JP2004260455A - 極超短波圧電素子の製造方法 - Google Patents

極超短波圧電素子の製造方法 Download PDF

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Koichi Iwata
浩一 岩田
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Abstract

【課題】圧電基板の一方の主面に凹陥を形成することによって薄肉の振動部を得て、基本波にて極超短波帯(UHF帯)の共振を実現した極超短波圧電素子の製造方法、特に高効率で低コストのUHF帯ATカット水晶振動子の製造方法を提供する。
【解決手段】圧電基板の一方の主面を凹陥することにより形成した薄肉の振動部を有する極超短波圧電素子の製造方法であって、圧電ウェハの一方の主面の所定部分をエッチングにて凹陥して振動部を形成する第1の主エッチング工程と、前記振動部の共振周波数を測定する周波数測定工程と、前記周波数工程により得られた周波数に基づき前記振動部の厚みを微調整する第1の微調エッチング工程と、前記振動部を更に薄くする第2の主エッチング工程と、前記振動部の厚みを微調整する第2の微調エッチング工程と、を含み、前記エッチング工程がいずれもウェットエッチングであることを特徴とする。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圧電基板の一方の主面に凹陥を形成することによって薄肉の振動部を得て、基本波にて極超短波帯(UHF帯)の共振を実現した極超短波圧電素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
伝送通信機器やOA機器の処理速度の高速化、或は通信データや処理量の大容量化が進むのに伴って、それらに用いる基準周波数信号源としての水晶振動子においては、高周波化の要求が強くなっている。
【0003】
従来の高周波化を実現した水晶振動子、特にUHF帯以上の基本波振動を実現する水晶振動子として、本発明者が電子情報通信学会の信学技報(非特許文献参照)により開示されたものがあり、図6(a)はUHF帯水晶振動子の斜視図、図6(b)はそのA−A断面図である。
同図に示すように、水晶振動子101はATカット水晶振動子の厚みすべり振動を利用した振動子であって、その共振周波数が板厚と反比例することから機械的強度を保ちつつ高周波化を図る為に、水晶振動子101の一方主面を化学エッチング加工によって凹陥せしめ、該凹陥部の超薄肉部分を振動部101aとすると共に振動部101aの周囲を支持する厚肉の環状囲繞部101bを一体的に形成する。
さらに水晶振動子101の平坦な他方主面の表面には主電極102と該主電極102より延出するリード103及びボンディングパッド104をマスク蒸着又はフォトリソグラフィ等により形成すると共に、前記一方主面の表面には全面蒸着により全面電極105を形成したものである。
【0004】
図7はUHF帯水晶振動子の製造工程図、図8はエッチング工程での加工状態を示す水晶振動子の縦断面図であって、図8で示す二点鎖線Xは4段階の化学エッチング加工終了時における振動部の厚さを示す想像線である。
UHF帯においては板厚変化量に対する周波数変化量が大きいことから4段階の化学エッチング加工111乃至114により水晶ウェハの板厚調整を行うことにより、所望の基本波共振周波数を励振可能な振動部101aを得ることができる。
以下、図8を参照しつつ図7に基づいて、従来のUHF帯水晶振動子の製造方法を説明する。
まず主表面をポリッシュ加工した水晶ウェハに対して金/クロムの膜を真空蒸着により付着する。ここでは機械的な強度とエッチング量との兼ね合いから80マイクロメートル(μm)の厚さを有する水晶ウェハを用いる。金/クロム膜に対してフォトリソグラフィ加工を用いてエッチング用のマスクパターンを形成する。図8(a)に示すようにエッチング用のマスクパターン124が形成された水晶ウェハ121を第1次主エッチング111ではウェットエッチングによってマスクパターンの開口部分を凹陥し、VHF帯、例えば155MHzを共振周波数とする振動部122a、123aを形成する。ここで、実際にはウェハの加工誤差等により振動部122a、123aの板厚にはバラツキが生じているため、振動部122a、123a夫々の共振周波数を測定する。そして、図8(b)に示す第1次微調エッチング112では、例えば特開平6−21740号公報に開示された手法により、測定した周波数に基づいて夫々の凹陥に時間差でエッチング液を滴下してウェットエッチングを施して振動部122a、123aが所望の周波数になるように個別に調整し、図8(c)に示すように第2次主エッチング113ではウェハをウェットエッチングすることによって、所望のUHF帯、例えば760.9MHzの共振周波数に相当する板厚約2.2μmを有する振動部122c、123cを形成する。ここで再度振動部夫々の共振周波数を測定し、図8(d)に示す第2次微調エッチング114では測定した周波数の基づいて振動部122c、123cが所望の周波数になるように、ドライエッチングを個別に施して調整を行なう。その後、両主面夫々に電極を形成し、ウェハを分割して複数の前記水晶振動子101が得られる。
