JP2003145407A - スライス装置およびスライス方法 - Google Patents
スライス装置およびスライス方法Info
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- JP2003145407A JP2003145407A JP2001344968A JP2001344968A JP2003145407A JP 2003145407 A JP2003145407 A JP 2003145407A JP 2001344968 A JP2001344968 A JP 2001344968A JP 2001344968 A JP2001344968 A JP 2001344968A JP 2003145407 A JP2003145407 A JP 2003145407A
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- slicing
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- Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)
- Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 不均質なワークに対してもワイヤのぶれを防
止して品質のよいウェハを高能率で切断することが可能
なスライス装置およびスライス方法を提供する。 【解決手段】 ワイヤ4を走行させ、そのワイヤにスラ
リー14を供給しシリコンインゴット1に押し当てなが
らそれを切断するスライス装置であって、ワイヤ4の位
置ぶれを検出する位置ぶれセンサー21と、ワイヤの位
置ぶれを検出し、その位置ぶれが生じた場合にスライス
条件を修正するスライス条件修正手段40とを備える。
止して品質のよいウェハを高能率で切断することが可能
なスライス装置およびスライス方法を提供する。 【解決手段】 ワイヤ4を走行させ、そのワイヤにスラ
リー14を供給しシリコンインゴット1に押し当てなが
らそれを切断するスライス装置であって、ワイヤ4の位
置ぶれを検出する位置ぶれセンサー21と、ワイヤの位
置ぶれを検出し、その位置ぶれが生じた場合にスライス
条件を修正するスライス条件修正手段40とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワークのスライス装
置およびスライス方法に関し、より具体的には、太陽電
池用多結晶シリコンインゴットを切断するスライス装置
およびスライス方法に関するものである。
置およびスライス方法に関し、より具体的には、太陽電
池用多結晶シリコンインゴットを切断するスライス装置
およびスライス方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は従来のマルチワイヤソーを示す斜
視図である。通常、シリコンインゴット101をスライ
スしてウェハを得るために、マルチワイヤソーが使用さ
れる。このマルチワイヤソーでは、フレーム109にテ
ーブル102が上下方向に移動可能に、またワイヤガイ
ド103が回転可能に取り付けられている。ワイヤソー
では、ワイヤ繰出部(ボビン)105から引出されたワ
イヤ104が、複数のワイヤガイド103の周囲に巻き
回され、ワイヤ巻取部(ボビン)106に回収されよう
に張り巡らされる。ワイヤ104は、所定のテンション
を有するようにテンションコントローラ108を垂下さ
れ、トラバーサ107などを経て、ワイヤガイドに巻き
回される。両ボビン105,106およびワイヤガイド
103の回転によって、ワイヤ104が高速駆動されて
ワークをスライスしている間、砥粒とオイルからなるス
ラリー(図示せず)がスライス部分に供給される。シリ
コンインゴットをスライスしているワイヤに対して、テ
ーブル102がシリコンインゴットをワイヤ走行方向に
交差する方向に切断送りすることにより複数のウェハを
同時に切り出すことができる。
視図である。通常、シリコンインゴット101をスライ
スしてウェハを得るために、マルチワイヤソーが使用さ
れる。このマルチワイヤソーでは、フレーム109にテ
ーブル102が上下方向に移動可能に、またワイヤガイ
ド103が回転可能に取り付けられている。ワイヤソー
では、ワイヤ繰出部(ボビン)105から引出されたワ
イヤ104が、複数のワイヤガイド103の周囲に巻き
回され、ワイヤ巻取部(ボビン)106に回収されよう
に張り巡らされる。ワイヤ104は、所定のテンション
を有するようにテンションコントローラ108を垂下さ
れ、トラバーサ107などを経て、ワイヤガイドに巻き
回される。両ボビン105,106およびワイヤガイド
103の回転によって、ワイヤ104が高速駆動されて
ワークをスライスしている間、砥粒とオイルからなるス
ラリー(図示せず)がスライス部分に供給される。シリ
コンインゴットをスライスしているワイヤに対して、テ
ーブル102がシリコンインゴットをワイヤ走行方向に
交差する方向に切断送りすることにより複数のウェハを
同時に切り出すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のシリコンインゴ
ット等のワークが均一な材質であれば、スライス条件は
加工の最初から最後まで同一条件でスライスを行なうこ
とができる。しかし、多結晶シリコンインゴット等を切
断する場合、局所的に結晶粒の大きさが変わるために局
所的に硬さが変動する。また、インゴット成長の際にイ
ンゴット内に混入したるつぼ内面塗布材の窒化ケイ素
や、炉材の一部などの介在物の付近において、ワイヤの
ぶれが発生する。このため、ウェハ厚みのウェハ面内ば
らつきが発生し、ウェハの品質が低下する。
ット等のワークが均一な材質であれば、スライス条件は
加工の最初から最後まで同一条件でスライスを行なうこ
とができる。しかし、多結晶シリコンインゴット等を切
断する場合、局所的に結晶粒の大きさが変わるために局
所的に硬さが変動する。また、インゴット成長の際にイ
ンゴット内に混入したるつぼ内面塗布材の窒化ケイ素
や、炉材の一部などの介在物の付近において、ワイヤの
ぶれが発生する。このため、ウェハ厚みのウェハ面内ば
らつきが発生し、ウェハの品質が低下する。
