JP5880267B2 - SiAlON基粒子、焼結体および工具 - Google Patents
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Description
本発明のSiAlON基粒子において好ましくは、SiAlON基粒子は、SiAlON基粒子中のケイ素、アルミニウム、酸素、および窒素の合計質量に対して、ケイ素を34.71質量%以上58.29質量%以下、アルミニウムを1.93質量%以上23.83質量%以下、酸素を2.65質量%以上15.62質量%以下、および窒素を25.84質量%以上37.13質量%以下の範囲で含み、Iα、Iβ、Iγが下記式(II)の関係で表わされる。
本発明のSiAlON基粒子において好ましくは、SiAlON基粒子は、SiAlON基粒子中のケイ素、アルミニウム、酸素、および窒素の合計質量に対して、ケイ素を45.02質量%以上57.26質量%以下、アルミニウムを2.89質量%以上14.61質量%以下、酸素を2.84質量%以上10.2質量%以下、および窒素を30.17質量%以上36.63質量%以下の範囲で含み、Iα、Iβ、Iγが下記式(III)で表わされる。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、SiAlON基粒子がα相型SiAlONおよびβ相型SiAlONの少なくともいずれかと、γ相型SiAlONとを含み、さらにSiAlON基粒子中のケイ素、アルミニウム、酸素、および窒素の含有率およびIα、Iβ、Iγの関係が上記の範囲を満たす場合に、優れた耐摩砕性を有することを見出した。これは、本発明のSiAlON基粒子が高い硬度を有し、さらに優れた硬度と靭性のバランスを有しているためと考えられる。SiAlON基粒子が高い硬度を有することの理由として、SiAlON基粒子が、α相型SiAlONやβ相型SiAlONよりも密度および硬度が大きいγ相型SiAlONを含むことが考えられる。SiAlON基粒子の硬性と靭性のバランスが優れていることの理由として、SiAlON基粒子がγ相型SiAlONとともに、γ相型SiAlONよりも優れた靭性を有するα相型SiAlONおよびβ相型SiAlONの少なくともいずれかとを含むことが考えられる。
本発明のSiAlON基粒子において好ましくは、Iα、Iβ、Iγ、およびIs(hkl)が、下記式(V)で表わされる。
強靭化成分は本発明のSiAlON基粒子合成時後に熱膨張率差、ヤング率差、或いは固溶化に起因する残留応力の付与と推定される効果により強靭化の効果を発揮する。したがって、強靭化成分を、Is(hkl)/(Iα+Iβ+Iγ)の値が上記式(IV)または式(V)の範囲となる割合で含むSiAlON基粒子は、硬度と靭性のバランスが優れており、優れた耐摩砕性を有する。
本発明の一実施の形態において、SiAlON基粒子は、α相型SiAlONおよびβ相型SiAlONの少なくともいずれかと、γ相型SiAlONとを含む。
本明細書中、「SiAlON基粒子」とは、α相型SiAlON、β相型SiAlONおよびγ相型SiAlONの少なくともいずれかを含む粒子を意味する。
ここで、SiAlON基粒子中の各元素の含有量は、高周波誘導結合プラズマ発光分析法(ICP分析)、不活性ガス融解赤外線吸収法、不活性ガス融解熱伝導度法を用いて測定した値である。
α相型SiAlONおよびβ型SiAlONの少なくともいずれかを準備する。α相型SiAlONを用いる場合は、X線回折法によるα相型SiAlONの(201)面でのX線回折線の半値幅が0.35°以上2.0°以下になるまで、ビーズミルやジェットミル処理による粉砕、歪導入などで微細組織化を行い、低結晶性のα相型SiAlONを作製する。β相型SiAlONを用いる場合も同様に、X線回折法によるβ相型SiAlONの(101)面でのX線回折線の半値幅が0.35°以上2.0°以下になるまで、微細組織化処理を行い、低結晶性のβ相型SiAlONを作製する。該低結晶性のα相型SiAlON、β相型SiAlONを、圧力15GPa以上50GPa以下、温度1200℃以上3000℃以下の条件の衝撃圧縮法で処理することにより、前記式(I)の条件を満たすSiAlON基粒子を得ることができる。なお、α相型SiAlON、β相型SiAlONの微細組織化処理において、それぞれ半値幅が2.0°を超えるまで微粉砕した場合には、SiAlON粒子の比表面積の増加による酸化のため、γ相型SiAlONへの変換率が低下する。このため、その後の衝撃圧縮条件(圧力、温度、時間)の調整を行っても、前記式(I)の条件を満たすSiAlON基粒子を得ることが困難である。
