JP2006106047A - 共振振動デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造工程に工夫を凝らし、余分な工程に依存することなく、所定の共振周波数を確保するようにした共振振動デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 基板厚さ測定工程S21でシリコン基板100の厚さを測定する。ついで、エッチング条件決定工程S22でシリコン基板100の測定厚さのハーフ厚さをエッチング量として決定する。このように決定したエッチング量に対応するエッチング時間(主エッチング時間)とし、主エッチング工程S23においてシリコン基板を、上記主エッチング時間の間、エッチング液によりエッチングする。次の貫通確認工程S24で、主エッチング後のシリコン基板の貫通状態を確認する。ついで、ハーフ厚さ測定工程S25で、シリコン基板のエッチング後のハーフ厚さを測定する。そして、追加エッチング工程S26で、上記エッチング後のシリコン基板に対しさらにエッチングを施す。
【選択図】 図4

Description

本発明は、梁の振動を利用する光スキャナその他の共振振動デバイスの製造方法に関するものである。
従来、この種の共振振動デバイスの製造方法においては、例えば、下記特許文献1に開示されたガルバノ装置の製造方法がある。この製造方法では、反射ミラー及びトーションバーの双方が、トーションバーでもって反射ミラーを揺動可能に支持するようにシリコン基板に形成され、然る後、反射ミラーの共振周波数が設定値から外れる場合に、反射ミラー及びトーションバーにエッチングを施して、反射ミラーの共振周波数が設定共振周波数に合わせ込まれるようになっている。
特開2002−228965号公報
しかしながら、上記ガルバノ装置の製造方法によれば、上述のように、反射ミラー及びトーションバーの双方がシリコン基板に形成された後に反射ミラーの共振周波数がエッチングにより設定値に合わせ込まれる。
従って、このようなエッチングによる合わせ込みの工程が、余分な付加的工程となって、ガルバノ装置の製造工程の増加を招く要因となっている。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、製造工程に工夫を凝らし、余分な工程に依存することなく、所定の共振周波数を確保するようにした共振振動デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係る共振振動デバイスの製造方法では、請求項1の記載によれば、支持体(10)と、この支持体から振動可能に延出する梁(20)と、この梁の振動に伴い所望の共振周波数にて共振振動するように梁に支持される振動素子(30)とからなる構成を、基板(100)を用いて一体に形成する。
当該共振振動デバイスの製造方法において、基板の厚さを測定する厚さ測定工程(S21)と、この厚さ測定工程で測定された基板の厚さに基づき、当該基板のうち上記梁の形成部位のエッチング条件を、上記所定の共振周波数を得るように決定するエッチング条件決定工程(S22)と、基板を上記エッチング条件に従いエッチングするエッチング工程(S23、S25、S26)とを備えるようにしたことを特徴とする。
このように、基板の厚さを測定し、この測定厚さに基づき上記エッチング条件を上記所定の共振周波数を得るように決定し、当該エッチング条件のもとに基板をエッチングするから、基板の厚さにばらつきがあっても、上記所定の共振周波数は精度よく確保される。
従って、上記エッチング後において再度所定の共振周波数を確保するために基板に対するエッチングを行う必要がなくなる。その結果、共振振動デバイスの製造工程に対する余分な追加工程を不要としつつ、当該共振振動デバイスの所定の共振周波数を精度よく所望の値に調整し得る。
また、本発明では、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の共振振動デバイスの製造方法において、厚さ測定工程では、基板のうち上記梁の形成部位の厚さを基板の厚さとして測定することを特徴とする。
これにより、その後の上記エッチング条件に従う基板のうち上記梁の形成部位のエッチングがより一層精度よくなされる。その結果、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層向上し得る。
また、本発明では、請求項3の記載によれば、請求項1或いは2に記載の共振振動デバイスの製造方法において、エッチング条件決定工程では、上記エッチング条件が、エッチング液でもってウェットエッチングするエッチング時間でもって上記所定の共振周波数を得るように決定されることを特徴とする。
これにより、基板のエッチングがより一層適切になされ、請求項1或いは2に記載の発明の作用効果が向上する。
また、本発明では、請求項4の記載によれば、請求項3に記載の共振振動デバイスの製造方法において、エッチング条件決定工程で、上記エッチング時間と基板の測定厚さとの間の所定の関係を用いて当該基板の測定厚さに基づき上記エッチング時間を決定し、共振周波数と基板の測定厚さとの間の所定の関係を用いて当該基板の測定厚さに基づき上記所定の共振周波数を決定し、上記エッチング時間でもって上記所定の共振周波数を得るように上記エッチング条件が決定されることを特徴とする。
このように、上記エッチング時間と基板の測定厚さとの間の所定の関係及び上記共振周波数と基板の測定厚さとの間の所定の関係を用いて決定するエッチング時間及び所定の共振周波数に基づき、上述のようにエッチング条件を決定することで、請求項3に記載の発明の作用効果をより一層確実に達成し得る。
また、本発明では、請求項5の記載によれば、請求項3或いは4に記載の共振振動デバイスの製造方法において、エッチング条件決定工程で、上記エッチング時間は、上記エッチング液の濃度及び温度の少なくとも一方に応じて調整されることを特徴とする。
