JP2003142979A - 水晶振動子及びその製造方法 - Google Patents

水晶振動子及びその製造方法

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JP2003142979A
JP2003142979A JP2001335362A JP2001335362A JP2003142979A JP 2003142979 A JP2003142979 A JP 2003142979A JP 2001335362 A JP2001335362 A JP 2001335362A JP 2001335362 A JP2001335362 A JP 2001335362A JP 2003142979 A JP2003142979 A JP 2003142979A
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crystal
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cut
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Katsuya Mizumoto
勝也 水本
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River Eletec Corp
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング等によって加工が困難なカット角
の水晶基板を所定の振動モードを得るための形状に精密
に形成することで、等価直列抵抗及び等価インダクタン
スの改善を図ることができる水晶振動子を提供するこ
と。 【解決手段】 X軸、Y軸及びZ軸からなる三次元の結
晶方位を有する水晶結晶から所定のカット角で切り出さ
れた水晶基板を打ち抜き加工し、振動部23及びこの振
動部23の端部から支持脚24a〜24dを介して延び
る支持部25とが一体に形成された平板状の水晶振動子
21において、前記振動部23がパウダービームの吹き
付けによって支持部25より薄く形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動部及び支持部
からなる平板状の水晶振動子及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】水晶振動子は、図11に示すような水晶
原石1のX軸、Y軸、Z軸からなる結晶軸4から特定の
切断方位を選択して板状にカットされ、打ち抜きや切削
等の加工を施して厚みすべりや輪郭すべり等の種々の振
動モードに適した形に形成している。前記振動モードの
うち、最も広く利用されているのは、厚みすべり振動で
ある。この厚みすべり振動を実現するためには、図11
に示したように、X軸を回転軸として、Z軸から約35
°15′だけ傾けたATカット角3で水晶基板2を切断
し、振動部となる部分を所定形状に加工する必要があ
る。このようにして製造された水晶振動子は、一般にA
Tカット厚みすべり水晶振動子(以下、ATカット水晶
振動子という)である。このATカット水晶振動子は、
広い温度範囲に亙って周波数変化が小さい優れた周波数
温度特性を持つが、近年の通信機器の高周波化に対応し
た改良が要求されている。
【0003】上記ATカット水晶振動子の振動周波数は
水晶基板2の厚みに反比例するので、高周波化を図るに
は、水晶基板2の厚みを薄くする必要がある。これを実
現したものが、図12(a),(b)に示すATカット
水晶振動子11である(特開平11−205076号公
報,特開2000−40938号公報等参照)。このA
Tカット水晶振動子11は、厚さ約80μm程度にAT
カット角で切り出された水晶基板12の片面の一部にフ
ォトリソグラフィ及びエッチング処理を施して凹陥部1
3を形成し、該凹陥部13の底面を所定の厚さまでエッ
チングして薄肉の振動部14にすると共に、該振動部1
4の周囲を支持する厚肉の支持部15を一体に形成して
いる。そして、前記凹陥部13側には全面に電極膜16
を付着して一方の電極にすると共に、平板面にはフォト
リソグラフィを用いて励振電極17と該励振電極17か
ら延在するリード電極18及びボンディング部19を形
成している。
【0004】前記凹陥部13を形成するには、元の水晶
基板12に対して、凹陥させる部分を除いた箇所にレジ
スト膜等のマスクを被せ、フッ酸等の液体を浸した容器
に漬け込み、前記マスクした個所以外のところを侵食さ
せて削るウェットエッチング法や反応性ガスプラズマを
生成して削るドライエッチング法がある。上記ATカッ
ト角で切り出された水晶基板12をはじめ、GTカッ
