JP2012255461A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを比較的小さく抑えつつも、装置の重量の増大、静粛性能の悪化を招くことなしに、サージング現象の発生を有効に防止して、常に所期したとおりの防振性能を発揮することができる防振装置を提供する。
【解決手段】外筒2と、外筒2の内側に配置した内筒3と、内筒3の周囲を取り囲む被覆ゴム部分4a及び、該被覆ゴム部分4aに連続して外筒2側にそれぞれ延びて、外筒2及び内筒3の相互を、外筒2の周方向の二箇所で連結するそれぞれのゴム脚部分4bからなるゴム部材4とを具えてなる防振装置であって、前記ゴム部材4を、ゴム硬度が異なる二種類のゴム弾性体Rh1、Rh2の相互を少なくとも一部で一体的に固着させて構成する。
【選択図】図4

Description

この発明は、外筒と、外筒の内側に配置した内筒との間に、それらの外内筒の相互を周方向の二箇所で連結するそれぞれのゴム脚部分を有するゴム部材を設けてなる、いわゆる「ハ」の字型の防振装置、なかでも、エンジンマウントまたはモーターマウント等として用いて好適な防振装置に関するものであり、特に、装置の使用に際し、外筒と内筒との間に配設したゴム部材に発生するおそれのある、いわゆるサージング現象を有効に抑制して、装置に、常に所期したとおりの防振機能を発揮させる技術を提案するものである。
たとえば、エンジン側の部材と車体側の部材とのそれぞれに、外筒および内筒のそれぞれを取り付けて使用に供されることがあるこの種の防振装置では、エンジン側部材からの入力振動を、ゴム部材の、主として二個のゴム脚部分の弾性変形で吸収するに当り、いずれも剛性材料からなる外筒および内筒の相互を連結する各ゴム脚部分をばねおよび質量とするばね―質量系にあって、固有振動周波数、たとえば1000Hz前後の周波数の振動が入力された場合は、ゴム脚部分のそれぞれが自励振動して振幅が急激に増大し、硬いばね特性がもたらされる、いわゆるサージング現象が発生し、装置が、所期したとおりの防振機能を発揮し得なくなることがある。
このようなサージング現象に対処するべく、特許文献1では、「防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材が離隔配置されており、それら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されていると共に、該第一の取付部材と該第二の取付部材の何れからも離隔した位置で該本体ゴム弾性体に中空の筒形ハウジング部材が固着されて該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って該筒形ハウジング部材が変位せしめられるようにされており、該筒形ハウジング部材には独立マス部材が収容配置されて、振動入力時における該本体ゴム弾性体の変形に伴う該筒形ハウジング部材の変位により該独立マス部材が該筒形ハウジング部材に対して飛び跳ねて繰り返し打ち当たるようにされた防振装置において、前記独立マス部材が打ち当たる周壁部を一体的に形成して少なくとも一方の軸方向端部に開口部を有するハウジング本体に対して、その開口部に蓋体を組み付けて覆蓋することにより、前記筒形ハウジング部材が構成されており、該ハウジング本体の外周面が前記本体ゴム弾性体に加硫接着されていると共に、該ハウジング部材と該蓋体の外周面上における突き合わせ部は、その全周に亘って該本体ゴム弾性体が密着状態で被さってシールされていることを特徴とする防振装置」が提案されている。
そして、この防振装置によれば、「本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って筒形ハウジング部材が変位せしめられて、筒形ハウジング部材内で飛び跳ねた独立マス部材が筒形ハウジング部材に対して打ち当たる。この独立マス部材の筒形ハウジング部材への打ち当たりに基づいて、本体ゴム弾性体に有効な制振作用が及ぼされることとなり、その結果、本体ゴム弾性体において問題となるサージングに対して有効な抑制効果が発揮される」とされている。
