JP5363093B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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    • F16F13/106Design of constituent elastomeric parts, e.g. decoupling valve elements, or of immediate abutments therefor, e.g. cages

Description

本発明は、例えば、自動車のエンジンマウントやサスペンションマウント等として好適に用いられて、内部に封入された流体の流動作用に基づく防振効果を得るようにされた流体封入式防振装置に係り、特に、可動ゴム板の板厚方向での変位によって受圧室の圧力変動を吸収する液圧吸収機構を備えた流体封入式防振装置に関する。
従来から、振動伝達系を構成する一方の部材を他方の部材に対して防振連結乃至は防振支持せしめる手段として、該一方の部材に対して取り付けられる第一の取付部材と、該他方の部材に対して取り付けられる第二の取付部材を、本体ゴム弾性体で相互に連結した構造を有する防振装置が知られている。また、問題となる特定周波数域の振動に対して優れた防振効果を得ることが出来る流体封入式防振装置も知られている。
流体封入式防振装置は、例えば、特許文献1(特公平6−81972号公報)に示された液圧緩衝式ゴム受座のように、壁部の一部が本体ゴム弾性体(中空円錐形弾性要素12)で構成された受圧室(作用室5)と、壁部の一部が可撓性膜(ベロー13)で構成された平衡室(補償室6)を有しており、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、両室がオリフィス通路(緩衝孔14)によって相互に連通された構造とされている。そして、オリフィス通路を通じて両室間で流動せしめられる流体の流動作用に基づいて、目的とする防振効果が発揮されるようになっている。
しかし、オリフィス通路による防振効果は、オリフィス通路が予めチューニングされた周波数域の振動入力に対して限定的に発揮されるものであって、オリフィス通路のチューニング周波数を外れた周波数域の振動に対しては、有効な防振効果を得ることが難しいという問題があった。特に、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域の振動入力時には、オリフィス通路が反共振的な作用によって実質的に遮断された状態となって、防振性能の大幅な低下を避け難かった。
このような問題を解決する一つの手段として、特許文献1では、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数の振動入力に際して受圧室の圧力変動を吸収するようにした、液圧吸収機構を設けることが提案されている。即ち、特許文献1の流体封入式防振装置では、仕切部材(受台1)に対して可動部材(隔壁3)を設けて、可動部材の板厚方向での変位によって受圧室の液圧を平衡室側に伝達することで、オリフィス通路が遮断状態となった場合にも、著しい高動ばね化による防振性能の低下を防ぐことが出来るようになっている。
しかしながら、特許文献1に示されている流体封入式防振装置では、可動部材がゴム弾性体単体で形成されていると共に、可動部材の板厚方向両側に大きな開口が形成されていることから、振幅の大きな振動の入力に際して、可動部材が該開口を通じて大きく弾性変形せしめられて該開口の周縁部に対して打ち当てられることにより、打音を生じるおそれがあった。
ところで、流体封入式防振装置においては、衝撃的な大荷重の入力に際して、問題となる程度に大きな異音や振動が発生することが知られている。例えば、流体封入式防振装置を自動車のエンジンマウントとして採用する場合には、自動車の段差乗越え時等において、乗室内において体感し得る程の異音や振動が発生することもある。
このような異音や振動は、衝撃荷重の入力によって本体ゴム弾性体が大きく弾性変形せしめられて受圧室の圧力が急速に著しく低下することで、受圧室内にキャビテーションによると解される気泡が発生し、該気泡が消失する際に発する衝撃波が水撃圧となって車両に伝達されることに起因すると考えられている。
そこで、特許文献1に示された流体封入式防振装置では、可動部材に対して板厚方向で貫通するスリット(切込み7)が形成された構造が提案されている。即ち、受圧室に過大な圧力変動が惹起されると、該スリットが開口して、受圧室と平衡室が流動抵抗の小さいスリットを通じて相互に連通されるようになっており、受圧室における過大な圧力変動がスリットを通じて平衡室に逃されてキャビテーションの発生が防止されるようになっている。
ところが、このようなキャビテーション異音解消を目的としたスリットを有する構造では、可動部材が弾性変形することによってスリットが開口することから、スリット端部に応力が集中してスリットの端部が裂け易く、スリットが開口する圧力の設定値が安定して初期の状態に保持され得ないという問題や、可動部材の耐久性を充分に確保することが困難になるという問題があった。
なお、特許文献1に記載の流体封入式防振装置においては、スリットの周囲を取り囲むように厚肉部分(肉厚部8)を形成することで、スリット端部における亀裂の発生と伸長を抑えるようにした構造が提案されているが、スリットの形成部分よりも外周部分が次第に厚肉となるようにされた特許文献1の構造では、スリットの端部に生じる亀裂の伸長を防止することは難しかったのである。
特公平6−81972号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、液圧吸収機構を設けることによって広い周波数域の振動入力に対して有効な防振効果を得ることが出来ると共に、衝撃的な大荷重の入力に際してキャビテーションに起因する異音や振動を効果的に防ぐことが出来る流体封入式防振装置において、優れた耐久性と安定したキャビテーション解消効果を両立して実現すると共に、液圧吸収機構の打ち当たりによって発生する打音を低減乃至は回避することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されていると共に、該第二の取付部材で支持された仕切部材の一方の側において該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室が形成されると共に、該仕切部材の他方の側において壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が形成されている流体封入式防振装置において、前記仕切部材に設けられた収容領域に可動ゴム板が全体として板厚方向で変位可能に収容配置されており、該仕切部材に形成された受圧室側開口を通じて該可動ゴム板の一方の面に前記受圧室の圧力が及ぼされると共に、該仕切部材に形成された平衡室側開口を通じて該可動ゴム板の他方の面に前記平衡室の圧力が及ぼされてそれら受圧室と平衡室の圧力差に基づく該可動ゴム板の板厚方向の変位によって該受圧室の圧力変動を吸収する液圧吸収機構が構成されている一方、該受圧室側開口および該平衡室側開口の開口領域よりも大きな拘束板が該仕切部材とは別体で設けられて該可動ゴム板に固着されており、該拘束板に少なくとも一つの貫通窓が形成されて該貫通窓が該可動ゴム板で閉塞されていると共に、該可動ゴム板において該貫通窓を閉塞する部分にスリットが形成されており、該拘束板で周辺を取り囲まれた該スリットの形成部分における該可動ゴム板の弾性変形によって該スリットが開口して該受圧室と該平衡室を短絡させてキャビテーション異音を防止する短絡機構が構成されていることを特徴とする。
このような本発明に従う構造の流体封入式防振装置においては、可動ゴム板の板厚方向での微小変位に基づいて受圧室の圧力変動を吸収する液圧吸収作用が発揮されるようになっている。これにより、オリフィス通路のチューニング周波数を外れた周波数域の振動入力に際して、液圧吸収作用に基づく防振効果が有効に発揮されて、より広い周波数域の振動に対して目的とする防振効果を実現することが出来る。
また、仕切部材に形成された受圧室側開口および平衡室側開口よりも大径とされた硬質の拘束板が、可動ゴム板に対して固着されている。これにより、可動ゴム板の変形が硬質の拘束板によって制限されて、可動ゴム板が受圧室側開口又は平衡室側開口を通じて過大に変形するのを防ぐことが出来る。それ故、可動ゴム板が、過大な変形によって、仕切部材における受圧室側開口周縁部又は平衡室側開口周縁部に打ち当てられるのを防いで、当接打音が発生する等の不具合を効果的に防ぐことが出来る。特に、可動ゴム板にスリットが形成された構造では、スリットの形成部位において可動ゴム板が部分的に大きく変形することにより、打音の問題が発生し易くなるおそれがあるが、本発明では、可動ゴム板全体の変形が制限されていることにより、スリットの形成箇所における当接打音の発生も、効果的に低減乃至は回避される。
