JP2003139182A - 粘性流体封入ダンパ及びその製造方法 - Google Patents

粘性流体封入ダンパ及びその製造方法

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JP2003139182A
JP2003139182A JP2001335687A JP2001335687A JP2003139182A JP 2003139182 A JP2003139182 A JP 2003139182A JP 2001335687 A JP2001335687 A JP 2001335687A JP 2001335687 A JP2001335687 A JP 2001335687A JP 2003139182 A JP2003139182 A JP 2003139182A
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viscous fluid
shaft body
flexible
stirring
insertion hole
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JP2001335687A
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Inventor
Eiji Fukuchi
栄治 福地
Shigenori Daimaru
重徳 大丸
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車載用ディスクプレーヤ等を防振支持する粘性
流体封入ダンパにおいて、従来困難な作業とされていた
取付用軸体のダンパ本体の挿入孔への挿入作業を省略可
能とする。また併せて使用中に軸体が挿入孔内で相対運
動してしまって減衰機能が損われる問題も解決する。 【解決手段】粘性流体封入ダンパ16において、軸体2
0を、撹拌部28における挿入孔44への挿入部46
と、撹拌部28の外径よりも大径をなして挿入孔44よ
りも軸方向外側に位置し且つ可撓部30の外面への密着
面56を有する取付部を兼ねた大径部48とを備えた形
態で硬質樹脂材にて成形し、撹拌部28及び可撓部30
を軟質樹脂材で成形するとともに、軸体20を挿入孔4
4への挿入状態で且つ大径部48を可撓部30に密着接
合させた状態でそれら撹拌部28及び可撓部30と一体
成形しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はシリコーンオイル
等の粘性流体を内部に封入して成る粘性流体封入ダンパ
及びその製造方法に関し、詳しくは軸体を介して支持部
材と被支持部材との間に介装される粘性流体封入ダンパ
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年CDプレーヤ等のディスクプレー
ヤ,AV機器,パソコンのHDD装置,ビデオカメラ等
の小型精密機器において、容器内部にシリコーンオイル
等の粘性流体を封入して成る小型の粘性流体封入ダンパ
が防振用として広く用いられるようになって来ている。
【0003】例えばCDプレーヤ等のディスクプレー
ヤ、特に車載用のものにおいては、車両等の振動がその
ままディスクプレーヤの本体機構部ユニットに伝達され
て音飛び等が生ずるのを防止すべく、従来図6(A)に
示しているようにスプリング200を介して支持したデ
ィスクプレーヤの本体機構部ユニット(被支持部材)2
02と、支持フレーム(支持部材)204との間に粘性
流体封入ダンパ206を介装することが行われている。
【0004】図6(B)はかかる粘性流体封入ダンパ2
06として従来用いられているものの具体的な構造の例
を示したもので、図示のようにこの例の粘性流体封入ダ
ンパ206は、密閉の容器の内部にシリコーンオイル等
の高粘性の粘性流体210を封入したダンパ本体208
と、軸体212とを有している。
【0005】ここでダンパ本体208は円筒形状の周壁