SiAlON基粒子は、SiAlON基粒子中のケイ素、アルミニウム、酸素、および窒素の合計質量に対して、ケイ素を45.02質量%以上57.26質量%以下、アルミニウムを2.89質量%以上14.61質量%以下、酸素を2.84質量%以上10.2質量%以下、および窒素を30.17質量%以上36.63質量%以下の範囲で含み、前記Iα、前記Iβ、前記Iγが下記式(III)で表わされることがさらに好ましい。
前記式(II)また前記式(III)の条件を満たすSiAlON基粒子は、たとえば、α相型SiAlONおよびβ型SiAlONの少なくともいずれかを準備し、それぞれX線回折法によるα相型SiAlONの(201)面でのX線回折線の半値幅が0.35°以上2.0°以下、X線回折法によるβ相型SiAlONの(101)面でのX線回折線の半値幅が0.35°以上2.0°以下になるまで微細組織化処理を行い、低結晶性のα相型SiAlON、β相型SiAlONを作製し、衝撃圧縮法または静圧合成法で処理することにより得ることができる。
本発明の一実施の形態において、SiAlON基粒子は、α相型SiAlONおよびβ相型SiAlONの少なくともいずれかと、γ相型SiAlONとを含み、さらに強靭化成分を含む。
ここで、「強靭化成分の最強回折線のピーク強度Is(hkl)」とは、X線回折法による前記強靭化成分の回折線の中で最も強度比が高い回折線の強度を強度Is(hkl)とし、このIs(hkl)が、上記式(IV)で表わされることが好ましい。
強靭化成分を含むSiAlON基粒子は、たとえば以下の方法で作製することができる。
本発明の一実施の形態において、焼結体はSiAlON基粒子を20体積%以上95体積%以下含む。
SiAlON基粒子および結合材化合物を、SiAlON基粒子:結合材化合物との割合が20体積%:80体積%〜95体積%:5体積%の範囲となるように準備する。SiAlON基粒子と結合材化合物とを、エタノール溶媒を用いて分散混合して混合粉を得る。該混合粉をガードル型超高圧プレスを用いて、0.1GPa〜20GPaの圧力および1000℃〜2000℃の温度の条件下で3〜180分間焼結して、焼結体を得ることができる。
本発明の一実施形態において、工具は、切削加工または塑性加工に関与する少なくとも一部に本発明の焼結体を用いている。このような工具としては、たとえばドリル、エンドミル、フライス加工用または旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ加工用チップや摩擦撹拌接合用工具などが挙げられる。
(原料粒子の準備)
α−SiAlON(平均粒径5μm)とβ−SiAlON(平均粒径5μm)を、表1の「充填量(g)」に記載のとおり準備し、超硬ボールによるボールミルにて解砕、分散混合して原料粒子を得た。
原料粒子中のSi、Al、O、Nのそれぞれの含有率を高周波誘導結合プラズマ発光分析法(ICP分析)、および不活性ガス融解赤外線吸収法、不活性ガス融解熱伝導度法を用いて測定した。
(合成粒子の作製)
次に、原料粒子300gをヒートシンク、および圧力媒体としての銅粉と混合して、鋼製容器に充填し、爆薬の爆発による衝撃圧縮法により、40GPaの圧力および2000℃の温度条件で処理した。
合成粒子をCu−Kα線を用いたX線回折法で分析すると、γ−SiAlONに対応するX線回折線のピーク(γ-SiAlONと同等の結晶構造を有するJCPDS074−3494のγ−Si3N4を使用する)、α−SiAlONに対応するX線回折線のピーク(JCPDS041−0360のα−Si3N4を使用する)、β−SiAlON(JCPDS033−1160のβ−Si3N4を使用する)に対応するX線回折線のピークが同定された。
(摩砕試験)
作製した合成粒子150gを、Al2O3ボールの入ったエタノール溶媒中で、3000rpmで回転させ、合成粒子の平均粒径D50の値が1/2になるまでの時間T(min)を測定した。Tの値が大きいほど、耐摩砕性が優れている。
<試料36〜38>
試料36および37は、従来例として、以下の市販のSiAlON粒子を用いて前記の摩砕試験を行った。試料38は、結晶性の良いβ−SiAlONを出発原料として衝撃合成して得られたγ−SiAlONを用いて前記の摩砕試験を行った。
試料37:β−SiAlON(平均粒径5μm)
試料38:γ−SiAlON(平均粒径5μm)
結果を表1に示す。