【0004】ワイヤのぶれを防止するために、加工条件
を最初から硬さの硬い部分に合わせてスライスすること
が考えられる。しかしながら、硬さの硬い部分に合わせ
た加工条件では加工時間が長くなり生産性が低下すると
いう問題があった。
を最初から硬さの硬い部分に合わせてスライスすること
が考えられる。しかしながら、硬さの硬い部分に合わせ
た加工条件では加工時間が長くなり生産性が低下すると
いう問題があった。
【0005】本発明は、不均質なワークに対してもワイ
ヤぶれを防止してウェハ面内ばらつきの小さいウェハを
高能率でスライスすることが可能なスライス装置および
スライス方法を提供することを目的とする。
ヤぶれを防止してウェハ面内ばらつきの小さいウェハを
高能率でスライスすることが可能なスライス装置および
スライス方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のスライス装置
は、ワイヤを走行させ、そのワイヤにスラリーを供給し
ワークに押し当てながらそのワークを切断する、ワーク
のスライス装置である。このスライス装置は、ワイヤの
位置ぶれを検出するワイヤ位置ぶれセンサーと、ワイヤ
の位置ぶれを検出し、その位置ぶれが生じた場合にスラ
イス条件を修正するスライス条件修正手段とを備える
(請求項1)。
は、ワイヤを走行させ、そのワイヤにスラリーを供給し
ワークに押し当てながらそのワークを切断する、ワーク
のスライス装置である。このスライス装置は、ワイヤの
位置ぶれを検出するワイヤ位置ぶれセンサーと、ワイヤ
の位置ぶれを検出し、その位置ぶれが生じた場合にスラ
イス条件を修正するスライス条件修正手段とを備える
(請求項1)。
【0007】この構成により、硬さの不均一なワークや
異物を含むワークであっても、ワイヤのぶれが所定範囲
を超えて生じた場合、スライス条件を修正することによ
り、ぶれを所定範囲内に抑えることができる。上記の位
置ぶれセンサーは光学手段と機械的手段と電気的手段と
を問わず、どのようなセンサーであってもよい。スライ
ス条件修正手段としては、ワイヤ走行速度、ワイヤソー
の押当圧力、ワークおよびワイヤの少なくとも一方の送
り速度、スラリー供給量などを修正することができる。
この結果、ウェハ厚さのウェハ面内ばらつきを抑制する
ことができる。
異物を含むワークであっても、ワイヤのぶれが所定範囲
を超えて生じた場合、スライス条件を修正することによ
り、ぶれを所定範囲内に抑えることができる。上記の位
置ぶれセンサーは光学手段と機械的手段と電気的手段と
を問わず、どのようなセンサーであってもよい。スライ
ス条件修正手段としては、ワイヤ走行速度、ワイヤソー
の押当圧力、ワークおよびワイヤの少なくとも一方の送
り速度、スラリー供給量などを修正することができる。
この結果、ウェハ厚さのウェハ面内ばらつきを抑制する
ことができる。
【0008】本発明のスライス装置では、位置ぶれセン
サーは導電性部分を有し、位置ぶれが生じた場合に、ワ
イヤの位置ぶれ部分と導電性部分とが電気的に接続され
る構成とすることができる(請求項2)。
サーは導電性部分を有し、位置ぶれが生じた場合に、ワ
イヤの位置ぶれ部分と導電性部分とが電気的に接続され
る構成とすることができる(請求項2)。
【0009】この構成により、たとえばワイヤに電流を
流しておけば、導電性部分を通じて位置ぶれセンサーに
電流を分岐させることができる。このため、位置ぶれセ
ンサーの導電性部分をワイヤの正常位置から所定距離だ
け精度よく離しておけば、ワイヤの所定範囲を超えた位
置ぶれを正確に感度よく検知することができる。
流しておけば、導電性部分を通じて位置ぶれセンサーに
電流を分岐させることができる。このため、位置ぶれセ
ンサーの導電性部分をワイヤの正常位置から所定距離だ
け精度よく離しておけば、ワイヤの所定範囲を超えた位
置ぶれを正確に感度よく検知することができる。
【0010】本発明のスライス装置では、スライス装置
はワイヤがその外側周囲に沿って巻き回される複数のワ
イヤガイドを備え、ワイヤは、ワークをスライスする部
分のワイヤガイド間に複数本のワイヤが走行するように
配置され、位置ぶれセンサーは導電性部分を有し、ワイ
ヤガイド間を走行する複数のワイヤの位置ずれが生じた
場合にワイヤの位置ぶれ部分と導電性部分とが電気的に
接続されるように各ワイヤに導電性部分が配置される構
成とすることができる(請求項3)。
はワイヤがその外側周囲に沿って巻き回される複数のワ
イヤガイドを備え、ワイヤは、ワークをスライスする部
分のワイヤガイド間に複数本のワイヤが走行するように
配置され、位置ぶれセンサーは導電性部分を有し、ワイ
ヤガイド間を走行する複数のワイヤの位置ずれが生じた
場合にワイヤの位置ぶれ部分と導電性部分とが電気的に
接続されるように各ワイヤに導電性部分が配置される構
成とすることができる(請求項3)。
【0011】上記マルチワイヤソーの場合においては、
スライスがなされるワイヤガイド間の部分に配置される
複数本のワイヤごとに、位置ぶれセンサーの導電性部分
を配置することができる。この構成によれば、複数本の
ワイヤの1本でもぶれを生じれば、ぶれを検出すること
ができる。このため、ワイヤの1箇所のぶれが他の部分
にも拡大する事態を避けることができる。この結果、ウ
ェハ厚さのウェハ面内変動を抑制することができる。
スライスがなされるワイヤガイド間の部分に配置される
複数本のワイヤごとに、位置ぶれセンサーの導電性部分
を配置することができる。この構成によれば、複数本の
ワイヤの1本でもぶれを生じれば、ぶれを検出すること
ができる。このため、ワイヤの1箇所のぶれが他の部分
にも拡大する事態を避けることができる。この結果、ウ
ェハ厚さのウェハ面内変動を抑制することができる。
【0012】本発明のスライス装置では、位置ぶれセン
サーは、複数本のワイヤが走行するように複数の溝を櫛
状に備え、ワイヤの位置ぶれを溝内を走行するワイヤと
溝の側部との電気的な接続によって検出することができ
る(請求項4)。
サーは、複数本のワイヤが走行するように複数の溝を櫛
状に備え、ワイヤの位置ぶれを溝内を走行するワイヤと
溝の側部との電気的な接続によって検出することができ
る(請求項4)。
【0013】この構成により、マルチワイヤソーにおけ
る位置ぶれセンサーを、例えば金属板に櫛状に溝を設け
ることにより、簡単に製造することができる。このよう
