JP2007270925A - 防振装置および防振装置の製造方法 - Google Patents

防振装置および防振装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本体ゴム弾性体に独立マス部材を収容した筒形ハウジング部材を固着することにより、独立マス部材の筒形ハウジング部材への打ち当たり作用に基づいて、本体ゴム弾性体のサージングに起因する防振特性の低下を抑えるようにした防振装置において、収容空所への異物の侵入を、特別な部材や処理工程などを必要とすることなく、極めて有効に防止し、本体ゴム弾性体のサージング抑制効果が安定して発揮され得る、新規な構造の防振装置を提供すること。
【解決手段】ハウジング本体46の開口部58に蓋体48を組み付けて、ハウジング本体46の外周面50を本体ゴム弾性体16に加硫接着すると共に、ハウジング本体46と蓋体48の突き合わせ部が本体ゴム弾性体16によりシールされるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム弾性体の弾性変形を利用して防振効果を得るようにした防振装置に関するものである。
従来から、防振連結体乃至は防振支持体の一種として、防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を離隔配置せしめると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体によって弾性連結した防振装置が知られている。このような防振装置は、例えば自動車用のエンジンマウントやボデーマウント,メンバマウント,サスペンションブッシュなどに好適に採用されている。
ところで、このような防振装置に振動が入力されると、本体ゴム弾性体が繰り返し変形するが、その際、本体ゴム弾性体はマス−バネの振動系を構成しているので、そのマス−バネで決まる本体ゴム弾性体の固有振動数に相当する特定周波数域では、本体ゴム弾性体のマス−バネ共振によって起こるサージングが発生し易い。それ故、本体ゴム弾性体の固有振動数の周波数域が、防振上で問題となる周波数域にあると、かかるサージングに起因して防振装置の防振性能が悪化してしまい、有効な防振効果を得ることが出来なくなるという問題があった。
このような問題に対処するために、本出願人は、先に、特許文献1(特開2002−227921号公報)において新規な構造の防振装置を提案した。かかる防振装置では、本体ゴム弾性体に中空状のハウジング部を形成すると共に、ハウジング部に独立マス部材を収容配置せしめた構造とされている。そして、独立マス部材のハウジング部への打ち当たり作用により、本体ゴム弾性体に対して制振効果を及ぼして、本体ゴム弾性体のサージングを抑えるようになっている。
さらに、特許文献1では、本体ゴム弾性体に硬質のケース部材を固着し、このケース部材で中空のハウジング部を形成することが、一層効果的であることも提案した。硬質のケース部材を採用することにより、本体ゴム弾性体の荷重入力による弾性変形に際して、ハウジング部の内面形状の変形を抑えることが出来る。これにより、独立マス部材とハウジング部内面との当接面間の隙間寸法の大きな変化が防止されて、独立マス部材のハウジングに対する打ち当たりが安定して生ぜしめられる。その結果、独立マス部材のハウジング部への打ち当たりに基づいて発揮される、目的とする本体ゴム弾性体のサージング抑制効果がより効果的に且つ安定して発揮され得るのである。
しかしながら、本発明者が更なる研究と検討を重ねた結果、上述のケース部材を採用した防振装置において、新たな問題が生じるおそれのあることがわかった。
すなわち、ケース部材を採用して、その中に独立マス部材を収容配置するに際しては、目的とする制振効果を効果的に安定して得るために、独立マス部材とハウジングの間に微小な隙間を高精度に形成することが必要となる。ところが、中空のケース部材を本体ゴム弾性体に固着してその中に独立マス部材を収容した後、かかるケース部材の開口を適当な蓋部材で覆蓋することによって得られた防振装置においては、その後、ケース部材の開口部における蓋部材によるシール性が問題となり易いことがわかったのである。
特に、自動車用の各種防振装置は、泥水や埃,塵等が跳ねて降りかかり易い劣悪な環境に置かれる。そこにおいて、ケース部材と独立マス部材の間の隙間は、数mm或いは1mm以下の隙間寸法に設定されることから、微小な異物がケース内に侵入するだけで、制振性能に関して非常に大きな問題となるのである。
なお、このような異物侵入の問題に対処するために、例えばシールゴムを装着することも考えられるが、部品点数の増加と、製造工程数の増加が避けられず、現実には採用し難い。また、ケース部材の開口部の蓋部材による覆蓋部位を、接着剤で固着したり、溶着することで密封することも考えられるが、接着や溶着では、その密閉状態を外部から確認することが難しいことから、充分なシール性能を安定して確保することが難しく、信頼性も充分でないという問題がある。
特開2002−227921号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、本体ゴム弾性体にハウジング部を形成する筒状部材を固着せしめて、この筒状部材に独立マス部材を収容配置することにより、独立マス部材のハウジング部に対する打ち当たりの作用に基づいて、本体ゴム弾性体のサージングに起因する防振特性の低下を抑えるようにした防振装置において、筒状部材における独立マス部材の収容空所への異物の侵入を、特別な部材や処理工程などを必要とすることなく、極めて有効に防止し、以て、目的とする本体ゴム弾性体のサージング抑制効果が安定して発揮され得る、新規な構造の防振装置を提供することにある。
以下、前述の課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(防振装置に関する本発明)
防振装置に関する本発明の特徴とするところは、防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材が離隔配置されており、それら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されていると共に、該第一の取付部材と該第二の取付部材の何れからも離隔した位置で該本体ゴム弾性体に中空の筒形ハウジング部材が固着されて該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って該筒形ハウジング部材が変位せしめられるようにされており、該筒形ハウジング部材には独立マス部材が収容配置されて、振動入力時における該本体ゴム弾性体の変形に伴う該筒形ハウジング部材の変位により該独立マス部材が該筒形ハウジング部材に対して飛び跳ねて繰り返し打ち当たるようにされた防振装置において、前記独立マス部材が打ち当たる周壁部を一体的に形成して少なくとも一方の軸方向端部に開口部を有するハウジング本体に対して、その開口部に蓋体を組み付けて覆蓋することにより、前記筒形ハウジング部材が構成されており、該ハウジング本体の外周面が前記本体ゴム弾性体に加硫接着されていると共に、該ハウジング部材と該蓋体の外周面上における突き合わせ部は、その全周に亘って該本体ゴム弾性体が密着状態で被さってシールされていることにある。
このような本発明に従う構造とされた防振装置においては、第一の取付部材と第二の取付部材の間に振動が及ぼされると本体ゴム弾性体の弾性変形に基づいて防振効果が発揮されることとなる。その際、本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って筒形ハウジング部材が変位せしめられて、筒形ハウジング部材内で飛び跳ねた独立マス部材が筒形ハウジング部材に対して打ち当たる。この独立マス部材の筒形ハウジング部材への打ち当たりに基づいて、本体ゴム弾性体に有効な制振作用が及ぼされることとなり、その結果、本体ゴム弾性体において問題となるサージングに対して有効な抑制効果が発揮されるのである。
