JP4556797B2 - 取付金具とダストカバーとの組付体の製造方法 - Google Patents
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Description
下記特許文献1には、そのピストンロッドとボデーとをクッションゴムを介して弾性的に連結する弾性連結装置の一例が開示されている。
同図において200はショックアブソーバで、202はシリンダ、204はそのシリンダ202から突き出したピストンロッドである。
ピストンロッド204は、取付金具206にて車両のボデー208に対しアッパーサポート210を介して弾性的に取付固定されている。
詳しくは、取付金具206における取付板部212と板状の締付金具214とにより、アッパーサポート210の下クッションゴム216,上クッションゴム218を挟み込み、それらをボデー208に対し弾性圧接させる状態にピストンロッド204がボデー208に弾性連結されている。
ピストンロッド204は、径方向外向きに突出した環状の鍔部220及び先端部の雄ねじ部222を有していて、そこに締付ナット224が螺合され、それら鍔部220と締付ナット224とで取付板部212と締付金具214とを上下方向に挟み込んでいる。
取付金具206はまた、取付板部212とその外周部から立ち下がる筒状の周壁部232とを有しており、そこに筒状をなすバウンドストッパ236の上部が嵌め込まれ、保持されている。
図中248は、それら取付金具206とダストカバー244との組付体を表している。
この図11に示す組付体248にあっては、取付金具206が1枚の金属板を曲げ成形して構成してあるが、かかる取付金具を下底部及びその外周端部から立ち上がる筒状の周壁部を有する上金具と、上底部及びその外周端部から立ち下がる筒状の周壁部を有する下金具とを、それら下底部と上底部とで互いに溶接接合して構成することも行われている。
図において230はカップ状をなす上金具で、250はその下底部、252は下底部250の外周端部から立ち上がる筒状の周壁部である。
234は逆カップ状をなす下金具で、254は上底部、256はその外周端部から立ち下がる筒状の周壁部である。
これら上金具230と下金具234とは、下底部250と上底部254とがスポット溶接により互いに溶接接合されて取付金具206を構成している。
詳しくは、押出装置から押し出したダストカバー244の筒状の樹脂のパリソンの端部を、軸直角方向に開閉するブロー成形型を型開きした状態において、そこにセットした取付金具206に外挿し、その後ブロー成形型を型締めして、その型締め時にブロー成形型の端部成形部にて取付金具206に外挿したパリソンの端部を軸直角方向内方に押圧して内周及び外周ともに全体的に縮径変形させ、もって取付金具206における上金具230及び下金具234の各周壁部252,256の外周面に沿った成形形状を有する嵌合組付部246を、全周に亘り取付金具206の周壁部252,256の外周面に密着させる状態に取付金具206に一体接合状態に成形する。
更にパリソンの内部に圧縮気体を吹き込んで、パリソンの上記端部を除く部分をブロー成形型の内周成形面に押圧してブロー成形することにより、ダストカバー244を製造し且つ同時にこれを取付金具206に組付状態とする。
而してそのように発生した余剰の材料が下底部250と上底部254との間の微小な間隙に侵入すると、場合によってその侵入した材料が中心部の挿通孔226に達してしまう恐れがある。
この水抜孔は、カップ状をなす上金具230と、そこに嵌め込まれ、保持されている下クッションゴム216(図11参照)との間の間隙を通じて上金具230内部に水や泥等が侵入してそこに溜まってしまうと、取付金具206やピストンロッド204(図11参照)に錆が発生する問題を生ずることから、これを防止すべく上金具230内に侵入した水や泥等を排出するために設けられるもので、このような水抜孔を設けたものについては本出願人等が先の特許願(特願2005−68539:未公開)にて提案している。
