JP2003146636A - 黒鉛粉末の製造方法、黒鉛粉末及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

黒鉛粉末の製造方法、黒鉛粉末及びリチウムイオン二次電池

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Junichi Kitagawa
淳一 北川
Kazuaki Tabayashi
一晃 田林
Seisaku Sakamoto
清作 坂本
Kazuyuki Murakami
一幸 村上
Hidetoshi Morotomi
秀俊 諸富
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒鉛化性が高いが、微粉砕を行なっても前記
鱗状天然黒鉛や人造黒鉛における前記の如き不都合を生
じることなく、リチウムイオン二次電池の負極材料とし
て有用である黒鉛粉末を提供すること。 【解決手段】 一次キノリン不溶分(QI)含有量が、
0〜2重量%であり、かつ軟化温度が40〜150℃で
あるピッチに対して、キノリン不溶分として測定される
固形成分を0.01〜10重量%添加した後、軟化温度
が350℃以上になるまで加熱処理して高軟化点ピッチ
とし、該高軟化点ピッチを黒鉛化することを特徴とする
黒鉛粉末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒鉛粉末の製造方
法及び黒鉛粉末に関し、更に詳しくはリチウムイオン二
次電池用の負極材料として使用した場合に、高容量で、
かつ低不可逆容量の電池を与える黒鉛粉末の提供を目的
とする。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器や通信機器の小型化及び
軽量化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として
用いられる二次電池に対しても小型化及び軽量化の要求
が強く、高エネルギー密度でかつ高電圧を有するリチウ
ムイオン二次電池が提案されている。リチウムイオン二
次電池は、正極に例えばコバルト酸リチウムを使用し、
負極に黒鉛などの炭素質材料を使用して、充電時にリチ
ウムイオンを負極に吸蔵させ、放電時にこれらのリチウ
ムイオンを負極から放出させるものである。
【0003】この負極材料としては、天然の鉱物資源で
ある天然黒鉛と、石油あるいは石炭系の重質油から誘導
されるMCMB(メソカーボンマイクロビーズ)や特開
平9−251855号公報に記載のように、メソフェー
ズピッチの微粒子を黒鉛化した人造黒鉛が使用されてい
る。一般的には、黒鉛化性と負極材料の容量には相関性
があり、黒鉛化性がよい程、容量が高くなる傾向にあ
る。そのため、高結晶である天然黒鉛は、黒鉛の理論容
量である372mAh/gに匹敵する容量を示す。ただ
し、天然黒鉛はその形状が鱗状であるために、負極を形
成するために調製する塗工液の集電体への塗工性に劣
り、集電体に対する黒鉛粒子の配向が起こる。このよう
な物理的な問題のために、天然黒鉛を用いた負極は、電
極面内の電気抵抗が高くなり、結果的には不可逆容量が
大きくなったり、高負荷特性が悪くなったり、電池とし
てのサイクル特性が悪くなるなどの問題が生じるものと
推測される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の如き理由から鱗
状天然黒鉛は、負極の構成材料として用いた場合には電
池の容量の点では劣るので、鱗状天然黒鉛の代わりに人
造黒鉛が広く使用されてきた。しかし、これら人造黒鉛
に対してもさらなる高容量化の要望が高い。これらのメ
ソフェーズピッチの微粒子を黒鉛化する人造黒鉛の場
合、負極の構成材料として用いた場合には、電池の容量
を上げるために、一次キノリン不溶分(QI)を除去し
たコールタールピッチや合成ピッチを使用することが試
みられている。しかし、これらの黒鉛化性のよいバルク
メソフェーズを微粉砕した場合、黒鉛前駆体構造の発達
が顕著であるために、微粉砕物の形状が平板状になりや
すい。その形状のために、該材料を負極の構成材料とし
て用いた場合には上述の鱗状天然黒鉛と同じような問題
が生じる。
【0005】従って本発明の目的は、黒鉛化性が高い
が、微粉砕を行なっても前記鱗状天然黒鉛や人造黒鉛に
おける前記の如き不都合を生じることなく、リチウムイ
オン二次電池の負極材料として有用である黒鉛粉末を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。すなわち、本発明は、一次キノリ