な位置ぶれセンサーは、たとえばシリコンインゴットの
ステージ間に容易に配設することができる。
る位置ぶれセンサーを、例えば金属板に櫛状に溝を設け
ることにより、簡単に製造することができる。このよう
な位置ぶれセンサーは、たとえばシリコンインゴットの
ステージ間に容易に配設することができる。
【0014】本発明のスライス装置では、ワイヤの位置
ぶれセンサーは、30μm以上の位置ぶれを検出する構
成とすることができる(請求項5)。
ぶれセンサーは、30μm以上の位置ぶれを検出する構
成とすることができる(請求項5)。
【0015】この構成により、ウェハの面内厚さばらつ
きおよびウェハ間ばらつきを所定範囲内に収めることが
でき、ウェハの品質を所定のレベルに維持することがで
きる。
きおよびウェハ間ばらつきを所定範囲内に収めることが
でき、ウェハの品質を所定のレベルに維持することがで
きる。
【0016】本発明のスライス装置では、ワイヤがワー
クをスライスする部分にスラリーが供給され、スライス
条件修正手段は、位置ぶれを検出した場合に、(a)ワ
ークおよびワイヤの少なくとも一方を相手方に押し当て
るように移動させる切断送り速度を小さくする、(b)
ワイヤの走行速度を高める、ならびに(c)スラリー供
給量を多くする、の少なくとも1つの修正をする(請求
項6)。
クをスライスする部分にスラリーが供給され、スライス
条件修正手段は、位置ぶれを検出した場合に、(a)ワ
ークおよびワイヤの少なくとも一方を相手方に押し当て
るように移動させる切断送り速度を小さくする、(b)
ワイヤの走行速度を高める、ならびに(c)スラリー供
給量を多くする、の少なくとも1つの修正をする(請求
項6)。
【0017】上記の修正はいずれもワイヤが直線状に張
られる傾向を助ける。これらの修正の少なくとも1つを
適用することにより、ワイヤは直線状に戻ることが助長
される。上記の修正は、既存の装置を改良することによ
り簡単に実現することができる。
られる傾向を助ける。これらの修正の少なくとも1つを
適用することにより、ワイヤは直線状に戻ることが助長
される。上記の修正は、既存の装置を改良することによ
り簡単に実現することができる。
【0018】本発明のスライス方法は、ワイヤを走行さ
せ、そのワイヤをワークに押し当て、スラリーを供給し
ながら切断する、ワークのスライス方法である。このス
ライス方法では、位置ぶれセンサーによってワイヤの位
置ぶれを検出し、その位置ぶれが生じた場合に、(a)
ワークおよびワイヤの少なくとも一方を相手方に押し当
てるように移動させる切断送り速度を小さくする、
(b)ワイヤの走行速度を高める、ならびに(c)スラ
リー供給量を多くする、の少なくとも1つの修正を行う
(請求項7)。
せ、そのワイヤをワークに押し当て、スラリーを供給し
ながら切断する、ワークのスライス方法である。このス
ライス方法では、位置ぶれセンサーによってワイヤの位
置ぶれを検出し、その位置ぶれが生じた場合に、(a)
ワークおよびワイヤの少なくとも一方を相手方に押し当
てるように移動させる切断送り速度を小さくする、
(b)ワイヤの走行速度を高める、ならびに(c)スラ
リー供給量を多くする、の少なくとも1つの修正を行う
(請求項7)。
【0019】この構成により、ワイヤのぶれが生じたと
き修正をかけ、ワイヤを正常位置に復帰させることがで
きる。このため、厚さ変動の小さいウェハを高能率で製
造することが可能になる。
き修正をかけ、ワイヤを正常位置に復帰させることがで
きる。このため、厚さ変動の小さいウェハを高能率で製
造することが可能になる。
【0020】上記のスライス装置またはスライス方法で
は、ワークがシリコンインゴットであり、ワイヤガイド
間を走行するワイヤはシリコンインゴットからシリコン
ウェハを切り出す構成とすることができる(請求項8、
請求項9)。
は、ワークがシリコンインゴットであり、ワイヤガイド
間を走行するワイヤはシリコンインゴットからシリコン
ウェハを切り出す構成とすることができる(請求項8、
請求項9)。
【0021】この構成により、シリコンインゴット内
に、るつぼ内面塗布剤の窒化珪素や炉材などの介在物が
混入しても、ウェハ厚さのウェハ面内ばらつき、および
ウェハ間ばらつきを所定範囲内に抑制することができ
る。この結果、たとえば、優れた品質の半導体装置用シ
リコンウェハを能率よく製造することが可能となる。
に、るつぼ内面塗布剤の窒化珪素や炉材などの介在物が
混入しても、ウェハ厚さのウェハ面内ばらつき、および
ウェハ間ばらつきを所定範囲内に抑制することができ
る。この結果、たとえば、優れた品質の半導体装置用シ
リコンウェハを能率よく製造することが可能となる。
【0022】上記のスライス装置またはスライス方法で
は、ワークが多結晶シリコンインゴットであり、ワイヤ
ガイド間を走行するワイヤは多結晶シリコンインゴット
から多結晶シリコンウェハを切り出す構成とすることが
できる(請求項10、請求項11)。
は、ワークが多結晶シリコンインゴットであり、ワイヤ
ガイド間を走行するワイヤは多結晶シリコンインゴット
から多結晶シリコンウェハを切り出す構成とすることが
できる(請求項10、請求項11)。
【0023】この構成により、シリコンインゴット内に
結晶粒のばらつきが生じ、硬さ変動を内蔵していても、
ウェハ厚さのウェハ面内ばらつき、およびウェハ間ばら
つきを所定範囲内に抑制することができる。この結果、
たとえば、優れた品質の太陽電池用多結晶シリコンウェ
ハを能率よく製造することが可能となる。
結晶粒のばらつきが生じ、硬さ変動を内蔵していても、
ウェハ厚さのウェハ面内ばらつき、およびウェハ間ばら
つきを所定範囲内に抑制することができる。この結果、
たとえば、優れた品質の太陽電池用多結晶シリコンウェ
ハを能率よく製造することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に
おけるスライス装置を示す図である。また、図2は、図
1におけるシリコンインゴットをスライスする部分の拡
大図である。図1のマルチワイヤソー本体30におい
て、ワイヤガイドローラー(以下、ワイヤガイド)3
は、フレーム9に回転可能な形態、たとえばベアリング
などを用いて支持されており、ワイヤガイド3はモータ
(図示せず)により駆動され回転可能である。4本のワ
イヤガイド3が形成する四辺形の外周に沿うように、直
