JP3456213B2 - 矩形状atカット水晶片、水晶振動体および水晶振動子 - Google Patents

矩形状atカット水晶片、水晶振動体および水晶振動子

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JP3456213B2 JP51159795A JP51159795A JP3456213B2 JP 3456213 B2 JP3456213 B2 JP 3456213B2 JP 51159795 A JP51159795 A JP 51159795A JP 51159795 A JP51159795 A JP 51159795A JP 3456213 B2 JP3456213 B2 JP 3456213B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、水晶片、水晶振動体、水晶振動子、および
これを用いた発振器に関し、特に、オーバトーン発振を
行うATカットの矩形状水晶片等に関するものである。さ
らに、これら水晶片、水晶振動体および水晶振動子を形
成するのに好適な製造方法に関するものである。
背景技術 水晶振動子は、水晶単結晶の圧電現象を利用した振動
子であり、非常に安定した周波数の発振源となるため
に、現在多くの分野で使用されている。特に、水晶振動
子および発振器は、通信機器、情報処理装置をはじめ様
々な電子機器分野において基準クロック源などとして利
用されている。そして、このような電子機器の分野で
は、近年、小型化、軽量化、さらに高周波化による動作
速度の高速化が進んでおり、これにともなって小型で軽
量であり、さらに、高周波を安定して発振できる水晶振
動子の実現が急務となっている。
水晶の単結晶から切り出されたATカット水晶片は温度
変化に対し良好な周波数温度特性を有し、また、周波数
経時変化も少ない。このATカット水晶片はX軸方向に長
さl、Y'軸方向に厚みt、Z'軸方向に幅wを備えたX軸
方向に長い矩形状に加工され、シリンダー状などの小型
化された水晶保持器に封止できるので、上記のような良
好な特性を有することも相まって小型で高性能の水晶振
動子を構成する好適な水晶片である。なお、X軸、Y軸
およびZ軸はそれぞれ水晶単結晶の電気軸、機械軸およ
び光軸であり、Y'軸およびZ'軸はX軸まわりに約35゜回
転したときのY軸およびZ軸である。
水晶振動子を用いた発振器を、IC等と同様の実装方法
で回路基板表面に実装することの可能な表面実装デバイ
ス(SMD)として提供するためには、近年のIC等の小型
化に伴い、水晶振動子の直径が略2mm以下で長さが6mm以
下の保持器に格納する必要がある。このような水晶振動
子を構成するためにシリンダー状の水晶保持器に格納可
能で、基本波周波数で発振する水晶片については、第21
回EMシンポジウム(電気学会、電子回路技術委員会の主
催によって1992年5月22日に開催された。予稿集P37〜4
2参照)に発表されたように実現されている。しかし、
基本波周波数で発振する水晶振動子でカバーできる周波
数帯は、概ね17MHz〜40MHzといった低く限られた周波数
帯のみであって、上記の電子機器等の分野で高速化のた
めに要求される40MHzを越えるような高い周波数帯まで
はカバーできない。
ATカット水晶片の厚みtは、周波数に反比例するの
で、基本周波数が40MHzを越えると水晶片の厚みが42μ
m以下となり、加工が困難となる。従って、高周波を発
振する水晶振動子を実現するためには、オーバトーン発
振用の水晶片、およびそれを用いた水晶振動子を実現す
る必要がある。水晶片を上記のような小型の水晶保持器
に格納できるようにするためには、その長さlを5mm程
度以下、幅wを1.5mm程度以下にする必要がある。しか
し、このように小さいATカット水晶片をオーバトーン発
振させると、主振動である厚みすべり振動以外に、主振
動の近傍にスプリアス振動が励起され易い。そして、こ
のようなスプリアス振動と主振動が結合して、5℃〜10
℃の少ない温度変化でも周波数のジャンプなどが発生す
る。このため、上記のような小型の水晶片でもATカット
水晶振動子の特徴である3次曲線の周波数温度特性を、
規定の温度範囲(−20〜+80℃程度)で得られる水晶片
の形状、特に辺比(幅w/厚さt)は見いだされていな
い。
さらに、小型の水晶片を使用した水晶振動体では、主
振動である厚みすべり振動のエネルギー閉じ込めが不十
分となり易いため、等価直列抵抗Rrが悪化するという問
題がある。上記のような小型の水晶片および水晶振動体
に対し、特にオーバトーン発振するものでは、その寸
法、表面加工の表面粗さ、電極の幅、さらに電極の重量
などによる等価直列抵抗Rrへの影響は確認されていな
い。
また、表面の加工状態については、表面粗さを向上さ
せれば等価直列抵抗Rrを低減できることは判っている
が、その反面、等価直列抵抗Rrの値がばらつく現象が見
られる。このため、上記のような小型の水晶片を用いる
場合には、表面の表面粗さを単に向上させたのでは、歩
留りが低下し、性能の良い水晶片を安価に提供できな
い。
そこで、本発明においては、IC等と同様にSMDとして
採用できる程度に小型化、軽量化され、さらに、高周波
を発振可能な水晶片、水晶振動体、および水晶振動子、
さらに、水晶発振器を提供することを目的としている。
このため、長さlが5mm程度以下で、幅wが1.5mm程度以
下でも、良好な温度特性を持ってオーバトーン発振する
水晶片の形状を見いだし、そのような形状の水晶片を提
供することを目的としている。また、このような小型の
水晶片を用いた水晶振動子であっても、低い等価直列抵
抗Rrを備え、実用可能な水晶片、水晶振動体および水晶
振動子を提供することも目的としている。さらに、良好
な温度特性と等価直列抵抗Rrを備えた水晶片、水晶振動
体および水晶振動子を歩留り良く提供できる製造方法を
提供することも目的としている。
発明の開示 上述したような小型で周波数の高い水晶振動子を実現
するために、本願出願人は幾つかの実験および測定を繰
り返すことによって、小さなオーバトーン発振用の水晶
片であって、水晶振動子として要求される所定の温度範
囲内でスプリアス振動との結合のないものを見いだすこ
とができた。それは、3次オーバトーン水晶振動子用の
矩形状ATカット水晶片であって、X軸方向に長さl、Y'
軸方向に厚みt、さらに、Z'軸方向に幅wを有し、この
幅wおよび厚みtによって規定される辺比w/tの範囲
が、8.48±0.05、12.18±0.05、13.22±0.07、14.78±
0.07、および15.57±0.07のいずれかであることを特徴
とする矩形状ATカット水晶片である。
本願出願人は、さらに実験および測定を繰り返すこと
によって、このような水晶片であって、X軸方向に長さ
lを有し、この長さlの範囲が4000〜4700μmであるこ
とを特徴とするもの、また、幅wの範囲が800〜1500μ
