JP2001313537A - 圧電素子とその製造方法 - Google Patents

圧電素子とその製造方法

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JP2001313537A
JP2001313537A JP2000130742A JP2000130742A JP2001313537A JP 2001313537 A JP2001313537 A JP 2001313537A JP 2000130742 A JP2000130742 A JP 2000130742A JP 2000130742 A JP2000130742 A JP 2000130742A JP 2001313537 A JP2001313537 A JP 2001313537A
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Katsuya Mizumoto
勝也 水本
Hiromoto Yuki
宏元 結城
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River Eletec Corp
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学的エッチング方法では打ち抜き等の加工
が困難とされていた水晶の結晶方位を有するLQ2Tカ
ット水晶基板に対して、短時間に精度よく所定形状に加
工することにより、安定したラーメモード振動を実現す
る圧電素子及びこの圧電素子の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 X軸(電気軸)、Y軸(機械軸)、Z軸
(光軸)からなる三次元の結晶軸11を有する水晶原石
10に対して、前記X軸を中心にY軸をZ軸に向けて3
6°〜42°の範囲内のLQ2Tカット角15で傾斜さ
せたY’軸からなるXY’平面で切り出された水晶基板
14に対して、パウダービームでラーメモード振動を行
う形状に打ち抜き加工した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LQ2Tカット水
晶基板でラーメモード振動を行なう圧電素子及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電素子の一つである水晶振動子は、発
振周波数や電気的特性に応じて、水晶原石の結晶軸から
特定の切断方位を選択して板状にカットされて使用され
る。そして、カットされた水晶の基板に対して研削や打
ち抜き等の加工を施して所定形状に形成している。図8
に示すように、水晶原石1の結晶軸は、X軸(電気
軸)、Y軸(機械軸)、Z軸(光軸)からなり、切断方
位は前記各軸が直交した三次元の座標で表される。この
切断方位と切断角にはそれぞれ名前が付けられている。
図に示したのはその代表的なもので、それぞれ振動モー
ドが異なる。振動モードには、厚みすべり振動、屈曲振
動、伸張振動、輪郭すべり振動等があり、このうち、最
も広く利用されている振動モードとしては厚みすべり振
動である。この厚みすべり振動を実現するためには、X
軸を回転軸として、Z軸から約35°15′だけ傾けた
ATカット角3で水晶基板2を切断し、振動部となる部
分を所定形状に加工する必要がある。このようにして製
造された水晶振動子は、一般にATカット厚みすべり水
晶振動子と呼ばれる。このATカット厚みすべり水晶振
動子は広い温度範囲に亙って周波数変化が小さい優れた
周波数温度特性を持つ。
【0003】上記ATカット厚みすべり水晶振動子と同
様な特性を持ちつつ、さらに優れた周波数温度特性を持
ったものに、GTカット幅-長さ縦結合水晶振動子(以
下、GTカット水晶振動子という)がある。このGTカ
ット水晶振動子は、上記図に示したように、X軸を中心
にY軸をZ軸から反時計回りに51°30′(GTカッ
ト角5)傾斜させたY’軸からなるXY’平面をさらに
X軸方向に45°回転したところで切断された水晶基板
4を基にして加工される。
【0004】上記GTカット角5で切り出された水晶基
板4については、ここに加工形成される振動片の形状に