即ちこの請求項1の製造方法では、ブロー成形型の端部成形部の内周成形面に軸直角方向外方への逃がしを設け、これにより上記部分的な厚肉部を成形してそこで余剰の材料を吸収し、かかる余剰の材料が接合部の間隙に侵入するのを防止することができる。
即ちこのような水抜孔を有する取付金具とダストカバーとの組付体に対して本発明を適用することにより、接合部の微小な間隙にダストカバーを構成する材料が侵入して水抜孔を塞いでしまう問題を解決することができる。
図1において10はショックアブソーバで、12はシリンダ、14はシリンダ12から突き出したピストンロッドである。
ピストンロッド14は、取付金具16にて車両のボデー18に対しアッパーサポート20を介して弾性的に取付固定されている。
詳しくは、取付金具16における取付板部22と板状の締付金具24とによりアッパーサポート20の下クッションゴム26,上クッションゴム28を挟み込み、それらをボデー18に対し弾性圧接させる状態にピストンロッド14がボデー18に弾性連結されている。
ピストンロッド14は、径方向外向きに突出した環状の鍔部30及び先端部の雄ねじ部32を有していて、そこに締付ナット34が螺合され、それら鍔部30と締付ナット34とで取付板部22と締付金具24とを上下方向に挟み込んでいる。
上金具36は、円形の下底部40とその外周端部から立ち上がる円筒形状の周壁部42とを有しており、そこにアッパーサポート20における下クッションゴム26の下部が嵌め込まれ、保持されている。
一方下金具38は、円形の上底部44とその外周端部から立ち下がる円筒形状の周壁部46とを有しており、そこにバウンドストッパ47の上部が嵌め込まれ、保持されている。
この取付板部22の中心部には挿通孔54が形成されており、そこにピストンロッド14が挿通されている。
これら水抜孔56は、上金具36内部に侵入した水や泥等を下方に排出すべく設けられている。
ここで各水抜孔56はピストンロッド14の軸心、即ち挿通孔54の中心から等距離の位置、即ち同一円周上に設けられている。
一方上金具36における立上り形状の周壁部42は、下金具38における周壁部46の上端よりも全体的に小径をなしていて、周壁部46の上端との間に段差部50を形成している。
この上金具36における周壁部42は、同径で上向きに直状に立ち上がるストレート形状をなしている。
そしてその上端部に、径方向外方に環状に突出したフランジ部52が設けられている。
また外周面には、周方向に環状に延びる凹溝60が軸方向に所定間隔で複数形成されており、更に中心部にはピストンロッド14を挿通させる挿通空間62が形成されている。
また上部には円形の大径の嵌込部64が設けられており、バウンドストッパ47は、この嵌込部64において取付金具16の下金具38内部に下側から上向きに嵌め込まれ、弾性嵌合状態でそこに保持されている。
この径方向溝68は、バウンドストッパ47の上面を内周端から外周端まで延びている。
バウンドストッパ47にはまた、その外周面に、径方向溝68の外周端から下向きに延びる縦溝70が、下金具38における周壁部46の内側に形成されている。
この縦溝70は、大径の嵌込部64の全高に亘って形成されている。
尚径方向溝68と縦溝70は、バウンドストッパ47のストッパ作用時にエアを逃がすためのエア抜き溝も兼ねている。
この下クッションゴム26は、下部の小径の嵌込部72と、上部の大径のフランジ部74とを有しており、下部の嵌込部72において取付金具16の上金具36に下向きに嵌め込まれ、そこに弾性的に保持されている。
下クッションゴム26は、これら突出部76を上金具36の周壁部42内面に弾性圧接させる状態に、上金具36に嵌合状態に保持され、そして上部のフランジ部74を上金具36の上端部のフランジ部52に下向きに当接させる状態に、上金具36に組み付けられ保持されている。
下クッションゴム26にはこの締結ナット82を収容する凹所84が形成されている。