部214と、底部216と、周壁部214と同心位置に
配置された底付きの円筒形状をなす撹拌部218と、こ
れを浮動状態に支持する薄肉の可撓部220とを有して
おり、その周壁部214を支持フレーム204に形成し
た取付孔222に嵌入させる状態で、底部216におい
て固定ねじ224により支持フレーム204の底部に取
付固定されるようになっている。
【0006】撹拌部218には内側に挿入孔226が形
成されていて、そこに予め本体機構部ユニット202に
かしめ付固定された金属製の軸体212が挿入され、そ
れら撹拌部218と軸体212とが粘性流体210内部
に突入している。この粘性流体封入ダンパ206の場
合、支持フレーム204に振動が加わったとき、撹拌部
218及び軸体212が高粘性の粘性流体210内部で
相対変位し、これにより粘性流体210が粘性流動して
エネルギー吸収(振動吸収)し、支持フレーム204か
ら本体機構部ユニット202への振動伝達を遮断ないし
抑制する。
【0007】この粘性流体封入ダンパ206にあって
は、軸体212が撹拌部218の内側の挿入孔226内
部で滑りを生じると振動減衰の際の減衰機能が低下して
しまう。これを防止するため、更にはまた軸体212が
挿入孔226から抜け出てしまわないように、軸体21
2と挿入孔226内面とを接着するといったことも行わ
れている。
【0008】しかしながらそのような接着処理を行った
上で軸体212を挿入孔226内部に挿入状態に組付け
ることは、粘性流体封入ダンパ206が小型であること
から極めて面倒な作業となる。そこで、ここでは軸体2
12の先端部に大径の頭部227を一体に形成する一
方、挿入孔226の側に対応する大径の係合凹部228
を形成し、それら頭部227と係合凹部228との係合
に基づいて軸体212と撹拌部218とを固定状態と
し、それらを一体移動させるようになしている。
【0009】この粘性流体封入ダンパ206はまた、軸
体212及び撹拌部218の相対変位に伴う粘性流体2
10の撹拌作用により、つまりその粘性流動に基づいて
振動吸収を行う関係上、底部216,周壁部214等に
ついては変形をできるだけ抑制する必要がある。そこで
例えば図示の粘性流体封入ダンパ206の場合、底部2
16を硬質樹脂材(例えばポリプロピレン樹脂)で構成
し、また周壁部214については外周壁部214aを例
えばポリプロピレン樹脂等の硬質樹脂材で、また内周壁
部214bを可撓部220及び撹拌部218とともに軟
質樹脂材等のエラストマにて構成している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の粘性流体封
入ダンパ206の場合、例えば軸体212を本体機構部
ユニット202にかしめ付固定し、またダンパ本体20
8を支持フレーム204に固定しておき、その状態で軸
体212を撹拌部218の挿入孔226内部に挿入する
ことによって組付けを行うこととなるが(従来の粘性流
体封入ダンパ206の場合、軸体212とダンパ本体2
08とを予め組み付けておくと、本体機構部ユニット2
02への軸体212のかしめ付固定作業、或いはダンパ
本体208の支持フレーム204への取付固定作業が大
変難しくなる)、その際、撹拌部218は軟らかく且つ
またこれを浮動状態に支持する薄肉の可撓部220が極
めて変形し易いため、更に加えて軸体212の先端部に
は大径の頭部227が設けてあるため、軸体212を挿
入孔226に完全に奥まで挿入する作業が困難な作業と
なっていた。
【0011】また従来の粘性流体封入ダンパ206の場
合、軸体212が金属製であって金属材を切削加工する
ことによって作られており、そのため軸体212が高価
になるといった問題点も有していた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の粘性流体封入ダ
ンパ及びその製造方法はこのような課題を解決するため
に案出されたものである。而して請求項1のものは粘性
流体封入ダンパに関するもので、密閉容器状をなして内
部にシリコーンオイル等の粘性流体が封入されるととも