よりラーメモード水晶振動子となることが報告されてい
る(1995年5月18日EMシンポジウム「エッチン
グ法によって形成されたラーメモード水晶振動子」参
照)。水晶基板4から加工して形成される振動片は、実
際にはリード線等に支持、固定される。この振動片の支
持は、等価直列抵抗値の上昇やQ値の低下が生じないよ
うに振動の節点で行ない、接触個所の幅は狭い方が望ま
しい。上記ラーメモード振動は、振動片の形状が方形で
四隅が節点で、隣接する辺の長さの比が1であるとき実
現される。
【0005】このような水晶振動子の製造方法の代表的
なものに、水晶原石1から所定のカット角で切り出した
水晶基板に対して、水晶振動子の形状を型取ったマスク
を被せ、フッ酸等の液体を浸した容器に漬け込み、マス
クした個所以外のところを侵食させて削る化学的エッチ
ング法がある。図8に示したようなカット法で切り出さ
れた水晶基板のほとんどは、この化学的エッチング方法
で加工される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記文献にはラーメモ
ード振動を行なう振動片をY軸に垂直な面からX軸回転
で36°のカット角で切り出された水晶基板4(GTカ
ット基板)から加工されたものが示されている。このG
Tカット基板は、温度特性に優れているが、所定の発振
周波数帯を得るための設計が複雑であることから、理論
計算通りのものが製造しにくいといった問題がある。G
Tカット基板以外にもラーメモード振動に適したカット
基板が存在する。例えば、LQ2Tカットと呼ばれるも
ので、結晶軸のX軸を中心にY軸をZ軸に向けて36°
〜42°の範囲で傾斜させたY’軸からなるXY’平面
で切り出されたものがある。このLQ2Tカット水晶基
板は上記GTカット基板に比べ温度特性は劣るが、所定
形状に精度よく加工できれば理論計算通りの特性が得ら
れやすく、量産性に優れた特徴を持っている。
【0007】加工方法に関しては、一般的には溶液に浸
して不要な部分を厚み方向に侵食させる化学的エッチン
グ法が用いられている。上記GTカット基板は化学的エ
ッチング方法で加工が容易である。しかしながら、水晶
原石にはこの化学的エッチング法に向かない結晶方位が
存在している。これは、X軸あるいはY軸方向で、この
ような方向の加工を行わせようとすると多大な時間を要
する。
【0008】例えば、水晶基板をフッ酸で100μmエ
ッチングする場合、最も早いZ軸方向に加工した場合で
約4時間、最も遅いX軸方向に加工した場合では400
時間以上となるため、このX軸方向の加工は実際には困
難である。このように、エッチング速度は結晶方位によ
り著しく異なる。これは水晶が三方晶系[点群32]に属
し、顕著な異方性を有することに起因する。化学的エッ
チングに適さない具体例としては、図9(a)に示した
ようなX軸を中心にY軸をZ軸に向けて30°〜90°
の範囲で傾斜させたY’軸からなるXY’平面で切り出
された水晶基板(Y板系)や、図9(b)に示したよう
なY軸を中心にX軸をZ軸から時計回りに30°あるい
は反時計回りに30°の範囲で傾斜させたX’軸からな
るX’Y平面で切り出された水晶基板(X板系)であ
る。
【0009】特に、LQ2Tカット角で切り出された水
晶基板は、上記具体例で示したY板系に属しているた
め、非常に加工しずらい結晶方位を持つ。このため、化
学的エッチング方法では、打ち抜き加工の実現が困難で
あった。化学的エッチング方法の他にはサンドブラスト
を用いる方法もあるが、研削剤を被加工物に当てる際
に、研削剤の量や圧力等の細かい条件設定を行なうこと
ができない。このため、精密な加工精度を必要とする振
動子において、μmオーダーでの微細な加工ができなか
った。
【0010】このため、加工精度を上げることで理論計
算通りの特性が得られ、量産性にも優れたLQ2Tカッ
ト基板に対しては、ラーメモード振動を行なう水晶振動
子を製造することが事実上困難であった。
【0011】そこで、本発明の目的は、LQ2Tカット
水晶基板でラーメモード振動を行なう圧電素子及び、化
学的エッチング方法では困難とされていた水晶の結晶方
位に対しても短時間で精度よく所定形状に加工された圧
