JP2003129220A - トリアジンチオール誘導体の薄膜形成方法 - Google Patents

トリアジンチオール誘導体の薄膜形成方法

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JP2003129220A JP2001329030A JP2001329030A JP2003129220A JP 2003129220 A JP2003129220 A JP 2003129220A JP 2001329030 A JP2001329030 A JP 2001329030A JP 2001329030 A JP2001329030 A JP 2001329030A JP 2003129220 A JP2003129220 A JP 2003129220A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜形成を容易に行ない、かつ薄膜表面の機
能性を維持しつつ薄膜の耐久性の向上を図った。 【解決手段】 固体表面に蒸着によりトリアジンチオー
ル誘導体の薄膜を形成するとき、トリアジンチオール誘
導体の1種または2種以上を固体表面に真空蒸着して積
層薄膜を形成する蒸着工程と、積層薄膜が形成された固
体に光照射してトリアジンチオール誘導体を重合する光
重合工程とを備え、蒸着工程にて固体に磁場を印加し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸着により固体表
面にトリアジンチオール誘導体の薄膜を形成するトリア
ジンチオール誘導体の薄膜形成方法に係り、詳しくは真
空蒸着によるトリアジンチオール誘導体の薄膜形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、固体表面にトリアジンチオール誘
導体の薄膜を形成する薄膜形成方法としては、例えば、
特開平5−345769号公報に記載のものがある。こ
こで示された薄膜形成方法は、浸漬法,電解重合法,ト
ライボ重合法等の湿式方法であり浸漬液や処理液を用い
て重合を行なうものである。これら従来の薄膜形成方法
によって形成された薄膜には、薄膜表面に露出する官能
基の性質により、非汚染性,非粘着性,離型性,防曇
性,潤滑性,接着性,塗装性および氷結防止性等の機能
性が付与される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の薄膜形
成方法では、湿式方法ゆえに浸漬液や処理液の配水処理
等が必要になり薄膜形成処理が煩雑であるという問題が
あった。また、従来の薄膜形成方法で得られる薄膜は表
面に機能性が付与されるが、得られる薄膜の重合率及び
三次元化率が必ずしも満足のいくものではなく薄膜自体
の耐久性が十分でないという問題があった。
【0004】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、薄膜形成を容易に行ない、かつ薄膜表面の
機能性を維持しつつ薄膜の耐久性の向上を図ったトリア
ジンチオール誘導体の薄膜形成方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の技術的手段は、固体表面に蒸着により
トリアジンチオール誘導体の薄膜を形成するトリアジン
チオール誘導体の薄膜形成方法において、一般式
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 ,R2 は、夫々H,CH3
25 ,C49 ,C613,C817,C1021
1225,C1837,C2041,C2245,C2449
CF364 ,C4954 ,C6135
4 ,C81764 ,C102164 ,C611
64 ,C917CH2 ,C1021CH2 ,C49
2 ,C613CH2 CH2 ,C817CH2 CH2
1021CH2 CH2 ,CH2 =CHCH2 ,CH2 =
CH(CH28 ,CH2 =CH(CH2 )9,C817
CH2 =C816,C611,C65 CH2 ,C6
5 CH2 CH2 ,CH2 =CH(CH24 COOCH
2 CH2 ,CH2 =CH(CH28 COOCH2 CH
2 ,CH2 =CH(CH29 COOCH2 CH2 ,C
49 CH2 =CHCH2 ,C613CH2 =CHCH
2 ,C817CH2 =CHCH2 ,C1021CH2 =C
HCH2 ,C49 CH2 CH(OH)CH2 ,C6
13CH2 CH(OH)CH2 ,C817CH2 CH(O
H)CH2 ,C1021CH2 CH(OH)CH2 ,CH
2 =CH(CH24 COO(CH2 CH22 ,CH
2 =CH(CH28 COO(CH2 CH22 ,CH
