JP2011000686A - マルチワイヤーソーおよびこれを用いたウエハ製造方法 - Google Patents

マルチワイヤーソーおよびこれを用いたウエハ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチワイヤーソーおよびこれを用いたウエハ製造方法を得ること。
【解決手段】シリコンブロック1の下部端面1cの高さおよび角度を調整する高さ・角度調整機構と、シリコンブロック1の奥行き方向17全域に亘って、加工開始時に最初にワイヤー4に当接する部分1cとワイヤー4との隙間dを、ワイヤーガイドローラ溝6aの深さd1からワイヤー4の直径d2を差引いた長さd3よりも小さい長さの隙間になるように前記高さ・角度調整機構を調整して加工を開始させる制御手段と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、マルチワイヤーソーを用いて単結晶、多結晶、またはアモルファスのシリコンブロックなどの被切断対象ブロックを薄厚に切断してウエハを製造するマルチワイヤーソーおよびこれを用いたウエハ製造方法に関する。
従来から、シリコンブロックの切断には、一度に多数枚のウエハを切断することができるマルチワイヤーソーが用いられている。このマルチワイヤーソーを用いたシリコンブロックの切断は、走行するワイヤーとシリコンブロックとの間に砥粒を含む切削用スラリーを導入し、ワイヤーで砥粒をシリコンブロックに押し付けるとともに転動させてインゴット表層にマイクロクラックを発生させてシリコン微粉として削り取ることによって行われている。このようなシリコンインゴットの切断において、ウエハ収率を高め、ウエハの材料コスト低減を図るために、切断代の縮小やウエハの薄厚化が進行している。
このウエハの薄厚化が進行するに従い、ウエハの強度は低下し、切断加工中、あるいは、切断終了後のウエハの取り出しにおいて、ウエハを破損することなく、如何に多くの良品を採取するかが求められている。
切断代を縮小するには、ワイヤーの径を小さくする必要があるが、その分、ワイヤーの破断強度が低下するため、ワイヤーをワイヤーガイドローラに架張する際の張力を小さくする必要がある。この張力を小さくするとワイヤーガイドローラにワイヤーを巻き付ける力が弱くなり、図3に示すように、ワイヤーガイドローラの溝6a内でワイヤー4が変位して、シリコンブロックから切り出すウエハの板厚にばらつきを及ぼす。また、ウエハの板厚ばらつきはシリコンブロックの切断開始部(ウエハ端部)で顕著である。
太陽電池セルの製造工程では、ウエハの端部に位置決め部材を押し付けてウエハの位置決めをして所定の処理を行い、次の処理工程まで搬送し、同様にウエハの端部に位置決め部材を押し付けてウエハの位置を決めることを数多く繰り返す。ウエハ端部の厚さが薄いと、この繰り返し加えられる押し付け力により、ウエハ端部に割れや欠けが生じて不良品となる。
また、図3に示す様にシリコンブロックの切断加工中においては、溝6aからワイヤー4が離脱することも有り、離脱したワイヤー4がその隣のワイヤーガイドローラ溝6aに飛んで、1つのワイヤーガイドローラ溝6aに2本あるいは、数本のワイヤーが巻かれた状態になる。
このようなワイヤー飛びが発生すると、シリコンブロックの1つの切溝に2本、あるいは数本のワイヤーが存在することで、その部分だけ局所的にワイヤーの張力が増加して、周辺ワイヤーとの切込みの進行速度に差異が発生し、ワイヤーに過剰な引張り力を発生させ、最悪の場合、ワイヤー破断を起こして良品のウエハが1枚も取れなくなる。また1つの切溝に2本あるいは数本のワイヤーが重なると、そのワイヤーが絡まり、安定してワイヤーの走行が出来なくなり最悪の場合、ワイヤー破断を起こして良品のウエハが一つも取れなくなる。
ウエハの薄厚化を図るには、ワイヤーガイドローラ溝6aの間隔(溝ピッチ)を小さくし、巻きつけるワイヤー4の間隔(巻付けピッチ)を小さくする必要があるが、その分、ワイヤーガイドローラ溝6aの深さが浅くなり、ワイヤー4がワイヤーガイドローラ溝6aから離脱する確率が高くなる。