特開2007−270925号公報
ところで、特許文献1に記載された防振装置では、金属材料等からなる、比重の大きい「独立マス部材」を「本体ゴム弾性体」に設けることから、装置全体としての重量が増加し、特に、エンジンマウントやモーターマウントとして用いる場合には、車両の燃費の低下を招くという問題があった。
また、この防振装置では、「ハウジング部材」に「独立マス部材」が打ち当たる際に生じる打音が、車両等の静粛性能を悪化させるおそれがある他、「独立マス部材」や「筒状ハウジング部材」の配設に伴う部材点数の増加によって製造コストが嵩むという問題もある。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、製造コストを比較的小さく抑えつつも、装置の重量の増大、静粛性能の悪化を招くことなしに、サージング現象の発生を有効に防止して、常に所期したとおりの防振性能を発揮することができる防振装置を提供するにある。
発明者は、有限要素法による数値解析を実施して、図1に正面図で示すような、正面視で「ハ」の字状の弾性体の、振動入力時の挙動について鋭意研究を重ねた結果、前記弾性体を、少なくとも一部で互いに一体的に固着させた、ゴム硬度が異なる二種類の弾性要素にて構成することで、弾性体の動的ばね定数の、共振周波数でのピーク値を、一種類の弾性要素からなる弾性体に比して大幅に低減させることができ、また、その動的ばね定数のピークの発生周波数を、共振周波数より高周波数側もしくは低周波数側にシフトできることを見出した。
そして、このことを防振装置に適用することにより、サージングの発生を有効に防止することができると考えた。
このような知見に基づき、この発明の防振装置は、外筒と、外筒の内側に配置した内筒と、内筒の周囲を取り囲む被覆ゴム部分及び、該被覆ゴム部分に連続して外筒側にそれぞれ延びて、外筒及び内筒の相互を、外筒の周方向の二箇所で連結するそれぞれのゴム脚部分からなるゴム部材とを具えてなる防振装置であって、前記ゴム部材を、ゴム硬度が異なる二種類のゴム弾性体の相互を少なくとも一部で一体的に固着させて構成してなるものである。
ここで好ましくは、ゴム部材のそれぞれのゴム脚部分を、外筒の中心軸線を含む平面を隔てて位置させ、ゴム部材の、ゴム硬度の異なる前記二種類のゴム弾性体のそれぞれを、前記平面により区分けされる一方側と他方側とのそれぞれに配置するとともに、該ゴム弾性体の相互を、前記被覆ゴム部分で、外筒の軸線方向にわたって固着させる。
また好ましくは、ゴム部材の、ゴム硬度の異なる前記二種類のゴム弾性体のそれぞれを、外筒の軸線方向の一方側と他方側とのそれぞれに配置するとともに、該ゴム弾性体の相互を、外筒の中心軸線に直交する断面で、ゴム部材の全域に方向にわたって固着させる。
なお好ましくは、二種類のゴム弾性体の、それぞれのゴム硬度をともに、JIS A硬度で40〜60の範囲内とし、二種類のゴム弾性体のゴム硬度の差を、JIS A硬度で5〜15の範囲内とする。
なおここで、「JIS A硬度」は、JIS K6253に規定される、タイプAデュロメータを用いたデュロメータ硬さ試験により得られるデュロメータ硬さをいう。
図2に、有限要素法を用いた解析結果を、入力振動の周波数に対する動的ばね定数の変化のグラフで示す。
この数値解析では、図1に正面図で示すような、正面視で「ハ」の字状の弾性体で、ほぼ中央域に設けた貫通孔の、内筒が固着される周面及び、外筒の内周面が固着される弾性体外周面のそれぞれを固定端とした状態をモデル化し、ゴム硬度が、JIS A硬度44と55で互いに異なる二種類の弾性要素の配設域を、図3に示すように各種変更したものについて、振動が入力した際の、動的バネ定数の変化をそれぞれ算出した。