2 =CH(CH29 COO(CH2 CH22 ,C4
9 COOCH2 CH2 ,C613COOCH2 CH
2 ,C817COOCH2 CH2 ,C1021COOCH
2 CH2を示し、同じでも異なってもよい。Mは、Hま
たはアルカリ金属を示す。)で示されるトリアジンチオ
ール誘導体の1種または2種以上を固体表面に真空蒸着
して積層薄膜を形成する蒸着工程と、該積層薄膜が形成
された固体に光照射して上記トリアジンチオール誘導体
を重合する光重合工程とを備え、上記蒸着工程にて上記
固体に磁場を印加する構成とした。薄膜の形成は、浸漬
液や処理液を用いない乾式であるので、配水処理等が不
要になり薄膜の形成が容易になる。蒸着工程の際に、固
体に磁場を印加することによって固体表面ではトリアジ
ンチオール誘導体の結晶核が規則的に分子配列しながら
成長する。これは、トリアジンチオール誘導体の基本骨
格であるトリアジン環を飛び回る活性なπ電子の回転運
動が外部磁場により内部磁場を誘起するため、内部磁場
と外部磁場の反発エネルギーが小さい方向に分子回転が
起こるため規則的に分子配列する結晶核が形成されて膜
の分子密度が高くなると考察される。膜の分子密度が高
くなると、重合距離が短縮するので、重合度や三次元化
率を上げ易くなる。また、蒸着した薄膜に光を照射する
ことによって、薄膜の分子間どうしの化学反応により三
次元的な重合反応が生じる。蒸着した薄膜は磁場の印加
によって規則的に分子配列されているので、重合度や三
次元化率が上がり薄膜の耐久性が向上するものと考えら
れる。また、規則的に配列された官能基が表面に形成さ
れるので、薄膜表面の機能性も向上する。
【0008】また、必要に応じ、上記磁場の印加を、上
記固体に磁石を付帯して行なう構成とした。磁場の印加
手段として、磁石の磁場を用いれば固体に磁場を容易に
印加することができる。更に、必要に応じ、上記磁場の
印加を、超伝導磁石で形成された磁場空間内に上記固体
を配置して行なう構成とした。超伝導磁石を用いれば、
固体に容易に強磁場を印加することができる。薄膜の形
成においては、磁場が強い程薄膜の分子配列を密にする
ことができるので、薄膜の分子密度が向上させられる。
更にまた、必要に応じ、上記印加する磁場強度T(テス
ラ)を、T≧0.05とした構成とした。磁場の印加条
件を少なくとも0.05T(テスラ)以上にすれば、形
成する薄膜に規則的な分子配列を与えることが可能にな
る。また、必要に応じ、上記印加する磁場強度T(テス
ラ)を、T≧1とした構成とした。磁場の印加条件を少
なくとも1T(テスラ)以上にすれば、蒸着源から固体
までを磁場環境下に置くことができるので、蒸着中にお
いても蒸着物質に磁場が作用して形成する薄膜に規則的
な分子配列をより密に与えることが可能になり薄膜の耐
久性を高める。
【0009】更に、必要に応じ、上記固体に強磁性体を
用いた構成とした。強磁性体に磁場を印加すれば、強磁
性体は磁化されて磁場を生じ、形成する薄膜に規則的な
分子配列を与えるように作用する。更にまた、必要に応
じ、上記蒸着工程前に、上記固体表面に強磁性材料を真
空蒸着した構成とした。固体表面に強磁性材料を蒸着さ
せると、固体に強磁性体を用いた構成と同様の作用が得
られ、特に、固体が非磁性材料の場合に有効になる。ま
た、必要に応じ、上記光重合工程にて、波長200nm
〜450nmの光照射を行なった構成とした。波長20
0nm〜450nmの紫外線を薄膜に照射すれば、重合
反応を効率よく行なうことができる。更に、必要に応
じ、上記光重合工程にて、上記固体表面温度を10℃〜
50℃に保持した構成とした。10℃未満及び50℃を
越えると重合速度が遅くなり薄膜形成に時間を要してし
まい実用的ではなくなる。更にまた、必要に応じ、上記
光重合工程にて、上記固体に磁場を印加する構成とし
た。薄膜を構成する分子の規則性が磁場の印加によって
維持された状態で分子間どうしの化学反応により三次元
的な重合反応が起こり易くなり三次元化率が上がり薄膜
の耐久性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の第一の実施の形態に係るトリアジンチオール誘導体の
薄膜形成方法(以下、薄膜形成方法と記す)について説
明する。図1に示すように、薄膜形成方法は、一般式
(1)で示されるトリアジンチオール誘導体の1種また
は2種以上を固体表面に真空蒸着して積層薄膜を形成す
る蒸着工程と、積層薄膜が形成された固体に光照射して
トリアジンチオール誘導体を重合する光重合工程とがあ
り、蒸着工程にて固体に磁場を印加している。固体表面
は、鉄,鋳鉄,ステンレス,パーマロイ,銅,黄銅,リ
ン青銅,ニッケル,キュブロニッケル,錫,鉛,コバル
