JP2003023337A - 圧電共振子およびフィルタ - Google Patents

圧電共振子およびフィルタ

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JP2003023337A
JP2003023337A JP2001206957A JP2001206957A JP2003023337A JP 2003023337 A JP2003023337 A JP 2003023337A JP 2001206957 A JP2001206957 A JP 2001206957A JP 2001206957 A JP2001206957 A JP 2001206957A JP 2003023337 A JP2003023337 A JP 2003023337A
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electrode
thin film
piezoelectric resonator
electrodes
vibrating
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JP2001206957A
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Tadashi Nomura
忠志 野村
Hajime Yamada
一 山田
Yoshihiko Goto
義彦 後藤
Masaki Takeuchi
雅樹 竹内
Yukio Yoshino
幸夫 吉野
Hideki Kawamura
秀樹 河村
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた共振特性を有する圧電共振子を提供する
こと。 【解決手段】開口2を有する基板3と、該基板上面に前
記開口を覆う形態で設けられた薄膜状のダイヤフラム4
と、前記ダイヤフラム上面に設けられた下部電極5と、
少なくとも前記下部電極上に設けられた少なくとも1層
の圧電膜を含む薄膜層6と、少なくとも前記薄膜層上に
設けられた上部電極7とを有し、前記下部電極と上部電
極とがそれぞれ前記薄膜層を介して上下に交差して重な
る電極部分を振動電極8として持ち、両振動電極におい
て前記薄膜層を含む振動体が構成され、かつ、前記両振
動電極の形状が、長さが異なる隣り合う2辺を有する多
角形形状とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電共振子および
フィルタに関する。この圧電共振子は、フィルタや発振
子などに使用されて、VHF帯、UHF帯、さらにそれ
以上の超高周波帯において厚み縦振動するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電共振子には、基板の開口を覆う形態
でその上面に薄膜状のダイヤフラムを設け、そのダイヤ
フラム上面に、上下一対の電極間に圧電膜を設けてなる
振動体を設け、両電極に対する電圧の印加で振動体をダ
イヤフラムと共に厚み縦振動させる構造のものがある。
【0003】このような基本構造を有する圧電共振子に
おいて、特開2000−341077号公報には、次の
形態とされたものが開示されている。
【0004】この公報に開示されている圧電共振子の場
合、縦横からの電極幅同一とされた複数の長尺状電極を
上下において直角に交差させ、交差している上下一対の
振動電極が重なる領域を振動電極としてその振動電極の
サイズを膜厚と同程度としている。この公報によれば、
上記構造としたことで、面内伝播モードがなくなり、無
電極部分との境界における反射定在波の発生が防止さ
れ、不要振動(スプリアス)が抑圧可能といわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この公報の圧電共振子
の場合、上下における長尺状電極が共に同一の電極幅に
形成されている。したがって、交差する振動電極部分に
おける振動電極の平面視形状は、隣り合う2辺が直交し
かつその長さが等しくおよび対向する2辺が平行でかつ
その長さが等しい四角形つまり正方形となっている。そ
して、その電極幅が10μm以下と小さくされているた
めに、振動電極そのものは10μm平方の小さな正方形
電極となっている。
【0006】しかしながら、本発明者らがこのような小