ト、LQ1Tカット等で切り出された水晶基板のほとん
どは、このウェットあるいはドライのいずれかのエッチ
ング法によって加工される。
【0005】一方、等価直列抵抗(R1)、等価インダ
クタンス(L1)等の特性に関しては、上記ATカット
やGTカットあるいはLQ1Tカットの水晶振動子より
も良好なカット角及び振動モードを備えた水晶基板も多
くあるが、加工に困難性を伴うものがある。例えば、L
Q2Tカットラーメ振動モードの水晶振動子もその一つ
である。このLQ2Tカット水晶振動子は、図13に示
すように、結晶軸4のX軸を中心にY軸をZ軸に向けて
36°〜42°の範囲で傾斜させたY´軸からなるXY
´平面で切り出されたものである。このLQ2Tカット
水晶振動子は、ラーメ振動を伴い、所定形状に精度よく
加工できればR1及びL1を抑えた理論計算通りの特性
が得られやすく、量産性に優れた特徴を備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記L
Q2Tカットの水晶基板は、ウェットやドライによるエ
ッチング法に向かない結晶方位が存在しているため、X
軸あるいはY軸方向で、このような方向の加工を行わせ
ようとすると多大な時間を要する。例えば、前記LQ2
Tカットの水晶基板をフッ酸で100μmエッチングす
る場合、最も早いZ軸方向に加工した場合で約4時間、
最も遅いX軸方向に加工した場合では400時間以上と
なる。このように、エッチング速度は結晶方位により著
しく異なる。これは水晶が三方晶系[点群32]に属し、
顕著な異方性を有することに起因する。このLQ2Tカ
ット以外にエッチングに適さないものとしては、X軸を
中心にY軸をZ軸に向けて30°〜90°の範囲で傾斜
させたY´軸からなるXY´平面で切り出された水晶基
板(Y板系)や、Y軸を中心にX軸をZ軸から時計回り
に30°あるいは反時計回りに30°の範囲で傾斜させ
たX´軸からなるX´Y平面で切り出された水晶基板
(X板系)である。このような結晶方位を備えたものと
しては、BTカット厚みすべり水晶振動子やDTカット
輪郭すべり水晶振動子等がある。
【0007】上記ATカットやBTカット等の厚みすべ
り振動を伴う水晶基板の場合は、振動部を薄くすること
によって高周波化が図られるが、LQ2T及びDTカッ
トの水晶基板の場合は、振動部を薄く加工することによ
って等価直列抵抗(R1)及び等価インダクタンス(L
1)などの電気的特性の大幅な改善効果があることが理
論上確認されている。しかしながら、上述したように、
LQ2T,BT及びDTカットの水晶基板を所定の形状
に精密に加工できなかったため、振動部のみを薄型化し
たような水晶振動子の製造もできなかった。
【0008】そこで、本発明の目的は、エッチング等に
よって加工が困難なカット角の水晶基板を所定の振動モ
ードを得るための形状に精密に形成することで、等価直
列抵抗及び等価インダクタンスの改善を図ることができ
る水晶振動子及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係る水晶振動子は、X軸、Y軸
及びZ軸からなる三次元の結晶方位を有する水晶結晶か
ら所定のカット角で切り出された水晶基板を打ち抜き加
工し、振動部及びこの振動部の端部から延びる支持部と
が一体に形成された平板状の水晶振動子において、前記
振動部がパウダービームの吹き付けによって薄板状に加
工されていることを特徴とする。
【0010】この発明によれば、従来のエッチング法で
は種々の振動モードに適した形状の水晶基板に加工する
のが困難であったものが、パウダービームを用いたこと
で、四角形状の振動部やこの振動部を支持する支持部を
厳密な寸法精度で加工できる。また、前記振動部が厚み
の均一な薄板状に形成できるため、等価直列抵抗(R
1)及び等価インダクタンス(L1)の大幅な改善が図
られる。さらに、前記薄板状の振動部以外の支持部につ
いては一定の厚みを保持したままとなっているので、外
部からの衝撃等にも十分耐え、前記振動部に不要な振動
を与えることがない。
【0011】また、振動部が、X軸を中心にY軸をZ軸
に向けて36°〜42°の範囲で傾斜させたY´軸から
なるXY´平面で切り出されたラーメ振動モードによる
水晶板や、X軸を中心にY軸をZ軸に向けて39°〜4
3°の範囲で傾斜させたY´軸からなるXY´平面で切
り出された厚みすべり振動モードによる水晶板、あるい
は、X軸を中心にY軸をZ軸に向けて35°〜41°の
範囲で傾斜させたY´軸からなるXY´平面で切り出さ
れた輪郭すべり振動モードによる水晶板をパウダービー
ムによって加工することで、LQ2Tのラーメ振動,B
Tの厚みすべり振動,DTの輪郭すべり振動のような各