ト,半田,チタン,アルミニウム,クロム,金,銀,白
金,パラジウム,亜鉛等の金属表面及びこれらの酸化物
表面、リン酸塩処理金属表面、クロム酸塩処理金属表
面、シリコン表面、カーボン表面、化合物半導体表面、
酸化アルミナセラミックス表面、陶器表面、ガラス表
面、石英ガラス表面、超電導体セラミックス表面、木材
表面、紙表面、プラスチックス表面、エンジニアリング
プラスチックス表面、熱硬化性樹脂表面等あらゆる固体
の表面が薄膜形成の場の対象になる。また、固体表面に
は、強磁性材料を真空蒸着して強磁性材料の薄膜を形成
しておくことができる。蒸着条件は特に限定されず薄膜
が形成できればよい。
【0011】蒸着工程の真空蒸着には、図2に示す真空
蒸着装置Sを用いた。真空蒸着装置Sは、枠体1内に、
被覆対象とする固体(基板)2と、トリアジンチオール
誘導体(モノマー)を入れたるつぼ3(2種以上のトリ
アジンチオール誘導体を蒸着する場合には複数用いる)
と、蒸着した薄膜の厚さを計る水晶振動子式膜厚計4
と、るつぼ3を覆う開閉自在なシャッタ5(るつぼ3の
数分)と、基板2を覆う開閉自在なメインシャッタ6
と、基板2に磁場を印加する磁場形成部7と、内部を真
空状態にする真空ポンプ(図示省略)とを備えている。
磁場形成部7としては磁石を用い、非蒸着側の基板2表
面に直接付帯してある。
【0012】(蒸着工程)蒸着工程について以下説明す
る。真空蒸着装置S内を一定の真空度に調整後、るつぼ
3を図示しないヒータで加熱し蒸着源であるトリアジン
チオール誘導体を気化あるいは昇華させる。このとき、
シャッタ5及びメインシャッタ6は閉じておく。次い
で、シャッタ5を開けて蒸着源が気化あるいは昇華して
いることを水晶振動子式膜厚計4により確認した後、成
膜速度を所定の値に調整してメインシャッタ6を開いて
蒸着を開始する。目的の膜厚の膜が水晶振動子式膜厚計
4に形成されたならばシャッタ5及びメインシャッタ6
を閉じて蒸着源の加熱を止める。真空蒸着装置S内が充
分に冷えたところで大気ベントをおこない薄膜が形成さ
れた基板2を取り出す。具体的な、蒸着条件は次の通り
である。真空蒸着装置S内の真空度は、一般に1.0P
a〜1.0×10-6Paであり、好ましくは1.0×1
-1Pa〜1.0×10-4Paである。るつぼ3のヒー
タの温度は室温〜250℃、好ましくは50℃〜200
℃であるが、トリアジンチオール誘導体の分子量および
装置S内の真空度との兼ね合いで最適な温度範囲が決め
られるため一義的に定めることはできない。真空蒸着中
は、磁石が基板2に磁場を印加している。磁場の印加条
件は、0.05T(テスラ)以上であり、磁場形成部7
の種類に応じて適宜選定される。固体表面が強磁性体の
場合には基板2の近傍に印加するだけでよく、0.1T
程度の低磁場であればよい。固体表面が常磁性体の場合
には、蒸着源から基板2までを磁場環境下として薄膜成
形する場合には1T以上の磁場強度が有効である。特
に、常磁性体表面に強磁性体の薄膜を形成した場合には
0.05T以上の磁場を常磁性体表面に印加すれば足り
る。また、2種以上のトリアジンチオール誘導体を同時
にまたは別個に蒸着させる場合には、異なったトリアジ
ンチオール誘導体が入った複数のるつぼ3(対応するシ
ャッタ5)を用いて行なう。
【0013】(光重合工程)光重合工程について以下説
明する。固体表面上に形成された薄膜に光照射を行ない
光重合を行なう。光重合においても、蒸着工程と同様に
磁場の印加を行なうことができる。光重合で用いる光線
は、X線,紫外線,赤外線等を用いることができ、20
0nm〜450nmの波長を有する紫外線が好ましく、
特に280nm〜450nmの紫外線がより好ましい。
光源としては、キセノンランプや水銀灯を利用すること
ができる。また、光線の照射時間は、0.01秒〜18
0分が好ましい。0.01秒未満では重合率が不十分に
なり、180分を越えると重合速度が遅くなり薄膜形成
に時間を要してしまい実用的ではない。光重合の重合雰
囲気は、薄膜表面の官能基が酸化可能であればよく、空
気中や酸素を供給できる場であればよい。また、重合温
度条件は、10℃〜50℃が好ましい。10℃未満及び
50℃を越えると重合速度が遅くなり薄膜形成に時間を
要してしまい実用的ではない。磁場の印加条件は、蒸着
工程にて磁場を印加した場合と同様である。
【0014】このような薄膜形成方法によれば、真空蒸
着では、真空中で蒸着原料が、加熱蒸発,昇華し「飛ば
す」ことによって空間のガス分子と衝突することなく種
々の固体表面に堆積する。従って、種々の固体表面に蒸
着原料を堆積させて薄膜を形成することができる。固体
表面の状態に応じ、真空中で飛ばされた蒸着原料は、固
体表面に結晶核を発生させて広がり衝突等し薄膜として
成長する。蒸着工程の際、固体に磁場を印加することに