径0.16mm(一般的には直径0.3〜0.1mm程
度)のワイヤ4が張り巡らされている。このワイヤに
は、通常、鋼線やピアノ線が用いられ、所定の一定テン
ション、本実施の形態では25Nのテンションが付加さ
れている。スライスが行われるワイヤガイド間のすぐ上
には多結晶シリコンブロック1が、上下方向の駆動機構
を持ったテーブル2に固定されている。本実施の形態で
は8本のシリコンブロック1が上下2段に分かれて搭載
されている。
図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に
おけるスライス装置を示す図である。また、図2は、図
1におけるシリコンインゴットをスライスする部分の拡
大図である。図1のマルチワイヤソー本体30におい
て、ワイヤガイドローラー(以下、ワイヤガイド)3
は、フレーム9に回転可能な形態、たとえばベアリング
などを用いて支持されており、ワイヤガイド3はモータ
(図示せず)により駆動され回転可能である。4本のワ
イヤガイド3が形成する四辺形の外周に沿うように、直
径0.16mm(一般的には直径0.3〜0.1mm程
度)のワイヤ4が張り巡らされている。このワイヤに
は、通常、鋼線やピアノ線が用いられ、所定の一定テン
ション、本実施の形態では25Nのテンションが付加さ
れている。スライスが行われるワイヤガイド間のすぐ上
には多結晶シリコンブロック1が、上下方向の駆動機構
を持ったテーブル2に固定されている。本実施の形態で
は8本のシリコンブロック1が上下2段に分かれて搭載
されている。
【0025】ワイヤ4は、新しい芯線を供給する新線ボ
ビン5から送り出され、トラバーサ7を通ってテンショ
ンコントローラ8により25Nのテンションが加えられ
て、四辺形の角部に配置された4本のワイヤガイド3の
外周に沿って巻き回される。4本のワイヤガイド3に
は、ワイヤ4が約800周、所定の一定ピッチ、本実施
例では0.5mmのピッチをもって巻き回されている。
巻き回された残りの部分は、テンションコントローラ8
により25Nのテンションが加えられて、トラバーサ7
を経由して巻取りボビン6に巻かれる。
ビン5から送り出され、トラバーサ7を通ってテンショ
ンコントローラ8により25Nのテンションが加えられ
て、四辺形の角部に配置された4本のワイヤガイド3の
外周に沿って巻き回される。4本のワイヤガイド3に
は、ワイヤ4が約800周、所定の一定ピッチ、本実施
例では0.5mmのピッチをもって巻き回されている。
巻き回された残りの部分は、テンションコントローラ8
により25Nのテンションが加えられて、トラバーサ7
を経由して巻取りボビン6に巻かれる。
【0026】本実施の形態では、ワイヤ4は新線ボビン
5から供給され、ワイヤガイド3上を、通常、7〜12
m/秒程度の速度、たとえば8m/秒の速度で1方向ま
たは双方向に移動し、巻取ボビン6に巻き取られる。ま
た、テーブル2は、通常、0.6〜0.05mm/分程
度の速度、たとえば0.5mm/分の速度で切断送りし
ながらシリコンブロック1をワイヤ4に押し付ける。
5から供給され、ワイヤガイド3上を、通常、7〜12
m/秒程度の速度、たとえば8m/秒の速度で1方向ま
たは双方向に移動し、巻取ボビン6に巻き取られる。ま
た、テーブル2は、通常、0.6〜0.05mm/分程
度の速度、たとえば0.5mm/分の速度で切断送りし
ながらシリコンブロック1をワイヤ4に押し付ける。
【0027】図1において、制御部(スライス条件修正
部)40は、位置ぶれセンサー(図示せず)から位置ず
れが生じたことの信号を受けると、スライス条件を修正
する信号を発する。通常、この制御部40はマイコンな
どを用いて構成することができる。スライス条件を修正
する場合、制御部40からスライス条件設定部50に信
号を送り、スライス条件を修正する。なお、制御部から
スライス条件設定部を経ずに、たとえばモータやポンプ
等の稼動部品に直接信号を送り、稼動条件を修正するこ
ともできる。
部)40は、位置ぶれセンサー(図示せず)から位置ず
れが生じたことの信号を受けると、スライス条件を修正
する信号を発する。通常、この制御部40はマイコンな
どを用いて構成することができる。スライス条件を修正
する場合、制御部40からスライス条件設定部50に信
号を送り、スライス条件を修正する。なお、制御部から
スライス条件設定部を経ずに、たとえばモータやポンプ
等の稼動部品に直接信号を送り、稼動条件を修正するこ
ともできる。
【0028】図2において、シリコンブロック1は、保
持板11に接着され、固定板12を介して、上下方向1
0に移動するテーブル2に固定される。保持板11に
は、通常、ガラスやカーボン板が用いられる。それぞれ
のシリコンブロック1の側部には、スラリーノズル13
が設置されており、スラリーノズルの先端からワイヤ3
に向って、スラリー14が絶えず供給されている。スラ
リー14には、通常、研削油と砥粒を混ぜたものが用い
られる。スラリーノズル13は、ワイヤガイド3の上方
に設置され、図2の奥行き方向に幅を有し、スリット状
のノズル形状を有している。このスラリーノズルの奥行
方向の幅は、ワイヤガイド3の長さと同一の長さであ
る。スラリー14は、その長さ方向にカーテン状に切れ
ることなく加工中供給され続ける。このカーテン状のス
ラリーをスラリーカーテンと呼ぶ。ワイヤおよびシリコ
ンインゴットのスライス部分を流下したスラリー14
は、スラリー受け18で受けられ、スラリーポンプ19
に駆動されて、スラリー配管20を経てスラリーノズル
へと流動循環する。
持板11に接着され、固定板12を介して、上下方向1
0に移動するテーブル2に固定される。保持板11に
は、通常、ガラスやカーボン板が用いられる。それぞれ
のシリコンブロック1の側部には、スラリーノズル13
が設置されており、スラリーノズルの先端からワイヤ3
に向って、スラリー14が絶えず供給されている。スラ
リー14には、通常、研削油と砥粒を混ぜたものが用い
られる。スラリーノズル13は、ワイヤガイド3の上方
に設置され、図2の奥行き方向に幅を有し、スリット状
のノズル形状を有している。このスラリーノズルの奥行
方向の幅は、ワイヤガイド3の長さと同一の長さであ
る。スラリー14は、その長さ方向にカーテン状に切れ
ることなく加工中供給され続ける。このカーテン状のス