電素子及び圧電素子の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係る圧電素子は、LQ2Tカッ
ト水晶基板からパウダービームによって打ち抜かれた四
角形状の振動片が、この振動片と一体に打ち抜かれた支
持片に前記振動片の隅から延びる幅狭の支持脚によって
支持され、この振動片の四隅が振動の節点となってラー
メモード振動することを特徴とする。
【0013】この発明によれば、従来の化学的エッチン
グ法ではLQ2Tカット水晶基板の加工が困難であった
が、パウダービームを用いたことで、四角形状の振動片
やこれを支持する支持脚が精密な寸法精度に加工が可能
となった。これによって、理論計算通りの周波数特性で
安定した発振動作を行うことのできるLQ2Tカットラ
ーメモード振動子の実現が可能となる。
【0014】請求項2に係る圧電素子製造方法は、X
軸、Y軸、Z軸からなる三次元の結晶方位を有する水晶
原石に対して、前記各軸を回転軸として所定の角度で切
り出した水晶基板をパウダービームで打ち抜き加工する
ことを特徴とする。
【0015】この発明によれば、従来の化学的エッチン
グ方法では困難とされていた結晶方位に対して精度よく
迅速に切断や打ち抜き加工が行なえる。
【0016】請求項3に係る圧電素子製造方法は、前記
X軸を中心にY軸をZ軸に向けて30°〜90°の範囲
で傾斜させたY’軸からなるXY’平面で切り出された
水晶基板に対して、パウダービームで所定形状に打ち抜
き加工することを特徴とする。
【0017】この発明によれば、Y軸に直交する面のう
ち、特に加工が困難であった、X軸を中心にY軸をZ軸
に向けて30°〜90°の範囲で傾斜させたY’軸から
なるXY’平面から切り出された水晶基板に対して短時
間で精度よく加工が行なえる。
【0018】請求項4に係る圧電素子製造方法は、前記
Y軸を中心にX軸をZ軸から時計回りに30°あるいは
反時計回りに30°の範囲で傾斜させたX’軸からなる
X’Y平面で切り出された水晶基板に対して、パウダー
ビームで所定形状に打ち抜き加工することを特徴とす
る。
【0019】この発明によれば、X軸に直交する面のう
ち、特に加工が困難であった、Y軸を中心にX軸をZ軸
から時計回りに30°あるいは反時計回りに30°の範
囲で傾斜させたX’軸からなるX’Y平面で切り出され
た水晶基板に対して短時間で精度よく加工が行なえる。
【0020】請求項5に係る圧電素子製造方法は、前記
X軸を中心にY軸をZ軸に向けて36°〜42°の範囲
で傾斜させたY’軸からなるXY’平面で切り出された
水晶基板に対して、パウダービームで所定形状に打ち抜
き加工することを特徴とする。
【0021】この発明によれば、Y軸に直交する面のう
ち、特に加工が困難であった、X軸を中心にY軸をZ軸
に向けて36°〜42°の範囲で傾斜させたY’軸から
なるXY’平面で切り出されたLQ2Tカット水晶基板
に対して短時間で精度よく加工が行なえる。また、前記
切り出した水晶基板を振動部と支持部に切り離す抜き加
工が精度よくでるため、理論通りの発振特性を持った振
動子が形成できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
に係る圧電素子及びその製造方法の実施形態を詳細に説
明する。図1はLQ2Tカット角の水晶基板を示す斜視
図、図2はLQ2Tカットラーメモード水晶振動子の平
面図、図3はLQ2Tカットラーメモード水晶振動子の
振動形態を示す作用図、図4は圧電素子を製造する際の
フォトリソグラフィー工程図、図5はパウダービームに
よる打ち抜き加工工程を示す概念図、図6は本発明で使
用されるパウダービーム加工装置の構成図、図7は本発
明による製造方法で製造されたLQ2Tカットラーメモ
ード水晶振動子の周波数温度特性図である。
【0023】本実施例では圧電素子のうち、水晶振動子
を例にとって説明する。図1は一つの水晶原石10にお
ける結晶軸の座標を示したものである。11は結晶軸
で、X,Y,Zの各軸を有し、それぞれ電気軸、機械
軸、光軸と呼ばれている。これらの各結晶軸から所定の
傾きで切断された水晶基板を様々な形状に打ち抜き、特
定の振動モードを持った水晶振動子を形成する。
