JP4110338B2 - 立方晶窒化ホウ素焼結体 - Google Patents

立方晶窒化ホウ素焼結体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は立方晶窒化ホウ素焼結体に関するもので、特に鉄系材料の切削工具として用いた場合に、耐摩耗性、耐欠損性に優れた立方晶窒化ホウ素焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】
立方晶窒化ホウ素(以下、cBNという)は、ダイヤモンドに次ぐ硬度を有し、熱的化学的安定性の高い物質であり、従来より鉄系材料の切削工具として用いられている。 現在、切削工具として一般に用いられているcBN焼結体は、cBNの粉末を、TiN、TiC、Coなどの結合材を用いて超高圧下で焼結されたもので、焼結体には10〜60体積%程度の結合材が含まれる。
通常、上記cBN焼結体の原料に用いられるcBN粉末は、六方晶窒化ホウ素(以下、hBNという)を、アルカリ金属やアルカリ土類金属の窒化物やホウ窒化物を触媒として、高温高圧下で変換して合成されたcBNの単結晶である。
【0003】
従来より知られている直接変換によるcBN多結晶体は、例えば特開昭47−34099、特開平3−159964、特公平63−394、特開平8−47801号各公報に示されているように、結晶性のよいhBN(六方晶窒化ホウ素)やpBN(熱分解窒化ホウ素)を用いていたので、十分なhBN→cBN変換を行うのに2100℃以上の温度が必要で、その結果、多結晶体を構成するcBN粒子の粒径が3〜5μmと大きくなり、粒子間の結合力も弱く、高温での強度は低い。すなわち、従来の方法では、高温下で高い強度を有するcBN多結晶体は得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
cBN結晶はへき開しやすく、また、触媒をインクルージョンとして含むため、強度があまり高くなく、特に高温下で強度が大きく低下してしまう。このため、このようなcBN結晶を原料として作製された従来のcBN焼結体を切削工具として用いた場合、cBN粒子の破壊、へき開によるマイクロチッピングなどにより工具刃先が摩耗したり、欠損(チッピング)しやすいという問題がある。
【0005】
cBN焼結体の切削性能、寿命の向上のためには、原料のcBN粉末をより強靱なものとする必要がある。一部で研削用砥粒として用いられている多結晶体砥粒は、単結晶の砥粒より強度的にやや改善される。しかし、従来の多結晶砥粒は、構成する一次粒子の粒径が数μmから数十μmと粗く不揃いで、また、粒子結合が不十分であり、強度的に十分とはいえない。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するために開発されたもので、高強度で、耐熱性に優れたcBN単相の多結晶体を作製し、それを粉砕して、cBN焼結体の原料とし、耐摩耗性、耐欠損性に優れたcBN焼結体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、直接変換によるcBN多結晶体の作製において、出発物質に高純度化が可能な微粒もしくは低結晶性の常圧型BNを用い、粒成長の起こらない温度範囲で変換焼結して、粒子同士の結合力、粒径および未変換hBN(圧縮型hBNとして焼結体内に残留)の残留量を制御した。その結果、従来にない高強度で耐熱性に優れた焼結体が得られることを見い出した。そして、この焼結体を粉砕したcBN多結晶体粉末を原料として、結合材を用いて、cBN焼結体を作製し、切削工具として性能を評価したところ、耐摩耗性、耐欠損性とも従来のcBN焼結体に比べ、格段に優れた切削性能を有することがわかり、本発明に至った。本発明のcBN焼結体と従来のcBN焼結体の組織を概念的に図1(a),(b)に示す。
【0008】
すなわち、本発明は(1)立方晶窒化ホウ素と連続した結合材とからなる立方晶窒化ホウ素焼結体であって、該焼結体を構成する立方晶窒化ホウ素が、平均結晶粒径1μm以下、好ましくは0.5μm以下の微細な立方晶窒化ホウ素の結晶からなる多結晶体であり、
