JPH08191208A - 高周波共振器の共振周波数調整方法 - Google Patents

高周波共振器の共振周波数調整方法

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JPH08191208A
JPH08191208A JP62695A JP62695A JPH08191208A JP H08191208 A JPH08191208 A JP H08191208A JP 62695 A JP62695 A JP 62695A JP 62695 A JP62695 A JP 62695A JP H08191208 A JPH08191208 A JP H08191208A
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JP
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thin film
resonance frequency
transmission line
frequency
conductor
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Application number
JP62695A
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English (en)
Inventor
Yohei Ishikawa
容平 石川
Yoshihiko Goto
義彦 後藤
Seiji Hidaka
青路 日高
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 回路の実装面積を大きくすることなく、実際
に製造工程上で精度よく共振周波数の調整を行うことが
できる高周波共振器の共振周波数調整方法を提供する。 【構成】 第1の伝送線路LN10と、薄膜導体と薄膜
誘電体とを交互に積層することによって構成された少な
くとも1つのTEMモードの第2の伝送線路LN1〜L
N4とを備え、第1の伝送線路と第2の伝送線路を伝搬
する電磁波の位相速度を互いに実質的に一致させるよう
に各薄膜誘電体の膜厚と誘電率を設定し、最上層以外の
薄膜導体の膜厚を使用周波数の表皮深さよりも薄くし
て、第1の伝送線路と第2の伝送線路の電磁界とが結合
するように設定され、かつ所定の寸法の高周波伝送線路
を備えた高周波共振器の共振周波数を、薄膜導体の膜厚
を変更することにより調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波、準ミリ波
又はミリ波の高周波帯において用いられる高周波共振器
の共振周波数調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波、準ミリ波又はミリ波
などの高周波帯においては、空胴共振器や誘電体共振器
などの共振器、又はそれらを利用したフィルタが多く使
用されていた。近年、電子部品の小型化が進む中、マイ
クロ波、準ミリ波又はミリ波などの高周波帯において
も、誘電体基板上に薄膜又は厚膜の技術を用いて電極や
誘電体膜を形成することによって得られる分布定数型や
集中定数型の共振器やフィルタが用いられるようになっ
てきた。上記分布定数型共振器・フィルタは、例えばマ
イクロストリップ線路にスタブを形成して、線路に並列
にキャパシタンスやインダクタンスを構成してLCフィ
ルタを実現するものや、例えば1/2波長のマイクロス
トリップ線路などの所定の寸法を有する伝送線路からな
る共振器や、当該共振器を2つ以上近接して設けて、結
合させることによってフィルタを構成するものなどがあ
る。また、集中定数型共振器・フィルタとしては、例え
ばマイクロストリップ線路を渦巻き状に形成したスパイ
ラルインダクタンス等の集中定数型のインダクタンス
と、MIMキャパシタやインターデジタルキャパシタ等
の集中定数型のキャパシタンスを組み合わせて作られる
共振器やフィルタなどがある。これらの共振器やフィル
タは、いずれも上記電極や誘電体膜の寸法又は面積を所
定の値に設定することによって、所定の共振周波数やフ
ィルタ特性を示すものである。
【0003】しかし、薄膜又は厚膜の技術を用いて形成
される電極や誘電体膜は、公知のように一定の製造バラ
ツキを有する。従って、薄膜又は厚膜の技術を用いて製
造されるこれらの共振器やフィルタも、共振周波数や通
過特性などのフィルタ特性が一定のバラツキ幅を有して
製造される。そこで、従来は、インダクタンスとキャパ
シタンスを組み合わせて作る共振器やフィルタでは、イ
ンダクタンスやキャパシタンスを電気的に変化させ得る
素子、例えば、バラクターダイオードなどの周波数調整
用の素子を付加して、インダクタンス又はキャパシタン
スの値を変えることにより、共振周波数を調整してい
た。また、1/2波長のマイクロストリップ線路などの
所定の寸法を有する伝送線路をからなる共振器・フィル
タの場合、原理的には、伝送線路の長さ又は基板の誘電
率を変えれば共振周波数を変化させることはできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インダクタンスやキャパシタンスを電気的に変化させ得
る素子を用いる周波数調整方法は、周波数調整用の素子
を付加するために、実装面積が大きくなるという問題が
あった。また、インダクタンスやキャパシタンスを電気
的に変化させるための電源回路も必要になり、さらに実
装面積が大きくなり、かつ回路が複雑になるという問題
があった。さらに、伝送線路の長さ又は基板の誘電率を
変えて共振周波数を調整する方法は、実際に製造工程上
で行うことは困難であるという問題があった。その結
果、当該共振器・フィルタの製造時の製造バラツキは大
きかった。
【0005】本発明の目的は以上の問題点を解決し、回
路の実装面積を大きくすることなく、実際に製造工程上
で精度よく高周波共振器の共振周波数の調整を行うこと
ができる高周波共振器の共振周波数調整方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の高周波共振器の共振周波数調整方法は、第1の伝送
線路と、薄膜導体と薄膜誘電体とを交互に積層すること
によって上記薄膜誘電体を挟設する1対の上記薄膜導体
によって構成された少なくとも1つのTEMモードの第
2の伝送線路とを備え、上記第1の伝送線路を伝搬する
電磁波の位相速度と、上記第2の伝送線路を伝搬するT
EM波の位相速度とを互いに実質的に一致させるように
上記各薄膜誘電体の膜厚と誘電率を設定し、最上層以外
の薄膜導体の膜厚を使用周波数の表皮深さよりも薄くし
て、上記第1の伝送線路の電磁界と、上記第2の伝送線
路の電磁界とが互いに結合するように設定され、かつ所
定の寸法を有する高周波伝送線路を備えた高周波共振器
の共振周波数調整方法であって、上記薄膜導体のうちの
少なくとも1つの薄膜導体の膜厚を、上記高周波共振器
