JP4062537B2 - トリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜生成方法 - Google Patents

トリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜生成方法 Download PDF

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本発明は真空蒸着法等の真空めっき法により、固体の表面にトリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜を生成させる方法に関する。
従来、この種のトリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜を生成させる方法としては、例えば、特許文献1(特開平11−140626号公報)に掲載された技術が知られている。
この技術は、機能性トリアジンジチオール誘導体を、真空蒸着法あるいはスパッター法により、固体表面に低分子薄膜を形成させ、酸素存在下、熱または紫外線照射下で、線状または三次元重合反応を起こさせ、高分子薄膜に変化させるものである。
この固体表面としては、鉄、鋳鉄、およびステンレス、パーマロイ、銅、黄銅、リン青銅、ニッケル、キュプロニッケル、錫、鉛、コバルト、半田、チタン、アルミニウム、クロム、金、銀、白金、パラジウム、亜鉛などの金属表面とこれらの酸化物表面、リン酸塩処理金属表面、クロム酸塩処理金属表面、シリコン表面、カーボン表面、化合物半導体表面、酸化アルミナセラミックス表面、陶器表面、ガラス表面、石英ガラス表面、超電導体セラミックス表面、木材表面、紙表面、プラスチックス表面、エンジニアリングプラスチックス表面、熱硬化性樹脂表面などである。
特開平11−140626号公報
ところで、本願発明者は、上記の固体表面において、金属酸化物においてトリアジンジチオール誘導体の重合率が高くなることを見出した。
しかしながら、固体においては、もともと固体そのものが酸化金属である場合は良いが、そうでない固体においては、固体表面が金属酸化物になっていないので、トリアジンジチオール誘導体の分子間反応による重合膜が得られても、その薄膜の重合率は必ずしも満足のいくものは得られず、薄膜自体の強度や耐久性に欠けるという問題があった。
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、トリアジンジチオール誘導体が分子間での高効率な重合反応を行なうことができるようにし、薄膜の強度を増して耐久性の向上を図ったトリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜生成方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の技術的手段は、固体表面に一般式
Figure 0004062537
〔式中、R1 は、H−, CH3 −, C25 −, C49 −, C613−, C817−, C1021−, C1225−, C1837−, C2041−, C2245−, C2449−, CH2 =CHCH2 −, CH2 =CH−(CH28 −, CH2 =CH−(CH29 −, C817CH=CHC816−, C611−, C65 −, C65 CH2 −, C65 CH2 CH2 −, CH2 =CH(CH24 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH28 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH29 COOCH2 CH2 −, CF364 −, C4964 −, C61364 −, C81764 −, C102164 −, C611OC64 −, C917OC64 −, C49 CH2 −, C613CH2 −, C817CH2 −, C1021CH2 −, C4 FCH2 CH2 −, C613CH2 CH2 −, C817CH2 CH2 −, C1021CH2 CH2 −, C49 CH=CHCH2 −, C613CH2 =CHCH2 −, C817CH=CHCH2 −, C1021CH=CHCH2 −, C49 CH2 CH(OH)CH2 −, C613CH2 CH(OH)CH2 −, C817CH2 CH(OH)CH2 −, C1021CH2 CH(OH)CH2 −を意味し、R2 はH−, CH3 −, C25 −, C49 −, C613−, C817−, C1021−, C1225−, C1837−, C2041−, C2245−, C2449−, CH2 =CHCH2 −, CH2 =CH(CH28 −, CH2 =CH(CH29 −, C817CH=CHC816−, C611−, C65 −, C65 CH2 −, C65 CH2 CH2 −, CH2 =CH(CH24 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH28 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH29 COOCH2 CH2 −, CF364 −, C4964 −, C61364 −, C81764 −, C102164 −, C611OC64 −, C917OC64 −, C49 CH2 −, C613CH2 −, C817CH2 −, C1021CH2 −, C4 FCH2 CH2 −, C613CH2 CH2 −, C817CH2 CH2 −, C1021CH2 CH2 −, C49 CH=CHCH2 −, C613CH=CHCH2 −, C817CH=CHCH2 −, C1021CH=CHCH2 −, C49 CH2 CH(OH)CH2 −, C613CH2 CH(OH)CH2 −, C817CH2 CH(OH)CH2 −, C1021CH2 CH(OH)CH2 −またR1 −N−R2 が(CH2 =CH−(CH24 COO(CH2 CH2 ))2 N−,
