JP2006189061A - 液封防振装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】 ダイアフラムを第2取付金具とカシメにより結合して組み立てていたので、工数が多くなり、かつダイアフラムにリングが必要なため、部品点数及び重量が多くなる。そこでこれらを解決することを目的とする。
【構成】 複合樹脂ブラケット3を金属補強部17と樹脂部18の複合体とし、樹脂部18に受け部32を設け、この受け部32ダイアフラム8の外周部33を一体化する。外周部33上に仕切り部材9を重ね、さらにその上から第1取付金具4及びインシュレータ5が一体化された円筒金具7を金属補強部17の内側へ圧入し、金属補強部17の上端に設けた爪形状等の上端部29を円筒金具7の上端部位で内側に折り曲げてカシメにより全体を結合一体化する。
【選択図】図3
【構成】 複合樹脂ブラケット3を金属補強部17と樹脂部18の複合体とし、樹脂部18に受け部32を設け、この受け部32ダイアフラム8の外周部33を一体化する。外周部33上に仕切り部材9を重ね、さらにその上から第1取付金具4及びインシュレータ5が一体化された円筒金具7を金属補強部17の内側へ圧入し、金属補強部17の上端に設けた爪形状等の上端部29を円筒金具7の上端部位で内側に折り曲げてカシメにより全体を結合一体化する。
【選択図】図3
Description
この発明は、液封エンジンマウントのような防振装置であって、樹脂化したブラケットを有するものに関する。
防振本体部は第1取付金具と第2取付金具をインシュレータで連結し、インシュレータ内側に液室を設けるとともに、この液室の開口部をダイアフラムで覆っている。このダイアフラムは外周部にリング金具を一体化し、このリング金具と第2取付金具等の端部とをカシメにより固定している。
ところで、上記ダイアフラムの構造によると、ダイアフラムと第2取付金具等とのカシメ工程が必要となり、組立工数が多くなる。また、ダイアフラムにリング金具が必要なため、部品点数が多くなり重量を増加する。さらに、複数の内蔵構造物を積み上げ式等で組立てる場合には、公差によりシール性にバラつきが生じる可能性がある。そこで本願発明はこのような課題の解決を目的とする。
上記課題を解決するため本願発明の液封防振装置に係る請求項1は、振動源へ取付けられる第1取付金具と、振動受側へ取付けられる樹脂製ブラケットと、この樹脂製ブラケットに嵌合する第2取付金具と、この第2取付金具と第1取付金具を結合する弾性体のインシュレータと、このインシュレータの内側に形成される液室と、この液室内を仕切る仕切り部材と、液室の開口端を塞ぐダイアフラムとを備えた液封防振装置において、前記ダイアフラムを前記樹脂製ブラケットと一体に形成したことを特徴とする。
請求項2は上記請求項1において、前記樹脂製ブラケットとダイアフラムの外周部との接合部は接着剤により結合していることを特徴とする。
請求項3は上記請求項1において、前記ダイアフラムの外周部をテーパー状にしたことを特徴とする。
請求項4は上記請求項1において、前記樹脂製ブラケットは樹脂と金属の複合体であり、少なくとも前記第2取付金具の嵌合する部分を金属部としたことを特徴とする。
請求項5は上記請求項4において、前記ダイアフラムの上へ仕切り部材を乗せ、さらにその上から第2取付金具を重ねてその先端部と前記樹脂製ブラケットの金属部分先端部とを結合することにより、積み上げ式で組立てたことを特徴とする。
請求項6は上記請求項5において、前記第2取付金具の外周部に空気の逃げ凹部を形成したことを特徴とする。
請求項7は上記請求項5において、前記第2取付金具の外周部にシールを設けたことを特徴とする。
請求項8は上記請求項6において、前記ダイアフラムの外周部と樹脂製ブラケットの金属が非接着であることを特徴とする。
