いTEM観察面6を形成することにより、TEM評価試
料4が完成する。
【0008】このTEM評価試料作成方法により、TE
M観察面6を極めて薄く形成できるため、半導体デバイ
スを高分解能で形状評価が行えるようになり、例えば不
良箇所を高分解能で形状評価が行えるために、半導体デ
バイスの開発等に大きく寄与している。
【0009】ところで、TEMに特性X線(TEM観察
面6を通過した通過電子を含む)を感知して試料中の元
素分析を行うことが可能な装置(ED)を付け加えるこ
とによって、分析電子顕微鏡と呼ばれる評価システムが
でき上がる。この分析電子顕微鏡を用いることでデバイ
スの評価解析が非常に効果的に行える。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図12
に示すような形状を有するTEM評価試料4を分析電子
顕微鏡によって元素分析した場合、下記の問題点が生じ
る。
【0011】TEM評価試料4を分析電子顕微鏡によっ
て元素分析している際のTEM観察面6を図13に示
す。図13中の7はTEM観察面6に照射する電子ビー
ム、7aは電子ビーム7のうちTEM観察面6を通過し
た通過電子、8aは散乱電子、9はX線、αはTEM評
価試料4表面に垂直な方向と散乱電子8aの反射方向と
がなす角である立体角、γはTEM評価試料4表面(図
12に示すTEM評価試料4の上面)方向とTEM観察
面6表面(電子ビーム7の入射側の面)方向との電子ビ
ーム7の入射側でなす傾斜角、その他の各符号は図12
中の各符号に対応している。傾斜角γは90度である。
【0012】図13に示すように、入射された電子ビー
ム7の一部は、TEM観察面6を通過して通過電子7a
となるが、その他は、TEM観察面6表面で反射して散
乱電子8aとなり、さらに散乱電子8aがTEM評価試
料4の表面に反射することによって、X線9(特性X
線、2次蛍光X線)が生じる。通過電子7aのみをED
が感知することで、定量的な元素分析が可能となるが、
元素分析に不必要なX線9(このような元素分析に不必
要なX線を以下バックグラウンドと称す)もEDが感知
して、元素分析されることで、定量的な元素分析が困難
となるという問題点がある。
【0013】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、元素分析に不必要なX線の発
生を抑制することで、定量的な元素分析を可能にするT
EM評価試料作成方法およびその製造方法を得ることを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
課題解決手段は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって
観察するためのTEM観察面を有するTEM評価試料で
あって、前記TEM観察面は、前記TEMが照射する電
子ビームの入射側において、前記TEM評価試料の表面
とのなす角が90度より大きい傾斜角を備える。
【0015】本発明の請求項2に係る課題解決手段にお
いて、前記TEM評価試料は、前記電子ビームが前記T
EM観察面に入射することで生成される散乱電子が衝突
する前記TEM評価試料の領域を前記TEM評価試料の
表面から裏面にかけて切りとった形状を備える。
【0016】本発明の請求項3に係る課題解決手段は、
透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察するためのT
EM観察面を備えたTEM評価試料であって、電子ビー
ムが前記TEM観察面に入射することで生成される散乱
電子が衝突する前記TEM評価試料の表面を覆うための
カーボン膜を備える。
【0017】本発明の請求項4に係る課題解決手段は、
透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察するためのT
EM観察面を備えたTEM評価試料を、集束イオンビー
ム(FIB)装置及びダイサーを用いて作成するTEM
評価試料作成方法であって、前記TEM評価試料を前記
ダイサーによって所定の形状に切り出す工程と、前記切