これにより、上記エッチング時間が、上記エッチング液の濃度及び温度の少なくとも一方を考慮して調整されることとなり、その結果、請求項3或いは4に記載の発明の作用効果がより一層適切に達成され得る。
また、本発明では、請求項6の記載によれば、請求項1に記載の共振振動デバイスの製造方法において、エッチング工程において、上記エッチング条件が、基板の厚さのばらつき範囲内の下限厚さを有する基板が当該基板のうち貫通させる部位にて貫通されたときに形成される振動素子の共振周波数を上記所望の共振周波数にするように、設定されており、
基板の測定厚さがそのばらつき範囲の下限厚さよりも大きいとき、上記所望の共振周波数が得られるまでオーバーエッチングすることを特徴とする。
これにより、基板の厚さにばらつきがあっても、上記所望の共振周波数は、上記下限厚さを有する基板の場合の値として確保され得る。その結果、上記所望の共振周波数が基板の厚さのばらつきに起因してばらつくことなく、請求項1に記載の発明の作用効果が達成され得る。また、基板の厚さが下限厚さに近い場合には、オーバーエッチングが不要となるので、エッチング処理が簡単になる。
また、本発明では、請求項7の記載によれば、請求項6に記載の共振振動デバイスの製造方法において、エッチング工程にて、エッチング条件が、基板の厚さのばらつき範囲内の下限厚さを有する基板が当該基板のうち貫通させる部位にて貫通されたときに形成される振動素子の共振周波数を上記所望の共振周波数にするように設定した第1のエッチング条件と、上記オーバーエッチング時に利用される上記第1のエッチング条件とは異なる第2のエッチング条件とを備えることを特徴とする。
このように、基板に対するエッチング条件を互いに異なる第1及び第2のエッチング条件とすることで、共振振動デバイスの各部位毎に最適なエッチングを確保するとともに、基板に対する全体としてのエッチングを容易にしつつ、請求項6に記載の発明の作用効果が達成され得る。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであるが、この実施形態に限定されるものではない。
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明が適用される光スキャナの第1実施形態を示している。この光スキャナは、マイクロマシニング技術により、図1にて示す構成を有するように製造されている。当該光スキャナは、板状の環状枠体10と、二組の両梁20と、円板状反射ミラー30と、二組の両駆動素子40とを備えている。なお、図1において図示左斜め上側及び図示右斜め下側が当該光スキャナの左側及び右側に相当する。また、図1において図示右斜め上側及び図示斜め下側が当該光スキャナの前側及び後側に相当する。
環状枠体10は、環状外枠10a及び環状内枠10bを有している。環状外枠10aは、左右両側辺部11及び前後両側辺部12でもって、四角形状となるように一体的に形成されている。
環状内枠10bは、図1にて示すごとく、左右両中央側厚肉部13及び前後両側のコ字状薄肉部14を有するように、環状外枠10aとその内側にて一体的に形成されている。左右両中央側厚肉部13は、外枠10aの左右両側辺部11の各長手方向中央からその内方に向け互いに対向するように延出している。なお、当該左右両中央側厚肉部13は環状外枠10aと同一の厚さを有する。
前後両側薄肉部14は、図1にて示すごとく、両側辺部14a及び接続部14bでもってコ字状に形成されている。ここで、これら前後両側薄肉部14は、環状外枠10aの裏面から表面側へ当該外枠10aよりも薄い厚さにて形成されている。なお、前側薄肉部14は、その両側辺部14aにて、左右両中央側厚肉部13を介し、後側薄肉部14の両側辺部14aに対向している。
二組の両梁20は、前後両側薄肉部14の各接続部14bの長手方向中央から一体的に内方へ互いに対向するように延出している。当該二組の両梁20のうち、前側両梁20は、前側薄肉部14の接続部14bの長手方向中央から一体的に延出している。一方、後側両梁20は、後側薄肉部14の接続部14bの長手方向中央から前側両梁20に向け一体的に延出している。
ここで、前側両梁20の左側梁及び右側梁は、それぞれ、後側両梁20の左側梁及び右側梁と同軸的に位置している。また、二組の両梁20は、薄肉部14と同一の厚さを有しており、当該二組の両梁20は、共に、同一の幅及び同一の長さを有する。
反射ミラー30は、前後両側連結体50によって二組の両梁20に一体的に連結支持されている。この連結支持構成につき詳細に説明すると、前後両側連結体50は、反射ミラー30に対しその前後方向において対称的な構成を有するもので、当該前後両側連結体50は、それぞれ、頭部51の長手方向中央からコ字状脚部52を延出させて形成されている。
ここで、前側連結体50は、その頭部51にて、反射ミラー30からその前後方向軸に沿い前方へ延出しており、当該前側連結体50のコ字状脚部52はその両先端部にて前側両梁20に連結支持されている。一方、後側連結体50は、その頭部51にて、反射ミラー30からその前後方向軸に沿い後方へ延出しており、当該後側連結体50のコ字状脚部52は、その両先端部にて後側両梁20に連結支持されている。
これにより、反射ミラー30は、上述のように、両連結体50を介し二組の両梁20により一体的に連結支持されている。なお、反射ミラー30は、前後両側連結体50と共に、外枠10aと同一の厚さを有する。
二組の両駆動素子40のうち、前側両駆動素子40は、図1にて示すごとく、前側薄肉部14の接続部14bの中央上から前側両梁20上にかけて形成されており、一方、後側両駆動素子40は、図1及び図2にて示すごとく、後側薄肉部14の接続部14bの中央上から後側両梁20上にかけて形成されている。