ここにおいて、本発明では、筒形ハウジング部材において独立マス部材が打ち当たる周壁部をハウジング本体で一体形成すると共に、その軸方向端の開口部を別体の蓋体で覆蓋せしめた構造とされる。そして、これらハウジング本体と蓋体の突き合わせ部は、筒形ハウジング部材の外周面の全周に亘って本体ゴム弾性体で覆われてシールされている。
それ故、筒形ハウジング部材において独立マス部材が打ち当たる内周面を、単一部材からなるハウジング本体によって高精度に形成することが出来て、目的とする制振効果を有効に得るために高い寸法精度が要求される独立マス部材の外周面とハウジング本体の内周面との隙間寸法を高精度に設定することが可能となり、優れた制振効果を安定して得ることが可能となるのである。しかも、別部材とされたハウジング本体と蓋体との組み付け部分は、それらの突き合わせ部の表面に露呈される部分が全体に亘って本体ゴム弾性体を利用してシールされていることから、それら両部材の組み付け部分を通じての水等の異物の侵入の防止が、特別な部品や特別な処理を必要とすることなく、本体ゴム弾性体を巧く利用して構成されたシール機構によって高度に達成され得るのである。
従って、本発明に従う構造とされた防振装置においては、独立マス部材の筒形ハウジング部材に対する打ち当たりに基づいて発揮される制振作用による本体ゴム弾性体のサージングの抑制効果を、有効に且つ安定して得ることが出来るのであり、特に筒形ハウジング部材における独立マス部材の収容スペースへの異物の侵入が簡単な構造で有効に防止され得て、目的とするサージングの抑制効果を、高い信頼性で長期間に亘って得ることが可能となるのである。
なお、独立マス部材の筒形ハウジング部材に対する打ち当たりに基づく制振作用をより効果的に得るためには、本体ゴム弾性体において問題となるサージングの発生方向、即ちサージングを生ずる本体ゴム弾性体の弾性変形の振幅方向に対して、それと直交する方向に筒形ハウジング部材の中心軸が延びる状態で、筒形ハウジング部材を本体ゴム弾性体に対して配設することが望ましい。特に、問題となるサージングの振動モードを考慮して、本体ゴム弾性体において振動の腹となる位置に筒形ハウジング部材を固着位置せしめることが有効である。
また、本発明において一つの好ましい態様として、筒形ハウジング部材は、例えば本体ゴム弾性体において問題となるサージングの振動モードにおいて振動の腹となる位置を貫通するようにして、本体ゴム弾性体に対して配設せしめられる。
更にまた、互いに別部材とされたハウジング本体に対する蓋体の組み付けは、防振装置の装着状態下で及ぼされる力を考慮して適当な固定方法が採用される。例えば、圧入や嵌着,溶着,螺着,接着などの任意の固定構造によって、蓋体をハウジング本体に対して固定することが可能である。なお、本体ゴム弾性体のシール部分による蓋体への加硫接着力等の固着力を利用して、ハウジング本体に対して蓋体を固定することも可能である。その場合には、本体ゴム弾性体のシール部分による固定が実現されるまでの間に蓋体がハウジング本体から脱落することを防止できる程度の仮固定を、例えば嵌着等によって付与することが望ましい。
また、本発明においては、前記ハウジング本体の軸方向開口部が前記本体ゴム弾性体から突出位置せしめられており、該本体ゴム弾性体において、該ハウジング本体と前記蓋体の外周面上における突き合わせ部をシールする部分が、該ハウジング本体の外周面に被着されて該本体ゴム弾性体から筒状に延び出した被着シール部とされている構成が、好適に採用される。
このような被着シール部を形成することにより、ハウジング本体と蓋体の突き合わせ部分を本体ゴム弾性体の内部に埋設する場合に比して、本体ゴム弾性体のボリュームやサイズ、特性等を大きく異ならせることなく、筒形ハウジングの大きさひいては独立マス部材の質量を有利に確保することが可能となる。
また、本発明においては、前記ハウジング本体と前記蓋体が何れも熱可塑性樹脂材料で形成されていると共に、それらハウジング本体と蓋体が全周に亘って溶着されている構成が、好適に採用される。
このようにハウジング本体と蓋体を溶着することにより、筒形ハウジング部材において独立マス部材が収容された内部空間を一層高度にシールすることが可能となる。また、ハウジング本体を合成樹脂材料で形成したことにより、軽量であると共に、大量生産に向いており、低コストで容易に製造することが可能である。しかも、合成樹脂材料で形成されたハウジング本体では、独立マス部材の打ち当たりに際して、金属材料で形成されたハウシング本体に比して打音の軽減作用が発揮されると共に、変形に際しての減衰作用が発揮されて制振効果の向上も図られ得ることとなる。
さらに、ハウジング本体が合成樹脂材料で形成されていることから、独立マス部材の打ち当たりに際して、ハウジング本体の弾性に基づく飛び跳ね方向への付勢力が独立マス部材に対して反重力方向に作用せしめられることとなる。これにより、例えば1G以下の加速度の振動入力時においても、独立マス部材を、ハウジング本体の弾性を利用して飛び跳ねさせて、ハウジング本体に打ち当たらせることにより、有効な制振効果を得ることも可能となる。
また、本発明において、前記蓋体には、前記筒形ハウジングの軸方向開口端から軸方向内方に入り込む内方突部が形成されており、該内方突部で前記独立マス部材の軸方向移動端が制限されることにより、該独立マス部材の軸方向端部が該筒形ハウジングの軸方向開口端にまで至らないようにされている構成が、好適に採用される。
このような内方突部を設けた蓋体を採用することにより、ハウジング本体と蓋体の突き合わせ部よりも内方突部を軸方向内方に突出させて、独立マス部材の軸方向への移動端を内方突部で制限することが出来る。これにより、ハウジング本体と蓋体の突き合わせ部位に段差等ができている場合でも、そこに独立マス部材が打ち当たることが回避されることとなり、そのような段差等への打ち当たりによって独立マス部材の筒形ハウジング部材に対する打ち当たり状態が不安定になるようなこともない。
また、本発明においては、前記ハウジング本体の軸方向開口端から軸方向内方に所定長さに至る領域が外径寸法の小さい小径外周面とされており、この小径外周面に対して、前記蓋体の外周筒部が外嵌されていることにより、前記ハウジング本体と該蓋体の外周面上における突き合わせ部において該ハウジング本体の外径寸法と該蓋体の外径寸法が同じにされている構成が、好適に採用される。
このようにハウジング本体における蓋体との突き合わせ部位の外径寸法を、蓋体の外径寸法と合わせることにより、かかる突き合わせ部位に対して本体ゴム弾性体を容易に密着させて、突き合わせ部位におけるハウジング本体と蓋体の隙間を一層高度にシールすることが容易となる。
また、本発明においては、前記ハウジング本体が合成樹脂材で形成されており、前記独立マス部材の外周面が該ハウジング本体の内周面に対して直接に打ち当たるようになっている構成が、好適に採用される。
かくの如く、筒形ハウジング部材のうちの少なくともハウジング本体を合成樹脂材料で形成することにより、前述の如く、独立マス部材の打ち当たりに際しての打音の軽減や、ハウジング本体の変形に伴う減衰作用に基づく制振効果の向上、更にハウジング本体の弾性に基づく独立マス部材の効率的な飛び跳ね変位と打ち当たりの実現による制振効果の更なる向上などが、図られ得る。