第2次微調エッチング114では760.9MHz、即ち板厚約2.2μmを実現すべく高精度な個別調整をするためエッチング速度の低いドライエッチングを採用している。
【0005】
【特許文献】特開平6−21740号公報。
【非特許文献】
石井修、岩田浩一、菅野誠、柴田恒則(共同著述)、
基本波を用いたUHF帯水晶振動子、
信学技報US98−27、EMD98−19、CPM98−51、OME98−49(1998−07)、
社団法人 電子情報通信学会
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図9は振動部の加工状態を示す縦断面図であって、前記4段階の化学エッチング加工、即ち前記振動部122dの形成を一方方向(図中矢印方向)、即ち凹陥の開口側からのみで実施すると、エッチング速度の結晶方向依存性により前記振動部122aの凹陥側の面積が漸次縮小し振動部122dの凹陥側の面積が極めて小さくなり、振動部122dが備える振動領域122hが所望する振動領域より極めて狭くなる。例えば、基本周波数が760.9MHzの振動子を得ようとすると振動部の厚みは約2.2μmとなり、機械的な強度との兼ね合いから水晶ウェハの厚さを80μmとすると約77.8μmの深さをエッチングにて凹陥することになる。すると凹陥の開口が0.7×0.55ミリメートル(mm)であったとしても振動領域122hは約0.25×0.15mmと所望する振動領域より小さいものになってしまう。所望の振動領域122h寸法は、例えば発振周波数が622.3MHzの場合、振動領域122hに形成する電極(長手直径0.25×短手直径0.15mmの楕円形)寸法の2乃至3倍(製造バラツキも踏まえて)の0.5乃至0.75×0.3乃至0.45mmの大きさが必要である。
対して環状囲繞部121bの上面と該環状囲繞部121bの上面と振動領域122hとを繋ぐ傾斜面とが広くなり、前記リード(不図示)を形成する場合には該リードが長くなり、リードの抵抗や寄生インピーダンスが増加してまう。
【0007】
前記第2次主エッチング113ではエッチャントとして低温のフッ化水素アンモニウム飽和溶液を使用しており、過剰エッチングを防止する反面エッチング速度が遅いため加工効率が低い。
【0008】
前記第2次微調エッチング114では、高精度な調整を実現するためにエッチング速度を低くしたドライエッチングを採用しているため結晶欠陥の発生や不純物汚染などによるエッチングダメージが発生するという問題がある。
またドライエッチングのエッチングガスの供給制御(流量及び圧力)はエッチングの均一性との相関が大きく、エッチングガス供給穴の数、穴の大きさ等を変える必要があり最適な条件を導き出すのが困難である。
さらに、本工程における板厚調整は、図7に示すエッチングの後工程である金/クロム蒸着工程115における前記主電極膜102及び前記全面電極105となる導体膜を蒸着し、さらに後工程の蒸着やスパッタリング等による最終周波数調整工程116で高精度な周波数調整を施すので、最終周波数調整工程116において補償することが可能な範囲であれば構わないことから、過剰な工程能力を有している。
【0009】
更に、ウェットエッチングとドライエッチングとを併用することによる製造工程の複雑化および設備投資の高額化が、UHF帯水晶振動子の低価格化を阻害する要因となっていた。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、高効率で低コストの極超短波圧電素子の製造方法、特にUHF帯ATカット水晶振動子の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係わる請求項1記載の発明は、圧電基板の一方の主面を凹陥することにより形成した薄肉の振動部を有する極超短波圧電素子の製造方法であって、圧電ウェハの一方の主面の所定部分をエッチングにて凹陥して振動部を形成する第1の主エッチング工程と、前記振動部の共振周波数を測定する周波数測定工程と、前記周波数工程により得られた周波数に基づき前記振動部の厚みを微調整する第1の微調エッチング工程と、前記振動部を更に薄くする第2の主エッチング工程と、前記振動部の厚みを微調整する第2の微調エッチング工程と、を含み、前記エッチング工程がいずれもウェットエッチングであることを特徴とする。
【0012】
また請求項2記載の発明は、請求項1において、前記第2の主エッチング工程は、前記圧電ウェハの他方の主面全体に施すものであることを特徴とする。
【0013】
また請求項3記載の発明は、請求項1において、前記第2の主エッチング工程は、前記圧電ウェハの両主面全体に施すものであることを特徴とする。
