JP2003060481A - 圧電振動素子とその製造方法、および圧電デバイス - Google Patents

圧電振動素子とその製造方法、および圧電デバイス

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JP2003060481A
JP2003060481A JP2001246860A JP2001246860A JP2003060481A JP 2003060481 A JP2003060481 A JP 2003060481A JP 2001246860 A JP2001246860 A JP 2001246860A JP 2001246860 A JP2001246860 A JP 2001246860A JP 2003060481 A JP2003060481 A JP 2003060481A
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piezoelectric
convex lens
protective film
main surface
lens shape
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Akinori Kosaka
小阪  彰伯
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 100MHz以上で発振する水晶発振器など
において、一方の主面を凸レンズ形状に加工した水晶片
は副振動の対策に有用であるが、凸レンズ形状を加工済
みの水晶片を35μm以下に薄く加工する時、加工中に
ワレたり、凸レンズ形状の変形など問題が発生し、凸レ
ンズ形状の品質を維持しつつ加工することが困難であ
る。 【解決手段】 凸レンズ形状の主面に保護膜を形成し、
凸レンズ形状を保護しつつ、水晶を溶解するエッチング
用液へ浸けるなどして、板厚を薄く加工することで副振
動対策のなされた薄板の圧電振動素子を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本出願は、テレビなど民生品
や、コンピュータなどのクロックや、光通信やギガビッ
トインサーネットなど高速、大容量通信などの周波数発
生源や、物質を感知したり、圧力や加速度などを感知す
るセンサーや、レンズ形状を設けた圧電体を動作し光路
などを変化させる光学素子など圧電性を利用する圧電デ
バイスに関するものである。特に100MHz以上の基
本波で発振する板厚の薄い水晶振動子において、副振動
などの不要な振動を極力に主振動へ影響しないようした
圧電振動素子とその製造方法、および圧電デバイスに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】水晶振動子は、通信機器にとり基準周波
数を供給する重要な部品である。近年高速、大容量通信
用機器の登場により各機器の高周波化が進み、同時に共
振周波数を直接高くし、ジッタなどノイズを軽減する水
晶振動子をより多く供給することが問われている(EL
ECTRONIC DESIGN March6 20
00 p112)。一般的にPLL回路によるてい倍よ
り振動子の基本波周波数を高くするほうがノイズを少な
くできるが、ATカットなどの水晶振動子の共振周波数
を高くし、VHF帯で取り扱うには、圧電体が主振動を
励振する励振部分の板厚を薄くするほど高くなるため薄
板化が課題となる。
【0003】高周波化を進めるにあたり、特に電気的特
性の安定性が問われる周波数発生源として利用する場
合、基本波振動の共振周波数が100MHz以上にもな
る水晶板の板厚は約17μm以下の薄板となり、加速度
や衝撃など外的衝撃の影響で共振周波数が変動する、薄
く製造時のハンドリングが悪いなど、薄板の弊害を生じ
る。一般的な水晶振動子は平板形であり、フラットな水
晶片を使用する。フラットとは、一方の主面と他方の主
面が並行で、伴に平坦である板状の形状の圧電体片をい
う。薄板の弊害の対策として薄板部の外周に薄板部より
板厚の厚い枠部を配する断面で見て凹形の水晶片を利用
する、凹形水晶振動子が考案された。初期の丸形をはじ
め、四角形のものなど1970年代から内外で発表され
ている(米国特許公報 第3,694,677号)。ま
た、凹形水晶振動子の振動モードなども中澤らにより研
究されてきた(信学技報 US76−16,7 昭和5
1年)さらに、Q値を向上するために方形状凹形水晶振
動子の表面にコンベックス形状を形成し、周波数温度特
性について研究している(電気学会論文誌 昭和57−
2 p59)。本明細書でいう凸レンズ形状は主に上述
のコンベックス形状やその他に光学用に利用するレンズ
形状を言う。ただし、外的衝撃の影響を受けるこの薄板
の弊害を利用すると、低周波で板厚の厚い圧電振動子よ
り敏感に電極表面の重量変化を感じることからガス検知
用など微量変化を検出する高性能センサーとして使用す
る用途もある。
【0004】近年、研削加工や研磨加工などの技術力向
上により薄板にし、薄い板厚の圧電体片をハンドリング
する技術、封止器に支持する技術などが各種要素技術の
進展により向上され、ある一定の板厚であるならば、薄
板の弊害を解決して平板形が利用されている。10μm
ほどの薄い平板の水晶片をバンプで実装したり、SMD
パッケージに実装して表面実装型水晶振動子とするもの
も考案されている。同じ外形寸法の水晶振動子では、凹
形より平板形が次のような有利な場合がある。電圧制御
水晶発振器(以下、VCXO)などのために容量比など
を小さくし、周波数の可変幅を大きくするために、電極
の面積が重要な設計パラメータとなる場合。加圧センサ
ーなどの圧電デバイスでは電極を大きくした方が電荷を
拾いやすく、つまり感度を得るために電極を大きくした
り、電極を各種形状にするために大きな面積を必要とす
る場合。さらに板厚に対して広い主面の面積を取りたい
場合などである。
【0005】凹形水晶振動子は凹形状を作成し、凹形状
で底の板厚などを制御する必要があることから、大量生
産することが一般的に困難である。また、現在一般的に
表面実装型水晶振動子または水晶発振器に広く搭載され
ているのは板厚で約35μm以上であるが、平板形の水
晶片である。このため、従来の水晶振動子製造で利用さ
れてきた平板形の圧電体片を取り扱うほうが、従来設備
の流用なども容易である。このように、平板形振動子は
凹形振動子より有利な面も多いが、今後考えられる10
μm未満の板厚を有する水晶片などでは前述の薄板の弊
害より凹形振動子に有利な面も多くなり、今後は使用す
る用途によりこれらを使い分ける可能性もある。
【0006】本明細書で、圧電体片とは、結晶軸に対し
てある決められた幾何学的形状・寸法および角度に切断
した結晶片をいう。さらに圧電体片に電極を配して電荷
をかけ振動を得るなど圧電性を利用する素子を圧電振動
素子とよび、圧電振動素子を保持器に封入、つまり密封
して圧電デバイスとして使用する。ATカットやSCカ
ットは電極を少なくとも表裏主面、それぞれに配する。
フィルターなどでは一方の主面に2つ以上の電極を配す
ることもある。圧電デバイスは圧電振動素子を保持器に
入れて封入したもので、振動子や発振器やセンサーや光
学素子などであり、圧電体の結晶には水晶の他にランガ
サイトやニオブ酸リチウムなどの圧電性を示す単結晶が
あげられる。水晶の場合には、圧電体片とは水晶片であ
り、圧電振動素子とは水晶片と水晶片に配した電極で構