要するに、独立マス部材を質量確保のために金属材料で形成すると共に、ハウジング本体も金属材料で形成した場合に問題となる打音等が、打ち当たり面への緩衝ゴム層の形成を必要とすることなく、ハウジング本体の合成樹脂化によって効果的に軽減乃至は回避され得るのである。尤も、本発明においては、合成樹脂材料によって形成されたハウジング本体を採用するに際しても、独立マス部材とハウジング本体との打ち当たり面の少なくとも一方に対して緩衝ゴム層を形成することを否定するものではない。
また、本発明においては、前記ハウジング本体が、軸方向一方の端部を覆蓋する底部が一体的に形成された有底円筒形状とされており、軸方向他方の端部が前記蓋体で覆蓋されている構成が、好適に採用される。
このような有底円筒形状のハウジング本体を採用することにより、蓋体によるマス収容空間のシール部をハウジング本体の軸方向一方の側だけとすることが出来る。それ故、筒形ハウジング部材における本体ゴム弾性体を利用したシール部分を少なくすることが出来ると共に、シール性能の更なる向上を図ることが可能となる。なお、有底円筒形状のハウジング本体を採用するに際しては、例えば合成樹脂材料の射出成形等で製造することが可能であり、その場合には、後述の実施形態に記載するように、ハウジング本体の軸方向中央部分を内径寸法が一定の断面形状で延びるストレート部とすると共に、ハウジング本体の軸方向底部側部分を内径寸法が次第に底部に向かって小径化するテーパ形状とすることが望ましく、それによって、独立マス部材の打ち当たりによる制振効果を充分に確保しつつ、成形時の脱型を容易として有利に製造することが可能となるのである。
(防振装置の製造方法に関する本発明)
防振装置の製造方法に関する本発明の特徴とするところは、防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材が離隔配置されており、それら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されていると共に、該第一の取付部材と該第二の取付部材の何れからも離隔した位置で該本体ゴム弾性体に中空の筒形ハウジング部材が固着されて該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って該筒形ハウジング部材が変位せしめられるようにされており、該筒形ハウジング部材には独立マス部材が収容配置されて、振動入力時における該本体ゴム弾性体の変形に伴う該筒形ハウジング部材の変位により該独立マス部材が該筒形ハウジング部材に対して飛び跳ねて繰り返し打ち当たるようにされた防振装置を製造するに際して、(A)前記独立マス部材が打ち当たる周壁部を一体的に形成して少なくとも一方の軸方向端部に開口部を有するハウジング本体と該独立マス部材とを準備し、該ハウジング本体に対して該独立マス部材を収容せしめるマス収容工程と、(B)前記独立マス部材を収容した前記ハウジング本体の開口部に対して、予め準備した蓋体を組み付けて、該ハウジング本体の開口部を覆蓋することにより、該独立マス部材が収容された前記筒形ハウジング部材を構成するハウジング覆蓋工程と、(C)前記独立マス部材が収容された前記筒形ハウジング部材を、前記本体ゴム弾性体の加硫成形型にセットして、該筒形ハウジング部材を該加硫成形型に対して固定的に位置決めすると共に、該筒形ハウジング部材における前記ハウジング本体と前記蓋体の外周面上における突き合わせ部をその全周に亘って成形キャビティに露出させて、かかる突き合わせ部の外周側にも該本体ゴム弾性体の成形空間を形成する加硫成形型の型合せ工程と、(D)前記筒形ハウジング部材をセットして型合わせした前記加硫成形型の前記成形キャビティにゴム材料を充填して、該筒形ハウジング部材が固着された前記本体ゴム弾性体を一体加硫成形すると共に、該筒形ハウジング部材における前記ハウジング本体と前記蓋体の外周面上における前記突き合わせ部をその全周に亘って密着状態で覆うシール部を該本体ゴム弾性体に一体的に形成する加硫成形工程とを、含む防振装置の製造方法にある。
本発明方法に従えば、防振装置に対してサージングを抑える制振装置を装着することで前述の本発明に従う構造とされた防振装置を得るに際して、防振装置本体を構成する本体ゴム弾性体の加硫成形工程において、(i)本体ゴム弾性体に対して制振装置を一体的に固着して取り付けることが出来ると同時に、(ii)制振装置自体でも、ハウジング本体と蓋体の突き合わせ部分における隙間を完全にシールすることにより、独立マス部材が収容された密閉構造の制振装置を完成することが出来るのである。
それ故、独立マス部材の収容スペースが高度に密閉された筒型ハウジング部材からなる制振装置が、防振装置の製造と同時に容易に完成されると共に、それと同時に、かかる制振装置が防振装置に対して装着されることとなって、制振装置を備えた目的の防振装置を簡単な作業工程で容易に製造することが可能となるのである。
上述したように、本発明に従う構造とされた防振装置においては、中空の筒型ハウジング内に独立マス部材を収容した構造とされて本体ゴム弾性体のサージングを抑えて防振性能を向上させる制振装置が、特別なシール部品の追加や構造の複雑化、特別なシール作業等を必要とすることなく、高度なシール性能をもって実現せしめられ得るのであり、それによって、目的とする本体ゴム弾性体のサージング抑制効果が安定して発揮され得る、新規な構造の防振装置が有利に実現され得るのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1〜2には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、相互に離隔して配置せしめられた第一の取付部材としての内筒金具12と、第二の取付部材としての外筒金具14が、本体ゴム弾性体16によって弾性連結された構造とされている。そして、内筒金具12が図示しない防振連結される一方の部材としてのパワーユニット側部材に取り付けられると共に、外筒金具14が防振連結される他方の部材としての図示しない車両ボデー側部材に取り付けられることによって、パワーユニットを車両ボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、そのような車両への装着状態下では、パワーユニットの分担支持荷重が内外筒金具12,14間で軸直角方向一方向(図1中の略上下方向)に及ぼされることにより、本体ゴム弾性体16が弾性変形して内外筒金具12,14が略同一中心軸上に位置せしめられることとなる。
より詳細には、内筒金具12は、厚肉で小径の円筒形状を有していると共に、アルミニウム合金や鉄等の剛性材料で形成されている。内筒金具12は、その内孔18に挿通されるボルトやロッド、ピン等を介してパワーユニットに固着されるようになっている。また、内筒金具12の軸直角方向外方には、外筒金具14が配設されている。
外筒金具14は、大径の円筒形状を有しており、内筒金具12と同様に金属等の剛性材料で形成されている。そして、この外筒金具14は、車両ボデー側部材に対して固定的に取り付けられるようになっている。なお、かかる取り付けは、図示されていないが、車両ボデー側部材を構成するサブフレーム等に直接に形成された取付孔に外筒金具14が圧入固定されることによって行われ、或いは、サブフレーム等に固定されるブラケット金具に形成された圧入孔に対して外筒金具14が圧入固定されること等によって行われる。
これら内筒金具12と外筒金具14の間には、本体ゴム弾性体16が配設されている。本体ゴム弾性体16は、全体として厚肉の円筒形状を有しており、内周面が内筒金具12の外周面に加硫接着されていると共に、外周面が外筒金具14の内周面に加硫接着されている。要するに、本体ゴム弾性体16が、内筒金具12や外筒金具14を備えた一体加硫成形品として形成されている。
