JP2003127263A - 仮着積層体、及びその製造方法 - Google Patents

仮着積層体、及びその製造方法

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JP2003127263A
JP2003127263A JP2001328866A JP2001328866A JP2003127263A JP 2003127263 A JP2003127263 A JP 2003127263A JP 2001328866 A JP2001328866 A JP 2001328866A JP 2001328866 A JP2001328866 A JP 2001328866A JP 2003127263 A JP2003127263 A JP 2003127263A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離後の用紙が再利用でき、秘密保持が容易
で、再接着することのない仮着積層体、及びその製造方
法を提供することを目的とする。 【解決手段】 仮着層が、凝集破壊するようにバインダ
ーと脂肪族物質で形成した仮着積層体、及びウェットラ
ミネーション法により当該仮着積層体を製造する製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仮着積層体を構成
する1以上の積層シートが、剥離後において、再付着す
ることのない仮着積層体、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、配送伝票のような積層体にあって
は、配送伝票を被着体に貼着するに際し、配送伝票と被
着体とが剥離しないよう、感圧接着層には接着力の強い
感圧型接着剤が用いられていた。一方、保険等の年末調
整用証明葉書のように、感圧型接着剤を用いるが、その
接着力を調整して、剥離することができ、該剥離片を再
利用することができるようにしたものも存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通常の感圧型
接着剤を使用した配送伝票等は、配送伝票等を破壊する
ことなく剥離することは困難なことから、これを再利用
することはできなかった。一方、上記した葉書にあって
は、再利用することはできるものの、剥離片の剥離後
に、ローラー等で加圧すれば、再度、接着することか
ら、必ずしも秘密を保持することができるとはいえなか
った。従って、この発明は、剥離後の用紙が再利用で
き、秘密保持が容易で、再接着することのない仮着積層
体、及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意研究の結果、本発明に到達したものである。即ち、本
発明は、接着剤成分たるバインダーに脂肪族物質を配合
することにより、接着剤の分子凝集力を、基材や表面紙
との接着力より低下させうること、かかる配合物を接着
剤として用いることにより、接着剤層(仮着層)が凝集
破壊し、最早、再接着することはないことを見出したこ
とからなされたものである。
【0005】この発明の請求項1に記載の仮着積層体
は、基材上に、凝集破壊を生ずる仮着層を介し、1以上
の積層シートが積層された積層体であって、仮着層がバ
インダーと脂肪族物質を含有してなる層であることを特
徴とする、仮着積層体である。この発明の請求項2に記
載の仮着積層体は、バインダーが水系樹脂であることを
特徴とする、請求項1に記載の仮着積層体である。この
発明の請求項3に記載の仮着積層体は、水系樹脂がデン
プン系高分子、セルロース系高分子、蛋白質系高分子、
合成高分子、ラテックス系高分子化合物の1種以上から
なる樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2に記
載の仮着積層体である。この発明の請求項4に記載の仮
着積層体は、脂肪族物質が脂肪酸、脂肪族アルコール、
脂肪族炭化水素、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪
酸塩の1種以上であることを特徴とする、請求項1ない
し3のいずれかの請求項に記載の仮着積層体である。こ
の発明の請求項5に記載の仮着積層体は、仮着層の剥離
力が10g/50mm〜100g/50mmであること
を特徴とする、請求項1ないし請求項4に記載の仮着積
層体である。この発明の請求項6に記載の仮着積層体の
製造方法は、請求項1ないし5に記載の仮着積層体の製
造において、ウェットラミネーション法によることを特
徴とする、仮着積層体の製造方法である。この発明の請
求項7に記載の仮着積層体の製造方法は、請求項1ない
し5に記載の仮着積層体の製造において、浸透防止層を
設けることをを特徴とする、請求項6に記載の仮着積層
体の製造方法である。この発明の請求項8に記載の仮着
積層体の製造方法は、請求項1ないし5に記載の仮着積
層体の製造において、コート紙を用いることを特徴とす
る、請求項6に記載の仮着積層体の製造方法である。