二組の両駆動素子40は、それぞれ、同一構成を有する圧電素子でもって構成されている。そこで、当該二組の駆動素子40のうち、後側両駆動素子40の一方である右側駆動素子40を例にとりその構成につき図2に基づいて説明する。
この右側駆動素子40は、図2にて示すごとく、下側電極41、圧電膜42及び上側電極43でもって構成されている。当該右側電極40において、下側電極41は、後側両梁20の一方である右側梁20上に形成されている。圧電膜42は、下側電極41上に積層状に形成されている。上側電極43は、圧電膜42を介し下側電極41に対向するように、圧電膜42上に積層状に形成されている。
後側両駆動素子40の他方である左側駆動素子40及び前側両駆動素子40も、それぞれ、上述した後側両駆動素子40の一方と同様に、下側電極41、圧電膜42及び上側電極43でもって構成されている。後側両駆動素子40の他方である左側駆動素子40においては、下側電極41、圧電膜42及び上側電極43が、後側薄肉部14の接続部14bの中央上から後側両梁20の他方である左側梁20上にかけて順次積層して形成されている。
前側両駆動素子40の一方である左側駆動素子40においては、下側電極41、圧電膜42及び上側電極43が、前側薄肉部14の接続部14bの中央上から前側両梁20の一方である左側梁20上にかけて順次積層して形成されている。また、前側両駆動素子40の他方である右側駆動素子40においては、下側電極41、圧電膜42及び上側電極43が、前側薄肉部14の接続部14bの中央上から前側両梁20の他方である右側梁20上にかけて順次積層して形成されている。
このように構成した当該光スキャナにおいては、前側両駆動素子40が前側両梁20を捻れ振動するように駆動し、後側両駆動素子40が後側両梁20を前側両梁20の捻れ振動方向とは逆方向に捻れ振動するように駆動すると、反射ミラー30が、両連結体50を介し前後の各両梁20により所定の共振周波数でもって揺動的に振動される。これに伴い、反射ミラー30がその反射面に入射する光を走査する。
次に、以上のように構成した光スキャナの製造方法について説明する。当該光スキャナの製造にあたり、シリコン基板100(図5(a)及び図6(a)参照)を準備する。当該シリコン基板100は、多数準備されるシリコン基板の1つであるが、これら多数のシリコン基板の厚さは、約90(μm)〜110(μm)の範囲以内においてばらついているものとする。
また、当該光スキャナの製造にあたり、この光スキャナの設計仕様が予め設定される。この設計仕様の1つである反射ミラー30の所定の共振周波数Foは、次のようにして設定される。
当該光スキャナに所望の特性を与えるためには、シリコン基板100の厚さはばらつくことなく一定であると仮定した上で、シリコン基板100のうち前後両側梁20及び内枠10bの前後両側薄肉部14を形成する部位(以下、梁・薄肉部形成部位ともいう)の厚さが、例えば、シリコン基板100の厚さの2分の1の厚さ(以下、ハーフ厚さともいう)に加工されることが望ましいとされる。
また、当該光スキャナにおいて、反射ミラー30の所定の共振周波数を設定するにあたり、次の式(1)が用いられる。
Fo=(1/2π)・(K/I)1/2 ・・・(1)
この式(1)において、Foは反射ミラー30の所定の共振周波数である。また、Kは、シリコン基板100のうち両梁20の形成部位の弾性係数であり、また、Iは、シリコン基板100のうち反射ミラー30の形成部位の慣性モーメントである。
また、弾性係数K及び慣性モーメントIは、それぞれ、次の式(2)及び式(3)で与えられる。
K=2・κ・a・b・G/L ・・・(2)
I=M・D/12 ・・・(3)
但し、式(2)において、a、b及びLは、それぞれ、梁20の幅、厚さ及び長さである。κは梁20の断面係数である。また、Gはシリコン基板100のねじれ剛性である。式(3)において、Dは反射ミラー30の直径である。また、Mは、反射ミラー30の質量であって、次の式(4)でもって与えられる。
M=D・t・ρ ・・・(4)
但し、式(4)において、tは反射ミラー30の厚さである。ρは、シリコン基板100の密度である。
以上より、上記所定の共振周波数Foは、式(1)を用いて、予め設定される。なお、当該光スキャナの構成上、式(1)をそのまま適用することはできないが、上述した慣性モーメントI及び弾性係数Kを適切に見積もれば、式(1)の適用が可能となる。但し、このような式(1)を用いたモデルの計算は非常に複雑であるため、共振周波数は、通常、シミュレータを使用して算出される。
以下、当該光スキャナの製造工程について順次説明する。なお、図5(a)〜(g)は、当該光スキャナの製造過程における断面構造の変化を、図1の図示A−A線に沿う断面で示す。また、図6(a)〜(g)は、当該光スキャナの製造過程における断面構造の変化を、図1の図示B−B線に沿う断面で示す。
1.パターニング工程S10
パターニング工程S10(図3参照)においては、まず、酸化膜形成工程S11において、図5(a)及び図6(a)にて示すごとく、表面側酸化膜110をシリコン基板100の表面101に形成するとともに、裏面側酸化膜110を当該シリコン基板100の裏面102に形成する。
ついで、フォトリソグラフィ工程S12の処理を行う。このフォトリソグラフィ工程S12では、フォトレジスト塗布工程S12aにおいて、フォトレジストを表面側及び裏面側の両酸化膜110の各外面に塗布して、図5(b)及び図6(b)にて示すごとく、表面側レジスト膜120及び裏面側レジスト膜120を形成する。
そして、露光工程S12bにおいて、両レジスト膜120に所定形状のマスクを施して当該両レジスト膜120を露光処理し、然る後、現像工程S12cにおいて、両レジスト膜120に現像処理を施す。これに伴い、両レジスト膜120は、図5(c)及び図6(c)にて示すごとく、所定のパターン形状となるように部分的に除去されて、両レジストパターン膜120a、120bとして形成される。これにより、フォトリソグラフィ工程S12の処理が終了する。