さな正方形の振動電極とそれらに介装された圧電膜とか
らなる振動体の共振特性を研究したところ、スプリアス
抑圧が不十分となり所要の共振特性が得られなくなる現
象のあることを見出した。
【0007】そこで、本発明者らが、この原因を究明す
べく鋭意研究を進めた結果、振動電極の形状を長辺と短
辺とを有する長方形の形状としたところ、比較的満足し
た共振特性が得られることが判明できた。
【0008】さらに、この場合、長方形形状にしてある
程度の満足した共振周波数とが得られたが、さらに共振
特性を良好にするため、本発明者らが研究を進めた。そ
うしたところ、上記公報の圧電共振子では複数の振動体
が比較的小面積領域内において多数配列されているにも
かかわらず、それらの離間間隔が不定であった。そのた
め、製造過程やその他でそれら振動体同士の離間間隔が
小さくされすぎて、振動体同士が相互干渉してスプリア
ス抑圧に悪影響を及ぼしていることも判明できた。
【0009】したがって、本発明は、振動電極の平面視
形状を長方形とすることで優れた共振特性を有する圧電
共振子を提供することを共通の解決すべき課題としてい
る。
【0010】本発明はまた、さらに振動体同士の相互干
渉を無くしてスプリアス抑圧を十分に達成できるように
することを他の解決すべき課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明第1の圧電共振子
は、開口を有する基板と、該基板上面に前記開口を覆う
形態で設けられた薄膜状のダイヤフラムと、前記ダイヤ
フラム上面に設けられた下部電極と、少なくとも前記下
部電極上に設けられた少なくとも1層の圧電膜を含む薄
膜層と、少なくとも前記薄膜層上に設けられた上部電極
とを有し、前記下部電極と上部電極とがそれぞれ前記薄
膜層を介して上下に交差して重なる電極部分を振動電極
として持ち、両振動電極において前記薄膜層を含む振動
体が構成され、かつ、前記両振動電極の形状が、長さが
異なる隣り合う2辺を有する多角形形状とされているこ
とを特徴とする。
【0012】本発明第1は、好ましくは、両振動電極の
形状が、長方形である、ここで、基板、基板の開口、ダ
イヤフラム、振動体の構成材料およびその形状は、実施
形態に限定されるものではない。また、ダイヤフラムを
構成する薄膜の種類、その数は、実施形態に限定される
ものではない。さらに、両振動電極間の薄膜は少なくと
も圧電膜を含むが、誘電膜をこれに付加したものも含
む。また、その層数も1層以上であればよく、その層数
に限定されない。圧電共振子の振動モードは基本モード
に限定されるものではない。
【0013】本発明第1によると、次のような作用効果
を達成できる。この作用効果の説明に先立ち、振動電極
の形状による共振周波数について説明する。すなわち、
圧電共振子においては、振動電極の寸法(形状)によっ
て、主振動(S0モード)やそれ以外のモードでの共振周
波数が決まる。例えば、参考文献として1990年1月
30日丸善株式会社発行による「驚異のチタバリ」(高
木豊、田中哲郎監修)213頁〜215頁参照。
【0014】本発明者らは、このような圧電共振子の共
振周波数が振動電極の形状により前記モードにおける共
振周波数が決まることに着目して本発明を完成させた。
以下に図1(a)(b)を参照して従来例と比較して本発明
の特徴とその作用効果を説明する。
【0015】図1(a)は、従来例の振動電極としてxy
直交二次元座標に一辺の長さがaの正方形電極が配置さ
れている状態を示す。図1(b)は、同じく本発明第1の
振動電極としてxy直交二次元座標に長辺の長さがbで
短辺の長さがaの長方形電極が配置されている状態を示
す。
【0016】図1(a)の正方形電極の場合、x方向とy
方向それぞれの辺の長さが等しいから、S0モードだけ
でなく、すべてのモードにおける振動が互いに強めあっ
てしまう。その結果、周波数帯域がGHz帯以下になる
と、スプリアス抑圧が不十分となり所要の共振特性が得
られなくなる。
【0017】図1(b)の長方形電極の場合、短辺の長さ
aで決まる共振周波数と長辺の長さbで決まる共振周波
数とが異なる。そのため、長方形電極の場合、S0モー
ドでは、共振周波数はほぼ同じで強めあうが、S0モー
ド以外ではスプリアス周波数がそれぞれ異なるため弱め
あうことになる。
【0018】したがって、本発明第1の圧電共振子の場