この嵌合組付部88は、上端にフランジ部89を有しており、このフランジ部89が取付金具16における上金具36のフランジ部52の下面に接合されている。
詳しくは、図2(B)に示すように嵌合組付部88は、上金具36の下底部40と下金具38の上底部44との接合面よりも下側の位置の頂部90を境として、それより下側部分が肉厚が一様且つ薄肉をなす薄肉部92として構成されている。
ここで厚肉部96の肉厚は、下底部40と上底部44との接合面の位置(上下方向位置)で最大となり、この接合面の位置から上端95に向って上方に進むにつれて肉厚が漸次減少し、そして上端95の位置においてその肉厚が薄肉部92の肉厚と略同等の肉厚ないしこれよりも若干厚肉となっている。
また接合面の位置から頂部90に向って同じく肉厚が漸次減少し、頂部90において薄肉部92の肉厚と同等の肉厚となっている。
ここで上金具36,下金具38の各周壁部42,46の付根のコーナー部101はR形状(湾曲形状)をなしている。
またこのカバー本体部97の上端部には、環状且つ帯状に径方向外方に突出した環状突出部98が設けられている。
この環状突出部98は内側に環状凹所100を形成しており、その上端の段付部102に対し、上記取付金具16における下金具38の掛止部48が上向きに掛止している。
従ってピストンロッド14の傾動によってダストカバー86の下端部がショックアブソーバ10のシリンダ12に当るのが防止される。
しかるに本実施形態では、取付金具16の取付板部22の外周近傍位置に水抜孔56が形成されており、更にはまた下側のバウンドストッパ47の上面にも、周方向溝66と径方向溝68とが形成されているため、上金具36の内部に侵入した水や泥等は水抜孔56を通じて下方に抜き出され、更にバウンドストッパ47の排水溝、即ち周方向溝66と径方向溝68とによって、更には縦溝70によって良好に外部に排出される。
図7において、104は樹脂のパリソン106を押し出す押出装置で、108は軸直角方向に開閉する半割構造のブロー成形型である。図中108Aはブロー成形型108における各分割型を表している。
110はこのブロー成形型108に形成されたブロー成形用の内周成形面で、この内周成形面110は、ダストカバー86における図1中下端部の拡開部112を成形するための拡径形状の成形面110Aを有している。
図8中部分拡大図に示しているようにこの内周成形面116は、嵌合組付部88における上記厚肉部96の外周面、詳しくはテーパ面94に対応したテーパ面117を有しており、このテーパ面117において取付金具16の周壁部42,46の外周面との間に、厚肉部96の肉厚に対応した軸直角方向の拡大隙間118を形成している。
この保持部材119からは、圧縮エアの吹出管120が図中上向きに突き出している。
尚ブロー成形型108には、図中上端部に型締め時に内部の成形キャビティの図中上端を閉鎖する閉鎖部122が備えられており、下端部には型締め時に同キャビティの図中下端の閉鎖部材を兼ねた保持部材119の外周面との間でパリソン106を押し切る押切部124が設けられている。
このとき、パリソン106は当然ながらその肉厚が全体に一様な肉厚をなしている。
このとき、パリソン106はブロー成形型108の閉鎖部122にて軸方向の一端部(図中上端部)が袋状に閉鎖され、また他端部(図中下端部)が、端部成形部114の内周成形面116により軸直角方向内方に押圧されて、内周及び外周ともに全体的に縮径変形させられ、かかる端部成形部114により、取付金具16の周壁部42,46に沿った形状の上記の嵌合組付部88が、それら周壁部42,46の外周面に密着及び一体接合状態に成形される。
続いて吹出管120からパリソン106内部に圧縮エアが吹き出されて、パリソン106がブロー成形型108の内周成形面110に押圧され、ここにダストカバー86がブロー成形されるとともに取付金具16に対し接合状態に一体組付けされる。
従ってこの従来の製造方法に従って嵌合組付部を成形した場合、その嵌合組付部は、図12に示す肉厚が薄肉で均等な嵌合組付部246となる。