り出されたTEM評価試料を傾斜させる工程と、前記T
EM評価試料を傾斜させた状態で、前記FIB装置を用
いて、前記TEM観察面を形成する工程とを備える。
【0018】本発明の請求項5に係る課題解決手段にお
いて、前記切り出されたTEM評価試料を傾斜させる工
程は、前記切り出されたTEM評価試料を前記FIB装
置のステージに載置し、前記ステージを傾斜させて、前
記TEM評価試料を傾斜させる。
【0019】本発明の請求項6に係る課題解決手段は、
透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察するためのT
EM観察面を備えたTEM評価試料を、集束イオンビー
ム(FIB)装置及びダイサーを用いて作成するTEM
評価試料作成方法であって、前記TEM評価試料を傾斜
させる工程と、前記TEM評価試料を傾斜させた状態
で、前記ダイサーを用いて、ダイシングして、前記TE
M評価試料を所定の形状に切り出す工程と、前記切り出
されたTEM評価試料に対して、前記FIB装置を用い
て前記TEM観察面を形成する工程とを備える。
【0020】本発明の請求項7に係る課題解決手段にお
いて、前記TEM評価試料を傾斜させる工程は、前記T
EM評価試料を傾斜した状態で載置するための治具を準
備する工程と、前記治具上に前記TEM評価試料を載置
することで、前記TEM評価試料を傾斜させる工程とを
備える。
【0021】本発明の請求項8に係る課題解決手段は、
前記ダイサーを用いて、前記電子ビームが前記TEM観
察面に入射することで生成される散乱電子が衝突する前
記TEM評価試料の領域を前記TEM評価試料の表面か
ら裏面にかけて切りとる工程をさらに備える。
【0022】本発明の請求項9に係る課題解決手段は、
透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察するためのT
EM観察面を備えたTEM評価試料を、集束イオンビー
ム(FIB)装置及びダイサーを用いて作成するTEM
評価試料作成方法であって、前記TEM評価試料を前記
ダイサーによって所定の形状に切り出す工程と、前記T
EM評価試料の表面にカーボンを蒸着させることでカー
ボン膜を形成する工程と、前記切り出されたTEM評価
試料に対して、前記FIB装置を用いて前記TEM観察
面を形成する工程とを備える。
【0023】
【作用】本発明請求項1に係るTEM評価試料では、T
EM評価試料表面に対して傾斜を有するTEM観察面に
電子ビームが入射される際、その一部はTEM観察面を
通過するが、その他はTEM観察面で反射して散乱電子
が生成される。散乱電子はTEM観察面が傾斜を有する
ため、その反射する方向は、TEM評価試料表面上方方
向へ反射されるという傾向があり、そのために、散乱電
子は、TEM評価試料表面に衝突することが抑制され、
バックグラウンドの発生が抑制される。
【0024】本発明請求項2に係るTEM評価試料で
は、上方方向に反射された散乱電子のうちなおもTEM
評価試料に衝突する散乱電子がTEM評価試料に衝突し
ないため、バックグラウンドの発生が抑制される。
【0025】本発明請求項3に係るTEM評価試料で
は、TEMによる元素分析が炭素の分析でない場合、T
EM観察面を通過した電子ビームと、電子ビームがTE
M観察面で反射し、さらにカーボン膜で反射して生成さ
れたX線とが元素分析時に識別できる。
【0026】本発明請求項4に係るTEM評価試料作成
方法では、通常のTEM評価試料作成方法に加え、FI
B装置を用いてTEM観察面を形成する際に、TEM評
価試料を傾斜させることにより、その結果、通常のTE
M評価試料作成方法に比べ、TEM評価試料表面に対し
て傾斜を有するTEM観察面が形成できる。
【0027】本発明請求項5に係るTEM評価試料作成
方法では、FIB装置のステージを傾斜することによ
り、TEM評価試料を傾斜させる。
【0028】本発明請求項6に係るTEM評価試料作成
方法では、通常のTEM評価試料作成方法に加え、ダイ
サーを用いてTEM評価試料を形成する際に、TEM評
価試料を傾斜させることにより、その結果、通常のTE