よって固体表面ではトリアジンチオール誘導体の結晶核
が規則的に分子配列しながら成長する。これは、トリア
ジンチオール誘導体の基本骨格であるトリアジン環を飛
び回る活性なπ電子の回転運動が外部磁場により内部磁
場を誘起するため、内部磁場と外部磁場の反発エネルギ
ーが小さい方向に分子回転が起こるため規則的に分子配
列する結晶核が形成されるためと考察される。膜の分子
密度が高くなると、重合距離が短縮するので、重合度や
三次元化率を上げ易くなる。光重合工程の際、蒸着した
薄膜に光を照射することによって、薄膜の分子間どうし
の化学反応により三次元的な重合反応が生じる。蒸着し
た薄膜は磁場の印加によって規則的に分子配列されてい
るので、重合度や三次元化率が向上する。そのため、薄
膜の耐久性(特に耐食性)が向上するものと考えられ
る。また、規則的に配列された官能基が表面に形成され
ることによって、薄膜表面の機能性も向上することにな
る。薄膜表面の機能性とは、R1 ,R2 が有する非汚染
性,非粘着性,離型性,防曇性,潤滑性,接着性,塗装
性,氷結防止性のことである。
【0015】次に、本発明の第二の実施の形態に係る薄
膜形成方法について説明する。第二の実施の形態に係る
薄膜形成方法は、第一の実施の形態に係る薄膜形成方法
とは異なり、磁場形成部7として磁石の代わりに超伝導
磁石を用い、図3に示すように、超伝導磁石で形成され
た磁場空間内に枠体1を配置した真空蒸着装置Sを用い
て固体に磁場を印加した。その他は、第一の実施の形態
と同様にして薄膜を形成した。第一の実施の形態に係る
薄膜形成方法に比べ固体に強い磁場を印加することがで
きるので、膜の分子密度がより高くなり、三次元化率が
より向上して薄膜の耐久性(特に耐食性)が向上するも
のと考察される。
【0016】次に、第一の実施の形態に係る薄膜形成方
法に係る実施例を比較例とともに説明する。また、各実
施例及び各比較例について、重合率(%),三次元化率
(%)及び耐食性等についての測定を行ない測定結果を
比較した。 (実施例1〜実施例5)実施例1〜実施例5は、図4の
表図に示す種類のトリアジンチオール誘導体(MはH)
を用いたもので、図2に示される真空蒸着装置Sを用い
て1種類のトリアジンチオール誘導体の薄膜を形成し
た。各実施例において、先ず、トリアジンチオール誘導
体をるつぼ3に入れた。基板2には、成膜させる固体と
して鉄板(0.2cm×3cm×5cm、アセトンで脱
脂処理済)を用いた。また、磁場形成部7にはネオジウ
ム合金磁石(直径3cm,厚さ1.5cm,表面磁束密
度0.45T)を用い、基板2の裏面に付帯させた。次
いで、真空ポンプを作動させ電離真空計により装置S内
の圧力が5×10-3Paに達したら蒸着源ヒータ温度を
110℃〜160℃まで上げてシャッタ5を開けて成膜
速度が0.02nm/秒であることを確認したらメイン
シャッタ6を開けて水晶振動子式膜厚計4により計測し
て膜厚50nmになったところで、メインシャッタ6及
びシャッタ5を閉じて、薄膜を形成した。そして、ヒー
タを止め原料を蒸発昇華しない温度まで大気ベントした
後、薄膜が形成された基板2を磁場形成部7とともに真
空蒸着装置Sから取出した。
【0017】形成した薄膜に、波長切替え型ハンディU
Vランプ(アズワン(株)製:SLUV−8)を用いて
波長280nm〜400nm(出力9W)の紫外線を照
射距離60mm、室温(23℃)空気中にて60分間照
射して重合処理した薄膜を得た。重合処理は、蒸着時と
同様に基板2に磁場形成部7を付帯させた状態で行なっ
た。こうして得られた薄膜の重合率(%),三次元化率
(%)及び耐食性を以下のようにして測定した(他の実
施例及び比較例においても同様に測定した)。重合率
は、20℃のアルコールに24時間浸漬して乾燥後の膜
厚をエリプソメータで測定して求めた。三次元化率は、
20℃のテトラヒドロフラン(THF)に24時間浸漬
して乾燥後の膜厚をエリプソメータで測定して求めた。
耐食性は、JIS Z 2371の塩水噴霧試験方法に
より行ない腐食が目視にて確認できるまでの時間(h
r)を調べた。得られた重合率,三次元化率及び耐食性
を図4に示す。また、実施例1〜実施例5で得られた各
薄膜の表面に付与された機能性を図4に示す。図中にお
いて、機能性をa(非汚染性),b(非粘着性),c
(離型性),d(防曇性),e(潤滑性),f(接着
性),g(塗装性),h(氷結防止性)で示す。 (実施例6〜実施例10)実施例6〜実施例10は、図
4の表図に示すように、トリアジンチオール誘導体とし
て実施例1〜実施例5と同じものを用い、蒸着工程のみ
に磁場の印加を行ない、光重合工程において磁場の印加
を行なわなかった。その他は、実施例1〜実施例5と同