(CH2 =CH−(CH28 COO(CH2 CH2 ))2 N−,
((CH2 =CH−(CH29 COO(CH2 CH2 ))2−, (C49 COO(CH2 CH2 ))2 N−,
(C613COO(CH2 CH2 ))2 N−,(C817COO(CH2 CH2 ))2 N−,
(C1021COO(CH2 CH2 ))2 N−である。また、Mは、HとLi,Na,K,Ceから選ばれるアルカリである。
で示されるトリアジンジチオール誘導体の1種または2種以上の原料を、固体の表面に真空蒸着法によって混合あるいは積層する高分子薄膜生成方法において、
上記蒸着の前に、上記固体の表面にn型半導体性を示す金属酸化物を形成する酸化処理工程を設けた構成とした。
ここで、n型半導体性とは、電子が過剰に存在する固体状態であって、トリアジンジチオール誘導体に電子を供与する固体表面の性質を示す。
酸化処理工程としては、以下の態様のものがある。固体そのものが酸化によりn型半導体性を示す金属である場合は、空気などの酸化させることができる気体により酸化処理を行ない、あるいは酸化させることができる液体により酸化処理を行なう等する。
また、固体そのものが酸化によりn型半導体性を示さない金属であったり、金属以外の物質で構成されているものにあっては、固体表面に直接n型半導体性を示す酸化金属を付着させ、あるいは酸化によりn型半導体性を示す金属を付着させ、その後、空気などの酸化させることができる気体により酸化処理を行ない、あるいは酸化させることができる液体により酸化処理を行なう等する。
このような酸化処理工程により処理された固体に、トリアジンジチオール誘導体の1種または2種以上の原料を真空蒸着法によって蒸着させると、図1及び図2に示すように、真空中でトリアジンジチオール誘導体の分子を加熱蒸発、昇華し「飛ばす」ことによって、空間のガス分子と衝突することなく固体の表面に分子が堆積する。真空中で蒸発源から飛行し堆積する分子は、固体表面での結晶核の発生、固体表面での拡散などにより衝突、反応し薄膜は成長する。固体表面に均一に分散した結晶核の形成が、その後の膜成長状態に影響し、規則的に分子配列しながら膜成長する。
詳しくは、図1に示すように、n型半導体表面に到達したトリアジンジチオール誘導体は、固体との衝突の際、固体から電子を授受する。電子が過剰となったトリアジンジチオール誘導体は、トリアジン環に存在する水素を固体に供与し、すぐにチオール基はチイルラジカルとなる。トリアジンジチオールの重合反応は2つのチオール基間のラジカル反応であることから、チイルラジカルの形成は、固体表面での蒸着重合反応を促進すると考えられる。
固体表面に形成したトリアジンジチオール誘導体の蒸着重合膜は、さらに結晶成長を促進し、規則的に分子配列しながら膜成長する。成長した膜の重合処理は、分子間同士の化学反応により3次元的な重合反応が起こり易くなり、被膜強度が向上すると考えられる。また規則配列した官能基が表面に形成することによって、機能付与が可能になる。
た、上記n型半導体性を示す金属酸化物として、酸化アルミニウム(Al23 )、酸化クロム(Cr23 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化ニオブ(NbO2 )、酸化チタン(TiO2 )、酸化バナジウム(VO2 )の何れか一種で形成した構成とした。固体の表面に酸化物として容易に形成しやすく、酸化処理工程を簡易なものにすることができる。
そしてまた、必要に応じ、上記酸化処理工程において、先に、固体の表面に、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、バナジウム(V)の何れか一種の薄膜を形成し、その後、該薄膜に対して酸化処理を行なう構成とした。これによれば、固体が金属以外のものでも固体の表面に酸化物として容易に形成しやすく、酸化処理工程を簡易なものにすることができる。
更に、必要に応じ、上記酸化処理工程において、先に、上記固体の表面にニッケル(Ni)膜を形成し、次に、その上に、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、バナジウム(V)の何れか一種の薄膜を形成し、その後、該薄膜に対して酸化処理を行なう構成としている。
これによれば、先に、固体の表面にニッケル(Ni)膜を形成するので、ニッケル(Ni)として機能し、そのため、上記の酸化処理させられる金属を、確実に固体表面に被覆することができる。
ニッケルに酸化処理させられる金属が付着し易くなるのは、以下の理由による。
ニッケルはその酸化膜が非常に薄く、被膜する金属と容易に金属間接合するので、多くの固体表面に強固な金属積層被膜形成ができる。ニッケル以外での金属界面においては、厚い酸化膜によって材料間接合が得られないことから、強固な積層被膜が形成し難い。また、ニッケルは、多くの固体表面に容易に被膜形成できることから、被膜形成の下地処理として有用である。