ン不溶分(QI)含有量が、0〜2重量%であり、かつ
軟化温度が40〜150℃であるピッチに対して、キノ
リン不溶分として測定される固形成分を0.01〜10
重量%添加した後、軟化温度が350℃以上になるまで
加熱処理して高軟化点ピッチとし、該高軟化点ピッチを
黒鉛化することを特徴とする黒鉛粉末の製造方法、該製
造方法によって得られた黒鉛粉末、及び該黒鉛粉末を負
極材料として構成されていることを特徴とするリチウム
イオン二次電池を提供する。
【0007】本発明によれば、黒鉛化性が高いが、微粉
砕した粉末のアスペクト比が2以下で、形状が平板状で
はなく、リチウムイオン二次電池用の負極材料として使
用した場合、前記鱗状天然黒鉛及び人造黒鉛における如
き不都合が解消され、高容量且つ低不可逆容量の電池性
能を与える黒鉛粉末が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳しく説明する。本発明者らは、一次Q
Iを除去したコールタールピッチや合成ピッチに、キノ
リン不溶分として測定される固形成分を添加し、加熱処
理すれば、その処理により製造される高軟化点ピッチあ
るいはその高軟化点ピッチの炭化物を微粉砕する際に、
最終的に得られる黒鉛粉末の形状を制御できることを見
出した。
【0009】本発明において、一次QIとは、タール中
に微量に含まれる、例えば、コークス炉内でタール蒸気
が気相炭化したサブミクロンサイズの炭素粒子や極微小
なスラッジなどのキノリン不溶分を意味し、ピッチ類を
熱処理して得られるメソフェーズなどの二次QIとは本
質的に異なるものである。
【0010】本発明で使用するピッチは、一次キノリン
不溶分(QI)含有量が、0〜2重量%のものである。
これらのピッチは、ナフタレンなどの縮合多環炭化水素
をフッ化水素・三フッ化ホウ素の超強酸の存在下に合成
したピッチでも、公知の方法で、一次キノリン不溶分
(QI)を除去したコールタールピッチでもよい。
【0011】サブミクロンサイズの炭素粒子や極微小な
スラッジなどの一次キノリン不溶成分は、2重量%を超
えると、ピッチの黒鉛化に際して黒鉛結晶の発達を急激
に阻害するために、結果として得られた黒鉛粉末を電池
の負極材料として使用した場合に、電池の放電容量が損
なわれる。また、これらピッチの軟化点は、40〜15
0℃、好ましくは70〜100℃である。この時、ピッ
チの軟化温度が40℃未満では、その後に行なう熱処理
の収率が低く、経済的に好ましくない。また、軟化点が
150℃を超えると、熱処理時の反応初期の粘度が高く
なり、下記特定の固形成分の添加の均一性が悪くなる。
【0012】以上のピッチに対して、添加する前記固形
成分としては、平均粒径が1〜20μm、好ましくは1
〜10μmの黒鉛粉末、バルクメソフェーズの不融化微
粉、あるいはその炭化物等が挙げられる。これらの固形
成分のピッチに対する添加量は、該ピッチの0.01〜
10重量%の範囲が好ましい。
【0013】原料ピッチに上記固形成分を添加した後、
該ピッチを軟化点が350℃以上になるように熱処理を
し、高軟化点ピッチを製造する。この際、固形成分の添
加量がピッチの0.01重量%未満では、高軟化点ピッ
チの微粉砕後の粒子の形状制御の効果がなく、また、1
0重量%より多いと、熱処理中のピッチ粘度が見かけ上
大きくなり、黒鉛前駆体の発達を阻害するので好ましく
ない。
【0014】添加する前記固形成分の平均粒径について
は、1μmより小さいと熱処理中のピッチの粘度が上昇
し、メソフェーズの発達を阻害するために、その黒鉛化
性を著しく損なう。また、20μmより大きいと、高軟
化点ピッチの微粉砕後の粒子の形状制御の効果が殆ど発
揮されない。ピッチへの固形成分の添加方法については
特に限定するものではなく、固形のピッチに対して、固
形成分を混合添加してもよいし、反応機中の液状のピッ
チに対して、固形成分を添加してもよい。
【0015】これら固形成分を添加したピッチの熱処理
については、特に限定された方法はないが、ピッチ中に
固形成分ができるだけ均一に分散されることが望まし
い。このように分散した微小な固形成分が、高軟化点ピ
ッチの異方性組織の境界上に均一に分散しているため
に、黒鉛の結晶ユニットとしては、結晶が発達している
が、結晶が平板状になるのを妨げ、後に高軟化点ピッチ
を微粉砕する時に、粉砕物が平板状になるのを阻害して
いると考えられる。
【0016】この高軟化点ピッチは、そのまま炭化及び
黒鉛化処理することも可能であるが、負極材としてより