M評価試料作成方法と比べ、TEM評価試料表面に対し
て傾斜を有するTEM観察面が形成できる。
【0029】本発明請求項7に係るTEM評価試料作成
方法では、治具を準備して、その治具によって、TEM
評価試料を傾斜させる。
【0030】本発明請求項8に係るTEM評価試料作成
方法では、散乱電子が衝突する領域を切りとることで、
散乱電子の衝突によって発生するX線の発生を抑制でき
るTEM評価試料が得られる。
【0031】本発明請求項9に係るTEM評価試料作成
方法では、TEM評価試料の表面にカーボン膜が形成さ
れ、その後、FIB装置によって、TEM観察面が形成
される。その結果得られるTEM評価試料は、TEM観
察面以外の散乱電子が衝突する領域がカーボン膜で覆わ
れているTEM評価試料が得られる。
【0032】
【実施例】
{第1の実施例}第1の実施例におけるTEM評価試料
及びその作成方法について説明する。図1及び図2に本
実施例におけるTEM評価試料の作成過程を示す。図2
中の10はTEM評価試料を載置するステージ、その他
の図1及び図2の各符号は図9乃至図12の各符号に対
応している。なお、図2はTEM評価試料4の断面図を
示している。
【0033】まず、図10に示すTEM評価試料4を作
成するまでの過程は従来と同様である。次にそのTEM
評価試料4について、ダイサーを用いて、観察する観察
部位2の片側(TEM評価試料を評価する際の通過電子
の出射側)のTEM評価試料4の表面を、ダイサー所定
の方向(水平方向X、垂直方向Y)でダイシングして、
階段状に切り落とし、その反対側(TEM評価試料を評
価する際の電子ビームの入射側)はその表面から裏面に
かけて垂直に切り落として、図1に示す形状のTEM評
価試料4及びその上に突出部5を形成する。次に従来と
同様にFIB装置を用いてTEM観察面6を形成する
が、その際、図2に示すようにTEM評価試料4を載置
しているステージを傾けて、TEM評価試料4を傾斜さ
せた状態で、TEM観察面6を形成する。そうすること
により、図2に示すような薄くかつ、TEM評価試料4
表面に対して斜めに形成されたTEM観察面6が得られ
る。図3にその完成したTEM評価試料4の斜視図を示
す。図3中の各符号は図12中の各符号に対応してい
る。
【0034】次に、このTEM評価試料4を分析電子顕
微鏡によって分析している際のTEM観察面6付近の電
子ビームの入射状態を図4に示す。図4中の4aは突出
部5をFIB装置によりその両側をエッチングしてTE
M観察面6を形成すると共に形成される入射側領域、8
は散乱電子、βは立体角、その他の各符号は図13中の
各符号に対応している。図4に示すように、電子ビーム
7の一部は、TEM観察面6を通過して通過電子7aと
なるが、その他は、TEM観察面6表面で反射する。そ
の際、TEM観察面6に傾斜をつけているため(傾斜角
γ>90度)、従来と比較して、散乱電子8はTEM評
価試料4上方よりに反射される傾向を有する。例えば、
図13に示す形状では、入射された電子ビーム7は、立
体角αで反射して散乱電子8が発生するが、図4に示す
形状では、同じように入射された電子ビーム7は、立体
角β(β>α)で反射して散乱電子8が発生する。従っ
て、従来の技術で説明したように、傾斜角γが90度で
形成されていれば、散乱電子8aが入射側領域4aに衝
突するはずであったとしても、本実施例では、その衝突
を抑制することができる。このように、TEM観察面6
を傾斜をつけて形成することにより、散乱電子8の衝突
が避けられる領域の立体角をかせぐことができ、バック
グラウンドの発生が抑制される。
【0035】さらに、電子ビーム7の入射側のTEM評
価試料4をダイサーによって切りとり、立体角βが増加
してもなお、散乱電子8が衝突する領域をとり除いた形
状を有することにより、散乱電子8がさらに反射するこ
とがさらに大幅に低減され、バックグラウンドの発生が
抑制される。
【0036】以上により散乱電子の衝突を抑制して、バ
ックグラウンドの低減が図れるため、分析電子顕微鏡に
よる定量分析が可能となる。
【0037】{第2の実施例}第2の実施例におけるT
EM評価試料及びその作成方法について説明する。図5