ここで、図5(c)において、各符号121、122は、両レジストパターン膜120a、120bのうち図1のA−A線に沿う断面を示す。また、図6(c)において、各符号123は、表面側レジストパターン膜120aのうち図1のB−B線に沿う断面を示し、各符号124、125は、裏面側レジストパターン膜120bのうち図1のB−B線に沿う断面を示す。
なお、符号121で示す断面は、当該光スキャナの枠体10の前後方向中央部の断面に対応し、各符号122で示す断面は、当該光スキャナの反射ミラー30に対応する断面を示す。また、図6(c)において、各符号123、124で示す断面は、当該光スキャナの枠体10の後側部の断面に対応し、各符号125で示す断面は、当該光スキャナの後側両梁20の断面に対応する。
上述のようにフォトリソグラフィ工程S12の処理が終了すると、次の酸化膜エッチング工程S13において、両レジストパターン膜120a、120bを介し両酸化膜110に異方性のウェットエッチング処理を施す。これにより、両酸化膜110は、両レジストパターン膜120a、120bと同様のパターン形状の両酸化パターン膜110a、110bとして形成される(図5(d)及び図6(d)参照)。
然る後、フォトレジスト除去工程S14において、両レジストパターン膜120a、120bを両酸化パターン膜110a、110bから除去する(図5(e)及び図6(e)参照)。以上により、パターニング工程S10の処理が終了する。
2.基板エッチング工程S20
以下、基板エッチング工程S20について図3及び図4を参照して説明する。この基板エッチング工程S20では、シリコン基板100に対し両酸化パターン膜110a、110bを介しエッチング処理を施す。本第1実施形態では、基板エッチング工程S20の処理にあたり、以下に述べることを考慮した。
(1)所定の共振周波数Foのシリコン基板100の厚さとの関係
所定の共振周波数Foは、式(1)及び式(2)から分かる通り、梁20の厚さbによって大きく影響される。しかも、シリコン基板100の厚さは、90(μm)〜110(μm)の範囲以内でばらつく。
従って、シリコン基板100の厚さを上述のように一定と仮定して所定の共振周波数Foを設定しても、シリコン基板100の厚さが実際にはばらつくため、所定の共振周波数Foは、一義的には得られず変化する。
これらのことを前提に、所定の共振周波数Foがシリコン基板100の厚さのばらつきとどのような関係を有するかについて、式(1)を用いて調べてみた。具体的には、シリコン基板100の上記梁・薄肉部形成部位の厚さに一義的に対応する上記ハーフ厚さを変化させて、所定の共振周波数Foを式(1)に基づき算出してみた。
この算出の結果、所定の共振周波数と上記ハーフ厚さとの間の近似直線的関係を表す特性(以下、所定の共振周波数−ハーフ厚さ特性という)が、図7のグラフにて示すごとく、得られた。当該所定の共振周波数−ハーフ厚さ特性によれば、所定の共振周波数Foは、上記ハーフ厚さの変化に伴い図7のグラフで示すごとくほぼ直線的に変化することが分かる。
ちなみに、上記ハーフ厚さが45(μm)であれば、所定の共振周波数Foは、上記所定の共振周波数−ハーフ厚さ特性に基づき、25.5(kHz)となる。また、上記ハーフ厚さが55(μm)であれば、所定の共振周波数Foは、上記共振周波数−ハーフ厚さ特性に基づき、29(kHz)となる。
さらに、所定の共振周波数Foの上記ハーフ厚さの変化に対する変化割合について調べたところ、所定の共振周波数の変化割合は、上記ハーフ厚さの変化に応じて、図8のグラフにて示すごとく変化することが分かった。このグラフによれば、例えば、シリコン基板100の厚さが100(μm)のとき、即ち、上記ハーフ厚さが50(μm)のとき、所定の共振周波数の変化割合は0(%)である。従って、シリコン基板100が100(μm)の厚さを有するとき、シリコン基板の上記梁・薄肉部形成部位を上記ハーフ厚さに形成する誤差が最も厳しくなる。また、シリコン基板100が100(μm)の厚さよりも薄くなるのに伴い、シリコン基板における上記梁・薄肉部形成部位を上記ハーフ厚さに形成する誤差が緩くなる。
以上のことから、シリコン基板100の厚さが90(μm)〜110(μm)の範囲以内でばらつくとすれば、当該光スキャナの製造上、シリコン基板100の厚さが90(μm)であることを基準に、当該シリコン基板の上記梁・薄肉部形成部位に対するエッチングを行うことが望ましい。このことは、シリコン基板100の厚さがばらついていても、所定の共振周波数Foは、当該光スキャナを90(μm)の厚さのシリコン基板から製造したときの所定の共振周波数とすることを意味する。
(2)シリコン基板の厚さ(以下、基板厚さともいう)とエッチング時間との関係
シリコン基板100のエッチングは、エッチング液を用いたウェットエッチングであるが、上記基板厚さは、図9のグラフで示す通り、シリコン基板100のエッチング時間を長くする程、薄くなることが分かっている。
また、当該エッチング時間は、エッチング液の温度及び濃度の少なくとも一方に影響されて変化することも分かっている。具体的には、上記基板厚さを一定とするとき、当該エッチング時間は、エッチング液の濃度或いは温度が高い程、短く、逆に、エッチング液の濃度或いは温度が低い程、長くなる。換言すれば、図9のグラフは、その座標面上において、エッチング液の濃度或いは温度が高い程、図示下方へ移動し、逆に、エッチング液の濃度或いは温度が低い程、図示上方へ移動する。
従って、上記ハーフ厚さを決定し、エッチング液の濃度及び温度を一定にすれば、上記梁・薄肉部形成部位を上記基板厚さから当該ハーフ厚さまでエッチングするに要するエッチング時間は、図9のグラフから分かる。