好ましい粒子形状を得るためには、最終的に得られる黒
鉛物質を粉砕するのではなく、この高軟化点ピッチを微
粉砕するか、炭化後の炭化物を微粉砕することが望まし
い。これら微粉砕については、平均粒径としては50μ
m以下、好ましくは5〜30μmの範囲に粉砕する。
【0017】粉砕機としては、特に限定されず、例え
ば、ボールミル、攪拌ミル、ジェット粉砕機等の粉砕機
が使用できる。この微粉砕時に、前記固形成分が含まれ
ていると、アスペクト比が2以下の塊状に微粉砕するこ
とができる。炭化物を微粉砕した場合、それを黒鉛化す
れば、黒鉛微粉末として負極材料となるが、高軟化点ピ
ッチを微粉砕した場合は、その粒子形状を保つために、
微粉砕物を酸化処理をすることが必要となる。高軟化点
ピッチを微粉砕した場合の工程について以下に記述す
る。
【0018】上記酸化操作は、次の炭化・黒鉛化の際に
微粒子同士が融着しないために必要である。この酸化処
理は、空気中で140〜300℃の温度で行ってもよい
が、酸化炉中に窒素ガスを流して酸素濃度16〜18重
量%程度で行うことが好ましい。又、酸化に際しては、
微粒子が融着して凝集物を形成しないように、酸化炉を
多分割して温度制御が正確にできるようにしたり、微粒
子が熱源に接触しないように流動床で処理したり、微粒
子の酸化炉内の通過を薄い層で行ったりするのが好まし
い。酸化処理によってある程度の融着凝集物が発生する
が、この融着凝集物は再粉砕すれば再使用することがで
きる。
【0019】この酸化処理において、酸化の程度は、酸
化処理物が約2〜10重量%程度の酸素を含む状態にな
るように酸化条件を設定することが望ましい。酸素量が
上記範囲未満、すなわち、酸化不十分であると、炭化過
程で微粒子が融着を生じるなどの点で不十分であり、一
方、酸化が過剰になると微粒子の比表面積が大きくなっ
たり、微粒子の非結晶性が増すなどの点で好ましくな
い。以上の酸化処理を受けた微粒子は、その理由は不明
であるが、酸化処理前の微粒子の鋭角な角がなくなって
丸みを帯び、球状とは言えないまでもやや丸みを帯びた
微粒子になる。
【0020】最後に常法に従って上記酸化処理物の炭化
・黒鉛化処理を行う。炭化処理は700〜1200℃の
温度で行い、又、黒鉛化処理は2500〜3000℃の
温度で行う。それぞれの処理時間は、使用する装置によ
り異なるので、採用した装置により最適な時間を選択す
ればよい。これらの炭化・黒鉛化処理は連続的に行うこ
ともでき、炭化・黒鉛化の各種条件及び装置は従来公知
の各種条件及び装置がそのまま使用できる。尚、この炭
化・黒鉛化処理工程においては、粒子の形状に大きな変
化はないが、処理前に含まれていた酸素の殆どが脱離す
る。
【0021】得られる黒鉛粉末のリチウムイオン二次電
池としての用途を以下に説明する。電極板を形成する活
物質は、少なくとも活物質と結着剤(バインダー)とか
らなる電極塗工液から形成される。負極活物質としては
前記本発明の黒鉛粉末を使用し、正極物質としては、例
えば、LiCoO2、LiMn24などのリチウム酸化
物、TiS2、MnO2、MoO3、V25などのカルコ
ゲン化合物のうちの一種、あるいはこれらの複数種を組
み合わせて用いることによって、4ボルト程度の高い放
電電圧のリチウムイオン二次電池が得られる。これらの
活物質は形成される塗工膜中に均一に分散されるのが好
ましい。このために、正及び負の活物質として1〜10
0μmの範囲の粒径を有する平均粒径が5〜40μm程
度、さらに好ましくは10〜25μm程度の微粒子を用
いるのが好ましい。
【0022】また、活物質層の結着剤としては、例え
ば、熱可塑性樹脂、すなわち、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、弗素系樹脂及びポリ
イミド樹脂などから任意に選択して使用することができ
る。
【0023】電極板を構成する活物質層は、以下のよう
な方法によって作成される。まず、上記の材料から適宜
に選択された結着剤と微粒子の活物質とを適当な分散媒
を用いて、混練あるいは分散溶解して電極塗工液を作製
する。次に、得られた塗工液を用いて集電体上に塗工す
る。塗工する方法としては、グラビア、グラビアリバー
ス、ダイコート及びスライドコートなどの方式を用い
る。その後、塗工した塗工液を乾燥させる乾燥工程を経
て所望の膜厚の活物質層を形成して正及び負の電極板と
される。
【0024】電極板に用いられる集電体としては、例え
ば、アルミニウム、銅などの金属箔が好ましく用いられ
る。金属箔の厚さとしては、10〜30μm程度のもの