ここで、図3(a)に正面図で示す弾性体は、図に仮想線で示す平面の一方側と他方側とで、硬度の異なる弾性要素を配設し、それらの弾性要素の相互を、仮想線上の接触域で固着させたものである。また、図3(b)〜(d)に側面図で示す弾性体は、硬度の異なる弾性要素を軸線方向の一方側と他方側とのそれぞれに配設して、それらの弾性要素の相互を、図に仮想線で示す位置で固着させたものである。なおここでは、図3(b)〜(d)で、硬度55と硬度45との弾性要素の体積比を図示のように相違させた。
なお、図2では参考のため、ゴム硬度が45または55のいずれか一種類だけの弾性要素からなる弾性体のそれぞれの解析結果についても示した。
図2に示すように、図3(a)〜(d)に示す、ゴム硬度の異なる二種類の弾性要素を相互に固着させてなる弾性体では、ゴム硬度が45または55のいずれか一種類だけの弾性要素からなる弾性体(以下、それぞれ「硬度45の弾性体」及び「硬度55の弾性体」という。)のそれぞれの、動的ばね定数のピークに対応する二つのピークが生じているが、図3(a)〜(d)に示す弾性体では、硬度45の弾性体及び、硬度55の弾性体のそれぞれのピークに比して、対応する二つのピークがいずれも大幅に低減されていることがわかる。
このことから、この発明の防振装置によれば、外筒及び内筒の相互を連結するゴム部材を、図3に例示する弾性体のように、ゴム硬度が異なる二種類のゴム弾性体の相互を少なくとも一部で一体的に固着させて構成したことにより、エンジンマウントまたはモーターマウント等に必要とされる所要の静的ばね特性を発揮させつつも、ゴム部材自身の動的ばね定数のピークを大幅に低減させることができるので、従来技術でいう「独立マス部材」等の配設に起因する、製造コストの増加、装置の質量の増大及び静粛性能の悪化を招くことなしに、サージング現象の発生を有効に防止することができる。
ここで、図2に示す解析結果から、図3(a)に示す、中心軸線を含む平面により区分けされる一方側と他方側とで弾性要素の硬度を相違させた弾性体では、硬度45の弾性体及び、硬度55の弾性体のそれぞれの、動的ばね定数のピークに対して、対応する二つのピークがともに半分程度にまで低減されていることがわかる。
このことは、中心軸線を含む平面により区分けされる一方側の弾性要素と他方側の弾性要素とで、ゴム硬度を相違させたことにより、それらの弾性要素の相互の固着面積が小さいことに起因して、入力振動に対し、内筒側から外筒側に延びる二個の脚部が、互いに大きな影響を及ぼし合うことなく、それぞれ独立して自励振動するので、ばね質量の半減に基づき、二つのピークの発生周波数が低周波数側もしくは高周波数側に大きくシフトせずに、それらのピーク値が減少することによるものと考えられる。
したがって、上述した防振装置において、図3(a)に示す弾性体のように、ゴム部材のそれぞれのゴム脚部分を、外筒の中心軸線を含む平面を隔てて位置させ、ゴム部材の、ゴム硬度の異なる前記二種類のゴム弾性体のそれぞれを、前記平面に区分けされる一方側と他方側のそれぞれに配置するとともに、該ゴム弾性体の相互を、前記被覆ゴム部分で、外筒の軸線方法にわたって固着させたときは、硬度の異なるゴム脚部分のそれぞれの自励振動に基づき、動的ばね定数の二つのピークの発生周波数を大きくシフトさせずに、それらの二つのピークをともに大幅に低減することができる。
またここで、図2に示す結果より、図3(b)〜(d)に示す、軸線方向の一方側と他方側とで硬度の異なる弾性要素を配設した弾性体では、動的ばね定数の二つのピークが低減されていることに加えて、二つのピークが発生するそれぞれの周波数の少なくとも一方が、硬度45の弾性体及び、硬度55の弾性体のそれぞれの、対応するピークの発生周波数よりも低周波数側もしくは高周波数側にシフトしていることがわかる。
