JP2004042293A - 感熱接着シートおよび情報記録体 - Google Patents
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Abstract
【課題】情報記載面を表出させた際、感熱接着シートの基材を通して情報を綺麗に視認できるとともに、基材が貼着されたままの情報記録紙を任意の方向に簡単に引き裂くことができて廃棄が容易な感熱接着シートを提供する。
【解決手段】複数の微細孔11aが形成された易裂性の透明フィルム基材11の両面にそれぞれ剥離強度の異なる感熱接着剤層12a,12bを有することを特徴とする感熱接着シート。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の微細孔11aが形成された易裂性の透明フィルム基材11の両面にそれぞれ剥離強度の異なる感熱接着剤層12a,12bを有することを特徴とする感熱接着シート。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、易裂性の透明フィルム基材を用いた感熱接着シート及びそれを用いた情報記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、クレジット、預貯金、電信電話・電気・水道・ガス等の各種請求書、支払い通知票、受領書等の個人のプライバシーに関わる情報の郵送が感熱接着葉書で行われている。
【0003】
このような個人情報が記録された葉書は、受取人がこれを見終わった後、情報隠蔽の為、細かく引裂き、破棄できることが望ましい。
【0004】
感熱接着葉書に用いられ、引裂き破棄の可能な感熱接着シートが特開平5−64995号公報に開示されている。この感熱接着シートは、3つ折りタイプの情報記録体における宛先記入面の裏面と情報記録面の裏面との間に挿入されて感熱接着され、この宛先記入面の裏面と情報記録面の裏面との間を見開きできないように接着するものである。
【0005】
上記公報には、感熱接着シートの支持体(基材)の具体例として、上質紙等の紙、トリアセテートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、メチルペンテンコーポリマーフィルム、防湿セロファン等の単体フィルム或いは一軸延伸フィルム若しくはナーリング処理若しくはサンドマット処理により粗面化して成るフィルム等が挙げられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記支持体材料として挙げられているプラスチックフィルムは、ノッチ等の傷がなければ簡単には手で引裂くことができない。また、一軸延伸処理を施したフィルムでは、引き裂き方向が限定されて破棄が煩わしいという問題がある。また、サンドマット処理等による粗面化においては、良好な引裂き性を得ようとすると白濁等の大きなダメージをフィルムに与えてしまうという問題がある。
【0007】
また、特開平5−64995号公報に記載の感熱接着シートは、接着面同士を見開きできないように接着するものであり、開封後にこれを通して記録情報を読み取るといったことがないため、支持体自体に高い透明性は要求されない。
【0008】
一方、接着面同士を見開き可能な易剥離性の感熱接着シートとし、情報記録紙上に貼着されたままの支持体(基材)を通して記録情報を読み取り可能にする場合には、引裂き性のみならず、高い透明性が要求される。
【0009】
しかしながら、特開平5−64995号公報の感熱接着シートの支持体材料として挙げられている上質紙等の紙は、引裂き性には非常に優れているものの、透明性が無く上記のような使用目的で使用することはできない。また、サンドマット処理等により粗面化して成るプラスチックフィルムでは、引裂き性を重視すると透明性が犠牲にされ、情報が見えにくくなるいう問題がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、情報記載面を表出させた際、感熱接着シートの支持体(基材)を通して情報を綺麗に視認できるとともに、基材が貼着されたままの情報記録紙等の紙片を任意の方向に簡単に引き裂くことができて廃棄が容易な感熱接着シート、及びこの感熱接着シートを用いた情報記録体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、高い透明性を持ちながら引裂き性にも優れる感熱接着シートを実現すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成を有する本発明に至った。
【0012】
即ち、本発明は、複数の微細孔が形成された易裂性の透明フィルム基材の両面にそれぞれ剥離強度の異なる感熱接着剤層を有することを特徴とする感熱接着シートである。
【0013】
また、前記透明フィルム基材は、孔径0.1μm乃至100μmの微細孔が1000個/cm2以上の密度で形成されていることを特徴とする感熱接着シートである。
【0014】
さらに、前記透明フィルム基材は、全光線透過率が85%以上、ヘーズ(曇価)が5.0以下であることを特徴とする感熱接着シートである。
【0015】
そしてまた、上記本発明の感熱接着シートの感熱接着剤層上に記録材の情報記録面を接着し、前記透明フィルム基材との剥離強度が小さい側の感熱接着剤層と該透明フィルム基材の界面で剥離されるように構成したことを特徴とする情報記録体である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の感熱接着シートの一構成例を示す断面模式図であり、図2は図1の感熱接着シートを用いた本発明の情報記録体(感熱接着葉書)の断面模式図である。
【0017】
図1の感熱接着シート10は、フィルム基材11の両面に感熱接着剤層12a,12bを有する。また、図2の情報記録体20は、記録材21の情報記録面を、図1の感熱接着シート10の感熱接着剤層12a,12bに感熱接着して一体化せしめたものである。
【0018】