に、該容器の一部を成す薄肉の可撓部と、底付きの筒状
をなして該可撓部の中心部に位置し、内側の挿入孔内に
支持部材又は被支持部材に固定される軸体が挿入される
撹拌部とを備え、該軸体を介しそれら支持部材と被支持
部材との間に介装されて該撹拌部の相対変位に基づく前
記粘性流体の粘性流動に基づいて防振作用をなす粘性流
体封入ダンパにおいて、前記軸体を、前記撹拌部におけ
る挿入孔への挿入部と、該撹拌部の外径よりも大径をな
して該挿入孔よりも軸方向外側に位置し且つ前記可撓部
の外面への密着面を有する大径部と、前記支持部材又は
被支持部材に取り付けられる取付部とを備えた形態で硬
質樹脂材にて成形し、前記撹拌部及び可撓部を軟質樹脂
材で成形するとともに該軸体を、前記挿入部が前記挿入
孔内に挿入し、前記密着面が該可撓部に密着する状態で
且つ互いに接合状態でそれら撹拌部及び可撓部と一体成
形してあることを特徴とする。
【0013】請求項2のものは、請求項1において、前
記密着面が軸直角方向の面を有していることを特徴とす
る。
【0014】請求項3のものは、請求項1,2の何れか
において、前記大径部が前記取付部を成していることを
特徴とする。
【0015】請求項4のものは、請求項1〜3の何れか
において、前記大径部における前記可撓部側の面には、
前記挿入部の外周面から軸直角方向外方に進むにつれて
該挿入部の先端から軸方向に離れる形状の湾曲ないし傾
斜形状の面が環状に形成してあることを特徴とする。
【0016】請求項5は粘性流体封入ダンパの製造方法
に関するもので、請求項1〜4の何れかの粘性流体封入
ダンパの製造方法であって、前記撹拌部及び可撓部と軸
体とを二色成形により一体成形することを特徴とする。
【0017】請求項6の製造方法は、請求項1〜4の何
れかの粘性流体封入ダンパの製造方法であって、前記軸
体を予め成形しておいて、該成形した軸体を前記撹拌部
及び可撓部の成形型にインサートとしてセットし、その
状態でそれら撹拌部及び可撓部を成形することを特徴と
する。
【0018】
【作用及び発明の効果】以上のように本発明の粘性流体
封入ダンパは、軸体を硬質樹脂材で撹拌部及び可撓部と
一体成形したものである。詳しくは、軸体における挿入
部が撹拌部の内側の挿入孔内に挿入し、また挿入孔の軸
方向外側に位置する大径部の密着面が可撓部の外面に密
着する状態で互いに一体に成形し接合したものである。
【0019】本発明の粘性流体封入ダンパでは、軸体が
ダンパ製造時に一体にダンパ側に備えられるため、詳し
くは撹拌部における挿入孔内に軸体が挿入された状態で
かかる軸体がダンパ側に備えられるため、従来の粘性流
体封入ダンパのように軸体を撹拌部の内側、即ち挿入孔
内に挿入して軸体をダンパ本体に組付けるといった、従
来困難な作業であった組付作業を省略することができ
る。
【0020】また本発明の粘性流体封入ダンパにおいて
は、その軸体が硬質樹脂材で且つ樹脂成形品として構成
されているため、従来高額となっていた軸体のコストを
安価となすことができる。本発明の粘性流体封入ダンパ
は、更に進んで、軸体が挿入孔の軸方向外側において撹
拌部の外径よりも大径の大径部を有しており、且つその
大径部を可撓部の外面に密着させた状態で撹拌部及び可
撓部と一体成形されており、このことから軸体と撹拌部
ないし可撓部との接合面積が大となって、軸体と撹拌部
との接合固着力を大きくすることができる。
【0021】これにより、何らかの原因で接着剥れが生
じ、そしてそのことによって軸体と撹拌部とが相対動き
を生じて、振動減衰の際の減衰機能が低下するといった
ことを確実に防止することができる。この大径部は、こ
れをそのまま支持部材又は被支持部材への取付部として
構成することができ(請求項3)、而して取付部をこの
ように大径部として構成しておくことで、支持部材又は
被支持部材への取付部の取付けが簡単となる利点が得ら
れる。
【0022】取付部を大径に構成しておいた場合、その
外面に溝を設けておいて、その溝に支持部材又は被支持
部材側の開口の縁部を係入させるなどして、軸体を容易