合、両振動電極の形状を、長方形のように、長さが異な
る隣り合う2辺を有する多角形形状としたから、上述し
たように、スプリアスが弱くなって共振特性に優れた圧
電共振子を得ることができる。
【0019】以上の結果を、図1(c)(d)に示す。図1
(c)(d)は、横軸を周波数、左縦軸をインピーダンス、
右縦軸を位相にとる特性図であり、本発明者らにより確
認されたものである。図中、太い特性線は、インピーダ
ンス、細い特性線は位相を示す。図1(c)は従来例によ
る特性を示し、図1(d)は本発明による特性を示してい
る。図1(c)から明らかであるように、従来例のように
振動電極が正方形の場合、スプリアスの位相が約0度で
ありスプリアスが大きい。これに対して図1(d)から明
らかであるように、本発明のように振動電極を長さが異
なる隣り合う2辺を有する多角形形状例えば長方形とし
た場合、スプリアスの位相が約−20度であり、従来例
よりも約20度低くなってスプリアスが十分に小さく抑
圧されたものとなっている。
【0020】本発明第2の圧電共振子は、開口を有する
基板と、該基板上面に前記開口を覆う形態で設けられた
薄膜状のダイヤフラムと、前記ダイヤフラム上面に設け
られた下部電極と、少なくとも前記下部電極上に設けら
れた少なくとも1層の圧電膜を含む薄膜層と、少なくと
も前記薄膜層上に設けられた上部電極とを有し、前記下
部電極と上部電極とがそれぞれ前記薄膜層を介して上下
に交差して重なる電極部分を振動電極として持ち、両振
動電極において前記薄膜層を含む振動体が構成され、か
つ、前記両振動電極の形状が、対向する辺間の距離が不
連続に変化する2辺を有する多角形とされていることを
特徴とする。
【0021】本発明第2による場合も、本発明第1と同
様に、両振動電極の形状が、対向する辺間の距離が不連
続に変化する2辺を有する多角形とされているから、S
0モードでは、共振周波数はほぼ同じで強めあうが、S
0モード以外ではスプリアス周波数がそれぞれ異なるた
め弱めあうことにより、優れた共振特性を有する圧電共
振子を得ることができる。
【0022】本発明第1および第2は、好ましくは、前
記下部電極および上部電極における少なくとも一方の電
極が、複数の長尺状電極からなるとともに、各長尺状電
極は、他方の電極との間で複数に重なる領域の電極部分
を前記振動電極として有する。
【0023】こうした場合、多数の優れた共振特性を有
する振動体を得ることができる。
【0024】本発明第1および第2は、好ましくは、少
なくとも振動電極が、互いに対して、λ/2(λは振動
波長)以上平行に離間されている。
【0025】こうした場合、各振動体は、互いに相互干
渉することなく良好な共振特性を保持できる。
【0026】本発明のフィルタは、前記圧電共振子の複
数を備え、それらの圧電共振子における電極同士をフィ
ルタ回路の構成に接続してなることを特徴とする。
【0027】本発明のフィルタによると、スプリアスが
抑制された圧電共振子で構成されているから、優れたフ
ィルタ特性を有するものとなる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面に示す
実施の形態に基づいて説明する。
【0029】図2および図3は、本発明の実施形態に係
り、図2は、圧電共振子の要部断面図、図3は、図2の
圧電共振子における電極の平面図である。
【0030】これらの図を参照して、この圧電共振子1
は、厚み縦振動型であって、開口2を有する基板3を備
える。基板3上面に前記開口2を覆う形態で薄膜状のダ
イヤフラム4が設けられている。ダイヤフラム4上面に
下部電極5が設けられている。下部電極5上に少なくと
も1層の圧電膜を含む薄膜層6が設けられている。薄膜
層6上に上部電極7が設けられている。
【0031】下部電極5と上部電極7は、それぞれ、薄
膜層6を介して上下に交差して重なる電極部分を振動電
極8として持つ。振動電極8は、容易な理解のため、図
3でハッチングが付されている。
【0032】上下一対の振動電極8と薄膜層6とで振動
体9が構成されている。
【0033】そして、本実施の形態は、両振動電極8の
形状が、長さが異なる隣り合う2辺8a,8bを有する
多角形形状として長方形とされていることを特徴とす
る。
【0034】振動体9は、それを構成する振動電極8が
長方形形状とされていることで、図1を参照して説明し