さらに、高周波小振幅振動の入力時に可動ゴム板の微小変位による液圧吸収作用が発揮されるようになっていると共に、低周波大振幅振動の入力時には、受圧室側開口および平衡室側開口の開口周縁部に対する拘束板の当接によって可動ゴム板が拘束されて、受圧室の液圧が可動ゴム板の変形によって吸収されるのを防止出来るようになっている。それ故、受圧室と平衡室の相対的な圧力変動が効率的に惹起されて、オリフィス通路を通じての流体流動量が有利に確保され、流体の流動作用に基づく防振効果が効果的に発揮されるようになっている。
また、拘束板に対して少なくとも一つの貫通窓が形成されており、貫通窓が可動ゴム板で閉塞されていると共に、可動ゴム板において貫通窓を閉塞する部分にスリットが形成されている。そして、衝撃的な大荷重の入力によって受圧室において著しい負圧が急速に発生した場合には、可動ゴム板の弾性変形によってスリットが開口せしめられて、スリットを通じて受圧室と平衡室が相互に連通されるようになっている。これにより、受圧室の負圧が可及的速やかに解消されることとなって、キャビテーションに起因する異音や振動の発生を低減乃至は回避することが可能となる。
しかも、本発明においては、スリットが、可動ゴム板において拘束板の貫通窓を閉塞する部分に形成されており、スリットの周辺が拘束板によって取り囲まれている。それ故、スリットの開口と閉塞が長期間に亘って繰り返されて、応力集中による亀裂がスリット端部に発生した場合にも、硬質の拘束板によって亀裂の伸長が制限されて、キャビテーションの防止効果と、低周波大振幅振動に対する防振効果を安定して得ることが出来る。
なお、拘束板は、少なくとも一部が軸方向(可動ゴム板の板厚方向)の投影において受圧室側開口および平衡室側開口の開口領域と重なり合うように位置せしめられており、該開口領域を跨ぐように配置されている。より好適には、拘束板は、軸方向の投影においてそれら受圧室側開口および平衡室側開口の開口領域の全体に対して重なるように配置されている。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、前記可動ゴム板の外周縁部が前記拘束板よりも外周側に延び出して大径となっていると共に、該可動ゴム板において該拘束板よりも外周側に延び出した外周縁部が周方向に延びる波打ち形状とされていることが望ましい。
このように可動ゴム板の外周縁部が周方向に延びる波打ち形状とされた構造を採用することにより、可動ゴム板の板厚方向での変位に際して、波打ち形状とされた外周縁部が、仕切部材に対して周上で部分的に当接せしめられる。それ故、可動ゴム板の外周縁部が全周に亘って仕切部材に当接せしめられる場合に比して、当接時の衝撃が抑えられて、それら可動ゴム板と仕切部材の打ち当たりに起因する異音や振動をより効果的に低減乃至は回避することが出来る。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、前記スリットの周囲において該スリットの形成領域を囲んで周方向に延びる周辺弾性突起が板厚方向の少なくとも一方の側に向かって突出するように形成されていても良い。
このようなスリットの形成領域を囲む周辺弾性突起を形成することで、スリット端部から亀裂が生じて伸長するのを防ぐことが出来る。しかも、可動ゴム板の変位に際して、周辺弾性突起が仕切部材に対して当接せしめられるようにすれば、周辺弾性突起の弾性変形によって可動ゴム板の仕切部材に対する当接を緩衝的に実現することが出来て、当接打音の低減を図ることも出来る。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、前記可動ゴム板において板厚方向両側に向かって突出する緩衝突起が形成されており、該可動ゴム板が前記仕切部材に対して該緩衝突起を介して板厚方向で当接せしめられるようになっていても良い。
このような緩衝突起を備えた構造の可動ゴム板では、可動ゴム板の微小変位に際して可動ゴム板が緩衝突起を介して仕切部材に当接することから、緩衝突起の弾性に基づいて可動ゴム板と仕切部材の緩衝的な当接が実現されて、当接時の打音等を防ぐことが出来る。
なお、緩衝突起は、周辺弾性突起によって構成されていても良いし、周辺弾性突起とは別に設けられていても良い。更に、周辺弾性突起を採用することなく緩衝突起だけを採用しても良い。また、緩衝突起は、可動ゴム板において拘束板が固着された部分に形成されていても良いし、拘束板を外れた位置に形成されていても良い。緩衝突起が拘束板の固着部分に形成されている場合には、可動ゴム板の変位に際して緩衝突起が仕切部材と拘束板の間で圧縮されて、緩衝突起の弾性による緩衝作用と変位制限作用を有効に得ることが出来る。一方、緩衝突起が拘束板の固着部分を外れた位置に形成されている場合には、可動ゴム板の弾性によって更なる緩衝効果が発揮されることとなって、当接打音の低減効果をより有利に発揮させることが可能となる。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、前記仕切部材に形成された前記受圧室側開口と前記平衡室側開口が何れも円形透孔で構成されていると共に、前記可動ゴム板が該円形透孔よりも大径の円板形状とされて、該可動ゴム板に対して該円形透孔よりも大径の円板形状を有する前記拘束板が固着されていると共に、該可動ゴム板の外周部分には板厚方向両側に突出して周方向に延びる当接外周突条が一体形成されていても良い。
このように受圧室側開口と平衡室側開口を円形透孔で構成すると共に、拘束板を円形透孔よりも大径の円板形状とすることで、拘束板の外周部分が仕切部材に対して全周に亘って安定して当接される。その結果、可動ゴム板における仕切部材との当接部分が変形することによって局所的に打ち当てられるのを回避することが出来る。また、可動ゴム板の外周部分に当接外周突条が形成されており、可動ゴム板の外周部分が当接外周突条を介して仕切部材に当接するようになっている。それ故、可動ゴム板と仕切部材の当接が当接外周突条の弾性に基づいてより緩衝的に実現されて、打音の発生を抑えることが出来る。
また、本発明に係る流体封入式防振装置においては、前記可動ゴム板が前記拘束板よりも大径とされて該可動ゴム板の外周縁部が該拘束板よりも外周側に延び出していると共に、前記当接外周突条が該可動ゴム板において該拘束板から外周側に外れた位置に形成されていても良い。
このように、可動ゴム板の外周縁部が拘束板よりも外周側に延び出して広がっており、当接外周突条が拘束板よりも外周側において突出形成されていることにより、当接外周突条を介して当接することによって発揮される緩衝作用のみならず、可動ゴム板自体の弾性力(弾性変形)を利用した緩衝作用をも合わせて得ることが出来る。それ故、可動ゴム板と仕切部材との当接時の衝撃をより効果的に抑えることが出来る。
また、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、前記可動ゴム板には、前記貫通窓を閉塞する部分に対して一つの前記スリットが形成されていても良い。
さらに、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、前記スリットの端部が前記貫通窓の開口周縁部に向かって延びていることが望ましい。
これによれば、スリットの端部に生じる亀裂の進行が、拘束板によって速やかに防止されて、可動ゴム板の耐久性が有利に確保されると共に、目的とする防振効果と、キャビテーション異音の防止効果とを、両立して何れも有効に得ることが出来る。
また、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、前記可動ゴム板には、外周面上に突出するリブが設けられていても良い。
これによれば、可動ゴム板の仕切部材への組付下、リブを仕切部材における可動ゴム板の収容領域内面に当接させることで、可動ゴム板を仕切部材に対して軸直角方向で位置決めすることが出来る。なお、リブは、可動ゴム板の微小変位を妨げない程度の充分に小さな当接圧で、仕切部材に対して接触するようになっていることが望ましい。また、リブは、全周に亘って連続して形成されていても良いが、摩擦抵抗を低減するために、周上の複数箇所において部分的に形成されていることが望ましい。
また、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、前記拘束板において周方向及び軸直角方向の位置を特定する拘束板位置決め部が形成されていると共に、前記可動ゴム板において周方向及び軸直角方向の位置を特定する可動板位置決め部が該拘束板位置決め部を用いて形成されていることが望ましい。
このような本態様に従う構造の流体封入式防振装置では、拘束板を固着された可動ゴム板を形成するために、可動ゴム板の加硫成形用金型に対して拘束板をセットする際に、拘束板位置決め部を利用して拘束板を周方向および軸直角方向で容易に位置決めすることが出来る。それ故、拘束板に形成された貫通窓が、加硫成形用金型に対して周方向および軸直角方向で相対的に位置決めされて、可動ゴム板において貫通窓を閉塞する部分が、所定の形状に加硫成形される。
さらに、拘束板に形成された拘束板位置決め部を用いて、可動ゴム板を周方向及び軸直角方向で位置決めする可動板位置決め部が設けられていることにより、可動ゴム板の加硫成形後にカッター等でスリットを形成する場合に、可動ゴム板をカッター等に対して周方向および軸直角方向で容易に位置決めすることが出来て、所定の位置にスリットを形成することが出来る。