試料2、4、5、7〜10、12〜14、17〜19、21、23〜28、30〜34の合成粒子は、合成粒子中のSi、Al、O、Nの合計質量に対して、Siを18.68質量%以上59.33質量%以下、Alを0.96質量%以上38.72質量%以下、Oを2.08質量%以上24.44質量%以下、Nを18.16質量%以上37.63質量%以下含み、平均粒径が0.2μm以上100μm以下、{(Iα+Iβ)/(Iα+Iβ+Iγ)}の値が0.09以上0.88以下の範囲であり、本発明に係るSiAlON基粒子の条件を満たしていた。これらの合成粒子は、摩砕試験において、従来例である試料36〜38より、耐摩砕性が優れていた。
(原料粒子の準備)
β−SiAlON粒子(平均粒径1μm)を、表2および表3の「充填量(g)」に記載のとおり準備した。前記β−SiAlONに、強靭化成分として、表2および表3の「添加元素」に記載の種類の元素(B、C、Mg、Ca、Y、Fe、Ni、Co、Ti、Zr、Mo、W、Cr、Si3N4、AlON、AlN、Al2O3)を、添加して、超硬ボールによるボールミルにて解砕、分散混合して原料粒子を得た。なお、添加元素の添加量は、原料粒子の合計質量(Mt)に対する強靭化成分の質量(Mb)の割合(質量%)が、表2および表3の「Mb/Mt×100(質量%)」に記載の値となるように調整した。
原料粒子中のSi、Al、OおよびNの合計質量に対する、Si、Al、O、Nのそれぞれの含有率(質量%)を高周波誘導結合プラズマ発光分析法(ICP分析)、および不活性ガス融解赤外線吸収法、不活性ガス融解熱伝導度法を用いて測定した。
(合成粒子の作製)
次に、原料粒子300gをヒートシンク、および圧力媒体としての銅粉と混合して、鋼製容器に充填し、爆薬の爆発による衝撃圧縮法により、40GPaの圧力および2000℃の温度で処理した。
合成粒子をCu−Kα線を用いたX線回折法で分析すると、γ−SiAlONに対応するX線回折線のピーク、α−SiAlONに対応するX線回折線のピーク、β−SiAlONに対応するX線回折線のピークが同定された。さらに、強靭化成分に対応するX線回折線のピークも同定された。
(摩砕試験)
作製した合成粒子150gを、Al2O3ボールの入ったエタノール溶媒中で、3000rpmで回転させ、合成粒子の平均粒径D50の値が1/2になるまでの時間T(min)を測定した。Tの値が大きいほど、耐摩砕性が優れている。
試料40〜試料56の合成粒子は、強靭化成分を含み、合成粒子中のSi、Al、O、Nの合計質量に対して、Siを29.68質量%、Alを28.51質量%、Oを18.39質量%、Nを23.42質量%含み、平均粒径が5μm、{(Iα+Iβ)/(Iα+Iβ+Iγ)}の値が0.85、Is(hkl)/(Iα+Iβ+Iγ)の値が0.05であった。これらの合成粒子は、摩砕試験において、強靭化成分を含まない試料39より、耐摩砕性が優れていた。
(原料粒子の準備)
α−SiAlON(平均粒径2μm)とβ−SiAlON(平均粒径2μm)を、超硬ボールによるボールミルにて解砕、分散混合して原料粒子を得た。
原料粒子中のSi、Al、OおよびNの合計質量に対する、Si、Al、O、Nのそれぞれの含有率(質量%)を高周波誘導結合プラズマ発光分析法(ICP分析)、及び不活性ガス融解赤外線吸収法、不活性ガス融解熱伝導度法を用いて測定した。
(合成粒子の作製)
次に、原料粒子300gをヒートシンク、および圧力媒体としての銅粉と混合して、鋼製容器に充填し、爆薬の爆発による衝撃圧縮法により、表4および表5に記載の圧力(10GPa〜50GPa)および温度(1000℃〜2000℃)で処理した。
合成粒子をX線回折Cu−Kα線を用いたX線回折法で分析すると、γ−SiAlONに対応するX線回折線のピーク、α−SiAlONに対応するX線回折線のピーク、β−SiAlONに対応するX線回折線のピークが同定された。
(摩砕試験)
作製した合成粒子150gを、Al2O3ボールの入ったエタノール溶媒中で、3000rpmで回転させ、合成粒子の平均粒径D50の値が1/2になるまでの時間T(min)を測定した。Tの値が大きいほど、耐摩砕性が優れている。
試料99〜139の合成粒子のうち、合成粒子中のSi、Al、O、Nの合計質量に対する、Si、Al、O、Nのそれぞれの含有率が同じ合成粒子どうしを比較すると、合成粒子中のγ−SiAlONの(400)面でのX線回折線の半値幅の値が0.4°以上2.0°以下の合成粒子は、他の合成粒子に比べて、耐摩砕性が優れていた。
(原料粒子の準備)