成される素子であり、圧電デバイスとは、水晶振動子、
水晶発振器または水晶を利用するセンサー部品や光学用
素子などをいう。
【0007】ATカットの水晶振動子の場合、図12で
示すとおり、利用したい主振動は厚み滑り振動(r)だ
が、屈曲振動(u)、伸長振動(v)または輪郭すべり
振動(w)などの高次の副振動が存在し、さらにこれら
水晶片1の輪郭寸法307をパラメータとする副振動だ
けでなく、厚みねじれ振動モード(s)や、インハーモ
ニックモード(t)などの基本振動または高次の副振動
も発生する。601は電荷のプラス領域、602は電荷
のマイナス領域を示し、図12中の矢印は変位方向を示
す。副振動は、主振動の共振周波数の近傍に存在すると
影響を与え、例えば電極を加工して周波数調整する時に
調整精度を悪くしたり、容量により共振周波数を可変す
るのに主振動と結合したり、温度を変化させると主振動
と影響し合い主振動が不連続に周波数が変動する周波数
ジャンプなどをおこし、時に振動を停止するなどして圧
電デバイスの特性を非常に不安定にする。このため、副
振動を減衰させたり、主要振動の共振周波数から離して
結合を少なくするのに、べべリング加工やコンベックス
加工が一般的になされている。
【0008】べべリング加工とは、圧電体片の輪郭を段
にしたり面取りする加工である。コンベックス加工と
は、表面の形状を凸レンズ形状にし、片側凸または両側
凸にするものである。水晶片の主面を凸レンズ形状にす
ると、輪郭からの反射によって生じる多種のモードを減
衰し、温度特性が改善されると同時に、厚み滑り振動の
振動エネルギーをレンズ形状の中央付近に集中し、高い
Q値が得られる(岡野庄太郎著 「水晶周波数制御デバ
イス」 p67)。本明細書ではコンベックス形状を凸
レンズ形状、コンベックス加工を凸レンズ形状加工に含
めて言う。特に30MHz以下の水晶振動子で問題にな
る輪郭からの反射によって生じる屈曲振動、縦振動また
は輪郭滑り振動などの副振動対策には効果があることが
知られ、凸レンズ形状の直径や、高さ寸法や曲率半径、
さらに輪郭寸法についても十分検討されてきた。凸レン
ズ形状の加工は、研削機械や研磨機械などの専用の装置
を使用して作成され、従来から高安定を目指すSCカッ
ト水晶振動子など高性能の圧電デバイスに対して一定の
数量を製造され続けている。だが、これら従来の加工方
法で水晶片の板厚を35μm以下まで薄板化した後に、
水晶片の主面を凸レンズ形状に加工するのは、板厚方向
に研磨するだけでもワレ易く、凸レンズ形状に加工する
のは特に困難である。ATカットの水晶振動子におい
て、35μmの板厚は電極の厚みにもよるが、約50M
Hzの共振周波数で基本波を振動し、一般に大量に製造
するのは難しい。
【0009】主にVCXO用などでは、凸レンズ形状に
すると逆に容量比を大きくする傾向や、周波数可変幅の
減少につながる傾向もあることから、極力なだらかに凸
レンズ形状を調整する必要もある。極力なだらかとは、
光干渉計を使用しニュートン稿で凸レンズ形状であるの
を初めて確認可能なほど微小のなだらかさも含む。圧電
体の薄板化には研磨加工の他、ウエットエッチングまた
はドライエッチングの方法がある。研磨加工による薄板
化は、薄板化するほど割れやすく困難になり、ドライエ
ッチングによる薄板化は、微量の加工や微調整には良い
が、加工速度が数百Å/分程度と遅く外形を大きく変化
させるような加工には実用的でない。ウエットエッチン
グによる薄板化は、一般的に溶解用のエッチング用液に
圧電体を浸けると、前もって加工した凸レンズ形状も大
きく変形する。例えば、極力なだらかな凸レンズ形状を
有する圧電体の板をそのままウエットエッチングで板厚
を90μmから10μmへ薄板化すると光干渉計で凸レ
ンズ形状を確認できなくなるなど、凸レンズ形状を維持
できない。本発明での保護膜形成部分を除いて加工と
は、薄板化を含み、特に35μm程度の板厚の薄板に加
工することをいう。また、圧電体片の輪郭の加工も含
む。
【0010】長浦らは、凹形水晶振動子を研磨加工する
ことにより、凹形状の厚い部分と薄い部分の研磨圧力の
違いにより、コンベックス形状を水晶に形成する加工方
法を考案している。これにより、主振動への副振動の影
響を軽減またはなくすことに成功し、従来より周波数の
高い、ATカットのVHF帯の凹形水晶振動子などにお
いても主振動より高い周波数側に存在する副振動対策に
コンベックス形状が有効な事を示している(特開200
1−044526号公報 「圧電素子及びその加工方
法」)。しかし、これらは、従来のコンベックス加工方
法を利用せず、薄板となった状態で加工をするにおいて
コンベックス形状に加工されるなど、薄板化と凸レンズ
形状加工を同じ工程で加工するので、それぞれの制御性
に制約が生じる。また、個別にコンベックス加工すると
生産性が悪く、同時に複数にコンベックス加工すると個
々の形状にバラツキが出るなど品質において、治具や加
工装置や加工条件の管理が困難である。また、加工圧力
のかからない部分でコンベックス加工するため品質の良
い局面を作成したり、凹形水晶振動子で一定の曲率半径
でなおかつ、大きな曲率半径でなだらかな凸レンズ形状
を形成するのは困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、圧電振
動素子において、高い周波数帯においても凸レンズ形状
は副振動対策に有用な形状であるが、凸レンズ形状を有
する平板形振動子や凹形振動子を容易に板厚を薄く加工
し、さらに凸レンズ形状を変形させずに形状を維持しつ
つ薄板化するのは困難である。また、一方向にのみ枠部
を有する圧電体片を製作する場合、容易に凸レンズ形状
加工をおこったり、薄板化するのは困難であある。さら
に凸レンズ形状を有する圧電体片の薄板化において、特
に、従来からある方法を含め実績有る凸レンズ形状加工
技術で加工した凸レンズ形状を有する圧電体の板を利用
し、平板形や凹形や一方向にのみ枠部をもつ圧電振動素
子を容易にかつ柔軟に製造することは重要な課題であ
る。
【0012】本発明は前記問題点を顧みてなされたもの
で、副振動対策がなされ主振動が安定して発振し、特性
の安定性に優れた凸レンズ形状を有する圧電振動素子と
圧電デバイスを提供することを目的とする。また、本出
願は、実績ある凸レンズ形状加工技術を流用して薄板化
を実現した圧電振動素子の製造方法を提供することを他
の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】一方の主面に凸レンズ形
状を有する圧電体片に電極を配して利用する圧電振動素
子において、前記圧電体片は、一方の主面の全面をまた
は部分を凸レンズ形状に加工した後、少なくとも前記凸
レンズ形状である主面に保護膜を形成し、前記凸レンズ
形状を維持しつつ前記保護膜を形成してある保護膜形成
部分を除いて加工し、保護膜により保護された凸レンズ
形状の品質を維持しつつ、特に板厚を薄くすることを実
現する。
【0014】
【発明の実施の形態】(実施例1) 図1は本例の圧電振
動子の構成を示す図である。大容量高速度通信用機器に
おいて、より高周波数で発振し、ノイズ発生の少ない圧
電デバイスを必要とするが、周波数発生源に利用される
ATカット水晶振動子などは100MHz以上の基本波
で発振するには、板厚を50μm以下にまで薄くする必
要がある。一方、このような周波数帯においても凸レン
ズ形状は副振動対策に有用な形状であるが、薄板化した