また、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置において、好適には、前記拘束板位置決め部が前記拘束板の板厚方向に突出する突起とされている。
このように、拘束板位置決め部を突起とすることで、薄肉の拘束板においても、有効な位置決め作用を発揮し得る拘束板位置決め部を形成することが出来る。しかも、突起に対応する凹所を、加硫成形用金型や治具等の位置決め対象に設けることで、拘束板を周方向および軸直角方向で簡単に位置決めすることが出来る。また、突起を手等で把持することが出来て、拘束板や可動ゴム板の取り回しが容易となる。なお、好適には、拘束板位置決め部が拘束板の板厚方向両側に突出する突起とされている。より好適には、板厚方向両側に同一形状の突起が突出形成されている。これによれば、拘束板の表裏を確認することなく、位置決め作用を有効に得ることが出来て、作業性の向上を図ることが出来る。
また、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置において、拘束板位置決め部が突起とされた態様では、前記突起が放射状に延びる複数の突条を含んで構成されていることが望ましい。
これによれば、突起の少なくとも一部が、放射状に延びる複数の突条で構成されていることにより、拘束板の周方向での位置決め作用を効果的に得ることが出来る。また、突条を予め特定の方向に延びるように形成することにより、目視によって拘束板の周方向での方向を容易に確認することも出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明に係る流体封入式防振装置の第一の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材としての第一の取付金具12と、防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材としての第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16で相互に弾性連結された構造を有している。そして、例えば、第一の取付金具12が防振連結される一方の部材である自動車のパワーユニットに取り付けられると共に、第二の取付金具14が防振連結される他方の部材である自動車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニットが車両ボデーによって防振支持されるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、主たる振動入力方向である図1中の上下方向を言うものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、鉄やアルミニウム合金等の金属材で形成された高剛性の部材とされており、略円形ブロック形状を有している。また、第一の取付金具12の上端部には、径方向外方に向かって広がるフランジ部18が一体形成されている。更に、第一の取付金具12の上端面に開口して中心軸上を延びるようにボルト穴20が形成されており、ボルト穴20の内周面には雌ねじが刻設されている。そして、第一の取付金具12は、例えば、ボルト穴20に螺着される図示しない取付ボルトによって図示しないパワーユニットにボルト固定されるようになっている。
一方、第二の取付金具14は、第一の取付金具12と同様の金属材で形成された高剛性の部材とされており、全体として薄肉大径の略円筒形状を有している。また、第二の取付金具14の軸方向中間部分には、くびれ部22が設けられている。くびれ部22は、軸方向下方に向かって次第に縮径するテーパ部24と、テーパ部24の下端部から外周側に向かって広がる環状の段差部26を含んで構成されている。また、第二の取付金具14の下端部には、外周側に向かって広がる環状の段差28が形成されており、段差28の外周縁部には下方に向かって延び出す大径円筒形状のかしめ片29が一体形成されている。このような第二の取付金具14は、例えば、第二の取付金具14に外嵌固定される図示しないブラケットが車両ボデーに取り付けられること等により、車両ボデーに固定されるようになっている。
このような第一の取付金具12と第二の取付金具14は、同一中心軸上に配設されると共に、第一の取付金具12が第二の取付金具14に対して軸方向上方に離隔配置される。そして、それら第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に本体ゴム弾性体16が介装されることにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性的に連結されている。
本体ゴム弾性体16は、厚肉の略円錐台形状を有するゴム弾性体で形成されている。また、本体ゴム弾性体16の径方向中央部分には、大径側端面(図1中、下側の端面)に開口するように大径の円形凹所30が形成されている。このような本体ゴム弾性体16の小径側端部には、第一の取付金具12が差し込まれており、フランジ部18の下面が本体ゴム弾性体16の小径側の軸方向端面に重ね合わされるようにして加硫接着されている。一方、本体ゴム弾性体16の大径側端部の外周面には、第二の取付金具14の上部およびテーパ部24が重ね合わされて加硫接着されている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で相互に連結されている。なお、本実施形態における本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と第二の取付金具14を一体的に備えた一体加硫成形品として形成されている。
さらに、本体ゴム弾性体16と一体形成されたシールゴム層32が第二の取付金具14の内周面に固着せしめられている。シールゴム層32は、薄肉のゴム膜で形成されており、第二の取付金具14における段差部26の内周面から段差28の内周縁部に亘る部位を覆うように被着形成されている。
また、第二の取付金具14の下端開口部には、可撓性膜としてのダイヤフラム34が配設されている。ダイヤフラム34は、薄肉大径の略円形ドーム形状を有するゴム膜で形成されており、弾性変形が容易に許容されるようになっている。また、ダイヤフラム34の外周縁部には、固定金具36が固着されている。固定金具36は、略円環形状を有しており、筒状の固着部38と該固着部38の上端から外周側に向かって広がるかしめ部40を一体的に備えている。そして、固定金具36の固着部38に対してダイヤフラム34の外周縁部が加硫接着されることにより、ダイヤフラム34が固定金具36を一体的に備えた一体加硫成形品として形成されている。なお、本実施形態では、かしめ部40の外周縁部と上端面を除く略全面に亘って固定金具36がダイヤフラム34と一体形成されたゴム層で覆われている。
このようなダイヤフラム34は、第二の取付金具14に組み付けられる。即ち、固定金具36におけるかしめ部40の外周縁部が、第二の取付金具14の下端部に設けられた段差28に対して下方から重ね合わされると共に、かしめ部40が第二の取付金具14に一体形成されたかしめ片29によってかしめ固定されることにより、ダイヤフラム34が第二の取付金具14の下端部に固定されるようになっている。
このように、ダイヤフラム34が第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対して組み付けられることにより、第二の取付金具14の軸方向上側の開口部が本体ゴム弾性体16で流体密に閉塞されていると共に、第二の取付金具14の軸方向下側の開口部がダイヤフラム34で流体密に閉塞されている。これにより、第二の取付金具14の内周側において本体ゴム弾性体16とダイヤフラム34の軸方向間には、外部から密閉された流体室としての流体封入領域42が形成されている。
また、流体封入領域42には、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油、或いはそれらの混合液等の非圧縮性流体が封入流体として封入されている。なお、封入流体は、特に限定されるものではないが、後述するオリフィス通路68を流動せしめられる流体の共振作用等に基づく防振効果を有利に得るために、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。なお、このような流体の封入は、ダイヤフラム34の第二の取付金具14(第二の取付金具14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品)への組付けを非圧縮性流体中で行うことにより、有利に実現することが出来る。
また、流体封入領域42には、仕切部材44が収容配置されている。仕切部材44は、厚肉の略円板形状を有しており、本実施形態では、仕切金具本体46と蓋金具48を含んで構成されている。