mであることを特徴とするものであれば、良好な等価直
列抵抗を備えた水晶振動子を形成可能であることを見い
だした。
さらに、水晶片がエッチング加工された表面を有し、
その表面粗さの最大高さRmaxの範囲が0.2〜0.7μm、好
ましくは0.3〜0.6μmである場合に良好な等価直列抵抗
を得られることも見いだした。従来の水晶片では、表面
を出来るかぎり滑らかにすることによって等価直列抵抗
を低減するようにしていたが、本願出願人は上記のよう
な表面粗さの範囲で、良好な等価直列抵抗が得られると
同時に、極めて歩留りの良い水晶片を得られることを見
いだした。
このような水晶片は、水晶をATカットしたウェハの表
面をラップ加工した後、エッチング加工することにより
製造できる。この際、エッチング加工による片面の減厚
量、すなわち減厚量の半分(以下、エッチング加工量と
呼ぶ)を0.5〜2.5μmとすることが望ましく、また、エ
ッチング加工直前の表面の表面粗さの最大高さRmaxの範
囲を0.3〜0.7μmとすることが望ましい。エッチング加
工直前の表面の仕上げを行うラップ加工において、砥粒
の平均粒径が2.5〜3μmのアルミナ系の研磨材を用い
ることが有効であり、また、エッチング加工において、
エッチング液として10〜30重量パーセントのフッ酸を用
いることができる。
また、水晶片の厚みtを挟んで向かい合う面に形成す
る電極との関係においては、Z'軸に沿った電極の幅Wが
矩形状ATカット水晶片の幅wより狭く、電極の幅W方向
の端および矩形状ATカット水晶片の幅w方向の端の間隔
が、辺比w/tの範囲が8.48±0.05の水晶片については75
〜230μm、好ましくは75〜200μmであるときに良好な
等価直列抵抗と温度特性とが得られることを見いだし
た。また、辺比w/tの範囲が12.18±0.05、13.22±0.0
7、14.78±0.07、および15.57±0.07のいずれかの矩形
状ATカット水晶片については、75〜340μmが好まし
く、75〜200μmがいっそう望ましい。さらに、電極の
蒸着等の製膜量との関係においては、電極の有無による
矩形状ATカット水晶片の周波数の変化量に換算して7000
〜30000ppmである場合に良好な等価直列抵抗が得られる
ことを見いだした。
このような矩形状ATカット水晶片を用いて水晶振動子
を構成すれば、小型、軽量で高周波を発振できる水晶振
動子を提供することが可能となる。水晶片の支持機構と
しては、電極を半田または導電性接着剤によってリード
へ接合し、水晶片のX軸の方向の一端を支持する支持機
構を採用できる。さらに、上記のような範囲の水晶片は
小型で安定した高い周波数の発振が可能なので、直径の
範囲が2.0±0.2mm、長さの範囲が6.0±0.5mmの保持器に
格納できる。水晶保持器はモールド部材によってモール
ドしても良く、また、発振回路を備えた集積回路装置と
共にモールドすることによって基板の表面に実装するの
に好適な水晶発振器を実現できる。
なお、上記のような構成および各要素の範囲は、以下
に述べる発明を実施するための最良の形態において詳し
く開示してある。しかし、本願発明は、請求の範囲に記
載されている通りであり、発明を実施するための最良の
形態に記載された以下の実験例等の水晶片、水晶振動
体、水晶振動子などに限定されるものではない。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の実施例において製造された水晶片の
概要を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施例に係る水晶片、水晶振動体お
よび水晶振動子を製造する工程を示すフローチャートで
ある。
図3は、本発明の実施例に係る水晶振動体の構成を示
す平面図である。
図4は、本発明の実施例に係る水晶振動子の概要を示
す斜視図である。
図5は、図4に示す水晶振動子の内部におけるY'軸方
向から見た構造図である。
図6は、図4に示す水晶振動子の内部におけるZ'軸方
向から見た構造図である。
図7は、辺比Eが12.18近傍の水晶片を用いた水晶振
動子の温度特性をそれぞれ示すグラフである。
図8は、辺比Eが12.18近傍の水晶片を用いた水晶振
動子のスプリアス振動との結合状態を纏めた図である。
図9は、辺比Eが8.48近傍の水晶片を用いた水晶振動
子の温度特性をそれぞれ示すグラフである。
図10は、辺比Eが8.48近傍の水晶片を用いた水晶振動
子のスプリアス振動との結合状態を纏めた図である。
図11は、辺比Eが15.57近傍の水晶片を用いた水晶振
動子の温度特性をそれぞれ示すグラフである。
図12は、辺比Eが15.57近傍の水晶片を用いた水晶振
動子のスプリアス振動との結合状態を纏めた図である。
図13は、辺比Eが13.22近傍の水晶片を用いた水晶振
動子のスプリアス振動との結合状態を纏めた図である。
図14は、辺比Eが14.78近傍の水晶片を用いた水晶振
動子のスプリアス振動との結合状態を纏めた図である。
図15は、上記に示した辺比の水晶片を用いた水晶振動
子でカバーできる周波数範囲を示す図である。
図16は、水晶片の長さlと、等価直列抵抗Rrとの関係
を示すグラフである。
図17は、水晶片の幅wと、等価直列抵抗Rrとの関係を
示すグラフである。
図18は、辺比Eが12.18の水晶片のエッチング後の表
面の表面粗さと、等価直列抵抗Rrとの関係を示すグラフ
である。
図19は、辺比Eが8.48の水晶片のエッチング後の表面
の表面粗さと、等価直列抵抗Rrとの関係を示すグラフで
ある。
図20は、辺比Eが15.57の水晶片のエッチング後の表
面の表面粗さと、等価直列抵抗Rrとの関係を示すグラフ
である。
図21は、ポリッシング後にエッチングした水晶片に係
る等価直列抵抗Rrの値のばらつきと、ラップ後にエッチ
ングした水晶片に係る等価直列抵抗Rrの値のばらつきと
を比較して示す図である。
図22は、エッチング加工量と、水晶片の表面の表面粗
さとの関係を示すグラフである。
図23は、エッチング加工量と、等価直列抵抗Rrとの関
係を示すグラフである。
図24は、辺比Eが12.18の水晶片であって、間隔Dを
変えた場合の水晶振動子の温度特性をそれぞれ示すグラ
フである。
図25は、辺比Eが8.48の水晶片であって、間隔Dを変
えた場合の水晶振動子の温度特性をそれぞれ示すグラフ
である。
図26は、辺比Eが15.57の水晶片であって、間隔Dを
変えた場合の水晶振動子の温度特性をそれぞれ示すグラ
フである。
図27は、電極と水晶片の端との間隔Dと、等価直列抵
抗Rrとの関係を示すグラフである。
図28は、電極を蒸着する際の周波数の変化量と、等価
直列抵抗Rrとの関係を示すグラフである。
図29は、水晶振動子を樹脂によってモールドした水晶
振動子の概要を一部欠いて示す説明図である。
図30は、水晶振動子と発振用回路を具備したICとを樹
脂によってモールドした水晶発振器の断面図である。
発明を実施するための最良の形態 水晶振動子の製造工程 図1に、本発明に係る水晶片1の概要を示してある。