種振動モードを有するカット角の水晶基板が比較的容易
且つ精度よく打ち抜きや切削等することができる。
【0012】請求項6に係る水晶振動子の製造方法にお
いては、X軸、Y軸及びZ軸からなる三次元の結晶方位
を有する水晶結晶から所定のカット角で切り出された水
晶基板に第1のパウダービームを吹き付け、振動部及び
この振動部の端部から延びる支持部とを打ち抜き加工す
る工程と、前記振動部の表面及び裏面の少なくとも一方
に第2のパウダービームを吹き付け、振動部を薄板状に
切削加工する工程とを備えた。また、前記振動部の表面
及び裏面の両方に第2のパウダービームを吹き付け、振
動部を両面側から薄板状に切削して支持部の厚み方向の
略中央部で支持してなる構造の水晶振動子の形成も可能
とした。
【0013】このような製造方法を用いることによっ
て、それぞれのカット角で切り出された水晶基板に対し
て最初に第1のパウダービームによって振動部と支持部
とからなる形状に打ち抜き形成することができる。そし
て、前記打ち抜かれた振動部に対して噴出流量を制御し
た第2のパウダービームによって表面を切削して薄板状
に仕上げることができる。また、前記第2のパウダービ
ームによって切削された振動部の反対側の面を再度第2
のパウダービームによって切削することで、振動部をさ
らに薄く加工することができると共に、支持部の厚みの
略中央部で支持されるため、バランスがよくなり、不要
な振動を抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
に係る水晶振動子及びその製造方法の実施形態を詳細に
説明する。ここで、図1は本発明の水晶振動子を示す斜
視図であり、図2は前記水晶振動子のα矢示図、図3は
水晶振動子の平面図である。
【0015】図1乃至図3に示したように、本発明の第
1実施形態に係る水晶振動子21は、LQ2Tカットの
ラーメ振動を伴うように形成されたものである。この水
晶振動子21は、図13に示したように、X軸を中心に
Y軸をZ軸に向けて36°〜42°の範囲で傾斜させた
Y´軸からなるXY´平面で切り出された水晶基板のう
ち、特に前記水晶基板をさらにX軸方向に45°回転し
て切り出された水晶基板22に対して打ち抜き加工や切
削加工を施したものである。その平面形状は図3に示し
たように、四隅に振動の節点23a,23b,23c,
23dを有する長方形の振動部23と、前記4個所の節
点23a〜23dを支持する支持脚24a,24b,2
4c,24dと、前記支持脚24a〜24dが繋がる支
持部25とで構成される。前記振動部23は図1及び図
2に示したように、支持部25の厚みより薄くして形成
される。支持脚24a〜24dについては、前記支持部
25と同じ厚みのままか、振動部23と同様に薄くなっ
た形状でも良い。本実施形態の水晶振動子21では、6
0μmの厚みを有する水晶基板22を後述するパウダー
ビーム加工法によって、振動部23のみを20μm程度
の厚みに切削した。また、前記振動部23には表裏両面
にそれぞれ3枚の正方形状の励振電極27a,27b,
27cが一列に形成され、支持部25の端部に形成され
た極性の異なる一対の電極部26a,26bに接続され
ている。図に示されるように、電極部26aには励振電
極27a,27cが接続され、電極部26bには励振電
極27bが接続されているので、前記それぞれの励振電
極27a〜27cの四隅が支点となって、隣接する辺同
士が相互に撓んで高次のラーメ振動が得られる。なお、
図示しないが、前記励振電極27a〜27cのそれぞれ
の裏面には、極性の反転した励振電極が設けられてい
る。
【0016】前記振動部23の厚みは、等価直列抵抗
(R1)を著しく低下させ、等価インダクタンス(L
1)とは比例関係にあることが知られている。適正な厚
みの振動部23を設計するために、3種類の厚みtによ
るLQ2Tラーメ振動モードの水晶振動子についてR1
及びL1を測定した。測定に使用したサンプルは、振動
部の厚みt以外は共通で、発振周波数は3.8MHzと
した。この測定結果は、図4及び図5に示すように、R
1については、水晶振動子の厚みtが60μmで260
Ωであるのに対して、半分の30μm程度まで薄くする
と、130Ωにまで低下する。一方、L1については、
水晶振動子の厚みtが45μmで1000mHであった
のに対して、20μm程度まで薄くするとその半分の5
00mH程度まで低下する。
【0017】したがって、振動部23の厚みを薄くする
ほど前記R1及びL1が小さくなって周波数可変幅が広
がり、扱いやすい製品となる。ただし、薄すぎると振動
部23に亀裂が生じやすくなるなど耐久性が低下する。
このため、本実施形態の水晶振動子21のように、20