仕切金具本体46は、全体として厚肉の略円板形状を有しており、本実施形態では鉄やアルミニウム合金等の金属材で形成されている。また、仕切金具本体46の外周縁部には、上端面および外周面に開口する切欠状溝50が、一周よりも短い所定の長さで周方向に延びるように形成されている。
また、仕切金具本体46の径方向中央部分には、収容凹所54が形成されている。収容凹所54は、仕切金具本体46において切欠状溝50の内周側に所定距離を隔てて形成されており、上方に向かって開口する円形の凹所とされている。更に、仕切金具本体46の径方向中央部分には、中央凹所56が形成されている。中央凹所56は、仕切金具本体46において収容凹所54と対応する位置に形成された円形の凹所であって、軸方向下方に向かって開口せしめられている。
一方、蓋金具48は、仕切金具本体46と略同一の直径を有する薄肉の円板形状を呈しており、本実施形態では仕切金具本体46と同様の金属材で形成されている。そして、蓋金具48が、仕切金具本体46の上端面に対して上方から重ね合わされて組み合わされることにより、本実施形態における仕切部材44が構成されている。
このように蓋金具48が仕切金具本体46に対して重ね合わされることにより、切欠状溝50の上側開口部が蓋金具48で覆蓋されており、仕切部材44の外周面に開口して周方向に延びる周方向溝が切欠状溝50を利用して形成されている。また、仕切金具本体46に形成された収容凹所54の開口部が蓋金具48で覆われることによって、仕切部材44の内部に配設領域としての収容空所58が形成されている。
かくの如き仕切部材44は、流体封入領域42に収容状態で配設されている。即ち、仕切部材44は、第二の取付金具14の下側開口部から挿し入れられて、蓋金具48の外周縁部が第二の取付金具14の段差部26に対して下方から当接せしめられると共に、仕切金具本体46の外周縁部に対して固定金具36のかしめ部40が下方から当接せしめられる。そして、固定金具36のかしめ部40が第二の取付金具14のかしめ片29で第二の取付金具14に対して固定されることにより、仕切部材44が第二の取付金具14の段差部26と固定金具36のかしめ部40との間で位置決めされて、第二の取付金具14によって固定的に支持されるようになっている。なお、本実施形態では、第二の取付金具14に対して仕切部材44が内挿された状態で、第二の取付金具14に八方絞り等の縮径加工を施すことにより、仕切部材44の外周面がシールゴム層32を介して第二の取付金具14に密着せしめられている。
このようにして仕切部材44が流体封入領域42内において軸直角方向に広がるように配設されて、第二の取付金具14で支持されることにより、流体封入領域42が仕切部材44を挟んで軸方向で二分されている。即ち、仕切部材44を挟んだ一方(上方)の側において、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に圧力変動が惹起される受圧室60が形成されていると共に、仕切部材44を挟んだ他方(下方)の側において、壁部の一部がダイヤフラム34で構成されて、ダイヤフラム34の変形によって容積変化が許容される平衡室62が形成されている。なお、これら受圧室60と平衡室62には、流体封入領域42に封入された非圧縮性流体が封入されている。
また、仕切部材44の外周縁部に形成された前記周方向溝の外周側開口部が、第二の取付金具14によって流体密に覆蓋されており、仕切部材44の外周縁部を周方向に所定の長さで延びるトンネル状通路が形成されている。更に、蓋金具48において該トンネル状通路の一方の端部に対応する部分に、蓋金具48を板厚方向に貫通する上側連通路64が形成されていると共に、該トンネル状通路の他方の端部にはトンネル状通路の下端部を径方向内方および軸方向下方に連通せしめる下側連通路66が形成されている。そして、該トンネル状通路の一方の端部が上側連通路64を通じて受圧室60に連通されていると共に、該トンネル状通路の他方の端部が下側連通路66を通じて平衡室62に連通されており、もって、受圧室60と平衡室62を相互に連通するオリフィス通路68が、仕切金具本体46に形成された切欠状溝50を利用して形成されている。なお、本実施形態では、受圧室60の壁ばね剛性に応じてオリフィス通路68の通路長と通路断面積の比を適当に設定することによって、オリフィス通路68を通じて両室60,62の間で流動せしめられる流体の共振周波数が、自動車のエンジンシェイク等に相当する10Hz前後の低周波数にチューニングされている。
ここにおいて、仕切部材44に形成された収容空所58には、図2〜4に示されているような可動部材70が収容配置されている。可動部材70は、全体として略円板形状を有しており、可動ゴム板72と拘束板としての硬質補強板74によって構成されている。
可動ゴム板72は、略円板形状を有するゴム弾性体であって、本実施形態では、径方向中央側に行くに従って次第に厚肉となっている。また、可動ゴム板72は、最大厚さが収容空所58の上下方向での内法よりも小さくなっており、可動部材70の収容空所58への配設下、可動ゴム板72の上下面と収容空所58の上下内面との間に全体に亘って隙間が形成されるようになっている。
また、本実施形態において、可動ゴム板72の外周部分は、周方向において板厚方向で波打ったように全体としてうねるような形状で形成された波状部とされている。即ち、可動ゴム板72の外周部分は、その径方向断面の形状や大きさは実質的に変化しないで、厚さ方向の中心位置が周方向で上下に振れるように変化せしめられている。特に本実施形態では、可動ゴム板72の外周部分の中心線や上下面が略サイン波状に一定周期で周方向に波打った形状とされており、その一周期が周方向で90度とされて、上下面が全体的に滑らかな湾曲面とされている。なお、このような波状部は、後述する硬質補強板74の可動ゴム板72に対する固着下、硬質補強板74よりも外周側に設けられており、ゴム弾性体単体で形成されている。
さらに、可動ゴム板72の外周縁部には、周方向に延びる当接外周突条としての外周円環突条76が一体形成されている。外周円環突条76は、可動ゴム板72の外周縁部を略一定の半円状断面で全周に亘って連続的に延びるように形成されており、可動ゴム板72の外周縁部において板厚方向両側に突出する一対の外周円環突条76,76が設けられている。なお、本実施形態において、外周円環突条76は、板厚が最大となる可動ゴム板72の径方向中央部分に対して板厚方向で同じ位置にまで至る高さで突出している。また、外周円環突条76は、後述する硬質補強板74の可動ゴム板72への固着下、可動ゴム板72において硬質補強板74よりも外周側に延び出したゴム単体部分に形成されている。
また、可動ゴム板72には、複数の短絡孔78が貫通形成されている。短絡孔78は、軸方向に延びる小径の円形孔であって、可動ゴム板72の径方向中間部分において周上の複数箇所に形成されている。特に本実施形態では、図2,3に示されているように、周方向に等しい距離だけ離隔した四つの短絡孔78が形成されている。
さらに、可動ゴム板72に形成された複数の短絡孔78には、それぞれゴム膜弁80が形成されている。ゴム膜弁80は、可動ゴム板72に比して薄肉とされたゴム弾性体であって、短絡孔78の軸方向中央部分において軸直角方向に広がるように形成されており、短絡孔78が長さ方向中央部分においてゴム膜弁80で閉塞されている。
更にまた、短絡孔78の開口周縁部には、周辺弾性突起としての一対の環状突条82,82が突出形成されている。環状突条82は、短絡孔78の開口部を取り囲んで周方向に延びるように設けられており、可動ゴム板72の板厚方向両側に向かって突出する一対が形成されている。また、本実施形態における環状突条82は、略半円形断面を有しており、突出先端側に行くに従って次第に径方向で狭幅となっている。なお、本実施形態において、環状突条82は、外周円環突条76および可動ゴム板72の径方向中央部の上下端よりも、板厚方向(上下方向)の外側にまで至る突出高さで形成されている。更に、板厚方向で一方の側に向かって突出する環状突条82の突出先端と、板厚方向で他方の側に向かって突出する環状突条82の突出先端との軸方向での離隔距離は、収容空所58の軸方向での内法寸法よりも小さくなっている。これにより、後述する可動部材70の収容空所58への配設下、一対の環状突条82,82の少なくとも一方の突出先端と収容空所58の上下少なくとも一方の内面との間に隙間が形成されている。
また、可動ゴム板72には、拘束板としての硬質補強板74が固着されている。硬質補強板74は、鉄やアルミニウム合金等の金属や硬質の合成樹脂で形成されており、可動ゴム板72よりも小径の略円板形状を有している。そして、硬質補強板74は、可動ゴム板72の中央部分に埋設状態で加硫接着されている。換言すれば、硬質補強板74の表面が全体に亘って可動ゴム板72で被覆されており、可動ゴム板72の外周縁部が硬質補強板74の外周側に延び出すように広がっている。なお、本実施形態では、硬質補強板74が硬質の合成樹脂材で形成されており、硬質補強板74を含んで構成された可動部材70の軽量化が図られている。また、硬質補強板74は、実質的に変形を生じ得ないことが望ましいが、可動ゴム板72よりも変形を生じ難く、可動ゴム板72への固着下において可動ゴム板72の変形を制限し得るものであれば、外力の作用によって変形を生じるものであっても良い。