本発明のトリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜生成方法によれば、トリアジンジチオール誘導体の1種または2種以上のそれぞれからなる各層の薄膜を、固体の表面に真空蒸着法によって混合あるいは積層する際、蒸着の前に、固体の表面にn型半導体性を示す金属酸化物を形成する酸化処理工程を設けたので、固体からの電子の授受により、チオール基がチイルラジカルとなり、そのため、トリアジンジチオールの固体表面での蒸着重合反応が促進され、分子間での高効率な重合反応を行なうことができるようになる。その結果、薄膜の強度を増して耐久性の向上を図ることができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るトリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜生成方法について詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係るトリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜生成方法は、固体表面に一般式
Figure 0004062537
〔式中、R1 は、H−, CH3 −, C25 −, C49 −, C613−, C817−, C1021−, C1225−, C1837−, C2041−, C2245−, C2449−, CH2 =CHCH2 −, CH2 =CH−(CH28 −, CH2 =CH−(CH29 −, C817CH=CHC816−, C611−, C65 −, C65 CH2 −, C65 CH2 CH2 −, CH2 =CH(CH24 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH28 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH29 COOCH2 CH2 −, CF364 −, C4964 −, C61364 −, C81764 −, C102164 −, C611OC64 −, C917OC64 −, C49 CH2 −, C613CH2 −, C817CH2 −, C1021CH2 −, C4 FCH2 CH2 −, C613CH2 CH2 −, C817CH2 CH2 −, C1021CH2 CH2 −, C49 CH=CHCH2 −, C613CH2 =CHCH2 −, C817CH=CHCH2 −, C1021CH=CHCH2 −, C49 CH2 CH(OH)CH2 −, C613CH2 CH(OH)CH2 −, C817CH2 CH(OH)CH2 −, C1021CH2 CH(OH)CH2 −を意味し、R2 はH−, CH3 −, C25 −, C49 −, C613−, C817−, C1021−, C1225−, C1837−, C2041−, C2245−, C2449−, CH2 =CHCH2 −, CH2 =CH(CH28 −, CH2 =CH(CH29 −, C817CH=CHC816−, C611−, C65 −, C65 CH2 −, C65 CH2 CH2 −, CH2 =CH(CH24 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH28 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH29 COOCH2 CH2 −, CF364 −, C4964 −, C61364 −, C81764 −, C102164 −, C611OC64 −, C917OC64 −, C49 CH2 −, C613CH2 −, C817CH2 −, C1021CH2 −, C4 FCH2 CH2 −, C613CH2 CH2 −, C817CH2 CH2 −, C1021CH2 CH2 −, C49 CH=CHCH2 −, C613CH=CHCH2 −, C817CH=CHCH2 −, C1021CH=CHCH2 −, C49 CH2 CH(OH)CH2 −, C613CH2 CH(OH)CH2 −, C817CH2 CH(OH)CH2 −, C1021CH2 CH(OH)CH2 −またR1 −N−R2 が(CH2 =CH−(CH24 COO(CH2 CH2 ))2 N−,
(CH2 =CH−(CH28 COO(CH2 CH2 ))2 N−,
((CH2 =CH−(CH29 COO(CH2 CH2 ))2−, (C49 COO(CH2 CH2 ))2 N−,
(C613COO(CH2 CH2 ))2 N−,(C817COO(CH2 CH2 ))2 N−,
(C1021COO(CH2 CH2 ))2 N−である。また、Mは、HとLi,Na,K,Ceから選ばれるアルカリである。
で示されるトリアジンジチオール誘導体の1種または2種以上の原料を、固体の表面に真空蒸着法によって混合あるいは積層する高分子薄膜生成方法において、
上記蒸着の前に、上記固体の表面にn型半導体性を示す金属酸化物を形成する酸化処理工程を設けた構成としている。