μm前後の厚みに設定するのが好ましい。一方、支持脚
24a〜24d及び支持部25の厚みは前記R1及びL
1に影響しないので、むしろ厚めに形成した方が振動部
23を安定した状態で支持することができ、外部からの
不要な振動を抑えることができると共に、耐久性も高く
なる。本実施形態では前記支持部25の厚みを元の厚み
(60μm)のままにした。ただし、支持脚24a〜2
4dに関しては、振動部23の振動を妨げないようにす
るため、強度が低下しない程度に振動部23との接触点
を小さくした方が好ましい。なお、本実施形態の水晶振
動子21は、3対1列の励振電極27a,27b,27
cを配設して形成された振動部23であるが、1対の励
振電極構成や4対以上の励振電極を配設した構造の振動
部にも応用可能である。
【0018】次に、前記LQ2Tカットラーメ振動モー
ドの水晶振動子21の製造方法を図6乃至図9に基づい
て説明する。ここで使用する水晶基板は、X軸を中心に
Y軸をZ軸に向けて36°〜42°の範囲で傾斜させた
Y´軸からなるXY´平面で切り出されたLQ2Tカッ
ト水晶基板である。以下に示すパウダービームによる加
工方法は水晶原石に対してあらゆる角度で切り出された
水晶基板に適用可能であるが、特に、X軸を中心にY軸
をZ軸に向けて30°〜90°の範囲で傾斜させたY´
軸からなるXY´平面で切り出された水晶基板や、Y軸
を中心にX軸をZ軸から時計回りに30°あるいは反時
計回りに30°の範囲で傾斜させたX´軸からなるX´
Y平面で切り出されたLQ2T,BT及びDTカットの
水晶基板のように、従来エッチング法では加工が困難と
されていたものに有効である。
【0019】製造工程を大きく分けると、図6に示した
ように、フォトリソグラフィ工程(工程A)と、パウダ
ービーム工程(工程B〜工程D)とからなっている。前
記フォトリソグラフィ工程では、図7に示すように、先
ず、水晶原石から所定のカット角で切り出された水晶基
板22の表面を研磨したのち洗浄を行う(1)。次に、
シート状のレジスト材30を水晶基板22の第1面22
a及び第2面22bに均一に被着する(2)。続いて、
前記水晶基板22の第1面22aに露光、現像及び乾燥
処理を施して、水晶振動子21の外形を型取った第1マ
スク31aを形成する。また、第2面22bは支持部2
5の裏面にあたる箇所のみを露光し、現像及び乾燥処理
を経て第2マスク31bを形成する(3)。このように
して、水晶基板22の第1面22aに振動部23,支持
脚24a〜24d及び支持部25からなる第1マスク3
1aが形成され、第2面22bに支持部25のみからな
る第2マスク31bが形成される。
【0020】次に、図8(a)に示すように、上記工程
Aを経た水晶基板22の第1面22aを上にした状態で
ソーダガラス等の保持用基板33に動かないように固定
する。固定する際には、剥離が可能な粘着性のシート部
材を介して行うのが望ましい。この状態で図9に示した
手順によって工程Bから工程Dのパウダービーム加工が
行われる。工程Bでは水晶基板22の第1面22aの上
から第1のパウダービーム32aを噴射させて第1マス
ク31aが掛かっていない打ち抜き部分39を打ち抜く
(4),(5)。このような打ち抜き加工を行うことに
よって、振動部23が支持部25から分離され、図1及
び図3に示したようなラーメ振動の水晶振動子21が形
成される。なお、図9には支持脚24a〜24dが示さ
れていないが、この支持脚24a〜24dは前記支持部
25と同様に元の水晶基板22の厚みのままとなってい
る。
【0021】次の工程Cは、前記工程Bで分離された振
動部23の裏面を薄く加工する工程である。前記第1の
パウダービーム32aを噴射させて振動部23と支持部
25が分離された状態の水晶基板22を保持用基板33
から剥して、第2面22bを上にした状態で再度保持用
基板33に固定する(6)。そして、図8(b)に示し
たように、前記第2面22bの上から第2のパウダービ
ーム32bを噴射させて第2マスク31bが掛かってい
ない部分を切削する。これによって、振動部23の裏面
のみが薄板状に切削形成される(7)。以上の工程を経
て形成された水晶基板22を保持用基板33から剥し、
残存する第1マスク31a及び第2マスク31bを取り
除き、洗浄、乾燥を経て、図1乃至図3に示したような
所定の形状に抜き加工されたLQ2Tカットラーメモー
ドの水晶振動子21が得られる(8)。最後に水晶振動
子21の励振電極27a,27b,27c及び電極部2
6a,26bを形成する部分にレジストマスクを施し、
エッチングによって金属の電極膜を形成する(9)。
【0022】上記工程Cまでによって振動部23を薄く
加工することはできるが、さらに、薄く加工する場合や