たように、優れた共振特性を発揮することができるよう
になる。
【0035】ここで、上部電極7は、基部電極71と、
この基部電極71から複数この例では3つに分岐した長
尺状電極72,73,74からなるとともに、各長尺状
電極72,73,74は、他方の電極として下部電極5
との間で複数に重なる領域の電極部分を一方の振動電極
8として有する。下部電極5においても、長尺状電極7
2,73,74と重なる領域の電極部分を他方の振動電
極8として有する。
【0036】また、前記長尺状電極72,73,74
は、振動体相互の干渉を無くすように互いに平行にλ/
2離間されている。
【0037】なお、前記離間は、少なくとも振動電極の
ところでλ/2離間しているとよい。
【0038】以上の構成を有する本実施の形態の圧電共
振子は、振動電極8の形状が、長方形の形状を有するか
ら、上述したようにスプリアスが弱められ優れた共振特
性を有するものとなる。
【0039】また、長尺状電極72,73,74の配置
が、下部電極5に対して位置ずれしても、振動電極8の
面積が変化しないから、その位置ずれで圧電共振子1の
共振特性に影響しない。
【0040】さらに、ダイヤフラム4の比較的狭い面積
上に複数の振動体9を配置できるから小型化を図れる。
【0041】さらに、長尺状電極72,73,74が互
いに対してλ/2以上離間されているから、それぞれの
共振特性に影響するような相互干渉がなくなる。
【0042】さらに、長尺状電極72,73,74は互
いに共通に接続されているから、全体としてスプリアス
がなく、また、各振動体9がそれぞれ並列接続されるこ
とにより共振抵抗が小さくなるから、発振子として使用
するときは、共振抵抗によるエネルギロスの低減がで
き、良好な素子を得ることができ、フィルタとして使用
するときは、外部回路とのインピーダンス整合を良好に
することができる。
【0043】上記構造の圧電共振子1においては、基板
3の表面にダイヤフラム4となるSiO2薄膜を形成す
る。基板3の裏面に対してアルカリ液を用いて異方性エ
ッチングして開口2を形成する。また、基板3表面のS
iO2薄膜よりなるダイヤフラム4上にリフトオフ蒸着
により下部電極5を形成する。また、下部電極5および
ダイヤフラム4上に少なくともZnO薄膜を含む薄膜層
6をスパッタリング法やその他の成膜技術を用いて形成
するとともに、この薄膜層6上にリフトオフ蒸着により
上部電極7を形成する。以上により、圧電共振子1の製
造が完了する。なお、圧電共振子1の上記製造は単なる
一例にすぎない。
【0044】本発明は、上述の実施形態に限定されるも
のではなく、種々な応用や変形が考えられる。 (1)本発明の圧電共振子は、図4で示すように、上部電
極7の長尺状電極72,73,74を、少なくともいず
れか1つの電極幅を他のそれより長くして、振動電極の
面積を異なるようにしてもよい。図4の場合、長尺状電
極74が最小の面積、長尺状電極73が最大の面積、長
尺状電極72が中間の面積を有するものとしている。図
4の圧電共振子の場合、上述した作用効果に加えて、振
動電極8の面積がそれぞれ僅かずつ異なるから、スプリ
アス振動をさらに抑制することができる。 (2)本発明の圧電共振子は、図5で示すように、上部電
極7の複数の長尺状電極72,73,74それぞれを電
極幅同一で順次に短くしてもよい。これによっても振動
電極8の面積を異なるようにしてもよい。図5の圧電共
振子の場合、上述した作用効果に加えて、振動電極8の
面積がそれぞれ僅かずつ異なるから、スプリアス振動を
さらに抑制することができる。 (3) 本発明の圧電共振子は、図6で示すように、上部
電極7の複数の長尺状電極72,73,74それぞれ
と、これら長尺状電極72,73,74それぞれに対し
て連結電極75を介して接続されかつ対向する長尺状電
極76,77,78を設ける。そして、電極幅同一でも
って、これら長尺状電極72,73,74と長尺状電極
76,77,78とを、順次または不同に短くしてもよ
い。これによっても振動電極8の面積を異なるようにし
てもよい。図6の圧電共振子の場合、上述した作用効果
に加えて、図5よりもダイヤフラム4上の同一面積上に
おける振動体個数の増加でさらなる小型化を図れるとと
もに、振動電極8の面積がそれぞれ僅かずつ異なるか
ら、スプリアス振動をさらに抑制することができる。 (4)本発明の圧電共振子は、図7で示すように、電極幅