に支持部材又は被支持部材に取付固定することができ
る。
【0023】大径部をこのような取付部として構成する
としないとに拘らず、軸体に設けた大径部を可撓部の外
面に対し被接合状態となすことも可能である。しかしな
がらこの場合、軸体と撹拌部ないし可撓部との接合力が
弱くなる問題があり、更に加えてこのようにしておく
と、外部から加わった振動によって軸体が可撓部に対し
相対変位したとき、可撓部の外面が大径部と摩擦接触し
てこすられ、これにより薄肉の可撓部が損傷してしまう
問題が生ずる。
【0024】しかるに本発明では大径部と可撓部の外面
とが接合状態とされるため、大きな接合力が得られるの
に加えて、上記こすれによる可撓部の損傷ないし破れが
防止される利点が得られる。尚本発明において、硬質樹
脂材とはJIS K 6253 タイプDの硬度計で硬
さ50以上の熱可塑性樹脂(例えばポリプロピレン樹
脂,ナイロン樹脂等)を、また軟質樹脂材とはJIS
K 6253 タイプAの硬度計で硬さ80以下の熱可
塑性エラストマ(例えばポリスチレン−ポリ(エチレン
−ブチレン)−ポリスチレン樹脂)を言う。
【0025】ここで上記大径部における密着面には軸直
角方向の面を形成しておくことができる(請求項2)。
尚大径部は上記撹拌部の外径よりも0.8mm以上大径
となしておくことが望ましい。また大径部の密着面にお
ける軸直角方向の面は0.3mm以上の幅で環状に形成
しておくことが望ましい。但しその幅は5mm以下とし
ておくのが良い。
【0026】請求項4のものは、大径部における可撓部
側の面に、挿入部の外周面から軸直角方向外方に進むに
つれて挿入部の先端から軸方向に離れる形状の湾曲ない
し傾斜形状の面を環状に形成したものである。このよう
な湾曲ないし傾斜形状の面を環状に形成しておくこと
で、撹拌部の先端側から軟質樹脂材を成形型のキャビテ
ィ内に注入して可撓部を成形する際、樹脂材の流れが良
好となり、これにより撹拌部及び可撓部を良好に成形で
きる利点が得られる。ここで上記湾曲ないし傾斜形状の
面は0.28mm以上の幅で形成しておくことができ
る。
【0027】請求項5は粘性流体封入ダンパの製造方法
に関するものであって、撹拌部及び可撓部と軸体とを二
色成形により一体成形するものである。このようにする
ことで、撹拌部及び可撓部と軸体とを容易に一体に成形
することができる。
【0028】上記粘性流体封入ダンパを製造するに際し
てはまた、上記軸体を予め成形しておき、その成形した
軸体を撹拌部及び可撓部の成形型にインサートとしてセ
ットし、その状態で成形型のキャビティ内に軟質樹脂材
を注入して撹拌部及び可撓部を成形するとともに、これ
らをインサートとしてセットした軸体と一体化すること
もできる(請求項6)。このようにした場合であっても
容易に撹拌部及び可撓部と軸体とを一体に成形すること
ができる。
【0029】
【実施例】次に本発明を車載用ディスクプレーヤの防振
支持に適用した場合の実施例を図面に基づいて詳しく説
明する。図1において、10はディスクプレーヤにおけ
る本体機構部ユニット(被支持部材)で、12は支持フ
レーム(支持部材)である。本体機構部ユニット10は
支持フレーム12によりスプリング14を介して弾性支
持されている。
【0030】これら本体機構部ユニット10と支持フレ
ーム12との間には本例の粘性流体封入ダンパ16が介
装されており、本体機構部ユニット10と支持フレーム
12とが粘性流体封入ダンパ16を介して上下に結合さ
れている。
【0031】図1(B)に粘性流体封入ダンパ16の構
成が具体的に示してある。同図に示しているようにこの
例の粘性流体封入ダンパ16は、ダンパ本体18と、こ
れに一体に構成された軸体20とを備えている。ここで
ダンパ本体18は、密閉の容器の内部に高粘性のシリコ
ーンオイル等の粘性流体22を封入した形態のものであ
る。尚粘性流体22は、ここでは5000センチストー
クス(cSt)以上の動粘度を有するもので、望ましく
は50000センチストークス程度の粘度の高いもので
ある。