また、本体ゴム弾性体16には、内筒金具12を主たる振動荷重や静的荷重の入力方向(図1中、上下)に挟んだ両側において、上側の第一スリット26と下側の第二スリット28が形成されている。第一スリット26は、軸直角方向断面が略山形状とされて本体ゴム弾性体16の上側部分の略半周に亘って周方向に延びており、本体ゴム弾性体16を軸方向に直線的に貫通して形成されている。また、第二スリット28は、軸直角方向断面が第一スリット26よりも小さい略山形状とされて本体ゴム弾性体16の下側部分の半周に満たない長さ(本実施形態では、略1/3周)で周方向に延びており、本体ゴム弾性体16を軸方向に貫通して形成されている。
すなわち、本体ゴム弾性体16は、内外筒金具12,14間において第一及び第二スリット26,28の間にのみ存在していることとなる。それによって、内外筒金具12,14間に亘って、径方向に延びる一対の弾性連結部30,30が形成されている。一対の弾性連結部30,30は、協働して略V字状断面とされており、内外筒金具12,14は、実質的にこれらの弾性連結部30,30によって相互に弾性的に連結されている。
特に本実施形態では、各弾性連結部30が、内筒金具12と外筒金具14の間を略半径方向に延びている。また、自動車への装着状態下で、内外筒金具12,14間には径方向(図1中の上下方向)の静的荷重が及ぼされるようになっており、かかる静的荷重が及ぼされた際に、一対の弾性連結部30,30が、内筒金具12が外筒金具14に対して径方向に相対変位せしめられる方向(図1中の下方向)に向かってV字状に拡がる形状とされている。これにより、外部からの主たる静的荷重や振動荷重の入力に際して、本体ゴム弾性体16においては、一対の弾性連結部30,30に対して圧縮方向の応力が生ぜしめられることとなり、本体ゴム弾性体16における引張応力の発生が軽減乃至は回避されるようになっている。
また、第一スリット26の周方向中央部分には、第一ストッパ部32が形成されている。この第一ストッパ部32は、内筒金具12側から径方向外方に向かって第一スリット26内に突出する形態をもって、本体ゴム弾性体16で一体形成されている。更に、第二スリット28の周方向中央部分には、第二ストッパ部34が形成されている。この第二ストッパ部34は、外筒金具14側から径方向内方に向かって第二スリット28内に突出する形態をもって、本体ゴム弾性体16で一体形成されている。
そして、内筒金具12と外筒金具14が第一ストッパ部32や第二ストッパ部34を介して相互に当接することにより、内筒金具12と外筒金具14の主たる振動入力方向となる径方向一方向(図1中、上下)の相対変位量が緩衝的に制限されるようになっている。
さらに、本体ゴム弾性体16の一対の弾性連結部30,30には、それぞれ一つずつ貫通孔36が形成されている。貫通孔36は、各弾性連結部30の連結方向の中間部分、即ち内外筒金具12,14の径方向対向面間の略中央部分(本実施形態では、中央よりも僅かに外筒金具14側に偏倚した位置)において、内外筒金具12,14から何れも離れた位置で弾性連結部30を軸方向に直線的に延びていて、内筒金具12や外筒金具14の中心軸およびエンジンマウント10の中心軸と平行に延びている。
そして、これら各貫通孔36に対して、制振装置40が装着されている。
かかる制振装置40は、筒型ハウジング部材としての中空のケースハウジング42に対して、独立マス部材としての独立マス44が非接着で収容配置された構造となっている。そして、制振装置40が各貫通孔36に装着された装着状態下において、エンジンマウント10に振動が入力されると、本体ゴム弾性体の変位に伴って、ケースハウジング42が変位せしめられる。すると、独立マス44がケースハウジング42に対して飛び跳ねて、ケースハウジング42の内面に繰り返して打ち当たることによって、本体ゴム弾性体16に対して有効な制振効果が発揮されることとなる。
より詳細には、ケースハウジング42は、図6に示されるように、周壁部を構成するハウジング本体46と蓋体48から構成されている。ハウジング本体46は、全体として円形断面の有底円筒形状を有しており、軸方向一方の側に開口部58が、他方の側には底壁部54が形成されている。その外周面50の形状は特に限定されるものでなく、多角形や多面体形状等も採用可能であるが、本実施形態では円筒外周面とされている。
一方、内周面52の形状は、一軸上で直線的に延びる円筒内周面とされている。特に本実施形態では、軸方向中央部分よりも底壁部54に近い部分において周方向に延びる底部側境界線56が設定されている。また、軸方向中央部分よりも開口部58に近い部分において周方向に延びる開口部側境界線60が設定されている。
そして、底部側境界線56を挟んで、底壁部54側の内周面が、底壁部54に行くに従って次第に小径化するテーパ形状の底部側テーパ面62とされている。また、開口部側境界線60を挟んで、開口部58側の内周面が、開口部58に行くに従って次第に大径化するテーパ形状の開口部側テーパ面64とされている。
さらに、ハウジング本体46の内周面52のうち、底部側境界線56と開口部側境界線60の間に位置する中央部分が、一定内径の断面形状で延びるストレート面66とされている。なお、ストレート面66と底部側テーパ面62の間の底部側境界線56およびストレート面66と開口部側テーパ面64の間の開口部側境界線60は、縦断面において、明確な屈曲点とされる他、適当な曲率で滑らかに接続された湾曲形状とされていても良い。
このことから明らかなように、本実施形態のハウジング本体46は、底部側テーパ面62を形成する底部側テーパ部68と、ストレート面66を形成するストレート部70と、開口部側テーパ面64を形成する開口部側テーパ部72を含んで構成されている。
また、ハウジング本体46の開口部58は、開口端縁部から軸方向の所定長さに亘って、その外径寸法が小さくされており、これによって、開口部58の開口端部において蓋嵌着部74が形成されている。なお、本実施形態において、ハウジング本体46において蓋嵌着部74が形成された開口部58は、内径寸法が略一定とされている。即ち、開口部58の内周面は、開口部側テーパ面64の最大外径となる軸方向端部からハウジング本体46の開口端縁部に至るまで一定の内径寸法で広がる円筒形状面とされている。
そして、かくの如きハウジング本体46における蓋嵌着部74に対して、蓋体48が組み着けられている。なお、このことから明らかなように、本実施形態ではこれらの蓋体48とハウジング本体46により、突き合わせ部が構成されている。
かかる蓋体48は、ハウジング本体46の外径寸法と略同じ外径の円板形状を有しており、その外周縁部から軸方向一方の側に突出する外嵌筒部76が一体形成されている。そして、この外嵌筒部76が、ハウジング本体46の蓋嵌着部74に対して外嵌されることにより、蓋体48がハウジング本体46の開口部58に固着されている。
なお、蓋体48のハウジング本体46に対する固着は、その外嵌筒部76の圧入によって行うことも可能であるが、強固に固着するために、接着や溶着などを施して固着することが望ましい。また、蓋体48における外嵌筒部76の内周面と、ハウジング本体46の蓋嵌着部74の外周面との、互いに対応する位置に凹凸係合部等の係止機構部や、ねじ溝およびねじ山からなる螺着部などを設けることによって、機械的な固定を行うことも可能である。
さらに、蓋体48には、その中央部分に内方突部78が一体形成されている。この内方突部78は、外嵌筒部76の内周側に離隔位置して、蓋体48の中心軸上で軸方向に突出している。特に本実施形態では、かかる内方突部78が、ハウジング本体46の開口部側テーパ面64よりも小さな外径の円形断面で突出形成されている。