機能性トリアジンジチオール誘導体は、目的に応じて合成することができる。真空蒸着法により、これらの有機化合物はn型半導体性を示す表面に被膜形成する。真空めっき法によって生成したトリアジンジチオール誘導体被膜は、モノマーあるいは低分子状態である。この被膜を重合することによって耐久性のある実用的な高分子膜となり得る。
ここで用いるn型半導体表面とは、トリアジンジチオール誘導体に電子を供給する作用を示すものである。たとえば、金属酸化物は還元性雰囲気では、酸素を失って、陽イオンと電子を生ずる。この電子がn型半導体として作用する。または、蒸着金属膜では、真空中の微量の酸素により酸化し、そのまま真空中に放置したTiやCrでは金属過剰な酸化物としてn型半導体性を示す。あるいは、Alや、Mg、Zn、Cd、Nb、Vなどの蒸着膜を大気放置した酸化膜はn型半導体性を示す。
酸化処理工程としては、以下の態様のものがある。固体そのものが酸化によりn型半導体性を示す金属である場合は、空気などの酸化させることができる気体により酸化処理を行ない、あるいは酸化させることができる液体により酸化処理を行なう等する。
また、固体そのものが酸化によりn型半導体性を示さない金属であったり、金属以外の物質で構成されているものにあっては、固体表面に直接n型半導体性を示す酸化金属を付着させ、あるいは酸化によりn型半導体性を示す金属を付着させ、その後、空気などの酸化させることができる気体により酸化処理を行ない、あるいは酸化させることができる液体により酸化処理を行なう等する。
固体とは、鉄、鋳鉄、およびステンレス、パーマロイ、銅、黄銅、リン青銅、ニッケル、キュブロニッケル、錫、鉛、コバルト、半田、チタン、アルミニウム、クロム、金、銀、白金、パラジウム、亜鉛などの金属をはじめ、これらの酸化物、リン酸塩処理金属、クロム酸塩処理金属、シリコン、カーボン、化合物半導体、酸化アルミナセラミックス、陶器、ガラス、石英ガラス、超電導体セラミックス、木材、紙、プラスチックス、エンジニアリングプラスチックス、熱硬化性樹脂などどのようなものでもよい。
これらの表面にn型半導体性を示す金属酸化物(例えば、酸化クロム(Cr23 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化チタン(TiO2 )、酸化バナジウム(VO2 )、リン(P)あるいはアンチモン(Sb)等をドープしたシリコンなど)をスパッター法や、真空蒸着法で薄膜形成する。あるいは、例えば、マグネシウム(Mg)、あるいはアルミニウム(Al)などの金属薄膜を作製し、これを大気放置することによって、n型半導体性を示す金属酸化物を形成できる。あるいは、亜鉛板、亜鉛めっき、クロム板、クロムめっき表面などに酸化膜を形成することも可能である。
また、還元処理によっても、n型半導体の特性を示す固体表面が得られる。還元処理として、亜鉛板、亜鉛めっき、クロム板、クロムめっき、チタン板などを還元雰囲気で表面処理する場合では、化学的には、例えばヒドラジン化合物、水素化ホウ素ナトリウム、あるいは次亜りん酸ナトリウムなどの還元剤にて浸漬処理する方法がある。還元剤の水溶液に固体を入れる。水溶液濃度は薄いと還元能力が発揮されず、濃いと固体表面を改質するため、好ましくは0.1〜20wt%の濃度で使う。処理温度は80℃以下である。低すぎると固体表面の還元反応が進まないため、室温以上がよい。浸漬時間は濃度や温度により左右され、その範囲は固定されない。固体表面の外観が変化しないよう確認しながら行なう。処理後は、処理液の残渣を除く目的で、アルコールを用いすすぎ洗浄し、乾燥する。アルコール洗浄は乾きムラを抑えるのに有効である。また、物理的方法として、例えば真空装置に酸素ガスを導入し、高周波プラズマ状態にすると、酸素はイオン化される。固体表面を陽極に電位を印加すると酸素イオンが注入され、電子が過剰なn型半導体の特性を示す固体表面が得られる。
次に、真空蒸着装置について説明する。真空蒸着装置は、例えば、図3に示されるように、モノマー4であるトリアジンジチオール誘導体の入ったるつぼ1と、トリアジンジチオール誘導体を蒸発させるヒーター2と、蒸着する固体7および蒸着した被膜の厚さを計る水晶振動子式膜厚計3とを備えてなり、これらが収納された室5に真空ポンプ(図示省略)が連結されている。6は蒸発源と固体7との間にあるメインシャッターである。
したがって、この真空蒸着装置によりトリアジンジチオール誘導体を加熱蒸発させ、これをある固体表面に付着させるときは以下のようになる。固体7の表面の温度は50℃以下である。50℃以上では、光照射による重合が起こり難く、また、あまり冷却しすぎても、付着面を取出すときに結露等の不具合があり、実用的ではない。好ましくは0℃〜50℃である。また、真空度は一般に1.0〜1.0×10-6〔Pa〕、望ましくは、1.0×10-1〜1.0×10-4〔Pa〕である。ヒーター2の温度は室温から250℃、望ましくは、50〜200℃であるが、トリアジンジチオールの分子量および真空度とヒーター温度との兼ね合いで最適な蒸着条件が決まり、一義的に定めることはできない。
そして、電離真空計を用いて装置内を一定の真空度に調整後、蒸発源のるつぼ1あるいはヒーター2をそれぞれ加熱して1種あるいは2種のトリアジンジチオール誘導体を気化、あるいは昇華させる。このとき、蒸発源と固体7との間にあるメインシャッター6は閉じておく。トリアジンジチオール誘導体が気化、あるいは昇華していることを水晶振動子式膜厚計3により確認したならば、蒸発速度を予定の値に調整し、整ったところでシャッター6を開き、蒸着を開始する。