ラリーをスラリーカーテンと呼ぶ。ワイヤおよびシリコ
ンインゴットのスライス部分を流下したスラリー14
は、スラリー受け18で受けられ、スラリーポンプ19
に駆動されて、スラリー配管20を経てスラリーノズル
へと流動循環する。
【0029】次に、本実施の形態における実際の加工処
理について説明する。シリコンブロック1は四角形の断
面を有する四角柱であり、その断面は155×155m
mであり、長さ200mmを有する。図1に示すよう
に、このシリコンブロック2本を連結して400mmの
奥行き方向長さを有した状態で、保持板11に固定され
る。このシリコンブロック2本を連結して奥行き方向長
さ400mmにしたものを、1ステージに設定する。本
実施の形態のスライス装置であるワイヤソーには、全部
で4ステージ(8本)がセットされている。ワイヤ4に
は、直径0.16mm、引張強さ3500N/mm2の
ピアノ線が使用される。
理について説明する。シリコンブロック1は四角形の断
面を有する四角柱であり、その断面は155×155m
mであり、長さ200mmを有する。図1に示すよう
に、このシリコンブロック2本を連結して400mmの
奥行き方向長さを有した状態で、保持板11に固定され
る。このシリコンブロック2本を連結して奥行き方向長
さ400mmにしたものを、1ステージに設定する。本
実施の形態のスライス装置であるワイヤソーには、全部
で4ステージ(8本)がセットされている。ワイヤ4に
は、直径0.16mm、引張強さ3500N/mm2の
ピアノ線が使用される。
【0030】ワイヤガイド3にはV形状で深さ0.25
mm、ピッチ0.5mmの溝が800本形成されてお
り、その溝に沿ってワイヤ4は25Nのテンションを付
加されるように巻き回される。ワイヤ4は、8m/秒の
速度で、ワイヤガイド3の外接縁を巻き回る方向15に
沿って、ワイヤガイド3と両ボビン5,6により駆動さ
れ走行する。そのワイヤ4には、上下3本ずつ合計6本
のスラリーノズル13から、1本当り15kg/分、6
本合計で90kg/分のスラリー14が幅400mmの
カーテン状に隙間なく供給される。スラリー14には、
研削油と♯800のGC砥粒を100リットル当り10
0kgの割合で混合して使用する。このような状況下で
テーブル2に搭載したシリコンインゴットをワイヤ4に
押し付けることにより、シリコンブロック1が薄い板状
のウェハにスライスされる。テーブル2は0.4mm/
分で切断送りの移動を行る。上記のシリコンインゴット
を、155×155mmの薄いウェハにスライスするた
めには、約7時間を要することになる。
mm、ピッチ0.5mmの溝が800本形成されてお
り、その溝に沿ってワイヤ4は25Nのテンションを付
加されるように巻き回される。ワイヤ4は、8m/秒の
速度で、ワイヤガイド3の外接縁を巻き回る方向15に
沿って、ワイヤガイド3と両ボビン5,6により駆動さ
れ走行する。そのワイヤ4には、上下3本ずつ合計6本
のスラリーノズル13から、1本当り15kg/分、6
本合計で90kg/分のスラリー14が幅400mmの
カーテン状に隙間なく供給される。スラリー14には、
研削油と♯800のGC砥粒を100リットル当り10
0kgの割合で混合して使用する。このような状況下で
テーブル2に搭載したシリコンインゴットをワイヤ4に
押し付けることにより、シリコンブロック1が薄い板状
のウェハにスライスされる。テーブル2は0.4mm/
分で切断送りの移動を行る。上記のシリコンインゴット
を、155×155mmの薄いウェハにスライスするた
めには、約7時間を要することになる。
【0031】図3は、加工時のワイヤとシリコンブロッ
クとの位置関係を示す正面図である。加工時には、ワイ
ヤ3は、加工前のワイヤ位置16に比べてLだけ撓みを
もってスライス加工が継続される。撓みLは、0.5〜
10mmの範囲である。この撓みを維持した状態でワイ
ヤがワークに対して垂直に入っていけば、ウェハの厚み
ばらつきなどは発生しない。しかしながら、(a)場所
的に結晶粒の大きさのばらつきが生じ、硬さが変動する
場合、(b)結晶成長の際に混入したるつぼの内面塗布
剤の窒化ケイ素や、炉材の一部などの介在物がある場
合、その硬さが硬い部分や介在物の周辺部分においてワ
イヤのぶれが生じる。この結果、ウェハ厚みの面内ばら
つきが発生しウェハの品質が低下する。
クとの位置関係を示す正面図である。加工時には、ワイ
ヤ3は、加工前のワイヤ位置16に比べてLだけ撓みを
もってスライス加工が継続される。撓みLは、0.5〜
10mmの範囲である。この撓みを維持した状態でワイ
ヤがワークに対して垂直に入っていけば、ウェハの厚み
ばらつきなどは発生しない。しかしながら、(a)場所
的に結晶粒の大きさのばらつきが生じ、硬さが変動する
場合、(b)結晶成長の際に混入したるつぼの内面塗布
剤の窒化ケイ素や、炉材の一部などの介在物がある場
合、その硬さが硬い部分や介在物の周辺部分においてワ
イヤのぶれが生じる。この結果、ウェハ厚みの面内ばら
つきが発生しウェハの品質が低下する。
【0032】上記の問題を防止するために、図1に示す
ように、ワイヤのぶれを検出しスライス条件を修正する
ための制御手段を設けたのが本発明である。図4は、ワ
イヤの位置ぶれを検出する位置ぶれセンサー21をワイ
ヤから所定距離だけ離れた位置に配置した状態を正面側
からみた図である。位置ぶれセンサー21は、ワイヤ4
の側方への位置ぶれを検出し、その結果を制御装置に送
り、制御装置40からスライス条件を修正することによ
り、ウェハの品質低下を防止することができる。この場
合、スライス条件設定盤を経由してスライス条件を修正
してもよいし、そのようなスライス条件設定盤の有無に
かかわらず、モータやポンプなどの稼動部品に直接信号
を送り稼動条件を修正してもよい。
ように、ワイヤのぶれを検出しスライス条件を修正する
ための制御手段を設けたのが本発明である。図4は、ワ
イヤの位置ぶれを検出する位置ぶれセンサー21をワイ
ヤから所定距離だけ離れた位置に配置した状態を正面側
からみた図である。位置ぶれセンサー21は、ワイヤ4
の側方への位置ぶれを検出し、その結果を制御装置に送
り、制御装置40からスライス条件を修正することによ
り、ウェハの品質低下を防止することができる。この場
合、スライス条件設定盤を経由してスライス条件を修正