(3)エッチング時間とエッチング量との関係
上述したエッチング時間と上記基板厚さとの関係を前提に、シリコン基板100を上記ハーフ厚さまで薄くするに要するエッチング時間は、シリコン基板100の上記梁・薄肉部形成部位の上記ハーフ厚さまでのエッチング量との間において、図10のグラフで示すような直線的関係を有する。このことは、シリコン基板100の上記梁・薄肉部形成部位を上記ハーフ厚さまで薄くするエッチング量が分かれば、シリコン基板100の上記梁・薄肉部形成部位を上記ハーフ厚さまで薄くするエッチング時間が分かることを意味する。
従って、シリコン基板100の厚さ(上記基板厚さ)が予め分かれば、図10のグラフに基づきエッチング時間が分かる。
以上を前提に、以下、基板エッチング工程S20の処理につき詳細に説明する。まず、図4の基板厚さ測定工程S21において、シリコン基板100の厚さを測定する。ついで、エッチング条件決定工程S22において、シリコン基板100の測定厚さの2分の1の厚さ(ハーフ厚さ)を求め、このハーフ厚さをエッチング量として決定する。このように決定したエッチング量を用いて図10のグラフに基づきエッチング時間を決定する。このエッチング時間を主エッチング時間とする。
ちなみに、シリコン基板100の測定厚さが90(μm)のときにはハーフ厚さは45(μm)である。従って、エッチング量は45(μm)であるから、主エッチング時間は、図11のグラフに基づき、70(分)である。また、シリコン基板100の測定厚さが100(μm)のときにはハーフ厚さは50(μm)である。従って、エッチング量は50(μm)であるから、主エッチング時間は、図10のグラフに基づき、80(分)である。
また、エッチング液として40(%)の水酸化カリウム(KOH)を用いる。但し、当該エッチング液の濃度及び温度は共に一定に維持するものとする。
上述のようにエッチング条件決定工程S22の処理をした後、次の主エッチング工程S23の処理を行う。具体的には、上記エッチング液をエッチング槽(図示しない)に収容し、シリコン基板100を、上記主エッチング時間の間、当該エッチング槽内のエッチング液に浸漬させる。これにより、シリコン基板100は、両酸化パターン膜110a、110bを介し上記エッチング液により異方性のウェットエッチングを施される。これに伴い、シリコン基板100は、主エッチング基板100aとして形成される(図5(f)及び図6(f)参照)。
本第1実施形態では、上記エッチング槽内のエッチング液の濃度及び温度を調整するにあたり、エッチング液供給ライン及び純水供給ライン(図示しない)が上記エッチング槽に接続されている。また、上記エッチング槽内のエッチング液の温度及び濃度は、それぞれ、温度センサ及び濃度センサでもって検出される。
しかして、上記エッチング液供給ラインからのエッチング液及び純水供給ラインからの純水の少なくとも一方が、上記濃度センサの検出出力に基づき、上記エッチング槽内に供給されて、当該エッチング槽内のエッチング液の濃度を一定に維持するように調整する。また、上記エッチング槽内のエッチング液の温度は、上記温度センサの検出出力に基づき加熱装置(図示しない)でもって一定の温度(例えば、23(℃))に維持されるように調整される。
上述のように主エッチング工程S23の処理終了後、貫通確認工程S24において、主エッチング基板100aの貫通状態を目視、透過型センサ或いは反射型センサにより確認する。ついで、ハーフ厚さ測定工程S25において、主エッチング基板100aの上記梁・薄肉部形成部位のエッチング後のハーフ厚さを測定する。
ここで、当該梁・薄肉部形成部位のエッチング後の測定厚さがシリコン基板100の厚さ90(μm)の2分の1と同一であれば、シリコン基板100に対するエッチングは終了する。また、当該梁・薄肉部形成部位のエッチング後の測定厚さがシリコン基板100の厚さ90(μm)の2分の1よりも厚ければ、主エッチング基板100aをさらにエッチングする必要がある。
そこで、次の追加エッチング工程S26において、主エッチング基板100aに対し両酸化パターン膜110a、110bを介しさらにエッチング(追加エッチング或いはオーバーエッチング)を施す。
ここで、例えば、シリコン基板100の厚さが100(μm)である場合には、主エッチング基板100aの上記梁・薄肉部形成部位のハーフ厚さは50(μm)である。従って、追加エッチング量は、50(μm)−45(μm)=5(μm)である。よって、追加エッチング時間は、図10のグラフによれば、80(分)−70(分)=10(分)となる。
以上より、主エッチング基板100aを両酸化パターン膜110a、110bを介し上記追加エッチング時間の間上記エッチング槽内のエッチング液に浸漬して上述と同様にウェットエッチングする。これにより、主エッチング基板100aの上記梁・薄肉部形成部位の厚さは、シリコン基板100の厚さ90(μm)の2分の1となる。
即ち、シリコン基板100をそのハーフ厚さまで主エッチングしたときに当該ハーフ厚さが45(μm)よりも厚い場合には、当該ハーフ厚さと45(μm)との差に対応する追加エッチング量或いは追加エッチング時間だけ主エッチング基板100aの上記梁・薄肉部形成部位をさらにエッチングして追加エッチング基板として形成する。これにより、シリコン基板100の厚さが例えば100(μm)である場合にも、シリコン基板100の厚さが90(μm)のときの所定の共振周波数Foが得られる。
ちなみに、所定の厚さのシリコン基板を用いて製造した光スキャナに関して、所定の共振周波数Foが上記追加エッチング量のばらつきによりどのように変化するかについて調べたところ、図11のグラフにて示すような所定の共振周波数と追加エッチング量との間の関係が得られた。これによれば、上記ハーフ厚さのばらつきに伴う上記追加エッチング量の変化に伴い、所定の共振周波数Foがどのように変化するかが分かる。このような変化傾向は、どのような厚さのシリコン基板にも共通していることから、図11では、100(μm)の厚さのシリコン基板についてのみ記載されている。