そして、蓋体48がハウジング本体46の開口端部に組み着けられた状態下で、蓋体48の内方突部78が、ハウジング本体46の開口端部から軸方向内方に向かって入り込んで位置せしめられている。なお、本実施形態では、内方突部78は、ハウジング本体46における開口部側テーパ面64にまで達する程度に、ハウジング本体46内に突出せしめられている。かかる内方突部78によって、ハウジング本体46に収容される独立マス44の軸方向移動端が制限されて、独立マス44の軸方向端部がハウジング本体46の軸方向開口端にまで至らないようにされている。
このようにして、ハウジング本体46の開口部58に蓋体48が組み着けられることにより、ハウジング本体46の開口部58が覆蓋されており、以て、ケースハウジング42が形成されている。そして、このケースハウジング42の内部には、外部空間から遮断されたマス収容空所80が画成されている。このマス収容空所80内において、独立マス44が収容配置されることとなる。
なお、このようにして形成されたマス収容空所80は、ケースハウジング42の深さ寸法よりも蓋体48における内方突部78の突出高さだけ小さい軸方向の内法寸法:LA1 を有している。また、マス収容空所80の内径寸法は、ストレート面66において一定の内径寸法:φDAとされている。
ここにおいて、上記ハウジング本体46は、ポリプロピレンやポリカーボネート,ナイロン等或いはそれらを繊維補強したものなどの適当な合成樹脂材料によって形成されている。特に本実施形態では、熱可塑性合成樹脂材料によって形成されている。また、蓋体48の材質は特に限定されるものでないが、ハウジング本体46と同様な合成樹脂材料、或いはゴム材料で形成されたものが望ましい。特に熱可塑性合成樹脂材料で形成された蓋体48を採用することにより、蓋体48をハウジング本体46に対して溶着することが可能となる。
また、ケースハウジング42の内部に形成されたマス収容空所80は、外部空間に対して流体密に密閉されていても良い。このような密閉構造を実現するためには、蓋体48をハウジング本体46に対して、全周に亘って連続して溶着や接着することが有効である。或いは、ハウジング本体46への蓋体48の組み付け部位にOリング等のシール材を配設することも可能である。
そして、ハウジング本体46は、底壁部54と軸方向に長い周壁部を備えた有底円筒形状を有しているが、例えば射出成形が好適に採用されて一体成形されることによって有利に製造され得る。
そこにおいて、ハウジング本体46の外周面50を成形する成形用型は、ハウジング本体46の軸方向に離型される成形型の他、ハウジング本体46の周上で複数に分割されて軸直角方向外方に離型される分割型などが、特に構造上の限定なく適宜に採用され得る。一方、ハウジング本体46の内周面52を成形する成形用型は、軸方向に一体的に延び出したロッド形状のものが好適に採用される。このような一体物のロッド形状の成形用型で、ハウジング本体46の内周面52を構成する底部側テーパ面62とストレート面66と開口部側テーパ面64とを一体成形するようにされる。
これにより、底部側テーパ面62とストレート面66と開口部側テーパ面64が、互いに境界線56,60においても段差面等が発生することなく、極めて高精度に且つ同一中心軸上に連続して、目的とする内周面52の形状を与えるように一体形成され得るのである。
ここにおいて、底部側テーパ面62には、成形後における内周面52の成形用型の抜き方向(脱型方向)に向かって次第に大径化するテーパが付されている。従って、この底部側テーパ面62を成形する部分において、ロッド状の成形用型における最深部(先端部)の外周面には、成形用のテーパ面形状が脱型時の抜きテーパとして付与され得ることとなる。これにより、上述の如く長尺の有底円筒形の内周面52も、単一のロッド状の成形用型によって、容易に且つ安定して成形することが可能となるのである。
特に本実施形態では、ハウジング本体46の内周面52における開口部分にも所定長さに亘って開口部側テーパ面64が設けられていることから、この開口部側テーパ面64も、ハウジング本体46を成形する際に、内周面52の成形用型に対する抜きテーパを与えるように、有効に機能する。これにより、単一のロッド状の成形用型によって、目的とする深底の有底円筒形状の内周面52を、ハウジング本体46において一層有利に与えることが出来るのである。
なお、ハウジング本体46における底部側テーパ面62と開口部側テーパ面64における傾斜角度:θAは、特に限定されるものでないし、後述の独立マス44に付される傾斜角度(θB)も考慮して設定されるものであるが、例えば、0.1度≦θA≦20度に設定されることが好ましく、より好適には、1度≦θA≦10度に設定される。蓋し、テーパ角度が小さ過ぎると成形時の抜きテーパとしての機能が充分に発揮され難いおそれがあり、一方、テーパ角度が大き過ぎると後述する独立マス44の形状が制限されてマス質量を効率的に確保し難くなるおそれがあるからである。
一方、前記独立マス44は、図7にも示されているように、全体として中実の円形ロッド形状を有している。
この独立マス44は、鉄等の高比重な金属材によって形成されており、円形断面で軸方向にストレートに延び中実ロッド形状を有している。また、独立マス44の外周面には、軸方向中間部分で周方向に連続して延びる境界線82が形成されている。そして、この境界線82よりも軸方向一方の側(図7中の左側)は、軸方向先端に行くに従って次第に小径化するテーパ状外周面84を有する、底部側延出部としてのテーパ部86とされている。なお、テーパ部86は、ハウジング本体46の底部側テーパ部68よりも小さな外周面形状とされている。
そして、独立マス44において、境界線82は、軸方向で中央よりもテーパ部86側に偏倚して設定されている。これにより、テーパ部86よりも後述する当接部90の方が、軸方向長さが大きくされている。なお、独立マス44のテーパ部86はハウジング本体46の底部側テーパ部68側に収容される一方、当接部90は開口部側テーパ部72およびストレート部70に収容されている。
また一方、独立マス44において、境界線82よりも軸方向他方の側(図7中の右側)は、一定の外径寸法の円形断面で軸方向の全長に亘って延びる円筒形外周面88を有する当接部90とされている。なお、境界線82は、縦断面において、明確な屈曲点とされる他、適当な曲率で滑らかに接続された湾曲形状とされていても良い。
そして、制振装置40に振動が入力されて、ケースハウジング42内で独立マス44が飛び跳ね変位せしめられると、この当接部90がケースハウジング42のストレート部70におけるストレート面66に対して当接することにより、制振装置40の制振効果が発揮されることとなる。
また、独立マス44における軸方向長さ寸法:LB1 は、ケースハウジング42におけるマス収容空所80の軸方向の内法寸法:LA1 よりも所定寸法だけ小さく設定されている。さらに、独立マス44における外径寸法は、当接部90の外径寸法:φDBが、ケースハウジング42におけるマス収容空所80のストレート部70の内径寸法:φDAよりも所定量だけ小さくされている。
さらに、独立マス44におけるテーパ部86の軸方向長さ:LB2 は、ケースハウジング42におけるマス収容空所80の底部側テーパ部68の軸方向長さ:LA2 よりも大きくされている。要するに、独立マス44のテーパ部86側の軸方向先端面94を、ケースハウジング42の底壁部54の内面に重ね合わせた状態下で、独立マス44の境界線82が、ケースハウジング42の底部側境界線56よりも開口部58側に位置せしめられるようになっている。
そして、独立マス44におけるテーパ部86は、その傾斜角度:θBが、ケースハウジング42の底部側テーパ面62における傾斜角度:θAと同じかそれよりも大きく設定されている。即ち、θB≧θAとされている。