目的の膜厚になったならば、メインシャッター6を閉じて、蒸発源の加熱をやめる。そして、るつぼ1およびヒーター2が充分に冷えたところで、大気ベントを行ない、固体7を取出す。
この真空蒸着装置による蒸着においては、図1及び図2に示すように、真空中でトリアジンジチオール誘導体の分子を加熱蒸発、昇華し「飛ばす」ことによって、空間のガス分子と衝突することなく固体表面に堆積させる。これは、多くの固体表面に分子を堆積させて薄膜を作製することができる手法である。真空中で蒸発源から飛行し堆積する分子は、固体表面での結晶核の発生、固体表面での拡散などにより衝突、反応し薄膜は成長する。固体表面に均一に分散した結晶核の形成が、その後の膜成長状態に影響し、規則的に分子配列しながら膜成長する。n型半導体表面に到達したトリアジンジチオール誘導体は、固体との衝突の際、固体から電子を授受する。電子が過剰となったトリアジンジチオールは、トリアジン環に存在する水素を固体に供与し、すぐにチオール基はチイルラジカルとなる。トリアジンジチオールの重合反応は2つのチオール基間のラジカル反応であることから、チイルラジカルの形成は、固体表面での蒸着重合反応を促進すると考えられる。
固体表面に形成したトリアジンジチオール誘導体の蒸着重合膜は、さらに結晶成長を促進し、規則的に分子配列しながら膜成長する。成長した膜の重合処理は、分子間同士の化学反応により3次元的な重合反応が起こり易くなり、被膜強度が向上すると考えられる。また規則配列した官能基が表面に形成することによって、機能付与が可能になる。
本実施の形態においては、その後、光重合による後処理を行なっている。これは、得られた被膜に、市販の波長切り替え型ハンディUVランプ(アズワン(株)製:SLUV−8)を用い(波長:245nm〜400nm:出力約9W)、照射距離を60mmとし、室温(約23℃)にて紫外線を照射し重合被膜を得た。
光重合に用いる照射条件は、照射雰囲気が大きく左右する。波長は大気中で光照射する場合は、280〜400nmが好ましく、真空中では245nm〜400nmの波長が好ましい。
大気中での照射の場合、280nmに満たない波長は、酸素や水分がラジカルを生成し、酸化劣化を引き起こしやすいことに起因する。また、単波長は微量の酸素等によって散乱、吸収されることから、照射距離は20cm以下が好ましく、反応速度も速いことから短時間の照射が好ましく、適宜、選定される。
以下、本発明の実施例を、比較例とともに示す。尚、実施例においては、n型半導体性を示す金属酸化物として、本発明には含まれないが酸化鉄(Fe 2 3 )のものも参考に挙げる。
〔実施例1〜10、付着面近傍への被膜生成と光重合〕
図3に示される真空蒸着装置を用い、図4に示すように、6−アリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2、4−ジチオール(図では「MA」と表記)(図4、No.1)、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図では「DA」と表記)(図4、No.2)、及びアリルデシルパーフルオロエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図では「ADF」と表記)(図4、No.3)をるつぼ1に入れ、固体として鉄板(0.2×3×5cm、アセトンで脱脂)を取付ける。
この鉄板は脱脂洗浄後大気に3日間放置して酸化処理させた固体である。真空ポンプを作動させ、電離真空計により真空度が5×10-3Paに達したら、第1蒸発源ヒーター2の温度を110℃〜160℃まであげて、成膜速度が約0.02nm/secであることを確認する。所定の成膜速度になったらメインシャッター6を開け、水晶振動子式膜厚計3にて計測して厚さ3nmと50nmの被膜を得た。所定の膜厚になったら、メインシャッター6を閉じる。ヒーター2を切り、充分に冷えたところで、大気ベントを行ない、固体7を取出す。
得られた厚さ3nm被膜の蒸着重合率を測定した。トリアジンジチオール化合物のモノマーはアルコールに可溶なことから、固体近傍での蒸着重合率はアルコールに20℃で24時間浸漬、乾燥後、膜厚をエリプソメータにより測定して残存率から算出した。
得られた50nmの被膜に、市販の波長切り替え型ハンディUVランプ(アズワン(株)製:SLUV−8)を用い(波長:280nm〜400nm:出力約9W)、照射距離を60mmとし、室温(約23℃)にて60分間照射し重合被膜を得た。被膜の重合率(アルコール不溶率)と、三次元化率(テトラヒドロフラン(THF)に対する不溶率)を測定した。重合率はアルコールに20℃で24時間浸漬、乾燥後、また三次元化率はTHFに20℃で24時間浸漬、乾燥後、膜厚をエリプソメータにより測定して求めた。
また、実施例においては、固体である脱脂洗浄の鉄板を1Nの次亜りん酸ナトリウム水溶液に30分浸漬処理して酸化処理を行ない、その後メタノールにてすすぎ洗浄した固体を用いた。図4に示すように、6−アリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.4)、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.5)、及びアリルデシルパーフルオロエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.6)の薄膜を作製し、蒸着重合率、光重合率および三次元化率を求めた。