さらに、硬質補強板74には、貫通窓としての短絡窓84が形成されている。短絡窓84は、硬質補強板74を板厚方向に貫通する円形の孔であって、本実施形態では、径方向中間部分において四つの短絡窓84が、同一周上で周方向に所定距離を隔てて等間隔に形成されている。また、短絡窓84は、可動ゴム板72に形成された短絡孔78よりも大径の円形孔とされており、後述する可動ゴム板72への固着下において短絡孔78と対応する位置に形成されている。
このような構造とされた硬質補強板74は、可動ゴム板72に対して固着されている。即ち、硬質補強板74を可動ゴム板72の成形用金型のキャビティ内にセットした後、成形用金型のキャビティにゴム材料を充填して加硫成形することで、ゴム弾性体によって形成された可動ゴム板72の内部に、硬質の合成樹脂で形成された硬質補強板74が埋設固着された構造の可動部材70を得ることが出来る。なお、本実施形態において、可動部材70は、硬質補強板74を備えた可動ゴム板72の一体加硫成形品とされている。
かくの如き硬質補強板74の可動ゴム板72への固着状態において、硬質補強板74に形成された短絡窓84は、可動ゴム板72に形成された短絡孔78と位置合わせされている。そして、短絡窓84の内周面が可動ゴム板72のゴム弾性体で覆われて、短絡孔78が短絡窓84の内周側に形成されていると共に、短絡孔78の軸方向中央部に形成されたゴム膜弁80によって短絡窓84が閉塞されている。なお、本実施形態では、短絡窓84が短絡孔78よりも大径とされていると共に、短絡孔78と短絡窓84が同一中心軸上に形成されている。
そこにおいて、短絡窓84を閉塞するゴム膜弁80には、スリット86が形成されている。スリット86は、ゴム膜弁80の径方向中央部から径方向外側に向かって放射状に延び出すように形成された複数の直線部分で構成された切込みであって、ゴム膜弁80を膜厚方向(軸方向である図1中の上下方向)に貫通している。本実施形態において、スリット86は、図2,3に示されているように、3つの直線的な切込みによって構成されており、それら3つの直線部分のうち周方向で隣り合う任意の2つの為す角度が一定となるように周方向で離隔して形成されていると共に、それら3つの直線部分のうちの1つが可動ゴム板72の径方向に延び出している。更に、スリット86は、各直線部分の端部がゴム膜弁80の外周縁部までは至らないように形成されている。なお、本実施形態では、短絡窓84を閉塞するゴム膜弁80に対して、それぞれ一つずつスリット86が形成されている。また、スリット86が平面視で放射状とされていることにより、その端部が、何れも、短絡窓84の開口周縁部に向かって延びている。
さらに、スリット86は、可動部材70が収容空所58に配設された静置下において遮断状態に保持されるようになっており、本実施形態では、ゴム膜弁80においてスリット86を構成する各直線部分を挟んだ両側の面が互いに当接せしめられている。なお、スリット86は、静置状態下において実質的に閉塞されていれば良く、後述する可動部材70の収容空所58への装着下、スリット86を通じての流体流動が生じ得ない、或いは、防振性能上、問題とならない程度に流体流動量が小さく抑えられるようになっていれば良い。具体的には、例えば、ゴム膜弁80における各直線部分を挟んだ両側の面が、互いに僅かな隙間をもって離隔せしめられており、流動摩擦等の作用によって、ゴム膜弁80を挟んだ両側の間でスリット86を通じての流体流動が防止された実質的な遮断状態となっていても良い。
更にまた、液圧等の外力の作用によってゴム膜弁80が弾性変形せしめられることにより、スリット86が開口せしめられて、ゴム膜弁80を厚さ方向で挟んだ両側がスリット86を通じて相互に連通されるようになっている。なお、本実施形態では、スリット86の外周側端部がゴム膜弁80の径方向中間に位置するように形成されて、スリット86の外周側を取り囲むように薄肉とされたゴム膜弁80の外周縁部が位置せしめられていると共に、スリット86の外周側を所定距離を隔てて取り囲むように環状突条82が形成されている。これらによって、スリット86の開口が環状突条82の形成によって阻害されるのを防止しつつ、スリット86の端部において厚肉の環状突条82が亀裂の発生と進行を防ぐようになっている。
このような構造とされた可動部材70は、仕切部材44の内部に形成された収容空所58内に配設される。可動部材70は、軸方向での最大寸法が、収容空所58の軸方向の内法寸法よりも小さくなっており、可動部材70と収容空所58の軸方向間には所定の隙間が設けられている。これらによって、可動部材70は、収容空所58内において軸方向に所定の微小変位を許容された状態で仕切部材44に取り付けられている。特に本実施形態では、可動部材70の外径が収容空所58の径方向の内法寸法よりも小さくなっており、可動部材70と収容空所58の径方向間にも隙間が設けられていることによって、可動部材70の外周面と収容空所58の内周面の間での摩擦を回避して、可動部材70の微小変位が効率的に許容されるようになっている。
また、収容空所58の上側壁部を構成する蓋金具48の径方向中央部分には、軸方向に貫通する受圧室側開口としての上側透孔88が形成されており、上側透孔88を通じて収容空所58が受圧室60に連通されている。一方、収容空所58の下側壁部を構成する仕切金具本体46の径方向中央部分(中央凹所56の底壁部)には、軸方向に貫通する平衡室側開口としての下側透孔90が形成されており、下側透孔90を通じて収容空所58が平衡室62に連通されている。これらによって、収容空所58内に配設された可動部材70の一方の面に対して受圧室60の圧力が及ぼされるようになっていると共に、他方の面に対して平衡室62の圧力が及ぼされるようになっている。そして、受圧室60と平衡室62の相対的な圧力差に基づいて、可動部材70が板厚方向に微小変位せしめられるようになっている。なお、本実施形態における上下の透孔88,90は、図5,6に示されているように、何れも大径の円形透孔とされており、それら上側透孔88と下側透孔90が略等しい直径で形成されている。
このように、可動部材70が収容空所58内において受圧室60と平衡室62を仕切るように配設されていることにより、小振幅振動の入力によって受圧室60と平衡室62の間で相対的な圧力差が生じると、可動部材70が軸方向に微小変位せしめられて、受圧室60の圧力変動が吸収されるようになっている。要するに、軸方向での微小変位を許容された可動部材70によって、本実施形態における液圧吸収機構が構成されている。
ここにおいて、本実施形態では、可動ゴム板72の外周縁部が上下の透孔88,90よりも外周側にまで延び出して広がっていると共に、可動ゴム板72の固着された硬質補強板74が上下の透孔88,90の開口領域よりも大径の円板形状とされており、硬質補強板74の外周縁部が全周に亘って上下の透孔88,90よりも外周側にまで延び出して広がっている。これにより、大振幅振動の入力に際して、硬質補強板74を固着された可動部材70の外周部分が、収容空所58の上下内面に対して当接せしめられることによって、可動部材70の軸方向での変位が制限されるようになっている。
また、受圧室60と平衡室62の圧力差が著しく大きい場合には、ゴム膜弁80の弾性変形によってスリット86が開口されるようになっており、スリット86を通じて受圧室60と平衡室62が相互に連通されるようになっている。これによって、衝撃的な大荷重の入力に際して、オリフィス通路68よりも小さな流動抵抗で受圧室60と平衡室62を相互に連通する短絡機構が構成されている。要するに本実施形態においては、ゴム膜弁80の弾性力を利用して、スリット86の連通状態と遮断状態を切り換える弁体が構成されている。
このような構造とされたエンジンマウント10の車両への装着下、自動車のエンジンシェイクに相当する低周波大振幅振動が入力されると、低周波数域にチューニングされたオリフィス通路68を通じての流体流動が生ぜしめられて、流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果(高減衰効果)が有効に発揮されるようになっている。
なお、エンジンシェイクに相当する低周波数域の振動は、振幅が可動部材70の変位許容量よりも大きいことから、可動部材70の外周部分が収容空所58の上下内面に当接することによって、可動部材70が実質的に拘束されて、可動部材70の微小変位による液圧吸収作用の発揮が防止されるようになっている。また、通常のエンジンシェイクに相当する低周波数域の振動入力に際しては、ゴム膜弁80の弾性変形が抑えられて、スリット86が閉塞状態に保持されるようになっている。これらにより、受圧室60の液圧が平衡室62に逃されることなく効率的に確保されて、受圧室60と平衡室62の相対的な圧力差に基づくオリフィス通路68を通じての流体流動が有利に生ぜしめられることとなる。その結果、液圧吸収機構を備えた構造のエンジンマウント10において、低周波数域の振動入力に対する防振性能を有効に得ることが出来る。