乃至図7に本実施例におけるTEM評価試料の作成過程
の断面図を示す。図5中の11aは段差形状を有する治
具である段差ダミーウエハ、図6中の11bは傾斜形状
を有する治具である傾斜ダミーウエハ、図5乃至図7中
の4bはTEM評価試料であり、図5乃至図7中のその
他の各符号は図3中の各符号に対応している。
【0038】まず、従来で説明した図10に示すTEM
評価試料4を作成するまでの過程は従来と同様である。
次に、段差ダミーウエハ11a又は傾斜ダミーウエハ1
1bを、ダイサーによってTEM評価試料4をダイシン
グするための所定の場所に設置し、次に、図5に示すよ
うに段差ダミーウエハ11a上、又は図6に示すように
傾斜ダミーウエハ11b上にTEM評価試料4をワック
ス等で貼り付けて固定し、ダイサー所定の切断方向(水
平方向X)に対して傾斜させる。そして、その状態で、
ダイサーを用いて、観察する観察部位2の片側(TEM
評価試料を評価する際の通過電子の出射側)のTEM評
価試料4の表面をダイシングして、階段状に切り落と
し、その反対側(TEM評価試料を評価する際の電子ビ
ームの入射側)はその表面から裏面にかけて垂直に切り
落として、図5又は図6に示す破線で示した所望の形状
のTEM評価試料4bを切り出す。次に、TEM評価試
料4bを段差ダミーウエハ11a或いは傾斜ダミーウエ
ハ11bから外して、水平なステージに載置し、その
後、従来と同様にFIB装置を用いてTEM観察面6を
形成することで、TEM評価試料4b表面に対して傾斜
を有するTEM観察面6が形成される。
【0039】以上のように、段差ダミーウエハ11a又
は傾斜ダミーウエハ11b等の簡単な治具上に配置して
TEM評価試料4を傾斜させた状態で、TEM評価試料
4bを切り出すことにより、第1の実施例のようにFI
B装置のステージ10を傾けることなく、容易に傾斜を
もったTEM観察面6を有するTEM評価試料4bが形
成される。
【0040】{第3の実施例}次に第3の実施例におけ
るTEM評価試料及びその作成方法について説明する。
この実施例では、従来の技術、第1及び第2の実施例で
説明したTEM評価試料作成方法において、TEM観察
面6を形成する前に、TEM評価試料4にカーボンを蒸
着させてカーボン膜を形成する過程を追加する。即ち、
従来の技術では、図11に示すTEM評価試料4、第1
の実施例では図1に示すTEM評価試料4、第2の実施
例では、図5又は図6に示すTEM評価試料4から切り
出して形成したTEM評価試料4bにカーボンを蒸着さ
せてカーボン膜を形成する。その後は、従来の技術、第
1、第2の実施例それぞれで説明した作成方法と同様に
TEM評価試料4を形成すると、最終的に、TEM観察
面6及びその近傍以外の表面にカーボン膜が形成された
TEM評価試料が得られる。
【0041】一例として、従来のTEM評価試料4の作
成方法に、カーボンを蒸着させてカーボン膜を形成する
過程を追加することによって最終的に得られたTEM評
価試料4のTEM観察面6近傍を図8に示す。図8に示
す12はカーボン膜でありその他の符号は図13に示す
符号に対応している。図8に示すように最終的に得られ
たTEM評価試料4の表面にはカーボン膜12が形成さ
れ、TEM観察面6にはカーボン膜12が形成されな
い。なお、TEM観察面6近傍のTEM評価試料4表面
においても、TEM観察面6形成と共に除去されるた
め、カーボン膜12が形成されていない。なお、第1及
び第2の実施例についても、同様にTEM観察面6以外
にカーボン膜が形成される。
【0042】従来の場合は、TEM評価試料4表面の元
素とTEM観察面6の元素とが同じ種類の元素を有して
いる場合、X線9と通過電子7aが混在すれば、TEM
評価試料4表面の元素とTEM観察面6表面の元素とが
識別できないために定量分析が困難となる。しかし、本
実施例の場合は、炭素以外の元素を対象として元素分析
する場合、通過電子7aに加えてX線9もEDが感知し
ても、元素分析時に識別できるため、実質的にバックグ
ラウンドを低減できることとなり、元素分析の定量分析
が可能となる。
【0043】{変形例}尚、図4は入射側領域4aが形