更に、実施例として、図4に示すように、鉄製の固体に20nmのニッケル(Ni)を蒸着し、Fe23 原料を100nm蒸着したものを用いた。得られたFe23 の固体表面に6−アリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.7)、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.8)、及びアリルデシルパーフルオロエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.9)の薄膜を作製し、蒸着重合率、光重合率および三次元化率を求めた。
更にまた、図4に示すように、実施例として、鉄製の固体に20nmのニッケル(Ni)を蒸着し、その後直ちにAlを100nm蒸着し、得られたAl表面を23℃で65%湿度の大気雰囲気に3日間放置して酸化処理を行なった固体も用いた。この固体に6−アリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.10)、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.11)、及びアリルデシルパーフルオロエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.12)の薄膜を作製し、蒸着重合率、光重合率および三次元化率を求めた。
また、実施例として、図4に示すように、Alの固体を1Nのヒドラジン水溶液に5分浸漬処理して酸化処理し、その後メタノールにてすすぎ洗浄した固体を用いた。図4に示すように、この固体に、6−アリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.13)、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.14)、及びアリルデシルパーフルオロエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図4、No.15)の薄膜を作製し、蒸着重合率、光重合率および三次元化率を求めた。
次に、比較例を示す。図5には、比較例16〜21を示す。実施例1〜3および13〜15と同様の材質の固体を用い、真空蒸着法による被膜生成時に、脱脂洗浄のみした酸化処理を施さない固体を準備した。
詳しくは、比較例として、鉄製の固体に電解鉄を100nm蒸着したものを用いた。この固体に、その後、真空中でそのまま6−アリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図5、No.22)、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図5、No.23)、及びアリルデシルパーフルオロエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図5、No.24)の薄膜を作製し、蒸着重合率、光重合率および三次元化率を求めた。
比較例25〜27は、鉄製の固体に20nmのニッケル(Ni)を蒸着し、その後直ちにFe34 原料を蒸着したものを用いた。得られたFe34 固体表面に6−アリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図5、No.25)、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図5、No.26)、及びアリルデシルパーフルオロエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図5、No.27)の薄膜を作製し、蒸着重合率、光重合率および三次元化率を求めた。
また、比較例として、鉄製の固体に20nmのニッケル(Ni)を蒸着し、その後直ちにAlを100nm蒸着したものを用いた。この固体に、その後、真空中でそのまま6−アリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図5、No.28)、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図5、No.29)、及びアリルデシルパーフルオロエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(図5、No.30)の薄膜を作製し、蒸着重合率、光重合率および三次元化率を求めた。
図4及び図5には、上記の実施例と比較例において、蒸着重合率、光重合率および三次元化率の結果が示され、この結果によれば、図4に示すように、実施例に係る固体表面に形成した被膜の蒸着重合率、光重合率、特に3次元化率が高い傾向にある。一方、図5に示すように、比較例に係る固体表面に形成した被膜の蒸着重合率、光重合率、特に3次元化率が低いことが分かる。