これにより、ケースハウジング42のマス収容空所80に独立マス44が収容配置せしめられた状態下で、独立マス44がケースハウジング42に対して並進的に飛び跳ね変位する限り、即ち独立マス44の中心軸がケースハウジング42の中心軸に対してこじり方向に所定量以上傾動しない限り、独立マス44は、ケースハウジング42の底部側テーパ面62に打ち当たらないようになっている。
また、本実施形態では、ケースハウジング42の軸方向において、ストレート面66の軸方向長さ:LA3 が、マス収容空所80の軸方向全長:LA1 の1/4以上に設定されることが好ましく、より好適には1/3以上の長さで、略軸方向の中央に設定される。また、底部側テーパ面62の軸方向長さ:LA2 は、マス収容空所80の軸方向長さ:LA1 に対して、2/5以下に設定されることが望ましく、より好適には1/3以下に設定される。
更にまた、独立マス44においても、当接部90の軸方向長さ:LB3 が、軸方向全長:LB1 の1/4以上に設定されることが好ましく、より好適には1/3以上の長さで、軸方向の中央に設定される。また、テーパ部86の軸方向長さ:LB2 は、軸方向全長の4/7以下に設定されることが望ましく、より好適には2/5以下に設定される。
また、ケースハウジング42の底部側テーパ面62の傾斜角度:θAは、0.5度≦θA≦30度に設定されることが望ましく、より好適には1度≦θA≦20度とされる。蓋し、傾斜角度:θAが小さ過ぎると、成形時の抜きテーパ作用が充分に発揮され難くなる一方、大き過ぎると、独立マス44のマス質量を効率的に確保することが難しくなるからである。また、独立マス44のテーパ部86の傾斜角度:θBは、前述の如く、かかる底部側テーパ面62の傾斜角度:θAの大きさ以下の傾斜角度に設定されるが、θAとθBの差は、10度以下に設定することが望ましく、より好適には5度以下、更に好適には1度以下に設定される。蓋し、差が大きくなると独立マス44の質量を効率的に確保し難くなるからである。
なお、本実施形態では、独立マス44が、テーパ部86と反対の軸方向端部、即ちケースハウジング42における開口部側テーパ部72内に位置せしめれる側の端部においても、当接部90が軸方向端部まで延び出して、一定外径寸法で延びるストレート形状とされている。
しかし、例えば、独立マス44におけるテーパ部86と反対の軸方向端部を、ケースハウジング42の開口部側テーパ面64と同じかそれより小さい傾斜角度で軸方向端部に向かって拡径する逆テーパ部とすることにより、より一層効率的なマス質量の確保を図ることも可能である。
或いはまた、例えば、独立マス44におけるテーパ部86と反対の軸方向端部も、テーパ部86と同じように軸方向端部に向かって次第に小径化するテーパ面形状としても良い。特に、独立マス44の軸方向両側に同一形状のテーパ部86,86を形成して、独立マス44を軸方向に対称形状とすることも有利に採用される。このような対称形状の独立マス44においては、軸方向の区別がなくなることから、ケースハウジング42への挿入組み付けに際して、軸方向の区別をする必要がなくなり、作業が容易となる。しかも、軸方向両側の重量バランスが向上されることから、ケースハウジング42内での独立マス44の飛び跳ねに際して、傾動が効果的に抑えられて飛び跳ね変位の安定化が図られ得ることとなる。
上述の如き構造とされた独立マス44を、ケースハウジング42のマス収容空所80に収容配置せしめてなる制振装置40において、マス収容空所80内で独立マス44を、軸方向の中央部分で且つ同一中心軸上に位置せしめた状態が、図4及び図5に示されている。なお、実際の装置への装着状態下では、重力の作用で独立マス44が、マス収容空所80内で載置状態とされて、ケースハウジング42から振動が独立マス44に対して及ぼされることとなるが、ここでは仮想的に、独立マス44をマス収容空所80内で同軸的に位置せしめた状態を考えるものとする。
このような独立マス44のマス収容空所80内中央への配置状態下では、独立マス44の全表面とマス収容空所80の全内面との間に連続した隙間92が形成されている。この隙間92の大きさは、上述の如きハウジング本体46の底部側テーパ部68の軸方向長さ:LA2 と独立マス44のテーパ部86の軸方向長さ:LB2 との差、およびハウジング本体46の底部側テーパ部68の傾斜角度:θAと独立マス44のテーパ部86の傾斜角度:θBとの差に基づいて、独立マス44の当接部90における隙間92の大きさ:δaが、テーパ部86における隙間92の大きさ:δbよりも小さく設定されている。即ち、図4,5に示された隙間92の大きさにおいて、δa<δbとされている。
特に本実施形態では、独立マス44のテーパ部86側の軸方向先端面94をケースハウジング42の底壁部54の内面に重ね合わせた状態でも、独立マス44の当接部90における隙間92の大きさ:δaが、テーパ部86における隙間92の大きさ:δbよりも小さく維持されるように設定されている。これにより、前述の如く、独立マス44が並進的に飛び跳ね変位せしめられる限り、独立マス44は、当接部90だけにおいて、ケースハウジング42に対して打ち当たるようになっている。
なお、独立マス44とケースハウジング42との上記径方向隙間:δaは、好適には0.05〜2.0mmとされ、より好適には0.1〜1.0mmとされる。蓋し、この径方向隙間:δaが小さ過ぎると、部品製造時における誤差許容量が小さくなって製造が難しくなり、部品誤差によって隙間92が実質的に消失してしまうことで目的とする制振効果が発揮されなくなってしまうおそれがあるからであり、一方、径方向隙間:δaが大き過ぎると、独立マス44のケースハウジング42に対する打ち当たりの衝撃が大きくなりすぎて、打音等の発生が問題となるおそれがあるからである。
また、本実施形態においては、ハウジング本体46の開口部側テーパ部72における開口部側テーパ面64と独立マス44の外周面との隙間92の大きさが、ハウジング本体46のストレート部70におけるストレート面66と独立マス44の当接部90との隙間92の大きさ:δaよりも大きくされている。これにより、独立マス44が並進的に飛び跳ね変位せしめられる限り、開口部側テーパ部72における独立マス44とハウジング本体46との当接が回避されている。
また、独立マス44の軸方向長さ:LB1 とケースハウジング42の軸方向内法寸法:LA1 との差は、独立マス44の軸直角方向での飛び跳ね変位を阻害しない程度に充分に大きく、且つ独立マス44の当接部90が、ケースハウジング42のストレート面66に対して軸方向で大きく相対位置がずれないで打ち当たりを繰り返すように、軸方向の大きな位置ずれを規制し得るように設定される。
上述の如き構造とされた制振装置40は、本実施形態のエンジンマウント10において一対用いられており、図1に示されているように、それぞれのケースハウジング42が、エンジンマウント10を構成する本体ゴム弾性体16に形成された貫通孔36,36に対して挿通状態で装着されている。
ここにおいて、かかる一対の制振装置40,40の装着は、本体ゴム弾性体16の成形によるエンジンマウント10の製造と同時に行われることとなる。
より具体的には、先ず、前述の如き内筒金具12と外筒金具14を予め準備しておくと共に、上述の如き構造とされた一対の制振装置40,40を別途に製造して準備する。なお、かかる制振装置40は、先ず、一体射出成形したハウジング本体46と、独立マス44をそれぞれ用意すると共に、ハウジング本体46に独立マス44を収容するマス収容工程を経た後、別途に成形した蓋体48をハウジング本体46の開口部58に組み付けて固定又は仮固定することで筒形ハウジング部材を形成するハウジング覆蓋工程を経て製造されることとなる。