の共振周波数が所定の共振周波数になるように変更する
ことにより共振周波数を調整することを特徴とする。
【0007】請求項2記載の高周波共振器の共振周波数
調整方法は、請求項1記載の高周波共振器の共振周波数
調整方法において、上記薄膜導体のうちの最上層の薄膜
導体の膜厚を、上記高周波共振器の共振周波数が所定の
共振周波数になるように変更することにより共振周波数
を調整することを特徴とする。
【0008】請求項3記載の高周波共振器の共振周波数
調整方法は、請求項2記載の高周波共振器の共振周波数
調整方法において、上記最上層の薄膜導体の上面に新た
な薄膜導体を形成することにより上記最上層の薄膜導体
の膜厚を、上記高周波共振器の共振周波数が所定の共振
周波数になるように増加させて共振周波数を調整するこ
とを特徴とする。
【0009】請求項4記載の高周波共振器の共振周波数
調整方法は、請求項2記載の高周波共振器の共振周波数
調整方法において、上記最上層の薄膜導体を上面から厚
さ方向に除去することにより上記最上層の薄膜導体の膜
厚を、上記高周波共振器の共振周波数が所定の共振周波
数になるように減少させて共振周波数を調整することを
特徴とする。
【0010】本発明に係る請求項5記載の高周波共振器
の共振周波数調整方法は、第1の伝送線路と、薄膜導体
と薄膜誘電体とを交互に積層することによって上記薄膜
誘電体を挟設する1対の上記薄膜導体によって構成され
た少なくとも1つのTEMモードの第2の伝送線路とを
備え、上記第1の伝送線路を伝搬する電磁波の位相速度
と、上記第2の伝送線路を伝搬するTEM波の位相速度
とを互いに実質的に一致させるように上記各薄膜誘電体
の膜厚と誘電率を設定し、最上層以外の薄膜導体の膜厚
を使用周波数の表皮深さよりも薄くして、上記第1の伝
送線路の電磁界と、上記第2の伝送線路の電磁界とが互
いに結合するように設定され、かつ所定の寸法を有する
高周波伝送線路を備えた高周波共振器の共振周波数調整
方法であって、上記第2の伝送線路の側面に上記高周波
共振器の共振周波数が所定の共振周波数になるように誘
電体膜を形成することにより共振周波数を調整すること
を特徴とする。
【0011】
【作用】本発明に係る請求項1記載の高周波共振器の共
振周波数調整方法において、上記薄膜導体のうちの少な
くとも1つの薄膜導体の膜厚を変更すると、上記第1の
伝送線路を伝搬する電磁波の位相速度と上記第2の伝送
線路を伝搬するTEM波の位相速度とが変化する。これ
によって、上記高周波共振器の共振周波数は変化する。
【0012】請求項2記載の高周波共振器の共振周波数
調整方法において、上記薄膜導体のうちの最上層の薄膜
導体の膜厚を変更すると、上記第1伝送線路を伝搬する
電磁波の位相速度と上記第2の伝送線路を伝搬するTE
M波の位相速度とが変化する。これによって、上記高周
波共振器の共振周波数が変化する。ここで、最上層の薄
膜導体の膜厚を変化させることによる上記第1の伝送線
路を伝搬する電磁波の位相速度の変化と上記第2の伝送
線路を伝搬するTEM波の位相速度の変化は、最上層以
外の薄膜導体の膜厚を変化させたときの上記第1の伝送
線路を伝送する電磁波の位相速度と上記第2の伝送線路
を伝搬するTEM波の位相速度の変化に比べると大き
い。従って、上記最上層の薄膜導体の膜厚を変化させる
ことにより、上記最上層以外の薄膜導体の膜厚を変化さ
せる場合に比べると、高周波共振器の共振周波数を大き
く変化させることができる。
【0013】請求項3記載の高周波共振器の共振周波数
調整方法においては、上記最上層の薄膜導体の上面に新
たな薄膜導体を形成することにより上記最上層の薄膜導
体の膜厚を増加させて上記高周波共振器の共振周波数を
調整する。
【0014】請求項4記載の高周波共振器の共振周波数
調整方法においては、上記最上層の薄膜導体を上面から
厚さ方向に除去することにより上記最上層の薄膜導体の
膜厚を減少させて上記高周波共振器の共振周波数を調整
する。
【0015】請求項5記載の高周波共振器の共振周波数
調整方法においては、上記第2の伝送線路の側面に誘電
体膜を形成することにより、上記高周波共振器が所定の
共振周波数を有する高周波信号で励振されたときに、上
記第2の伝送線路の側面に発生する漏洩電磁界のエネル
ギー量は、誘電体膜を形成していないときにおける第2
の伝送線路の側面に発生する漏洩電磁界のエネルギー量
に比べて変化する。これによって、第1の伝送線路を伝
搬する電磁波の位相速度と第2の伝送線路を伝搬するT
EM波の位相速度が変化する。従って、上記高周波共振
器の共振周波数は変化する。
【0016】
【実施例】本発明に係る実施例の共振周波数調整方法
は、電磁界結合型薄膜積層伝送線路を用いた1/2波長
伝送線路型共振器の共振周波数調整方法であって、以下
の特徴を有する。当該共振周波数調整方法は、上記1/
2波長伝送線路型共振器を作成後、共振周波数を測定
し、上記共振周波数の測定結果に基づいて、上記電磁界
結合型薄膜積層伝送線路の最上層の薄膜導体1の上面に
新たな導体膜を形成することによって、上記1/2波長
伝送線路型共振器の共振周波数が所望の共振周波数にな
るように上記最上層の薄膜導体の膜厚を増加させて共振
周波数を調整することを特徴とする。
【0017】<原理>以下、図面を参照して本発明に係
る共振周波数調整方法の原理を説明する。なお、添付図
面において同一のものについては同一の参照符号を付
す。図1は、電磁界結合型薄膜積層伝送線路を用いた1
/2波長伝送線路型共振器を用いたフィルタの斜視図で
ある。
【0018】上記電磁界結合型薄膜積層伝送線路は、薄
膜導体1乃至5と薄膜誘電体30−1乃至30−4とが
交互に積層された構造を有する。当該電磁界結合型薄膜
積層伝送線路においては、薄膜導体5と、接地導体11
と、薄膜導体5と接地導体11間に挟設された誘電体基
板10とによってTEMモードのマイクロストリップ線
路(以下、主伝送線路という。)LN10が構成される
一方、当該主伝送線路LN10上に、それぞれ1つの薄
膜誘電体が1対の薄膜導体で挟設されてなる4個のTE
Mモードのマイクロストリップ線路(以下、副伝送線路
という。)LN1乃至LN4が積層されている。図1及
び以下の図面においては、副伝送線路の参照符号を、そ
の副伝送線路の各誘電体に対して括弧の中に付してい
る。
【0019】ここで、上記電磁界結合型薄膜積層伝送線
路は、(a)各薄膜誘電体30−1乃至30−4の誘電
体膜厚xa1乃至xa4と誘電率εsを所定の値に設定する
ことによって、主伝送線路LN10と各副伝送線路LN
1乃至LN4を伝搬するTEM波の位相速度を互いに実
質的に一致させ、かつ(b)各薄膜導体2乃至5の導体
膜厚ξa2乃至ξa5を、使用周波数の表皮深さδ0より
も薄くなるように所定の膜厚に設定することによって、
互いに隣接する主伝送線路LN10と副伝送線路LN
4,副伝送線路LN4と副伝送線路LN3,副伝送線路
LN3と副伝送線路LN2,副伝送線路LN2と副伝送
線路LN1間で各電磁界を互いに結合させる。これによ