【0024】本発明のLQ2Tカットラーメモード水晶
振動子20は、X軸を中心にY軸をZ軸に向けて36°
〜42°の範囲で傾斜させたY’軸からなるXY’平面
で切り出された水晶基板14のうち、特に前記水晶基板
14をさらにX軸方向に45°回転して切り出された水
晶基板16に対して切断や打ち抜き加工を施したもので
ある。その形状は図2に示すように、四隅に節点22
a,22b,22c,22dを有する正方形の振動片2
1と、前記4個所の節点22a〜22dのうち対向する
2個所の節点22a,22cを支持する支持脚23a,
23bと、前記支持脚23a,23bに対して一体的に
打ち抜き形成された支持部24とから構成され、支持部
24には一対の電極部25a,25bが形成される。符
号19は打ち抜き加工された空隙部である。
【0025】上記LQ2Tカットラーメモード水晶振動
子20の振動形態を示したものが図3である。振動現象
としては、電極部25a,25bから支持脚23a,2
3bを介して振動片21の各辺28a〜28dに電圧を
加えることで、各辺28a〜28dが図中点線で示した
ように撓む。このような動作を繰り返すことで連続的な
振動が得られる。節点22a〜22dについては撓みが
なく振動幅がゼロであるため、支持部24との結合はこ
の節点22a,22cを介して行われる。そのため、節
点22a,22cと接続される支持脚23a,23bの
幅は狭いほど振動が安定する。
【0026】上記構成のLQ2Tカットラーメモード水
晶振動子20について、例えば、4MHzの発振周波数
を得る場合の各部の寸法は次のようになる。振動片21
は正方形で一辺の長さLは600μm、そして、節点2
2a,22cを支持する支持脚23a,23bの幅は、
前記Lに対して15%以下となる90μm以下にして形
成されると、理論通りの特性を得ることができる。
【0027】このように、LQ2Tカットラーメモード
水晶振動子は、理論的には零温度係数を有し、ATカッ
ト水晶振動子に近い温度特性を持つことが推測されてい
るが、数MHz〜十数MHz帯の実用的な周波数を得る
ためには、上記具体例で示したように、数百μm以下の
精度で振動片21及び支持部24を打ち抜き加工する必
要がある。
【0028】次に、LQ2Tカットラーメモード水晶振
動子20の製造方法を図4及び図5に基づいて説明す
る。ここで使用する水晶基板は、X軸を中心にY軸をZ
軸に向けて36°〜42°の範囲で傾斜させたY’軸か
らなるXY’平面で切り出されたLQ2Tカット水晶基
板である。以下に示すパウダービームによる加工方法は
水晶原石に対してあらゆる角度で切り出された水晶基板
に適用可能であるが、特に、上記図9(a),(b)で
示したような、X軸を中心にY軸をZ軸に向けて30°
〜90°の範囲で傾斜させたY’軸からなるXY’平面
で切り出された水晶基板やY軸を中心にX軸をZ軸から
時計回りに30°あるいは反時計回りに30°の範囲で
傾斜させたX’軸からなるX’Y平面で切り出された水
晶基板のような従来加工が困難とされていたものに有効
である。
【0029】製造工程を大きく分けると図4に示したフ
ォトリソグラフィー工程と、図5に示した打ち抜き工程
とに区別される。前記フォトリソグラフィー工程におい
ては、先ず水晶原石10から所定のカット角で切り出し
た水晶基板30の表面を研磨し、洗浄を行なう(図4
a)。次にシート状のレジスト材31を水晶基板30に
ラミネートし、その上に振動子の形状に型取ったフォト
マスク32を前記レジスト材31に被せる(図4b)。
続いて、フォトマスク32の上から露光し、この後にレ
ジスト材31の現像及び乾燥処理を順に行なう(図4
c)。そしてこの後に水晶基板30の裏面をソーダガラ
ス等の保持用基板33に貼り付ける(図4d)。水晶基
板30と保持用基板33との接合は剥離が可能なシート
を介して行なう。
【0030】図5は上記処理された水晶基板30に対し
て、パウダービーム加工法と呼ばれる方法で所定形状に
打ち抜くようすを示したものである。パウダービーム加
工法とは、微小な粉粒体であるGC(グリーンカーボ
ン)#600〜3000を原料とした研磨材34を高圧
空気中に分散させた高圧空気流を勢いよく噴射させて対
象物を研削するものである。この加工は粉粒体噴射加工