α−SiAlON(平均粒径2μm)とβ−SiAlON(平均粒径2μm)を、表6および表7の「充填量(g)」に記載のとおり準備した。
原料粒子中のSi、Al、OおよびNの合計質量に対する、Si、Al、O、Nのそれぞれの含有率(質量%)を高周波誘導結合プラズマ発光分析法(ICP分析)、および不活性ガス中溶融ガス分析法、不活性ガス中溶融熱伝導度法を用いて測定した。
(合成粒子の作製)
次に、原料粒子300gをヒートシンク、および圧力媒体としての銅粉と混合して、鋼製容器に充填し、爆薬の爆発による衝撃圧縮法により、40GPaの圧力および2000℃の温度で処理した。
合成粒子をCu−Kα線を用いたX線回折法で分析すると、γ−SiAlONに対応するX線回折線のピーク、α−SiAlONに対応するX線回折線のピーク、β−SiAlONに対応するX線回折線のピークが同定された。
(焼結体の作製)
得られた合成粒子と、結合材(TiN:FeNi:TiAl3:Al2O3=70質量%:10質量%:15質量%:5質量%の比率で含む混合粉末)とを、表6および表7の「含有率(体積%)」に記載の割合で、エタノール溶媒を用いて分散混合して混合粉を得た。該混合粉をガードル型超高圧プレスを用いて、表6および表7に記載の焼結圧力(0.1〜20GPa)および焼結温度(800〜2200℃)で60分間焼結し、焼結体を作製した。
得られた焼結体を切削に関与する部分に備える切削チップを作製した。このチップ形状は、ISO型番でCNGA120408に分類され、刃先処理を−25°の角度で、幅0.15mmのチャンファー形状とし、切刃傾き角、横すくい角、前逃げ角、横逃げ角、前切刃角、横切刃角がそれぞれ、−5°、−5°、5°、5°、5°、−5°となるようにホルダーに取り付け、切削工具を作製した。
被削材硬度:HRC40
切削速度:V=200m/min
切り込み:d=0.2mm
送り速度:f=0.1mm/rev
クーラント:エマルジョン20倍希釈
工具寿命は、切削工具の逃げ面の最大摩耗量(VBmax)が0.2mmとなるまでの切削距離(km)によって評価した。最大摩耗量(VBmax)が0.2mm未満において欠損が生じた場合は、その欠損が生じるまでの切削距離によって評価することとした。なお、切削距離が長いほど、切削工具の耐摩耗性および耐欠損性が優れることを示している。
<試料186〜188>
試料186〜188は、以下の焼結体を準備して、試料140〜185と同様の条件で切削試験を行った。
試料187:β−SiAlON基セラミックス焼結体。
結果を表6および表7に示す。
試料140〜185の焼結体のうち、焼結体中の合成粒子の含有率が20体積%以上95体積%以下の焼結体は、従来例である試料186、187の焼結体よりも、切削試験において、切削距離が長く、切削工具の耐摩耗性および耐欠損性が優れていた。
(原料粒子の準備)
α−SiAlON(平均粒径3μm)とβ−SiAlON(平均粒径3μm)を、表8および表9の「充填量(g)」に記載のとおり準備した。超硬ボールによるボールミルにて解砕、分散混合して原料粒子を得た。
原料粒子中のSi、Al、OおよびNの合計質量に対する、Si、Al、O、Nのそれぞれの含有率(質量%)を高周波誘導結合プラズマ発光分析法(ICP分析)、および不活性ガス融解赤外線吸収法、不活性ガス融解熱伝導度法を用いて測定した。
(合成粒子の作製)
次に、原料粒子300gをヒートシンク、および圧力媒体としての銅粉と混合して、鋼製容器に充填し、爆薬の爆発による衝撃圧縮法により、40GPaの圧力および2000℃の温度で処理した。
合成粒子をCu−Kα線を用いたX線回折法で分析すると、γ−SiAlONに対応するX線回折線のピーク、α−SiAlONに対応するX線回折線のピーク、β−SiAlONに対応するX線回折線のピークが同定された。
(焼結体の作製)
得られた合成粒子と、下記(1)〜(12)の各種結合材、
(1) TiN:TiAl3:Al2O3:TiB2=77質量%:15質量%:5質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料189〜209で使用。
(2) TiCN:TiAl3:Al2O3:TiB2=77質量%:15質量%:5質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料210〜214で使用。
(3) TiZrCN:TiAl3:Al2O3:TiB2=77質量%:15質量%:5質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料215〜219で使用。