請求項1によれば、ダイアフラムを樹脂製ブラケットと一体化したので、樹脂製ブラケットの成形と同時に一体化できる。このため、組立時にダイアフラムをカシメで固定する工程が不要となり、工数を削減できる。また、従来必要であったダイアフラムのリング金具を省略でき、部品点数の削減及び軽量化が可能になる。さらに、樹脂製ブラケットとダイアフラム間は一体化により確実にシールされるので、構成部品の公差や組立制度によってシール性にバラつきが生じることもない。
請求項2によれば、樹脂製ブラケットとダイアフラムの結合部に接着剤を介在させたので樹脂製ブラケットとダイアフラムの結合をより強力にして確実なシール性を確保できる。
請求項3によれば、ダイアフラムの外周部をテーパー状にしたので、樹脂製ブラケットと一体化するため金型内へセットするときは位置決めとなり、かつ成形圧によりダイアフラムの外周部を外方へ押し出すように変形させて樹脂製ブラケット側との密着を強固にする。これにより樹脂成形時の圧力低下を小さくして、樹脂の成形後における品質を安定化できる。
請求項4によれば、樹脂製ブラケットを樹脂と金属の複合体とし、少なくとも第2取付金具の嵌合する部分を金属部としたので、樹脂製ブラケットであっても第2取付金具を圧入により一体化できる。
請求項5によれば、積み上げ式で組み立て、樹脂製ブラケットの金属を第2取付金具の各先端部をカシメ等の適宜手段により結合一体化するだけで組み立てることができる。
請求項6によれば、樹脂製ブラケットと重なる第2取付金具の外周部に空気の逃げ凹部を形成したので、積み上げ式で組立てるときにおける空気の逃げを確保できる。
請求項7によれば、第2取付金具の外周部にシールを設けたので、積み上げ式で第2取付金具の一端をカシメ等の結合により固定するとき、シールを確実にする。
請求項8によれば、ダイアフラムの外周部と樹脂製ブラケットの金属部分とを非接着にしたので、成形時におけるダイアフラムの外周部の変形により金属部分に強く圧着させてシール性を確保できる。これにより樹脂成形時の圧力低下を小さくして、樹脂の成形後における品質の安定化と、金属部への樹脂バリの発生を抑制できる。
以下、図面に基づいて自動車の液封エンジンマウントに適用した実施形態を説明する。図1〜図9は第1実施例に係り、図1は液封エンジンマウントの側面図、図2はその平面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は要部の拡大断面図、図5は図4のA部拡大図、図6はダイアフラムの一体化工程を示す図、図7は組立説明図である。
図1及び図2に示すように、エンジンマウント1は防振本体部2と複合樹脂ブラケット3とを一体化したものである。防振本体部2は振動源である図示省略のエンジンへ取付けられるための第1取付金具4と、入力振動で弾性変形する防振ゴム等からなるインシュレータ5等を備える。6は防振本体部2の上部から突出する一体ボルトである。複合樹脂ブラケット3は防振本体部2の下部の周囲へ一体化され、その取付部30を図示省略の振動受け側である車体へ取付けられる。
図3に明らかなように、このエンジンマウント1は液封式であり、インシュレータ5の図示状態下部と一体化した円筒金具7(第2取付金具)と、その下側開口部を覆うダイアフラム8とにより、防振本体部2の内部を液室とし、この内部をさらに仕切り部材9で主液室10と副液室11に区画し、両液室を仕切り部材9に形成した共振オリフィス12で連結したものであり、液室内には公知の非圧縮性液体が封入されている。
仕切り部材9には、中央に円形の穴13を設けてここに可撓性弾性部材14を設けて内圧上昇を吸収するようになっている。図中の符号15はエンジンへ取付けるためのエンジンハンガブラケットであり、ここに第1取付金具4が連結される。
図4に示すように、複合樹脂ブラケット3は金属補強部17と樹脂部18との複合体である。金属補強部17の軸方向中間部は圧入部20をなし、この内側に円筒金具7が圧入されて一体化される。圧入部20の周囲は樹脂部18で覆われない。但し、圧入部20のうち大入力部位には部分的に外側が樹脂補強部21で部分的に補強されている。