り、主伝送線路LN10に流れる高周波エネルギーを副
伝送線路LN4、LN3,LN2,LN1に移行させ、
各薄膜導体1乃至5においてそれぞれに高周波電流が流
れるように構成され、高周波による表皮効果を大幅に抑
圧するものである。
【0020】以下、図1の1/2波長伝送線路型共振器
の構成を説明する。図1に示すように、裏面全面に接地
導体11が形成された誘電体基板10上に、長手方向の
長さがλg/2である帯形状の薄膜導体5が形成され
る。ここで、λgは所望の共振周波数に対応する管内波
長である。以上のようにして、薄膜導体5と、接地導体
11と、薄膜導体5と接地導体11の間に挟設された誘
電体基板10とによってマイクロストリップ線路にてな
る主伝送線路LN10が構成される。次いで、上記薄膜
導体5上に、薄膜誘電体30−4、薄膜導体4、薄膜誘
電体30−3、薄膜導体3、薄膜誘電体30−2、薄膜
導体2、薄膜誘電体30−1、薄膜導体1の順で積層形
成される。ここで、以下のように副伝送線路LN1乃至
LN4が構成されている。 (a)薄膜誘電体30−1が1対の薄膜導体1と薄膜導
体2によって挟設されて副伝送線路LN1が構成され
る。 (b)薄膜誘電体30−2が1対の薄膜導体2と薄膜導
体3によって挟設されて副伝送線路LN2が構成され
る。 (c)薄膜誘電体30−3が1対の薄膜導体3と薄膜導
体4によって挟設されて副伝送線路LN3が構成され
る。 (d)薄膜誘電体30−4が1対の薄膜導体4と薄膜導
体5によって挟設されて副伝送線路LN4が構成され
る。 なお、各薄膜導体1乃至5のそれぞれの膜厚は、導体膜
厚ξa1乃至ξa5とし、各薄膜誘電体30−1乃至30
−4のそれぞれの膜厚は、誘電体膜厚xa1乃至xa4とす
る。
【0021】さらに、誘電体基板10上に、入力端子用
導体12が、薄膜導体5の長手方向の一端と所定のギャ
ップg1だけ離れかつ電磁的に互いに結合するように近
接して形成される一方、出力端子用導体13が、薄膜導
体5の長手方向の他端と所定のギャップg2だけ離れか
つ電磁的に互いに結合するように近接して形成される。
なお、図1の1/2波長伝送線路型共振器を用いたフィ
ルタにおいては、入力端子用導体12と薄膜導体5の一
端との結合と、出力端子用導体13と薄膜導体5の他端
との結合とは、容量結合である。ここで、誘電体基板1
0は、例えばアルミナの単結晶であるサファイアにてな
り、薄膜誘電体30−1乃至30−4は、例えばSiO
2にてなる。一方、接地導体11及び薄膜導体1乃至5
は、例えばCu、Ag又はAuなどの電気的導電性を有
する導体にてなる。
【0022】図2は、図1のA−A′線の断面図であっ
て、以上のように構成された1/2波長伝送線路型共振
器において電界及び磁界分布を示す図である。ここで、
図2は断面図であるが、誘電体におけるハッチングを省
略している。また、図中実線の矢印は電界を示し、点線
の矢印は磁界を示す。図2に示すように、電界は、各薄
膜導体1乃至5の表面に対して垂直な方向でかつ互いに
同じ向きで分布する。一方、磁界は各薄膜導体1乃至5
の表面に対して平行な方向でかつ互いに同じ向きで分布
する。これによって、主伝送線路LN10と副伝送線路
LN4乃至LN1の電磁界は互いに結合されていること
がわかる。
【0023】以上のように構成された1/2波長伝送線
路型共振器の動作について以下に説明する。図3は、図
1の1/2波長伝送線路型共振器の動作を示すその長手
方向についての図式的な縦断面図であり、長手方向を厚
さ方向に比較して大幅に短縮して描いている。なお、図
3において、高周波電流を実線で示し、変位電流を点線
で示す。
【0024】主伝送線路LN10が所定の周波数を有す
る高周波信号で励振されたとき、図3に示すように、各
薄膜導体1乃至5はそれぞれ、より下側の薄膜誘電体を
介して入射した高周波電力の一部をより上側の薄膜導体
に透過するとともに、当該高周波信号のエネルギーの一
部をより下側の薄膜誘電体を介してより下側の薄膜導体
に反射している。そして、隣接する2つの薄膜導体によ
って挟設された各薄膜誘電体30−1乃至30−4内で
はそれぞれ、上記反射波と透過波とが共振しており、各
導体薄膜1乃至5の上側表面近傍と下側表面近傍では互
いに逆方向の対面する2つの高周波電流(以下、対面す
る2つの高周波電流という。)が流れている。すなわ
ち、薄膜導体2乃至5の膜厚が表皮深さδ0よりも薄い
ために、対面する上記互いに逆方向の2つの高周波電流
は、薄膜誘電体を介して干渉し、一部を残して互いに相
殺される。一方、薄膜誘電体30−1乃至30−4に
は、電磁界によって変位電流が生じ、隣接する薄膜導体
の表面に高周波電流を生じさせる。さらに、上記各薄膜
誘電体30−1乃至30−4の各誘電体膜厚xa1乃至x
a4を、上記主伝送線路LN10と上記各副伝送線路LN
1乃至LN4を伝搬する各TEM波の位相速度が互いに
実質的に一致するように構成しているので、上記各薄膜
導体1乃至5に流れる高周波電流は実質的に互いに同位
相となる。これによって、上記各薄膜導体1乃至5にお
いて同位相で流れる高周波電流は、実効的に表皮深さを
増大させる。ここで、当該1/2波長伝送線路型共振器
においては、図3に示すように、当該線路の長手方向の
両端部で、変位電流は最大となり、中央部で最小とな
る。
【0025】従って、当該共振器を所定の周波数を有す
る高周波信号で励振すると、高周波の電磁界エネルギー
は、各隣接する伝送線路の電磁界の結合によって、より
上の伝送線路に移行する一方、当該共振器の伝送線路の
長手方向に伝搬する。このとき、当該共振器は、実効的
により大きな表皮深さδ0を有して、言い換えれば、よ
り小さい表面抵抗Rsを有して、上記TEM波が伝搬し
て1/2波長線路の両端部で反射するため、共振状態と
なる。
【0026】次に、図1の1/2波長伝送線路型共振器
の共振周波数と、上記薄膜導体1乃至5の導体膜厚ξa
1乃至ξa5の関係を説明する。
【0027】まず、上記電磁界結合型薄膜積層伝送線路
の厚さ方向の等価回路を求め、図1の1/2波長伝送線
路型共振器の厚さ方向の等価回路を求める。
【0028】図4(a)は、薄膜導体1乃至5(以下代
表して薄膜導体kという。)の厚さ方向の分布定数型等
価回路であって、図4(a)に示すように、損失抵抗を
含む分布定数回路にてなる。図4(a)の分布定数型等
価回路は、薄膜導体kの第1の面において仮想的に設け
られる2つの端子Tk−3,Tk−4と、薄膜導体kの
第2の面において仮想的に設けられる2つの端子Tk−
1,Tk−2との間に設けられる。当該分布定数型等価
回路の各単位回路は、厚さ方向と平行な方向に設けられ
る単位インダクタンスldxと、それぞれ厚さ方向と垂
直な方向に設けられた単位キャパシタンスcdxと単位
コンダクタンスgdxとの並列回路とを備え、当該並列
回路と上記単位インダクタンスldxとが逆L型に接続
されて構成される。そして、上記分布定数型等価回路
は、複数個の上記単位回路が厚さ方向に縦続に接続され
て構成される。ここで、単位インダクタンスldxと単
