JP2003128466A - 硼化物焼結体とその製造方法 - Google Patents

硼化物焼結体とその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼の切削などに必要な耐欠損性を具える硼化
物焼結体を提供する。 【解決手段】 Alと周期律表IaおよびIIa族から選ばれ
る一つの元素Mと硼素とからなる硼化物を含む硼化物焼
結体である。この硼化物焼結体は、組成がAlX≦1My ≦1B
Z≧12で表される硼化物と不可避的不純物からなる。そ
して、この焼結体に占める硼化物の含有量が98体積%以
上である。この焼結体は、実質的に硼化物だけからなる
焼結体として構成されるため、切削工具として用いた場
合に優れた耐摩耗性と耐欠損性とを具える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗材料や切削
工具に好適な硼化物焼結体とその製造方法に関するもの
である。特に、鋼や鋳鉄の加工耐摩工具や切削工具に最
適な高硬度の硼化物焼結体とその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】切削用のAl2O3やSi3N4セラミック工具は
耐摩耗性に優れるが靭性に乏しく、断続切削では十分な
工具寿命を得られない。一方、cBN焼結体はより長寿命
を示すが、超高圧下で合成されるcBN粉末原料が高価で
ある。さらにcBN焼結体はcBNの安定領域である4GPa以上
の超高圧で焼結するため、工具単価が高く、長寿命であ
っても、コストメリットを得られない場合がある。
【0003】これに対し、AlMgB14やAlLiB14の単結晶は
Hv3000程度の高硬度を示し、頑強な結晶構造は耐欠損性
と耐摩耗性を兼備した工具素材として期待できる。
【0004】AlMgB14に関する従来技術として、W.Higas
hi and T.Ito J.Less Comm.Met.92(1983)239に記
載の技術が知られている。この論文は、多量のアルミニ
ウム融液中にマグネシウムと硼素を溶解し、結晶を析出
させる方法を開示している。
【0005】また、別の従来技術としてUSP6099605に記
載の技術が知られている。この公報は、Al、Mg、B元素
の粉末をメカニカルアロイング法を用いて微細化した後
にホットプレス装置で焼結することにより、高硬度の焼
結体が得られることを示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記論文の方法では数
十μm以上のAlMgB14粒子が生成できる。より具体的に
は、粒径が最小でも50μmであり、最大で2mmに達する。
しかし、このような粗粒では緻密な焼結体を得ることが
できないという問題があった。また、このような粗粒を
粉砕した場合、微細化に長時間を要し、粉砕容器や粉砕
媒体(ボールなど)から不純物が3重量%以上と多量に
混入し、耐摩耗性や耐欠損性を評価し得る焼結体は得ら
れていない。
【0007】一方、USP6099605に記載の技術では、鋼製
の粉砕ボールと原料粉末を入れた高エネルギータイプの
粉砕装置でメカニカルアロイング過程を行うため、粉砕
ボールや容器材質の不純物混入が避けられない。そのた
め、鉄と原料硼素が反応してFeB49が生成し混入してい
ることが確認されている。このような金属の2元硼化物
は脆性材料であり、焼結体を製作して切削工具として用
いた場合に刃先の耐欠損性を低下させると言う問題があ
る。また、メカニカルアロイングでは酸化反応が生じや
すく、さらに急激な酸化反応による爆発の恐れがあるた
めに、LiやNa等のIa、IIa族金属を含む硼化物を微細化
して焼結体を得ることは実質的に不可能である。
【0008】従って、本発明の主目的は、鋼の切削など
に必要な耐欠損性を具える硼化物焼結体とその製造方法
とを提供することにある。また、本発明の他の目的は、
低コストで密度の高い硼化物焼結体とその製造方法とを
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、組成や原料の
粒径あるいは原料粉末の合成条件を規定することで上記
の目的を達成する。すなわち、本発明硼化物焼結体は、
Alと周期律表IaおよびIIa族金属から選ばれる一つの元
素Mと硼素とからなる硼化物を含む硼化物焼結体であ
る。この硼化物焼結体は、組成がAlX≦1My≦1BZ≧12