を用いる。又、以上のように作製した正極及び負極の電
極板を用いて、リチウムイオン二次電池を作製する場合
には、電解液として、溶質のリチウム塩を有機溶媒に溶
かした非水電解液が用いられる。この際に使用される有
機溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、環
状エーテル類、鎖状エーテル類などがあり、例えば、環
状エステル類としては、プロピレンカーボネート、エチ
レンカーボネート、ジエチレンカーボネートなどがあ
り、又、環状エーテル類としては、テトラヒドロフラン
などがあり、又、鎖状エーテル類としては、1,2−ジ
メトキシエタンなどが挙げられる。電解液としては、こ
れら有機溶媒を1種または数種組み合わせて用いられ
る。
【0025】又、上記の有機溶媒とともに非水電解液を
形成する溶質のリチウム塩としてはLiClO4、Li
BF4、LiPF6、LiAsF6、LiCl、LiBr
などの無機リチウム塩、及びLiB(C65)4、LiN
(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiOSO2
3、LiOSO225、LiOSO237、LiO
SO249、LiOSO2511、LiOSO26
13、LiOSO2715などの有機リチウム塩などが用
いられる。
【0026】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明をさら
に具体的に説明する。 実施例1 原料として軟化点95℃、一次キノリン不溶分が痕跡量
程度のコールタールピッチを反応器の中で軟化溶融さ
せ、その中に、平均粒径が5μmの鱗状天然黒鉛をピッ
チに対して5重量%の割合で添加・混合した。このピッ
チに対して、0.17Nm3/ピッチkg・時間の条件
で窒素を吹き込み、攪拌しながら、420℃12時間熱
処理を行った。この熱処理ピッチは、固形成分である鱗
状天然黒鉛が均一に分散した軟化点が372℃の高軟化
点ピッチであった。
【0027】この高軟化点ピッチを平均粒径18μmに
微粉砕した。この微粉砕した粉末は、平板状ではなく、
アスペクト比が2以下の塊状となっている。その後、こ
の微粉末を空気気流中において昇温速度4℃/分で13
0℃から260℃まで昇温して、260℃で30分間保
持し、酸化処理を行った。次いで窒素雰囲気下1000
℃で炭化を行った後、アルゴン雰囲気下3000℃で黒
鉛化処理をして黒鉛粉末を得た。
【0028】得られた黒鉛粉末は、X線回折による結晶
格子間距離d002が0.336nm、c軸方向の結晶子
の大きさを表すLcは40nm、a軸方向の結晶子の大
きさを表すLaは45nm、比表面積は0.9m2/g
であるアスペクト比の小さい高結晶の黒鉛粉末であっ
た。
【0029】実施例2 固形成分が、平均粒径4μmの人造黒鉛であること以外
は、実施例1と同様にして、軟化点367℃の高軟化点
ピッチを作成し、その後実施例1と同様にして黒鉛粉末
を得た。得られた黒鉛粉末は、d002が0.337n
m、結晶子の大きさを表すLcは35nm、Laは40
nm、比表面積は0.8m2/gであるアスペクト比の
小さい高結晶の黒鉛粉末であった。
【0030】実施例3 固形成分が、平均粒径4μmのメソフェーズピッチの酸
化処理の微粉を炭化処理した粉末であること以外は、実
施例1と同様にして、軟化点370℃の高軟化点ピッチ
を作成し、その後実施例1と同様にして黒鉛粉末を得
た。得られた黒鉛粉末は、d002が0.337nm、結
晶子の大きさを表すLcは43nm、Laは55nm、
比表面積は1.2m2/gであるアスペクト比の小さい
高結晶の黒鉛粉末であった。
【0031】比較例1 実施例1の原料ピッチを使用して、固形成分を添加・混
合せずに、温度420℃14時間で熱処理を行った。得
られたピッチは、軟化点369℃の高軟化点ピッチとな
った。このピッチを実施例1と同様に、微粉砕、酸化処
理、炭化、黒鉛化することにより、黒鉛粉末を得た。得
られた黒鉛粉末は、d002が0.336nm、結晶子の
大きさを表すLcは50nm、Laは55nm、比表面
積は0.7m2/gである平板状の高結晶の黒鉛粉末で
あった。
【0032】得られた黒鉛粉末を用いて以下の手法によ
り、それぞれの放電容量を測定した。 <電極材料としての評価>黒鉛に対し8重量%のPVD
F(ポリフッ化ビニリデン)を溶媒としてNMP(n−
メチルピロリドン)を用いてスラリーとし、銅箔上にド
クターブレードを用いて塗布した。乾燥後、円形に打ち
抜き、プレス成型して黒鉛電極とした。対極にリチウム