位キャパシタンスcdxと単位コンダクタンスgdx
は、それぞれ数1、数2、数3で表される。数1,数
2,数3において、σは薄膜導体kの導電率、ε0は真
空中の誘電率、μ0は真空中の透磁率、dxは薄膜導体
kの厚さ方向の微小長さ、yaは薄膜導体kの線路幅で
ある。また、β0は共振周波数における主伝送線路LN
10の位相定数であって、角周波数ω0と誘電体基板1
0の誘電率εmを用いて次の数4で表される。またξak
は薄膜導体kの膜厚である。ここで、薄膜導体1及至5
の導電率σと線路幅yaは、同じ値になるように設定さ
れる。
【0029】
【数1】ldx=(μ0/yaβ0)dx
【数2】cdx=ε0aβ0dx
【数3】gdx=σyaβ0dx
【数4】β0=ω0√(μ0εm
【0030】また、図4(a)の等価回路は、図4
(b)の集中定数形等価回路に変換することができる。
当該集中定数型等価回路は、厚さ方向と平行な方向に設
けられた2つの複素インピーダンスZAkと、厚さ方向
と垂直な方向に設けられた複素アドミタンスYAkとが
T型に接続されて構成される。図4(b)における複素
インピーダンスZAkと複素アドミタンスYAkは、薄膜
導体kの規格化導体膜厚ξkを用いて、それぞれ数5、
数6で表される。ここで、規格化導体膜厚ξkは、薄膜
導体kの導体膜厚ξakを数7で表される表皮深さδ0
割った数8で定義される。
【0031】
【数5】ZAk=[(1+j)/(σδ0aβ0)]・tanh
[(1+j)ξk/2]
【数6】YAk=[σδ0aβ0/(1+j)]・sinh[(1+
j)ξk]
【数7】δ0=√(2/ω0μ0σ)
【数8】ξk≡ξak/δ0
【0032】また、薄膜誘電体30−kの誘電体損失
は、薄膜導体kの導体損失より十分小さいので、当該誘
電体損失は0とすることができる。従って、薄膜誘電体
30−kの複素インピーダンスは数9で表されるリアク
タンスWAkのみで表わすことができる。ここで、数9
では、薄膜誘電体30−1乃至30−4(以下、代表し
て薄膜導体30−kを付す。)の誘電体膜厚xaをそれ
ぞれ誘電体膜厚xa1乃至xa4(以下、代表してxakを付
す。)として、数10で表されるインダクタンスLkと
数11で表されるキャパシタンスCkを用いている。こ
こで、数11中のεsは薄膜誘電体30−kの誘電率で
あって、薄膜誘電体30−1乃至30−4はすべて同じ
値になるように設定される。
【0033】
【数9】−jWAk=jω0Lk+1/(jω0Ck)
【数10】Lk=μ0(xak/ya)(1/β0
【数11】Ck=εS(ya/xak)(1/β0
【0034】従って、以上詳述した薄膜導体kの等価回
路と、誘電体薄膜30−kのインダクタンスLkとキャ
パシタンスCkを用いると、上記電磁界結合型薄膜積層
伝送線路の等価回路は、図5のように表わすことができ
る。ここで、図5の等価回路は、空気層を含めた等価回
路である。従って、図5の等価回路は、上記電磁界結合
型薄膜積層伝送線路の最上層の薄膜導体1の上面に対応
する2つの端子T1−1,T1−2に数12で表される
空気層のインピーダンスZALを備える。薄膜導体5の
下面に対応する端子T5−3に直列に接続されたインダ
クタンスL10とキャパシタンスC10は、それぞれ主
伝送線路LN10の単位長さあたりのインダクタンスと
キャパシタンスである。また、図5において、ZAs1
至ZAs5は、薄膜導体1乃至5の端子T1−3乃至T5
−3とT1−4乃至T5−4から上層である空気層の方
向を見たときの表面インピーダンスである。以下代表し
て呼ぶときはZAskを付す。
【0035】
【数12】ZAL=(1/ya)(1/β0)√(μ0/ε0)
【0036】次に、図5の等価回路を使用して、電磁界
結合型薄膜積層伝送線路の表面インピーダンスZAsk
を求める。
【0037】まず、数9を数10で表されるインダクタ
ンスLkと数11で表されるキャパシタンスCkを用いて
変形し、リアクタンスWAkを数13のように表わす。
【0038】
【数13】WAk=(1/σδ0)(1/ya)(2xak
/δ0)(εm/εs−1)
【0039】また以上のようにして求めた数5、数6、
数13を用いると表面インピーダンスZAskに関する漸
化式は次の数14と数15で与えられる。ここで数14
はk=1のときに成り立つ式であり、数15はk≧2の
ときに成り立つ式である。
【0040】
【数14】 ZAs1=ZA1+[YA1+(ZA1+ZAL)-1-1
【数15】ZAsk=ZAk+[YAk+(ZAk−jWAk-1
+ZAsk-1)-1]-1
【0041】また、図1の1/2波長伝送線路型共振器
の共振周波数に対応する角周波数をω0とすると、角周
波数ω0における1rad あたりの表面抵抗RAs0は数1
6で表される。ここで、表面抵抗RAs0を規格化因子と
して選ぶと、規格化表面インピーダンスZskは、数14
と数15を規格化して数17と数18の様に表わすこと
ができる。また、規格化複素インピーダンスZkと規格
化複素アドミタンスYkと規格化リアクタンスWkと空気
層の規格化インピーダンスZLは、それぞれ数5,数
6,数13,数12を規格化してそれぞれ数19,数2
0,数21,数22の様に表わすことができる。
【0042】
【数16】RAs0=1/(σδ0aβ0
【数17】Zs1=Z1+[Y1+(Z1+ZL)-1]-1
【数18】 Zsk=Zk+[Yk+(Zk−jWk-1+Zsk-1)-1]-1
【数19】Zk=(1+j)・tanh[(1+j)ξk/2]
【数20】Yk=[1/(1+j)]・sinh[(1+j)ξk]
【数21】Wk=2xk(εm/εs−1)
【数22】 ZL=σδ0√(μ0/ε0)=√{2σ/(ω0ε0)}
【0043】ここで、xkは薄膜誘電体30−kの規格化
された誘電体膜厚であり、次の数23で定義される。さ
らに、規格化表面インピーダンスZskは、規格化表面抵
抗Rskと規格化リアクタンスXskを用いて数24のよう
に表わすことができる。
【0044】
【数23】xk=xak/δ0
【数24】Zsk=Rsk+jXsk
【0045】以上で規格化された規格化表面インピーダ
ンスZskの漸化式である数17と数18が求められた。
【0046】次に、表面インピーダンスZskと共振周波
数の関係を示す。まず、公知のように、無損失な例えば
マイクロストリップ線路のようなTEMモードの場合の
線路を伝搬する信号の位相速度vは、数25で表わすこ
とができる。上記マイクロストリップ線路は、下面に接
地導体を備えた上面にストリップ導体が形成されて構成
される。ここで、Lはマイクロストリップ線路の単位長
さあたりのインダクタンスであり、Cはマイクロストリ
ップ線路の単位長さあたりのキャパシタンスである。ま
た、上記マイクロストリップ線路の等価回路は、上記イ
ンダクタンスLと上記キャパシタンスCを用いて、図6
のように表わすことができる。さらに、上記インダクタ
ンスLと上記キャパシタンスCは、ストリップ導体の導
体幅ya0と誘電体基板の厚さHと誘電体基板の誘電率ε