金属補強部17は鉄等の高強度を有する適宜金属材料よりなり、図示状態の下端部に外向きの下フランジ25を設け、その近傍をリブ26で補強した円筒状をなし、この下端部を除き外周面が中心軸と平行なストレートになっており、上端部に爪29が形成されている。この爪29は内側へ折り曲げられて内側に重なる円筒金具7の上端部を固定する。
樹脂部18は、6−6ナイロン等公知の適宜材料を用い、射出成形等の適宜方法により金属補強部17と一体に成形される。射出成形を例にすれば、予め型内へ金属補強部17を配置し、十分に高い射出圧で一体に成形する。この成形は複合樹脂ブラケット3を防振本体部2とは別に成形できるので、防振本体部2側に対する変形等の悪影響を気にせず、必要十分な高圧で成形できるから、成形精度を高めることができる。
樹脂部18は、金属補強部17が一体化されている樹脂円筒部19と取付部30を略L字状断面をなすように一体形成したものであり、取付部30は樹脂円筒部19の下端から略直角に屈曲して外側へ張り出す部分であって、予めインサートされているカラー53(図2、9参照)等によってボルト等の締結部材(いずれも図示省略)により車体側へ取付ける部分である。取付部30の肉厚をt1、樹脂円筒部19の肉厚をt2とすれば、t1>t2又はt2>t1である。
円筒金具7は金属製の筒状体であり、上端は外向きフランジ28をなし、それより下方は径一様のストレート構造であり、この部分を先頭にして複合樹脂ブラケット3の圧入部20へ圧入することができる。但し、円筒金具7の上端部は部分的に外向きフランジ28を形成しないストレート部27をなし、この上に補強金属部17の上端に形成された爪29を折り曲げるようになってる。
図5に明らかなように、円筒金具7の外周部には上下方向の溝状をなす空気逃げ凹部34が形成され、この空気逃げ凹部34は円筒金具7の上下端部へ達している。さらに、円筒金具7の外周部にはインシュレータ5から連続する部分で構成される等の適宜材料からなるシール23が一体に形成され、金属補強部17との間に介装されている。空気逃げ凹部34はこのシール34に形成され、シール34の上端部は空気逃げ凹部34を閉塞するシール突起23aをなし、金属補強部17と円筒金具7の各上部間を爪29の近傍にて密にシールしている。
再び、図4及び図3ににおいてさらに細部構造を説明する。仕切り部材9は上部35と下部36とに2分割され、下部36はダイアフラム8の外周部33の上へ当接して支持され、外周部33によりシールされる。下部36の下端フランジ37の外周は下部36と同径であり、その上に円筒金具7の下端が当接する。また、円筒金具7の内側にはインシュレータ5から一体に下方へ伸びるライナー部40により覆われ、その下端40aが下端フランジ37へ密着してシールする。
上部フランジ38は下端フランジ37より小径であり、その外周部はライナー部40の内周へ密接してシールする。この上部フランジ38の外周上部にライナー部40の一部から内側へ張り出す段部41にて密着シールしている。上部35と下部3には共振オリフィス12が形成されている。
次に、複合樹脂ブラケット3とダイアフラム8の一体化について説明する。図6に示すように、金型42、43、44によって形成されるキャビティ45内へ補強金具17とダイアフラム8を入れ、ダイアフラム8は外周部33をキャビティ45内へ臨ませて金型43と44の間で挟む。
このとき、外周部33の受け部32と接合する下面46は接着剤47を塗布しておく。また、外周部33の外周面48は接着剤を設けない非接着面とし、補強金具17と接着剤を介さずに密接させる。
この状態でキャビティ45内へ溶融樹脂を所定の高い成形圧で注入することにより、補強金具17をインサートした樹脂部18が形成され、同時に受け部32が形成されて外周部33と一体化する。このとき、接着剤47により下面46と受け部32が強固に接着一体化する。
また、外周面48は樹脂の成形圧により外方へ押し出されて強く円筒金具7へ密着して確実なシールとなる。このとき外周面48が非接着面となっているため、この弾性変形を確実にしている。