(2)前記立方晶窒化ホウ素の結晶からなる多結晶体は圧縮六方晶窒化ホウ素を0.01〜0.5体積%、好ましくは0.01〜0.3体積%含むことを特徴とする立方晶窒化ホウ素焼結体、
【0009】
(3)前記立方晶窒化ホウ素の結晶からなる多結晶体は、ホウ素と酸素を含む化合物を、炭素と窒素の存在下で還元窒化することにより合成された低圧相窒化ホウ素を出発物質として、高温高圧下で立方晶窒化ホウ素に直接変換させると同時に焼結させることで作製した立方晶窒化ホウ素単相の焼結体を粉砕することにより得られる多結晶体であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の立方晶窒化ホウ素焼結体立方晶窒化ホウ素焼結体、
(4)前記立方晶窒化ホウ素への直接変換は、ホウ素と酸素とを含む化合物の沸点以上の温度で、前記低圧相窒化ホウ素を非酸化性雰囲気で加熱したのち行われることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の立方晶窒化ホウ素焼結体、
【0010】
(5)前記立方晶窒化ホウ素の結晶からなる多結晶体が、連続した結合相内に分散していることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の立方晶窒化ホウ素焼結体、
(6)前記立方晶窒化ホウ素の結晶からなる多結晶体の含有量が、40〜80体積%、好ましくは45〜75体積%である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の立方晶窒化ホウ素焼結体、
(7)前記結合相が、Ti、Hf、Zr、Wの炭化物、窒化物、または炭窒化物の少なくとも1種を主成分とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の立方晶窒化ホウ素焼結体、
(8)前記結合相にAlを好ましくは1〜30重量%、特に5〜20重量%含む上記(1)〜(7)のいずれかに記載の立方晶窒化ホウ素焼結体。
【0011】
(9)ホウ素と酸素を含む化合物を炭素と窒素の存在下で還元窒化して低圧相窒化ホウ素を合成し、得られた低圧相窒化ホウ素を出発物質として高温高圧下で立方晶窒化ホウ素に直接変換させると同時に焼結し、得られた立方晶窒化ホウ素単相の焼結体を粉砕し、これを結合材と混合して超高圧・高温条件下で焼結することを特徴とする立方晶窒化ホウ素焼結体の製造方法。
(10)前記立方晶窒化ホウ素への直接変換は、ホウ素と酸素とを含む化合物の沸点以上の温度で前記低圧相窒化ホウ素を非酸化性雰囲気で加熱した後に行うことを特徴とする上記(9)に記載の立方晶窒化ホウ素の結晶からなる多結晶体の製造方法。
上記(4)及び(10)における非酸化性雰囲気としては通常窒素、アルゴン、真空等を用いるのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のcBN焼結体の原料となるcBN多結晶体粉末は、hBN→cBN直接変換法で、粒子同士の結合力、粒径および未変換hBN(圧縮型hBNとして焼結体内に残留)の残留量を制御することにより作製された高強度、耐熱性cBN多結晶体を粉砕することにより得られる。
この高強度、耐熱性cBN多結晶体の作製は具体的には、出発原料に高純度で微粒もしくは低結晶性の常圧相BNを用い、粒成長の起こらない温度範囲でcBNに直接変換焼結することにより行う。
【0013】
ここで出発原料に用いる高純度で微粒もしくは低結晶性の常圧型BNは、酸化ホウ素やホウ酸を、炭素や有機物で還元し、窒化させて作製されたものが好ましい。通常、常圧型BNの合成方法として、酸化ホウ素やホウ酸をアンモニアと反応させる方法が一般に工業的に行われている。しかし、このようにして得られたBNは、高温で熱処理するとhBNへ結晶化、もしくは粒成長する。このため、この方法により微細で低結晶性の常圧型BNを合成しても、不純物の酸化ホウ素を除去するための高温精製処理(窒素ガス中2050℃以上、真空中1650℃以上など)を行うと、hBNに結晶化、粒成長してしまう。これに対し、酸化ホウ素やホウ酸を炭素と窒素の存在下で還元窒化させた常圧型BNは、高温で熱処理しても結晶化しない特徴があり、したがって、この方法で微粒で低結晶性の常圧型BNを合成し、窒素ガス中2050℃以上または真空中1650℃以上などの高純度精製処理を行うことで、酸化ホウ素や吸着ガスのない直接変換焼結に非常に適した常圧型BNが得られる。