【0014】
また請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記第2の微調エッチング工程は、前記圧電ウェハの他方の主面全体に施すものであることを特徴とする。
【0015】
また請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記第2の微調エッチング工程は、前記圧電ウェハの両主面全体に施すものであることを特徴とする。
【0016】
また請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、1枚の圧電ウェハから複数個の極超短波圧電素子を作製するべく、1枚の圧電ウェハに複数個の凹陥を形成した後に極超短波圧電素子を個片に分割する工程を有することを特徴とする。
【0017】
また請求項7記載の発明は、請求項6において、前記請求項1の周波数測定工程は形成した複数個の振動部全てに対して周波数測定を行ない、前記第1の微調エッチング工程は振動部毎に個別にエッチングを施すことを特徴とする。
【0018】
また請求項8記載の発明は、請求項6又は7において、前記請求項1の周波数測定工程は形成した複数個の振動部の一部に対して周波数測定を行ない、前記第2の主エッチング工程乃至前記第2の微調エッチング工程は全ての振動部に対して一括してエッチングを施すことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図示した本発明の実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0020】
図1(a)は本発明に係る製造方法によって得られるUHF帯ATカット水晶振動子の斜視図、図1(b)はそのA−A断面図である。
同図に示すように、水晶振動子1はATカット水晶振動子の厚みすべり振動を利用した振動子であって、該水晶振動子1の一方主面を化学エッチング加工によって凹陥せしめ、該凹陥部の超薄肉部分を振動部1aとすると共に該振動部1aの周囲を支持する厚肉の環状囲繞部1bを一体的に形成する。
さらに水晶振動子1の平坦な他方主面の表面には主電極2と該主電極2より延出するリード3及びボンディングパッド4をマスク蒸着又はフォトリソグラフィ等により形成すると共に、前記一方主面の表面には全面蒸着により全面電極5を形成したものである。
【0021】
図1に示した形態とは異なり、水晶振動子1の一方主面の前記振動部1aに前記主電極2と該主電極2より延出する前記リード3を、環状囲繞部1bの表面にはリード3と電気的に接続した前記ボンディングパッド4を形成すると共に他方主面の表面に前記全面電極5を形成したものでも構わない。
また前記全面電極5が前記主電極2に対向配置し該主電極2とほぼ同寸法であると共に、全面電極5から延出するリードと電気的に接続されたボンディングパッドを形成しても構わない。
【0022】
図3は本発明に係るエッチング加工時の水晶振動子の縦断面図であって、図3(a)は第1の微調エッチング終了後の水晶振動子の縦断面図、図3(b)は第2の主エッチング乃至第2の微調エッチング終了後の水晶振動子の縦断面図である。
本発明に係る製造方法と従来の製造方法の相違はウェットエッチングとドライエッチングとの併用ではなく、加工効率が高く設備が安価なウェットエッチングのみで前記水晶振動子1を作製するところにある。本発明者は種々の実験を行ない、以下に記述する現象を見出しウェットエッチングのみであっても水晶振動子1の作製に十分耐えうる製造方法が得られたことを確認した。
図3(a)に示す第1の微調エッチングによるVHF帯までの個別調整が施された振動部32aと振動部33aとの板厚誤差、即ち調整精度Δ1と図3(b)に示す第2の主エッチング乃至前記第2の微調エッチングによるUHF帯までの一括調整が施された振動部32bと振動部33bとの板厚誤差、即ち調整精度Δ2とが略一致した。即ち第1の微調エッチングによって調整精度Δ1を所望値に抑えておけば、第2の微調エッチングの段階で個別調整は必要ではなく、ウェハ上のいくつかについて周波数を測定しこれに基づいて全ての振動部に対して一括してエッチングを施せばよいのである。
【0023】
図2は本発明実施形態のUHF帯水晶振動子の製造工程図であって、本発明に係る製造方法を図2及び図8に基づいて工程を説明する。