なお、外周部33の上面を予め仮想線で示すような外方へ向かって高くなるテーパー面49としてもよい。このようにすると、金型43へセットするときの位置決めを容易とし、かつ成形圧による外方への弾性変形量を多くして補強金具17へより強く密着することができる。
この液封エンジンマウント1を組立てるには、図7に示すように、複合樹脂ブラケット3とダイアフラム8が一体化した状態で、金属補強部17の上端開口部を上に向け、内部へ液体を充填してから、仕切り部材9を金属補強部17の内側へ挿入し、下端フランジ37を外周部33上へ乗せる。
さらにその上から予め第1取付金具4及びインシュレータ5と一体化された円筒金具7を金属補強部17における圧入部20の内側へ挿入し、その下端を下端フランジ37へ当接し、空気及び余剰の液体を空気逃げ凹部34から排除しつつ、爪状をなす上端部29を内側へ折り曲げると、シール突起23aが押しつぶされて円筒金具7と金属補強部17間が密閉される。したがって、このカシメ部だけで全体がシールされて一体化される。なお、本願において、上記のようにカシメとは爪を折り曲げるものと、爪より幅の広い金属補強部17等の端縁部を折り曲げる場合の双方を含むものとする。
図8は、円筒金具7の上端部と金属補強部17の結合構造についてバリエーションを示し、図中のAは、金属補強部17の上端部29を内側へ斜めに倒してシール突起23aをつぶし、さらに先端部を円筒金具7の上端部27上へ略直角に折り曲げてカシメた例である。図中のBは、円筒金具7の上端部27を外方へ折り曲げて、シール突起23aをつぶしながら金属補強部17の上端部29を一緒に外方へ倒して拡径することにより固定した例である。拡径でも金属補強部17側の反力により強く結合できる。
図中のCは、金属補強部17の上端部26のみを内側へ斜めに倒してシール突起23aをつぶしながら先端部を円筒金具7の上端部27側面へ密接させた縮径により固定する例である。これらいずれの場合、空気及び余剰の液体を空気逃げ凹部34から排除しつつ行う作業が最も容易になる。
図中のCは、金属補強部17の上端部26のみを内側へ斜めに倒してシール突起23aをつぶしながら先端部を円筒金具7の上端部27側面へ密接させた縮径により固定する例である。これらいずれの場合、空気及び余剰の液体を空気逃げ凹部34から排除しつつ行う作業が最も容易になる。
次に、本実施例の作用を説明する。ダイアフラム8の外周部33を複合樹脂ブラケット3と一体化したので、複合樹脂ブラケット3の成形と同時に一体化できる。このため、組立時にダイアフラム8をカシメで固定する工程が不要となり、工数を削減できる。また、従来必要であったダイアフラム8のリング金具を省略でき、部品点数の削減及び軽量化が可能になる。さらに、複合樹脂ブラケット3とダイアフラム8間は一体化により確実にシールされるので、構成部品の公差や組立制度によってシール性にバラつきが生じることもない。
また、複合樹脂ブラケット3とダイアフラム8の外周部33との結合部に接着剤47を介在させたので、複合樹脂ブラケット3とダイアフラム8の外周部33との結合をより強力にして確実なシール性を確保できる。そのうえ、ダイアフラム8の外周部33の上面等をテーパー面49にすれば、複合樹脂ブラケット3と一体化するため金型内へセットするときは位置決めとなり、かつ成形圧によりダイアフラム8の外周部33を外方へ押し出すように変形させて複合樹脂ブラケット3の補強金属部17との密着を強固にする。これにより樹脂成形時の圧力低下を小さくして、樹脂の成形後における品質を安定化できる。
さらに、複合樹脂ブラケット3を樹脂と金属の複合体とし、少なくとも円筒金具7の嵌合する部分を金属部としたので、複合樹脂ブラケット3であっても円筒金具7を圧入により一体化できる。
また、積み上げ式で組み立て、複合樹脂ブラケット3の補強金属部17と円筒金具7の各先端部を爪形状等の上端部29によるカシメにより結合一体化するだけで組み立てることができる。このとき、複合樹脂ブラケット3と重なる円筒金具7の外周部に空気の逃げ凹部34を形成したので、積み上げ式で組立てるときにおける空気の逃げを確保できる。また、円筒金具7の外周部にシール23を設けたので、積み上げ式で円筒金具の一端をカシメ等による結合にて固定するときシールを確実にする。