を用いて、それぞれ数26,数27のように表わすこと
ができる。
【0047】
【数25】v=1/√(LC)
【数26】L=μ0H/ya0
【数27】C=εya0/H
【0048】次に、数5で表される複素インピーダンス
ZAkは、規格化導体膜厚ξk<1のときには、数5の右
辺を数28で表される近似式を用いて変形することがで
きる。従って、複素インピーダンスZAkは、数29の
ように表すことができる。また、(1+j)×(1+j)=
2jであるので、数29は数30のように変形すること
ができる。さらに、数31で表される関係式を用いて数
30の右辺を変形すると、複素インピーダンスZA
kは、数32のように表すことができる。
【0049】
【数28】 tanh[(1+j)ξk/2]≒{(1+j)/2}tanhξ
【数29】ZA≒[(1+j)/(σδ0aβ0)]{(1
+j)/2}tanhξk
【数30】ZAk≒[j/(σδ0aβ0)]tanhξk
【数31】1/σδ0=√{ω0μ0/(2σ)}=(ω0μ
0/2)√{2/(ω0μ0σ)}=ω0μ0δ0/2
【数32】 ZAk≒[jω0μ0δ0/(2yaβ0)]tanhξk
【0050】また、規格化導体膜厚ξk<1のときに
は、数6で表される複素アドミタンスYAkを、数33
で表される近似式を用いて変形でき、複素アドミタンス
YAkは数34のように表すことができる。
【0051】
【数33】sinh[(1+j)ξk]≒(1+j)sinhξk
【数34】YAk≒σδ0aβ0sinhξk
【0052】数32から明らかなように複素インピーダ
ンスZAkは、導体膜厚ξakが表皮深さδ0よりも小さ
い場合は、正のリアクタンス成分のみを有する。すなわ
ち、導体膜厚ξakが表皮深さδ0よりも小さい場合、複
素インピーダンスZAkは、インダクタンスとして動作
する。また、数34から明らかなように、複素アドミタ
ンスYkは、実数部、すなわちコンダクタンス成分のみ
を有する。以上のように電磁界結合型薄膜積層伝送線路
を用いた伝送線路では、最上層以外の薄膜導体は、使用
周波数の表皮深さより薄く設定されるので、薄膜導体k
がインダクタンスとして働く。このとき、薄膜導体kが
インダクタンスとして働くことによるインダクタンスL
xは、数24の規格化表面リアクタンスXskを用いて、
次の数35のように表わすことができる。ここで、角周
波数ωは、図1の1/2波長伝送線路型共振器の所望の
共振周波数とは異なる実際の共振周波数に対応する角周
波数であって、導体膜厚ξakや誘電体膜厚xakの値に
よって変化する量である。
【0053】
【数35】Lx=Xsk/ω
【0054】従って、電磁界結合型薄膜積層伝送線路を
用いた伝送線路における位相速度vpは、インダクタン
スL10とキャパシタンスC10と数35で表されるイ
ンダクタンスLxを用いて、次の数36で表わすことが
できる。
【0055】
【数36】vp=1/√{(L10+Lx)C10}
【0056】ここで、インダクタンスLxは、数17乃
至数21、数23,24及び数35を以下のように考察
することにより、導体膜厚ξkと誘電体膜厚xkによって
変化することがわかる。すなわち、数19と数20から
規格化複素インピーダンスZkと規格化複素アドミタン
スYkは、規格化導体膜厚ξkの関数である。従って、規
格化導体膜厚ξkの値が変われば、それに伴い規格化複
素インピーダンスZkと規格化複素アドミタンスYkの値
も変化する。また、数17と数18から表面インピーダ
ンスZskは、規格化複素インピーダンスZkと規格化複
素アドミタンスYkの関数である。従って、規格化複素
インピーダンスZkと規格化複素アドミタンスYkの値が
変化すると、それに伴い規格化表面インピーダンスZsk
の値は変化する。以上のことから、数24で表される規
格化表面インピーダンスZskの虚数部分である規格化表
面リアクタンスXskは、規格化導体膜厚ξkが変化する
と変化する。さらに、規格化リアクタンスWkは、数2
1のように誘電体膜厚xkの関数として表される。ま
た、数18のように規格化表面インピーダンスZskは、
規格化リアクタンスWkの関数として表される。従っ
て、規格化表面インピーダンスZskは、誘電体膜厚xk
の変化に伴い変化する。さらに、規格化リアクタンスX
kは、誘電体膜厚xkの変化に伴い変化する。以上のこ
とから、数35で表されるインダクタンスLxは、導体
膜厚ξkと誘電体膜厚xkの値が変化すると、それに伴っ
て変化する。すなわち、数36で表される位相速度vp
は、導体膜厚ξkと誘電体膜厚xkの値が変化すると、そ
れに伴って変化する。
【0057】一方、上記位相速度vpは、公知のように
角周波数ωを位相定数βで割ったものとして次の数37
で定義される。また、位相定数βは数38のように定義
される。ここで、λg1は角周波数ωを有する高周波信
号の伝送線路における管内波長であり、伝送線路中にお
ける1波長分の距離である。
【0058】
【数37】vp=ω/β
【数38】β=2π/λg1
【0059】以上求めた数36、数37及び数38から
電磁界結合型薄膜積層伝送線路を用いた1/2波長伝送
線路型共振器の角周波数ωは、次の数39で表わすこと
ができる。
【0060】
【数39】 ω=βvp=(2π/λg)/√{(L10+Lx)C10}
【0061】上述のように、導体膜厚ξk又は誘電体膜
厚xkが変化すると、それに伴いインダクタンスLxは変
化する。従って、導体膜厚ξk又は誘電体膜厚xkが変化
すると、角周波数ωは変化する。
【0062】以上詳述したように、図1の電磁界結合型
薄膜積層伝送線路を用いた1/2波長伝送線路型共振器
では、導体膜厚ξk又は誘電体膜厚xkの値を変化させる
ことによって、当該1/2波長伝送線路型共振器の共振
周波数に対応する角周波数ω、すなわち共振周波数を調
整することができる。
【0063】また、本発明者は、以上の原理の確認のた
めに、以下のシミュレーションを行った。
【0064】図7は、電磁界結合型薄膜積層伝送線路を
用いた1/2波長伝送線路型共振器において、最上層の
導体膜厚ξaを変えたときの共振周波数の値の変化量
Δfを示したグラフである。横軸は、薄膜導体1の導体
膜厚ξaを示し、縦軸には、共振周波数の変化量Δf
を示す。ここで、上記共振周波数の変化量は、最上層の
導体膜厚ξaの値が0.789μmの時の共振周波数
を基準にした。図7から明らかなように、0.2μmか
ら3.0μmまでの間では、最上層の導体膜厚ξa
厚くするに従い共振周波数は大きくなることがわかる。
以上のことから、最上層の導体膜厚ξaを、0.2μ
mから3.0μmまで変化させることにより共振周波数
が、1.5MHz調整できることがわかる。以上のシミ
ュレーションにおいて、最上層の導体膜厚ξa以外の
構成は、次のように設定した。 (1)薄膜導体1乃至5の材質:導電率σ=3.82×
10S/mのAl(アルミニウム)。 (2)薄膜導体2乃至5の導体膜厚ξa乃至ξa
0.789μm。 (3)薄膜誘電体1乃至4の材質:比誘電率εrs=3.