まず主表面をポリッシュ加工した水晶ウェハに対して金/クロムの膜を真空蒸着により付着する。ここでは機械的な強度とエッチング量との兼ね合いから80マイクロメートル(μm)の厚さを有する水晶ウェハを用いる。金/クロム膜に対してフォトリソグラフィ加工を用いてエッチング用のマスクパターンを形成する。第1次主エッチング11(第1の主エッチング)では、図8(a)に示すようにエッチング用のマスクパターン124が形成された水晶ウェハ121をウェットエッチングによってマスクパターンの開口部分を凹陥し、VHF帯、例えば155MHzを共振周波数とする振動部122a、123aを形成する。ここで、実際にはウェハの加工誤差等により振動部122a、123aの板厚にはバラツキが生じているため、振動部122a、123a夫々の共振周波数を測定する。第1次微調エッチング12(第1の微調エッチング)では、図8(b)に示すように測定した周波数に基づいてウェットエッチングを施して振動部122a、123aが所望の周波数になるように個別に調整する。以上までは従来と同一の製造方法であって、これ以後の第2次主エッチング13(第2の主エッチング)乃至第2次微調エッチング14(第2の微調エッチング)が従来と異なる。
第1次主エッチング11終了後の共振周波数の測定結果に基づいてエッチング時間を算出しこの計算結果に基づいて、第2次主エッチング13では図8(c)に示すようにウェハをウェットエッチングすることによって所望のUHF帯、例えば760.9MHzの共振周波数に相当する板厚約2.2μmを有する振動部122c、123cを形成し、第2次微調エッチング14では図8(d)に示すように振動部122c、123cが所望の周波数になるように一括してウェットエッチングを施す。
その後、両主面夫々に電極を形成し、ウェハを分割して複数の前記水晶振動子101が得られる。
【0024】
図4は図2に示す製造工程を実現する場合のエッチング工程の条件の一例であって、同図に示すように前記第2次主エッチング13乃至前記第2次微調エッチング14における調整精度、即ちエッチング工程の最終調整精度は±110nmであるが、エッチングの後工程である金/ニッケル蒸着工程15(図2)における前記主電極膜2及び前記全面電極5となる導体膜の蒸着量と、さらに後工程の蒸着やスパッタリング等による最終周波数調整工程16(図2)での高精度な周波数調整と、によって、エッチング工程の最終調整精度(±110nm)によるバラツキは補償することが可能な範囲であり、実際に所望の発振周波数を備えるUHF帯水晶振動子が得られている。
【0025】
また図4に示すように、第1次微調エッチング12及び第2次微調エッチング14の製造条件にエッチャント温度が21℃、エッチャント希釈率が12%若しくはエッチャント温度が21℃、エッチャント希釈率が23%の2種類のエッチャントがあって、第1次微調エッチング12及び第2次微調エッチング14におけるエッチャントの選定は前工程である第1次主エッチング11の調整精度次第で、調整精度が良好な場合、例えば±300nm以下であるならばエッチャント温度が21℃、エッチャント希釈率が12%で微調を行なう。
【0026】
図5は本発明の製造方法におけるエッチング加工方向を示したものであって、同図に示す二点鎖線は従来の製造方法による水晶振動子の加工形状を示すものである。
しかしながら本発明の製造方法であっても一方向からのエッチングでは従来と同様に、エッチング速度の結晶方向依存性により振動部の面積が極めて狭くなる現象に対しては効果が無い。そこで図5(a)に示すように、前記第2次主エッチング13乃至前記第2次微調エッチング14を両主面夫々に加工(図中矢印方向の加工)を施すと、振動部52aの凹陥内側の面積が従来と比較して広くなるだけでなく、他方主面のマスキングが不要になると共に両主面からの厚み調整となるのでエッチング作業時間の短縮が可能となる。
また図5(b)に示すように、前記第1次微調エッチング12における調整精度が高精度であった場合は、凹陥の形状を保持するために水晶ウェハ51bの凹陥を備える一方主面(上面)にマスキング69を施し他方主面(下面)の全面加工(図中矢印方向の加工)で所望の厚み調整を行なうことで振動部52bの凹陥内側の面積が第1次微調エッチング12終了時の面積となり従来と比較して格段に広くなるだけでなく、エッチング時間の短縮が可能となる。
マスキングを施す面の決定は個別調整を行なう前記第1次微調エッチング12の結果を踏まえて行なうことができる。
【0027】
以上、本発明の構成を水晶振動子に適用したときの形態例について説明したが、超薄肉振動部を備えたMCF(モノリシック・クリスタル・フィルタ)に適用することも可能である。
【0028】
また水晶を用いて本発明の構成を説明したが、本発明は水晶のみに限定するものではなくランガサイト、四方酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料に適用できることは云うまでもない。
【0029】
また本発明の製造方法、4段階の化学エッチング加工ついて説明したが、製造タクトタイムの短縮を目的に少なくとも2段階の微調エッチング加工を含む4段階以上の化学エッチング加工でも構わない。
【0030】
また本発明の製造方法を水晶ウェハに適用したときの形態例について説明したが、単体の素板に適用することも可能である。
【0031】