後に凸レンズ形状に加工するのはワレ易く特に50μm
以下まで薄板化するのは難しい。本明細書ではコンベッ
クス形状や光学用レンズを凸レンズ形状と呼ぶ。さら
に、凸レンズ形状を有する平板形振動子や凹形振動子を
容易に板厚を薄く加工し、凸レンズ形状を変形させずに
形状を維持しつつ薄板化するのは困難である。また、一
方向にのみ枠部を有する圧電体片への加工は特に形状を
作りづらく、容易に凸レンズ形状に加工するのは困難で
あり、さらに凸レンズ形状を有する圧電体片を薄板化す
る場合、特に、従来からある方法を含め実績有る凸レン
ズ形状加工技術で主面を凸レンズ形状に加工した圧電体
の板を利用し、平板形や凹形や一方向にのみ枠部をもつ
圧電振動素子を容易にかつ柔軟に製造することは重要な
課題である。このため、本発明は前記問題点を顧みてな
されたもので特性の安定性に優れた圧電振動素子を提供
することを目的とする。また、本出願は、実績ある凸レ
ンズ形状加工技術を流用して薄板化を実現した圧電振動
素子の製造方法を提供することを他の目的とする。
【0015】図1は、本発明の一例である主振動に厚み
滑り振動を利用する共振周波数100MHzのATカッ
トの水晶振動子を示す。一方の主面である表側主面2全
体を凸レンズ形状4に加工し、裏側主面3に垂直な方向
から見て円形の水晶片1と、表側主面2に配される表側
電極5と、他方の主面である裏側主面3に配される裏側
電極6と、から構成される圧電振動素子である。図8の
ように保持器501に封入して水晶振動子、つまり本明
細書でいう圧電デバイスとして使用する。通常は水晶片
を電極と共に保持し、保持器に封入した物を水晶振動子
という(水晶デバイスの解説と応用 日本水晶デバイス
工業会技術委員会編1996年10月)圧電体片に利用
する結晶には他にランガサイトやニオブ酸リチウムなど
の圧電性を示す単結晶があげられ、特に水晶は現在一般
的に周波数発生源として利用されている。ランガサイト
は水晶と同様に安定した周波数発生源として期待されて
いる。図中で下の3方向の矢印は水晶片1の幾何学的な
方位を示す結晶軸を示す。本例はATカットの水晶片1
であり、Y軸に垂直なYカット水晶片をX軸回りに回転
した位置で切断してえられる。このため、正規の結晶軸
方向から回転しているためにZ’とY’と表示してい
る。また、矢印の方向を+としている。
【0016】表側電極5と裏側電極6にはさまれた領域
で水晶片1は主に振動するため、ここで支持することを
避けるために、一般的に表側引出し電極201、裏側引
出し電極203を形成し、さらに支持や導通を確実にす
るためより広い面積の表側パット202、裏側パット2
04を配する。表側電極5と表側引出し電極201と表
側パット202は通常同時に形成され連続した膜であ
る。また、裏側電極6と裏側引出し電極203と裏側パ
ット204も通常同時に形成され連続した膜である。別
々に形成されても導通が取れているのは必要である。こ
の電極の構造は振動領域が支持領域より距離を持つ音叉
形振動子をはじめとして、水晶振動子では一般的に使用
されている。
【0017】図2は図1をx軸回りに回転して斜めから
見た図である。図3は表側主面3に垂直な方向から見た
図である。図4は水晶片1の凸レンズ形状4を維持しつ
つ薄板化するために表側主面2の全面に保護膜7を形成
した図である。図5は図4の断面図である。図6は凸レ
ンズ形状4の形状を決定する寸法値を示した断面図であ
る。図7は凸レンズ形状4を維持しつつ水晶片1を薄板
化するプロセスの概要である。図8は凸レンズ形状4を
有する圧電振動素子を利用した圧電デバイスの例であ
る。図9は水晶片1の輪郭の形状例である。図10は凸
レンズ形状4を維持して薄板化し、さらに複数の形の圧
電振動素子へ加工するよう保護膜を形成した例である。
図14は、ウエハー405に凸レンズ形状4を加工し、
その後水晶片1に分離する加工プロセスの概要である。
図1と図7を中心に図2、図3、図4、図5、図6、図
8、図9、図10、図14により説明する。
【0018】図1の符号1は水晶片であり、ATカット
でz’方向が直径4mmの輪郭寸法307で形成したも
のである。輪郭寸法307は、周波数が決定される屈曲
振動や伸長振動や輪郭滑り振動などの高次の副振動を避
けたり、支持の影響を主振動がなるべく受けない値で決
定する。板厚は約17μmであり、本明細書での一方の
主面を凸レンズ形状に加工する圧電体片の板厚とは、図
6における中心厚み304をいう。表側主面2の端と裏
側主面3の端の距離を端厚303いう。図10の
(b)、(e)、(f)、(g)、(h)など凸レンズ
形状4を一方の主面の部分に加工した場合は、表側主面
2の平坦な面と裏側主面3の距離とする。本明細書の部
分とは全体の一つに区分された領域をいい、領域は全体
の中に複数存在てもよい。表側主面2と凸レンズ形状と
中心軸205の交点との距離を凸レンズ高さ寸法302
とする。ATカットの他にZカット、SCカットなどが
ある。Zカットは音さ形振動子で屈曲振動などに使用さ
れ光学用フィルターなど光学素子としても使用する。S
Cカットは高安定の水晶振動子として使用する。特にS
Cカットは特性が高安定の周波数発生源として利用さ
れ、本明細書のように平板形の水晶片1に凸レンズ形状
を設けるのは一般的になされている。
【0019】水晶片1は輪郭寸法307が4.0mm、
つまり直径4mmの円形である。水晶片1の形状は各種
あり、主面に垂直な方向より見た主な輪郭形状の例を図
9に示す。長方形(a)や、正方形(b)や、円形
(d)でも、軸方向を決めるため一箇所がカッッティン
グされた(e)や(f)でも、角のカケを避けるためあ
らかじめ角取りした八角形(f)や3角形(c)でもよ
い。その外、多角形の(g)のような多角形の輪郭形状
でもよい。本発明でいう、任意の寸法の圧電体片は、こ
れらの形状においてそれぞれ輪郭寸法が決められる。A
Tカットの水晶振動子では、副振動が主振動へ極力影響
しないような値で決定され、長方形(a)では、例えば
x方向の輪郭寸法は4.0mm、z’方向の輪郭寸法は
4.5mmと決められる。また、y’方向の板厚は周波
数と電極厚みとから決定され例えば、17μmと決めら
れる。長方形(a)、円形(d)、カッティングされた
円形(e)、音叉形(g)は一般的に使用されている。
(a)は短冊形と呼ばれて特に表面実装型水晶振動子で
多用されており、円形(d)や(e)は製造容易で古く
から一般的に使用されている形であり、3角形(c)は
水晶などの3回対称軸を利用し輪郭が形成しやすく、安
定した寸法精度を得られる。これら輪郭形状の一方の主
面の全面または部分が凸レンズ形状4に加工してある。
【0020】2は表側主面であり、主面とは水晶片1ま
たはウエハー405で最も面積の広い面を言い、本例で
はATカットの切断面と平行な面であり、図1で示すと
ころのy’軸に垂直な一方の主面である表側主面2さら
に他方の主面である裏側主面3に相当する。本例での表
側主面2は凸レンズ形状4のため平坦ではない。また表
とは図1でいう正面であり、裏とは逆側に位置する。一
方と他方は、どちらになる場合もある。表側主面2に
は、図2のように凸レンズ形状を設けてあり、図1のよ
うに正面から見ると円であり、図2でいう凸レンズ直径
寸法306は水晶の輪郭寸法と同じく約4mmであり、
凸レンズ高さ寸法302は約0.00005mmであ
る。凸レンズ高さ寸法302は水晶片1の表面をレーザ
ー干渉計によリ測定した。ニュートン稿より円状に凸と