【0032】ダンパ本体18は円筒形状の周壁部24
と、底部26と、周壁部24の中心部に同心状に配置さ
れた底付きの円筒形状をなす撹拌部28と、撹拌部28
を浮動状態に支持する薄肉の可撓部30とを有してお
り、それらが密閉の容器を成している。底部26には固
定部32が突出状に設けられていて、そこに固定孔34
が形成され、図1(A)及び図2に示しているように周
壁部24を支持フレーム12に形成した取付孔36に嵌
入させる状態で、固定孔34において固定ねじ38によ
り支持フレーム12の底部に取付固定されるようになっ
ている。
【0033】尚、周壁部24の下端部にはフランジ部4
0が形成されており、そのフランジ部40を含む周壁部
24の下端部が、底部26に形成された浅い凹所42内
に収容され、その状態で底部26と周壁部24とが固着
されている。上記撹拌部28の内側には挿入孔44が形
成されており、そこに軸体20における小径の挿入部4
6が一杯まで挿入されている。軸体20は、挿入孔44
の軸方向外側において大径部48を一体に有している。
この大径部48は同時に取付部を成すもので、そこには
環状の溝50が形成されており、この溝50において本
体機構部ユニット10の底板52に取付固定されるよう
になっている。
【0034】この粘性流体封入ダンパ16は、支持フレ
ーム12に振動が加わったとき、撹拌部28及び軸体2
0が高粘性の粘性流体22内部で相対変位し、これによ
り粘性流体22が粘性流動してエネルギー吸収(振動吸
収)し、支持フレーム12から本体機構部ユニット10
への振動伝達を遮断ないし抑制する。
【0035】図2に詳しく示しているように、ここでは
底板52には穴形状の貫通の開口54が形成されてお
り、その開口54の縁部を環状の溝50に係入させるこ
とで、軸体20が本体機構部ユニット10側に固定され
る。尚この例では開口54が大径部54aと小径部54
bとから成っており、その大径部54aに対し軸体20
の大径部48を挿入したのち軸直角方向に移動させて、
小径部54bと環状の溝50とを嵌合させる。具体的に
は小径部54bの縁部を環状の溝50内部に係入させ
る。
【0036】尚本例では大径部48の外径dが撹拌部
28の外径dに対し直径で1.5mm(2l)大径
とされている。具体的には、撹拌部28の外径d=3
mmに対し、大径部48の外径d=4.5mmとされ
ている。
【0037】この大径部48の下面には密着面56が形
成されていて、この密着面56が可撓部30の外面に密
着状態とされている。この密着面56は、図1(B)の
部分拡大図に示しているように軸直角方向の面58と傾
斜面60とから成っている。ここで傾斜面60は、軸直
角方向外方に進むにしたがって、挿入部46の先端から
軸方向に離れる形状の傾斜面とされている。尚、可撓部
30にはその傾斜面60に対応する位置において同様の
傾斜面62が形成されている。
【0038】ここで軸直角方向の面58は幅l(l
=0.45mm)で環状に形成されている。また傾斜面
60は幅l(l=0.42mm)で同じく環状に形
成されている。
【0039】本例の粘性流体封入ダンパ16は、周壁部
24が外周壁部24aと内周壁部24bとから成ってい
る。そしてその外周壁部24aと底部26、更に軸体2
0が何れも同一の硬質樹脂材(例えばポリプロピレン樹
脂)にて構成されている。また一方、内周壁部24b,
撹拌部28及び可撓部30が同一の軟質樹脂材(例えば
ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチ
レン樹脂)にて一体に成形されている。
【0040】そして外周壁部24aと内周壁部24bと
が、それらの重ね合せ面で一体成形により互いに接合さ
れ、更にまた軸体20と撹拌部28及び可撓部30と
が、それらの接触面で一体成形により互いに接合されて
いる。尚、底部26と周壁部24とは例えば超音波溶着
等にて互いに固着されている。
【0041】図3及び図4は上記粘性流体封入ダンパ1
6の製造方法の例を示している。この例は、軸体20を
ダンパ本体18の容器とともに二色成形によって同時的