次に、図6に示すように、別の実施例31〜37について示す。この実施例においては、真空めっき法による被膜生成時の付着面として、ガラス固体を用いた。このガラス固体に真空蒸着法により20nmのニッケル(Ni)を蒸着し、その後直ちに鉄(Fe:実施例31)、アルミニウム(Al:実施例32)、マグネシウム(Mg:実施例33)、亜鉛(Zn:実施例34)、バナジウム(V:実施例35)の各材料を用いて100nmの薄膜作製した付着面を用いた。それぞれ大気に3日間放置した固体表面に6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールを用いて50nmの被膜を得た。また、ガラス固体に、真空蒸着法によりクロム(Cr:実施例36)、チタン(Ti:実施例37)の各材料を用いて100nmの薄膜作製した付着面を用い、真空中でそのまま6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールを用いて50nmの被膜を得た。その後、市販の波長切り替え型ハンディUVランプ(アズワン(株)製:SLUV−8)を用い(波長:280nm〜400nm:出力約9W)、照射距離を60mmとし、室温(約23℃)にて150分間照射し重合被膜を得た。蒸着膜の耐久性評価は、スガ式磨耗試験機(スガ試験機(株)NUS−ISO−1)を用いて行なった。摩擦試験接触部に綿製の布(ベンコット:旭化成工業(株)規格 M−3)を貼り付け、試験荷重200gにて20回ごと摩擦試験後の、被膜厚変化をエリプソメータにて計測した。
図7には、被膜耐久性についての比較例を示す。比較例38〜44においては、ガラス固体に上記と同様の20nmのニッケルを蒸着した後、各材料を100nmの薄膜を付着させた酸化処理を行なわない固体を用いた。そしてこの固体に、真空中でそのまま6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールを用いて50nmの被膜を得た。また、ガラス固体に、クロム(Cr:実施例43)、チタン(Ti:実施例44)を用いて100nmの薄膜とし、大気中に3日間放置した基板を用いた。その他の条件は上記と同様にして高分子薄膜を作製した。
図6及び図7には、上記の実施例と比較例において、20回ごと摩擦試験後の、被膜厚変化の結果が示されている。この結果は、図8にも示した。この結果によれば、図6に示すように、実施例に係る固体表面に形成した膜厚は厚く、強度も高い傾向にあるといえる。一方、図7に示すように、比較例に係る固体表面に形成した膜厚は薄く、強度は低い傾向にあることが分かる。
次にまた、図9に示すように、別の実施例45を示す。実施例45はガラス固体にニッケルを蒸着しその後直ちに電解鉄(Fe)を蒸着し、3日間大気放置した固体を用いた。6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(DA)膜を25nm、次に6−アリルデシルパーフルオロエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(ADF)膜25nmを蒸着して二層膜(DA/ADF膜)を形成した。実施例1と同様に、これを空気中にて150分間、紫外線を照射し重合被膜を得た。光重合率(アルコール不溶率)と三次元化率(THF不溶率)を求めた。
図9に示す比較例46はガラス固体にニッケルと電解鉄(Fe)を積層蒸着し、真空中でそのまま、DAとADF膜を形成した以外、全て45と同じ重合膜である。
図9には、上記の実施例と比較例において、光重合率と三次元化率が示されている。重合率はDA又はDBの混合物がどの程度重合したかを示す。三次元化率はDAとADFが共重合しているかどうかの目安となる。大気放置して酸化処理をした実施例に係る固体の方が、光重合率、三次元化率が高くなり、共重合していることが分かる。
本発明によれば、得られる被膜は、種々の製品、例えば、コネクター材料、金属ギア、装飾用金属製晶、金属鏡、金属金型、ハードディスク、時計の針、金属食器などに応用可能である。
そして、この被膜はトリアジンジチオールの種類を選択することにより、低自由エネルギーから高自由エネルギー表面に変化させることができ、プラスチックスや窓ガラス等セラミックスの表面改質にも有効である。
本発明のトリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜生成方法におけるトリアジンジチオール誘導体の蒸着原理を示す図である。 本発明のトリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜生成方法におけるトリアジンジチオールの重合反応時の分子変化を示す図である。 本発明の実施の形態に係るトリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜生成方法に用いられる真空蒸着装置の一例を示す図である。 本発明の実施例に係り、酸化処理を行なった固体にトリアジンジチオール誘導体の薄膜を作製した際の、蒸着重合率、光重合率および三次元化率を求めた表図である。 本発明の比較例に係り、酸化処理を施さない固体にトリアジンジチオール誘導体の薄膜を作製した際の、蒸着重合率、光重合率および三次元化率を求めた表図である。 本発明の別の実施例に係り、酸化処理を施しトリアジンジチオール誘導体の薄膜を作製した固体の摩擦試験後における被膜厚変化を示す表図である。 本発明の別の実施例に係り、酸化処理を施さないでトリアジンジチオール誘導体の薄膜を作製した固体の摩擦試験後における被膜厚変化を示す表図である。 本発明の別の実施例に係り、図6及び図7に示す固体の摩擦試験後における被膜厚変化を示すグラフ図である。 本発明の別の実施例に係り、酸化処理を施しトリアジンジチオール誘導体の薄膜を作製した固体と、比較例に係り酸化処理を施さないで真空中でトリアジンジチオール誘導体の薄膜を形成した固体の光重合率と三次元化率を示す表図である。
符号の説明