様にして薄膜を得た。得られた薄膜の重合率,三次元化
率,耐食性及び機能性を図4に示す。
【0018】(比較例1〜比較例5)比較例1〜比較例
5は、図5の表図に示すように、トリアジンチオール誘
導体として実施例1〜実施例5と同じものを用い、蒸着
工程において磁場の印加を行なわなかった。その他は、
実施例1〜実施例5と同様にして薄膜を得た。得られた
薄膜の重合率,三次元化率及び耐食性を図5に示す。 (比較例6〜比較例10)比較例6〜比較例10は、図
5の表図に示すように、トリアジンチオール誘導体とし
て実施例6〜実施例10と同じものを用い、蒸着工程及
び光重合工程において磁場の印加を行なわなかった。そ
の他は、実施例1〜実施例5と同様にして薄膜を得た。
得られた薄膜の重合率,三次元化率及び耐食性を図5に
示す。
【0019】実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較
例10で得られた薄膜の重合率,三次元化率及び機能性
を比較検討する。蒸着工程及び光重合工程にて基板2を
磁場雰囲気に晒した場合(実施例1〜実施例5)には、
得られた薄膜の重合率、特に三次元化率が高い傾向にあ
ることがわかる。蒸着工程にて基板2を磁場雰囲気に晒
した場合(実施例6〜実施例10)には、得られた薄膜
の重合率及び三次元化率が高い傾向にあることがわか
る。蒸着工程にて基板2を磁場雰囲気に晒さない場合
(比較例1〜比較例5)には、光重合工程にて基板2を
磁場雰囲気に晒しても(比較例6〜比較例10)得られ
た薄膜の重合率及び三次元化率が低いことがわかる。こ
のように、蒸着工程にて基板2に磁場を印加することに
よって、薄膜の重合率,三次元化率及び耐食性が向上
し、更に光重合工程にて基板2に磁場を印加すれば薄膜
の三次元化率及び耐食性がより向上することがわかる。
【0020】(実施例11〜実施例15)実施例11〜
実施例15は、実施例1〜実施例5で用いた鉄板の代わ
りにガラス板を用いた。ここでは、蒸着工程前にガラス
板表面に強磁性体を予め真空蒸着して50nmの薄膜を
形成した。その他は、実施例1〜実施例5と同様にして
トリアジンチオール誘導体の薄膜を得た。得られた薄膜
の重合率,三次元化率及び機能性を図6に示す。 (比較例11〜比較例15)比較例11〜比較例15
は、トリアジンチオール誘導体として実施例11〜実施
例15と同じものを用い、蒸着時及び光重合時に磁場を
印加しなかった。その他は、実施例11〜実施例15と
同様にしてトリアジンチオール誘導体の薄膜を得た。得
られた薄膜の重合率及び三次元化率を図6に示す。ガラ
ス板に蒸着した強磁性体は、実施例1〜実施例10の基
板2に用いた鉄板と同じ作用を生じるので、蒸着工程に
て基板2に磁場を印加することによって、薄膜の重合率
及び三次元化率が向上させられることがわかる。
【0021】(実施例16,実施例17)実施例16,
実施例17は、図7の表図に示すように、2種類のトリ
アジンチオール誘導体を積層させた薄膜形成方法であ
る。蒸着に用いた2種類のトリアジンチオール誘導体の
組み合わせを図7に示す。組み合わせは、上記実施例で
用いたトリアジンチオール誘導体として実施例番号で表
わした。実施例16,実施例17は、図2に示される真
空蒸着装置Sを用いて2種類のトリアジンチオール誘導
体からなる積層薄膜を形成した。ここで、るつぼ3(シ
ャッタ5)は用いたトリアジンチオール誘導体の数(2
個)用いた。先ず、2種類のトリアジンチオール誘導体
を夫々別個のるつぼ3に入れた。基板2には、成膜させ
る固体として鉄板(0.2cm×3cm×5cm、アセ
トンで脱脂処理済)を用いた。また、磁場形成部7には
ネオジウム合金磁石(直径3cm,厚さ1.5cm,表
面磁束密度0.45T)を用い、基板2の裏面に付帯さ
せた。次に、真空ポンプを作動させ電離真空計により装
置S内の圧力が5×10-3Paに達したら蒸着源ヒータ
温度を110℃〜160℃まで上げて一方のシャッタ5
を開けて成膜速度が0.02nm/秒であることを確認
したらメインシャッタ6を開けて水晶振動子式膜厚計4
により計測して膜厚25nmになったところで、メイン
シャッタ6及びシャッタ5を閉じて、1層目の薄膜を形
成した。続けて、他方のシャッタ5を開けて成膜速度が
0.02nm/秒であることを確認したらメインシャッ
タ6を開けて水晶振動子式膜厚計4により計測して膜厚
25nmになったところで、メインシャッタ6及びシャ
ッタ5を閉じて、2層目の薄膜を形成した。このように
して、二層からなる積層薄膜を形成したら、ヒータを止
め原料を蒸発昇華しない温度まで大気ベントした後、積
層薄膜が形成された基板2を磁場形成部7とともに真空
蒸着装置Sから取出した。実施例1〜実施例5と同様
に、得られた薄膜(積層薄膜)に対して光重合工程を施