上記の還元窒化は炭素と窒素を含む化合物、例えばメラミンを用いて行うこともできる。
【0014】
本発明におけるcBN多結晶体の合成(焼結)条件は、圧力6〜7GPa、温度1550℃〜2100℃が好ましい。特に焼結温度が重要で、低いとcBNへの変換が十分でなく、高すぎるとcBNの粒成長が進行し、cBN同士の結合力が小さくなる。cBNの粒成長の起こらない焼結温度は、出発原料の結晶性、粒径により変化する。
得られた焼結体は通常2〜4μmの範囲に粉砕するのが好ましい。
【0015】
上記の適切な焼結温度範囲で焼結したcBN多結晶体は、平均粒径1μm以下のcBNからなる緻密な組織を有し、曲げ強度が高い。この多結晶体の破面を見ると、粒内破壊が支配的で、粒子同士の結合力が強いことを示している。1000℃の高温でも強度が低下せず、むしろ室温より向上する傾向がある。高温下で、粒子内の転位の移動による塑性変形が起こり、それにより亀裂先端での応力集中が緩和され、破壊強度が向上すると考えられる。
【0016】
一方、これより高い温度で焼結した多結晶体は、平均粒径が1μmを越え、破面を見ると主に粒界で破壊し、粒間結合が弱いことを示した。高温下ではさらに強度が低下、1000℃では室温の約半分程度の強度となる。高温下では弱い粒界が更に弱化し、粒界で不均一な変形がおこるため、高温での強度が低下すると考えられる。
ここで、cBN粒径のコントロールは直接変換焼結時の温度で行う。すなわち、1μm以下、好ましくは0.5μm以下の微粒状態をコントロールするために、出発原料として微粒で低結晶性の常圧型のBNを用いそして低温域で直接変換焼結する必要がある。通常のhBNやpBNでは2100℃以上にしなければcBNに変換しないので1μm以下にコントロールできない。
【0017】
また、本発明のcBN多結晶体は0.01〜0.5体積%の圧縮型hBNを含むのが特徴である。この程度の圧縮型hBNは多結晶体の強度に影響を及ぼさない。むしろ亀裂の進展を阻止し、靱性を向上させる効果がある。圧縮型hBNが0.01体積%より少ない多結晶体は靱性が低下し、0.5体積%を越えると、圧縮型hBNでの応力集中が大きくなり、強度が低下する。
【0018】
こうして得られたcBN多結晶体は、微粒で、cBN粒子同士が強固に結合した緻密な組織を有するため、高強度で、高温下でもその強度が低下することがない。1000℃を越える温度では強度が向上するという従来のcBN焼結体に見られない特徴を有す。1000℃以上の強度は、従来のcBN焼結体の強度の2倍以上となる。
【0019】
この多結晶体を粉砕することで、従来のcBN結晶粒にない高強度で耐熱性の高いcBN多結晶粒が得られる。このcBN結晶粒を切削工具用cBN焼結体の原料とすることで、本発明の耐摩耗性、耐欠損性に優れたcBN焼結体が得られる。
本発明の焼結体組織はcBN多結晶体粉末の粒度、結合材の粒度及びそれ等の混合比率に応じて図1(a)に示されるように結合材の連続した相に多結晶体が分散した相を形成している。このような焼結体は強度や靱性が高いので切削工具として用いると耐摩耗性、耐欠損性に優れた切削性能が得られる。
【0020】
【実施例】
(実施例1)
窒素雰囲気中で、酸化ホウ素(B2 3 )とメラミン(C3 6 6 )と反応させて微細なhBNの粉末を合成し、さらに、窒素雰囲気中、2100℃で2時間処理した。得られたhBN粉末は、平均粒度0.1μmで、酸素含有量は0.1重量%であった。このhBN粉末を6ton/cm2 で型押し成形、この成形体を再度、高周波炉で、N2 ガス中、2100℃で2時間処理した。
【0021】
次にこの高純度化処理した試料をMoカプセルに入れ、ベルト型高圧発生装置で圧力6.5GPaで、1700℃〜2100℃の温度条件で15分処理し、cBNに変換焼結した。
得られたcBN焼結体は表1に示す結晶粒子の大きさと圧縮型hBNを含む緻密な焼結体で、粒子同士が強固に結合した構造を有していた。これらの焼結体を振動ミルで粉砕し、分級して、粒径2〜4μmのcBN多結晶体粉末を得た。
【0022】
【表1】
Figure 0004110338