振動部23を支持部25の厚みの中央部で支持させるた
めには工程Dの作業を行う。この工程Dは、前記工程C
の(7)によって振動部23の片面が切削されて薄くな
った水晶基板22を裏返して第1面22aを上向きに設
置し、第1マスク31aの振動部23のみを剥離した状
態にしておく(10)。そして、この第1面22aの上
から2回目の第2のパウダービーム32bを噴出するこ
とで、振動部23をさらに薄く切削することができると
共に、支持部25の厚みの略中央部で支持された構造に
形成することができる(11)。続いて、前記工程Cと
同様に、保持用基板33から剥し、残存する第1マスク
31a及び第2マスク31bを取り除き、洗浄、乾燥処
理を行う(13)。最後に水晶振動子21の励振電極2
7a,27b,27c及び電極部26a,26bを形成
する部分にレジストマスクを施し、エッチングによって
金属の電極膜を形成する(14)。このような工程Dを
経ることで、第2のパウダービーム32bによって切削
された振動部23の反対側の第2面22bも2回目の第
2のパウダービーム32bによって薄く切削加工される
こととなる。このため、工数は多くなるものの、振動部
23に与えるダメージは表裏面で略均等になり、片面だ
けを切削して薄く形成したものに比べて振動に偏りな
く、水晶振動子全体の薄型化が図られる。
【0023】前記工程B〜工程Dで使用したパウダービ
ーム加工法とは、微小な粉粒体であるGC(グリーンカ
ーボン)#600〜3000を原料とした研磨材を高圧
空気中に分散させた高圧空気流を噴射させて、加工対象
物である水晶基板22を打ち抜きあるいは切削するもの
である。前記図8(a),(b)に示したように、水晶
基板22上の一端を噴射開始位置としてパウダービーム
加工装置(図示せず)に備えられたノズル35の噴射口
37をセットし、前記噴射口37の長さ方向に対して垂
直方向にスキャンさせながら高圧空気中に研磨材が混入
されて形成された固気2相流による第1のパウダービー
ム32aや第2のパウダービーム32bを吹き付ける。
そして、前記噴射開始位置に対向する水晶基板22の端
部に到達したら、ノズル35を噴射口37の長さ分ピッ
チ送りし、前記移動してきた方向と反対方向にスキャン
させながら再度第1のパウダービーム32aや第2のパ
ウダービーム32bを吹き付ける。このようなスキャン
とピッチ送りとを繰り返しながら水晶基板22面を切削
する。スキャン回数は、切削する水晶基板22の厚みに
応じて決められるが、一回のスキャンで行うよりも数回
のスキャンで徐々に行った方が、厚みが一定で表面がき
れいに仕上がる。なお、第1のパウダービーム32aで
は水晶基板22の厚みを完全に打ち抜くため、研磨材の
噴出量を多く、一方、第2のパウダービーム32bでは
20μm程度の厚みを残して切削するため、研磨材の噴
出量を正確に制御して行う必要がある。
【0024】上記製造方法によって形成されたLQ2T
カットラーメモードの水晶振動子21については、振動
部23の厚みを支持部25の厚みの1/3程度の20μ
mに加工でき、これによって等価直列抵抗(R1)及び
等価インダクタンス(L1)等の大幅な改善効果が得ら
れた。また、本発明においては、振動部23のみ薄く加
工し、支持脚24a〜24d及び支持部25は当初の水
晶基板22の厚みとなっているので、水晶振動子21自
体の機械的強度が十分確保される。
【0025】図10はBTカット厚みすべり水晶振動子
の実施形態を示したものである。図に示したように、B
Tカットによる水晶振動子41においても、振動部43
の厚みを支持部45の厚みよりも薄く加工することによ
って、高周波化が可能となる。ただし、前記LQ2Tカ
ットによる水晶基板22と同様にフッ酸等の化学的エッ
チングでは非常に加工しずらい結晶方向を有しているの
で、打ち抜きや切削するにはパウダービームを用い、前
記図6乃至図9に示したような工程にしたがって所定の
形状及び厚みに形成される。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る水晶
振動子は、従来の化学的エッチング法では種々の振動モ
ードに適した形状の水晶基板に加工するのが困難であっ
たものが、パウダービームを用いたことで、四角形状の
振動部やこの振動部を支持する支持脚及び支持部を厳密
な寸法精度で加工できる。また、前記振動部が厚みの均
一な薄板状に形成できるため、等価直列抵抗(R1)や
等価インダクタンス(L1)等の電気的特性の大幅な改
善が図られる。さらに、前記薄板状の振動部以外の支持
部については一定の厚みを保持したままとなっているの
で、外部からの衝撃等にも十分耐え得る。
【0027】また、前記水晶振動子を製造する方法にお