してもよいし、そのようなスライス条件設定盤の有無に
かかわらず、モータやポンプなどの稼動部品に直接信号
を送り稼動条件を修正してもよい。
【0033】図5は、介在物45の存在によりワイヤ4
が位置ぶれを起こした状態を示す平面図である。また、
図6は、マルチワイヤソーにおける切断途中のワイヤの
状態を示したものである。図6(a)は正常に切断が行
なわれている状態を、また図6(b)は、ワイヤに位置
ぶれが発生している状態を示す。位置ぶれセンサー21
は、シリコンインゴットのステージ間に設置するのが望
ましい。ワイヤガイド間に複数本のワイヤが配置され、
複数箇所でスライスがなされる場合には、それぞれのワ
イヤの側方に位置ぶれセンサーを設置するのが望まし
い。
が位置ぶれを起こした状態を示す平面図である。また、
図6は、マルチワイヤソーにおける切断途中のワイヤの
状態を示したものである。図6(a)は正常に切断が行
なわれている状態を、また図6(b)は、ワイヤに位置
ぶれが発生している状態を示す。位置ぶれセンサー21
は、シリコンインゴットのステージ間に設置するのが望
ましい。ワイヤガイド間に複数本のワイヤが配置され、
複数箇所でスライスがなされる場合には、それぞれのワ
イヤの側方に位置ぶれセンサーを設置するのが望まし
い。
【0034】本実施の形態では、シリコンブロック1と
して多結晶シリコンインゴットをワーク対象とすること
ができる。多結晶シリコンインゴットは、結晶粒の大き
さにより硬さが変わったり、結晶成長の際に混入したる
つぼの内面塗布剤の窒化ケイ素や、炉材の一部がインゴ
ット中に介在物として存在する可能性が高いため、特に
本発明のスライス方法が有効である。
して多結晶シリコンインゴットをワーク対象とすること
ができる。多結晶シリコンインゴットは、結晶粒の大き
さにより硬さが変わったり、結晶成長の際に混入したる
つぼの内面塗布剤の窒化ケイ素や、炉材の一部がインゴ
ット中に介在物として存在する可能性が高いため、特に
本発明のスライス方法が有効である。
【0035】スライス条件の修正については、ワイヤの
位置ぶれをセンサー21で検出しその結果を制御装置4
0に送り、制御装置から(a1)ワイヤガイドモータ、
巻取ボビン6および新線ボビン5のモータ、(a2)テ
ーブル2、(a3)スラリーポンプ19を制御する。そ
れぞれの制御対象項目は、(a1)ワイヤ速度、(a2)
テーブル速度、(a3)スラリー流量の3項目である。
通常のスラリー条件は、ワイヤ速度8m/分、テーブル
速度0.4mm/分、スラリー流量90kg/分であ
る。この条件下で位置ぶれセンサー21にてワイヤぶれ
を検出したとき、ワイヤ速度9m/分に上げ、テーブル
速度0.3mm/分に落とし、スラリー流量100kg
/分に上げたところワイヤのぶれを抑制することができ
た。この結果、ウェハの品質を低下させることなく厚み
変動の小さいスライスを行なうことができた。
位置ぶれをセンサー21で検出しその結果を制御装置4
0に送り、制御装置から(a1)ワイヤガイドモータ、
巻取ボビン6および新線ボビン5のモータ、(a2)テ
ーブル2、(a3)スラリーポンプ19を制御する。そ
れぞれの制御対象項目は、(a1)ワイヤ速度、(a2)
テーブル速度、(a3)スラリー流量の3項目である。
通常のスラリー条件は、ワイヤ速度8m/分、テーブル
速度0.4mm/分、スラリー流量90kg/分であ
る。この条件下で位置ぶれセンサー21にてワイヤぶれ
を検出したとき、ワイヤ速度9m/分に上げ、テーブル
速度0.3mm/分に落とし、スラリー流量100kg
/分に上げたところワイヤのぶれを抑制することができ
た。この結果、ウェハの品質を低下させることなく厚み
変動の小さいスライスを行なうことができた。
【0036】位置ぶれセンサーの配置位置は、ぶれの程
度が正常な位置を中心にして、そこから30〜50μm
以上位置がずれた場合に検出する構成をとることができ
る。一般的に、ウェハの品質は厚みばらつき(ウェハ面
内での最大厚みと最小厚みの差)として、数十μmたと
えば80μm以下のものが求められている。したがって
この数値内でワイヤのぶれを制御することにより所定品
質のウェハを得ることが可能となる。
度が正常な位置を中心にして、そこから30〜50μm
以上位置がずれた場合に検出する構成をとることができ
る。一般的に、ウェハの品質は厚みばらつき(ウェハ面
内での最大厚みと最小厚みの差)として、数十μmたと
えば80μm以下のものが求められている。したがって
この数値内でワイヤのぶれを制御することにより所定品
質のウェハを得ることが可能となる。
【0037】また、位置ぶれセンサーとしては、導電体
からなる金属製のワイヤ4に微小電流を流しておき、ワ
イヤ4がぶれてセンサーに接触することによりワイヤの
ぶれを電気的に検出する。ただし、センサーの種類はこ
れに限ったものではなく、ワイヤの変位が検出できれば
光学式センサー、静電容量式センサー、磁気センサーな
どいずれも使用可能である。
からなる金属製のワイヤ4に微小電流を流しておき、ワ
イヤ4がぶれてセンサーに接触することによりワイヤの
ぶれを電気的に検出する。ただし、センサーの種類はこ
れに限ったものではなく、ワイヤの変位が検出できれば
光学式センサー、静電容量式センサー、磁気センサーな
どいずれも使用可能である。
【0038】図7は、マルチワイヤソーに用いることが
できる位置ぶれセンサーの断面図である。図7におい
て、ワイヤのピッチ0.5mm間隔に対応させて、位置
ぶれセンサーは櫛状のスリットを有し、そのスリットの
幅を0.25mmとし、櫛の歯の実体部分の幅(厚さ)
を0.25mmとすることができる。スリットの幅0.
25mmの間に、直径0.16mmのワイヤが通ってワ
イヤがどちらにも触れた場合にも通電を検出することが
できる。このようなセンサーを用いることにより、正常
な位置からワイヤが0.045mmぶれた場合にセンサ
ーに接触してこの位置ぶれを検出することができる。上
記の櫛状センサーにおいては、スリットの幅として、ワ
イヤ径長さに制御したい幅の2倍の長さを加えた長さと
すればよい。
できる位置ぶれセンサーの断面図である。図7におい
て、ワイヤのピッチ0.5mm間隔に対応させて、位置
ぶれセンサーは櫛状のスリットを有し、そのスリットの
幅を0.25mmとし、櫛の歯の実体部分の幅(厚さ)
を0.25mmとすることができる。スリットの幅0.