このように構成することにより、高効率で低コストの極超短波圧電素子の製造方法、特にUHF帯ATカット水晶振動子の製造方法が得られる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、単純な製造工程であり安価な設備で足りる極超短波圧電素子の製造方法が得られ、この製造方法によって作製された圧電素子の表面には化学反応層の付着が無いという高品質でありながら必要以上のエッチングが施されていない圧電素子が得られ、エッチング速度を一定にする制御のし易さや連続的なエッチング加工による高い生産効率を有する。
【0033】
請求項2乃至8記載の発明によれば、エッチング速度の結晶方向依存性による振動部の面積の減少を極力抑止する製造方法が得られるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのUHF帯ATカット水晶振動子の構成図。
(a)斜視図。
(b)A−A縦断面図。
【図2】本発明の実施の形態におけるUHF帯水晶振動子の製造工程図。
【図3】本発明の実施の形態におけるエッチング加工時の水晶振動子の縦断面図。
(a)第1次微調エッチング終了後の水晶振動子。
(b)第2次微調エッチング終了後の水晶振動子。
【図4】本発明と従来との比較表
【図5】本発明の実施の形態におけるエッチング加工方向の説明図。
【図6】従来のUHF帯水晶振動子の構成図。
(a)斜視図。
(b)A−A縦断面図。
【図7】従来のUHF帯水晶振動子の製造工程図。
【図8】エッチング工程での加工状態を示す水晶振動子の縦断面図。
【図9】従来の振動部の加工状態を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…水晶振動子 1a…振動部 1b…環状囲繞部 2…主電極
3…リード 4…ボンディングパッド 5…全面電極
11…第1次主エッチング 12…第1次微調エッチング
13…第2次主エッチング 14…第2次微調エッチング
32a、33a、32b、33b、42、43…振動部
51b…水晶ウェハ 52a、52b…振動部
101…水晶振動子 101a…振動部 101b…環状囲繞部
102…主電極 103…リード 104…ボンディングパッド
105…全面電極
111…第1次主エッチング 112…第1次微調エッチング
113…第2次主エッチング 114…第2次微調エッチング
121…水晶ウェハ
122a、123a、122c、123c…振動部 122h…振動領域
124…マスクパターン

Claims (8)

  1. 圧電基板の一方の主面を凹陥することにより形成した薄肉の振動部を有する極超短波圧電素子の製造方法であって、
    圧電ウェハの一方の主面の所定部分をエッチングにて凹陥して振動部を形成する第1の主エッチング工程と、
    前記振動部の共振周波数を測定する周波数測定工程と、
    前記周波数工程により得られた周波数に基づき前記振動部の厚みを微調整する第1の微調エッチング工程と、
    前記振動部を更に薄くする第2の主エッチング工程と、
    前記振動部の厚みを微調整する第2の微調エッチング工程と、を含み、
    前記エッチング工程がいずれもウェットエッチングであることを特徴とする極超短波圧電素子の製造方法。
  2. 前記第2の主エッチング工程は、前記圧電ウェハの他方の主面全体に施すものであることを特徴とする請求項1に記載の極超短波圧電素子の製造方法。
  3. 前記第2の主エッチング工程は、前記圧電ウェハの両主面全体に施すものであることを特徴とする請求項1に記載の極超短波圧電素子の製造方法。
  4. 前記第2の微調エッチング工程は、前記圧電ウェハの他方の主面全体に施すものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の極超短波圧電素子の製造方法。
  5. 前記第2の微調エッチング工程は、前記圧電ウェハの両主面全体に施すものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の極超短波圧電素子の製造方法。
  6. 1枚の圧電ウェハから複数個の極超短波圧電素子を作製するべく、1枚の圧電ウェハに複数個の凹陥を形成した後に極超短波圧電素子を個片に分割する工程を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の極超短波圧電素子の製造方法。
  7. 前記請求項1の周波数測定工程は形成した複数個の振動部全てに対して周波数測定を行ない、前記第1の微調エッチング工程は振動部毎に個別にエッチングを施すことを特徴とする請求項6に記載の極超短波圧電素子の製造方法。
  8. 前記請求項1の周波数測定工程は形成した複数個の振動部の一部に対して周波数測定を行ない、前記第2の主エッチング工程乃至前記第2の微調エッチング工程は全ての振動部に対して一括してエッチングを施すことを特徴とする請求項6又は7に記載の極超短波圧電素子の製造方法。
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