なっていることを確認できる。図ではわかりやすくする
ために曲率半径306を小さくし強調して示している。
また、振動子の輪郭寸法図3、図7、図8、図9ではわ
かりやすくするためにウエハー5の板厚を厚く示してい
る。また、図1、図5、図6ではわかりやすくするため
に凸レンズ形状4と平板部の境界を線ではっきりと示し
ている。
【0021】凸レンズ形状4は水晶片1の輪郭までいっ
ぱいに形成してもよいが、共振周波数、輪郭寸法、電極
寸法、副振動の主振動への影響、支持からの影響または
電気的特性への影響により寸法を調整する必要がある。
電気的特性とは圧電デバイスの等価直列抵抗R1、等価
直列容量C1、等価直列インダクタンスL1、並列容量
C0またはこれらをパラメータとする値のことである。
凸レンズ形状4の寸法は、凸レンズ直径306と曲率半
径301などで表される。曲率半径が大きいほど、凸レ
ンズ形状4はなだらかになり本例の凸レンズ高さ寸法3
02は小さくなる。凸レンズ形状4の曲率半径を小さく
すると、凸レンズ直径306は小さくなるとともに凸レ
ンズ高さ寸法302は大きくなり、電気的特性にも影響
し、例えば一般的に容量比(C0/C1)は大きくな
る。このため、VCXO用では、凸レンズ形状4で副振
動対策を行なうが、極力、凸レンズ形状4の曲率半径3
01を大きくして、凸レンズ直径306が大きく、凸レ
ンズ高さ寸法302の小さいなだらかな形状となるよう
に形成し、容量比を抑えたり、周波数をシフトしやすく
なる。
【0022】凸レンズ形状4は、図3のように水晶片1
を球面研削機で加工して設ける。凸レンズ形状の加工方
法は各種有るが、研削、砂かけ、研磨、心取り、化学処
理の手順で処理し形成した。(光学技術ハンドブック
朝倉書店)また、凸レンズ形状を有する水晶片は市販も
されており、最低、曲率半径301と凸レンズ高さ寸法
302と面精度を指定すればよい。凸レンズ高さ寸法3
02のかわりに曲率半径301で指定しても良い。面精
度はニュートン稿の本数、面積当りの凹凸荒さなどで指
定する。その他に窓の開いた支持板に水晶片1をはり支
持板と逆側の主面を研磨することで凸レンズ形状4に加
工したり、レーザー加工機など物理的な加工方法やドラ
イエッチング機などの化学的な加工方法で凸レンズを加
工しても良い。
【0023】5は表側電極であり、6は裏側電極であ
る。振動は水晶片1の中央付近に配す表側電極5と、対
向して裏側主面3に配する裏側電極6との間で主におこ
る。電極とは水晶片1に電荷を与えたり、水晶片1に存
在する電荷を受け取ったりし、電荷の交換を水晶片外の
発振回路または動作回路と行なうために水晶片1に配す
る導電性の膜をいう。図8で示すとおり、振動領域で保
持器501に支持する支持では主振動に大きな影響を及
ぼすために、主面の平板領域に保持器501と導通を取
るための表側引き出し電極201と表側パット電極20
2で構成される引き出し領域を形成し、引き出し領域で
支持する。引き出し領域での圧電体片1との電荷の交換
は考慮していない。表側パット電極202では接着剤や
バンプやワイヤなどを接続し導通さらに支持するために
充分な面積を必要とし、表側引き出し電極201より幅
を広くとる。このような引き出し領域を形成するのは音
叉形水晶振動子ではごく一般的に行なわれている。表側
電極5の引き出し領域は、表側主面2から裏側主面3に
輪郭の側面をまわし込んで配してもよく、保持器501
への支持方法と導通の取り方で決定する。
【0024】表電極は、主に、金、銀、アルミニウム、
ニッケル、クロム、またはこれらの合金や、これらを積
層したものである。Auは耐腐食性にすぐれ長期間安定
した特性を持続する。アルミニウムは金より軽量で板厚
が17μmなどと非常に薄い場合に重力による余分な変
形を与えないが、逆に周波数調整における調整量が少な
く板厚404をより精密に加工し合わせこむ必要から製
造が困難になる。また板厚404は金より厚くなる。本
例ではクロムを20Å、金を600Åの2層構造にし、
クロムは金と水晶の緩衝材的役割で密着性を上げるのに
利用する。クロムをニッケルにしてもよく、ニッケルと
クロムの合金であるニクロムと金の2層膜もよく使用さ
れる。同じ周波数で発振するには、表側電極5または裏
側電極6を厚くすると重くなるため板厚404を薄く
し、薄くすると板厚404を厚くする必要がある。本例
では表側電極5と表側引き出し電極201と表側パット
電極202は、貫通穴の電極形状パターンを配した形状
マスクを通して蒸着し、同時に形成しているが、一旦、
主面全体に金属膜をつけフォトリソ技術で微細なパター
ンを作成しても良い。
【0025】電極は、一体の膜として形成されるが、部
分的に別に形成してもよく、部分的に膜の厚みを変えて
もよい。例えば、表側電極5と表側引き出し電極201
は水晶片1の重量の影響を軽減するために薄くしたい
が、表側パット電極202はバンプに充分接合させるた
め厚くしたい場合などが挙げられる。裏側主面3も同様
に裏側電極6と裏側引き出し電極203と裏側パット電
極204を配する。本例では表側電極5を裏側電極6よ
り面積を小さくして設ける。これは、面積の小さい電極
に電気的特性が影響されるため、小さい面積の電極を凸
レンズ形状4の中心部分に正確に配する必要があり、凸
レンズ形状4の中心位置を測定しやすい表側主面2に設
けた。寸法精度良く形成するのには平坦である裏側電極
6に小さい面積の電極を配し、例えば、フォトリソ技術
などを利用して精密に形成してもよい。図12の(t)
で示すような副振動では横方向に適当な寸法で電極を配
すると電荷的にうち消される。このためフォトリソ技術
を利用することで十分な寸法精度を確保できる。表側電
極5にフォトリソ技術を利用し、面積の広い裏側電極6
に蒸着マスクを利用してパターンを形成しても、両方の
電極を同じ方法でパターンを形成しても良い。ただし、
少なくとも表側電極5、裏側電極6のどちらかは水晶片
1の板厚404に微調整を終了してから配する。
【0026】図7は本例の圧電振動素子の製造方法の一
例を示している。本例の圧電振動素子は(e)のように
水晶片1と表側電極5と裏側電極6とで主に構成され
る。(a)は、切り出し工程と、圧電体片形成工程であ
る。切り出し工程は、ランバートと呼ばれる結晶板をバ
ンドソーやワイヤソーなど物理的な衝撃により加工する
物理的加工で板状に板厚0.8mm程度で切断した。切
り出し角度は水晶のATカットでxz面をx軸回りに3
5°15′回転した面で切り出した。圧電体片形成工程
では、さらに板厚を0.9mmに研磨し、輪郭を直径4
mmの円形に加工した。板厚はこの工程で0.5〜2m
mくらいにしておくのがエッチング工程(d)での手間
や表面荒れなど品質を考えて現実的である。
【0027】(b)は、一方の主面を凸レンズ形状に加
工する凸レンズ形状加工工程で、少なくとも切り出し工
程で主面を形成してから加工した。本例では、0.9m
mの板厚で4mmの円形の輪郭を形成した後、球面研削
機により凸レンズ形状に加工した。その後、表面粗さ、
面精度を良くするために必要に応じて砂かけ、研磨、心
取り、化学的処理を行なう。本例では、研磨はにより凸
レンズを形成後、さらに研磨による破砕層をなくすため
に化学的処理をおこなった。化学的処理は後のエッチン
グ工程(d)ほど数10μmも薄板化するのでなく、球
面加工、研磨による加工層をなだらかにするため数μm
行なえばよい。本例ではフッ酸を使用し表側主面3の球