本例の水晶片1は、水晶の単結晶から切り出され、矩形
状に加工された矩形状ATカット水晶片であり、図示した
座標系XY'Z'軸を備えており、X軸に沿って長さl、Y'
軸に沿って厚みt、Z'軸に沿って幅wを取ってある。
図2に、本発明に係る水晶片、水晶振動体および水晶
振動子を製造する工程を示してある。まず、工程11で、
水晶の単結晶を所定の角度(ATカット)でウェハ状に切
断する。次に、工程12においてウェハの表面を粒度が#
1500程度の炭化珪素質研磨材を用いて粗ラップ加工を行
う。さらに、工程13において、砥粒の平均粒径が2.5〜
3μmのアルミナ系研磨材を用いて仕上げのラップ加工
を行う。この仕上げラップ加工によってウェハの表面を
表面粗さの最大高さRmaxが0.7μm以下となるようにす
る。本明細書における表面粗さの最大高さRmaxは、ラン
クテーラーホブソン社製の表面粗さ測定機「タリサーフ
6」を用いて測定された値である。
なお、本例の水晶片1の表面を仕上げるにあたり、従
来のようなポリッシング剤を用いたポリッシング加工は
行っていない。また、必要に応じて工程12と13との間で
粒度が#3000程度の炭化珪素質研磨材を用いた中間ラッ
プ加工を行っても良い。
次に、工程14でラップ加工された複数のウェハを相互
に貼付け、これらのウェハを所定の辺比、あるいは長さ
となるようにカットして所定の寸法の水晶片を製造す
る。まず、工程15でウェハをX軸に垂直な面で切るX切
断を行う。そして、工程16および17において、上述した
工程12および13と同じ条件で切断した面のラップ加工を
行う。X軸に垂直な面のラップ加工が終わると、工程18
においてウェハをZ軸に垂直な面で切るZ切断を行う。
さらに工程19および20において切断した面のラップ加工
を上述した工程と同様に行う。
単結晶から切断された状態のウェハは一辺は数十mm程
度なのに対し、このウェハを所定の寸法の水晶片となる
ように切断した端面は非常に小さい。このため、切断さ
れた複数のウェハを蜜蝋によって接着したのち切断し、
その端面のラップ加工を行うことによって、面積の小さ
な水晶片の切断面に対しても所定の表面粗さが得られる
ようにしている。
端面のラップ加工を終えると、工程21でそれぞれの水
晶片を剥離し、工程22で洗浄する。水晶片の長さlおよ
び幅wは、測定精度のレンジが1μmのダイヤルゲージ
を用いて測定され、この測定に用いられるダイヤルゲー
ジは測定の度に標準ブロックを用いて目盛りを較正した
後に使用される。また、厚みtは、水晶片を素板発振器
を用いて電極を付けずに発振させ、その周波数によって
測定する。すなわち、厚みtは、以下の式によって測定
された周波数から求められる。
t=3×C/f ・・・(1) ここで、Cは基本波の周波数定数であり、1670μm・MH
zである。また、fは水晶片の3次オーバトーンの発振
周波数(MHz)である。なお、発振周波数は1kHzの桁ま
で測定し、厚みt(μm)を求めている。
本例では、上記のような工程によって直径2mm程度で
長さが6mm程度のシリンダー状の保持器に格納可能な水
晶片を形成するようにしている。このため、水晶片を支
持するベースの寸法も考慮し水晶片の長さlの上限を47
00μm、また、保持器の内径を考慮し幅wの上限を1500
μmとしている。
次に、工程23においてそれぞれの水晶片のエッチング
を行う。この際、本例では10〜30重量パーセントのフッ
酸をエッチング液として用いている。エッチングを行う
ことによってラップ加工による歪みおよび加工変質層を
除去できる。
さらに、工程24において厚みtを挟んだ両面、すなわ
ち、XZ'面に電極材を蒸着、またはスパッタリング等に
よって製膜する。本例では、クロム、ニッケル、銀、金
あるいはこれらを積層させることによって電極を形成す
る。図3に、水晶片1に電極が蒸着された水晶振動体5
の概要を示してある。本例の水晶振動体では、水晶片1
の表面の略中央に水晶片1の長手方向に沿って延びた略
長方形で幅Wの励振電極2を形成してある。さらに、接
続電極3が、励振電極2から水晶片1の長手方向の一方
の角1aに向かって形成されており、これと隣接する角1b
には、水晶片1の反対側の面に形成された励振電極と繋
がった接続電極3が形成されている。
水晶片1の表面に製膜された電極の長手方向に延びた
端2aと、水晶片1の長手方向に延びた端1cとの間隔Dが
所定の値となるように電極の製膜時に制御されており、
また、電極の製膜量も水晶片1の発振周波数をモニター
することによって制御されている。これについても以下
でさらに詳しく説明する。
次に、工程25で水晶振動体を支持する機構と、電極へ
電流を供給する機能とを兼ねたリードを接続電極に取り
付ける。リードは半田付けによって電極に接続しても良
く、銀フィラー入りのエポキシ、ポリイミド系などの導
電性接着剤を用いて接続しても良い。
工程26で、電極上に微量の銀を堆積したり、あるいは
電極の表面を除去することによって水晶振動体の発振周
波数の最終的な調整を行う。次に、工程27で真空チェン
バー内で、吸着ガスが放出するように水晶振動体を加熱
しながらシリンダー状の保持器に挿入し、真空封止する
ことによって水晶振動子を作成する。真空封止する代わ
りに、不活性気体を保持器内に封止してももちろん良
い。
図4に水晶振動子の概要を示し、図5および図6に水
晶振動子の断面を示してある。本例の水晶振動子10は、
シリンダー状の保持器9を備えており、その直径は2.0
±0.2mm、長さは6.0±0.5mmとなっている。この保持器
9の内部に水晶振動体5が封止されており、接続電極3
の各々にリード4が接続されている。リード4は、ベー
ス6を介して保持器9の外側に導かれており、リード4
を介して水晶振動体5に電力を供給し発振できるように
なっている。
このようにして、本発明に係る3次オーバトーン水晶
振動子は組み立てられ、工程28で最終的に周波数、振動
時の抵抗値である等価直列抵抗Rr、さらに、温度による
発振周波数および等価直列抵抗の変化である温度特性な
どの検査を行う。
温度特性 ATカット水晶片には多くの振動モードがあり、矩形状
のATカット水晶片の厚みすべりモードが主振動である。
従って、他のモード、例えば面すべり、屈曲モードによ
る振動はスプリアス振動となるので、動作温度範囲内で
これらの振動を回避できる辺比を求めることが重要であ
る。各モードの周波数は計算によって予測することがで
きる。しかし、水晶片の形状や、寸法によって、計算で
は予見できないスプリアス振動との結合が存在する。特
に、上記にて製造したような小型の矩形状ATカット水晶
片について、3次オーバトーン発振させる水晶片として
実用可能な辺比E(幅w/厚みt)は見いだされていな
い。そこで、本願出願人は、上記の製造方法にて様々な
寸法の水晶片を作成し実験を繰り返すことによって、動
作温度範囲内でスプリアス振動との結合のない辺比Eを
見いだした。