成された場合を示し、図2及び図7にも同様に入射側領
域4aが形成された場合を示しているが、入射側領域4
aが形成されない場合でもよい。その形状は、例えばT
EM観察面6を形成する際のFIB装置によるエッチン
グの精度を高めて、入射側領域4aが生じないようにす
ることで得られる。
【0044】例えば図4を用いて説明すると、図4に示
すTEM観察面6が接続されている入射側領域4aの一
端の位置から他端の位置へと移動した形状である。その
場合の傾斜角γも、従来の技術で説明したようにTEM
評価試料4表面(図4に示すTEM評価試料4の上面)
方向とTEM観察面6表面(電子ビーム7の入射側の
面)方向との電子ビーム7の入射側でなす角を示してい
る。従って、入射側領域4aが存在する場合と同様、傾
斜角γは90度以上の角度を有する。
【0045】
【発明の効果】本発明の請求項1によると、TEM観察
面が傾斜を有していることにより、バックグラウンドの
発生が抑制されるため、分析電子顕微鏡による定量分析
が可能となるという効果がある。
【0046】本発明の請求項2によると、散乱電子が衝
突する部分を切りとった構造であることにより、さらに
バックグラウンドの発生が抑制されるため、分析電子顕
微鏡による定量分析が可能となるという効果がある。
【0047】本発明の請求項3によると、炭素以外の元
素を目的とする元素分析の場合、カーボン膜で反射して
生成されたX線が元素分析時に識別できるため、分析電
子顕微鏡による定量分析が可能となるという効果があ
る。
【0048】本発明の請求項4によると、FIB装置を
用いてTEM観察面を形成する際に、TEM評価試料を
傾斜させることにより、TEM観察面傾斜しているTE
M評価試料が容易に形成できるという効果がある。
【0049】本発明の請求項5によると、ステージを傾
斜させることにより、容易にTEM評価試料を傾斜させ
ることができるという効果がある。
【0050】本発明の請求項6によると、ダイサーを用
いてTEM評価試料を形成する際に、TEM評価試料を
傾斜させることにより、TEM観察面傾斜しているTE
M評価試料が容易に形成できるという効果がある。
【0051】本発明の請求項7によると、治具を用いる
ことにより、容易にTEM評価試料を傾斜させることが
できるという効果がある。
【0052】本発明の請求項8によると、上方方向に反
射された散乱電子のうちなおもTEM評価試料に衝突す
るはずの散乱電子がTEM評価試料に衝突しないため、
さらにバックグラウンドの発生が抑制されるTEM評価
試料が得られるという効果がある。
【0053】本発明の請求項9によると、TEM観察面
以外の散乱電子が衝突する領域をカーボン膜で覆われて
いるTEM評価試料が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例におけるTEM評価試料の形成
工程図である。
【図2】 第1の実施例におけるTEM評価試料の形成
工程図である。
【図3】 第1の実施例におけるTEM評価試料の斜視
図である。
【図4】 第1の実施例におけるTEM評価試料のTE
M観察面に対する電子ビームの入射状態を示す図であ
る。
【図5】 第2の実施例におけるTEM評価試料の形成
工程図である。
【図6】 第2の実施例におけるTEM評価試料の形成
工程図である。
【図7】 第2の実施例におけるTEM評価試料の断面
図である。
【図8】 第3の実施例におけるTEM評価試料のTE
M観察面近傍の拡大図である。
【図9】 従来のTEM評価試料の形成工程図である。
【図10】 従来のTEM評価試料の形成工程図であ
る。
【図11】 従来のTEM評価試料の形成工程図であ
る。
【図12】 従来のTEM評価試料の斜視図である。
【図13】 従来のTEM評価試料のTEM観察面に対
する電子ビームの入射状態を示す図である。
【符号の説明】
2 観察部位、3 マーク、4 TEM評価試料、4a
入射側領域、4bTEM評価試料、5 突出部、6
TEM観察面、7 電子ビーム、7a 通過電子、8,
8a 散乱電子、9 X線、10 ステージ、11a
段差ダミーウエハ、11b 傾斜ダミーウエハ、12