した。得られた薄膜の重合率(%),三次元化率(%)
及び耐食性を上記と同様に測定した。得られた薄膜の重
合率,三次元化率,耐食性及び機能性を図7に示す。 (比較例16,比較例17)比較例16,比較例17
は、トリアジンチオール誘導体として実施例16,実施
例17と同じものを用い、蒸着時及び光重合時に磁場を
印加しなかった。その他は、実施例16,実施例17と
同様にしてトリアジンチオール誘導体の薄膜を得た。得
られた薄膜の重合率,三次元化率及び耐食性を図7に示
す。このように、蒸着工程及び光重合工程にて基板2に
磁場を印加することによって、積層薄膜においても重合
率,三次元化率及び耐食性が向上させられることがわか
る。
【0022】(比較例18)比較例18は、トリアジン
チオール誘導体として実施例2と同じものを用い、蒸着
工程にて得られた薄膜を光重合することなく磁場印加し
たまま大気中140℃にて60分間加熱(熱重合)し
た。その他は、実施例2と同様にしてトリアジンチオー
ル誘導体の薄膜を得た。得られた薄膜の重合率及び三次
元化率を図8に示す。 (比較例19)比較例19は、トリアジンチオール誘導
体として実施例2と同じものを用い、熱重合時に磁場を
印加しなかった。その他は、比較例18と同様にしてト
リアジンチオール誘導体の薄膜を得た。得られた薄膜の
重合率及び三次元化率を図8に示す。 (比較例20)比較例20は、トリアジンチオール誘導
体として実施例2と同じものを用い、蒸着工程及び熱重
合時に磁場を印加しなかった。その他は、比較例18と
同様にしてトリアジンチオール誘導体の薄膜を得た。得
られた薄膜の重合率及び三次元化率を図8に示す。この
ように、光重合の代わりに熱重合した場合には、光重合
を行なった場合のような重合率及び三次元化率を得るこ
とができないことがわかる。
【0023】次に、第二の実施の形態に係る薄膜形成方
法に係る実施例を比較例とともに説明する。また、各実
施例及び各比較例について、重合率(%),三次元化率
(%)及び耐食性等についての測定を行ない測定結果を
比較した。 (実施例18)実施例18は、図9の表図に示す種類の
トリアジンチオール誘導体(MはH)を用いたもので、
図3に示される真空蒸着装置Sを用いて1種類のトリア
ジンチオール誘導体の薄膜を形成した。各実施例におい
て、先ず、トリアジンチオール誘導体をるつぼ3に入れ
た。基板2には、成膜させる固体としてステンレス板
(SUS34 0.2cm×3cm×5cm、アセトン
で脱脂処理済)を用いた。超伝導磁石が形成する磁場
(5T)に枠体1を置いた。次いで、真空ポンプを作動
させ電離真空計により装置S内の圧力が5×10-3Pa
に達したら蒸着源ヒータ温度を110℃〜160℃まで
上げてシャッタ5を開けて成膜速度が0.02nm/秒
であることを確認したらメインシャッタ6を開けて水晶
振動子式膜厚計4により計測して膜厚50nmになった
ところで、メインシャッタ6及びシャッタ5を閉じて、
薄膜を形成した。光重合を行なうため、枠体1内に真空
用のドレインから石英製窓ガラスを通して波長切替え型
ハンディUVランプ(アズワン(株)製:SLUV−
8)を用いて波長280nm〜400nm(出力9W)
の紫外線を照射距離60mm、温度(20℃)にて60
分間照射して重合処理した薄膜を得た。光重合は、蒸着
時と同様の磁場環境下にて行なった。こうして得られた
薄膜の重合率(%),三次元化率(%),耐食性及び機
能性を図9に示す。 (実施例19)実施例19は、図9の表図に示すよう
に、トリアジンチオール誘導体として実施例18と同じ
ものを用い、光重合時に磁場の印加を行なわなかった。
その他は、実施例18と同様にして薄膜を得た。こうし
て得られた薄膜の重合率(%),三次元化率(%),耐
食性及び機能性を図9に示す。 (比較例21)比較例21は、図9の表図に示すよう
に、トリアジンチオール誘導体として実施例18と同じ
ものを用い、蒸着時及び光重合時に磁場の印加を行なわ
なかった。その他は、実施例18と同様にして薄膜を得
た。こうして得られた薄膜の重合率(%),三次元化率
(%)及び耐食性を図9に示す。このように、強磁場中
にて蒸着工程及び光重合工程を行なって得られる薄膜
は、重合率,三次元化率及び耐食性が向上させられるこ
とがわかる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、一般式(1)で示
されるトリアジンチオール誘導体の1種または2種以上
を固体表面に真空蒸着して積層薄膜を形成する蒸着工程
と、積層薄膜が形成された固体に光照射してトリアジン
チオール誘導体を重合する光重合工程とを備え、蒸着工
程にて固体に磁場を印加する構成としたので、配水処理
等が不要な乾式法により容易に薄膜を形成することがで