例えば、上記ハーフ厚さが50(μm)のとき、追加エッチング量が0(μm)である場合には、所定の共振周波数Foは、27.5(kHz)であることが分かる。また、上記ハーフ厚さを45(μm)にした場合を想定すれば、追加エッチング量が5(μm)であることから、所定の共振周波数Foは24(μm)であることが分かる。換言すれば、厚さのばらつき範囲の下限値であるシリコン基板100の厚さが90(μm)のときに製造された光スキャナの共振周波数が24(μm)の場合、シリコン基板100の厚さが100(μm)のときには、50(μm)だけ主エッチングした後5(μm)だけ追加エッチングすればよいことが分かる。
また、所定の共振周波数Foが上記追加エッチング時間のばらつきによりどのように変化するかについて調べたところ、図12のグラフにて示すような所定の共振周波数と追加エッチング時間との間の関係が得られた。なお、これによれば、図12のグラフは、図11のグラフと同様の特性を示すことが分かる。
以上のようにして基板エッチング工程20を終了した後は、図3の酸化パターン膜除去工程S30において、両酸化パターン膜110a、110bを主エッチング基板100a或いは上記追加エッチング基板から除去する(図5(g)及び図6(g)参照)。
然る後、駆動素子形成工程S40(図4参照)の処理を行う。まず、下側電極膜成膜工程S41において、下側電極膜を主エッチング基板100a或いは上記追加エッチング基板の表面全体に亘り成膜する。ついで、圧電体膜を上記下側電極膜上にその全体に亘り成膜し、次の上側電極膜成膜工程S43において、上側電極膜を上記圧電体膜上にその全体に亘り成膜する。
このように成膜を終えた後、上記上側電極膜、圧電体膜及び下側電極膜のうち各梁20の表面に対する各対応部以外の部位を除去する。これにより、各駆動素子40が各対応梁20上に形成され、当該光スキャナの製造が終了する。
このように光スキャナの製造が終了した後は、共振周波数検査工程S50において、当該光スキャナを駆動することで、反射ミラー30の共振周波数を検査する。この検査において、製造した光スキャナの共振周波数が、シリコン基板100の厚さ90(μm)のときの所定の共振周波数Foと等しいことで、当該光スキャナは良品とされる。
以上説明した通り、本第1実施形態では、当該光スキャナの製造にあたり、基板エッチング工程S20(図3及び図4参照)において、シリコン基板100の厚さを基板厚さ測定工程S21にて測定した後、エッチング条件決定工程S22で、当該測定厚さの2分の1(ハーフ厚さ)に対応するエッチング量に基づき図10のグラフに基づきエッチング時間を決定するとともにエッチング液を決定する。
そして主エッチング工程S23において、シリコン基板100の上記梁・薄肉部形成部位を上記エッチング液を用い上記エッチング時間の間ウェットエッチングする。このとき、上記エッチング液の濃度及び温度を一定に維持する。
ついで、このようなウェットエッチングにより形成された主エッチング基板の上記梁・薄肉部形成部位のエッチング後の厚さを、ハーフ厚さ測定工程S25において測定する。この測定厚さがシリコン基板100の厚さのばらつき範囲の下限値90(μm)の2分の1(ハーフ厚さ)と同一であれば、シリコン基板100に対するエッチングは上述の主エッチング工程S23の処理のみで終了する。
また、ハーフ厚さ測定工程S25での測定厚さがシリコン基板100の厚さのばらつき範囲の下限値のハーフ厚さよりも厚ければ、追加エッチング工程S26において、上記主エッチング基板のエッチング後の上記梁・薄肉部形成部位をさらにエッチングする。
このエッチングにおいては、上記主エッチング基板の梁・薄肉部形成部位の厚さとシリコン基板100の厚さのばらつき範囲の下限値90(μm)のハーフ厚さとの差に対応するエッチング量を追加エッチング量として決定し、この追加エッチング量に対応する追加エッチング時間を図10のグラフに基づき決定する。そして、当該追加エッチング時間だけ、上記主エッチング基板を上述と同様にさらにウェットエッチングする。
これにより、シリコン基板100の測定厚さが90(μm)より厚くても、当該シリコン基板100の上記梁・薄肉部形成部位の厚さが、シリコン基板100のばらつき範囲の下限値90(μm)で得られた場合と同一の共振周波数に調整される。その結果、シリコン基板100の測定厚さが90(μm)より厚くても、当該シリコン基板100から製造される光スキャナの特性の1つである所定の共振周波数が、シリコン基板100が90(μm)の厚さを有する場合のハーフ厚さで設定した所定の共振周波数に調整される。
このように、シリコン基板100の厚さが上述のようなばらつきのため当該シリコン基板100の厚さのばらつき範囲の下限値より厚くても、当該シリコン基板100の梁・薄肉部形成部位の厚さを、そのハーフ厚さに主エッチングした後、さらに、シリコン基板100の厚さのばらつき範囲の下限値(90(μm))の2分の1に追加エッチングする。
換言すれば、シリコン基板100の厚さがばらついても、エッチング条件決定工程においてエッチング条件を調整し、主エッチング工程或いはこの主エッチング工程及び追加エッチング工程においてシリコン基板100の梁・薄肉部形成部位の厚さをエッチング調整する。このような2段階エッチング処理とすることで、シリコン基板100のエッチング処理が、シリコン基板100の厚さのばらつき範囲の下限値90(μm)の2分の1で設定した所定の共振周波数を精度よく確保するように、精度よくなされ得る。その結果、当該光スキャナの所定の共振周波数が、シリコン基板100が90(μm)の厚さを有する場合のハーフ厚さで設定した所定の共振周波数に精度よく調整される。