(実験例1) 図7に、辺比Eを12.18近傍として周波数fが3次オ
ーバトーンの55.0MHzで発振するように上記の製造方法
で作成した水晶振動子の温度特性を示してある。水晶片
の長さlは4200μmであり、幅wは1100μm近傍で、周
波数fとなるように以下の式の関係に従って調整してあ
る。
w=E×(3×C/f) ・・・(2) 図7(b)は辺比Eが12.18の水晶片を用いた水晶振動
子の温度特性を示してある。水晶振動子の周波数の温度
特性はATカット特有の安定した3次曲線を描き、−45℃
から+95℃の範囲で他の振動モード、すなわちスプリア
ス振動との結合は見られない。また、等価直列抵抗Rrも
略40Ωと低い値に安定しており、これからもスプリアス
振動との結合は見られない。なお、等価直列抵抗Rr、お
よび以下の式に示す25℃を基準とする周波数変化量(以
下において周波数偏差と呼ぶ)の温度特性はサンダース
社のシステム2100測定器を用いて測定している。以下の
測定においても同様である。
周波数偏差=(fT−f25)/f25 ・・・(3) ここで、fTはある温度における周波数、f25は25℃にお
ける周波数を示す。
図7(a)に辺比Eが12.13の水晶片を用いた水晶振
動子の温度特性を示し、図7(c)に辺比が12.23の水
晶片を用いた水晶振動子の温度特性を示す。これらは上
記と同様に製造され、同じ方法によって測定された。辺
比が12.13の水晶振動子の温度特性を見ると、−25℃近
傍にスプリアス振動との結合が見られ、辺比が12.23の
水晶振動子では、95℃近傍にスプリアス振動との結合が
見られる。そして、これらの辺比の範囲内では、水晶振
動子として要求される動作温度範囲(−20〜+80℃)で
はスプリアス振動との結合は見られず、安定した発振を
得られることが判る。
図8に、本願出願人がこのような方法により、辺比が
12.18近傍の水晶片を用いた水晶振動子の温度特性を測
定し、スプリアス振動との結合が現れる様子を纏めてあ
る。図中、スプリアス振動との結合が見られる範囲は実
線で示してある。本図で判るように、本願出願人の実験
によって、水晶振動子の動作温度範囲である−20℃〜+
80℃の範囲で、スプリアス振動との結合のない領域を見
いだすことができた。その範囲は、本図に一点鎖線で示
してあるように、辺比Eが12.18±0.05の範囲である。
(実験例2) 図9に、辺比Eを8.48近傍として周波数fが3次オー
バトーンの41.667MHzで発振するように上記の製造方法
で作成した水晶振動子の温度特性を示してある。本例の
水晶片の長さlは4200μmであり、幅wは1020μm近傍
で、上記の例と同様に所定の周波数を得られるように調
整してある。図9(b)は辺比Eが8.48の水晶片を用い
た水晶振動子の温度特性を示してあり、周波数偏差およ
び等価直列抵抗Rrの値からも−45℃から+95℃の範囲で
他の振動モード、すなわちスプリアス振動との結合は見
られない。等価直列抵抗Rrも略50Ω以下と低い値に安定
している。
図9(a)に辺比Eが8.43の水晶片を用いた水晶振動
子の温度特性を示し、図9(c)が辺比が8.53の水晶片
を用いた水晶振動子の温度特性を示す。これらは上記と
同様に製造され、同じ方法によって測定されたものであ
る。辺比が8.43の水晶振動子の温度特性を見ると、−25
℃近傍にスプリアス振動との結合が見られ、辺比が8.53
の水晶振動子では、80℃を越えたあたりでスプリアス振
動との結合が見られる。そして、これらの辺比の範囲内
では、水晶振動子として要求される動作温度範囲(−20
〜+80℃)でスプリアス振動との結合は見られず、安定
した発振を得られることが判る。
図10に、本願出願人がこのような方法により、辺比が
8.43近傍の水晶片を用いた水晶振動子の温度特性を測定
し、スプリアス振動との結合(図中に実線で示す)が現
れる様子を纏めてある。本図で判るように、本願出願人
の実験によって、水晶振動子の動作温度範囲である−20
℃〜+80℃の範囲で、スプリアス振動との結合のない領
域を見いだすことができた。その範囲は、本図に一点鎖
線で示してあるように、辺比Eが8.48±0.05の範囲であ
る。
(実験例3) 図11に、辺比Eを15.57近傍として周波数fが3次オ
ーバトーンの71.730MHzで発振するように上記の製造方
法で作成した水晶振動子の温度特性を示してある。水晶
片の長さlは4200μmであり、幅wは1080μm近傍で、
上記の例と同様に規定の周波数が得られるように調整し
てある。図11(b)は辺比Eが15.57の水晶片を用いた
水晶振動子の温度特性を示してあり、周波数偏差および
等価直列抵抗Rrの値からも−45℃から+95℃の範囲で他
の振動モード、すなわちスプリアス振動との結合は見ら
れない。等価直列抵抗Rrも略40Ω程度と低い値に安定し
ている。
図11(a)に辺比Eが15.50の水晶片を用いた水晶振
動子の温度特性を示し、図11(c)に辺比が15.64の水
晶片を用いた水晶振動子の温度特性を示す。これらは上
記と同様に製造され、同じ方法によって測定されたもの
である。辺比が15.50の水晶振動子の温度特性を見る
と、−30℃近傍にスプリアス振動との結合が見られ、辺
比が15.64の水晶振動子では、90℃を越えたあたりでス
プリアス振動との結合が見られる。そして、これらの辺
比の範囲内では、水晶振動子として要求される動作温度
範囲(−20〜+80℃)ではスプリアス振動との結合は見
られず、安定した発振を得られることが判る。
図12に、本願出願人がこのような方法により、辺比が
15.57近傍の水晶片を用いた水晶振動子の温度特性を測
定し、スプリアス振動との結合(図中に実線で示す)が
現れる様子を纏めてある。本図で判るように、本願出願
人の実験によって、水晶振動子の動作温度範囲である−
20℃〜+80℃の範囲で、スプリアス振動との結合のない
領域を見いだすことができた。その範囲は、本図に一点
鎖線で示してあるように、辺比Eが15.57±0.07の範囲
である。
(実験例4) 図13に、辺比Eが13.22近傍で、長さlが4200μm、
幅wが1100μm近傍で周波数fが3次オーバトーンの6
0.0MHzで発振するように調整した水晶振動子を上記の方
法で製造し、その温度特性を上記の例と同様に測定した
結果を纏めてある。本図で判るように、この辺比Eにお
いても、本願出願人の実験によって、水晶振動子の動作
温度範囲である−20℃〜+80℃の範囲で、スプリアス振
動との結合のない領域を見いだすことができた。その範
囲は、本図に一点鎖線で示してあるように、辺比Eが1
3.22±0.07の範囲である。
(実験例5) 図14に、辺比Eが14.78近傍で、長さlが4200μm、
幅wが1110μm近傍で周波数fが3次オーバトーンの6
6.667MHzで発振するように調整した水晶振動子を上記の
方法で製造し、その温度特性を上記の例と同様に測定し
た結果を纏めてある。本図で判るように、この辺比Eに
おいても、本願出願人の実験によって、水晶振動子の動