きる。また、蒸着工程の際には、固体表面では磁場の影
響によりトリアジンチオール誘導体の結晶核が規則的に
分子配列しながら成長する。これは、トリアジンチオー
ル誘導体の基本骨格であるトリアジン環を飛び回る活性
なπ電子の回転運動が外部磁場により内部磁場を誘起す
るため、内部磁場と外部磁場の反発エネルギーが小さい
方向に分子回転が起こるため規則的に分子配列する結晶
核が形成されて膜の分子密度を高くすることができる。
そのため、トリアジンチオール誘導体は、光重合工程の
際には、規則的に分子配列されているので、光を照射さ
れることによって、分子間どうしの化学反応により三次
元的な重合反応が起こり易くなる。従って、薄膜の三次
元化率が上がるので薄膜の耐久性を向上することができ
る。また、規則的に配列された官能基が表面に形成され
るので、薄膜表面の機能性も向上する。
【0025】また、磁場の印加を、固体に磁石を付帯し
て行なう構成とした場合には、固体に磁場を容易に印加
して目的とする薄膜を形成することができる。更に、磁
場の印加を、超伝導磁石で形成された磁場空間内に固体
を配置して行なう構成とした場合には、形成する薄膜の
分子密度を向上させることができる。更にまた、印加す
る磁場強度T(テスラ)を、T≧0.05とした場合に
は、形成する薄膜に規則的な分子配列を与えることがで
きる。また、印加する磁場強度T(テスラ)を、T≧1
とした場合には、昇華または気化している蒸着物質にも
磁場を与えることができるので形成する薄膜に規則的な
分子配列をより密に与えることができる。更に、固体に
強磁性体を用いた場合には、固体表面に磁場傾斜が生じ
て膜形成を容易に行なわせることができる。更にまた、
蒸着工程前に、固体表面に強磁性材料を真空蒸着した場
合には、固体に強磁性体を用いた構成と同様の効果を得
ることができる。また、光重合工程にて、波長200n
m〜450nmの光照射を行なった場合には、重合反応
を効率よく行なうことができる。更に、光重合工程に
て、固体表面温度を10℃〜50℃に保持した場合に
は、薄膜形成の効率を向上させることができる。更にま
た、光重合工程にて、固体に磁場を印加する構成とした
場合には、三次元的な重合反応を起こり易くして薄膜の
耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るトリアジンチオール
誘導体の薄膜形成方法を示す工程図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係るトリアジンチ
オール誘導体の薄膜形成方法に用いる真空蒸着装置の一
例を示す図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態に係るトリアジンチ
オール誘導体の薄膜形成方法に用いる真空蒸着装置の一
例を示す図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係る実施例及び各
種測定結果を示す表図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態に係る比較例及び各
種測定結果を示す表図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態に係る実施例,比較
例及び各種測定結果を示す表図である。
【図7】本発明の第一の実施の形態に係る実施例,比較
例及び各種測定結果を示す表図である。
【図8】本発明の第一の実施の形態に係る比較例及び各
種測定結果を示す表図である。
【図9】本発明の第二の実施の形態に係る実施例,比較
例及び各種測定結果を示す表図である。
【符号の説明】
S 真空蒸着装置 1 枠体 2 基板 3 るつぼ 4 水晶振動子式膜厚計 5 シャッタ 6 メインシャッタ 7 磁場形成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/00 C09K 3/00 112Z C23C 14/24 C23C 14/24 N 14/58 14/58 C // C03C 17/28 C03C 17/28 A C08L 87:00 C08L 87:00 (72)発明者 馬場 守 岩手県盛岡市東緑が丘35−35 Fターム(参考) 4F071 AA58 AA61 AG14 AG15 BB11 BB12 BC01 4G059 AA08 AC21 AC22 AC24 AC30 FA01 FB01 GA01 GA04 GA14 GA15 4J031 BA11 BA15 BB03 BB04 BC07 4K029 AA02 AA04 AA09 AA11 BA62 BC00 CA01 CA11 GA00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体表面に蒸着によりトリアジンチオー