また、通常走行時のシェイクや、段差乗越え時のシェイク等の大振幅振動が入力されると、可動部材70においてゴム単体で形成されて波打ち形状を有する外周部分が、収容空所58の上下何れかの内面に対して押し付けられる。これによって、可動部材70の外周部分の弾性変形による減衰効果等に基づく緩衝作用が発揮されて、可動部材70と仕切部材44の当接による打音等の発生を防ぐことが出来る。
また、エンジンマウント10の自動車への装着下、アイドリング振動乃至は走行こもり音に相当する中乃至高周波小振幅振動が入力されると、中乃至高周波数域の振動入力時には、オリフィス通路68が反共振的な作用によって実質的に遮断状態となる一方、受圧室60と平衡室62の相対的な圧力差に基づいて可動部材70が軸方向に微小変位せしめられるようになっている。そして、受圧室60に惹起される圧力変動を平衡室62側に逃して吸収する液圧吸収作用が、可動部材70の微小変位により発揮されて、目的とする防振効果(低動ばね効果)が有効に発揮されるようになっている。なお、アイドリング振動や走行こもり音に相当する中乃至高周波数域の振動入力に際しても、ゴム膜弁80の弾性変形が抑えられて、スリット86が閉塞状態に保持されるようになっている。
なお、可動部材70の微小変位による液圧吸収作用が発揮される周波数域のチューニングは、例えば、可動部材70と収容空所58の上下内面との隙間、換言すれば、可動部材70の軸方向でのストローク(変位許容量)を、適当に調節することによって、設定することが出来る。
また、エンジンマウント10の自動車への装着下、走行時における段差の乗り越え等により衝撃的な大荷重が入力されて、受圧室60に著しい負圧が発生すると、受圧室60と平衡室62の圧力差に基づいてゴム膜弁80が大きく変形せしめられて、スリット86が開口せしめられる。そして、受圧室60と平衡室62がスリット86を通じて相互に連通されて、スリット86を通じて平衡室62から受圧室60に流体が流入することにより、受圧室60の負圧が可及的速やかに解消されるようになっている。
そこにおいて、スリット86を形成されたゴム膜弁80は、硬質な合成樹脂製の硬質補強板74に形成された短絡窓84の内周側に形成されている。それ故、ゴム膜弁80の変形が硬質補強板74によって制限されて、スリット86が必要以上に開口するのを防ぐようになっている。これにより、スリット86の開閉による端部への応力集中でゴム膜弁80に亀裂が生じるのを、効果的に防ぐことが出来る。
特に、硬質補強板74において、比較的に小径の短絡窓84が複数形成されていると共に、それら複数の短絡窓84を閉塞するように形成された各ゴム膜弁80に対して、それぞれ一つのスリット86が形成されている。その結果、各短絡窓84を閉塞するように形成されたゴム膜弁80の自由長が小さく抑えられて、ゴム膜弁80の変形量が制限されることにより、スリット86の端部への過大な応力集中による亀裂の発生が防止されるようになっていると共に、ゴム膜弁80の当接による打音の発生が防止されている。しかも、スリット86の開口面積が総計として充分に確保されて、受圧室60の負圧解消効果を有効に得ることが出来るようになっている。
さらに、スリット86の端部に亀裂が生じた場合にも、硬質補強板74によって亀裂の進行が阻止されて、亀裂の伸長でスリット86が開口し易くなることに起因する防振性能の低下や、亀裂の伸長による可動ゴム板72の破断等の問題を回避することが出来る。しかも、本実施形態では、ゴム膜弁80の外周側を取り囲むように環状突条82が形成されており、ゴム膜弁80に隣接する外周側において可動ゴム板72が特に厚肉となっている。これによって、スリット86の進行がより効果的に防止されるようになっている。特に本実施形態では、薄肉のゴム膜弁80と厚肉の可動ゴム板72が、それらの境界において軸方向に広がる筒状の段差を為すように一体形成されており、この段差がスリット86の端部に発生した亀裂を食い止める効果を発揮するようになっている。
更にまた、スリット86が放射状とされており、その端部が短絡窓84の開口周縁部に向かって延びている。それ故、スリット86の端部において亀裂が生じた場合に、亀裂の進行が硬質補強板74によって速やかに防止されて、可動部材70の耐久性と、目的とする防振効果およびキャビテーション異音の低減効果の有効な発現とを、有利に実現することが出来る。
さらに、可動部材70は、硬質補強板74をゴム弾性体で形成された可動ゴム板72に対して固着せしめた構造とされていると共に、硬質補強板74が仕切部材44に形成された上下の透孔88,90よりも大径とされている。これにより、衝撃的な大荷重入力によって可動部材70が受圧室60側に大きな力で吸引された場合にも、可動部材70が上側透孔88を通じて受圧室60側に大きく変形せしめられるのを、硬質補強板74によって防ぐことが出来て、上側透孔88の開口周縁部に対して可動部材70が強く押し付けられることによる可動部材70の破損を効果的に防ぐことが出来る。
また、硬質補強板74によって可動部材70の変形が制限乃至は阻止されていることにより、可動部材70が上下の透孔88,90を通じて受圧室60側又は平衡室62側に引き込まれることによって、可動部材70の軸方向での変位量が大きくなるのを防止して、可動部材70の上側透孔88および下側透孔90の開口周縁部に対する打当たりの勢いを抑えることが出来る。それ故、可動部材70の仕切部材44に対する当接時に発生する打音を抑えることが出来る。
また、本実施形態では、短絡孔78の開口周縁部に形成された環状突条82の周上において可動ゴム板72の径方向外側に位置する部分が、上下の透孔88,90よりも外周側に位置せしめられている。そして、環状突条82の周上の一部が収容空所58の上下壁部の軸方向対向面間に位置せしめられており、可動部材70の微小変位に際して、先ず環状突条82とそれら収容空所58の上下壁部が当接せしめられるようになっている。これにより、可動部材70と収容空所58の壁部との当接が緩衝的に実現されるようになっており、当接時の打音が低減乃至は回避されるようになっている。このように、本実施形態においては、周辺弾性突起としての環状突条82の一部を利用して、板厚方向両側に向かって突出する緩衝突起が構成されている。
しかも、本実施形態では、可動ゴム板72の外周縁部に外周円環突条76が形成されて板厚方向両側に向かって突出せしめられており、外周円環突条76の弾性によって可動ゴム板72と収容空所58の上下内面との当接が、緩衝的に実現されるようになっている。更に、外周円環突条76の突出先端が環状突条82の突出先端よりも板厚方向の内側に位置せしめられて、環状突条82の突出先端と外周円環突条76の突出先端の位置が軸方向でずれている。これにより、それら環状突条82と外周円環突条76が収容空所58の上下内面に対して段階的に当接せしめられて、当接時の緩衝作用が多段階に発揮されることとなる。従って、可動ゴム板72と仕切部材44の当接に際して緩衝効果をより効果的に得ることが出来て、当接による打音の発生等を有利に防止することが可能となっている。
次に、図7には、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置の第二の実施形態として、自動車用エンジンマウント92が示されている。このエンジンマウント92では、仕切部材44に設けられた収容空所58に対して、可動部材94が収容配置されている。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と実質的に同一の部材及び部位については、図中に同一の符号を付すことで説明を省略する。
より詳細には、可動部材94は、図8,9に示されているように、可動ゴム板96と拘束板としての硬質補強板98を含んで構成されている。可動ゴム板96は、略円板形状を有するゴム弾性体で形成されている。
また、可動ゴム板96には、外周面から径方向外側に向かって突出するリブとしての当接突起97が一体形成されている。当接突起97は、板厚方向で可動ゴム板96よりも充分に小さい寸法を有しており、周方向に所定の長さで延びている。また、本実施形態では、径方向で互いに対向する一対の当接突起97が、対向方向が互いに直交するように二組形成されている。また、径方向に対向する一対の当接突起97の突出先端面の離隔距離が、仕切部材44に形成された収容空所58の径方向での内法寸法と同じか、それよりも僅かに大きくなっている。そして、可動部材94の収容空所58内への配置下、当接突起97が収容空所58の内周壁面に当接することにより、可動部材94が仕切部材44に対して、軸直角方向で位置決めされるようになっている。
なお、本実施形態における可動ゴム板96では、前記第一の実施形態において短絡孔78の周囲に形成されていた環状突条82が、省略された構造となっている。また、本実施形態における可動ゴム板96では、外周円環突条76よりも内周側の環状の領域に多数の微小突起が形成されており、可動ゴム板96の表裏両面が、当該領域においてシボ状の粗面となっている。