このことは、図3(b)〜(d)に示すような弾性体を構成する、ゴム硬度が45の弾性要素と、それに大きな面積で一体的に固着されたゴム硬度が55の弾性要素とが、互いに振幅の大きさ及び位相の異なる挙動を示すことによって、振動の入力時に、二個の弾性要素が、相互に大きな影響を及ぼし合って、弾性要素自身の振動の増幅を互いに抑制し合うことによるものと考えられる。
したがって、上述した防振装置において、図3(b)〜(d)に示す弾性体のように、ゴム部材の、ゴム硬度の異なる前記二種類のゴム弾性体のそれぞれを、外筒の軸線方向の一方側と他方側のそれぞれに配置するとともに、該ゴム弾性体の相互を、外筒の中心軸線に直交する断面で、ゴム部材の全域にわたって固着させたときは、ゴム部材の動的ばね定数のピークを低減させるとともに、そのピークの発生周波数を、従来の装置でサージングが生じる入力振動の周波数より高周波数側もしくは低周波数側にシフトさせることができる。
なお、図2に示すところでは、図3(b)〜(d)に示す弾性体のうち、ゴム硬度が55の弾性要素が占める体積の小さいものほど、硬度55の弾性体のピーク周波数付近に発生する、動的ばね定数のピークが低下する一方で、硬度45の弾性体のピーク周波数付近に発生する、動的ばね定数のピークが増加する傾向にあり、また、ゴム硬度が異なる二個の弾性要素の体積比に応じて、硬度45の弾性体及び、硬度55の弾性体のそれぞれのピークに対応する二つのピークの発生周波数が、高周波側もしくは低周波側にシフトすることがわかる。
なおここで、上述した防振装置において、前記二種類のゴム弾性体の、それぞれのゴム硬度をともに、JIS A硬度で40〜60の範囲内とし、二種類のゴム弾性体のゴム硬度の差を、JIS A硬度で5〜15の範囲内としたときは、ゴム部材の所要の静的バネ定数を確保して、動倍率(静的ばね定数に対する静的ばね定数の比)を小さく、耐久性を十分に高めることができるとともに、ゴム部材を二種類のゴム弾性体で構成することに基づく、ゴム部材の動的ばね定数のピーク低減効果と、ゴム部材による入力振動の抑制効果とを高い次元で両立させることができる。
これを言い換えれば、少なくとも一方のゴム弾性体のゴム硬度を40未満とした場合は、ゴム部材の静的ばね定数の不足によって、振動発生側部材及び伝達側部材を十分強固に連結することができないおそれがあり、この一方で、前記ゴム硬度を、60を超えるものとした場合は、ゴム部材の動倍率が高くなることによる防振性能の低下、ゴム部材の耐久性悪化の懸念がある。
また、ゴム硬度の差を5未満とした場合は、ゴム硬度の差が小さいことによって、振動入力時に、ゴム硬度の差に基づく、ゴム部材の動的ばね定数のピーク低減効果が十分に発揮されない結果、入力振動によっては、サージング現象が生じるおそれがあり、この一方で、ゴム硬度の差を、15を超えるものとした場合は、二種類のゴム弾性体のいずれかのゴム硬度が小さすぎるか、もしくは大きすぎることから、ゴム部材の剪断変形による入力振動の吸収が適正に行われないおそれがある。
有限要素法による数値解析に用いた弾性体モデルを示す正面図である。 有限要素法による解析結果を、入力振動の周波数に対する動的ばね定数の変化で表すグラフである。 数値解析に用いたそれぞれの弾性体モデルの、二種類の弾性要素の配設態様を示す図である。 この発明の一の実施形態を示す、装置の横断面図である。 他の実施形態を示す、装置の中心軸線を含む縦断面図である。
以下に図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
図4に例示する防振装置1は、例えば円筒状をなす外筒2と、外筒2の内側で、図では中心軸線位置を外筒2のそれよりも幾分上方側にずらして配置した、図示の横断面視で方形の角筒状をなす内筒3と、外筒2及び内筒3の相互を連結するゴム部材4とを具えてなる。
なお、図示は省略するが、内筒は、横断面視で円形をなす円筒状とすることもできる。