このような問題を解決するため、たとえば、特許文献1には、所定間隔で配置された溝を有する複数本のワイヤーガイドローラと、該ワイヤーガイドローラの各溝に係合したワイヤーによって形成されたワイヤー列と、ワークを支持して該ワークを前記ワイヤー列に押し当てるワーク支持手段とを備えるワイヤーソーにおいて、ワーク押し当て部近くで前記ワイヤーに当接して該ワイヤーが縦横に振動することを防止するブレ防止手段を形成していることが提案されている。
また、特許文献2には、シリコンインゴットの切断終了後、シリコンインゴットをワイヤーから離脱させる(ワイヤーをインゴットから引き抜く)際に、ワイヤーがシリコンインゴットに引っ掛かって随伴し、ワイヤーガイドローラの溝からワイヤーが浮き上がって離脱することを防止するために、インゴットのワイヤー出入口近傍にワイヤーを押さえる規制手段を設けることが提案されている。この規制手段は一対で、シリコンインゴットの外径変化、インゴットの移動に応じて、ワイヤー引き抜き時には常にワイヤー出入口近傍に配置できるように動き、スラリーの供給手段も兼ねている。
特開2002-307283号公報 特許第3083232号明細書
ここで、本発明者らは、太陽電池用ウエハの製造に係るシリコンブロックの切断における切断開始部(ウエハ端部)の厚さばらつきやワイヤーのガイド溝からの離脱を実験によって詳細に考察した結果、図7に示すように、シリコンブロック1がワイヤー4に0.3mm程度近づいたところで、ワイヤー4がシリコンブロック1に吸いつけられるように浮き上がることを見出した。これは、ワイヤー4の走行移動に随伴してスラリーが矢印bに示すように流れているところにシリコンブロック1の端面が近づき、スラリーとシリコンブロック1端面との隙間の空気がスラリーに随伴して隙間から排出されることによって負圧を生じ、スラリーがシリコンブロック1の端面に吸い付けられるとともに、スラリーがその粘性によってワイヤーを矢印cに示すように持ち上げるためと考えられる。図7で2点鎖線は、ワイヤーガイドローラにワイヤー4を巻き付けた初期のワイヤー走行位置を示している。そして、切断代を削減するために、ワイヤー4の直径を縮小してワイヤーガイドローラに巻きつけるワイヤーの張力を低くすると、この現象はより顕著に出現するようになった。このワイヤー4の浮き上がりによってワイヤーガイドローラ溝6a内でワイヤー4の変位を誘発させ、最悪の場合ワイヤー4のワイヤーガイドローラ溝6aからの離脱が起こることが分かった。これに伴って、最悪の場合、シリコンブロック1の切断加工途中でワイヤー4を破断させる問題が発生する場合もあった。
なお、特許文献1に記載されたものは、シリコンブロックの切断終了後のワイヤーの引き抜き工程においてワイヤーガイド溝からのワイヤー離脱を防止するものであり、シリコンブロック切断開始時のワイヤーのガイド溝内での変位や溝からのワイヤー離脱を防止するものではない。
さらに、特許文献2に記載されたブレ防止手段は、SiC製で直方体状を成したブロックに、等ピッチで複数の孔を形成し、これらの孔はメインローラーに形成されている溝と同ピッチに配置するとともに、孔はワイヤーの直径より僅かに大きい円形に形成させ、その孔にワイヤーを挿通させるように配置されている。これらは、スラリーを供給しながらワイヤーを走行させてシリコンブロックを切断する過程において、常に、孔の中でワイヤーが規制されているが、孔の内周とワイヤーの外周の間にスラリーが介在した状態でワイヤーが走行するので、孔の内周とワイヤーの外周は擦れあい、ワイヤー外周の磨耗を促進させ、ワイヤーの断面積を現象させて引張強度を急激に低下させるとともに、孔の内周も磨耗により内径の広がりが著しく、規制手段消耗が激しい為、交換頻度が高くコストがかかることになる。また、ブレ防止手段のさらに他の実施の形態として、ワイヤーを挟持するようにして、該ワイヤーの上下に補助ローラを設置し、該補助ローラは、メインローラーの全長とほぼ等しい長さに形成するとともに、周面にはメインローラーに形成された溝のピッチと同じピッチで多数の溝を長手方向に沿って形成したものでは、シリコンブロックの加工開始前にシリコンブロックの長手方向全域に亘って、挟持する様に設置しなければならず、調整が複雑で、調整作業に時間を要し、作業性が悪く、またウエハの生産性が悪く、さらに、ワイヤーソーの消耗部品点数が増し、コストがかかるという問題があった。