また、可動ゴム板96には、硬質補強板98が固着されている。硬質補強板98は、図10,11に示されているように、全体として略円板形状を有していると共に、径方向中央部分には、拘束板位置決め部としての位置決め突起100が形成されている。位置決め突起100は、径方向に放射状に延びる四つの突条で構成されており、図10に示されているように、全体として平面視で十文字の放射形状を呈する突起とされている。更に、位置決め突起100を構成する各突条は、突出先端側に向かって次第に狭幅となっていると共に、周方向で隣り合う短絡窓84の周方向間にそれぞれ延び出すように配置されている。また、本実施形態では、互いに同一形状とされた位置決め突起100が、硬質補強板98の板厚方向両側に向かって突出するように形成されている。
かくの如き構造とされた硬質補強板98が、可動ゴム板96の板厚方向中央部分に配置されて固着されることにより、本実施形態における可動部材94が構成されている。可動部材94において、硬質補強板98は、位置決め突起100を外れた部分の全体が、可動ゴム板96に埋設した状態で固着されている。換言すれば、可動ゴム板96の径方向中央部分において、硬質補強板98の位置決め突起100が、板厚方向で可動ゴム板96の外側に突出して、外部に露出している。このように硬質補強板98の位置決め突起100が、外部に露出していることにより、可動部材94を周方向及び軸直角方向で位置決めする可動板位置決め部が、位置決め突起100自体で形成されている。
また、可動部材94は、硬質補強板98を可動ゴム板96の加硫成形用金型にセットして、加硫成形用金型のキャビティにゴム材料を充填して加硫成形することにより、形成されている。そこにおいて、硬質補強板98は、位置決め突起100によって、加硫成形用金型に対して周方向および軸直角方向で位置決めされるようになっている。これにより、硬質補強板98における短絡窓84に対して、所定形状のゴム膜弁80を位置決めして形成することが出来る。
さらに、可動ゴム板96の加硫成形後に、図12に示されているようなスリット形成用器具102によって、ゴム膜弁80にスリット86が形成される。スリット形成用器具102は、その構造が特に限定されるものではないが、例えば、受台104とカッター106を有している。受台104は、平板形状を有しており、その上面には、可動部材94に対応する形状とされた一つ乃至は複数の凹所が開口形成されている。また、カッター106は、受台104の上方に離隔して配置されており、下方に向かって延び出してスリット86の形状に対応する形状とされた複数の刃先108を有している。更に、図中において必ずしも明らかではないが、各刃先108は、その基端部がそれぞれ短絡孔78に対応する横断面形状を有する支持部によって支持されている。
そして、先ず、スリット形成用器具102の受台104に形成された凹所に対して、スリット86形成前の可動部材94をセットする。そこにおいて、凹所の底面には、可動部材94の位置決め部である位置決め突起100に対応する凹みが形成されており、可動部材94を凹所に嵌め込むことで、可動部材94がスリット形成用器具102に対して周方向および軸直角方向で位置決めされるようになっている。なお、図中では、一つの受台104に対して一つの凹所が形成されていると共に、一つのカッター106が配置された構造が示されているが、例えば、一つの受台104に対して複数の凹所が形成されており、それら複数の凹所に対応する位置に複数のカッター106が配置されていても良い。
次に、可動部材94が受台104に対してセットされた後で、カッター106が受台104および可動部材94に接近するように変位する。そこにおいて、可動部材94がスリット形成用器具102に対して位置決めされていることにより、カッター106の各刃先108が、それぞれ短絡孔78に形成されたゴム膜弁80に位置合わせされて、ゴム膜弁80を板厚方向に貫通するようになっている。これにより、各ゴム膜弁80に対して所定形状のスリット86を形成して、スリット86を有する可動部材94を形成する。
このような本実施形態に従う構造とされた自動車用エンジンマウント92においては、硬質補強板98に位置決め突起100が設けられていることにより、硬質補強板98を可動ゴム板96の加硫成形用金型に対して周方向および軸直角方向で容易に位置決めすることが出来る。それ故、周上の複数箇所に短絡孔78を形成された硬質補強板98に対して、可動ゴム板96を、周方向および軸直角方向で所定の位置に位置決めして成形することが出来る。
また、硬質補強板98に設けられた位置決め突起100が、可動ゴム板96の板厚方向で突出して外部に露出していることにより、可動ゴム板96の位置決め部が位置決め突起100によって形成されている。これにより、可動部材94が、スリット形成用器具102に対して周方向および軸直角方向に位置決めされた状態でセットされて、スリット形成用器具102によるスリット86の形成を、確実且つ容易に行うことが出来る。
しかも、位置決め部が板厚方向に突出する位置決め突起100で形成されていることにより、位置決め突起100を手や工具等で抓むことが出来る。それ故、硬質補強板98および可動部材94の取り回しが容易になって、製造時の作業が簡単になる。具体的には、例えば、スリット86の形成後には、位置決め突起100を抓んで可動部材94を受台104の凹所から取り出すことが出来る。
また、本実施形態では、互いに略直交する径方向に延びる複数の突条の組み合わせによって位置決め突起100が形成されている。それ故、周方向の位置決め作用がより効果的に発揮される。更に、位置決め突起100が平面視で十文字となっていることにより、作業者が手で抓み易くなっており、硬質補強板98および可動部材94の取回しが、一層容易になっている。
さらに、本実施形態では、位置決め突起100が、硬質補強板98の板厚方向両側に突出形成されていると共に、それら板厚方向両側の位置決め突起100が、互いに同一の形状を有している。それ故、硬質補強板98の表裏が同一形状とされて、硬質補強板98の表裏の確認を要することなく容易に製造することが出来る。
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記第一,第二の実施形態では、三方向に延び出す直線的な切込みで構成された放射状のスリット86が例示されているが、スリット86の具体的な形状は、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、スリットは、一つの切込みのみで形成されていても良いし、複数の切込みを組み合わせて形成されていても良い。複数の切込みを組み合わせてスリットが形成されている場合には、それら複数の切込みが放射状に組み合わされていても良いし、互いに交差するように組み合わされていても良いし、相互に離隔独立して形成されていても良い。また、スリットを構成する切込みは、その長さ方向或いは貫通方向(可動ゴム板の板厚方向)において、直線的に延びていても良いし、全体が湾曲していても良いし、部分的に湾曲乃至は屈曲していても良い。更に、スリット両端縁部にテーパ突部を形成することで、スリットの開口し易さが調節されるようになっていても良い。
また、前記第一,第二の実施形態では、硬質補強板74(98)が可動ゴム板72(96)よりも小径とされており、可動ゴム板72(96)の外周縁部が全周に亘って硬質補強板74(98)よりも外周側に延び出すように広がっている構造が示されているが、拘束板は、例えば、可動ゴム板と同一の外径で可動ゴム板の外周面において外部に露出していても良いし、可動ゴム板よりも大径とされて、外周縁部が可動ゴム板よりも径方向外側に延び出していても良い。
また、前記第一,第二の実施形態では、硬質補強板74(98)に複数の貫通窓としての短絡窓84が形成された構造を示したが、貫通窓は、必ずしも複数が形成されていなくても良く、貫通窓が一つだけ形成された構造であっても良い。更に、前記第一,第二の実施形態では、短絡窓84の内周面がスリット86の端部に対して外周側に離隔位置せしめられているが、例えば、スリットの端部が貫通窓の内周面に至るようにスリットが形成されていても良く、これによってスリットの端部において亀裂が発生するのを効果的に防ぐことも出来る。
また、前記第一の実施形態では、周辺弾性突起としての環状突条82がゴム膜弁80の外周側を取り囲むように形成されているが、周辺弾性突起は、例えば、可動ゴム板において貫通窓を閉塞する部分(前記第一の実施形態におけるゴム膜弁80)に形成されていても良い。このように貫通窓を閉塞する部分に周辺弾性突起が形成されている場合には、周辺弾性突起は、仕切部材に当接するようになっていなくても良い。
また、前記第一の実施形態では、環状突条82の一部が仕切部材44に当接するようになっており、かかる当接部分によって緩衝突起が構成されて緩衝作用が発揮されるようになっているが、緩衝突起は、周辺弾性突起を兼ねている必要はなく、周辺弾性突起とは別に形成されていても良い。なお、緩衝突起が周辺弾性突起とは別に形成されている場合において、緩衝突起は、必ずしも環状とされている必要はなく、例えば、多数の独立突起であったり、シボ状であったり、適当な形状に延びる線状(突条)であったりしても良い。
また、前記第一の実施形態では、環状突条82が短絡窓84の内周側において硬質補強板74を外れたゴム単体部分に形成されているが、緩衝突起は、例えば、可動ゴム板において拘束板を固着された領域に形成されていても良い。