【0006】
【作用】仮着積層体は、凝集破壊する仮着層が1以上存
在し、該仮着層に応力を加えれば、該仮着層において凝
集破壊が生じ、接着剤自身が破壊され、再接着すること
はない。
【0007】この発明の上述の目的、その他の目的、特
徴及び利点は、以下の発明の実施の形態の詳細な説明か
ら一層明らかになろう。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施の形態で
ある、仮着積層体の断面を表示したものである。図2
は、本発明の他の実施の形態である、仮着積層体の断面
を表示したものである。図3は、本発明の一実施の形態
である、仮着積層体が連続して形成されている状態を示
す斜視図である。図4は、本発明のさらなる他の実施の
形態である、仮着積層体が被着体に貼付された状態を示
す斜視図である。図5は、本発明のさらなる他の実施の
形態である、複数の仮着層を有する仮着積層体の正面図
である。
【0009】本発明の仮着積層体10は、仮着層14を
介して、1以上の積層シートが積層されたものであり、
配送伝票、確認票、カード、通知用葉書、証明用葉書、
商品ラベル、シール、抽選券、表示札、受領票等に用い
られる。
【0010】本発明である仮着積層体10は、その積層
体内に凝集破壊を生ずる仮着層14を有するものであ
る。凝集破壊を生ずる仮着層14を有する限り、仮着層
を除く仮着積層体中の積層シート12についての制限は
ない。また、仮着層14の数も制限はない。ここで、凝
集破壊とは接着剤による接合部、即ち、仮着層14を形
成する接着剤の分子凝集力(すなわち接着剤自体の強
度)が小さいため、接着剤の内部において生ずる破壊現
象をいい、凝集力が接着力より大きい場合に生ずる界面
破壊とは異なる。積層シート12は、上質紙、コート
紙、アート紙等の紙、ポリプロピレン等の合成樹脂から
なる合成紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート等の合成樹脂からなるフィルムやシ
ート等であるが、これらに限定するものではない。な
お、本明細書においては、積層シート12が2以上の場
合において、内部の積層シート12と区別するために、
積層シート12のうち、最上層の積層シート12を表面
紙121と記載することがある。また、積層シート12
が1のとき、その積層シート12を表面紙121と記載
することがある。表面紙121となる積層シート12
は、感熱記録紙、熱転写用紙、インクジェット用記録用
紙等の機能性を有する用紙であってもよい。表面紙12
1は、凸版印刷、凹版印刷、平板印刷等により印刷され
ているのが一般的であるが、積層シート12において
も、たとえば、通常の凸版印刷や凹版印刷、平板印刷等
により、印刷がなされていてもよい。更に、積層シート
12には、表面層、アンダーコート層、障壁層、浸透防
止層、保護層、保護膜等を設けてもよい。
【0011】仮着積層体10は、例えば、基材16、仮
着層14、表面紙121を順次積層してなる、仮着層が
1層の仮着積層体10であってもよい。また、基材1
6、仮着層14、積層シート12、仮着層14、表面紙
121を順次積層してなる、仮着層が2層である仮着積
層体10のように、複数の仮着層14が存在する仮着積
層体10であってもよい。また、一実施形態として図示
する図2のように、基材16の表面に仮着層14が、裏
面には粘着剤層18又は粘着剤層18を介してセパレー
タ20が設けられてなる、仮着積層体10であってもよ
い。
【0012】これらは、その用途により仮着積層体10
の構成が設定される。例えば、図3のごとく基材16上
に、仮着層14を介して、表面紙たる複数の商品説明カ
ード122を連続して形成しておけば、商品の包装体中
に該カードを入れるのに好都合である。包装体中に該カ
ードを挿入するにあたり、該カードを単に重ね合わせた
場合に比べ、カードを1枚ずつ取るのが容易で、該カー
ドを2枚以上商品に入れるという無駄もなくなる。即
ち、基材16と仮着層14との接着力、仮着層14と積
層シート(表面紙)12との接着力が、いずれも仮着層
14を形成する接着剤の凝集力よりも大きくなるように
設定され、その用途により積層構造が決定される。
【0013】仮着層14は、基材16や積層シート12
の全面に形成されていなくてもよい。この場合には、仮
着層14の一部を欠くため、仮着層14により仮着され
ていない部分が、積層シート12を剥離するための手が
かりとなり、剥離を容易に行うことができる。また、仮
着層積層体10にその幅方向において、その一端から他
端に亘って、ミシン目又は切れ目32をいれておいても
よい。この場合には、積層シート12を個々別々に剥離
することができる。例えば、図4に示すように、仮着積
層体10に切れ目32を入れておくと、ABCDEが記
載された部分の第1の表面紙121aと、abcdeが
記載された部分の第2の表面紙121bとを、個々別々
に、仮着層14を凝集破壊させて積層シート12を剥す
こともできる。