1 るつぼ
2 ヒーター
3 水晶振動子式膜厚計
4 モノマー
5 室
6 シャッター
7 固体

Claims (2)

  1. 固体表面に一般式
    Figure 0004062537
    〔式中、R1 は、H−, CH3 −, C25 −, C49 −, C613−, C817−, C1021−, C1225−, C1837−, C2041−, C2245−, C2449−, CH2 =CHCH2 −, CH2 =CH−(CH28 −, CH2 =CH−(CH29 −, C817CH=CHC816−, C611−, C65 −, C65 CH2 −, C65 CH2 CH2 −, CH2 =CH(CH24 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH28 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH29 COOCH2 CH2 −, CF364 −, C4964 −, C61364 −, C81764 −, C102164 −, C611OC64 −, C917OC64 −, C49 CH2 −, C613CH2 −, C817CH2 −, C1021CH2 −, C4 FCH2 CH2 −, C613CH2 CH2 −, C817CH2 CH2 −, C1021CH2 CH2 −, C49 CH=CHCH2 −, C613CH2 =CHCH2 −, C817CH=CHCH2 −, C1021CH=CHCH2 −, C49 CH2 CH(OH)CH2 −, C613CH2 CH(OH)CH2 −, C817CH2 CH(OH)CH2 −, C1021CH2 CH(OH)CH2 −を意味し、R2 はH−, CH3 −, C25 −, C49 −, C613−, C817−, C1021−, C1225−, C1837−, C2041−, C2245−, C2449−, CH2 =CHCH2 −, CH2 =CH(CH28 −, CH2 =CH(CH29 −, C817CH=CHC816−, C611−, C65 −, C65 CH2 −, C65 CH2 CH2 −, CH2 =CH(CH24 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH28 COOCH2 CH2 −, CH2 =CH(CH29 COOCH2 CH2 −, CF364 −, C4964 −, C61364 −, C81764 −, C102164 −, C611OC64 −, C917OC64 −, C49 CH2 −, C613CH2 −, C817CH2 −, C1021CH2 −, C4 FCH2 CH2 −, C613CH2 CH2 −, C817CH2 CH2 −, C1021CH2 CH2 −, C49 CH=CHCH2 −, C613CH=CHCH2 −, C817CH=CHCH2 −, C1021CH=CHCH2 −, C49 CH2 CH(OH)CH2 −, C613CH2 CH(OH)CH2 −, C817CH2 CH(OH)CH2 −, C1021CH2 CH(OH)CH2 −またR1 −N−R2 が(CH2 =CH−(CH24 COO(CH2 CH2 ))2 N−,
    (CH2 =CH−(CH28 COO(CH2 CH2 ))2 N−,
    ((CH2 =CH−(CH29 COO(CH2 CH2 ))2−, (C49 COO(CH2 CH2 ))2 N−,
    (C613COO(CH2 CH2 ))2 N−,(C817COO(CH2 CH2 ))2 N−,
    (C1021COO(CH2 CH2 ))2 N−である。また、Mは、HとLi,Na,K,Ceから選ばれるアルカリである。〕
    で示されるトリアジンジチオール誘導体の1種または2種以上の原料を、固体の表面に真空蒸着法によって混合あるいは積層する高分子薄膜生成方法において、
    上記蒸着の前に、上記固体の表面にn型半導体性を示す金属酸化物を形成する酸化処理工程を設け、
    上記n型半導体性を示す金属酸化物として、酸化アルミニウム(Al23 )、酸化クロム(Cr23 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化ニオブ(NbO2 )、酸化チタン(TiO2 )、酸化バナジウム(VO2 )の何れか一種で形成し、
    上記酸化処理工程において、先に、固体の表面に、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、バナジウム(V)の何れか一種の薄膜を形成し、その後、該薄膜に対して酸化処理を行なうことを特徴とするトリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜生成方法。
  2. 上記酸化処理工程において、先に、上記固体の表面にニッケル(Ni)膜を形成し、次に、その上に、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、バナジウム(V)の何れか一種の薄膜を形成し、その後、該薄膜に対して酸化処理を行なうことを特徴とする請求項1記載のトリアジンジチオール誘導体の高分子薄膜生成方法。
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