(4) TiCN:Al2O3:Ti2AlN:Y2O3=77質量%:15質量%:5質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料220〜222で使用。
(5) TiCN:Al2O3:Ti2AlN:CaO=77質量%:15質量%:5質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料223で使用。
(6) TiCN:Al2O3:Ti2AlN:FeSi=77質量%:15質量%:5質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料224で使用。
(7) TiCN:Al2O3:Ti2AlN:TiSi=77質量%:15質量%:5質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料225で使用。
(8) TiCN:Al2O3:Ti2AlN:AlN=77質量%:15質量%:5質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料226で使用。
(9) TiCN:Al2O3:Ti2AlN:cAlN(立方晶窒化アルミニウム)=77質量%:15質量%:5質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料227で使用。
(10) TiCN:Al2O3:Ti2AlN:hBN(六方晶窒化ホウ素)=77質量%:15質量%:5質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料228で使用。
(11) TiCN:Al2O3:Ti2AlN:cBN(立方晶窒化ホウ素)=77質量%:15質量%:5質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料229で使用。
(12) TiCN:Al2O3:Ti2AlN:AlN:cBN(立方晶窒化ホウ素)=77質量%:12質量%:5質量%:3質量%:3質量%の割合で含む混合粉末。試料230〜234で使用。
とを、表8および表9の「含有率(体積%)」に記載の割合で、エタノール溶媒を用いて分散混合して混合粉を得た。該混合粉をガードル型超高圧プレスを用いて、6GPaの圧力および表8および表9に記載の温度(800〜2000℃)条件下で120分間焼結し、焼結体を作製した。
得られた焼結体を切削に関与する部分に備える切削チップを作製した。このチップ形状は、ISO型番でCNGA120408に分類され、刃先処理を−25°の角度で、幅0.15mmのチャンファー形状とし、切刃傾き角、横すくい角、前逃げ角、横逃げ角、前切刃角、横切刃角がそれぞれ、−5°、−5°、5°、5°、5°、−5°となるようにホルダーに取り付け、切削工具を作製した。
被削材硬度:HRC40
切削速度:V=200m/min
切り込み:d=0.2mm
送り速度:f=0.1mm/rev
クーラント:エマルジョン20倍希釈
工具寿命は、切削工具の逃げ面の最大摩耗量(VBmax)が0.2mmとなるまでの切削距離(km)によって評価した。最大摩耗量(VBmax)が0.2mm未満において欠損が生じた場合は、その欠損が生じるまでの切削距離によって評価することとした。なお、切削距離が長いほど、切削工具の耐摩耗性および耐欠損性が優れることを示している。
試料235〜237は、以下の焼結体を準備して、試料189〜234と同様の条件で切削試験を行った。
試料236:β−SiAlON基セラミックス焼結体。
結果を表8および表9に示す。
試料189〜234の焼結体は、焼結体中の合成粒子の含有率が80体積%であり、結合材としてTiN、Al2O3、TiB2、TiCN、TiZrCN、TiAl3、Ti2AlN、Y2O3、CaO、FeSi、TiSi、AlN、cAlN、hBN、cBNの少なくともいずれかを用い、残部にTiN、Al2O3、TiB2、TiCN、TiZrCN、Y2O3、CaO、FeSi、TiSi、AlN、cAlN、hBN、cBNの少なくともいずれかを含む。これらの焼結体は、焼結工程を行っても焼結体を得られなかった試料195および試料223を除き、従来例である試料235、236の焼結体よりも、切削試験において、切削距離が長く、切削工具の耐摩耗性および耐欠損性が優れていた。
Claims (9)