8のSiO。 (4)薄膜誘電体1乃至4の誘電体膜厚xa1:1.1
8μm。 (5)誘電体基板10の材質:比誘電率εrm=9.93
のサファイヤ。 (6)誘電体基板10の厚さH:100μm。 (7)薄膜導体1乃至5の長さ:49.21mm。 また、以上の構成により、薄膜導体1の導体膜厚ξa
が0.789μmのとき、上記1/2波長伝送線路型共
振器は、1.0GHzの周波数で共振する。
【0065】また、図8は、図7における共振周波数の
変化量を共振周波数の変化率に換算して示したグラフで
ある。ここで、上記共振周波数の変化率は、薄膜導体1
の導体膜厚ξaが0.789μmのときの共振周波数
を基準にした。図6から明らかなように、薄膜導体1の
導体膜厚ξaを0.2μmから3.0μmまで変化さ
せることにより、共振周波数を0.15%変化させるこ
とができる。
【0066】図9は、図7に示した最上層の導体膜厚ξ
を変えることにより、共振周波数を変化させたとき
のQ上昇率と最上層の導体膜厚ξaの関係を示したグ
ラフである。横軸に最上層の導体膜厚ξaを示し、縦
軸にQ上昇率を示している。ここで、上記Q上昇率は最
下層の薄膜導体5の下面から上面方向を見たときの表面
インピーダンスZs5の虚数部分である規格化表面抵抗
Rs5の逆数で定義される。図9から明らかなように、Q
上昇率RQを1より大きく保ったまま共振周波数の調整
をすることができる。
【0067】図10は、別のシミュレーション結果を示
したグラフである。図10のグラフには、最上層である
薄膜導体1の導体膜厚ξaのみを変えたときの共振周
波数の変化量Δfと、上から3層目の薄膜導体3の導体
膜厚ξaのみを変えたときの共振周波数の変化量Δf
と、上から5層目のすなわち最下層の薄膜導体5の導体
膜厚ξaのみを変えたときの共振周波数の変化量Δf
とを示している。ここで、上記共振周波数の変化量Δf
は、薄膜導体1乃至5の導体膜厚ξa1乃至ξa5をすべ
て、1.58μmに設定したときの共振周波数を基準に
して算出した。図10から明らかなように、最上層の導
体膜厚ξaを、0.2μmから3μmまで変化させた
ときの共振周波数の変化量Δfは、10MHzで最も大
きく、3層目の導体膜厚ξaを、0.2μmから3.
0μmまで変化させたときの共振周波数の変化量Δf
は、1.6MHzであり、5層目の導体膜厚ξaを、
0.2μmから3.0μmまで変化させたときの共振周
波数の変化量は、0.17MHzである。以上のシミュ
レーションにおいて、変化させる薄膜導体以外の構成
は、次のように設定した。 (1)薄膜導体1乃至5の材質:導電率σ=3.82×
10S/mのAl(アルミニウム)。 (2)薄膜導体1乃至5の導体膜厚ξa乃至ξa
1.58μm。 (3)薄膜誘電体1乃至4の材質:比誘電率εrs=3.
8のSiO。 (4)薄膜誘電体1乃至4の誘電体膜厚xa1:1.1
8μm。 (5)誘電体基板10の材質:比誘電率εrm=9.93
のサファイヤ。 (6)誘電体基板10の厚さH:100μm。 (7)薄膜導体1乃至5の長さ:49.21mm。 また、以上の構成により、薄膜導体1乃至薄膜導体5の
導体膜厚ξa乃至ξaがすべて1.58μmのと
き、上記1/2波長伝送線路型共振器は、1.0GHz
の周波数で共振する。
【0068】また、本発明者は、上記1/2波長伝送線
路型共振器が製造されるときに用いられる微細加工プロ
セスの加工バラツキと、それに伴う共振周波数のずれと
の関係について簡単なシミュレーションを行った。例え
ば膜形成時に使用される蒸着法やスパッタリング法など
の薄膜形成方法によって形成される膜の厚み方向のバラ
ツキは、通常±10%程度である。これをもとに、図7
に示した結果を得るために行ったシミュレーションと同
じ設定条件で、導体膜厚と誘電体膜厚を上記±10%の
範囲で変化させて、シミュレーションを行った。その結
果、導体膜厚がすべて10%薄くなったとした時の共振
周波数と、誘電体膜厚がすべて10%厚くなったとした
ときの共振周波数の差が最も大きく、その値は1.12
MHzであった。また、長手方向や幅方向の面方向のバ
ラツキは、膜厚と同程度であると仮定して、シミュレー
ションを行うと、共振周波数の変化は、0.35MHz
であった。以上の結果から、共振周波数を所定の値に設
定するためには、周波数調整量が約1.5MHz必要で
あることがわかる。一方、上述のように図7に示したシ
ミュレーションの結果では、1.5MHzの共振周波数
の調整が可能であることが示されている。また、図9に
示した結果では、10MHzの共振周波数の調整が可能
であることが示されている。以上の結果から、本発明に
係る共振周波数調整方法によれば、製造バラツキに起因
する共振周波数のずれを補正して、上記1/2波長伝送
線路型共振器の共振周波数を所定の共振周波数に設定す
ることができる。
【0069】<共振周波数調整方法>本発明に係る実施
例の共振周波数調整方法は、薄膜導体と薄膜誘電体を交
互に積層することによって形成される電磁界結合型薄膜
積層線路を用いて構成された1/2波長伝送線路型共振
器の共振周波数の共振周波数調整方法である。上記共振
周波数調整方法では、まず、上記1/2波長伝送線路型
共振器が設定しようとする所定の共振周波数で共振する
ように各薄膜導体の膜厚と各薄膜誘電体の膜厚を計算す
る。そして、上記計算された各薄膜導体の膜厚と各薄膜
誘電体の膜厚に基づいて、接地導体11を備えた誘電体
基板10の上面に、例えば、公知の薄膜形成方法を用い
て、上記薄膜導体と上記薄膜誘電体を交互に形成して、
1/2波長伝送線路型共振器を作成する。ここで、最上
層以外の各薄膜導体kと各薄膜誘電体30−kは、上記
計算された各膜厚になるように形成し、最上層の薄膜導
体1は、上記計算された薄膜導体1の膜厚より若干薄く
なるように形成する。そして、上記作成された1/2波
長伝送線路型共振器の共振周波数を測定し、上記測定さ
れた共振周波数と所定の共振周波数との差と上述の原理
又はシミュレーションの結果に基づいて上記最上層の薄
膜導体1の上面に形成する導体膜の膜厚を決定して、上
記薄膜形成方法を用いて、上記1/2波長伝送線路型共
振器の共振周波数が所定の共振周波数になるように上記