いては、それぞれのカット角で切り出された水晶基板に
対して最初に第1のパウダービームによって振動部と支
持部とからなる形状に打ち抜き形成することができる。
そして、前記打ち抜かれた振動部に対して噴出流量を制
御した第2のパウダービームによって表面を切削して薄
板状に仕上げることができる。また、前記第2のパウダ
ービームによって切削された振動部の反対側の面を再度
第2のパウダービームによって切削することで、振動部
をさらに薄く加工することができると共に、支持部の厚
みの略中央部で支持されるため、バランスがよくなり、
不要な振動を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水晶振動子(LQ2Tカットラー
メモード)の斜視図である。
【図2】上記図1の水晶振動子のα矢示図である。
【図3】上記図1の水晶振動子の平面図である。
【図4】振動部の厚みtと等価直列抵抗(R1)との関
係を示す特性図である。
【図5】振動部の厚みtと等価インダクタンス(L1)
との関係を示す特性図である。
【図6】本発明に係る水晶振動子の製造フロー図であ
る。
【図7】上記水晶振動子のフォトリソグラフィ工程の説
明図である。
【図8】上記水晶振動子のパウダービーム加工工程の概
念図である。
【図9】上記水晶振動子のパウダービーム加工工程の説
明図である。
【図10】本発明に係る水晶振動子の他の実施形態(B
Tカット厚みすべりモード)の斜視図である。
【図11】ATカットの水晶振動子の結晶方位を示す説
明図である。
【図12】従来の振動部を薄く加工したATカット水晶
振動子の断面図及び斜視図である。
【図13】LQ2Tカットの水晶振動子の結晶方位を示
す説明図である。
【符号の説明】
21,41 水晶振動子 22 水晶基板 23,43 振動部 24a〜24d 支持脚 25,45 支持部 26a,26b 電極部 27a〜27c 励振電極 31a 第1マスク 31b 第2マスク 32a 第1のパウダービーム 32b 第2のパウダービーム 33 保持用基板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X軸、Y軸及びZ軸からなる三次元の結
    晶方位を有する水晶結晶から所定のカット角で切り出さ
    れた水晶基板を打ち抜き加工し、振動部及びこの振動部
    の端部から延びる支持部とが一体に形成された平板状の
    水晶振動子において、 前記振動部がパウダービームの吹き付けによって薄板状
    に加工されていることを特徴とする水晶振動子。
  2. 【請求項2】 前記振動部が支持部より薄く形成された
    ことを特徴とする請求項1記載の水晶振動子。
  3. 【請求項3】 前記振動部が、X軸を中心にY軸をZ軸
    に向けて36°〜42°の範囲で傾斜させたY´軸から
    なるXY´平面で切り出されたラーメ振動モードによる
    水晶板であることを特徴とする請求項1又は2記載の水
    晶振動子。
  4. 【請求項4】 前記振動部が、X軸を中心にY軸をZ軸
    に向けて39°〜43°の範囲で傾斜させたY´軸から
    なるXY´平面で切り出された厚みすべり振動モードに
    よる水晶板であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の水晶振動子。
  5. 【請求項5】 前記振動部が、X軸を中心にY軸をZ軸
    に向けて35°〜41°の範囲で傾斜させたY´軸から
    なるXY´平面で切り出された輪郭すべり振動モードに
    よる水晶板であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の水晶振動子。
  6. 【請求項6】 X軸、Y軸及びZ軸からなる三次元の結
    晶方位を有する水晶結晶から所定のカット角で切り出さ
    れた水晶基板に第1のパウダービームを吹き付け、振動
    部及びこの振動部の端部から延びる支持部とを打ち抜き
    加工する工程と、前記振動部の表面及び裏面の少なくと
    も一方に第2のパウダービームを吹き付け、振動部を薄
    板状に切削加工する工程とを備えたことを特徴とする水
    晶振動子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記振動部の表面及び裏面の両方に第2
    のパウダービームを吹き付け、振動部を両面側から薄板
    状に切削して支持部の厚み方向の略中央部で支持してな
    る請求項6記載の水晶振動子の製造方法。
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