カーボン膜。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過型電子顕微鏡(TEM)によって観
    察するためのTEM観察面を有するTEM評価試料であ
    って、 前記TEM観察面は、前記TEMが照射する電子ビーム
    の入射側において、前記TEM評価試料の表面とのなす
    角が90度より大きい傾斜角を備えたTEM評価試料。
  2. 【請求項2】 前記TEM評価試料は、 前記電子ビームが前記TEM観察面に入射することで生
    成される散乱電子が衝突する前記TEM評価試料の領域
    を前記TEM評価試料の表面から裏面にかけて切りとっ
    た形状を備えた請求項1記載のTEM評価試料。
  3. 【請求項3】 透過型電子顕微鏡(TEM)によって観
    察するためのTEM観察面を備えたTEM評価試料であ
    って、 電子ビームが前記TEM観察面に入射することで生成さ
    れる散乱電子が衝突する前記TEM評価試料の表面を覆
    うためのカーボン膜を備えたTEM評価試料。
  4. 【請求項4】 透過型電子顕微鏡(TEM)によって観
    察するためのTEM観察面を備えたTEM評価試料を、
    集束イオンビーム(FIB)装置及びダイサーを用いて
    作成するTEM評価試料作成方法であって、 前記TEM評価試料を前記ダイサーによって所定の形状
    に切り出す工程と、 前記切り出されたTEM評価試料を傾斜させる工程と、 前記TEM評価試料を傾斜させた状態で、前記FIB装
    置を用いて、前記TEM観察面を形成する工程と、を備
    えたTEM評価試料の作成方法。
  5. 【請求項5】 前記切り出されたTEM評価試料を傾斜
    させる工程は、 前記切り出されたTEM評価試料を前記FIB装置のス
    テージに載置し、前記ステージを傾斜させて、前記TE
    M評価試料を傾斜させる請求項4記載のTEM評価試料
    の作成方法。
  6. 【請求項6】 透過型電子顕微鏡(TEM)によって観
    察するためのTEM観察面を備えたTEM評価試料を、
    集束イオンビーム(FIB)装置及びダイサーを用いて
    作成するTEM評価試料作成方法であって、 前記TEM評価試料を傾斜させる工程と、 前記TEM評価試料を傾斜させた状態で、前記ダイサー
    を用いて、ダイシングして、前記TEM評価試料を所定
    の形状に切り出す工程と、 前記切り出されたTEM評価試料に対して、前記FIB
    装置を用いて前記TEM観察面を形成する工程と、を備
    えたTEM評価試料の作成方法。
  7. 【請求項7】 前記TEM評価試料を傾斜させる工程
    は、 前記TEM評価試料を傾斜した状態で載置するための治
    具を準備する工程と、 前記治具上に前記TEM評価試料を載置することで、前
    記TEM評価試料を傾斜させる工程と、を備えた請求項
    6記載のTEM評価試料の作成方法。
  8. 【請求項8】 前記ダイサーを用いて、前記電子ビーム
    が前記TEM観察面に入射することで生成される散乱電
    子が衝突する前記TEM評価試料の領域を前記TEM評
    価試料の表面から裏面にかけて切りとる工程をさらに備
    えた請求項4又は6記載のTEM評価試料の作成方法。
  9. 【請求項9】 透過型電子顕微鏡(TEM)によって観
    察するためのTEM観察面を備えたTEM評価試料を、
    集束イオンビーム(FIB)装置及びダイサーを用いて
    作成するTEM評価試料作成方法であって、 前記TEM評価試料を前記ダイサーによって所定の形状
    に切り出す工程と、 前記TEM評価試料の表面にカーボンを蒸着させること
    でカーボン膜を形成する工程と、 前記切り出されたTEM評価試料に対して、前記FIB
    装置を用いて前記TEM観察面を形成する工程と、を備
    えたTEM評価試料の作成方法。
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