この結果、切断開始時のワイヤーのガイド溝内での変位や溝からの離脱を防止し、ワイヤー飛びを防止するためには、ワイヤーワイヤーガイドローラの溝近傍でインゴットのワイヤーの浮き上がりを規制する手段をワイヤーに当接させておくのが望ましい。またワイヤーの半径以上の深さのインゴット切断溝が形成されるまでワイヤーをワイヤーガイドローラ溝に巻きつけるように押し付けておくと、より望ましい。このためには、ワイヤー規制手段のワイヤー当接部はガイド溝近傍に配置されることが望ましい。一方で、シリコンブロック切断加工の終了後は、加工室内のスラリー残存がない様に加工室内の内壁や、加工室内の各部品に付着したスラリーを水洗浄にて洗い流す作業を行うため、規制手段は、消耗部品点数を増やすことなく、次の切断加工の準備のための調整時間を、より少なくする必要がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、シリコンブロック切断開始時において、ワイヤーワイヤーガイドローラ溝内でのワイヤー変位や、溝からの離脱を防止し、切り出すウエハの端部の板厚ばらつきを小さくするとともに、ワイヤー飛びによるワイヤー断線を防止してシリコンブロックの切断を行うマルチワイヤーソーおよびこれを用いたウエハ製造方法を得ることを目的とする。
また、磨耗、消耗するワイヤーの規制手段を新たに設けることなく、ワイヤー飛びを防止し、ワイヤー破断を防止でき、不良率の低減、全損を回避できるマルチワイヤーソーおよびこれを用いたウエハ製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数のワイヤー溝が形成された複数のローラにワイヤーを巻きかけてワイヤー列を形成し、前記ワイヤー列を走行させるとともに、前記ワイヤー列に砥粒を含む加工液を供給しながら、ワークプレートに接着固定された被切断対象ブロックを前記ワイヤー列の上部に構成された上下動機構に係合支持させる固定支持部に、前記ワイヤー列の上部から上下動機構を下降させることにより前記被切断対象ブロックをワイヤー列に圧接させて、該被切断対象ブロックを複数のウエハに切断加工するマルチワイヤーソーにおいて、前記固定支持部に設けられ、前記被切断対象ブロックの下部端面の高さおよび角度を調整する高さ・角度調整機構と、前記固定支持部に支持された前記被切断対象ブロックの奥行き方向全域に亘って、加工開始時に最初に前記ワイヤーに当接する部分と前記ワイヤーとの隙間をワイヤーガイドローラの溝の深さから前記ワイヤーの直径を差引いた長さよりも小さい長さの隙間になるように前記高さ・角度調整機構を調整して加工を開始させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、シリコンブロック切断開始時において、ワイヤーガイドローラ溝内でのワイヤーの変位やワイヤーガイドローラ溝からのワイヤー離脱を防止し、切り出すウエハの端部の板厚ばらつきを小さくするとともに、ワイヤー飛びによるワイヤー断線を防止することができ、これによって、インゴットからの良品ウエハの収率を向上させることができる。
