JP2010223275A - 液入り防振装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】振動の、発生側および被伝達側のそれぞれに連結されるそれぞれの取付部材14,18と、コア状をなす一方の取付部材14の周りに、スリーブ状をなす他方の取付部材18を連結するゴム弾性体22とを具え、両取付部材14,18の軸線方向の相対振動および、その軸線を直交する方向の相対振動のそれぞれを吸収するものであって、コア状取付部材14の、ゴム弾性体22内への埋め込み部分で、主および副液室28,30側の端部分に、一対の横液室36a,36bの方向へのみ突出する形態のそれぞれの突部44a,44bを設けてなる。
【選択図】図3
Description
これは、たとえば、振動の発生側に、図示しないブラケットを介して連結される、コア状の一方の取付部材111と、振動の被伝達側に、鍔付き筒体からなるブラケット112を介して連結される、スリーブ状の他方の取付部材113とを、コア状取付部材111に加硫接着等によって固着させたゴム弾性体114によって弾性的に相互連結し、そして、コア状取付部材111の一方の端縁より軸線方向の外側部分で、スリーブ状取付部材113の内側に、液体を充填された主液室115および副液室116のそれぞれを区画形成するとともに、それらの両液室115,116を、仕切部材117に設けた制限通路118によって相互に連通させるとともに、両取付部材111,113間で、コア状取付部材111の周りに、その取付部材111の直径方向に対抗して位置し、液体を充填されて相互に連通される一対の横液室119a,119bを、ゴム弾性体114の、コア状取付部材111とスリーブ状取付部材113とを繋ぐ隔壁部分120によって区画してなるものであって、それぞれの横液室119a,119bを、絞り通路121a,121bを介して副液室116に連通させるものである。
従って、ここでの先細り端面は、一対の平坦傾斜面、角錐状傾斜面とすることの他、先端に到るまでの中間部分が、凸面もしくは凹面となる曲面傾斜面等とすることもできる。
ところで、以下では、防振装置に直交座標系を想定し、たとえば、防振装置の中心軸線と平行な車両の下方向(たとえばエンジン重量の入力方向)を+Z方向、中心軸線に直交する車両の前方向を+X方向、中心軸線に直交する車両の右方向を+Y方向とする。
図1〜図3は、この発明の実施の形態を示す説明図であり、図1は、図2および図3のI−I線に沿う平面断面図であり、図2は、図1のII−II線に沿う側面断面図、図3は、図1のIII−III線に沿う側面断面図、そして図4は、コア状をなす一方の取付部材だけを取り出して示す要部略線傾斜図である。
このコア状取付部材14の、図では上方側となる−Z側の端面には、第2ブラケット12を連結するためのネジ穴が形成されている。また、コア状取付部材14の、図では下方側となる+Z側の端部分は、後述するゴム弾性体内に埋め込まれている。
そしてこのスリーブ状取付部材18の内周に沿って、後述する中間筒部材20が設けられている。
この一方で、スリーブ状取付部材18の+Z側の下端開口は、コア状取付部材の14の下端よりさらに下方側で、可撓性を有するゴム膜からなるダイヤフラム24によって液密に封止されている。
ここにおいて、スリーブ状取付部材18の内側には液体が封入されて、コア状取付部材14の下端部分を埋め込まれたゴム弾性体22と仕切部材26との間には主液室28が、そして、その仕切部材26とダイヤフラム24との間には副液室30がそれぞれ形成されている。
ここで、仕切部材26には、制限通路としての、円環状の主オリフィス流路32が形成され、この主オリフィス流路32の一端は主液室28に、他端は副液室30にそれぞれ開口されている。
この場合、コア状取付部材14が第1共振周波数(例えば、エンジンシェイクの10Hz前後)で振動すると、主オリフィス流路32の液体が液柱共振し、これにより、エンジンの±Z方向の振動に対して大きな減衰力を発揮することができる。
このメンブラン34は、少なくともその一部が±Z方向に変形ないしは変位しうるように構成され、支持されている。
これにより、エンジンマウントの動的バネ定数の上昇を抑制することができる。
これらの一対の連結部20cは、中間筒部材20の±X方向に配置されている。このため、中間筒部材20の±Y方向には一対の窓部20dが形成されることになる。
ここで、上壁部分22aは、コア状取付部材14と、中間筒部材20の上筒部20aとの間にわたって配設され、下壁部分22bは、コア状取付部材14と、中間筒部材20の下筒部分20bとの間に全周にわたって配設されている。そして、後述する一対の横液室を区画するべく機能する隔壁部分22cは、少なくとも、上壁部分22aと下壁部分22bとを連結する範囲内に配設されている。
この隔壁部分22cは、図1に示すように、コア状取付部材14から±Y方向に延び、中間筒部材20の窓部20dを貫通して、スリーブ状取付部材18の内面に当接している。
これがため、コア状取付部材14が+Y方向に大きく変位した場合には、コア状取付部