さらに、ダイアフラム8の外周部33と複合樹脂ブラケット3の補強金属部17とを非接着にしたので、成形時におけるダイアフラム8の外周部33の変形により補強金属部17へ強く圧着させてシール性を確保できる。これにより樹脂成形時の圧力低下を小さくして、樹脂の成形後における品質の安定化と、金属部への樹脂バリの発生を抑制できる。
図9及び図10により第2実施例を説明する。図9は図3と同様の断面図であり、図10は組立方を示す分解図である。この例は組立方が前実施例と逆の積み立てになっており、かつ最後の固着をダイアフラム側にしたところが大きな相違点である。なお、前実施例と共通する部分には共通符号を用いる。
図9において、複合樹脂ブラケット3はインシュレータ5と予め一体化されており、この中に仕切り部材9が挿入され、さらにその下へダイアフラム8が重ねられ、ダイアフラム8の厚肉になった外周部33を補強金具部17の下端部50でカシメている。ダイアフラム8の外周部33は、断面略L字状をなす取付リング51と一体化されており、その外側へ補強金具部17の下端部50を折り曲げて重ねることにより、この一カ所のカシメにより固定される。このとき、下端部50と取付リング51の間は外周部33の一部でシールされる。
結合構造のバリエーションとして、前記した図8と同様に、拡径、縮径、爪曲げ等が適宜使用可能である。図中の符号52は仕切り部材9のゴム部である下部36を嵌合して一体化するカップ状の底部金具であり、下部36の下面を支持するとともに取付リング51によって位置決めされる。インシュレータ5及び仕切り部材9の構造は前実施例と同じである。符号63は取付部30へ一体化されるカラー等の締結用部材であり、これを利用してボルト等の締結部材(図示省略)で車体側へ取付けられる。
この液封エンジンマウント1を組立てるには、図10に示すように、複合樹脂ブラケット3とダイアフラム8が一体化した状態で、金属補強部17の上端開口部を上に向け、内部へ液体を充填してから、仕切り部材9を金属補強部17の内側へ挿入し、下端フランジ37を外周部33上へ乗せる。
この液封エンジンマウント1を組立てるには、図10に示すように、複合樹脂ブラケット3と第1取付金具4及びインシュレータ5が一体化した状態で、これを反転させて複合樹脂ブラケット3の下端開口側を上に向けて内部へ液体を充填し、続いて仕切り部材9を金属補強部17の内側へ挿入し、上部フランジ38を段部41に当て、下端フランジ37をライナー部40の端部に当て、さらにダイアフラム8を入れ、その取付リング51の一部で底部金具52を押さえる。
この状態で、補強金属部17の下端50を内側へ折り曲げて外周部33へ密着するようにカシメると、各位置決め部が密着シールされて全体が固着一体化される。したがって、下方からの積み立て式でも容易に組立てることができ、かつ全体を積み立てた最後に、補強金属部17の下端50をカシメるだけ、すなわち一カ所のカシメだけで組立が完成するため、極めて作業効率が優れている。もちろんカシメ以外の前記他の結合手段を採用できる。
したがって本願には、樹脂ブラケットを使用するとともに、樹脂ブラケットの円筒部内へ、インシュレータ、仕切り部材及びダイアフラムを有する防振本体部を積み立て式で組立てる液封防振装置において、樹脂ブラケットとして複合樹脂ブラッケトを採用し、この複合樹脂ブラッケトの補強金属部を結合に利用すれば、複合樹脂ブラッケトの端部に突出させた補強金属部を結合させるだけで全体を一体化して組立てることができることが示されている。
この場合、第1実施例のように、複合樹脂ブラッケトの端部に突出する補強金属部が上方になるように配置し、樹脂ブラケットの円筒部内下部にダイアフラム支持部を設け、円筒部内へ上方よりダイアフラム、仕切り部材及びインシュレータを順に入れて積み上げてから、前記複合樹脂ブラッケトの端部に突出する補強金属部を曲げることにより、全体を結合一体化することができる。この場合には、ダイアフラムを底部側にして積み立てる形式になる。なお、この組立方にのみ着目した場合、第1実施例におけるように、ダイアフラムを複合樹脂ブラッケトと予め一体化しておくことは、必ずしも必要ではない。