- α相型SiAlONおよびβ相型SiAlONの少なくともいずれかと、γ相型SiAlONとを含むSiAlON基粒子であって、
前記SiAlON基粒子は、エタノール溶媒に超音波分散させた際の平均粒径が0.1μm以上100μm以下であり、
前記SiAlON基粒子は、前記SiAlON基粒子中のケイ素、アルミニウム、酸素、および窒素の合計質量に対して、ケイ素を18.68質量%以上59.33質量%以下、アルミニウムを0.96質量%以上38.72質量%以下、酸素を2.08質量%以上24.44質量%以下、および窒素を18.16質量%以上37.63質量%以下の範囲で含み、
X線回折法による前記α相型SiAlONの(201)面でのX線回折線のピーク強度Iα、X線回折法による前記β相型SiAlONの(101)面でのX線回折線のピーク強度Iβ、およびX線回折法による前記γ相型SiAlONの(400)面でのX線回折線のピーク強度Iγが、下記式(I)で表わされ、
0.09≦(Iα+Iβ)/(Iα+Iβ+Iγ)≦0.88 (I)
前記SiAlON基粒子は強靭化成分をさらに含み、
前記強靭化成分は、ホウ素、炭素、マグネシウム、カルシウム、イットリウム、鉄、ニッケル、コバルト、周期律表の第4a族元素、第5a族元素、第6a族元素、Si 3 N 4 、AlON、AlNおよびAl 2 O 3 の中から選ばれる少なくとも1種を含み、
前記Iα、前記Iβ、前記Iγ、およびX線回折法による前記強靭化成分の最強回折線のピーク強度Is(hkl)が、下記式(IV)で表わされる、SiAlON基粒子。
0.01≦Is(hkl)/(Iα+Iβ+Iγ)≦0.3 (IV) - 前記SiAlON基粒子は、前記SiAlON基粒子中のケイ素、アルミニウム、酸素、および窒素の合計質量に対して、ケイ素を34.71質量%以上58.29質量%以下、アルミニウムを1.93質量%以上23.83質量%以下、酸素を2.65質量%以上15.62質量%以下、および窒素を25.84質量%以上37.13質量%以下の範囲で含み、
前記Iα、前記Iβ、前記Iγが下記式(II)の関係で表わされる、請求項1に記載のSiAlON基粒子。
0.13≦(Iα+Iβ)/(Iα+Iβ+Iγ)≦0.82 (II) - 前記SiAlON基粒子は、前記SiAlON基粒子中のケイ素、アルミニウム、酸素、および窒素の合計質量に対して、ケイ素を45.02質量%以上57.26質量%以下、アルミニウムを2.89質量%以上14.61質量%以下、酸素を2.84質量%以上10.2質量%以下、および窒素を30.17質量%以上36.63質量%以下の範囲で含み、
前記Iα、前記Iβ、前記Iγが下記式(III)で表わされる、請求項1または2に記載のSiAlON基粒子。
0.18≦(Iα+Iβ)/(Iα+Iβ+Iγ)≦0.75 (III) - 前記Iα、前記Iβ、前記Iγ、および前記Is(hkl)が、下記式(V)で表わされる、請求項1〜3のいずれかに記載のSiAlON基粒子。
0.01≦Is(hkl)/(Iα+Iβ+Iγ)≦0.2 (V) - X線回折法による前記γ相型SiAlONの(400)面でのX線回折線の半値幅が、0.4°以上2.0°以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のSiAlON基粒子。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のSiAlON基粒子を20体積%以上95体積%以下含む、焼結体。
- 前記焼結体は、前記SiAlON基粒子および残部からなり、
前記残部はアルミニウム、ホウ素、ケイ素、鉄、ニッケル、コバルト、マグネシウム、カルシウム、イットリウム、ならびに周期律表の第4a族元素、第5a族元素および第6a族元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素およびホウ素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる少なくとも1種の化合物、ならびに前記化合物の固溶体よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、
請求項6に記載の焼結体。 - 前記残部は、AlNおよびBNの少なくとも1種を含む、請求項7に記載の焼結体。
- 請求項6〜8のいずれかに記載の焼結体を用いた工具。
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