作温度範囲である−20℃〜+80℃の範囲で、スプリアス
振動との結合のない領域を見いだすことができた。その
範囲は、本図に一点鎖線で示してあるように、辺比Eが
14.78±0.07の範囲である。
以上のように、本願出願人の実験によって、上記のよ
うな製造方法により3次オーバトーン用の水晶片を小型
化した場合であっても、スプリアス振動との結合のない
幾つかの辺比E、およびその範囲を見い出すことができ
た。
図15に、これらの辺比Eを備えた水晶片であって、本
例においては直径2mmのシリンダー状保持器に格納可能
な範囲の水晶片を用いた水晶振動子によってカバーでき
る周波数範囲を示してある。本図にて判るように、本願
にて動作温度範囲内でスプリアス振動との結合が見られ
ないことを確認した5つの辺比(8.48、12.18、13.22、
14.78、15.57)を備えた水晶片であって、幅wが800〜1
500μmのものを用いれば、略30〜90MHzを越えた、高周
波を含めた広い範囲の発振周波数を漏れなくカバーでき
る。
形状による等価直列抵抗Rrへの影響 上記の実験によって、小型のATカット矩形水晶片を用
いてオーバトーン発振できる辺比の範囲を見いだせた。
そこで、このような水晶片を用いた水晶振動子をデバイ
スとして実用化する上で重要な等価直列抵抗Rrを低減で
きる形状、その他の要素に関する幾つかの実験を行っ
た。
(実験例6) 図16に、長さlの異なる水晶片を上記のように製造
し、これを用いた水晶振動子の等価直列抵抗Rrの測定結
果を纏めてある。本図には、辺比Eとして、比較的低い
周波数(f=41.667MHz)用の8.48、中間の周波数(f
=55.0MHz)用の12.18、さらに、高い周波数(f=71.7
30)用の15.57を備えた水晶片を用いた場合を代表して
示してある。なお、各水晶片の幅wは発振周波数に合わ
せて調整してある。
水晶振動子としては等価直列抵抗Rrの値を60Ω程度以
下となるように設計するのが一般的である。図16にて判
るように、辺比Eが15.57の水晶片を用いた場合では、
水晶片の長さlが3000μm以下であれば良い。また、辺
比Eが12.18の水晶片を用いた場合では、水晶片の長さ
lが3500μm以上であれば良い。さらに、辺比Eが8.48
の水晶片を用いた場合では、水晶片の長さlが4000μm
以上であれば良い。従って、上記の実験例1〜5によっ
て見いだされた辺比を備えた水晶片のいずれであって
も、その長さlが4000μm以上とすれば、良好な等価直
列抵抗Rrを示す水晶片を提供することができる。
なお、水晶片の長さlは、長さ6mm程度のシリンダー
状保持器に格納すると言う観点から4700μm程度以下と
することが望ましい。
(実験例7) 図17に、幅wの異なる水晶片を上記のように製造し、
これを用いた水晶振動子の等価直列抵抗Rrの測定結果を
纏めてある。本図には、辺比Eとしては、比較的低い周
波数用の8.48、中間の周波数用の12.18、さらに、高い
周波数用の15.57を備えた水晶片を用いた場合を代表し
て示してある。また、各水晶片の長さlは4200μmであ
る。
図17にて判るように、辺比Eが15.57、および辺比E
が12.18の水晶片を用いた場合では、水晶片の幅wが700
μm以上であれば、等価直列抵抗Rrは60Ω以下と良好な
値を示す。また、辺比Eが8.48の水晶片を用いた場合で
は、幅wが800μm以上で等価直列抵抗Rrは60Ω以下と
良好な値を示す。従って、上記の実験例1〜5によって
見いだされた辺比を備えた水晶片のいずれであっても、
その幅wが800μm以上とすれば、良好な等価直列抵抗R
rを提供することができる。
なお、水晶片の幅wは、直径2mm程度のシリンダー状
保持器に格納すると言う観点から1500μm程度以下とす
ることが望ましい。
表面粗さによる等価直列抵抗Rrへの影響 (実験例8) 図18に、エッチングが終了した状態で表面粗さの異な
る水晶片を製造し、これらを用いた水晶振動子の等価直
列抵抗Rrの測定結果を纏めてある。水晶片の辺比Eは1
2.18、幅wは3次オーバトーン周波数が55.0MHzとなる
ように調整してある。また、各水晶片の長さlは4200μ
mである。図18に示した表面粗さは、上記で説明した製
造工程の工程23のエッチング後の表面の粗さであり、最
大高さRmaxを測定して水晶片の表面の状態を確認してい
る。なお、最大高さRmaxが0.1μmの水晶片において
は、上記で説明した工程と異なり、エッチング前にポリ
ッシング工程を入れ、水晶片の表面を従来と同様にポリ
ッシング仕上げしてある。また、図18には、等価直列抵
抗Rrの平均値(図面上に黒い丸印で示す)と、測定値の
ばらつき(図面上に実線で示す)を示してある。
本図で判るように、ポリッシング仕上げしたのでは、
等価直列抵抗Rrの平均値は低くても、水晶片によってば
らつきが大きく、等価直列抵抗Rrが60Ωを越えてしまう
場合も多い。これに対し、上述したようなラップ工程に
よって仕上げた場合は、水晶片による等価直列抵抗Rrの
値のばらつきは小さい。そして、エッチングされた面の
表面粗さの最大値Rmaxが0.2〜0.7μmであれば、等価直
列抵抗Rrは、水晶片毎にばらつく範囲も含めて略60Ω以
下と良好な値を示す。さらに、エッチングされた面の表
面粗さの最大値Rmaxが0.3〜0.6μmであれば、等価直列
抵抗Rrは、水晶片毎にばらつく範囲も含めて60Ω以下と
非常に良好な値を示す。
(実験例9) 図19に、実験例8と同様の測定を辺比Eが8.48、幅w
は3次オーバトーン周波数が41.667MHzとなるように調
整された水晶片を用いた水晶振動子に対し行った結果を
纏めてある。なお、各水晶片の長さlは4200μmであ
る。
本図で判るように、この実験例においても、ポリッシ
ング仕上げした場合は等価直列抵抗Rrの平均値は低くて
も、水晶片によってばらつきが大きく、等価直列抵抗Rr
が60Ωを越えてしまうものが多い。これに対し、上述し
たようなラップ工程によって仕上げた場合は、水晶片に
よる等価直列抵抗Rrの値のばらつきは小さい。エッチン
グされた面の表面粗さの最大値Rmaxが0.2〜0.7μmであ
れば、等価直列抵抗Rrは、水晶片毎にばらつく範囲も含
めて略60Ω程度と良好な値を示す。さらに、エッチング
された面の表面粗さの最大値Rmaxが0.3〜0.6μmであれ
ば、等価直列抵抗Rrは、水晶片毎にばらつく範囲も含め
て60Ω以下と非常に良好な値を示す。
(実験例10) 図20に、実験例8と同様の測定を辺比Eが15.57、幅
wは3次オーバトーン周波数が71.730MHzとなるように
調整された水晶片を用いた水晶振動子に対し行った結果
を纏めてある。なお、各水晶片の長さlは4200μmであ
る。
本図で判るように、この実験例においても、ポリッシ
ング仕上げした場合は等価直列抵抗Rrの平均値は低くて
も、水晶片によってばらつきが大きく、等価直列抵抗Rr
が60Ωを越えてしまうものが多い。これに対し、上述し