最上層の薄膜導体1の上面に導体膜を形成する。さら
に、必要に応じて、上記1/2波長伝送線路型共振器の
共振周波数を測定して上記最上層の薄膜導体1の上面に
導体膜を形成することを、上記1/2波長伝送線路型共
振器の共振周波数が所定の共振周波数になるまで繰り返
す。
【0070】以上、本発明に係る実施例の共振周波数調
整方法においては、上記最上層の薄膜導体1の上面に新
たな薄膜導体を形成することにより上記最上層の薄膜導
体1の膜厚を増加させている。これによって、上記副伝
送線路LN1乃至LN4を伝搬するTEM波の位相速度
と上記主伝送線路を伝搬するTEM波の位相速度とが変
化して、上記1/2波長伝送線路型共振器の共振周波数
は変化する。以上のようにして、本発明に係る実施例の
共振周波数調整方法では、1/2波長伝送線路型共振器
の共振周波数の調整をすることができる。
【0071】以上、本発明に係る実施例の共振周波数調
整方法によると、薄膜導体1の上面に所定の共振周波数
になるように、新たに導体膜を形成して周波数調整を行
っているので、周波数調整用の素子を付加することな
く、すなわち回路の実装面積を大きくすることなく、か
つ従来例に比較して精度よく製造工程上で共振周波数の
調整を行うことができる。
【0072】本実施例では、所定の共振周波数になるよ
うに、最上層の薄膜導体1の上面に、新たに導体膜を形
成することによって共振周波数の調整を行ったが、本発
明はこれに限定されない。例えば、薄膜導体1を、上記
所定の共振周波数になるように計算された薄膜導体1の
膜厚より若干厚くなるように形成して、最上層の薄膜導
体1の一部を、エッチング方法等を用いて厚さ方向に除
去することにより、上記薄膜導体1の膜厚を、1/2波
長伝送線路型共振器の共振周波数が上記所定の共振周波
数になるように減少させて1/2波長伝送線路型共振器
の共振周波数を調整するようにしてもよい。上記エッチ
ング方法としては、例えば、ケミカルドライエッチング
や反応性イオンエッチングなどのドライエッチング又は
ウェットエッチングなどがある。以上のようにして共振
周波数の調整を行っても、本実施例と同様の効果を奏す
る。
【0073】本実施例では、電磁界結合型薄膜積層伝送
線路を用いて1/2波長伝送線路型共振器を構成した
が、本発明はこれに限らず、例えば、1/4波長伝送線
路型共振器又は1波長伝送線路型共振器などの他の伝送
線路型共振器を用いてもよい。
【0074】また、図11は、誘電体基板10の上面の
一方の長辺から他方の長辺まで連続してかつ上記誘電体
基板10の上面と電磁界結合型薄膜積層伝送線路の側面
と上面の全面を覆うように誘電体膜40を形成したとき
の1/2波長伝送線路型共振器の断面図である。以上の
ように、電磁界結合型薄膜積層伝送線路の上面と側面を
含む誘電体基板10の上面の全面に渡って誘電体膜40
を形成し、かつ誘電体膜40の膜厚を変化させることに
より、1/2波長伝送線路型共振器の共振周波数を調整
することができる。ここで、上述のようにして、共振周
波数の調整ができるのは、以下の理由による。本実施例
の周波数調整方法の原理の説明において、上述したよう
に1/2波長伝送線路型共振器を所定の共振周波数を有
する高周波信号で励振すると、当該高周波信号の電磁界
エネルギーは各副伝送線路に移行する。そして当該電磁
界エネルギーの一部は、各副伝送線路の側面から外側に
漏れ出して、各副伝送線路の側面の近傍に漏洩電磁界を
発生する。また、電磁界結合型薄膜積層伝送線路の外側
に、図11に示すような側面に接した誘電体膜40を形
成したときの漏洩電磁界のエネルギー量は、誘電体膜4
0の誘電率が空気中の誘電率の値と異なるために、誘電
体膜40を形成していないときの漏洩電磁界のエネルギ
ー量とは異なる。従って、誘電体膜40の有無によっ
て、上記漏洩電磁界のエネルギー量は変化する。また、
上記漏洩電磁界のエネルギー量は誘電体膜40の膜厚に
依存する。さらに、上記漏洩電磁界のエネルギーが変化
すると、これに対応して、各副伝送線路の位相速度が変
化する。またさらに、各副伝送線路の位相速度の変化に
対応して、電磁界結合型薄膜積層伝送線路を用いた1/
2波長伝送線路型共振器の共振周波数は変化する。従っ
て、電磁界結合型薄膜積層伝送線路の上面と側面に、当
該電磁界結合型薄膜積層線路が露出しないように連続的
に誘電体膜40を形成し、かつその膜厚を変化させるこ
とにより、1/2波長伝送線路型共振器の共振周波数を
調整することができる。この際、上記誘電体膜40は、
電磁界結合型薄膜積層伝送線路の側面のみに形成するよ
うにしてもよい。以上のような共振周波数調整方法によ
っても、本実施例と同様の効果を奏するとともに、以下
のような利点を有する。例えば、上記誘電体膜40によ
って、電磁界結合型薄膜積層伝送線路を実装工程におい
て傷つけないように保護することができる。また、上記
電磁界結合型薄膜積層伝送線路が上記誘電体膜40によ
って覆われていて薄膜導体kが直接大気に触れることが
ないので、大気中の腐食性ガスによる薄膜導体kの腐食
を防止することができる。
【0075】
【発明の効果】本発明に係る高周波共振器の共振周波数
調整方法によれば、第1の伝送線路と、薄膜導体と薄膜
誘電体とを交互に積層することによって上記薄膜誘電体
を挟設する1対の上記薄膜導体によって構成された少な
くとも1つのTEMモードの第2の伝送線路とを備え、
上記第1の伝送線路を伝搬する電磁波の位相速度と、上
記第2の伝送線路を伝搬するTEM波の位相速度とを互
いに実質的に一致させるように上記各薄膜誘電体の膜厚
と誘電率を設定し、最上層以外の薄膜導体の膜厚を使用
周波数の表皮深さよりも薄くして、上記第1の伝送線路
の電磁界と、上記第2の伝送線路の電磁界とが互いに結
合するように設定され、かつ所定の寸法を有する高周波
伝送線路を備えた高周波共振器において、上記薄膜導体
のうちの少なくとも1つの薄膜導体の膜厚を変更するこ
とにより、又は上記第2の伝送線路の側面に誘電体膜を
形成することにより、上記第1と第2の伝送線路を伝搬
する電磁波の位相速度を変化させて上記高周波共振器の
共振周波数を調整する。これによって、回路の実装面積
を大きくすることなく、実際に製造工程上で精度よく上