面研削時の加工層を取り除くため2μmほどエッチング
した。化学処理はリアクティブ イオン エッチング
(以下RIE)でCF4やC2F6やCHF3などガス
を利用したドライエッチングなどの化学的な反応により
水晶主面を溶かす方法を利用してもよい。
【0028】(c)は、保護膜形成工程である。保護膜
7は、クロム、金の2層膜で構成した。図4のように凸
レンズ形状4の表面つまり、本例では表側主面2の全面
に保護膜7を形成して保護する。断面では図5のように
なる。クロムの厚みは200Å、金の厚みは2000Å
である。2層膜の他に3層膜、4層膜であっても良い
が、保護膜7は(d)で使用するエッチング用液への耐
性があればよい。クロムはニクロムであっても良く金と
水晶の緩衝材として使用する。この緩衝材がないとこす
る程度でも金は剥離する。金は白金であってもよく、後
に板厚の加工に利用するエッチング用液を遮断し、水晶
を溶解されない様にする。他の化学的加工法、物理的加
工方法でもそれぞれ適した保護膜を形成し使用すれば良
い。その他にレジストなどの有機物の膜を利用しても良
い。保護膜7は蒸着、スパッタの他気相合成法で形成し
てもよい。
【0029】(d)は、(c)で保護膜7を形成した水
晶片1をエッチング用液に浸けて水晶片1を溶かして板
厚404まで薄板化する。本例では溶解部分401を溶
かし加工して17μmにした。この時、保護膜7を配し
た表側主面2はエッチング用液を遮断し加工されない。
つまり、保護膜のない裏側表面3が溶解部分401に示
すとおりエッチング用液に溶解し加工される。実際に
は、輪郭側面410も同時にエッチングされるが、輪郭
寸法307が4mmに対して。本例では特に重要でない
ため記載しないが、例えば側面を全周囲において同一形
状に揃える場合、断面を台形や任意の輪郭にする場合は
保護膜7を任意のパターンで形成すればよい。エッチン
グ用液は水晶を溶解し、フッ酸、フッ化アンモニウム、
純水で構成され、必要に応じて界面活性剤などの添加物
を含有させる。さらに、エッチング用液は2μm/mi
nと早いエッチングレートのため、0.05μm/mi
nと遅いエッチングレートの微調整用の第2のエッチン
グ用液としてフッ化アンモニウムの水溶液を使用して板
厚404を微調整しても良い。この時、同様に遅いエッ
チングレートであるドライエッチングのRIEなどを併
用して微調整しても良い。
【0030】微調整量は微量であり板厚で測定するのは
困難なのでネットワークアナライザーで水晶片1の周波
数を測定し、目標に調整する。任意の板厚404に微調
整するのは電極による周波数調整幅は、数百〜数千Å程
度と有限である電極の厚み分しか調整できないため、電
極を成膜する前に水晶片1の板厚を、電極による周波数
調整の限界範囲以内にまで調整しておくことを考慮す
る。特に90μmから20μm付近までエッチング用液
で20分程度で複数の水晶片1の薄板化の加工すると板
厚が1μm程度でバラつく。同程度の板厚の水晶片1を
まとめ微調整すると効率よく任意の板厚404に合わせ
込める。各ウエットエッチングは一般的にフォーク形の
輪郭を形成したり、ATカットの水晶片の板厚調整など
水晶の加工では一般的に使用されており、RIEはシリ
コンやSiO2などの半導体や、マイクロマシンや、光
導波路のの加工に使用され、表面弾性波デバイス(SA
Wデバイス)などの水晶の板厚調整にも使用されてい
る。例えば両面研磨から化学的加工、両面研磨から化学
的加工、さらに両面研磨を行ってもよく、少なくともエ
ッチング用液で短時間で任意の板厚付近まで薄板化し、
これらの加工方法を組み合わせて任意の板厚に均一に加
工すればよい。
【0031】(e)は、電極形成であり、表側電極5と
裏側電極6は対向して形成する。表側電極5と表側引出
し電極201と表側パット202は通常同時に形成され
連続した膜である。また、裏側電極6と裏側引出し電極
203と裏側パット204も通常同時に形成され連続し
た膜である。別々に形成しても、導通が取れてればよ
い。本例ではスパッタにより金属源と水晶片1の間に電
極の形状の穴のあいたマスクを挟み、厚み20Åのクロ
ムと厚み600Åの金の2層膜で形成した。クロムは水
晶と金の密着性を強めるために必要であるが、密着性を
向上するのに真空中で加熱してから電極形成してもよ
い。スパッタの他に抵抗加熱やイオンビームなどで形成
してもよい。表側電極5と裏側電極6は一回の工程で形
成するのに素子を電極形成中に回転させて同時に形成し
てもよい。また、表側主面5と裏側主面6の全面にニク
ロムと金の2層膜を形成した後、フォトリソ技術を利用
して電極の形状に加工してもよい。この場合、レジスト
を2層膜上に塗り、光源と水晶片1の間に電極の形状の
パターンを配したマスクを挟み露光し、さらに現像液に
浸けて電極の形状にレジストを現像し、金を溶解する液
とニクロムを溶解する液とにそれぞれ浸けてレジストの
存在しない部分の2層膜を溶解して電極の形状に加工し
てもよい。電極の形状とは、表側主面2においては表側
電極5、表側引き出し電極201、表側パット電極20
3を含んで良い。ただし、ポジレジストを利用した場合
であり、ネガレジストを利用してもよい。
【0032】図10に示すとおり、凸レンズ形状によ
り、また保護膜7、8の保護膜形成部分により、溶解部
分401は決定され、水晶片1の形状も各種になる。
(a)は水晶片1の表側主面2の全面を凸レンズ形状4
に加工し、裏側主面3全体を溶解部分401とし、板厚
404を薄く加工する。(b)は凸レンズを表側主面2
の部分に形成する。(c)は端厚303の厚み分すべて
溶解部分401とする。同様に凸レンズ形状加工工程時
に端厚303がほぼ0である水晶片1を形成しても同様
な形状となる。(d)と(e)は裏側主面3の一部を除
いて保護膜8を形成し、裏側主面3の中心辺りの前記一
部を溶解部分401とした。これは逆メサ形といわれる
凹形の水晶片1となる。17μmの板厚404の薄板部
402と90μmの厚みの枠部403とからなる。保護
膜8は保護膜7と同時に形成してもよく、別に形成して
もよい。(f)と(g)は表側主面2に垂直な中心線か
ら見て4方向を考えた場合、一方向の輪郭に接する一部
を除いて逆方向の輪郭に接する部分に保護膜8を形成
し、前記一部を溶解部分401とする。特に(f)と
(g)のように一方向に枠部403を持つコンベックス
形状の圧電振動素子を従来技術で薄板化するのは、ワレ
たり、枠部403と支持用ジグの誤差などにより困難で
ある。本発明での保護膜形成部分を除いて加工とは、本
例のような薄板化を含み、特に35μm程度の板厚の薄
板に加工することをいう。また、(h)と(i)のよう
な輪郭側面を加工することも含み、輪郭寸法307を揃
えたり、ウエハー405を個々の水晶片1に分離する場
合に相当する。
【0033】薄板化の他に圧電体片の輪郭を加工して
も、これらを同時に加工して良いが、凸レンズ形状4を
保護膜7で保護し、形状を維持しつつ加工すれば良い。
また、水晶片1にしてから保護膜形成部分を除いて加工
しても、ウエハー405の状態で保護膜形成部分を除い
て加工してもよいが、後者では、加工後に個々の水晶片
1に分離する圧電体片形成工程が必要である。保護膜形
成部分を除いて加工する手段も本例のウエットエッチン
グの他に次ぎのものもある。ウエットエッチングやRI
Eなどのドライエッチングの水晶結晶を溶解して加工す
る化学的加工や、サンドブラスト、レーザー、超音波な
どを使用した物理的衝撃で加工する物理的加工などがあ