【0023】
次にTiN0.6 粉末を78重量%とAl粉末を7重量%とWC粉末を10重量%を混合し、これを超硬合金製ポットおよびボールを用いて平均粒度1μm以下の結合材粉末を作製した。
これらのcBN多結晶体粉末と結合材粉末を体積比で60対40にとなるように混合し、混合粉末を作製した。次に、Mo製の容器にWC−10重量%Co組成の超硬合金からなる円盤を挿入した後、これらの混合粉末を充填し、真空炉にて10-14 Torr、1000℃で10分間加熱して脱気した。次にこの容器を超高圧・高温装置に入れ、圧力53kb、温度1350℃で30分間保持して焼結体を得た。
【0024】
得られた焼結体のX線回折結果を表2に示す。すべての焼結体においてcBNとTiを含む窒化物のピークが確認された。上記の物質以外にTiの炭窒化物、TiB2 、AlB2 、AlN、Wの硼化物、炭化物もしくはWと思われるピークが観察された。
次に、これらの焼結体の組織を走査型電子顕微鏡が観察したところ、cBN粒子は結合相を介して相互に接合していることが認められた。
【0025】
上記各焼結体を切削加工用チップに加工した。これらの切削加工用チップを用いて、直径が100mm、長さ300mmであり、外周面に軸方向に垂直な6本の溝が等間隔に形成された、HRC60〜62のSKD11種からなる丸棒を切削した。切削条件は、切削速度100m/min、切り込み0.1mm、送り0.1mm/rev.、乾式である。溝で分割された外周面を1パスとし、刃先が欠損するまでの切削時間を表2に示す。
【0026】
【表2】
Figure 0004110338
【0027】
(実施例2)
実施例1の焼結体で試料番号2の粒径0.5μm以下の結晶からなる焼結体を振動ミルで粉砕、分級して、粒径2〜4μmのcBN多結晶体粉末を得た。
次にTiN0.6 粉末を78重量%とAl粉末を7重量%とWC粉末を10重量%を混合し、これを超硬合金製ポットおよびボールを用いて平均粒度1μm以下の結合材粉末を作製した。
これらのcBN多結晶粉末と結合材粉末を表3に示す体積比で混合し、混合粉末を作製した。Mo製の容器にWC−10重量%Co組成の超硬合金からなる円盤を挿入した後、これらの混合粉末を充填し、真空炉にて10-4Torr、1000℃で10分間加熱して脱気した。次にこの容器を超高圧・高温装置に入れ、圧力53kb、温度1350℃で30分間保持して焼結体を得た。
【0028】
上記各焼結体を切削加工用チップに加工した。これらの切削加工用チップを用いて、直径が100mm、長さ300mmであり、HRC60〜62のSUJ2種からなる丸棒を切削した。切削条件は、切削速度100m/min、切り込み0.1mm、送り0.1mm/rev.、乾式である。外周面を20分切削した後の逃げ面摩耗幅の測定結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
Figure 0004110338
【0030】
(実施例3)
実施例1の焼結体で粒径0.5μm以下の結晶からなる焼結体を振動ミルで粉砕・分級して、粒径0.5〜2μmのcBN多結晶体粉末を得た。
次にTiを含有する窒化物または炭窒化物粉末と、アルミニウム粉末およびWC粉末を混合し、これを超硬合金製ポットおよびボールを用いて、表4に示される組成を有する結合材粉末を作製した。
これらのcBN多結晶粉末と結合材粉末を体積比で40対60となるように混合し、混合粉末を作製した。Mo製の容器にWC−10重量%Co組成の超硬合金からなる円盤を挿入した後、これらの混合粉末を充填し、真空炉にて10-4Torr、1000℃で10分間加熱して脱気した。次にこの容器を超高圧・高温装置に入れ、圧力53kb、温度1350℃で30分間保持して焼結体を得た。
【0031】
上記各焼結体を切削加工用チップに加工した。これらの切削加工用チップを用いて、直径が100mm、長さ300mmであり、外周面に軸方向に垂直な6本の溝が等間隔に形成された、浸炭焼入れされたHRC58〜60のSCM415種からなる丸棒を切削した。切削条件は、切削速度150m/min、切り込み0.1mm、送り0.1mm/rev.、乾式である。溝で分割された外周面を1パスとし、刃先が欠損するまでの切削時間を表4に示す。