【0014】基材16として使用されるのは、上質紙、
コート紙、アート紙等の紙、ポリプロピレン等の合成樹
脂からなる合成紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレート等の合成樹脂からなるフィル
ムやシート等であるが、これらに限定するものではな
い。
【0015】仮着層14において凝集破壊が生ずるが、
かかる仮着層14は、主としてバインダーと脂肪族物質
から形成される。
【0016】バインダーとしては、アクリル系樹脂、ア
イノマー樹脂、イソブチレン/無水マレイン酸共重合樹
脂、アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂、アクリロ
ニトリル/スチレン/ブタジエン共重合樹脂、アクリロ
ニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合樹脂、
ブタジエン/スチレン/メチルメタクリレート共重合樹
脂、メチルメタクリレート/ブタジエン共重合樹脂、エ
チレン/塩化ビニル共重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル
共重合樹脂、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共
重合樹脂、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メ
タクリル酸共重合樹脂、スチレン/無水マレイン酸共重
合樹脂、スチレン/アクリル共重合樹脂、スチレン/ア
クリル/ブタジエン共重合樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、
塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、
酢酸ビニル樹脂、ブタジエン樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルア
ルコール樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン
樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、塩素化エチレンビニル
アルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリ
ブチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹
脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、スチレン・ブタジ
エンゴム、メタクリレート・ブタジエンゴム、ゼラチ
ン、カゼイン、デンプン及びその誘導体などが選択で
き、これらの単体か、または2種以上を混合したものを
用いてもよい。特に、好ましくは水系樹脂である。水系
樹脂は、乾燥後に凝集破壊が生じても再接着することは
なく、環境や人体に悪影響を与えるおそれのある有機溶
剤が含まれていないので、製造作業中や製品取扱中に、
これらの有機溶剤による悪影響を受けることがないから
である。ここで、水系樹脂とは水が分散媒になり得る樹
脂をいい、水に可溶な樹脂(水溶性高分子化合物)、水
とエマルジョンを形成しうる樹脂(ラテックス系高分子
化合物)が該当する。
【0017】水溶性高分子化合物としては、酸化デンプ
ン、酵素変性デンプン、熱化学変性デンプン、デキスト
リン、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシエチルス
ターチ、リン酸エステル化デンプン、ジアルデヒドデン
プン、カチオンデンプン等のデンプン系高分子化合物、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース等のセルロース系高分子化合物、ゼラチン、アルブ
ミン、大豆タンパク、合成タンパク、にかわ、カゼイン
等のタンパク質系高分子化合物、ポリビニルアルコール
等の合成高分子化合物等が該当する。ラテックス系高分
子化合物としては、スチレン・ブタジエン共重合体、メ
チルメタクリレート・ブタジエン共重合体、酢酸ビニル
系共重合体等が該当する。水系樹脂は、これらの1種以
上が用いられる。この水系樹脂に脂肪族物質を添加する
ことにより、比較的少ない添加量で凝集力を凝集破壊す
る程度に、低下させることができる。
【0018】脂肪族物質としては、脂肪酸、脂肪族アル
コール、脂肪族炭化水素、脂肪酸エステル、脂肪酸アミ
ド、脂肪酸塩等が該当し、常温で固体のものをいう。脂
肪酸は、いわゆる高級脂肪酸といわれるもので、一般に
RCOOH(Rは飽和または不飽和の炭化水素)であら
わされる化合物であり、たとえば、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等が
該当する。脂肪族アルコールとしては、いわゆる、高級
アルコールといわれるもので、一般にROH(Rは飽和