ここで、シリコン基板の厚さが90(μm)よりも厚い場合においては、上述のような2段階エッチング処理とすることで、主エッチング時には、上記梁・薄肉部形成部位のエッチング加工精度を緩くし、追加エッチング時には、主エッチング後の上記梁・薄肉部形成部位のエッチングを精度よく行えばよく、シリコン基板に対する全体としてのエッチングが容易となる。
また、上述のように2段階エッチング処理とすることで、光スキャナの所定の共振周波数が精度よく確保される。従って、共振周波数検査工程S50での検査後において再度所定の共振周波数を確保するためにシリコン基板の梁・薄肉部形成部位に対するエッチングを行う必要がなくなる。その結果、当該光スキャナの製造工程に対する余分な追加工程を不要としつつ、当該光スキャナの所定の共振周波数を精度よく所望の設定値に調整し得る。
また、上述したエッチング条件においては、所定の共振周波数に影響を与える要素が主として梁の厚さであることを考慮しておけば、所定の共振周波数を所望の設定値にするためのエッチング条件の決定は容易である。しかも、従来のエッチング方法をそのまま利用すればよい。従って、本第1実施形態にて述べた製造方法は、安価でかつ非常に効率のよい方法といえる。
以上述べたことから、本第1実施形態によれば、特に、マイクロマシニング技術を用いて光スキャナを製造する場合に生じがちなコストの低さや多品種少量のための管理の観点からしても、非常に効率のよい製造方法の提供が可能となる。
なお、本第1実施形態においては、上述のごとく、シリコン基板の厚さのばらつき範囲の下限値90(μm)を基準としてシリコン基板のエッチング処理を行うようにしたが、これに代えて、上記下限値90(μm)よりも薄い厚さ(例えば、85(μm))を基準にシリコン基板のエッチング処理を行えば、下限値90(μm)のシリコン基板でも精度よく容易に所定の共振周波数の確保が可能となる。
また、本第1実施形態では、上述のように、シリコン基板の厚さがシリコン基板の厚さのばらつき範囲の下限値90(μm)よりも厚い場合には、当該シリコン基板の上記梁・薄肉部形成部位をそのハーフ厚さまで主エッチングし、然る後、上記下限値の2分の1まで追加エッチングするようにした。しかし、これに代えて、上述した主エッチングを、上記ハーフ厚さ以外の厚さまで行い、上述した追加エッチングを、上記下限値の2分の1以外の厚さまで行うようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の要部について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた主エッチング工程S23(図4参照)において、同一のエッチング量に対するエッチング時間を調整するために、上記エッチング槽内のエッチング液の濃度を、当該エッチング槽への上記エッチング液供給ラインからのエッチング液及び上記純水供給ラインからの純水の各供給量の少なくとも一方を、上記濃度センサの検出出力に応じて制御する。
この制御にあたり、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたように図9のグラフが、その座標面上において、上記エッチング槽内のエッチング液の濃度に応じて移動することを前提として、図10のグラフが、その座標面上において、当該エッチング液の濃度に応じて移動することが利用される。なお、詳細には、図10のグラフは、その座標面上において、当該エッチング液の濃度が高い程、エッチング速度の傾きが大きくなり、逆に、当該エッチング液の濃度が低い程、エッチング速度の傾きが小さくなる。
従って、本第2実施形態において、例えば、同一のエッチング量に対するエッチング時間を短縮するには、上述したエッチング液供給ラインからのエッチング液の供給量を減少制御することで、上記エッチング槽内のエッチング液の濃度を低下させる。これにより、図10のグラフでは、エッチング時間が、上記同一のエッチング量に対し短く決定される。その結果、シリコン基板100の上記梁・薄肉部形成部位のエッチング時間が短縮され迅速なエッチング処理を行い得る。
一方、同一のエッチング量に対するエッチング時間を長くするには、上述したエッチング液供給ラインからのエッチング液の供給量を増大制御することで、上記エッチング槽内のエッチング液の濃度を高める。これにより、図10のグラフでは、エッチング時間が、上記同一のエッチング量に対し長く決定される。その結果、シリコン基板100の上記梁・薄肉部形成部位のエッチング時間が長くなり、緩やかなエッチング処理を行い得る。その他の構成及び作用効果は上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の要部について説明する。この第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べた主エッチング工程S23(図4参照)において、同一のエッチング量に対するエッチング時間を調整するために、上記エッチング槽内のエッチング液の温度を上記温度センサの検出出力に応じて制御する。
この制御にあたり、本第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べたように図9のグラフが、その座標面上において、上記エッチング槽内のエッチング液の温度に応じて移動することを前提として、図10のグラフが、その座標面上において、当該エッチング液の温度に応じて移動することが利用される。なお、詳細には、図10のグラフは、その座標面上において、当該エッチング液の温度が高い程、図示下方へ移動し、逆に、当該エッチング液の温度が低い程、図示上方へ移動する。