また、第2実施例のように、複合樹脂ブラッケトを構成する円筒部の一端部にインシュレータを一体化し、この部分を下にして、円筒部の他端開口部側を上方になるように配置し、かつこの上端部に補強金属部の一端を露出させた状態で、円筒部内へ上方より仕切り部材及びダイアフラムを順に入れて積み上げてから、前記複合樹脂ブラッケトの端部に突出する補強金属部をダイアフラムの外周部へ曲げることによっても、全体を結合一体化することができる。この場合には、インシュレータを底部側にして積み立てる形式になる。
さらに、補強金属部17の下端50をダイアフラム8の取付リング51とカシメることにより固定することもできる。図8のD〜Fはこの例を示す。ダイアフラム8の取付リング51を補強金属部17と平行に下方へ延ばしておき、Dに示すように、下端50を取付リング51の下端上へ略直角に折り曲げてカシメにより固定する。なお、このような曲げとして、周方向へ広範囲に曲げるカシメや、爪状にした比較的狭い範囲を曲げる爪曲げがある。このいずれでもよい。また、Eに示すように補強金属部17の下端50を取付リング51と一緒に縮径するか、Fに示すように拡径することにより固定できる。カシメ等の結合相手側は取付リング51以外の他の部材を利用することもできる。
さらに、このような機械的結合のみならず、溶接や接着等を利用して結合させることもできる。
さらに、このような機械的結合のみならず、溶接や接着等を利用して結合させることもできる。
さらに、第2取付金具(円筒金具7)と補強金属部17の結合は、このような機械的結合のみならず、溶接や接着等を利用して結合させることもできる。また、複合樹脂ブラケット3の補強金属部17に対してインシュレータ5を焼き付け又は接着等により一体化してもよい。この場合も、インシュレータ5と別の場所で第2取付金具と補強金属部17を結合する。
なお、本願発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、エンジンマウントに限らず液封及び非液封の各種防振装置に適用できる。また、上記実施例から読み取ることができる上位概念等の本願における他の特徴点を以下に列挙する。
1.振動源へ取付けられる第1取付金具と、振動受側へ取付けられる樹脂製ブラケットと、この樹脂製ブラケットに嵌合する第2取付金具と、この第2取付金具と第1取付金具を結合する弾性体のインシュレータと、このインシュレータの内側に形成される液室と、この液室内を仕切る仕切り部材と、液室の開口端を塞ぐダイアフラムとを備えた液封防振装置において、前記樹脂製ブラケットは樹脂と金属の複合体であり、その端部に設けた金属部をカシメ、拡径又は縮径もしくは溶接や接着等により他の部分と結合すること。
これにより、樹脂製ブラケットを樹脂と金属の複合体とし、その端部に設けた金属部により、樹脂製ブラケットであっても、カシメ等の確実かつ耐久性のある結合方法にて他の部分と一体化できる。
すなわち、複合樹脂ブラケットの金属部を利用することにより、カシメ等の上記結合が実質的に可能になった。仮に樹脂部へ直接カシメると、結合部分の樹脂がへたるため耐久性に乏しく、溶接は樹脂相手に不可能であり、接着も樹脂に対する強力かつ耐久性のある接着が難しいため、実質的に樹脂ブラケットに対する第2取付金具のカシメ等による結合は不可能であった。
これにより、樹脂製ブラケットを樹脂と金属の複合体とし、その端部に設けた金属部により、樹脂製ブラケットであっても、カシメ等の確実かつ耐久性のある結合方法にて他の部分と一体化できる。
すなわち、複合樹脂ブラケットの金属部を利用することにより、カシメ等の上記結合が実質的に可能になった。仮に樹脂部へ直接カシメると、結合部分の樹脂がへたるため耐久性に乏しく、溶接は樹脂相手に不可能であり、接着も樹脂に対する強力かつ耐久性のある接着が難しいため、実質的に樹脂ブラケットに対する第2取付金具のカシメ等による結合は不可能であった。