たようなラップ工程によって仕上げた場合は、水晶片に
よる等価直列抵抗Rrの値のばらつきは小さい。エッチン
グされた面の表面粗さの最大値Rmaxが0.2〜0.7μmであ
れば、等価直列抵抗Rrは、水晶片毎にばらつく範囲も含
めて略60Ω以下と良好な値を示す。さらに、エッチング
された面の表面粗さの最大値Rmaxが0.3〜0.6μmであれ
ば、等価直列抵抗Rrは、水晶片毎にばらつく範囲も含め
て60Ω以下と非常に良好な値を示す。
このような本願出願人の行った実験によって、等価直
列抵抗Rrの値自体が小さく、また、水晶片毎にこの値Rr
のばらつきも少ないといった高性能で、さらにその性能
の安定した水晶振動子を得るためには、水晶片の表面を
できるかぎり滑らかに仕上げるのではなく、上記にて得
られたような範囲の一定の粗さに仕上げることが望まし
いことが見いだされた。
従来、比較的小型の水晶片、特にオーバトーン振動す
る水晶片を製造するときは、水晶片の表面における振動
の乱反射を抑制し、励振効率を向上させるという点か
ら、ポリッシング加工を行い、できるかぎり表面粗さを
小さくするようにしていた。従って、水晶片の表面の表
面粗さは、最大高さRmaxで0.2あるいは0.1μm以下に仕
上げられていた。特に、水晶片が小型化されると振動の
漏れが起きやすいので、ポリッシング加工が必須と考え
られていた。
ポリッシング加工は高価なポリッシング剤を用いて手
間、およびコストのかかる作業である。さらに、ポリッ
シュすることによって表面粗さは減少しても、表面の平
坦度を確保することは難しく、表面にうねりが生ずる。
ポリッシング加工はこのように熟練を必要とする作業で
あり、ポリッシング加工された水晶片は、ポリッシュさ
れた平面が相互に密着すると剥がれずらく、ポリッシュ
された表面は些細なことで傷がつき表面粗さが劣化する
などといった取扱い難さもある。
これに対し、本発明では、ラップ加工で仕上げすれば
良く、水晶片の表面を表面粗さの最大高さRmaxが0.2〜
0.7μm、望ましくは0.3〜0.6μmとすれば、等価直列
抵抗Rrの低い水晶振動子を得られると同時に、水晶片毎
のばらつきの少ない、すなわち、歩留りの良い水晶振動
子が得られる。そして、このような高性能で歩留りの良
い水晶振動子を形成する水晶片を製造する際に、ポリッ
シング加工をする必要はないので、水晶片、特に小型の
水晶片を作成する上で費用と手間、さらに熟練を必要と
していたポリッシング加工の工程を省き、安価に高性能
の水晶振動子を提供することができる。
図21に、実験例8で測定した辺比Eが12.18の水晶片
を用いた水晶振動子の等価直列抵抗Rrの分布状態を拡大
して示してある。ポリッシング加工した表面をエッチン
グして表面粗さの最大高さが0.1μm程度とした場合
は、等価直列抵抗Rrの平均は38Ωと低いものの、等価直
列抵抗Rrの最大値は100Ω程度となる水晶振動子もあ
る。これに対し、ラッピング加工した表面をエッチング
して表面粗さの最大高さが0.4μm程度として場合は、
等価直列抵抗Rrの平均は40Ωと良好な値を示し、さら
に、等価直列抵抗Rrの最大値も50Ω程度と良好である。
ポリッシング加工した水晶片は厚みに大きな分布がで
きるので、エッチングによって周波数を調整する必要が
ある。また、ポリッシング加工した表面は、剥離工程、
洗浄工程、乾燥工程で汚れや傷が付き易い。そのため、
そのような表面をエッチングすると汚れた部分がエッチ
ングされずにピットとして残る、いわゆるエッチピット
が発生する。また、傷などが拡大され、不均一な凹凸を
持った表面となる。その結果、等価直列抵抗Rrが大きく
なる。
これに対し、ラップ加工の後、エッチング加工を行う
と、Rmaxが小さく、かつ、均一な表面粗さが得られる。
このため、等価直列抵抗Rrのばらつきは少なく、歩留り
の良い水晶片を得ることができる。このことは、水晶片
に限らず、素子の表面での振動を反射させ閉じ込める他
のセラミック共振子などにおいても同様である。
ラップ加工された水晶片はポリッシング加工された水
晶片よりも厚み分布が小さいので、周波数分布も小さく
なる。ラップ加工の場合にはエッチングしても等価直列
抵抗がばらついたりしないのでラップ加工された水晶片
を共振周波数ごとに分類し、各分類ごとにエッチング時
間を決めてエッチングすることにより周波数をさらに狭
い範囲に押さえこむことができる。
(実施例11) 図22に、ラップ仕上げした水晶片をエッチングする際
に、エッチング加工量に伴う表面粗さの変化を示してあ
る。また、図23に、エッチング加工量に伴う等価直列抵
抗Rr値の変化を示してある。なお、水晶片の辺比Eは1
2.18であり、幅wは周波数55.0MHzで発振するように調
整してある。また、水晶片の長さlは4200μmである。
なお、図22および図23には、エッチングを行う直前の表
面粗さが、最大高さRmaxが1.2μmの水晶片A、0.7μm
の水晶片B、および、0.4μmの水晶片Cの表面粗さの
変化および等価直列抵抗Rrの変化を示してある。また、
等価直列抵抗Rrの値は複数の測定の平均値を示してあ
る。エッチング液は先に説明したように10〜30重量パー
セントフッ酸を用いている。
図22で判るように、エッチング加工量が0.5μm程度
までは急激に表面粗さの最大高さRmaxは低下し、加工変
質層の表面のラップ加工によって最も荒らされている部
分がエッチングによって削られていることが推測され
る。エッチング加工量が0.5〜2.5μmの間は、表面粗さ
に大きな変化は見られず、安定した構造の加工変質層が
エッチングによって減少していると考えられる。これに
対し、エッチング加工量が2.5μmを越えると表面粗さ
の最大高さRmaxは増加している。これは、水晶単結晶の
異方性によりエッチング速度が方向によって異なる影響
が表れていると考えられる。このエッチング速度の異方
性によって、水晶片の表面に大きな凹凸が発生し、これ
によりRmaxが増加していると判断される。
図23に示した等価直列抵抗の変化も、図22に示した表
面粗さの最大高さRmaxと略同じ傾向を見せる。すなわ
ち、エッチング加工量が0.5μmまでは等価直列抵抗Rr
は急激に減少し、エッチング加工量が0.5〜2.5μmの間
は等価直列抵抗Rrに大きな変化は見られない。そして、
エッチング加工量が2.5μmを越えると、等価直列抵抗R
rの増加傾向は顕著となる。このように、本実験によっ
て、低く安定した等価直列抵抗Rr値を備えた水晶片を得
るためにはラップ加工後のエッチング加工量を0.5〜2.5
μmとするのが良いことが判る。エッチング加工による
片面の減厚量をこの範囲に収めれば、水晶片をラップ加
工したり切断したりする際に形成された加工変質層の構
造的に安定した部分が水晶片の表面に現れ、良好な等価
直列抵抗Rrを得られるものと考えられる。
さらに、図23で判るように、良好な60Ω以下の等価直
列抵抗Rr値を得るためには、本図に示した水晶片ではエ