また、前記第一の実施形態では、外周円環突条76と環状突条82が、可動部材70の板厚方向での微小変位によって仕切部材44に対して当接せしめられるようになっているが、当接外周突条,周辺弾性突起,緩衝突起は、静置状態において、何れも、仕切部材に対して離隔していても良いし、仕切部材に対して当接していても良い。更に、当接外周突条,周辺弾性突起,緩衝突起が仕切部材に対して予め当接している場合には、それら当接外周突条,周辺弾性突起,緩衝突起が仕切部材に対して押し付けられて突出方向で予圧縮されていても良い。
また、前記第一,第二の実施形態では、受圧室側開口としての上側透孔88と、平衡室側開口としての下側透孔90が、大径の円形透孔とされて仕切部材44の径方向中央部分に貫通形成されているが、受圧室側開口および平衡室側開口は、例えば、多数の小径孔で構成されていても良く、それによって仕切部材における可動ゴム板の配設領域の板厚方向両側部分が網目状となっていても良い。
また、前記第二の実施形態で示された位置決め突起100は、あくまでも拘束板位置決め部及び可動板位置決め部の一例であって、それら位置決め部の具体的な構造は、実施形態の具体的な説明によって限定的に解釈されるものではない。
具体的には、例えば、突起状の位置決め部を設ける場合に、位置決め部は必ずしも平面視で中心から四方向に延びる十文字の放射状ではなくても良く、中心から両側に向かって延びる一文字を含む三方向以下の径方向に延びる放射状や、中心から五方向以上の径方向に延びる放射状となるように、突条を組み合わせた構造であっても良い。また、位置決め部は、必ずしも放射状に延びる突条を組み合わせた構造ではなくても良く、例えば、板厚方向両側に向かって突出する角柱形状や半円柱形状等を採用することも出来る。更に、突条を組み合わせた構造を採用する場合にも、各突条は必ずしも径方向で放射状に延びるように形成されていなくても良い。
また、可動板位置決め部は、拘束板位置決め部を利用して形成されていれば良く、必ずしも拘束板位置決め部単体で形成されている必要はない。例えば、可動ゴム板と一体形成されたゴム層によって、拘束板位置決め部の表面を覆うことにより、可動板位置決め部が形成されていても良い。
また、位置決め部は、拘束板や可動ゴム板の中央に設けられていなくても良く、例えば、外周部分において周上で部分的に設けられていても良い。また、位置決め部は、必ずしも一つだけが形成されていなくても良く、複数の位置決め部が設けられていても良い。また、位置決め部は、突起や突条に限定されるものではなく、例えば、凹所によって形成されていても良い。また、位置決め部は、必ずしも両面に設けられていなくても良く、例えば、拘束板の片方の面側にのみ突出する突起や、拘束板の片方の面にのみ開口する凹所を用いて形成されていても良い。
また、本発明は、必ずしもエンジンマウントにのみ適用されるものではなく、例えば、自動車のサスペンションマウントやボデーマウント等にも好適に適用され得る。更に、本発明に係る流体封入式防振装置は、自動車用に限定されるものではなく、例えば、列車等の車両用流体封入式防振装置や、その他各種用途の流体封入式防振装置として採用することが可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図であって、図2のI−I断面図。 同エンジンマウントを構成する可動部材の平面図。 同可動部材の底面図。 図2のIV−IV断面図。 同エンジンマウントを構成する仕切部材の平面図。 同仕切部材の底面図。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。 同エンジンマウントを構成する可動部材の平面図。 図8のIX−IX断面図。 同可動部材を構成する硬質補強板の平面図。 図10のXI−XI断面図。 同可動部材のスリット形成用器具へのセット状態を示す斜視図。
符号の説明
10,92:エンジンマウント,12:第一の取付金具,14:第二の取付金具,16:本体ゴム弾性体,34:ダイヤフラム,44:仕切部材,60:受圧室,62:平衡室,68:オリフィス通路,72,96:可動ゴム板,74,98:硬質補強板,76:当接外周突条,82:周辺弾性突起,84:貫通窓,86:スリット,88:上側透孔,90:下側透孔,97:当接突起,100:位置決め突起

Claims (12)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されていると共に、該第二の取付部材で支持された仕切部材の一方の側において該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室が形成されると共に、該仕切部材の他方の側において壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が形成されている流体封入式防振装置において、
    前記仕切部材に設けられた収容領域に可動ゴム板が全体として板厚方向で変位可能に収容配置されており、該仕切部材に形成された受圧室側開口を通じて該可動ゴム板の一方の面に前記受圧室の圧力が及ぼされると共に、該仕切部材に形成された平衡室側開口を通じて該可動ゴム板の他方の面に前記平衡室の圧力が及ぼされてそれら受圧室と平衡室の圧力差に基づく該可動ゴム板の板厚方向の変位によって該受圧室の圧力変動を吸収する液圧吸収機構が構成されている一方、該受圧室側開口および該平衡室側開口の開口領域よりも大きな拘束板が該仕切部材とは別体で設けられて該可動ゴム板に固着されており、該拘束板に少なくとも一つの貫通窓が形成されて該貫通窓が該可動ゴム板で閉塞されていると共に、該可動ゴム板において該貫通窓を閉塞する部分にスリットが形成されており、該拘束板で周辺を取り囲まれた該スリットの形成部分における該可動ゴム板の弾性変形によって該スリットが開口して該受圧室と該平衡室を短絡させてキャビテーション異音を防止する短絡機構が構成されていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記可動ゴム板の外周縁部が前記拘束板よりも外周側に延び出して大径となっていると共に、該可動ゴム板において該拘束板よりも外周側に延び出した部分が周方向に延びる波打ち形状とされている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記スリットの周囲において該スリットの形成領域を囲んで周方向に延びる周辺弾性突起が形成されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記可動ゴム板において板厚方向両側に向かって突出する緩衝突起が形成されており、該可動ゴム板が前記仕切部材に対して該緩衝突起を介して板厚方向で当接せしめられるようになっている請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記仕切部材に形成された前記受圧室側開口と前記平衡室側開口が何れも円形透孔で構成されていると共に、前記可動ゴム板が該円形透孔よりも大径の円板形状とされて、該可動ゴム板に対して該円形透孔よりも大径の円板形状を有する前記拘束板が固着されていると共に、該可動ゴム板の外周部分には板厚方向両側に突出して周方向に延びる当接外周突条が一体形成されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記可動ゴム板が前記拘束板よりも大径とされて該可動ゴム板の外周縁部が該拘束板よりも外周側に延び出していると共に、前記当接外周突条が該可動ゴム板において該拘束板から外周側に外れた位置に形成されている請求項5に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記可動ゴム板には、前記貫通窓を閉塞する部分に対して一つの前記スリットが形成されている請求項1乃至6の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  8. 前記スリットの端部が前記貫通窓の開口周縁部に向かって延びている請求項1乃至7の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  9. 前記可動ゴム板には、外周面上に突出するリブが設けられている請求項1乃至8の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  10. 前記拘束板において周方向及び軸直角方向の位置を特定する拘束板位置決め部が形成されていると共に、前記可動ゴム板において周方向及び軸直角方向の位置を特定する可動板位置決め部が該拘束板位置決め部を用いて形成されている請求項1乃至9の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  11. 前記拘束板位置決め部が前記拘束板の板厚方向に突出する突起である請求項10に記載の流体封入式防振装置。
  12. 前記突起が放射状に延びる複数の突条を含んで構成されている請求項11に記載の流体封入式防振装置。
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