ここで、ゴム部材4は、内筒3の周囲を取り囲んで内筒3を被覆する薄肉の被覆ゴム部分4a、及び、被覆ゴム部分4aに連続して、外筒2側にそれぞれ延びる二個のゴム脚部分4bからなり、それらの二個のゴム脚部分4bによって、外筒2と内筒3とを、外筒2の周方向の二箇所で連結する。
このように構成したゴム部材4には、外筒2と内筒3との間で、内外筒の軸線方向に貫通する、図では上下二箇所の空所5a、5bが形成されることになる。
このような防振装置は、外筒2を、振動発生側もしくは振動伝達側のいずれか一方側の部材に取り付けるとともに、内筒3を、他方側の部材に取り付けて使用に供することができ、振動発生側からの、図4では上下方向の入力振動を、主として、ゴム部材4の剪断変形で吸収することで、入力振動の、振動伝達側の部材への伝達を防止するべく機能する。
ここにおいて、外筒2及び内筒3の相互を連結する各ゴム脚部分4bをばねおよび質量とするばね―質量系にあって、固有振動周波数、たとえば1000Hz前後の周波数の振動が入力された場合は、ゴム脚部分4bのそれぞれが自励振動して、振幅及び動的ばね定数が増加するサージング現象が生じることがあるので、かかるサージング現象に対処するべく、図4に示す実施形態では、ゴム部材4のそれぞれのゴム脚部分4bを、外筒2の中心軸線を含む平面Pを隔てて位置させ、ゴム部材4の、前記平面Pによって区分けされる一方側に存在する被覆ゴム部分4aの半部及びゴム脚部分4bと、他方側に存在する被覆ゴム部分4aの半部及びゴム脚部分4bとを、互いにゴム硬度の異なる二種類のゴム弾性体Rh1、Rh2で構成し、該ゴム弾性体Rh1、Rh2の相互を、前記被覆ゴム部分4aで、外筒2の軸線方向にわたって固着させる。
なお、図4に示すところでは、外筒2の内周面の全体に、ゴム部材4が図の上下方向に大きく変形した際のストッパとして機能するストッパゴム部材6を、ゴム部材4のゴム脚部分4bのそれぞれに連続させて設けるとともに、このストッパゴム部材6もまた、平面Pの一方側と他方側とで硬度を相違させたが、このことは、この発明の必須の構成ではない。
図4に示す防振装置1では、ゴム弾性体Rh1とゴム弾性体Rh2との相互の固着面積が十分に小さいことに起因して、振動入力に際し、内筒3側から外筒2側に延びる二個のゴム脚部分4bが、互いに大きな影響を及ぼし合うことなく、それぞれ独立して自励振動することになる。
その結果として、この防振装置1によれば、ゴム部材4の動的ばね定数のピークの発生周波数を大きくシフトさせることなく、そのピーク値を、たとえばゴム部材が一種類のゴム弾性体からなる装置におけるピーク値の半分程度にまで低減することができるので、ゴム部材4を高硬度と低硬度の二種類のゴム弾性体Rh1、Rh2で構成することに基づき、エンジンマウントまたはモーターマウント等に必要とされる所要の静的ばね特性を発揮させつつも、サージング現象の発生を有効に防止することができる。
ここで好ましくは、ゴム部材の、相対的に硬度の低いゴム弾性体Rh1及び、硬度の高いゴム弾性体Rh2のゴム硬度をともに、JIS A硬度で40〜60の範囲内とするとともに、それらのゴム弾性体Rh1、Rh2のゴム硬度の差を、同様の硬度で5〜15の範囲内とする。
ところで、上記の防振装置の製造は、たとえば、図示は省略するが、はじめに、型開きしたモールド内に、外筒および内筒のそれぞれを配置し、次いで、モールドを型締めして、それの内部に形成されるキャビティに、二つの注入口から、二種類の粘性流体状の生ゴムのそれぞれを射出してキャビティ内に充満させ、しかる後に、生ゴムを加硫することによって行うことができる。
このようにして装置1を製造することにより、ゴム硬度が異なるゴム弾性体Rh1とRh2とを、それらの接触域で互いに一体的に固着させることができる。
図5に、他の実施形態を、装置の中心軸方向を含む縦断面図で示す。図5に示す装置10は、ゴム部材を構成する二種類のゴム弾性体を、図4に示す装置1とは異なる態様で配置したものであり、装置10の、ゴム弾性体の配置態様以外の構成は装置1と同様である。