表される硼化物と不可避的不純物からなる。そして、こ
の焼結体に占める硼化物の含有量が98体積%以上である
ことを特徴とする。
【0010】従来、組成がAlX≦1My≦1BZ≧12で表され
る硼化物を含む焼結体は、硼化物の含有量が低く、例え
ば、USP6099605に記載の技術では10重量%のオーダーで
不純物が含まれている。これは、メカニカルアロイング
で結晶構造をほぼ完全に破壊してしまうような粉砕を原
料粉末に対して行っているため、その際に不純物が混入
するからである。本発明では、結晶構造の極力崩れてい
ない微細な粉末を原料に用いることで、硼化物の含有量
の高い焼結体を得ることができ、切削工具に最適な高硬
度と耐欠損性とを兼備することができる。
【0011】本発明焼結体は、組成がAlX≦1My≦1B
Z≧12で表される三元硼化物と、2体積%未満の不可避
的不純物とからなる。より具体的な硼化物の組成として
は、AlMgB14やAlLiB14などが挙げられる。AlMgB14の場
合、より正確な構造はAl0.75Mg0.7 8B14である。不可避
的不純物としては、一般にAl-Mg-B系ではAlおよびMgを
含む酸化物が見られ、Al-Li-B系ではAlおよびLiを含む
酸化物が見られる。AlおよびMgを含む酸化物として
は、MgAl2O4が、AlおよびLiを含む酸化物としてはAlLi
O2が挙げられる。
【0012】焼結体を構成する硼化物の最大粒径を3μm
以下とし、硼化物の平均粒径を1μm以下とすることが好
ましい。このような微細な硼化物を構成することによ
り、緻密で高硬度の焼結体を得ることができる。切削工
具として好ましい焼結体の硬度はHv25GPa以上である。
また、焼結体の理論密度に対する相対密度は97%以上が
好ましい。
【0013】一方、本発明硼化物焼結体の製造方法は、
最大粒径が3μm以下または5μm以下の硼化物粒子を圧
力:150MPa以上10GPa以下、温度:1000℃以上1500℃以
下で焼結する工程とを具えることを特徴とする。
【0014】微細な硼化物粒子を用いることで、緻密で
高硬度の焼結体を得ることができる。このような硼化物
粒子は、粉砕を行わないか短時間の粉砕とすることで結
晶構造を極力崩さず、かつ不純物の少ない状態とするこ
とができ、硼化物含有量の高い焼結体を作製する際の原
料粉末として好適である。焼結圧力のより好ましい範囲
は、1GPa以上5GPa以下、更に好ましくは、1GPa以上3GPa
以下である。焼結温度のより好ましい範囲は1200〜1400
℃である。焼結保持時間は、15〜60分程度が好ましい。
【0015】焼結体の原料粉末となる微細な硼化物粒子
は、粉砕を行うことなく当初から微粒の硼化物粒子を得
る方法と、まず粗粒を得て、その後粉砕することで微粒
とする方法の2通りがある。
【0016】粉砕を行わない方法は、硼素:最大粒径1
μm以下で75〜91原子%、Al:4〜21原子%、周期律表Ia
およびIIa族から選ばれる一つの元素M:3〜6原子%の組
成を有する原料を、窒素以外の不活性ガス雰囲気中に
て、1300℃以下の温度で加熱処理する工程により得るこ
とができる。
【0017】最大粒径が1μm以下の硼素を原料とするこ
とで、得られる硼化物粒子の最大粒径を3μm以下に抑え
ることができる。
【0018】従来、AlMgB14では、結晶成長させるため
にAlが多く含まれていた。例えばAlの含有量は80〜91原
子%程度である。本発明では、極力Alの含有量を減ら
し、微細な硼化物粒子が得られる組成を選択した。上記
に規定した組成範囲を外れると、結晶粒成長が起こり、
粗粒の硼化物粒子となる傾向がある。
【0019】AlMgB14について、Alの含有量を変化させ
て上記の方法にて微粒の硼化物粒子が得られた組成例を
表1に示す。この表1における組成No.1はAlMgB14の化
学量論組成で、微細な硼化物粒子が得られたが、若干の
酸化物も見られた。また、No.2は得られた粒子が微粒で
あり、酸化物も非常に少なく好ましいAlMgB14であっ
た。さらに、No.3でも微粒のAlMgB14が合成できたが、N
o.2に比べて粗粒化しており、好ましい微粒子が得られ
るAl量としては21原子%と思われる。
【0020】
【表1】
【0021】加熱処理の雰囲気は、不活性ガス雰囲気と
する。ただし、窒素は除く。通常、アルゴンを用いるこ
とが好適である。
【0022】加熱処理温度は、理論上、Alの融点(660.