る。RIEはエッチング速度が遅く時間がかかりコスト
が高くなるが、面粗さはよい。物理的加工はエッチング
速度が速いが、面粗さは一般的に悪い。保護膜7を少な
くとも形成することで、化学的加工方法でも、物理的加
工方法でも、凸レンズ形状4は保護され形状を変化させ
ずに水晶片1を加工することが可能となる。
【0034】図14は、圧電振動素子の製造方法の他の
例で、図7は個々に分離したら 凸レンズ形状4を特願
平11―324492のように1インチや2インチ程度
のウエハーに同時に凸レンズ形状を複数形成したウエハ
ー405を薄板化した後に、個々の水晶片1に分離する
プロセスの概要である。(a)は、切断工程としてAT
カットの切断面で切りだし、ウエハー形成工程として外
形も加工し1インチのウエハー405を形成する。
(b)は、凸レンズ形状加工工程として、表側主面2に
凸レンズ形状4を複数個形成する。(c)は、保護膜形
成工程としてクロムと金からなる保護膜7をスパッタ
し。その後フォトリソ工程としてレジストを塗布し、露
光し、現像し、保護膜7を溶解して水晶片1の形状以外
を取り除き、輪郭のパターンに加工する。(d)は、エ
ッチング工程としてエッチング用液に浸けるとウエハー
405は溶解部分401が溶解して薄板化され、同時に
圧電体片加工工程として、表側輪郭寸法408と裏側輪
郭寸法409の水晶片1に加工され個々の水晶片1に分
離する。この時、輪郭側面410も溶解されるため、保
護膜7を形成した表側主面2の輪郭付近も溶解し、アン
ダーカット部407が生じる。また、保護膜7の存在で
表側主面2は溶解されにくく、表側側面輪郭寸法408
が裏側輪郭寸法409より大きくなり台形となる。これ
は、べべリング加工と同じように輪郭の副振動を抑え
る。水晶片1同士の間隔を詰めより取れ数を多くする
と、目標の板厚404に到達しても水晶片1が個々に分
離されない場合があるが、水晶片1の分離手段として、
物理的加工または化学的加工などがある。物理的加工は
レーザーなどを使用する光学加工で作業が容易であり、
その他にカッターやワイヤーソーやサンドブラストなど
の物理的加工は実績ある切断方法である。物理的加工に
は破砕加工として輪郭周辺で折る方法も簡易的となる。
化学的加工はウエットエッチングによる分離は液中で水
晶片1がばらばらになり回収困難なのに比べ、RIEな
どドライエッチングによる分離は水晶片1は散乱せず回
収が容易となる。(e)で電極を形成する。
【0035】図8は保持器501に封入した水晶振動子
である。本明細書の封入とは、圧電振動素子を保持器の
内部で支持し封止する事をいう。図7の(e)の圧電振
動子が支持工程、さらに周波数調整工程、さらに封止工
程をへて図8のような圧電デバイスとなる。保持器50
1は水晶片1と電極5、6からなる水晶振動子及び支持
系を保護すると伴に、電極5、6と外部回路とを電気的
に接続させる容器を言う。支持工程は、平坦な裏側主面
3で保持器501に支持するために、裏側主面3を保持
器501側へ向けて固定する。ワイヤボンディングを平
坦な裏側主面3でおこなう場合は、表側主面2を保持器
501側へ向けて固定してもよい。保持器501への水
晶片1の支持は支持剤504、505により支持する
が、支持材504には導電性のものを利用し裏側電極5
と端子502との導通と、支持とを兼ねている。表側主
面2を保持器501側に向けて支持してもよい。表側電
極5はワイヤボンディリングによるワイヤ506を利用
して端子503まで導通をとる。支持剤504、505
はバンプ、接着剤などがある。導通とは、電流的に接続
していることを言う。
【0036】周波数調整工程は、リッド507により蓋
をする前に保持器501の開口側を向いている表側電極
5を加工することで行なう。本例では保持器507に支
持後に、表側電極5の表面をArイオンのイオンガンを
利用したエッチング方式により削る。調整量は共振周波
数を端子502、503をネットワークアナライザーな
ど周波数測定装置に接続して、周波数を測定しつつ調整
し、本例では目的の共振周波数である100.0MHz
の±2ppmに調整する。周波数調整における電極の加
工手段は、電極を削るエッチング方式と、電極に重量を
つける加重方式がある。エッチング方式はイオンガンや
レーザーやスパッタや研磨などでおこなわれ、電極を削
ることで主振動の共振周波数は高くなる。加重方式で
は、スパッタや蒸着や塗布などにより電極表面に積層
し、表側電極5の金を積層することで主振動の共振周波
数は低くなる。一般的にはAuやAlなどを積層する
が、ただ加重するのなら他の材料でも良い。
【0037】封止工程は、保持器501に蓋をして封
止、つまり密封する工程である。蓋であるリッド507
を保持器501に載せ真空中で加熱し、金とスズの合金
が融解することで封止する。保持器501は水晶片1を
外気から遮断しつつ圧電振動素子を回路上で利用するた
めに使用する。セラミックや、圧電体や、金属などの材
料からなる。セラミックは表面実装型の圧電デバイスで
一般的に利用され、圧電体は圧電体片と同じ材料を利用
することで温度変化による共振周波数の変化などを防
ぐ。金属は外壁を薄くしやすくセラミックより小型なパ
ッケージを作りやすい。本例では、セラミックのSMD
型の保持器501であり、平板とロ形板を積層構造にし
て凹構造を形成し、凹構造内に圧電振動素子を収める2
層積層形である。保持器501の内側と外側の端子50
2、503をそれぞれ導通とるためにビアホールという
導通線を配している。
【0038】保持器501のその他の構造としては、平
板とロ形板の間にもう1枚はさんで段を形成し、ここで
厚電デバイス素子を支持する3層積層形や、平板だけの
1層形もある。3層積層形は圧電振動素子の下に空間が
できるためにそこに発振回路を含むICチップを設置し
て圧電振動素子と接続し、圧電体が水晶の場合、水晶発
振器や、さらに電圧による周波数可変機能を付加して電
圧制御型水晶発振器または周波数変動による加速度検知
などのセンサーにしてもよい。水晶発振器や電圧制御型
水晶発振器は本発明の圧電振動素子の安定度が増す特徴
を生かし、信頼性ある小型な表面実装型圧電デバイスで
ある。この場合、パッケージの外側にある端子502、
503の他に電源電圧入力端子や、出力端子や、アース
端子及び周波数制御入力端子などを備えてICチップと
接続する必要がある。リッド507は平板形や、ドーム
形などがあるがコストや製造方法により選択すればよ
い。蓋をすることを封止するといい、封止方法は抵抗溶
接封止、ガラス封止、ハンダ封止及びAu−Su封止な
どがある。封止方法により封止剤も決める。密封である
ことから、保持器内部508は真空に保たれたり、窒素
など不活性な気体の雰囲気で保たれて電極などの劣化を
防ぐ。
【0039】(実施例2) 図11は、主振動の共振周波
数が200MHzの輪郭形状が長方形のATカットの水
晶振動子である。図11を中心に、図13により説明す
る。表側主面2のうち部分を凸レンズ形状した。裏側主
面3の一部の厚みを薄くして凹形状を作成し、凹形状の
底である薄板部402に裏側電極6を配し、それに対向
して表側主面2に表側電極5を配する。薄板部402
は、板厚が約9μmであり、薄板部402の周辺の枠部
403は板厚404が50μm程度とした。ATカット
では周波数定数=薄板部の厚さ×主振動周波数で示さ
れ、利用する共振周波数により薄板部402の板厚40
4は35μm以下で変更する。製造方法は図7とほぼ同