或いはまたこのような水抜孔56を有しない場合においても、入り込んだ余剰の材料が中心部の挿通孔54に達してしまう恐れが生ずる。
しかるに本実施形態によれば、上記拡大隙間118の形成によって、またこれによる厚肉部96の形成によって、余剰の材料をそこに流入させて吸収することができ、上記間隙への余剰の材料の侵入を良好に防止することができる。
14 ピストンロッド
16 取付金具
18 ボデー
22 取付板部
26 下クッションゴム
28 上クッションゴム
36 上金具
38 下金具
40 下底部
42,46 周壁部
44 上底部
47 バウンドストッパ
54 挿通孔
56 水抜孔
86 ダストカバー
87 組付体
88 嵌合組付部
96 厚肉部
104 押出装置
106 パリソン
108 ブロー成形型
110,116 内周成形面
114 端部成形部
118 拡大隙間
Claims (2)
- (イ)車両のサスペンション機構におけるショックアブソーバのピストンロッドと車両のボデーとの間に介在して該ピストンロッドとボデーとの間で振動吸収するクッションゴムと、(ロ)バウンド時の該ピストンロッドの過度の収縮運動を弾性的に規制するバウンドストッパと、(ハ)下底部及び該下底部の外周端部より立ち上がった筒状の周壁部を有し、前記クッションゴムの下部を弾性的に嵌め込んで保持するカップ状の上金具と、上底部及び該上底部の外周端部より立ち下がった筒状の周壁部を有し、前記バウンドストッパの上部を嵌込状態に保持する逆カップ状の下金具とを、前記下底部と上底部とで互いに接合して成り、それら下底部と上底部とで、中心部に前記ピストンロッドの挿通孔を有する取付板部を構成する、前記ピストンロッドを前記クッションゴムを介して前記ボデーに取付固定するための取付金具と、(ニ)前記ピストンロッドを外周側から覆うブロー成形品としての筒状のダストカバーと、を有するショックアブソーバの弾性連結装置における、
前記ダストカバーの上端部を、前記取付金具における前記上金具及び下金具の各周壁部の外周面に沿った成形形状を有し、該外周面に対して全周に亘って一体に接合される嵌合組付部となした取付金具とダストカバーとの組付体の製造方法であって、
軸直角方向に開閉するブロー成形型を型開きした状態で該ブロー成形型に前記取付金具をセットするとともに、押出装置から押し出した前記ダストカバーの筒状のパリソンの端部を該取付金具に対して軸方向に外挿した状態となし、しかる後前記ブロー成形型を型締めして該型締め時に該ブロー成形型の端部成形部により、前記取付金具に外挿された前記パリソンの端部を軸直角方向内方に押圧して内周及び外周ともに全体的に縮径変形させて、全周に亘り前記取付金具の前記周壁部の外周面に密着させる状態に前記嵌合組付部を該周壁部の外周面に一体接合状態に成形し、更に前記パリソンの内部に圧縮気体を吹き込んで前記パリソンの端部を除く部分を前記ブロー成形型の内周成形面に押圧してブロー成形することにより前記ダストカバーを成形して前記組付体を製造するに際し、
前記端部成形部における内周成形面の形状を、少なくとも前記上金具の下底部と前記下金具の上底部との接合部の外周側の位置において前記周壁部の外周面との間に部分的に大きな軸直角方向の拡大隙間を形成する形状となし、該端部成形部にて前記パリソンの端部を押圧して全体的に縮径変形させる際に発生した余剰の材料を該拡大隙間に流入させ吸収することにより前記嵌合組付部のうち、少なくとも前記下底部と上底部との接合部の外周側に位置する部分を、他部に対して部分的に厚肉をなす厚肉部とすることを特徴とする取付金具とダストカバーとの組付体の製造方法。 - 請求項1において、前記取付金具は、前記取付板部の前記挿通孔の外周側の位置に、該取付板部を上下に貫通する水抜孔を有するものであることを特徴とする取付金具とダストカバーとの組付体の製造方法。
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