4℃)以上の温度〜1300℃以下の温度であれば良い。130
0℃を超える温度で合成した場合はAlB12も同時に合成し
てしまうため好ましくない。最適な合成温度は1200〜13
00℃、特に1200℃前後である。保持時間は、30〜90分程
度が好ましい。
【0023】この方法であれば、粉砕を行うことなく微
粒の硼化物粒子を得ることができ、粉砕時に不純物が混
入して焼結体とした際に硼化物の含有量が低下すること
を回避できる。
【0024】次に、粉砕を行う方法は、まず硼素:最大
粒径40μm以下で75〜91原子%、Al:4〜21原子%、周期
律表IaおよびIIa族から選ばれる一つの元素M:3〜6原子
%の組成を有する原料を、窒素以外の不活性ガス雰囲気
中にて、1300℃以下の温度で加熱処理し、最大粒径が50
μm以下で、かつ平均粒径15μm以下の硼化物粒子を得
る。続いて、この最大粒径が50μm以下の硼化物粒子を
粉砕して最大粒径5μm以下の硼化物粒子とする。
【0025】原料の組成、加熱処理における雰囲気、温
度は粉砕を行わない方法の場合と同様である。ここでは
原料となる硼素の粒径が粗いため合成された硼化物粒径
も大きくなるが、最大粒径が50μm以下で、平均粒径を1
5μm以下とすることで、粉砕工程を用いても短時間で最
大粒径5μm以下に微細化できる。粉砕時間が短かけれ
ば、不純物の混入がほとんど無い状態で硼化物粉末を得
ることができる。そして、不純物の少ない硼化物粒子を
用いることで焼結性も改善され、緻密な焼結体を得るこ
とができる。
【0026】粉砕は、極力不純物が混入しないような条
件を選択して行うことが好ましい。ボールミルを用いた
粉砕条件例としては、ボール:アルミナ製、直径3〜6m
m、粉砕時間:4〜10時間が挙げられる。できるだけ、短
時間で粉砕を行うことが好ましい。
【0027】以上のように合成された微細な硼化物粒子
は、TiやTiC、AlN、Al2O3等を結合材として用いて焼結
体を得ることも可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 (実施例1)純度99.9%、最大粒径1μm以下の無定形硼
素粉末、純度99.9%、最大粒径40μm以下のアルミニウ
ム粉末、純度99.9%、最大粒径180μmのマグネシウム粉
末をそれぞれ85原子%、10原子%、5原子%配合混合し
た。この混合粉末を高純度なアルミナるつぼに入れ、高
温雰囲気加熱炉中に設置し、99.99%以上の高純度アル
ゴンガス雰囲気中、1200℃で1時間保持したのち、アル
ゴンガス雰囲気を保持したまま冷却した。加熱後の粉末
を塩酸中で溶解処理して余分のAlを除去した。残留した
粉末をX線回折測定で調べたところ、AlMgB14のみの回折
ピークを示した。粒度測定を行なったところ、最大で2
μm、平均で0.7μmの粒径からなる微細粉末であった。
【0029】この粉末を10−5torr(1.33×10-5kPa)の
真空中、600℃で乾燥処理したのち、ペレット状に加圧
成形した。この成形体をホットプレス装置を用いて圧力
180MPa、温度1300℃で1時間保持して焼結体を得た。得
られた焼結体は理論密度の2.6g/cm3に対する相対密度が
98.6%で、ビッカース硬度を測定したところ、27GPaで
あった。さらに焼結体をX線回折測定によって分析した
ところ、AlMgB14の他に、わずかに酸化物であるMgAl2O4
の回折ピークも観察された。組成が既知である混合物の
X線回折測定から得られたピーク強度比の検量線より、
この焼結体中でAlMgB14は98.4体積%の含有率であっ
た。
【0030】(実施例2)実施例1と同様にAlMgB14の粉
末を作製し、この粉末を10−5torr(1.33×10-5kPa)の
真空中、600℃で乾燥処理したのち、ペレット状に加圧
成形した。この成形体を超高圧高温装置を用いて圧力2G
Pa、温度1300℃で30分間保持して焼結体を得た。得られ
た焼結体は理論密度の2.6g/cm3に対する相対密度が99.7
%の緻密な組織を有し、ビッカース硬度を測定したとこ
ろ、32GPaであった。実施例1と同様にX線回折測定を行
った結果、AlMgB14の含有率は99.5体積%であった。
【0031】(実施例3)純度99.9%、最大粒径40μm以
下の結晶質(三方晶系)硼素粉末、純度99.9%、最大粒
径40μm以下のアルミニウム粉末、純度99.9%、最大粒
径180μmのマグネシウム粉末をそれぞれ85原子%、10原
子%、5原子%配合混合した。この混合粉末を高純度な
アルミナるつぼに入れ、高温雰囲気加熱炉中に設置し、
99.99%以上の高純度アルゴンガス雰囲気中、1200℃で1
時間保持したのち、アルゴンガス雰囲気を保持したま
ま、冷却した。加熱後の粉末を塩酸中で溶解処理した。