箔、セパレータにポリプロピレン多孔質膜、電解液とし
て1M LiPF6 EC/DEC(エチレンカーボネ
ート/ジエチレンカーボネート)1/1の溶液を用いて
ビーカー型電池セルを組み立てた。電池測定は充電時に
は0.5mA/cm2で10mVまで定電流充電後、
0.1mAまで定電圧充電を行った。放電時には0.5
mA/cm2で1.5Vまで放電し放電容量を求めた。
【0033】評価結果を下記表1に示す。表1より、本
発明の黒鉛粉末は不可逆容量が小さく、高容量のもので
あることがわかる。
【0034】
【発明の効果】一次キノリン不溶分(QI)殆ど含んで
いない石炭系ピッチ、石油系ピッチ、あるいは合成ピッ
チに対して、キノリン不溶分として測定される固形成分
を添加することによって、微粉砕した時の粉末形状を制
御し、その結果、放電容量が高く、不可逆容量が低いリ
チウムイオン二次電池用負極材として好適な黒鉛粉末が
提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 清作 東京都千代田区九段北四丁目1−3 アド ケムコ株式会社内 (72)発明者 村上 一幸 東京都千代田区九段北四丁目1−3 アド ケムコ株式会社内 (72)発明者 諸富 秀俊 東京都千代田区九段北四丁目1−3 アド ケムコ株式会社内 Fターム(参考) 4G046 EA02 EB02 EB07 EC02 EC06 5H029 AJ03 AJ05 AJ06 AK02 AK03 AK05 AL07 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ02 CJ28 DJ16 DJ17 HJ05 5H050 AA07 AA08 AA12 BA17 CA02 CA08 CA11 CB08 FA17 FA19 GA02 GA05 GA27 HA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次キノリン不溶分(QI)含有量が、
    0〜2重量%であり、かつ軟化温度が40〜150℃で
    あるピッチに対して、キノリン不溶分として測定される
    固形成分を0.01〜10重量%添加した後、軟化温度
    が350℃以上になるまで加熱処理して高軟化点ピッチ
    とし、該高軟化点ピッチを黒鉛化することを特徴とする
    黒鉛粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 高軟化点ピッチの黒鉛化を、熱処理によ
    り行なう請求項1に記載の黒鉛粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 キノリン不溶分として測定される固形成
    分が、高結晶の天然黒鉛及び/又は人造黒鉛である請求
    項1又は2に記載の黒鉛粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 キノリン不溶分として測定される固形成
    分が、バルクメソフェーズを酸化処理した微粉あるいは
    その炭化物である請求項1又は2に記載の黒鉛粉末の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 キノリン不溶分として測定される固形成
    分が、平均粒径が1〜20μmの粉末である請求項1〜
    4の何れか1項に記載の黒鉛粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項の製造方法で
    製造されたことを特徴とする黒鉛粉末。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の黒鉛粉末を負極材料と
    して構成されていることを特徴とするリチウムイオン二
    次電池。
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KR101562961B1 (ko) 2013-12-24 2015-10-26 주식회사 포스코 리튬 이차 전지용 탄소계 음극재의 제조 방법 및 이로부터 제조된 리튬 이차 전지용 탄소계 음극재
KR101564374B1 (ko) * 2013-12-23 2015-10-30 주식회사 포스코 리튬 이차 전지용 인조흑연 음극재의 제조 방법 및 이로부터 제조된 리튬 이차 전지용 인조흑연 음극재

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