または不飽和の炭化水素)であらわされる化合物であ
る。たとえば、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、オレインアルコール、オクチルアルコール、デシル
アルコール、ラウリルアルコール等が該当する。脂肪族
炭化水素は、脂肪族化合物に属する炭化水素をいい、た
とえば、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワック
ス、天然パラフィン、合成パラフィン、ポリオレフィン
ワックス等が該当する。脂肪酸エステルとしては、一価
アルコールと高級脂肪酸のエステル、多価アルコールと
高級脂肪酸の(部分)エステル等があり、たとえば、ス
テアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ブチル、ミ
リスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸ステアリル、ベヘ
ニン酸ベヘニル、フタル酸ジステアリル、ソルビタンモ
ノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビ
タントリステアレート等が該当する。脂肪酸アミドは高
級脂肪酸のアミドおよびビスアミドであり、たとえば、
N,N´−エチレンビス(ステアロアミド)、オレイン
酸アミド、ステアリン酸アミド、N,N´−メチレンビ
ス(ステアロアミド)、メチロールステアロアミド等が
該当する。脂肪酸塩としては、高級脂肪酸のバリウム、
カルシウム等の金属塩であり、たとえば、ステアリン酸
バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウム等、またはこれらの複合体、たとえば、ステアリン
酸亜鉛とステアリン酸バリウムの複合体が該当する。
【0019】仮着層14にはバインダー、脂肪族系物質
以外に、分散剤、消泡剤、レベリング剤等の添加剤が含
有されていてもよい。
【0020】接着剤が示す剥離力は、好ましくは10g
/50mm〜100g/50mmであり、より好ましく
は20g/50mm〜70g/50mmである。10g
/50mm以下であれば、意図せざるような小さな応力
で仮着層14が破壊する恐れがあり、100g/50m
m以上では、仮着層14を凝集破壊させて積層シート1
2を剥しとるのに、相当に大きい力を加えなければなら
ず、このため仮着層14以外の部分も破壊する恐れがあ
る。ここで、剥離力はJIS K 6854に規定され
るT型剥離による剥離接着強さの試験方法に準じた方法
で測定した場合での剥離力をいう。即ち、引張試験装置
(東洋ボールドウィン製 UTM−III−100)を用
い、試験片幅50mm、剥離速度300mm/minに
てT型剥離をさせたときの剥離力である。
【0021】基材14の他の片面に形成された粘着剤層
18は、他物に対し貼着するための粘着力を仮着積層体
10に与えるためのものであり、たとえば、アクリル系
共重合樹脂、ゴム系粘着剤等の公知の粘着剤等が用いら
れる。なお、セパレータ20も、例えば、ポリエチレン
・ラミネートタイプ、グラシンタイプ、スーパーカレン
ダードタイプ、クレーコートタイプ、水系樹脂コートタ
イプ、フィルムタイプ等の公知のセパレータが用いられ
る。
【0022】仮着積層体10の仮着層14は、ウェット
ラミネーション法により作製されるのが好ましい。ウェ
ットラミネーション法にあっては、ラミネート加工がし
やすく、加工コストが安い等による。更に、バインダー
として水系樹脂を用いれば、有機溶剤が含まれていない
ので、発火の恐れも回避できる等、有機溶剤による悪影
響を受けることがない。ウェットラミネーション法にお
いては、ラミネート後、分散媒を蒸散させる必要のある
ことから、基材16及び積層シート12の両者、又は、
基材16或いは積層シート12の一方が多孔性であるこ
とを要する。基材16又は積層シート12の一方に接着
剤を塗布し、基材16と積層シート12とをラミネート
するまでに、接着剤が乾燥すると、最早、接着力を有さ
なくなるため、積層シート12をラミネートする時点に
おいて、接着剤は湿潤状態にあることを要する。仮着層
14を形成するにあたり、ウェットラミネーション法に
あっては、まず、基材16又は積層シート12の一方
に、仮着層14となる接着剤を塗布する。次いで、吸水
性を有する積層シート12又は吸水性を有する基材16
を接着剤が湿潤状態にあるうちに、接着剤上にラミネー
トする。ラミネートすることにより、上記吸水性を有す
る積層シート12又は吸水性を有する基材16に分散媒
が吸収・蒸散され、接着剤が乾燥し、仮着層14とな
る。接着剤を塗布する場合、塗布される基材16又は積
層シート12に分散媒の浸透防止層を設け(図1には記
載せず)、吸水性を有する積層シート12又は吸水性を
有する基材16をラミネートする前に、接着剤の分散媒
が基材16又は積層シート12に吸水されることを防ぐ
という方法を用いることもでき、湿潤状態を保持するう