【0032】
【表4】
Figure 0004110338
【0033】
(実施例4)
HfまたはTiを含有する炭化物あるいは炭窒化物粉末と、アルミニウム粉末を混合し、これを超硬合金製ポットおよびボールを用いて、平均粒径1μm以下の表5に示される組成を有する結合材粉末を作製した。
これら結合材粉末と実施例1で作製した粒径0.5μm以下の結晶からなる粒径2〜4μmのcBN多結晶体粉末とを体積比で40対60となるように混合し、混合粉末を作製した。Mo製の容器にWC−10重量%Co組成の超硬合金からなる円盤を挿入した後、これらの混合粉末を充填し、真空炉にて10-4Torr、1000℃で10分間加熱して脱気した。次にこの容器を超高圧・高温装置に入れ、圧力53kb、温度1350℃で30分間保持して焼結体を得た。
【0034】
上記各焼結体を切削加工用チップに加工した。これらの切削加工用チップを用いて、直径が120mm、長さ300mmであり、HB200の球状黒鉛鋳鉄FCD45材からなる丸棒を切削した。切削条件は、切削速度280m/min、切り込み0.25mm、送り0.2mm/rev.、乾式である。外周面を20分切削した後の逃げ面摩耗幅の測定結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
Figure 0004110338
【0036】
【発明の効果】
本発明によると多結晶体を粉砕することで、従来のcBN結晶粒にない高強度で耐熱性の高いcBN多結晶粒が得られ、このcBN結晶粒を切削工具用cBN焼結体の原料とすることにより、本発明の耐摩耗性、耐欠損性に優れたcBN焼結体が得られる。本焼結体は、特に鉄系材料の切削工具として用いる場合に、耐摩耗性、耐欠損性について優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)、(b)は、それぞれ本発明のcBN焼結体と従来のcBN焼結体の組織を示す模式図である。

Claims (7)

  1. 立方晶窒化ホウ素と連続した結合材とからなる立方晶窒化ホウ素焼結体であって、該焼結体を構成する立方晶窒化ホウ素が、立方晶窒化ホウ素の結晶からなる多結晶体であり、
    この多結晶体は、平均結晶粒径1μm以下の微細な立方晶窒化ホウ素の結晶からなると共に、圧縮型六方晶窒化ホウ素を0.01〜0.5体積%含むことを特徴とする立方晶窒化ホウ素焼結体。
  2. 前記立方晶窒化ホウ素の結晶からなる多結晶体は、ホウ素と酸素を含む化合物を、炭素と窒素の存在下で還元窒化することにより合成された低圧相窒化ホウ素を出発物質として、高温高圧下で立方晶窒化ホウ素に直接変換させると同時に焼結させることで作製した立方晶窒化ホウ素単相の焼結体を粉砕することにより得られる多結晶体であることを特徴とする請求項に記載の立方晶窒化ホウ素焼結体。
  3. 前記立方晶窒化ホウ素への直接変換は、ホウ素と酸素とを含む化合物の沸点以上の温度で、前記低圧相窒化ホウ素を非酸化性雰囲気で加熱したのち行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の立方晶窒化ホウ素焼結体。
  4. 前記立方晶窒化ホウ素の結晶からなる多結晶体が、前記結合材の連続した相に分散していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の立方晶窒化ホウ素焼結体。
  5. 前記立方晶窒化ホウ素の結晶からなる多結晶体の含有量が、40〜80体積%であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の立方晶窒化ホウ素焼結体。
  6. 前記結合が、Ti、Hf、Zr、Wの炭化物、窒化物、または炭窒化物の少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の立方晶窒化ホウ素焼結体。
  7. 前記結合がAlを含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の立方晶窒化ホウ素焼結体。
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