図1は、本発明にかかるマルチワイヤーソーの実施の形態1の下部構成を示す斜視図である。 図2は、本発明にかかるマルチワイヤーソーの実施の形態1の上部構成の断面を模式的に示した模式図である。 図3は、ワイヤーガイドローラ溝とシリコンブロックとの位置関係を示す断面図である。 図4は、制御手段による切断加工処理手順を示すフローチャートである。 図5は、ワイヤーガイドローラ溝とシリコンブロックとの位置関係の一例を示すための断面図である。 図6は、本発明にかかるマルチワイヤーソーの実施の形態2の上部構成の断面を模式的に示した模式図である。 図7は、ワイヤーの浮き上がり現象を説明する説明図である。
以下に、本発明にかかるマルチワイヤーソーおよびこれを用いたウエハ製造方法の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるマルチワイヤーソーの実施の形態1の下部構成を示す斜視図である。また、図2は、本発明にかかるマルチワイヤーソーの実施の形態1の上部構成の断面を模式的に示した模式図である。図1に示すように、マルチワイヤーソー11は、被切断対象ブロックに対応するシリコンブロック1が、ガラスなどの脆性材料を用いて製作されたダミープレート2を介してアダプタプレート3に接着固定されている。このシリコンブロック1は、たとえば、口径150mm角前後で長さが400mm前後である。この実施の形態1では、マルチワイヤーソーが、たとえば、シリコンブロック1から太陽電池用ウエハを切断加工する。
ワイヤー4は、ワイヤー送り出し機構5から送り出され、2本のワイヤーガイドローラ6間に0.25〜0.4mm程度のピッチで巻き掛け、ワイヤー巻き取り機構7で巻き取られる。ワイヤー4は、一般に直径0.10〜0.16mmのピアノ線が用いられる。ワイヤー4は、制御手段C1によって、ワイヤー送り出し機構5と2本のワイヤーガイドローラ6とワイヤー巻き取り機構7とを同期制御して駆動するとともに、テンションローラ8の位置を制御してワイヤー4に常に所定の張力を与えながら500〜600mm/min前後の速度で送られる。また、制御手段C1は、スラリー撹拌・供給タンク9からスラリー塗布ヘッド10を介してワイヤー4にスラリーを塗布する制御を行う。そして、制御手段C1は、この状態で、少なくとも、ワーク上下機構15を駆動制御して、アダプタプレート3にガラスプレート2を介して接着固定したシリコンブロック1を下方に送る。
図2において、シリコンブロック1は、上述したように、ガラスプレート2を介して、アダプタプレート3に接着剤により固着される。また、アダプタプレート3は、その上面の高さおよび角度の調整が可能な高さ・角度調整機構13を介して固定支持部14に係合される。この高さ・角度調整機構13は、駆動部16を有し、制御手段C1による駆動部16の制御によって、上述したアダプタプレート3の高さおよび角度が調整される。なお、固定支持部14は、ワーク上下機構15によって上下動が可能であり、制御手段C1の制御によってシリコンブロック1が上下に移動される。なお、高さ・角度調整機構13は、たとえば、複数のねじの螺合によってアダプタプレート3と固定支持部14とを接続するボールねじによって実現される。
これらシリコンブロック1から固定支持部14までの構成は、上述したようにワーク上下機構15に固定されるとともに、複数のワイヤー4によるワイヤー列4bの上部に配置される。そして、ワーク上下機構15を下降させることによって、固定支持部14に係合されたシリコンブロック1をワイヤー列4bに圧接し、スラリー供給ヘッド10によって加工部位にスラリーを供給しながら、切断加工を行う。
ところで、このマルチワイヤーソー11における太陽電池用ウエハの切断加工では、シリコンブロック1を研磨加工により、表面を研磨し、各部の寸法を精度よく仕上げているが、ガラスプレート2と接着剤とにより固定し、ガラスプレート2のもう一方の面(上面)を接着剤によりアダプタプレート3に固定した後にアダプタプレート3を固定支持部15に固定するため、シリコンブロック1の最初にワイヤー4に当接する部分1cと、ワイヤー列4bとの平行度が、精度よく得られない。この状態で、切断を開始した場合、シリコンブロック1の最初に当接する部分1cによって切込み初めにワイヤー4に斜めの力が作用し、図3に示すように、ワイヤーガイドローラ溝6aからワイヤー4が浮上り、離脱を誘発させる。