に成形する場合の例で、先ず図3(I)に示しているよ
うに成形型64と66とで形成されるキャビティ内に硬
質樹脂材を注入して(ここでは射出成形)、軸体20と
外周壁部24aとを同時成形する。
【0042】その後図3(II)に示しているように成形
型64と68とを用いて、それらの間に形成されるキャ
ビティ内に軟質樹脂材を注入(射出成形)し、撹拌部2
8と可撓部30及び内周壁部24bを一体に成形し、且
つ同時にそれらと軸体20及び外周壁部24aを一体に
接合する(図3(III)参照)。
【0043】図3(IV)はこのようにして得られた軸体
20付きのダンパの一部を示している。続いて図4
(V)に示しているように内部に粘性流体22を充填し
且つ底部26を固着することで、本例の粘性流体封入ダ
ンパ16が得られる(図4(VI)参照)。
【0044】尚、この例は軸体20を撹拌部28及び可
撓部30、更に内周壁部24bとともに二色成形する場
合の例であるが、軸体20を予め成形しておいて、これ
を撹拌部28,可撓部30及び内周壁部24bの成形型
にインサートとしてセットし、その状態でそれら撹拌部
28等を成形することで、軸体20を撹拌部28等に一
体に成形するインサート成形手法を用いることもでき
る。
【0045】図2(I)は上記で得られた粘性流体封入
ダンパ16の取付方法の例を示している。同図に示して
いるように、この例では周壁部24を支持フレーム12
の取付孔36に嵌入させる状態でダンパ本体18を固定
ねじ38によって支持フレーム12の底部に取付固定
し、しかる後軸体20の大径部48を本体機構部ユニッ
ト10の底板52に形成した開口54、詳しくは大径部
54aに挿入し且つ軸直角方向に移動させて小径部54
bの縁部を環状の溝50内部に係入させることで、粘性
流体封入ダンパ16を実機に装着するようにしている。
【0046】以上のような本例の粘性流体封入ダンパ1
6の場合、軸体20が粘性流体封入ダンパ16の製造時
に一体にダンパ本体18側に備えられているため、従来
の粘性流体封入ダンパと異なって軸体20を挿入孔44
内に挿入して軸体20をダンパ本体18側に組付ける作
業を省略することができる。
【0047】また軸体20が硬質樹脂材で樹脂成形品と
して構成してあるため、従来高額となっていた軸体20
のコストを安価となすことができる。更に本例の粘性流
体封入ダンパ16では、軸体20と撹拌部28ないし可
撓部30との接合面積が大となるので、軸体20と撹拌
部28との固着力を大きくすることができる。
【0048】従って何らかの原因で接着剥れが生じ、そ
のことによって軸体20と撹拌部28とが相対運動を生
じて振動減衰の際の減衰機能が低下する問題を解消する
ことができる。また軸体20を大径部48において容易
に本体機構部ユニット10に取付固定することができ
る。
【0049】加えて本例では大径部48と可撓部30の
外面とが接合してあるため、大きな接合力が得られるの
と併せて大径部48と可撓部30とのこすれによる可撓
部30の損傷ないし破れを防止できる利点が得られる。
【0050】その他本例の粘性流体封入ダンパ16は、
大径部48における可撓部30側の面に傾斜面60を環
状に形成してあるので、撹拌部28の先端側から軟質樹
脂材を成形型68のキャビティ内に注入して撹拌部28
及び可撓部30を成形する際、樹脂材の流れが良好とな
り、これにより撹拌部28及び可撓部30を良好に成形
できる利点がある。
【0051】上記の実施例では周壁部24を外周壁部2
4aと内周壁部24bとで構成し、その内周壁部24b
を軟質樹脂材で形成しているが、図5に示しているよう
に周壁部24を硬質樹脂材のみで構成し、撹拌部28と
可撓部30だけを軟質樹脂材で一体成形するようになす
こともできる。
【0052】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例である。例えば上例は粘性流体封入ダンパ1
6によって本体機構部ユニット10を上下方向に防振支
持する場合の例であるが、本発明は粘性流体封入ダンパ