や長さを変えて、上部電極7の複数の長尺状電極72,
73,74それぞれの面積を変えてもよい。図7の圧電
共振子の場合、上述した作用効果に加えて、振動電極8
の面積がそれぞれ異なるから、スプリアス振動をさらに
抑制することができる。 (5) 本発明の圧電共振子は、図8で示すように、電極
幅や長さが異なる上部電極7の複数の長尺状電極72,
73,74それぞれと、これら長尺状電極76,77,
78とを対称に設ける。これによっても振動電極の面積
を異なるようにしてもよい。図8の圧電共振子の場合、
上述した作用効果に加えて、振動電極8の面積がそれぞ
れ異なるから、スプリアス振動をさらに抑制することが
できる。 (6) 本発明の圧電共振子は、図9で示すように、下部
電極5を共通電極51と、これに共通に接続されて複数
に分岐した長尺状電極52,53,54,55とし、上
部電極7の各長尺状電極72,73,74それぞれと交
差させてもよい。図9の構成を備えた圧電共振子1で
は、長尺状電極72,73,74と長尺状電極52,5
3,54,55の配置が、互いに位置ずれしても、その
位置ずれで圧電共振子1の共振特性に影響しない。
【0045】ダイヤフラム4の比較的狭い面積上に多数
の振動体を配置できるからその小型化を図れる。さら
に、各長尺状電極それぞれが互いに対してλ/2以上離
間されているから、それぞれの共振特性に影響するよう
な相互干渉がなくなるなど、前記(1)〜(5)の作用効果
を有する。 (7)本発明の圧電共振子は、図10や図11で示すよう
に、上部電極7の長尺状電極72,73,74と下部電
極5の長尺状電極52,54,55との交差領域で形成
される振動電極8の形状が、対向する辺間の距離が不連
続に変化する2辺8c,8dを有する多角形としての四
角形とされていてもよい。この場合も、図1で述べたと
同様の理由により、S0モードでは、共振周波数はほぼ
同じで強めあうが、S0モード以外ではスプリアス周波
数がそれぞれ異なるため弱めあうことにより、優れた共
振特性を有する圧電共振子を得ることができる。なお、
この場合も、各長尺状電極それぞれは互いに対してλ/
2以上離間されていて、それぞれの共振特性に影響する
ような相互干渉がなくなるようにされている。 (8)本発明の圧電共振子は、図12で示すように、基板
上に複数設け、これら基板上の各圧電共振子どうしをそ
れぞれの電極を適宜に接続することで、周囲の温度変化
に対する動作特性を安定させられたフィルタを完成する
ことができる。図12(a)は、π型フィルタ、図12
(b)は、L型フィルタ、図12(c)は、T型フィルタと
されている。 (9)本発明の圧電共振子は、携帯電話や無線LANやそ
の他、あらゆる各種電子通信機器に搭載することで、当
該電子通信機器の電子通信動作に使用する場合、周囲の
温度変化に対する動作特性を安定させることができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
開口を有する基板と、該基板上面に前記開口を覆う形態
で設けられた薄膜状のダイヤフラムと、前記ダイヤフラ
ム上面に設けられた振動体とを備え、前記振動体が、上
下に対向する一対の振動電極間に少なくとも一層の圧電
膜を介装してなる厚み縦振動型の圧電共振子であって、
前記両振動電極の形状が、長さが異なる隣り合う2辺を
有する多角形形状とされているから、スプリアスを抑圧
した優れた共振特性を有する圧電共振子を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電共振子の説明に供するもので(a)
は従来の圧電共振子における振動電極の平面図、(b)は
本発明の圧電共振子における振動電極の平面図、(c)は
従来の圧電共振子の特性を示す図、(d)は本発明の圧電
共振子の特性を示す図
【図2】本発明の実施形態に係る圧電共振子の断面図
【図3】図2の圧電共振子の平面図
【図4】本発明の他の実施形態に係る圧電共振子の平面
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係る圧電共振子
の平面図
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係る圧電共振子
の平面図
【図7】本発明のさらに他の実施形態に係る圧電共振子
の平面図
【図8】本発明のさらに他の実施形態に係る圧電共振子
の平面図