じであるが、図13に示す。表側主面2の一部を除いて
保護膜8を形成した後に、水晶片1を溶解するエッチン
グ用液に浸けて、裏側主面2の前記一部を加工すると凹
形状が形成される。つまり薄板部402とその周辺に厚
みの厚い枠部403が形成する。
【0040】この凹形状にすることで外的衝撃に強く製
造上のハンドリングを良くし、さらに凸レンズ形状を有
することで副振動が主振動に影響を及ぼすことを極力防
止した品質の高い水晶振動子を容易に製造できる。図
(c)で保護膜8を形成し、(d)で保護膜8上にポジ
レジスト404を塗布し、(e)で裏側主面3における
溶解部分401に相当する一部分のパターンを配した露
光マスクを光源と水晶片1と裏側主面3の間に挟んで露
光し、現像することでポジレジストを加工し、保護膜8
の金を溶かす液とクロムを溶かす液に浸けて、エッチン
グ用液に浸けて溶解部分401を溶かす。
【0041】本例で枠部403は軸方向でいう薄板部の
4方向に存在するが、3方向でも、2方向でも、1方向
でもよく、3方向と1方向に枠部403がある圧電振動
素子は薄板部402だけで構成される圧電振動素子より
も強度的に強く、さらに4方向に枠部403のあるもの
よりも電極を大きく設計する場合に使用する。本例では
凸レンズ形状4を形成し、その後凸レンズ形状4に保護
膜3を形成し、さらに凹形状に加工するため、3方向と
1方向に枠部403を有する水晶片1でも凸レンズ容易
に凸レンズ形状4を設けられる。3方向と1方向に枠部
403を有する水晶片1は、片側のみで保持器に支持す
るため熱ひずみも緩和する。図11の圧電振動素子は保
持器へ封入して圧電デバイスである水晶振動子として使
用する。
【0042】薄板部402の両主面である表側主面2に
表側電極5を、さらに裏側主面3に裏側電極6を対向し
て配していることで主振動を得る。主振動とは本例では
厚み滑り振動であり、特に厚み滑り振動の基本波振動で
あるが、オーバートーンを利用してもよく、従来の平板
形の水晶振動子よりさらに高い周波数を実現可能とな
る。また、周波数発生源で利用する場合には凸レンズ形
状4を有することで、主振動の振動エネルギーを集中し
Q値をあげ、周波数変動の少ない非常に周波数安定度の
優れた水晶振動子を得ることが可能となる。
【0043】(実施例3) 図15は水晶片1に圧電現
象により加わるゆがみにより凸レンズ形状4が変形する
ことで光線601の集光602の焦点位置が変化する光
学部品である。伸長振動や屈曲振動や輪郭滑り振動や表
面波振動などの超音波を水晶片1中に一定方向に進行さ
せ、光の屈折率の周期的変動を生じさせることで水晶片
1を通る光の進行方向を変化させ周波数をシフトさせる
音響光学素子などとして利用してもよい。また、凸レン
ズ形状4やそれに対向する裏側主面3に積層金属膜を形
成しIRカットフィルターなどを配したり、副屈折板な
ど光学用部品として使用しても良い。音さ形の水晶片1
はZカットで切り出されたウエハーに凸レンズ形状加工
を行ない、これに輪郭形状のパターンで保護膜を配し、
水晶片1が溶解するエッチング用液に浸けて輪郭を加工
する。図9でいう(h)で示す形の輪郭である。保護膜
7、8は図10の(h)のように形成する。この状態で
エッチング用液に浸けると溶解部分402が溶け音叉形
の形状ができる。
【0044】図14に示す工程図で(c)において保護
膜7の他に保護膜3を対向させて形成すれば輪郭は主面
2、主面3ほぼ同形状に加工される。この時、アンダー
カットとして過剰な溶解がなされ、保護膜7、8を形成
した部分も端付近で多少溶解されるが、その量は数十μ
m程度であり輪郭寸法に対しては誤差である。このよう
に保護膜7、8のパターンを変更することで、凸レンズ
形状4を表側主面2に有する音さ形水晶振動子など、凸
レンズ形状4を有する各種の圧電振動素子を作成可能で
ある。輪郭形成後に、表側主面2と裏側主面3とさら
に、輪郭の側面にも電極4、5を形成し、図15のよう
な2種類の電極を形成する。電極5と、電極6に+また
は−の電流を交互に入力すると矢印603のように屈曲
振動する。2本の棒が離れる場合と、近づく場合に、凸
レンズ形状4の領域にもひずみが生じ、水晶片1中の屈
折率も変化し、平行光線908の集光909による焦点
位置も変化する。
【0045】圧電振動素子とは、結晶軸に対してある決
められた幾何学的形状・寸法および角度に切断した圧電
体片に電極を配して電荷をかけ振動を得る素子である。
圧電振動素子を保持器に封入して圧電デバイスとして使
用する。主に圧電体片に水晶やランガサイトやニオブ酸
リチウムを利用した振動子や発振器やセンサーや光学素
子などである。水晶においては主にATカット、Zカッ
ト、またはSCカットなどの水晶片1である。主面に垂
直な方向より見た圧電体片の輪郭は、4角形、3角形、
円形、フォーク形などがあり、断面では平板形や主面の
一部がへこんだ凹形状などの形があり、凸レンズ形状は
少なくとも一部に加工されている。ウエハーに複数個の
凸レンズ形状を同時に形成した場合は、水晶体片1の輪
郭は凸レンズ形状を設けてから、凸レンズ形状を保護膜
で保護した後に目的の輪郭や板厚に加工するが、物理的
加工方法または化学的加工方法でも保護膜により凸レン
ズ形状が変化されない。電極は金、銀、アルミニウム、
クロム、またはニッケルやそれらの合金で形成され、層
状になっていてもよく、この電極を加工して周波数を精
密に調整する。また、VCXO用では、凸レンズ形状で
副振動対策を行なうが、極力、凸レンズ形状の曲率半径
を大きくして、容量比を抑える。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、凸レンズ形状を有する
圧電体片の薄板化を容易にする事で、従来の凸レンズ形
状形成技術を流用し実績と信頼性ある凸レンズ形状を維
持しつつ薄板の圧電振動素子を実現する。また、平板形
振動子、凹形振動子の作り分けが凸レンズ形状を有する
ことで、副振動を減衰または主振動の共振周波数より離
し、振動が安定して発振する。また、主振動の振動エネ
ルギーが集中しQ値が向上する。凸レンズ形状を同時に
形成したウエハーなどを、バッチ処理で薄板化し圧電振
動素子を製造するため、従来の個々に作成する加工方法
と比較して安価に提供する。一部分に板厚の厚い部分を
有し、さらに凸レンズ形状を有する圧電体片を容易に薄
板化できる。特に一方向にのみ板厚の厚い圧電体片の薄
板化には有用である。また、保護膜を形成するパターン
を変更することで凸レンズ形状を有する複数の輪郭、複
数の板厚の圧電振動素子を容易に製作する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本例の圧電振動素子の構成図である。
【図2】本例の圧電振動素子の構成図である。
【図3】本例の圧電振動素子の構成図である。
【図4】本発明の圧電振動素子の加工途中の図である。
【図5】本発明の圧電振動素子の加工途中の断面図であ
る。
【図6】本例の凸レンズ形状の断面図である。
【図7】本発明の圧電振動素子の製作方法の例である。
【図8】本例の圧電デバイスの構成図である。
【図9】本発明の圧電体片の輪郭の例である。
【図10】本発明の圧電振動素子の加工途中の例であ
る。
【図11】本例の圧電振動素子の構成図である。
【図12】本例の圧電デバイスの主振動と副振動の概念
図である。
【図13】本発明の圧電振動素子の製作方法の例であ
る。
【図14】本発明の圧電振動素子の製作方法の例であ
