JP4069907B2 - 樹脂ブラケット付きの液封式防振装置 - Google Patents
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例えば下記特許文献1には、防振装置における本体ゴムを予め加硫成形しておき、これを樹脂成形型にセットして樹脂を射出成形し、これにより防振装置における樹脂ブラケットを成形するとともに、その射出成形時の圧力と熱を利用して樹脂とゴムとを接着するようになした点が開示されている。
この種液封式防振装置にあっては、本体ゴム及び樹脂ブラケットを成形した後において液室内への液の封入を後工程として行うことから、筒形金具を本体ゴムに一体に固着しておいて、これを樹脂ブラケットから軸方向に露出状態に突出させ、これら本体ゴム,樹脂ブラケット及び筒形金具を含むマウント本体の液室形成用の空間内に液を入れた上で、筒形金具の先端部をかしめ加工して、外周部が金属製の蓋体を液室形成用の空間の開放部を閉鎖する状態にかしめ固定することが行われる。
同図において200は支持部材及び被支持部材の一方に取付固定される剛性の取付部材で、202は本体ゴム,204は樹脂ブラケット,206,208はそれぞれ第1液室,第2液室で、210はそれらを区画する仕切部材である。
218は本体ゴム202に固着されて樹脂ブラケット204から先端部が軸方向に突出した筒形金具で、その樹脂ブラケット204から突出した先端部がかしめ加工されて蓋体216がかしめ固定される。図中220はかしめ部を表している。
図7(イ)は、特許文献2に開示の液封式防振装置における問題点を示したもので、図中222は樹脂成形型で、Sは筒形金具218と樹脂成形型222との間に生じた隙間を表している。また224は樹脂ブラケット204の成形時にその隙間に生じた樹脂バリを表している。
そこでこの特許文献3に開示のものでは、図7(ロ)に示しているように筒形金具218の外周面を被覆する状態にゴム被膜226を設け、このゴム被膜226によって隙間Sに樹脂バリが生じるのを防止するようにしている。
尚その際、好適には筒形金具の外周面にゴム被膜を形成しておく。
図1において、10はエンジンマウント等として用いられる本実施形態の樹脂ブラケット付の液封式防振装置で、図2に示しているようにマウント本体(但し図2ではかしめ加工前の状態で表している)12と、仕切部材14と、蓋体16とを組み付けて構成してある。
ここで中心部の取付金具18には雌ねじ孔26が形成されており、また本体ゴム22は断面形状がハの字状に拡開したゴム脚28を有している。
またこの樹脂ブラケット20には補強リブ34が一体に形成されている。
この液室には仕切部材14が組み込まれており、この仕切部材14にて液室が第1液室36と第2液室38とに区画されている。
図3に示しているように、オリフィス部材42には外周面に沿ってオリフィス通路44が形成されている。
このオリフィス通路44は開口46,48にて第1液室36と第2液室38とに連通させられており、第1液室36及び第2液室38内の液が、これら開口46,48及びオリフィス通路44を通じて一方から他方に、また他方から一方に流動するようになっている。
上記蓋体16は、その大部分がダイヤフラム膜52にて構成されており、その外周部に金属リング54が加硫接着にて一体に固着されている。
そしてこの金属リング54の部分において、蓋体16が筒形金具24の先端部のかしめ部56にて筒形金具24に、即ちマウント本体12にかしめ固定されている。
ここでかしめ部56は、図2及び図4に示しているようにかしめ加工前において、外向きのフランジ部58の外周端部に続いて軸方向に環状に起立した形態をなしている。
図2中56Aは、そのかしめ部56のかしめ加工前の環状の起立部を表している。
そしてこれら樹脂ブラケット20における第1の突出部62と第2の突出部67とによって、本体ゴム22と筒形金具24とが軸方向(図1中上下方向)に挟み込まれており、以って本体ゴム22と筒形金具24及び樹脂ブラケット20が強固に一体に結合されている。
そして得られた加硫品を樹脂成形型にセットする。このとき併せて金具32をインサート金具としてセットする。
そしてその状態で樹脂成形型に樹脂を注入して樹脂ブラケット20を成形し、同時に本体ゴム22,筒形金具24及び金具32に一体化する。
図2及び図4中のマウント本体12は、このようにして製造される。
図5はそのかしめ加工の際の工程を表している。
続いて(II)に示しているように、同じく受け具72にてフランジ部58を図中下側から受けた状態で、別の第2のかしめ具74-2にて、傾斜部56Bを水平に倒し、フランジ部58とともにかしめ部56にて蓋体16における金属リング54を軸方向に挟み込んだ状態とする。
12 マウント本体
14 仕切部材
16 蓋体
18 取付金具
20 樹脂ブラケット
22 本体ゴム
24 筒形金具
36 第1液室
38 第2液室
44 オリフィス通路
56 かしめ部
56A 起立部
58 フランジ部
70 かしめ装置
K 挿入空間
Claims (2)
- (イ)(a)支持部材及び被支持部材の一方に取付固定される剛性の取付部材と、(b)他方に取付固定される樹脂ブラケットと、(c)それらを弾性連結する本体ゴムと、(d)全体として筒形を成し、該本体ゴムに一体に固着されて前記樹脂ブラケットから軸方向に突出し、先端部がかしめ加工される筒形金具とを有するマウント本体と、
(ロ)該マウント本体に形成された液室形成用の空間の開放部を閉鎖する、外周部が金属製の蓋体と、
(ハ)前記液室内に組み込まれて該液室を第1液室と第2液室とに区画する仕切部材と、
(ニ)該第1液室と第2液室とを連通させるオリフィス通路と、
を備えて成り、前記筒形金具の前記樹脂ブラケットから軸方向に突出した先端部がかしめ加工されて前記蓋体の外周部がかしめ固定された樹脂ブラケット付の液封式防振装置であって、
前記樹脂ブラケットとの間にかしめ力を受ける受け具の挿入空間を形成する位置において前記筒形金具の先端部に径方向外向きのフランジ部を設けるとともに、該フランジ部の外周端から軸方向に起立する環状の起立部を設け、該起立部を内向きにかしめ加工して前記蓋体をかしめ固定してあることを特徴とする樹脂ブラケット付きの液封式防振装置。 - 請求項1において、前記本体ゴムには径方向内向きの環状の凹所が設けてあるとともに、前記樹脂ブラケットには該凹所に嵌り込む内向きの環状の第1の突出部が設けてあり、更に前記筒形金具の基端には径方向外向きのフランジ部が設けてあって、該樹脂ブラケットには該フランジ部に隣接して形成された環状の凹所に入り込む環状の第2の突出部が設けてあり、それら第1の突出部と第2の突出部とで前記本体ゴムと筒形金具とを軸方向に挟み込んでいることを特徴とする樹脂ブラケット付きの液封式防振装置。
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