えにおいて好ましい。例えば、アクリル樹脂エマルジョ
ンを塗布して浸透防止層を形成した後、仮着層14を形
成する接着剤を塗布し、湿潤状態において、ラミネート
するのが好ましい。また、アート紙等の表面コート紙を
基材16又は積層シート12に用いて、これに接着剤を
塗布する場合には、表面コート材が分散媒の浸透防止機
能を有するため、浸透防止層を設ける必要はない。従っ
て、加工コストの低減等を図ることができる。なお、仮
着層14の形成は、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グ
ラビア印刷等によりなされるが、仮着層14の形成は基
材16又は積層シート12の全面のみでなく、基材14
又は積層シート12の一部に仮着層14が形成されてい
てもよい。仮着層14を形成する接着剤量は乾燥重量で
3g/m以上が好ましい。これより少ないと接着力が
問題となる恐れがある。なお、接着剤量は1回の塗工で
付与できる量が好ましく、例えば、乾燥重量で200g
/mである。
【0023】上記において、基材16又は積層シート1
2の一方に接着剤を塗布し、仮着層14を形成する方法
につき説明したが、別の製造方法として基材16及び積
層シート12の両方に接着剤を塗布し、基材16と積層
シート12とをラミネートする方法もある。
【0024】また、仮着層14が複数存在する仮着積層
体10にあっては、順次、上記記載のように接着剤を塗
布し、仮着積層体10上に、更に仮着層14を介し積層
シート12を積層することにより、複数の仮着層14を
有する仮着積層体10が形成される。複数の仮着層14
を有する仮着積層体10にあっては、より上層の仮着層
14の凝集力を、より下層の仮着層14より小さくする
ことは、上層から順に積層シート14を剥離することが
できるので、好ましい構成である。一方、粘着剤層18
を有し、複数の仮着層14を有する仮着積層体10にあ
っては、基材16に最も近い仮着層14の凝集力を最小
とし、該仮着層14より上層の仮着層14を、上記に記
載した構成とすることは、仮着積層体10を剥離後、積
層シート12を順次剥離することができるので、上記と
は異なる好ましい構成である。
【0025】ところで、浸透防止層、保護層、表面層等
を形成するバインダーとしては、アクリル系樹脂、アイ
ノマー樹脂、イソブチレン/無水マレイン酸共重合樹
脂、アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂、アクリロ
ニトリル/スチレン/ブタジエン共重合樹脂、アクリロ
ニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合樹脂、
ブタジエン/スチレン/メチルメタクリレート共重合樹
脂、メチルメタクリレート/ブタジエン共重合樹脂、エ
チレン/塩化ビニル共重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル
共重合樹脂、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共
重合樹脂、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メ
タクリル酸共重合樹脂、スチレン/無水マレイン酸共重
合樹脂、スチレン/アクリル共重合樹脂、スチレン/ア
クリル/ブタジエン共重合樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、
塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、
酢酸ビニル樹脂、ブタジエン樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルア
ルコール樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン
樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、塩素化エチレンビニル
アルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリ
ブチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹
脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、スチレン・ブタジ
エンゴム、メタクリレート・ブタジエンゴム、ゼラチ
ン、カゼイン、デンプン及びその誘導体などが選択で
き、これらの単体か、または2種以上を混合したものを
用いてもよい。
【0026】以下において、例示により、本発明をより
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0027】
【例】バインダーとして日本NSC社製デンプン系高分
子水溶液(8V9090A)を、脂肪族物質として日本