次に、加硫成形型の型合せ工程が実施される。図8に示されているように、本体ゴム弾性体16の成形型100,102において、その成形空間としての成形キャビティ104における各所定の位置に、それら内筒金具12と外筒金具14と共に、一対の制振装置40,40をセットする。かくの如くセットされた内筒金具12,外筒金具14および一対の制振装置40,40は、図8に示されているように、それぞれの中心軸が互いに平行に延びるようにして、上成形型100と下成形型102の間に跨がって位置決め配置されている。
ここにおいて、各制振装置40は、その軸方向両端部が、本体ゴム弾性体16の成形キャビティ104から突出して位置せしめられて、上下の成形型100,102に嵌め合わされている。特に、各制振装置40の下端部は、ハウジング本体46の底壁部54側の下端部が下成形型102に嵌着されている。一方、各制振装置40の上端部は、蓋体48の上端部が上成形型100に嵌着されている。
すなわち、各制振装置40の上下の成形型100,102へのセット状態下、ケースハウジング42の外表面におけるハウジング本体46と蓋体48の突き合わせ部位は、成形型100,102によって画成された成形キャビティ104内に露呈された状態となっている。換言すれば、ハウジング本体46と蓋体48の突き合わせ部位の外周側においても、成形キャビティ104が形成されている。
その後、加硫成形工程として、図示しない射出装置等を用いて、所定のゴム材料を成形キャビティ104に充填し、必要な加熱保持などの所定の加硫処理を加えることにより、成形キャビティ104内で本体ゴム弾性体16を成形する。この本体ゴム弾性体16は、その加硫成形に際して、内外筒金具12,14に対して加硫接着されると共に、一対の制振装置40のケースハウジング42の外周面50に対しても加硫接着される。これにより、ケースハウジング42が本体ゴム弾性体16から突出位置せしめられた状態で固着されることととなる。なお、これら内外筒金具12,14やケースハウジング42には、必要に応じて、本体ゴム弾性体16の被着面に対して、予め接着処理が施されることとなる。
このようにして得られたエンジンマウント10においては、本体ゴム弾性体16の成形と同時に、該本体ゴム弾性体16が制振装置40のケースハウジング42に対して加硫接着されるに際して、ケースハウジング42におけるハウジング本体46と蓋体48の突き合わせ面に対しても、それを覆うようにして全周に亘って筒状に延びる被着シール部としてのシール部108が、本体ゴム弾性体16と一体的に形成される。そして、このシール部108が、ケースハウジング42におけるハウジング本体46と蓋体48の突き合わせ面を全周に亘って覆うように加硫接着されることにより、かかる突き合わせ部分が外部空間から完全にシールされて、マス収容空所80が外部空間から遮断されているのである。
特に本実施形態では、かかるシール部108が、本体ゴム弾性体16の軸方向両端面から、ハウジング本体46の外周面50に沿って筒状に延び出して形成されている。これにより、シール部108を形成したことによる、本体ゴム弾性体16の弾性特性への影響が回避されている。加えて、万一、ハウジング本体46と蓋体48の突き合わせ部における隙間や段差等でシール部108に応力集中等が発生して亀裂の発生のおそれがあったとしても、エンジンマウント10を構成する本体ゴム弾性体16への悪影響が有利に回避され得るのである。
而して、かくの如き一対の制振装置40,40を備えたエンジンマウント10においては、その装着状態下、自動車のパワーユニットの振動が内外筒金具12,14間に及ぼされると、本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられて防振効果が発揮される。
そこにおいて、特定の周波数域では、本体ゴム弾性体16における一対の弾性連結部30,30が、第一及び第二のスリット26,28側に向けて振れるような曲げ振動が大きくなってサージングを生ずる場合がある。このようなサージングが発生すると、弾性連結部30の中央部分の変位方向が大きくなる結果、弾性連結部30において特に一次モードで略腹となる位置に配された制振装置40が、軸直角方向に大きく加振変位せしめられることとなる。
このように制振装置40が軸直角方向に加振変位せしめられると、その加振力がケースハウジング42から独立マス44に伝達されて、マス収容空所80内で独立マス44が飛び跳ね変位せしめられる。これにより、独立マス44がケースハウジング42におけるマス収容空所80の内面に対して軸直角方向で打ち当たりを繰り返すこととなり、ケースハウジング42が一体的に固着された本体ゴム弾性体16の弾性連結部30に対して、有効な制振効果が発揮されるのである。
その結果、制振装置40が固着された弾性連結部30の変位が抑えられてサージングが軽減乃至は回避されることとなり、以て、サージングに起因する特定周波数域での防振性能の大幅な低下が回避されて、良好な防振効果が安定して発揮されることとなるのである。
しかも、本実施形態では、制振装置40を構成するケースハウジング42において、高度なシール性が付与されることから、目的とするサージングの抑制効果が、長期間に亘って高い信頼性をもって発揮され得るのである。特に、制振装置40における高度なシール性能が、特別なシール部材を必要とすることなく、エンジンマウント10における本体ゴム弾性体16を巧く利用して達成せしめ得たことに、大きな実用上の効果が存するのである。
加えて、本実施形態では、制振装置40におけるケースハウジング42が合成樹脂材料によって形成されていることから、軽量であると共に、低コストで大量に生産することが出来る。しかも、合成樹脂材料で形成されたケースハウジング42においては、独立マス44の打ち当たりに際して、金属材料で形成されたハウシング部材に比して打音の軽減作用が発揮されると共に、変形に際しての減衰作用が発揮されて制振効果の向上も図られ得るのである。
また、独立マス44が打ち当たる際に合成樹脂材料で形成されたケースハウジング42の弾性に基づく飛び跳ね方向への付勢力が独立マス44に対して反重力方向に作用せしめられることから、独立マス44が一層効率的に飛び跳ねて大きな力でケースハウジング42に打ち当たることとなる。その結果、目的とする制振効果が、一層有効に発揮され得るのである。
さらに、このように合成樹脂材料で形成されたケースハウジング42は、前述の如き底部側テーパ面62とストレート面66を併せ備えた特定形状によって極めて有利に製造せしめ得て実現可能となったのであり、しかも、それに対応したテーパ部86と当接部90からなる特定形状の独立マス44を組み合わせて採用したことによって、独立マス44がケースハウジング42に対して軸直角方向で打ち当たって安定した打ち当たりと有効な制振効果が発揮され得るように為し得たのである。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はかかる記載によって何等限定的に解釈されるものでない。例えば、前記実施形態では、ケースハウジング42の開口部58側にも開口部側テーパ面64が付されていたが、この開口部58側のテーパ面は、ハウジング本体46における深さ寸法や、底部側テーパ面62やストレート面66の軸方向長さ寸法などを考慮して、必要に応じて設けられるものであって、必ずしも設ける必要はない。また、ケースハウジング42の底部側のテーパに関しても、ケースハウジング42の内径寸法や軸方向寸法、具体的な材質等によっては、必ずしも設ける必要がない場合がある。因みに、ケースハウジング42を金属等の材料で形成する構成も、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