記高周波共振器の共振周波数の調整を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理を説明するための電磁界結合型
薄膜積層伝送線路を用いた1/2波長伝送線路型共振器
を用いたフィルタの斜視図である。
【図2】 図1のA−A′線の断面図であって、図1の
1/2波長伝送線路型共振器における電界と磁界分布を
示す断面図である。
【図3】 図1の1/2波長伝送線路型共振器の動作を
示すその長手方向についての図式的な縦断面図である。
【図4】 (a)は、図1の1/2波長伝送線路型共振
器における薄膜導体kの厚さ方向の分布定数型等価回路
の回路図であり、(b)は、(a)の分布定数型等価回
路を集中定数型に変換した集中定数型等価回路の回路図
である。
【図5】 図1の1/2波長伝送線路型共振器における
電磁界結合型薄膜積層伝送線路の集中定数型等価回路の
回路図である。
【図6】 損失の無いマイクロストリップ線路の等価回
路を示す回路図である。
【図7】 図1の電磁界結合型薄膜積層伝送線路を用い
た1/2波長伝送線路型共振器において、最上層の導体
膜厚ξaを変化させたときの共振周波数の変化量Δf
を示したグラフである。
【図8】 図7における共振周波数の変化量を共振周波
数の変化率に換算して、最上層の導体膜厚ξaを変化
させたときの上記共振周波数の変化率を示したグラフで
ある。
【図9】 図7に示した最上層の導体膜厚ξaを変え
ることにより、共振周波数を変化させたときのQ上昇率
と最上層の導体膜厚ξaの関係を示したグラフであ
る。
【図10】 最上層である薄膜導体1の導体膜厚ξa
のみを変えたときの共振周波数の変化量Δfと、上から
3層目の薄膜導体3の導体膜厚ξaのみを変えたとき
の共振周波数の変化量Δfと、上から5層目の薄膜導体
5の導体膜厚ξaのみを変えたときの共振周波数の変
化量Δfとを示したグラフである。
【図11】 図1の1/2波長伝送線路型共振器の共振
周波数を調整するために、電磁界結合型薄膜積層伝送線
路の上に誘電体膜40を形成したときの1/2波長伝送
線路型共振器の断面図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5…薄膜導体、 10…誘電体基板、 11…接地導体、 12…入力端子用導体、 13…出力端子用導体、 30−1,30−2,30−3,30−4…薄膜誘電
体、 40…誘電体膜、 LN1,LN2,LN3,LN4…副伝送線路、 LN10…主伝送線路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の伝送線路と、 薄膜導体と薄膜誘電体とを交互に積層することによって
    上記薄膜誘電体を挟設する1対の上記薄膜導体によって
    構成された少なくとも1つのTEMモードの第2の伝送
    線路とを備え、 上記第1の伝送線路を伝搬する電磁波の位相速度と、上
    記第2の伝送線路を伝搬するTEM波の位相速度とを互
    いに実質的に一致させるように上記各薄膜誘電体の膜厚
    と誘電率を設定し、最上層以外の薄膜導体の膜厚を使用
    周波数の表皮深さよりも薄くして、上記第1の伝送線路
    の電磁界と、上記第2の伝送線路の電磁界とが互いに結
    合するように設定され、かつ所定の寸法を有する高周波
    伝送線路を備えた高周波共振器の共振周波数調整方法で
    あって、 上記薄膜導体のうちの少なくとも1つの薄膜導体の膜厚
    を、上記高周波共振器の共振周波数が所定の共振周波数
    になるように変更することにより共振周波数を調整する
    ことを特徴とする高周波共振器の共振周波数調整方法。
  2. 【請求項2】 上記薄膜導体のうちの最上層の薄膜導体
    の膜厚を、上記高周波共振器の共振周波数が所定の共振
    周波数になるように変更することにより共振周波数を調
    整することを特徴とする請求項1記載の高周波共振器の
    共振周波数調整方法。
  3. 【請求項3】 上記最上層の薄膜導体の上面に新たな薄
    膜導体を形成することにより上記最上層の薄膜導体の膜
    厚を、上記高周波共振器の共振周波数が所定の共振周波
    数になるように増加させて共振周波数を調整することを
    特徴とする請求項2記載の高周波共振器の共振周波数調
    整方法。
  4. 【請求項4】 上記最上層の薄膜導体を上面から厚さ方
    向に除去することにより上記最上層の薄膜導体の膜厚
    を、上記高周波共振器の共振周波数が所定の共振周波数
    になるように減少させて共振周波数を調整することを特
    徴とする請求項2記載の高周波共振器の共振周波数調整
    方法。
  5. 【請求項5】 第1の伝送線路と、 薄膜導体と薄膜誘電体とを交互に積層することによって
    上記薄膜誘電体を挟設する1対の上記薄膜導体によって
    構成された少なくとも1つのTEMモードの第2の伝送
    線路とを備え、 上記第1の伝送線路を伝搬する電磁波の位相速度と、上
    記第2の伝送線路を伝搬するTEM波の位相速度とを互
    いに実質的に一致させるように上記各薄膜誘電体の膜厚
    と誘電率を設定し、最上層以外の薄膜導体の膜厚を使用
    周波数の表皮深さよりも薄くして、上記第1の伝送線路
    の電磁界と、上記第2の伝送線路の電磁界とが互いに結
    合するように設定され、かつ所定の寸法を有する高周波
    伝送線路を備えた高周波共振器の共振周波数調整方法で
    あって、 上記第2の伝送線路の側面に上記高周波共振器の共振周
    波数が所定の共振周波数になるように誘電体膜を形成す
    ることにより共振周波数を調整することを特徴とする高
    周波共振器の共振周波数調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006106047A (ja) * 2004-09-30 2006-04-20 Brother Ind Ltd 共振振動デバイスの製造方法

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