る。
【図15】本例の圧電振動素子の構成図である。
【符号の説明】
1 水晶片 2 表側主面 3 裏側主面 4 凸レンズ形状 5 表側電極 6 裏側電極 7 表側保護膜 8 裏側保護膜 9 板厚 201 表側引き出し電極 202 表側パット電極 203 裏側引き出し電極 204 裏側パット電極 205 中心 301 曲率半径 302 凸レンズ高さ寸法 303 端厚 304 中心厚み 305 境界線 306 凸レンズ直径 307 輪郭寸法 401 溶解部分 402 薄板部 403 枠部 404 板厚 405 ウエハー 406 レジスト 407 アンダーカット部分 408 表側輪郭寸法 409 裏側輪郭寸法 410 輪郭側面 501 表面実装パッケージ 502 端子 503 端子 504 支持材 505 支持材 506 ワイヤ 507 リッド 508 真空 601 プラス領域 602 マイナス領域 701 光線 702 光線 703 変位方向

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の主面に凸レンズ形状を有する圧電
    体片に電極を配して利用する圧電振動素子において、前
    記圧電体片は、一方の主面の全面をまたは部分を凸レン
    ズ形状に加工した後、少なくとも前記凸レンズ形状であ
    る主面に保護膜を形成し、前記凸レンズ形状を維持しつ
    つ前記保護膜を形成してある保護膜形成部分を除いて加
    工したことを特徴とする圧電振動素子。
  2. 【請求項2】 一方の主面に凸レンズ形状を有する圧電
    体片に電極を配して利用する圧電振動素子において、前
    記圧電体片は、一方の主面の全面をまたは部分を凸レン
    ズ形状に加工した後、両方の主面に保護膜を形成し、少
    なくとも前記凸レンズ形状を維持しつつ前記保護膜を形
    成してある保護膜形成部分を除いて加工したことを特徴
    とする圧電振動素子。
  3. 【請求項3】 前記圧電体片は、他方の主面における一
    部を除いて保護膜を形成し、前記一部を加工したことを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動素
    子。
  4. 【請求項4】 前記圧電体片は、板厚を35μm以下に
    まで薄く加工したATカットの水晶片であることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動素子。
  5. 【請求項5】 前記圧電体片は、フッ化アンモニウムと
    フッ酸のうちの少なくとも一方を含有するエッチング用
    液を利用して前記板厚を加工したことを特徴とする請求
    項4に記載の圧電振動素子。
  6. 【請求項6】 前記圧電体片は、主面に垂直な方向から
    見て、三角形、四角形、八角形または丸型であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動素
    子。
  7. 【請求項7】 前記保護膜は、クロム、ニッケル、金、
    白金、有機物またはこれらを積層した膜であることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動素
    子。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7のいずれか一に記
    載の圧電振動素子を、窒素もしくは不活性ガスで満たし
    てまたは真空にして、密封容器へ封入した圧電デバイ
    ス。
  9. 【請求項9】 一方の主面に凸レンズ形状を有する圧電
    体片に電極を配して利用する圧電振動素子の製造方法に
    おいて、圧電結晶を任意の角度で切り出す切断工程と、
    任意の寸法の圧電体片へ加工する圧電体片形成工程と、
    少なくとも前記切断工程後に一方の主面の全面的または
    部分を凸レンズ形状に加工する凸レンズ形状加工工程
    と、少なくとも凸レンズ形状である主面に保護膜を形成
    する保護膜形成工程と、前記保護膜を形成してある保護
    膜形成部分を除いて加工するエッチング工程とからなる
    ことを特徴とする圧電振動素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 一方の主面に凸レンズ形状を有する圧
    電体片に電極を配して利用する圧電振動素子の製造方法
    において、圧電結晶を任意の角度で切り出す切断工程
    と、任意の寸法の圧電体片へ加工する圧電体片形成工程
    と、少なくとも前記切断工程後に一方の主面の全面また
    は部分を凸レンズ形状に加工する凸レンズ形状加工工程
    と、両方の主面に保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記保護膜を形成してある保護膜形成部分を除いて加工
    するエッチング工程とからなることを特徴とする圧電振
    動素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 一方の主面に凸レンズ形状を有する圧
    電体片に電極を配して利用する圧電振動素子の製造方法
    において、圧電結晶を任意の角度で切り出す切断工程
    と、任意の寸法の圧電体片へ加工する圧電体片形成工程
    と、少なくとも前記切断工程後に一方の主面の全面また
    は部分を凸レンズ形状に加工する凸レンズ形状加工工程
    と、両方の主面に保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記保護膜の一部を取り除くフォトリソ工程と、前記保
    護膜を形成した保護膜形成部分を除いて加工するエッチ
    ング工程とからなることを特徴とする圧電振動素子の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 前記フォトリソ工程は、他方の主面に
    おける一部に形成した保護膜を取り除き、前記エッチン
    グ工程は、前記一部を加工することを特徴とする請求項
    11に記載の圧電振動素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記凸レンズ形状加工工程は、研磨で
    凸レンズ形状にした圧電体片をさらにリアクティブイオ
    ンエッチングで凸レンズ形状の主面を加工することを特
    徴とする請求項9から請求項12のいずれか一に記載の
    圧電振動素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記保護膜は、クロム、ニッケル、
    金、白金、有機物またはこれらを積層した膜であること
    を特徴とする請求項9から請求項13のいずれか一に記
    載の圧電振動素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記エッチング工程は、フッ化アンモ
    ニウムとフッ酸のうちの少なくとも一方を含有するエッ
    チング用液を利用して加工すること特徴とする請求項9
    から請求項14のいずれか一に記載の圧電振動素子の製
    造方法。
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