また、独立マス44の外周面に対して全体を覆うように、或いは少なくとも円筒形外周面88を覆うように、薄肉のゴム層からなる当接ゴムを加硫接着して形成したり未接着で被覆するように設けたりすることも可能であり、それによって、独立マス44のケースハウジング42に対する打ち当たりに際しての衝撃の緩和等が図られ得る。なお、このような当接ゴムは、独立マス44に加えて、或いはそれに代えて、ケースハウジング42のマス収容空所80の内面の全体や、少なくともストレート面66に対して設けても良い。
更にまた、制振装置40において、軸方向両側に開口する円筒形状のハウジング本体を採用し、その軸方向両側の開口部をそれぞれ蓋体で覆蓋せしめても良い。
また、制振装置40のケースハウジング42において、ハウジング本体46と蓋体48の突き合わせ面を、前記実施形態のように本体ゴム弾性体16の外周面(軸方向端面)から実質的に突出させることなく、本体ゴム弾性体16の内部に完全に埋設位置させても良い。その場合には、本体ゴム弾性体16自体によって、シール部が構成されることとなる。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す側面図。 図1におけるII−II断面図。 図1における制振装置を示す縦断面図。 図3におけるIV−IV断面図。 図3におけるV−V断面図。 図3におけるケースハウジングを示す縦断面図。 図3における独立マスを示す縦断面図。 図1に示された自動車用エンジンマウントの製造に用いられる成形型の断面図。
符号の説明
10 エンジンマウント,12 内筒金具,14 外筒金具,16 本体ゴム弾性体,40 制振装置,42 ケースハウジング,44 独立マス,46 ハウジング本体,48 蓋体,50 外周面,58 開口部,78 内方突部,80 マス収容空所,100 上成形型,102 下成形型,104 成形キャビティ,108 シール部

Claims (8)

  1. 防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材が離隔配置されており、それら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されていると共に、該第一の取付部材と該第二の取付部材の何れからも離隔した位置で該本体ゴム弾性体に中空の筒形ハウジング部材が固着されて該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って該筒形ハウジング部材が変位せしめられるようにされており、該筒形ハウジング部材には独立マス部材が収容配置されて、振動入力時における該本体ゴム弾性体の変形に伴う該筒形ハウジング部材の変位により該独立マス部材が該筒形ハウジング部材に対して飛び跳ねて繰り返し打ち当たるようにされた防振装置において、
    前記独立マス部材が打ち当たる周壁部を一体的に形成して少なくとも一方の軸方向端部に開口部を有するハウジング本体に対して、その開口部に蓋体を組み付けて覆蓋することにより、前記筒形ハウジング部材が構成されており、該ハウジング本体の外周面が前記本体ゴム弾性体に加硫接着されていると共に、該ハウジング部材と該蓋体の外周面上における突き合わせ部は、その全周に亘って該本体ゴム弾性体が密着状態で被さってシールされていることを特徴とする防振装置。
  2. 前記ハウジング本体の軸方向開口部が前記本体ゴム弾性体から突出位置せしめられており、該本体ゴム弾性体において、該ハウジング本体と前記蓋体の外周面上における突き合わせ部をシールする部分が、該ハウジング本体の外周面に被着されて該本体ゴム弾性体から筒状に延び出した被着シール部とされている請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記ハウジング本体と前記蓋体が何れも熱可塑性樹脂材料で形成されていると共に、それらハウジング本体と蓋体が全周に亘って溶着されている請求項1又は2に記載の防振装置。
  4. 前記蓋体には、前記ハウジング本体の軸方向開口端から軸方向内方に入り込む内方突部が形成されており、該内方突部で前記独立マス部材の軸方向移動端が制限されることにより、該独立マス部材の軸方向端部が該ハウジング本体の軸方向開口端にまで至らないようにされている請求項1乃至3の何れか一項に記載の防振装置。
  5. 前記ハウジング本体の軸方向開口端から軸方向内方に所定長さに至る領域が外径寸法の小さい小径外周面とされており、この小径外周面に対して、前記蓋体の外周筒部が外嵌されていることにより、前記ハウジング本体と該蓋体の外周面上における突き合わせ部において該ハウジング本体の外径寸法と該蓋体の外径寸法が同じにされている請求項1乃至4の何れか一項に記載の防振装置。
  6. 前記ハウジング本体が合成樹脂材で形成されており、前記独立マス部材の外周面が該ハウジング本体の内周面に対して直接に打ち当たるようになっている請求項1乃至5の何れか一項に記載の防振装置。
  7. 前記ハウジング本体が、軸方向一方の端部を覆蓋する底部が一体的に形成された有底円筒形状とされており、軸方向他方の端部が前記蓋体で覆蓋されている請求項1乃至6の何れか一項に記載の防振装置。
  8. 防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材が離隔配置されており、それら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されていると共に、該第一の取付部材と該第二の取付部材の何れからも離隔した位置で該本体ゴム弾性体に中空の筒形ハウジング部材が固着されて該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って該筒形ハウジング部材が変位せしめられるようにされており、該筒形ハウジング部材には独立マス部材が収容配置されて、振動入力時における該本体ゴム弾性体の変形に伴う該筒形ハウジング部材の変位により該独立マス部材が該筒形ハウジング部材に対して飛び跳ねて繰り返し打ち当たるようにされた防振装置を製造するに際して、
    前記独立マス部材が打ち当たる周壁部を一体的に形成して少なくとも一方の軸方向端部に開口部を有するハウジング本体と該独立マス部材とを準備し、該ハウジング本体に対して該独立マス部材を収容せしめるマス収容工程と、
    前記独立マス部材を収容した前記ハウジング本体の開口部に対して、予め準備した蓋体を組み付けて、該ハウジング本体の開口部を覆蓋することにより、該独立マス部材が収容された前記筒形ハウジング部材を構成するハウジング覆蓋工程と、
    前記独立マス部材が収容された前記筒形ハウジング部材を、前記本体ゴム弾性体の加硫成形型にセットして、該筒形ハウジング部材を該加硫成形型に対して固定的に位置決めすると共に、該筒形ハウジング部材における前記ハウジング本体と前記蓋体の外周面上における突き合わせ部をその全周に亘って成形キャビティに露出させて、かかる突き合わせ部の外周側にも該本体ゴム弾性体の成形空間を形成する加硫成形型の型合せ工程と、
    前記筒形ハウジング部材をセットして型合わせした前記加硫成形型の前記成形キャビティにゴム材料を充填して、該筒形ハウジング部材が固着された前記本体ゴム弾性体を一体加硫成形すると共に、該筒形ハウジング部材における前記ハウジング本体と前記蓋体の外周面上における前記突き合わせ部をその全周に亘って密着状態で覆うシール部を該本体ゴム弾性体に一体的に形成する加硫成形工程と
    を、含むことを特徴とする防振装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012255461A (ja) * 2011-06-07 2012-12-27 Bridgestone Corp 防振装置

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