    ル誘導体の薄膜を形成するトリアジンチオール誘導体の
    薄膜形成方法において、一般式 【化1】 (式中、R1 ,R2 は、夫々H,CH3 ,C25 ,C
    49 ,C613,C817,C1021,C1225,C
    1837,C2041,C2245,C2449,CF36
    4 ,C4954 ,C61354 ,C817
    64 ,C102164 ,C61164 ,C9
    17CH2 ,C1021CH2 ,C49 CH2 ,C613
    CH2 CH2 ,C817CH2 CH2 ,C1021CH2
    CH2 ,CH2 =CHCH2 ,CH2 = CH(CH2
    8 ,CH2 =CH(CH2 )9,C817CH2 =C8
    16,C611,C65 CH2 ,C65 CH2 CH
    2 ,CH2 =CH(CH24 COOCH2 CH2 ,C
    2 =CH(CH28 COOCH2 CH2 ,CH2
    CH(CH29 COOCH2 CH2 ,C49 CH2
    =CHCH2 ,C613CH2 =CHCH2 ,C817
    CH2 =CHCH2 ,C1021CH2 =CHCH2 ,C
    49 CH2 CH(OH)CH2 ,C613CH2 CH
    (OH)CH2 ,C817CH2 CH(OH)CH2
    1021CH2 CH(OH)CH2 ,CH2 =CH(C
    24 COO(CH2 CH22 ,CH2 =CH(C
    28 COO(CH2 CH22 ,CH2 =CH(C
    29 COO(CH2 CH22 ,C49 COOC
    2 CH2 ,C613COOCH2 CH2 ,C817
    OOCH2 CH2 ,C1021COOCH2 CH2を示
    し、同じでも異なってもよい。Mは、Hまたはアルカリ
    金属を示す。)で示されるトリアジンチオール誘導体の
    1種または2種以上を固体表面に真空蒸着して積層薄膜
    を形成する蒸着工程と、該積層薄膜が形成された固体に
    光照射して上記トリアジンチオール誘導体を重合する光
    重合工程とを備え、上記蒸着工程にて上記固体に磁場を
    印加することを特徴とするトリアジンチオール誘導体の
    薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 上記磁場の印加を、上記固体に磁石を付
    帯して行なうことを特徴とする請求項1記載のトリアジ
    ンチオール誘導体の薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】 上記磁場の印加を、超伝導磁石で形成さ
    れた磁場空間内に上記固体を配置して行なうことを特徴
    とする請求項1記載のトリアジンチオール誘導体の薄膜
    形成方法。
  4. 【請求項4】 上記印加する磁場強度T(テスラ)を、
    T≧0.05としたことを特徴とする請求項1,2また
    は3記載のトリアジンチオール誘導体の薄膜形成方法。
  5. 【請求項5】 上記印加する磁場強度T(テスラ)を、
    T≧1としたことを特徴とする請求項4記載のトリアジ
    ンチオール誘導体の薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 上記固体に強磁性体を用いたことを特徴
    とする請求項1,2,3,4または5記載のトリアジン
    チオール誘導体の薄膜形成方法。
  7. 【請求項7】 上記蒸着工程前に、上記固体表面に強磁
    性材料を真空蒸着したことを特徴とする請求項1,2,
    3,4または5記載のトリアジンチオール誘導体の薄膜
    形成方法。
  8. 【請求項8】 上記光重合工程にて、波長200nm〜
    450nmの光照射を行なったことを特徴とする請求項
    1,2,3,4,5,6または7記載のトリアジンチオ
    ール誘導体の薄膜形成方法。
  9. 【請求項9】 上記光重合工程にて、上記固体表面温度
    を10℃〜50℃に保持したことを特徴とする請求項
    1,2,3,4,5,6,7または8記載のトリアジン
    チオール誘導体の薄膜形成方法。
  10. 【請求項10】 上記光重合工程にて、上記固体に磁場
    を印加することを特徴とする請求項1,2,3,4,
    5,6,7,8または9記載のトリアジンチオール誘導
    体の薄膜形成方法。
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