2.上記1において、前記樹脂製ブラケットに支持された前記ダイアフラムの上へ仕切り部材を乗せ、さらにその上から前記樹脂製ブラケットの金属部分先端部とをカシメ等で結合することにより、積み上げ式で組立てたこと。
これにより、積み上げ式で容易に組立てできる。
これにより、積み上げ式で容易に組立てできる。
3.上記1において、インシュレータを下にして、ブラケット内へ仕切り部材を乗せ、さらにその上にダイアフラムを重ねてから前記樹脂製ブラケットの金属部分先端部とをカシメ等で結合することにより、積み上げ式で組立てたこと。
これにより、2と同様に積み上げ式で容易に組立てできる。
これにより、2と同様に積み上げ式で容易に組立てできる。
4.上記2又は3において、カシメ等の結合前に金属部を重ねてその先端部と前記樹脂製ブラケットの金属部分先端部とをカシメ等で結合すること。
これにより、樹脂製ブラケットを樹脂と金属の複合体とし、金属部と結合するので、樹脂製ブラケットであっても金属同士の強固な結合ができる。
これにより、樹脂製ブラケットを樹脂と金属の複合体とし、金属部と結合するので、樹脂製ブラケットであっても金属同士の強固な結合ができる。
5.上記4.において、カシメる相手の金属部を第2取付金具とすること。
これにより、樹脂製ブラケットを樹脂と金属の複合体とし、少なくとも第2取付金具の嵌合する部分を金属部としたので、樹脂製ブラケットであっても第2取付金具と金属同士の結合ができる。
これにより、樹脂製ブラケットを樹脂と金属の複合体とし、少なくとも第2取付金具の嵌合する部分を金属部としたので、樹脂製ブラケットであっても第2取付金具と金属同士の結合ができる。
6.上記1.において、複合樹脂ブラケットに対してインシュレータを焼き付け又は接着等により一体化すること。
これにより、インシュレータを焼き付けた防振装置における第2取付金具の固定構造にも利用できる。
これにより、インシュレータを焼き付けた防振装置における第2取付金具の固定構造にも利用できる。
1:エンジンマウント、2:防振本体部、3:複合樹脂ブラケット、4:第1取付金具、5:インシュレータ、6:一体ボルト、7:円筒金具、8:ダイアフラム、9:仕切り部材、10:主液室、23:空気逃げ部、29:爪形状等をなす上端部、32:受け部、33:外周部、34:シール、47:接着剤、50:端部、51:取付リング
Claims (8)
- 振動源へ取付けられる第1取付金具と、振動受側へ取付けられる樹脂製ブラケットと、この樹脂製ブラケットに嵌合する第2取付金具と、この第2取付金具と第1取付金具を結合する弾性体のインシュレータと、このインシュレータの内側に形成される液室と、この液室内を仕切る仕切り部材と、液室の開口端を塞ぐダイアフラムとを備えた液封防振装置において、前記ダイアフラムを前記樹脂製ブラケットと一体に形成したことを特徴とする液封防振装置。
- 前記樹脂製ブラケットとダイアフラムの外周部との接合部は接着剤により結合していることを特徴とする請求項1の液封防振装置。
- 前記ダイアフラムの外周部をテーパー状にしたことを特徴とする請求項1の液封防振装置。
- 前記樹脂製ブラケットは樹脂と金属の複合体であり、少なくとも前記第2取付金具の嵌合する部分を金属部としたことを特徴とする請求項1の液封防振装置。
- 前記ダイアフラムの上へ仕切り部材を乗せ、さらにその上から第2取付金具を重ねてその先端部と前記樹脂製ブラケットの金属部分先端部とを結合することにより、積み上げ式で組立てたことを特徴とする請求項4の液封防振装置。
- 前記第2取付金具の外周部に空気の逃げ凹部を形成したことを特徴とする請求項5の液封防振装置。
- 前記第2取付金具の外周部にシールを設けたことを特徴とする請求項5の液封防振装置。
- 前記ダイアフラムの外周部と樹脂製ブラケットの金属が非接着であることを特徴とする請求項6の液封防振装置。
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