ッチング前の表面粗さの最大高さRmaxを0.7μm以下と
しておくことが望ましい。また、ラップ加工により仕上
げられる表面粗さの程度を考慮すると、良好な等価直列
抵抗Rrを備えた水晶片を製造するためには、エッチング
前の水晶片の表面粗さの最大高さRmaxは0.3〜0.7μmの
範囲とすることが望ましいことが本実験で見いだせた。
なお、水晶片の表面粗さを上記の範囲にラップ加工する
ために、本例では、砥粒の平均粒径が2.5〜3.0μmのア
ルミナ系研磨材を用いた。
電極による影響 水晶片に電極を形成し、良好な特性を持った水晶振動
体とするためには、電極の大きさや、膜厚を適当に選定
することが重要である。電極が小さいとエネルギーの閉
じ込めが不足となり等価直列抵抗Rrが増加することにな
るし、一方、電極を水晶片の端部にまで形成すると端部
のスプリアス振動を誘起することになり、温度特性が劣
化したり、等価直列抵抗Rrが増加する原因となる。特
に、本例のような小型で、3次オーバトーンで振動する
水晶片については、電極の大きさ、厚みと等価直列抵抗
Rrとの関係は調べられていない。
(実験例12) 図24に、辺比が12.18、幅wが1109μm、さらに長さ
lが4200μmで55.0MHzの水晶片を上記の方法にて製造
し、これに異なった大きさの電極を蒸着した場合の温度
特性を示してある。先に図3に基づき説明したように、
電極を水晶片の両面に形成する。そして、本例では、電
極はクロムと銀を蒸着することによって形成しており、
水晶片の幅方向の端と電極の幅方向の端との間隔Dの異
なったサンプルを幾つか作成し、それを用いて水晶振動
子としたものの温度特性をサンダース社製の測定器シス
テム2100を用いて測定した。
図24(b)に示すように、間隔Dが100μmの場合
は、周波数偏差は測定した全ての温度範囲で安定してお
り、ATカット水晶振動子の特性である3次曲線を描いて
いる。また、等価直列抵抗Rrも全ての温度範囲で安定し
ており、その値も40Ω近傍と良好である。
これに対し図24(a)に示すように、間隔Dが350μ
mの場合は、周波数偏差、等価直列抵抗Rrとも測定した
温度範囲全体に渡って不安定である。この現象は、電極
の面積が小さいためにエネルギーの閉じ込めが不足して
いるために起きていると考えられる。一方、図24(c)
に示すように、間隔Dが50μmの場合は、80℃近傍にス
プリアス振動との結合が見られる。
図27に、間隔Dを50から350μmまで変えて測定した
等価直列抵抗Rrの−20〜+80℃での最大値を纏めてあ
る。本例の辺比Eが12.18のものでは、等価直列抵抗Rr
が60Ω以下という点では、間隔Dが50〜340μmで良い
ことが判る。そして、上記で示したように間隔Dが50μ
mではスプリアス振動との結合が動作温度範囲内にある
ので、間隔Dは75〜340μmが望ましいことが判る。
(実験例13) 図25に、辺比が8.48、幅wが944μm、さらに長さl
が4200μmで45.0MHzの水晶片を用いて上記の実験と同
様の測定を行った結果を示してある。図25(b)に示す
ように、間隔Dが100μmの場合は、周波数偏差および
等価直列抵抗Rrは全ての温度範囲で安定しており、その
値も50Ω近傍と良好である。
これに対し図25(a)に示すように、間隔Dが250μ
mの場合温度範囲全体にわたり不安定であり、先の実験
例と同じことが言える。また、図25(c)に示すよう
に、間隔Dが50μmの場合は、80℃近傍にスプリアス振
動との結合が見られる。
図27に、間隔Dを50から250μmまで変えて測定した
等価直列抵抗Rrの−20〜+80℃での最大値を纏めてあ
る。本例の辺比Eが8.48のものでは、等価直列抵抗Rrが
60Ω以下という点では、間隔Dが50〜230μmで良いこ
とが判る。そして、上記で示したように間隔Dが50μm
ではスプリアス振動との結合が動作温度範囲内にあるの
で、間隔Dは75〜230μmが望ましいことが判る。
(実験例14) 図26に、辺比が15.57、幅wが1170μm、さらに長さ
lが4200μmで66.667MHzの水晶片を用いて上記の実験
と同様の測定を行った結果を示してある。図26(b)に
示すように、間隔Dが100μmの場合は、周波数偏差お
よび等価直列抵抗Rrは全ての温度範囲で安定しており、
その値も40Ω近傍と非常に良好である。
これに対し図26(a)に示すように、間隔Dが350μ
mの場合温度範囲全体にわたり不安定であり、先の実験
例と同じことが言える。また、図26(c)に示すよう
に、間隔Dが50μmの場合は、35℃近傍にスプリアス振
動との結合が見られる。
図27に、間隔Dを50から350μmまで変えて測定した
等価直列抵抗Rrの−20〜+80℃での最大値を纏めてあ
る。本例の辺比Eが15.57のものでは、等価直列抵抗Rr
が60Ω以下という点では、間隔Dが50〜340μmで良い
ことが判る。そして、上記で示したように間隔Dが50μ
mではスプリアス振動との結合が動作温度範囲内にある
ので、間隔Dは75〜340μmが望ましいことが判る。
このように、水晶片に電極を形成する場合、上記のよ
うな条件で間隔Dを設定すれば、水晶片の端部に起因す
るスプリアス振動の影響を除き、さらに、等価直列抵抗
Rrを低くすることができる。すなわち、低い周波数用の
辺比8.48においては、間隔Dは75〜230μmであること
が望ましい。また、辺比が12.18〜15.57においては、間
隔Dは75〜340μmであることが望ましい。さらに、間
隔Dを75〜200μmに設定すれば、低い周波数の辺比8.4
8から高い周波数の辺比15.57を備えた水晶振動体におい
て、周波数偏差が安定しており、等価直列抵抗の値の充
分に低いものを提供できる。
(実験例15) 図28に、辺比が12.18、幅wが1109μm、さらに長さ
lが4200μmの水晶片を上記の方法にて製造し、これに
電極を蒸着して水晶振動体を製造する際に、蒸着量によ
って変わる周波数の変化量と、等価直列抵抗Rrとの関係
を示してある。周波数の変化量は以下の式で表される。
周波数の変化量=(f−f')/f ・・・(4) ここで、fは蒸着しないときの周波数であり、f'は蒸着
したときの周波数である。
本図にて判るように、電極を蒸着した際の周波数の変
化量が7000ppm以下では等価直列抵抗Rrが非常に高い。
周波数の変化量が7000〜30000ppmの範囲は等価直列抵抗
Rrが50Ω程度と良好な値に安定している。一方、電極を
蒸着した際の周波数の変化量が30000ppmを越えると等価
直列抵抗Rrは増加傾向となり、水晶振動子の特性が悪化
していることが判る。周波数の変化量が7000ppm以下で
は、厚みすべり振動のエネルギー閉じ込めが不十分であ
ることが原因で等価直列抵抗Rrの値が高く、また、3000
0ppm以上になると励振電極の重量が多すぎて水晶片の厚
みすべり振動を阻害することとなり、等価直列抵抗Rrが
増加しているものと考えられる。
このように本例の測定によって、電極を蒸着する際の