残留した粉末をX線回折測定で調べたところ、AlMgB14
みの回折ピークを示した。粒度測定を行なったところ、
最大粒径が50μm以下で、平均粒径で15μmであった。
【0032】この粉末をボールミルを用いて、エタノー
ル中で最大粒径が5μm以下になるまで粉砕した。粉砕後
の粉末を10−5torr(1.33×10-5kPa)の真空中、600℃
で乾燥処理したのち、ペレット状に加圧成形した。この
成形体をホットプレス装置を用いて圧力180MPa、温度12
00℃で1時間保持して焼結した。得られた焼結体は理論
密度の2.6g/cm3に対する相対密度97%で、ビッカース硬
度は25.5GPaであった。実施例1と同様にX線回折測定を
行った結果、AlMgB14の含有率は98.3体積%であった。
【0033】(実施例4)実施例3と同様にして、AlMgB
14の粉砕粉末を作製し、この粉末を10−5torr(1.33×1
0-5kPa)の真空中、600℃で乾燥処理したのち、ペレッ
ト状に加圧成形した。この成形体を超高圧高温装置を用
いて圧力2GPa、温度1300℃で30分間保持して焼結体を得
た。得られた焼結体は相対密度が99.5%の緻密な組織を
有し、ビッカース硬度を測定したところ、32.3GPaであ
った。実施例1と同様にX線回折測定を行った結果、AlMg
B14の含有率は99.0体積%であった。
【0034】(実施例5)硼素とアルミニウムとリチウ
ムの組成比が82原子%、13原子%、5原子%となるよう
に、「純度99.9%、最大粒径1μm以下の無定形硼素粉
末」と、「純度99.9%、最大粒径300μm以下のアルミニ
ウム−28原子%リチウム合金粉末」とをそれぞれ70重量
%と30重量%配合混合した。この混合粉末を高純度なア
ルミナるつぼに入れ、高温雰囲気加熱炉中に設置し、9
9.99%以上の高純度アルゴンガス雰囲気中、1200℃で1
時間保持したのち、アルゴンガス雰囲気を保持したま
ま、冷却した。加熱後の粉末を塩酸中で溶解処理した。
残留した粉末をX線回折測定で調べたところ、AlLiB14
みの回折ピークを示した。粒度測定を行ったところ、最
大で3μm、平均で0.8μmの粒径からなる微細粉末であっ
た。
【0035】この粉末を10−5torr(1.33×10-5kPa)の
真空中、600℃で乾燥処理したのち、ペレット状に加圧
成形した。この成形体をホットプレス装置を用いて圧力
180MPa、温度1300℃で1時間保持して焼結体を得た。得
られた焼結体は理論密度の2.46g/cm3に対する相対密度9
8%で、ビッカース硬度を測定したところ、30GPaであっ
た。実施例1と同様にX線回折測定を行った結果、酸化物
としてAlLiO2の回折ピークが観察され、焼結体中のAlLi
B14の含有率は99.6%であった。
【0036】(試験例1)実施例1〜5の焼結体を超硬合
金の台金上に接合し、これを切れ刃とした切削工具を作
製し、熱処理したS45C(HRC35)の丸棒(φ150×300m
m)の外周切削を10分間行なった。切削条件はV=300m/m
in、d=0.5mm、f=0.15mm/rev.、乾式である。
【0037】比較例1として、実施例3の方法で作製した
最大粒径が50μm以下で、平均粒径で15μmの粒子をホッ
トプレスで圧力180MPa、温度1300℃で1時間保持して得
られた焼結体から切削工具を準備した。さらに、比較例
2として市販のアルミナ系セラミック工具、比較例3とし
て市販のサーメット工具も用いた。その結果を表2に示
す。
【0038】
【表2】
【0039】表2に示すように、実施例は優れた耐摩耗
性を示し、長寿命を示した。一方、粗粒のままの焼結体
は強度が低く、切削途中に欠損した。アルミナ系工具は
加工途中で欠損により短寿命を示した。サーメット工具
は靭性が低く、切削開始と同時に刃先が大破した。
【0040】(試験例2)試験例1と同様に実施例と比
較例の切削工具を作製し、熱処理したSCM435(HRC40)
の丸棒(φ150×300mm)に4本のV字溝を入れた被削材を
準備し、工具に衝撃が負荷される断続切削を行なった。
切削条件はV=200m/min、d=0.2mm、f=0.12mm/rev.、
乾式である。その結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3に示すように、実施例は優れた耐欠損
性を示した。一方、粗粒のままの焼結体とアルミナ系工
具は強度が不足したために切削初期に欠損した。サーメ
ット工具は熱亀裂が発生し欠損した。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明焼結体は硼
化物の含有量が高く、実質的に硼化物だけからなる焼結
体として構成され、切削工具として用いた場合に優れた
耐摩耗性と耐欠損性とを備える。