25mmの間に、直径0.16mmのワイヤが通ってワ
イヤがどちらにも触れた場合にも通電を検出することが
できる。このようなセンサーを用いることにより、正常
な位置からワイヤが0.045mmぶれた場合にセンサ
ーに接触してこの位置ぶれを検出することができる。上
記の櫛状センサーにおいては、スリットの幅として、ワ
イヤ径長さに制御したい幅の2倍の長さを加えた長さと
すればよい。
【0039】上記位置ぶれセンサー21については、位
置ぶれが設定値以上になるとスライス条件を変更できる
ようにした、検知可能なぶれの大きさを可変としたスラ
イス装置とすることができる。このような方法や装置を
用いることによりどのようなワークに対してもワイヤの
ぶれを抑制し、品質のよいウェハを高速で切断すること
が可能なスライス装置およびスライス方法を提供するこ
とが可能になる。
置ぶれが設定値以上になるとスライス条件を変更できる
ようにした、検知可能なぶれの大きさを可変としたスラ
イス装置とすることができる。このような方法や装置を
用いることによりどのようなワークに対してもワイヤの
ぶれを抑制し、品質のよいウェハを高速で切断すること
が可能なスライス装置およびスライス方法を提供するこ
とが可能になる。
【0040】上記において、本発明の実施の形態につい
て説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形
態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発
明の実施の形態に限定されない。たとえば、位置ぶれセ
ンサーは、電気的接続により位置ぶれを検出するセンサ
ーに限定されず、光学式センサー、静電容量式センサ
ー、磁気センサーなどどのようなものでもよい。また、
修正されるスライス条件も、(a1)ワイヤ速度、(a
2)テーブル速度および(a3)スラリー流量に限定され
ず、ワイヤの位置ぶれを矯正する条件であれば、上記の
3条件に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範
囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載
と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むもの
である。
て説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形
態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発
明の実施の形態に限定されない。たとえば、位置ぶれセ
ンサーは、電気的接続により位置ぶれを検出するセンサ
ーに限定されず、光学式センサー、静電容量式センサ
ー、磁気センサーなどどのようなものでもよい。また、
修正されるスライス条件も、(a1)ワイヤ速度、(a
2)テーブル速度および(a3)スラリー流量に限定され
ず、ワイヤの位置ぶれを矯正する条件であれば、上記の
3条件に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範
囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載
と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むもの
である。
【0041】
【発明の効果】本発明のスライス装置およびスライス方
法を用いることにより、ワイヤの位置ぶれを簡単な手段
で検知して修正することにより、ウェハ厚みの面内ばら
つきを抑制しつつ高能率でウェハを製造することができ
る。
法を用いることにより、ワイヤの位置ぶれを簡単な手段
で検知して修正することにより、ウェハ厚みの面内ばら
つきを抑制しつつ高能率でウェハを製造することができ
る。
【図1】 本発明の実施の形態におけるワイヤソーを説
明する斜視図である。
明する斜視図である。
【図2】 図1のワイヤソーのワイヤガイド間における
スライスを行う部分の拡大図である。
スライスを行う部分の拡大図である。
【図3】 加工時のワイヤとシリコンブロックとの位置
関係を示す模式図である。
関係を示す模式図である。
【図4】 本発明の実施の形態におけるワイヤソーのセ
ンサーの配置図である。
ンサーの配置図である。
【図5】 シリコンインゴット中の混入物によってワイ
ヤの位置ずれが生ずる機構を示す図である。
ヤの位置ずれが生ずる機構を示す図である。
【図6】 切断途中のワイヤと切断溝を示す断面図であ
る。(a)は正常な切断状態を示し、(b)は位置ずれ
が生じた状態を示す。
る。(a)は正常な切断状態を示し、(b)は位置ずれ
が生じた状態を示す。
【図7】 本発明の実施の形態のマルチワイヤソーにお
ける位置ずれセンサーの断面形状を示す図である。
ける位置ずれセンサーの断面形状を示す図である。
【図8】 従来のワイヤソーを説明する斜視図である。
1 シリコンブロック、2 テーブル、3 ワイヤガイ
ド、4 ワイヤ、5新線ボビン、6 巻取ボビン、7
トラバーサ、8 テンションコントローラ、9 フレー
ム、10 テーブル移動方向、11 保持板、12 固
定板、13スラリーノズル、14 スラリー、15 ワ
イヤ走行方向、16 加工前のワイヤ位置、18 スラ
リー受け、19 スラリーポンプ、20 スラリー供給
配管、21 位置ぶれセンサー、45 介在物(混入
物)、L ワイヤの撓み。
ド、4 ワイヤ、5新線ボビン、6 巻取ボビン、7
トラバーサ、8 テンションコントローラ、9 フレー
ム、10 テーブル移動方向、11 保持板、12 固
定板、13スラリーノズル、14 スラリー、15 ワ
イヤ走行方向、16 加工前のワイヤ位置、18 スラ
リー受け、19 スラリーポンプ、20 スラリー供給
配管、21 位置ぶれセンサー、45 介在物(混入
物)、L ワイヤの撓み。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 3C047 FF11 GG00
3C058 AA05 AC02 BA01 BA07 BB02
BC01 BC02 CA01 CB01 CB03
DA03
3C069 AA01 BA06 BB03 BC03 CA04
EA01 EA02
Claims (11)
- 【請求項1】 ワイヤを走行させ、そのワイヤをワーク
に押し当てながら切断する、ワークのスライス装置であ
って、 ワイヤの位置ぶれを検出する位置ぶれセンサーと、 前記ワイヤの位置ぶれを検出し、その位置ぶれが生じた
場合にスライス条件を修正するスライス条件修正手段と
を備える、スライス装置。 - 【請求項2】 前記位置ぶれセンサーは導電性部分を有
し、その導電性部分が前記ワイヤから所定距離だけ離れ
て位置し、前記位置ぶれが生じた場合に前記ワイヤの位
置ぶれ部分と前記導電性部分とが電気的に接続される、
請求項1に記載のスライス装置。 - 【請求項3】 前記スライス装置は前記ワイヤがその外
側周囲に沿って巻き回される複数のワイヤガイドを備
え、前記ワイヤは、前記ワークをスライスする部分のワ
イヤガイド間に複数本のワイヤが走行するように配置さ
れ、前記位置ぶれセンサーは導電性部分を有し、前記ワ
イヤガイド間を走行する複数のワイヤの位置ずれが生じ
た場合に前記ワイヤの位置ぶれ部分と前記導電性部分と
が電気的に接続されるように各ワイヤに前記導電性部分
が配置されている、請求項1または2に記載のスライス
装置。 - 【請求項4】 前記位置ぶれセンサーは、前記複数本の
ワイヤが走行するように複数の溝を櫛状に備え、前記ワ
イヤの位置ぶれを前記溝内を走行する前記ワイヤと前記
溝の側部との電気的な接続によって検出する、請求項3
に記載のスライス装置。 - 【請求項5】 前記ワイヤの位置ぶれセンサーは、30