16によって本体機構部ユニット10と支持フレーム1
2とを左右方向に結合して防振支持する場合においても
適用可能なものであるなど、本発明はその主旨を逸脱し
ない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である粘性流体封入ダンパを
単体状態及びディスクプレーヤへの装着状態で示す図で
ある。
【図2】同実施例の粘性流体封入ダンパにおける軸体の
取付方法の例を示す図である。
【図3】同実施例の粘性流体封入ダンパの製造方法の一
部工程の説明図である。
【図4】図3に続く一部工程の説明図である。
【図5】本発明の他の実施例の粘性流体封入ダンパを示
す図である。
【図6】従来の粘性流体封入ダンパを単体状態及びディ
スクプレーヤへの装着状態で示す図である。
【符号の説明】
10 本体機構部ユニット(被支持部材) 12 支持フレーム(支持部材) 18 ダンパ本体 20 軸体 22 粘性流体 28 撹拌部 30 可撓部 44 挿入孔 46 挿入部 48 大径部 56 密着面 58 面 60 傾斜面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器状をなして内部にシリコーンオ
    イル等の粘性流体が封入されるとともに、該容器の一部
    を成す薄肉の可撓部と、底付きの筒状をなして該可撓部
    の中心部に位置し、内側の挿入孔内に支持部材又は被支
    持部材に固定される軸体が挿入される撹拌部とを備え、
    該軸体を介しそれら支持部材と被支持部材との間に介装
    されて該撹拌部の相対変位に基づく前記粘性流体の粘性
    流動に基づいて防振作用をなす粘性流体封入ダンパにお
    いて、 前記軸体を、前記撹拌部における挿入孔への挿入部と、
    該撹拌部の外径よりも大径をなして該挿入孔よりも軸方
    向外側に位置し且つ前記可撓部の外面への密着面を有す
    る大径部と、前記支持部材又は被支持部材に取り付けら
    れる取付部とを備えた形態で硬質樹脂材にて成形し、前
    記撹拌部及び可撓部を軟質樹脂材で成形するとともに該
    軸体を、前記挿入部が前記挿入孔内に挿入し、前記密着
    面が該可撓部に密着する状態で且つ互いに接合状態でそ
    れら撹拌部及び可撓部と一体成形してあることを特徴と
    する粘性流体封入ダンパ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記密着面が軸直角
    方向の面を有していることを特徴とする粘性流体封入ダ
    ンパ。
  3. 【請求項3】 請求項1,2の何れかにおいて、前記大
    径部が前記取付部を成していることを特徴とする粘性流
    体封入ダンパ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記大
    径部における前記可撓部側の面には、前記挿入部の外周
    面から軸直角方向外方に進むにつれて該挿入部の先端か
    ら軸方向に離れる形状の湾曲ないし傾斜形状の面が環状
    に形成してあることを特徴とする粘性流体封入ダンパ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかの粘性流体封入ダ
    ンパの製造方法であって、 前記撹拌部及び可撓部と軸体とを二色成形により一体成
    形することを特徴とする粘性流体封入ダンパの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4の何れかの粘性流体封入ダ
    ンパの製造方法であって、 前記軸体を予め成形しておいて、該成形した軸体を前記
    撹拌部及び可撓部の成形型にインサートとしてセット
    し、その状態でそれら撹拌部及び可撓部を成形すること
    を特徴とする粘性流体封入ダンパの製造方法。
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