すなわち、図5に示す装置10のゴム部材14は、外筒2の軸線方向の一方側と他方側とのそれぞれに、ゴム硬度の異なる二種類のゴム弾性体Rh1、Rh2のそれぞれを配置するとともに、該ゴム弾性体Rh1、Rh2の相互を、外筒2の中心軸線Cに直交する断面で、ゴム部材14の全域にわたって固着させて構成している。
図5に示す防振装置10では、大きな面積で相互に一体的に固着させたゴム弾性体Rh1とRh2とが、振動の入力時に、互いに振幅の大きさ及び位相の異なる挙動を示すことによって、硬度の異なる二種類の弾性体Rh1、Rh2が、相互に大きな影響を及ぼし合って、ゴム弾性体自身の振動の振幅を互いに抑制するべく機能する。
それにより、この防振装置10によれば、ゴム部材14の動的ばね定数のピークが低減されるとともに、そのピークの発生周波数が、従来の装置でサージングが生じる入力振動の周波数より高周波数側もしくは低周波数側にシフトすることになるので、所要の静的ばね定数を大幅に低下させることなしに、サージング現象の発生のおそれを効果的に取り除くことができる。
図5に示すところでは、外筒2の軸線方向の一方側と他方側に配置した二種類のゴム弾性体Rh1、Rh2の体積比を、1:1としているが、この比率はこれに限定されるものではないので、二種類のゴム弾性体Rh1、Rh2を、たとえば、図示は省略するが、1:4もしくは4:1の体積比で配置することも可能である。
先に述べた解析結果によれば、図5に示すような防振装置10では、所定の周波数域で動的ばね定数のピークが二つ発生することになり、二種類のゴム弾性体の体積比を変更することによって、前記二つのピークの増減とともに、少なくとも一方のピークの発生周波数を、より低周波数側もしくは高周波数側にシフトさせることができるので、二種類のゴム弾性体の体積比を適宜選択することによって、サージングの発生をより確実に防止することができる。
なお、図5に示す装置10では、外筒2の内周面を被覆するストッパゴム部材16もまた、外筒の軸線方向の一方側の部分と他方側の部分とで、ゴム硬度を相違させている。
1、10 防振装置
2 外筒
3 内筒
4、14 ゴム部材
4a、14a 被覆ゴム部分
4b ゴム脚部分
5a、5b 空所
Rh1 低硬度のゴム弾性体
Rh2 高硬度のゴム弾性体

Claims (4)

  1. 外筒と、外筒の内側に配置した内筒と、内筒の周囲を取り囲む被覆ゴム部分及び、該被覆ゴム部分に連続して外筒側にそれぞれ延びて、外筒及び内筒の相互を、外筒の周方向の二箇所で連結するそれぞれのゴム脚部分からなるゴム部材とを具えてなる防振装置であって、
    前記ゴム部材を、ゴム硬度が異なる二種類のゴム弾性体の相互を少なくとも一部で一体的に固着させて構成してなる防振装置。
  2. ゴム部材のそれぞれのゴム脚部分を、外筒の中心軸線を含む平面を隔てて位置させ、ゴム部材の、ゴム硬度の異なる前記二種類のゴム弾性体のそれぞれを、前記平面により区分けされる一方側と他方側とのそれぞれに配置するとともに、該ゴム弾性体の相互を、前記被覆ゴム部分で、外筒の軸線方向にわたって固着させてなる請求項1に記載の防振装置。
  3. ゴム部材の、ゴム硬度の異なる前記二種類のゴム弾性体のそれぞれを、外筒の軸線方向の一方側と他方側とのそれぞれに配置するとともに、該ゴム弾性体の相互を、外筒の中心軸線に直交する断面で、ゴム部材の全域にわたって固着させてなる請求項1に記載の防振装置。
  4. 前記二種類のゴム弾性体の、それぞれのゴム硬度をともに、JIS A硬度で40〜60の範囲内とし、二種類のゴム弾性体のゴム硬度の差を、JIS A硬度で5〜15の範囲内としてなる請求項1〜3のいずれかに記載の防振装置。
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