μm以上の位置ぶれを検出する、請求項1〜4のいずれ
かに記載のスライス装置。 - 【請求項6】 前記ワイヤが前記ワークをスライスする
部分にはスラリーが供給され、前記スライス条件修正手
段は、前記位置ぶれを検出した場合に、(a)前記ワー
クおよび前記ワイヤの少なくとも一方を相手方に押し当
てるように移動させる切断送り速度を小さくする、
(b)前記ワイヤの走行速度を高める、ならびに(c)
前記スラリー供給量を多くする、の少なくとも1つの修
正をする、請求項1〜5のいずれかに記載のスライス装
置。 - 【請求項7】 ワイヤを走行させ、そのワイヤをワーク
に押し当て、スラリーを供給しながら切断する、ワーク
のスライス方法であって、 位置ぶれセンサーによってワイヤの位置ぶれを検出し、
その位置ぶれが生じた場合に、(a)前記ワークおよび
前記ワイヤの少なくとも一方を相手方に押し当てるよう
に移動させる切断送り速度を小さくする、(b)前記ワ
イヤの走行速度を高める、ならびに(c)前記スラリー
供給量を多くする、の少なくとも1つの修正を行う、ス
ライス方法。 - 【請求項8】 前記ワークがシリコンインゴットであ
り、前記ワイヤガイド間を走行するワイヤは前記シリコ
ンインゴットからシリコンウェハを切り出す、請求項1
〜6のいずれかに記載のスライス装置。 - 【請求項9】 前記ワークがシリコンインゴットであ
り、前記ワイヤガイド間を走行するワイヤは前記シリコ
ンインゴットからシリコンウェハを切り出す、請求項7
に記載のスライス方法。 - 【請求項10】 前記ワークが多結晶シリコンインゴッ
トであり、前記ワイヤガイド間を走行するワイヤは前記
多結晶シリコンインゴットから多結晶シリコンウェハを
切り出す、請求項1〜6、8のいずれかに記載のスライ
ス装置。 - 【請求項11】 前記ワークが多結晶シリコンインゴッ
トであり、前記ワイヤガイド間を走行するワイヤは前記
多結晶シリコンインゴットから多結晶シリコンウェハを
切り出す、請求項7または9に記載のスライス方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001344968A JP2003145407A (ja) | 2001-11-09 | 2001-11-09 | スライス装置およびスライス方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001344968A JP2003145407A (ja) | 2001-11-09 | 2001-11-09 | スライス装置およびスライス方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003145407A true JP2003145407A (ja) | 2003-05-20 |
Family
ID=19158406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001344968A Withdrawn JP2003145407A (ja) | 2001-11-09 | 2001-11-09 | スライス装置およびスライス方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003145407A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005110654A1 (en) * | 2004-05-18 | 2005-11-24 | Rec Scanwafer As | Abrasive wire sawing |
JP2008282925A (ja) * | 2007-05-09 | 2008-11-20 | Sharp Corp | シリコンウエハの製造方法 |
JP2010089173A (ja) * | 2008-10-03 | 2010-04-22 | Toyo Advanced Technologies Co Ltd | ワイヤソー |
JP5196604B2 (ja) * | 2008-06-19 | 2013-05-15 | 信濃電気製錬株式会社 | インゴットスライシング用フレットバーを用いたインゴットの切断方法及び該フレットバーを貼着したインゴット |
CN104589522A (zh) * | 2013-10-31 | 2015-05-06 | 厦门钨业股份有限公司 | 一种多线切割方法及一种多线切割机 |
CN112847862A (zh) * | 2021-02-09 | 2021-05-28 | 常州时创能源股份有限公司 | 一种适用于单晶小硅块的切割方法 |
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WO2024046000A1 (en) * | 2022-08-31 | 2024-03-07 | Tcl Zhonghuan Renewable Energy Technology Co., Ltd. | Monitoring mechanism, application thereof, and slicing machine with the monitoring mechanism |
-
2001
- 2001-11-09 JP JP2001344968A patent/JP2003145407A/ja not_active Withdrawn
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN100462173C (zh) * | 2004-05-18 | 2009-02-18 | Rec斯坎沃佛股份有限公司 | 从至少两个基本相同的块形成多个薄片的设备及方法 |
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JP2010089173A (ja) * | 2008-10-03 | 2010-04-22 | Toyo Advanced Technologies Co Ltd | ワイヤソー |
JP4465400B2 (ja) * | 2008-10-03 | 2010-05-19 | トーヨーエイテック株式会社 | ワイヤソー |
CN104589522A (zh) * | 2013-10-31 | 2015-05-06 | 厦门钨业股份有限公司 | 一种多线切割方法及一种多线切割机 |
JP2022513289A (ja) * | 2018-12-17 | 2022-02-07 | ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフト | ワイヤーソーによって半導体ウェーハを生成するための方法 |
JP7362740B2 (ja) | 2018-12-17 | 2023-10-17 | ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフト | ワイヤーソーによって半導体ウェーハを生成するための方法 |
CN112847862A (zh) * | 2021-02-09 | 2021-05-28 | 常州时创能源股份有限公司 | 一种适用于单晶小硅块的切割方法 |
WO2024046000A1 (en) * | 2022-08-31 | 2024-03-07 | Tcl Zhonghuan Renewable Energy Technology Co., Ltd. | Monitoring mechanism, application thereof, and slicing machine with the monitoring mechanism |
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