【0044】また、本発明焼結体の製造方法は、微粒の
原料粉末を用いることで緻密で高硬度の焼結体を得るこ
とができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G001 BA61 BA63 BA68 BB41 BC13 BC42 BC52 BC54 BC55 BD12 BD18 BE21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Alと周期律表IaおよびIIa族から選ばれ
    る一つの元素Mと硼素とからなる硼化物を含む硼化物焼
    結体であって、 前記硼化物焼結体は、組成がAlX≦1My≦1BZ≧12で表さ
    れる硼化物と不可避的不純物からなり、 この焼結体に占める前記硼化物の含有量が98体積%以上
    であることを特徴とする硼化物焼結体。
  2. 【請求項2】 焼結体を構成する硼化物の最大粒径が3
    μm以下で、硼化物の平均粒径が1μm以下であることを
    特徴とする請求項1に記載の硼化物焼結体。
  3. 【請求項3】 硼化物の硬度がHv25GPa以上であること
    を特徴とする請求項1に記載の硼化物焼結体。
  4. 【請求項4】 前記元素MがMgであることを特徴とする
    請求項1に記載の硼化物焼結体。
  5. 【請求項5】 前記元素MがLiであることを特徴とする
    請求項1に記載の硼化物焼結体。
  6. 【請求項6】 最大粒径が3μm以下の硼化物粒子を圧
    力:150MPa以上10GPa以下、温度:1000℃以上1500℃以
    下で焼結する工程を具えることを特徴とする硼化物焼結
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 最大粒径が3μm以下の硼化物粒子は、硼
    素:最大粒径1μm以下で75〜91原子%、Al:4〜21原子
    %、周期律表IaおよびIIa族から選ばれる一つの元素M:
    3〜6原子%の組成を有する原料を、窒素以外の不活性ガ
    ス雰囲気中にて、1300℃以下の温度で加熱処理する工程
    により得ることを特徴とする請求項6に記載の硼化物焼
    結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 最大粒径が5μm以下の硼化物粒子を圧
    力:150MPa以上10GPa以下、温度:1000℃以上1500℃以
    下で焼結する工程を具えることを特徴とする硼化物焼結
    体の製造方法。
  9. 【請求項9】 最大粒径が5μm以下の硼化物粒子は、次
    の工程により得ることを特徴とする請求項8に記載の硼
    化物焼結体の製造方法。 硼素:最大粒径40μm以下で75〜91原子%、Al:4〜21
    原子%、周期律表IaおよびIIa族金属から選ばれる一つ
    の元素M:3〜6原子%の組成を有する原料を、窒素以外
    の不活性ガス雰囲気中にて、1300℃以下の温度で加熱処
    理し、最大粒径が50μm以下で、かつ平均粒径が15μm以
    下の硼化物粒子を得る工程 この最大粒径が50μm以下の硼化物粒子を粉砕する工
  10. 【請求項10】 焼結圧力を1GPa以上5GPa以下としたこ
    とを特徴とする請求項6または8に記載の硼化物焼結体
    の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6921422B2 (en) 2002-10-29 2005-07-26 Iowa State University Research Foundation, Inc. Ductile binder phase for use with A1MgB14 and other hard materials
JP2006104037A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Tama Tlo Kk M−Al−B組成を有する単結晶の製造方法および該製造方法により製造されたM−Al−B組成を有する単結晶
JP2013211370A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Goto Ikueikai MgAlB14系のn−型熱電材料
JP2016539290A (ja) * 2013-11-21 2016-12-15 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ セラミックマトリックス複合材から製造された構成要素を有する軸受

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