NSC社製脂肪酸エマルジョン(8V9090B)を用
い、表1に示す接着剤を作製した。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示す接着剤を、積層シートたる7
9.6g/mの両面コート紙に、乾燥重量で10g/
塗布し、湿潤状態において、基材たる67.0g
/mの上質紙をラミネートし、仮着積層体を作製し
た。
【0030】この仮着積層体の剥離力を測定した結果、
及び、仮着積層体の性能を表2に示す。なお、仮着積層
体の性能は、○、△、▲、×で評価した。 ○:仮着層において凝集破壊が生じ、剥離後の再接着は
生じなかった。 △:仮着層において凝集破壊が生じ、剥離後の再接着は
生じなかったが、小さな力で凝集破壊が生じる恐れがあ
る。 ▲:仮着層において凝集破壊が生じ、再接着は生じなか
ったが、剥離のために大きな力を要し、仮着層以外の部
分が破壊する恐れがある。 ×:仮着層が凝集破壊せず、仮着層以外の部分が破壊し
た。
【0031】
【表2】
【0032】表2より明らかなように、剥離後の再接着
が生じない仮着積層体が得られた。
【0033】
【発明の効果】剥離後の用紙が再利用でき、秘密保持が
容易な、再接着することのない、仮着積層体、及びその
製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である、仮着積層体の断
面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態である、仮着積層体の
断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である、仮着積層体が連
続して形成されている状態を示す斜視図である。
【図4】本発明のさらなる他の実施の形態である、仮着
積層体が被着体に貼付された状態を示す斜視図である。
【図5】本発明のさらなる他の実施の形態である、複数
の仮着層を有する仮着積層体の正面図である。
【符号の説明】
10 仮着積層体 12 積層シート 121 表面紙 121a 第1の表面紙 121b 第2の表面紙 122 商品説明ラベル 14 仮着層 16 基材 18 粘着剤層 20 セパレータ 22 被着体 30 他の仮着積層体 32 切れ目又はミシン目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AH01B AJ04B AJ07B AJ09B AK01B AL05B AR00E AS00B AT00A AT00C AT00D AT00E BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10D BA10E DG10E EC18 EC182 GB90 JB05B JD01E JK06B JL14 JL14B JM01B JM02E YY00B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、凝集破壊を生ずる仮着層を介
    し、1以上の積層シートが積層された積層体であって、
    仮着層がバインダーと脂肪族物質を含有してなる層であ
    ることを特徴とする、仮着積層体。
  2. 【請求項2】 バインダーが水系樹脂であることを特徴
    とする、請求項1に記載の仮着積層体。
  3. 【請求項3】 水系樹脂がデンプン系高分子、セルロー
    ス系高分子、蛋白質系高分子、合成高分子、ラテックス
    系高分子化合物の1種以上からなる樹脂であることを特
    徴とする、請求項1又は2に記載の仮着積層体。
  4. 【請求項4】 脂肪族物質が脂肪酸、脂肪族アルコー
    ル、脂肪族炭化水素、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、
    脂肪酸塩の1種以上であることを特徴とする、請求項1
    ないし3のいずれかの請求項に記載の仮着積層体。
  5. 【請求項5】 仮着層の剥離力が10g/50mm〜1
    00g/50mmであることを特徴とする、請求項1な
    いし請求項4に記載の仮着積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5に記載の仮着積層体の
    製造において、ウェットラミネーション法によることを
    特徴とする、仮着積層体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5に記載の仮着積層体の
    製造において、浸透防止層を設けることをを特徴とす
    る、請求項6に記載の仮着積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5に記載の仮着積層体の
    製造において、コート紙を用いることを特徴とする、請
    求項6に記載の仮着積層体の製造方法。
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