水晶片の周波数の変化量を7000ppm〜30000ppmの範囲に
収めれば、良好な等価直列抵抗Rrを備えた水晶振動子を
提供可能であることが見いだせた。
以上のように、本願出願人の実験および測定によっ
て、例えば直径2mm程度で長さ6mm程度のシリンダーを備
えた水晶振動子であって、発振周波数が100MHz近傍まで
カバーできるものを提供できることが見いだせた。そし
て、上記にて明らかになった諸数値の範囲の各要素を持
つ水晶片、水晶振動体、水晶振動子は、動作温度範囲−
20℃〜+80℃の範囲内においてATカット水晶振動子特有
の安定した温度特性を備え、等価直列抵抗Rrの値も略60
Ω程度以下と良好な値を示すものである。
図29に、本例の水晶振動子10を樹脂によってモールド
し、表面実装化した水晶振動子30を示してある。この水
晶振動子30は、水晶振動子10のシリンダー状の保持器9
から突出したリード4を金属リード31に溶接し樹脂32に
てモールドしたものである。本例の水晶振動子30は、保
持器9を樹脂32によってモールドしてあるので、このま
まの状態で基板の表面に実装できる素子である。
図30は、本例の水晶振動子10とIC集積回路41とを組み
合わせて樹脂によってモールドした水晶発振器40を示し
てある。この水晶発振器40においては、水晶振動子10、
および水晶振動子10を3次オーバトーンで発振させる発
振回路が少なくとも内蔵されたIC集積回路41が金属フレ
ーム42の上に樹脂32によってモールドされた状態で搭載
されている。そして、本装置40を基板に実装することに
よって基板上に搭載された各回路の動作を規定する基準
周波数を供給することができる。本例の水晶振動子10の
直径は2.0mm程度と小型なので、発振器の厚みも2.5mm〜
2.7mmとなり、非常に小型、軽量化できる。さらに、本
例の水晶振動子を用いることにより、高周波を安定して
供給できるので、動作の高速化した電子装置に適した発
振器である。
以上に説明したように、本発明によって見いだされた
辺比の水晶片によって、寸法が非常に小さな領域でもス
プリアス振動と結合することなく3次オーバトーンで発
振でき、安定した高い周波数の振動をする水晶片を得る
ことができる。また、本願発明では、このような小型で
オーバトーン発振の可能な矩形状のATカット水晶片を用
いた際に、水晶片あるいは水晶振動体等に対する、等価
直列抵抗が良好な値を示すための様々な要素を見いだし
ている。従って、本発明に係る水晶片を用いることによ
って、IC等と同様にSMDとして採用できる程度に小型
化、軽量化され、さらに、高周波を発振可能な水晶振動
子および水晶発振器を提供することが可能となる。さら
に、このような優れた特性を持つ水晶片を歩留り良く提
供する製造方法も開示しており、本発明によって、今
後、軽量化、小型化、さらに、高速化が進む通信機器、
情報処理装置をはじめ様々な電子機器分野に好適な水晶
振動子、水晶発振器を提供することができる。
産業上の利用可能性 本発明に係る水晶片、水晶振動体、水晶振動子および
水晶発振器は、通信機器、情報処理装置をはじめ様々な
電子機器分野において利用可能であり、特に、これらの
機器における基準クロック源などとして利用できる。特
に、本発明に係る水晶振動子、これらを用いた水晶発振
器は、小型、軽量で高周波のクロック信号を提供できる
ものであり、小型化される電子機器分野において安定し
た高周波を発振可能なSMD品として提供できるものであ
る。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気軸をX軸とし、機械軸をY軸とし、さ
    らに、光軸をZ軸とした直交座標系を前記X軸回りに回
    転したXY'Z'軸を備えた水晶単結晶から切りだされた3
    次オーバトーン水晶振動子用の矩形状ATカット水晶片で
    あって、前記Y'軸方向に厚みtと、前記Z'軸方向に幅w
    と、エッチング加工された表面とを有し、前記幅wおよ
    び前記厚みtによって規定される辺比w/tの範囲が、12.
    18±0.05、13.22±0.07、および15.57±0.07のいずれか
    であり、前記エッチング加工された表面の表面粗さの最
    大高さRmaxの範囲が0.2〜0.7μmであることを特徴とす
    る矩形状ATカット水晶片。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記X軸方向に長さl
    を有し、この長さlの範囲が4000〜4700μmであること
    を特徴とする矩形状ATカット水晶片。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記幅wの範囲が800
    〜1500μmであることを特徴とする矩形状ATカット水晶
    片。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の矩形状ATカット水晶片
    と、この矩形状ATカット水晶片の前記厚みtを挟んで向
    かい合う面に付いた電極とを有する水晶振動体であっ
    て、前記Z'軸に沿った電極の幅Wは、矩形状ATカット水
    晶片の幅wより狭く、前記電極の幅W方向の端および前
    記矩形状ATカット水晶片の幅w方向の端の間隔が75〜34
    0μmであることを特徴とする水晶振動体。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記間隔が75〜200μ
    mであることを特徴とする水晶振動体。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の矩形状ATカット水晶片
    と、この矩形状ATカット水晶片の前記厚みtを挟んで向
    かい合う面に製膜した電極とを有する水晶振動体であっ
    て、前記電極の製膜量が、この電極の有無による前記矩
    形状ATカット水晶片の周波数の変化量に換算して7000〜
    30000ppmであることを特徴とする水晶振動体。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の矩形状ATカット水晶片
    と、この矩形状ATカット水晶片を保護する水晶保持器と
    を有する水晶振動子であって、前記水晶保持器は、直径
    の範囲が2.0±0.2mm、長さの範囲が6.0±0.5mmであるこ
    とを特徴とする水晶振動子。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記矩形状ATカット水
    晶片の前記幅wの範囲が800〜1500μm、前記X軸方向
    に沿った長さlの範囲が4000〜4700μmであることを特
    徴とする水晶振動子。
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