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係る圧電共振子
の平面図
【図10】本発明のさらに他の実施形態に係る圧電共振
子の平面図
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係る圧電共振
子の平面図
【図12】本発明の実施形態に係る圧電共振子を用いた
フィルタの各回路図
【符号の説明】
1 圧電共振子 3 基板 4 ダイヤフラム 5 下部電極 6 薄膜層 7 上部電極 8 振動電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 義彦 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 竹内 雅樹 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 吉野 幸夫 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 河村 秀樹 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J108 AA01 CC04 CC11 DD01 DD06 EE03 EE07 FF02 FF04 JJ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開口を有する基板と、該基板上面に前記開
    口を覆う形態で設けられた薄膜状のダイヤフラムと、前
    記ダイヤフラム上面に設けられた下部電極と、少なくと
    も前記下部電極上に設けられた少なくとも1層の圧電膜
    を含む薄膜層と、少なくとも前記薄膜層上に設けられた
    上部電極とを有し、 前記下部電極と上部電極とがそれぞれ前記薄膜層を介し
    て上下に交差して重なる電極部分を振動電極として持
    ち、両振動電極において前記薄膜層を含む振動体が構成
    され、かつ、前記両振動電極の形状が、長さが異なる隣
    り合う2辺を有する多角形形状とされている、ことを特
    徴とする圧電共振子。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の圧電共振子において、 両振動電極の形状が、長方形である、ことを特徴とする
    圧電共振子。
  3. 【請求項3】開口を有する基板と、該基板上面に前記開
    口を覆う形態で設けられた薄膜状のダイヤフラムと、前
    記ダイヤフラム上面に設けられた下部電極と、少なくと
    も前記下部電極上に設けられた少なくとも1層の圧電膜
    を含む薄膜層と、少なくとも前記薄膜層上に設けられた
    上部電極とを有し、 前記下部電極と上部電極とがそれぞれ前記薄膜層を介し
    て上下に交差して重なる電極部分を振動電極として持
    ち、両振動電極において前記薄膜層を含む振動体が構成
    され、かつ、前記両振動電極の形状が、対向する辺間の
    距離が不連続に変化する2辺を有する多角形とされてい
    る、ことを特徴とする圧電共振子。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3いずれかに記載の圧電共
    振子において、 前記下部電極および上部電極における少なくとも一方の
    電極が、複数の長尺状電極からなるとともに、各長尺状
    電極は、他方の電極との間で複数に重なる領域の電極部
    分を前記振動電極として有する、ことを特徴とする圧電
    共振子。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4いずれかに記載の圧電共
    振子において、 少なくとも振動電極が、互いに対して、λ/2(λは振
    動波長)以上平行に離間されている、ことを特徴とする
    圧電共振子。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5いずれかに記載の圧電共
    振子の複数を備え、それらの圧電共振子における電極同
    士をフィルタ回路の構成に接続してなる、ことを特徴と
    するフィルタ。
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