従って、本第3実施形態において、例えば、同一のエッチング量に対するエッチング時間を短縮するには、上記エッチング槽内のエッチング液の温度を高める。これにより、図10のグラフでは、エッチング時間が、上記同一のエッチング量に対し短く決定される。その結果、シリコン基板100の上記梁・薄肉部形成部位のエッチング時間が短縮され迅速なエッチング処理を行い得る。
一方、同一のエッチング量に対するエッチング時間を長くするには、上記エッチング槽内のエッチング液の温度を低下させる。これにより、図10のグラフでは、エッチング時間が、上記同一のエッチング量に対し長く決定される。その結果、シリコン基板100の上記梁・薄肉部形成部位のエッチング時間が長くなり緩やかなエッチング処理を行い得る。その他の構成及び作用効果は上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)シリコン基板に代えて、例えば、ステンレス製基板を採用してもよい。
(2)光スキャナは、前後両側梁20を有するものに限ることなく、前後各1つの梁を有するものであってもよい。
(3)光スキャナに限ることなく、共振振動を利用して走査するガルバノ装置や共振振動を利用して加速度を検出する加速度センサその他の各種の共振振動デバイスに、本発明を適用してもよい。
(4)シリコン基板のエッチングは、ウエットエッチングに限ることなく、例えば、ドライエッチングでもよい。
光スキャナに適用してなる本発明の第1実施形態を示す斜視図である。 図1にてB−B線に沿う断面図である。 上記第1実施形態における製造工程図である。 図3の基板エッチング工程の詳細な工程図である。 (a)〜(g)は、それぞれ、上記第1実施形態の製造過程における断面構造の変化を図1にてA−A線に沿う断面で示す図である。 (a)〜(g)は、それぞれ、上記第1実施形態の製造過程における断面構造の変化を、図1の図示B−B線に沿う断面で示す図である。 上記第1実施形態における所定の共振周波数とハーフ厚さとの関係を示すグラフである。 上記第1実施形態における所定の共振周波数の変化割合とハーフ厚さとの関係を示すグラフである。 上記第1実施形態における基板厚さとエッチング時間との関係を示すグラフである。 上記第1実施形態におけるエッチング時間とエッチング量との関係を示すグラフである。 上記第1実施形態における所定の共振周波数と追加エッチング量との関係を示すグラフである。 上記第1実施形態における所定の共振周波数と追加エッチング時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
10…枠体、20…梁、30…反射ミラー、40…駆動素子、
100…シリコン基板、S21…厚さ測定工程、S22…エッチング条件決定工程、
S23…主エッチング工程、S25…ハーフ厚さ測定工程、S26…追加エッチング工程。

Claims (7)

  1. 支持体と、この支持体から振動可能に延出する梁と、この梁の振動に伴い所望の共振周波数にて共振振動するように前記梁に支持される振動素子とからなる構成を、基板を用いて一体に形成するようにした共振振動デバイスの製造方法において、
    前記基板の厚さを測定する厚さ測定工程と、
    この厚さ測定工程で測定された前記基板の厚さに基づき、前記基板のうち前記梁の形成部位のエッチング条件を、前記所定の共振周波数を得るように決定するエッチング条件決定工程と、
    前記基板を前記エッチング条件に従いエッチングするエッチング工程とを備えるようにしたことを特徴とする共振振動デバイスの製造方法。
  2. 前記厚さ測定工程では、前記基板のうち前記梁の形成部位の厚さを前記基板の厚さとして測定することを特徴とする請求項1に記載の共振振動デバイスの製造方法。
  3. 前記エッチング条件決定工程では、前記エッチング条件が、エッチング液でもってウェットエッチングするエッチング時間でもって前記所定の共振周波数を得るように決定されることを特徴とする請求項1或いは2に記載の共振振動デバイスの製造方法。
  4. 前記エッチング条件決定工程において、前記エッチング時間と前記基板の測定厚さとの間の所定の関係を用いて当該基板の測定厚さに基づき前記エッチング時間を決定し、共振周波数と前記基板の測定厚さとの間の所定の関係を用いて前記基板の測定厚さに基づき前記所定の共振周波数を決定し、前記エッチング時間でもって前記所定の共振周波数を得るように前記エッチング条件が決定されることを特徴とする請求項3に記載の共振振動デバイスの製造方法。
  5. 前記エッチング条件決定工程において、前記エッチング時間は、前記エッチング液の濃度及び温度の少なくとも一方に応じて調整されることを特徴とする請求項3或いは4に記載の共振振動デバイスの製造方法。
  6. 前記エッチング工程において、前記エッチング条件が、前記基板の厚さのばらつき範囲内の下限厚さを有する基板が当該基板のうち貫通させる部位にて貫通されたときに形成される前記振動素子の共振周波数を前記所望の共振周波数にするように、設定されており、
    前記基板の測定厚さがそのばらつき範囲の下限厚さよりも大きいとき、前記所望の共振周波数が得られるまでオーバーエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の共振振動デバイスの製造方法。
  7. 前記エッチング工程において、前記エッチング条件が、
    前記基板の厚さのばらつき範囲内の下限厚さを有する基板が当該基板のうち貫通させる部位にて貫通されたときに形成される前記振動素子の共振周波数を前記所望の共振周波数にするように設定した第1のエッチング条件と、
    前記オーバーエッチング時に利用される前記第1のエッチング条件とは異なる第2のエッチング条件とを備えることを特徴とする請求項6に記載の共振振動デバイスの製造方法。
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