装置(以下、パウダービーム加工装置という)を用いて
行なう。図中35は前記パウダービーム加工装置のノズ
ル部分である。
【0031】図6はパウダービーム加工装置40の構成
を示したものであり、LQ2Tカット水晶基板の加工を
行なうのに好適な全体構成を示している。水晶基板30
の加工は加工室50で行われる。この加工室50内には
ワークホルダ51を介してワークである水晶基板30が
保持されており、このワークホルダ51と対向するよう
にノズル35を配している。ノズル35はアーム53を
介してアクチュエータ54によってスキャンされるよう
になっている。
【0032】加工室50の底部は、管路55を介して分
離装置56と接続されている。そしてこの分離装置56
がフィルタ57を備え、このフィルタ57によって空気
と粉粒体(GC#600〜3000の研磨材34)とを
分離させている。フィルタ57によって分離された空気
は上部に排出されると共に、回収された粉粒体64は蓄
えておいて繰り返し使用できるようになっている。
【0033】分離装置56の下部には開閉弁58が設け
られ、この開閉弁58を介して中間タンク59に接続さ
れている。中間タンク59はその底部にスクリュコンベ
ア60を備え、中間タンク59の底部に溜まった粉粒体
64を図6において右方に押し出すようにしている。
【0034】中間タンク59の底部は接続筒61を介し
て供給タンク62に接続されている。そして、この接続
筒61の底部であって供給タンク62との接続部分に円
錐弁63が配されており、この円錐弁63によって中間
タンク59への粉粒体64の供給を制御するようにして
いる。
【0035】さらに、この装置は空気圧源70を備えて
おり、この空気圧源70にはドライユニット71、流量
センサ72、流量制御部73、分岐ユニット74が直列
に接続されている。
【0036】次に、上記パウダービーム加工装置40の
動作について説明する。空気圧源70から供給される高
圧の空気はドライユニット71、流量センサ72、流量
制御部73、分岐ユニット74を通って混合管75の下
部に供給される。そして、この混合管75内を通る高圧
の空気流によって供給タンク62の底部の供給孔76か
ら押し出される粉粒体64を吸引し、エゼクタ77に供
給する。このエゼクタ77において、分岐ユニット74
から供給される高圧空気中に粉粒体64が混入され、こ
れによって固気2相流65が生成される。このような固
気2相流65が加工室50内のノズル35に供給され
る。
【0037】ノズル35はその先端側にスリット状の噴
射口を有すると共に、ワークホルダ51上の水晶基板3
0の表面に沿って、アクチュエータ54によってアーム
53を介してスキャンしながら水晶基板30の表面の加
工を行なうようにしている。即ち、高圧の空気と粉粒体
64との固気2相流65が勢いよくノズル35の噴射口
から水晶基板30の表面に吹き付けられることによって
研削加工が行われる。
【0038】実際には、図5に示すように、水晶基板3
0上の一端を噴射開始位置としてノズル35の噴射口3
7をセットし、前記噴射口37の長さ方向に対して垂直
方向にスキャンさせながら固気2相流65を吹き付け
る。そして、前記噴射開始位置に対向する水晶基板30
の端部に到達したら、ノズル35を噴射口37の長さ分
ピッチ送りし、前記移動してきた方向と反対方向にスキ
ャンさせながら固気2相流65を吹き付ける。このよう
なスキャンとピッチ送りとを繰り返しながら水晶基板3
0面を研削する。スキャン回数は、研削する水晶基板3
0の厚みに応じて決められるが、一回のスキャンで完全
に打ち抜くよりも数回のスキャンで徐々に打ち抜く方が
切り取った輪郭部にバリが発生せず、きれいに仕上が
る。
【0039】上記加工を終了した水晶基板30は、保持
用基板33から剥し、洗浄、乾燥を経て、図2に示した
ような所定の形状に抜き加工されたLQ2Tカットラー
メモード水晶振動子20が得られる。
【0040】最後にLQ2Tカットラーメモード水晶振
動子20が形成された水晶基板30上に残存するフォト
マスク32を取り除く。なお、詳細な説明は省略する
が、LQ2Tカットラーメモード水晶振動子20の電極
25a,25bを形成する部分にレジストマスクを施