このため、この実施の形態1では、図4に示したフローチャートに示したように、制御手段C1は、まず、ワーク上下機構15を下降してシリコンブロック1をワイヤー列4bの近傍まで下降させる(ステップS101)。
その後、高さ・角度調整機構13を調整し、シリコンブロック1の奥行き方向17全域に亘って、シリコンブロック1が加工開始時に最初にワイヤー4に当接する部分1cとワイヤー4との隙間dを、ワイヤーガイドローラ溝6aの深さd1から、ワイヤー4の直径d2を差引いた長さd3よりも小さい長さになるようにする(ステップS102)。
この隙間dに調整した後に切断加工を開始する(ステップS103)。なお、高さ・角度調整機構13は、制御手段C1および駆動部16を介して行われるが、この調整は、操作者の目視と、操作者による制御手段C1内の図示しない入力部の操作を行うことによって行われる。もちろん、制御手段C1および駆動部16を削除した構成とし、操作者が高さ・角度調整機構13を直接手動によって調整するようにしてもよい。
この実施の形態1では、シリコンブロック1切断における切断開始部(ウエハ端部)において、シリコンブロック1がワイヤー4に近づいたときに、ワイヤー4がシリコンブロック1に吸いつけられるように浮き上がりが発生しても、ワイヤー4は、ワイヤーガイドローラ溝6aの高さを乗り越えることが出来ないため、ワイヤーガイドローラ溝6a内でワイヤー4の変位、離脱によるワイヤー飛びを発生させることなく、安定した切溝を生成することができる。
また、切込み初めに等ピッチで安定した切り溝を生成できることにより、切溝自身がワイヤー4のガイド機能を有することが出来るので、切断加工終了まで、安定した加工が実現でき、途中のワイヤー飛びによる複数本切、最悪の場合の近接するワイヤーの絡みによる断線を防止することができる。
具体的には、150μm〜180μmの厚みの太陽電池用ウエハを製造する場合、図5に示すように、ワイヤーガイドローラ溝6aの施工ピッチ20を0.28mm〜0.31mmとし、ワイヤーガイドローラ溝6aの内角の角度21を35°に設定する。ここで、
ワイヤー4の直径d2を0.1mmとし、ワイヤーガイドローラ溝6aの側壁および底にワイヤー4が内接するようにワイヤーガイドローラ溝6aを形成した場合、ワイヤーガイドローラ溝6aの深さd1は、0.285mmで構成できる。
このようにして構成されたワイヤーガイドローラ6では、ワイヤーガイドローラ溝6aの深さd1からワイヤー4の直径d2を差引いた長さである隙間dは、0.185mmとなる。ここで、固定支持部14に支持されたシリコンブロック1の奥行き方向17全域に亘って、加工開始時に最初にワイヤーに当接する部分1cとワイヤー4との隙間dを0.1mm以下になるように高さ・角度調整機構13を調整することにより、シリコンブロック1の最初にワイヤー4に当接する部分1cは、ワイヤーガイドローラ溝6aの最高部よりも0.085mm以上沈み込むことができる。
この状態から切断加工を開始すれば、上述したように、シリコンブロック1切断における切断開始部(ウエハ端部)において、シリコンブロック1がワイヤー4に近づいたときに、ワイヤー4がシリコンブロック1に吸いつけられるように浮き上がりが発生しても、ワイヤー4は、シリコンブロック1の最初の当接部1cにより、ワイヤーガイドローラの溝6aの高さを乗り越えることが出来ないため、ワイヤーガイドローラ溝6a内でワイヤー4の変位、離脱によるワイヤー飛びを発生させることなく、安定した切溝を生成することができる。
また、切込み初めに等ピッチで安定した切り溝を生成できることにより、切溝自身がワイヤーのガイド機能を有することが出来るので、切断加工終了まで、安定した加工が実現でき、途中のワイヤー飛びによる複数本切、最悪の場合の近接するワイヤーの絡みによる断線を防止することができる。
実施の形態2.