材14の−Y方向において隔壁部分22cがスリーブ状取付部材18の内表面から離隔することになる。これにより、隔壁部分22cの−Y方向における引張ひずみが低減され、亀裂の発生を防止することができる。
ところで、これらの第1液室36aおよび第2液室36bは、図3に示すように、主および副液室28,30より一Z方向で、上壁部分22aと下壁部分22bとの間に形成されている。
すなわち、この防振装置10は、車体に連結される、略筒状に形成されたスリーブ状取付部材18と、エンジンに連結される、スリーブ状取付部材18の内周側に配置されたコア状取付部材14と、スリーブ取付部材18とコア状取付部材14との間に配設されてそれらの両者を弾性的に連結するゴム弾性体22と、スリーブ状取付部材18の内周側で、コア状取付部材14の、図では下端よりさらに下方側に配設されるとともに、少なくとも一部がゴム弾性体22により区画されて、液体が充填された主液室28と、隔壁の一部がダイヤフラム24により形成されるとともに液体が充填され、液体の液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた副液室30と、主液室28と副液室30とを互いに連通させて液体を流通可能とする主オリフィス流路32とを具え、さらに、スリーブ状取付部材18とコア状取付部材14との間に、コア状取付部材14の直径方向に対抗させて配設され、内壁の少なくとも一部がゴムにより形成されて、液体が充填された第1液室36aおよび第2液室36bと、第1液室36aを副液室30に連通させる第1オリフィス流路38aおよび、第2液室36bを副液室30に連通させる第2オリフィス流路38bとを具えてなる。
これにより、この第2ブラケット12は、ボルト貫通孔に挿入したボルトを介してコア状取付部材14に固定される。
衝撃等を緩和ないし抑制するためには、ストッパ40の少なくとも当接表面を、緩衝部材
、たとえばカバーゴム42にて覆うことが好ましい。
この場合、カバーゴム42は、ストッパ40の表面に、加硫接着その他によって接着させることができる他、ストッパ40に非接着状態とすることもできる。
なお、この一方で、ストッパ40はそのままとして、緩衝部材を第1ブラケット16側に設けることもできる。
22を加硫成形するための加硫モールドの型抜きを円滑なものとするため、ここでは、ストッパ40のゴム弾性体22側の表面を、フランジ状のストッパ40の中央部側でゴム弾性体22側に凸となる截頭円錐面40aとし、この截頭円錐面40aと、それが対向するゴム弾性体22の表面との間の、コア状取付部材14の軸線方向の距離x,yを、半径方向の内外にわたって同一もしくは、半径方向の外方に向けて次第に増加させる。
従って、ここでいう截頭円錐面40aは、幾何学的なテーパ面になる截頭円錐面のみならず、ゴム弾性体22側に幾分凸となる、または凹となる曲面からなるものをも含むことになる。
また、コア状取付部材に、0〜17(mm)の振幅の押込み振動を繰返し入力したときの、ゴム弾性体に亀裂が発生するまでの耐久試験を行ったところ、実施例装置では20万回の繰返しによって、また、比較例装置では9万回の繰返しにより、そして、従来例装置では28万回の繰返しによってそれぞれ亀裂が発生した。
12 第2ブラケット
14 コア状取付部材
16 第1ブラケット
16a 筒状部
16b 内向フランジ
18 スリーブ状取付部材
20 中間筒部材
22 ゴム弾性体
22a 上壁部分
22b 下壁部分
22c 隔壁部分
24 ダイヤフラム
26 仕切部材
28 主液室
30 副液室
32 主オリフィス流路
34 メンブラン
36a 第1液室
36b 第2液室
38a 第1オリフィス流路
38b 第2オリフィス流路
40 ストッパ
40a 截頭円錐面
42 カバーゴム
44a,44b 突部
46a,46b 端面
Claims (3)
- 振動の、発生側および被伝達側のそれぞれに連結されるそれぞれの取付部材と、コア状をなす一方の取付部材の周りに、スリーブ状をなす他方の取付部材を連結するゴム弾性体とを具え、コア状取付部材の一方の端縁より軸線方向の外側部分に、液体を充填された主および副液室を相互に連通させて設けるとともに、両取付部材間で、コア状取付部材の周りに、このコア状取付部材の直径方向に対向して位置し、液体を充填されて相互に連通される一対の横液室を、前記ゴム弾性体の、コア状取付部材とスリーブ状取付部材とを繋ぐ隔壁部分によって区画してなり、両取付部材の軸線方向の相対振動および、その軸線と直交する方向の相対振動のそれぞれを吸収する液入り防振装置であって、
コア状取付部材の、ゴム弾性体内への埋め込み部分で、主および副液室側の端部分に、一対の横液室の方向へのみ突出する形態のそれぞれの突部を設けてなる液入り防振装置。 - コア状取付部材の一対の突部の、主および副液室側の端面を、それらの液室に向けて先細りとなる形状としてなる請求項1に記載の液入り防振装置。
- コア状取付部材の一対の突部の、主および副液室側の端面を、その取付部材の周方向に弧状をなす先細りテーパ面としてなる請求項1もしくは2に記載の液入り防振装置。
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