し、エッチングによって金属膜を形成する。
【0041】上記製造方法によって形成されたLQ2T
カットラーメモード水晶振動子20については、設計し
た通りに精度よく加工が行えたため、略理論計算通りの
特性を得ることができた。また、周波数温度特性に関し
ては、図7に示したように、ATカット水晶振動子と略
同様の特性が得られることが確認できた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る圧電
素子であるLQ2Tカットされたラーメモード水晶振動
子によれば、化学的エッチングで加工できない結晶方位
に対して、微細且つ迅速に加工を行うことができたた
め、振動片及び振動片の節点を支持する部分を理論通り
の寸法に加工が可能である。このため、理論計算値に近
い特性を有する水晶振動子が得られる。
【0043】また、パウダービームによる加工方法によ
れば、上記LQ2Tカットされた水晶基板に対して、数
百μm以下の精度でかつ迅速に所定形状の抜き加工する
ことができる。なお、このパウダービームによる加工方
法は、結晶方位に関係なく加工が可能であることから、
上記実施例で示したLQ2Tカットに限らずあらゆるカ
ット法にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用されるLQ2Tカット角の水晶基
板を示す斜視図である。
【図2】本発明のLQ2Tカットラーメモード水晶振動
子の平面図である。
【図3】上記図2のLQ2Tカットラーメモード水晶振
動子の振動形態を示す作用図である。
【図4】本発明の圧電素子を製造する際のフォトリソグ
ラフィー工程を示す工程図である。
【図5】上記フォトリソグラフィー工程を経た水晶基板
に対してパウダービームで打ち抜く工程を示す概念図で
ある。
【図6】本発明の圧電素子を製造するためのパウダービ
ーム加工装置の構成図である。
【図7】本発明のLQ2Tカットラーメモード水晶振動
子の周波数温度特性図である。
【図8】従来の水晶基板の切断方位と切断角を示す水晶
原石の斜視図である。
【図9】従来の化学的エッチング方法における加工が困
難な結晶方位を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 水晶原石 11 結晶軸 14 水晶基板 15 LQ2Tカット角

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LQ2Tカット水晶基板からパウダービ
    ームによって打ち抜かれた四角形状の振動片が、この振
    動片と一体に打ち抜かれた支持片に前記振動片の隅から
    延びる幅狭の支持脚によって支持され、この振動片の四
    隅が振動の節点となってラーメモード振動することを特
    徴とする圧電素子。
  2. 【請求項2】 X軸、Y軸、Z軸からなる三次元の結晶
    方位を有する水晶原石に対して、前記各軸を回転軸とし
    て所定の角度で切り出した水晶基板をパウダービームで
    打ち抜き加工することを特徴とする圧電素子製造方法。
  3. 【請求項3】 前記X軸を中心にY軸をZ軸に向けて3
    0°〜90°の範囲で傾斜させたY’軸からなるXY’
    平面で切り出された水晶基板に対して、パウダービーム
    で所定形状に打ち抜き加工することを特徴とする請求項
    2記載の圧電素子製造方法。
  4. 【請求項4】 前記Y軸を中心にX軸をZ軸から時計回
    りに30°あるいは反時計回りに30°の範囲で傾斜さ
    せたX’軸からなるX’Y平面で切り出された水晶基板
    に対して、パウダービームで所定形状に打ち抜き加工す
    ることを特徴とする請求項2記載の圧電素子製造方法。
  5. 【請求項5】 前記X軸を中心にY軸をZ軸に向けて3
    6°〜42°の範囲で傾斜させたY’軸からなるXY’
    平面で切り出された水晶基板に対して、パウダービーム
    で所定形状に打ち抜き加工することを特徴とする請求項
    3記載の圧電素子製造方法。
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