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2では、図6に示すように、シリコンブロック1の最初にワイヤー4に当接する部分1cとワイヤー4との隙間dを撮像し、この撮像した画像信号により隙間dを計測する計測手段26a,26bを備える。制御手段C1に対応する制御手段C2は、計測手段26a,26bが計測した隙間dの情報を処理し、高さ・角度調整機構13を調整する。すなわち、制御手段C2は、シリコンブロック1のワイヤーに当接する部分1cと、ワイヤー4との隙間dが予め設定された所定値となるように、高さ、角度調整機構13を動作させる自動調整を行うようにしている。この結果、加工開始前の調整が容易となる。
この実施の形態2では、シリコンブロック1切断における切断開始部(ウエハ端部)において、シリコンブロック1がワイヤー4に近づいたときに、ワイヤー4がシリコンブロック1に吸いつけられるように浮き上がりが発生しても、ワイヤー4は、ワイヤーガイドローラ溝6aの高さを乗り越えることが出来ないため、ワイヤーガイドローラ溝6a内でワイヤー4の変位、離脱によるワイヤー飛びを発生させることなく、安定した切溝を生成することができ、しかも、短時間で実現できる。
以上のように、本発明にかかるマルチワイヤーソーおよびこれを用いたウエハ製造方法は、単結晶、多結晶、またはアモルファスのシリコンブロックなどの被切断対象ブロックを薄厚に切断してウエハを製造するものに有用であり、特に、太陽電池用ウエハの製造に適している。
1 シリコンブロック
2 ガラスプレート
3 アダプタプレート
4 ワイヤー
4b ワイヤー列
5 ワイヤー送り出し機構
6 ワイヤーガイドローラ
6a ワイヤーガイドローラ溝
7 ワイヤー巻き取り機構
8 テンションローラ
9 スラリー撹拌・供給タンク
10 スラリー塗布ヘッド
11 マルチワイヤーソー
13 高さ・角度調整機構
14 固定支持部
15 ワーク上下機構
16 駆動部
17 奥行き方向
20 ピッチ
21 内角の角度
26a,26b 計測手段
d 隙間
d1 ワイヤーガイドローラ溝の深さ
C1,C2 制御手段

Claims (6)

  1. 複数のワイヤー溝が形成された複数のローラにワイヤーを巻きかけてワイヤー列を形成し、前記ワイヤー列を走行させるとともに、前記ワイヤー列に砥粒を含む加工液を供給しながら、ワークプレートに接着固定された被切断対象ブロックを前記ワイヤー列の上部に構成された上下動機構に係合支持させる固定支持部に、前記ワイヤー列の上部から上下動機構を下降させることにより前記被切断対象ブロックをワイヤー列に圧接させて、該被切断対象ブロックを複数のウエハに切断加工するマルチワイヤーソーにおいて、
    前記固定支持部に設けられ、前記被切断対象ブロックの下部端面の高さおよび角度を調整する高さ・角度調整機構と、
    前記固定支持部に支持された前記被切断対象ブロックの奥行き方向全域に亘って、加工開始時に最初に前記ワイヤーに当接する部分と前記ワイヤーとの隙間をワイヤーガイドローラの溝の深さから前記ワイヤーの直径を差引いた長さよりも小さい長さの隙間になるように前記高さ・角度調整機構を調整して加工を開始させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とするマルチワイヤーソー。
  2. 前記ワイヤーに当接する部分と前記ワイヤーと間の距離を計測する計測手段を有し、
    前記制御手段は、前記加工開始時に前記計測手段が計測した距離をもとに前記隙間となるように前記高さ・角度調整機構を調整する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のマルチワイヤーソー。
  3. 前記隙間は、0.1mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のマルチワイヤーソー。
  4. 複数のワイヤー溝が形成された複数のローラにワイヤーを巻きかけてワイヤー列を形成し、前記ワイヤー列を走行させるとともに、前記ワイヤー列に砥粒を含む加工液を供給しながら、ワークプレートに接着固定された被切断対象ブロックを前記ワイヤー列の上部に構成された上下動機構に係合支持させる固定支持部に、前記ワイヤー列の上部から上下動機構を下降させることにより前記被切断対象ブロックをワイヤー列に圧接させて、該被切断対象ブロックを複数のウエハに切断加工するマルチワイヤーソーを用いたウエハ製造方法において、
    前記固定支持部に支持された前記被切断対象ブロックの奥行き方向全域に亘って、加工開始時に最初に前記ワイヤーに当接する部分と前記ワイヤーとの隙間をワイヤーガイドローラの溝の深さから前記ワイヤーの直径を差引いた長さよりも小さい長さの隙間になるように、前記固定支持部に設けられ、前記被切断対象ブロックの下部端面の高さおよび角度を調整する高さ・角度調整機構を調整する調整工程と、
    前記調整工程によって調整された後に前記ウエハの切断加工を行う切断加工工程と、
    を含むことを特徴とするマルチワイヤーソーを用いたウエハ製造方法。
  5. 前記調整工程は、前記加工開始時に、前記ワイヤーに当接する部分と前記ワイヤーと間の距離を計測し、この計測した距離をもとに前記隙間となるように前記高さ・角度調整機構を調整することを特徴とする請求項4に記載のマルチワイヤーソーを用いたウエハ製造方法。
  6. 前記隙間は、0.1mm以下であることを特徴とする請求項4または5に記載のマルチワイヤーソーを用いたウエハ製造方法。
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