本発明で用いるフィルム基材11としては、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム等の公知の透明な合成樹脂フィルムの中から適宜選択して使用することができるが、特には安価で透明性に優れる二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、低温接着性に優れるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が好適である。
【0019】
フィルム基材11には、複数の微細孔11aが形成されて引裂き性(易裂性)が付与されている。この微細孔11aは貫通孔であっても未貫通孔であってもよく、それらが混在したものであってもかまわない。
【0020】
微細孔11aの孔径は0.1μm〜100μmが好ましく、より好ましくは0.5μm〜90μm、特に好ましくは5μm〜80μmである。孔径が0.1μm未満のものでは易裂性を付与することが難しくなり、100μmを超えると孔が肉眼で観察できるようになり外観が悪くなるとともに透明性も低下する。
【0021】
また、微細孔11aの数(密度)は孔径によって異なるが、前記した孔径範囲では1000個/cm2以上が好ましく、より好ましくは2000個/cm2以上である。1000個/cm2未満では、本発明の目的とする十分な易裂性を付与することが難しい。一方、微細孔11aの数(密度)の上限については特に限定はないが、フィルム基材の強度低下による不具合を避けるためには20000個/cm2以下とするのがよい。
【0022】
フィルム基材の厚さは、易裂性を付与する観点から10μm以上の厚さを有することが好ましい。なお、上限厚さは特に制限されないが、コストの面から30μm以下にすることが好ましい。
【0023】
以上のような微細孔11aを形成して易裂性が付与されたフィルム基材11は、微細孔が引裂きの起点として作用して引き裂かれ、さらに隣接する他の微細孔が順次引裂き点として作用する。その結果、フィルム基材11は任意の箇所から任意の方向に容易に引き裂くことができる。
【0024】
また、上記孔径および密度の微細孔11aを形成することにより、フィルム自体の透明性を損なうことなく易裂性を付与することができる。
【0025】
易裂性が付与されたフィルム基材11は、透明性に関し、全光線透過率が85%以上、ヘーズ(曇価)が5.0以下であれば特に好ましい。これにより、詳しくは後述するが、図2のような情報記録体の記録材21の情報記録面を表出させた際、記録材21上に貼着されたままのフィルム基材11を通して記録材21上の記録情報を極めて鮮明に視認することができる。尚、フィルム基材11の全光線透過率およびヘーズは、JIS K 7105に準拠した測定法による。
【0026】
本発明の感熱接着シートは、上記のように高い透明性を有し且つ易裂性が付与されたフィルム基材11の両面にそれぞれ剥離強度(界面接着強度)の異なる感熱接着剤層12a,12bを有する。
【0027】
フィルム基材11の両面にそれぞれ剥離強度(界面接着強度)の異なる感熱接着剤層を形成する方法は特に限定されるものではなく、例えば以下のような方法を用いることができる。
【0028】
(1)フィルム基材11の片面に表面張力(表面自由エネルギー)を上げるための表面処理を施す。
具体的には、コロナ放電処理、フレーム処理、プライマー処理(コーティングあるいは化学エッチング)、プラズマ処理、遠紫外線照射処理等である。このような表面処理を施した面は、非処理面に比べ感熱接着剤層との剥離強度(界面接着強度)が高まり、フィルム基材11の両面に形成された感熱接着剤層はそれぞれ剥離強度の異なるものとなる。
【0029】
(2)フィルム基材の両面に異なる材料の感熱接着剤層を形成する。
具体的には、例えば強剥離強度を持たせる面にディレードタック型接着剤を用い、易剥離性を持たせる他方の面には熱可塑性樹脂層を形成したり、若しくはヒートシール型接着剤を用いることができる。
上記のディレードタック型接着剤は、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン/アクリル共重合系樹脂、スチレン/ブタジエン共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂などの分散液に、1種あるいは数種の結晶性(固体)可塑剤、粘着付与剤等を含有せしめたものである。
また、上記の熱可塑性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック、それらの混合物、エチレンとのランダム共重合体又はブロック共重合体等のポリプロピレン;その他ポリ−3−メチルペンテン−1、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エバール、エチレン酢酸ビニル共重合体等を単独或は混合して使用できる。
ヒートシール型接着剤は、例えばポリオレフィン樹脂、ポリエステル、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂)、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、などの有機溶剤溶液、あるいは水分散溶液などの形で用いられる。特に、EVA、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂等の水系感熱性粘着剤とポリエチレンワックス水分散物と水分散型ポリエステル樹脂を含有してなる水系感熱エマルジョン樹脂が好適に用いられる。
【0030】
尚、感熱接着剤層12a,12bは本発明の目的より十分な透明性を有する必要があり、その厚みは10〜100μm程度が好ましい。
【0031】
本発明において、フィルム基材11と易剥離性を持たせる側の感熱接着剤層との90度剥離強度は5〜15g/25mm、他方の90度剥離強度は100g/25mm以上となるようにするのが好ましい。本明細書で言う「90度剥離強度」とは、JIS K6854−1「接着剤のはく離接着強さ試験方法 第1部:90度はく離」に準拠し、20℃、65%RHの環境下、剥離速度300mm/分の条件で測定される剥離強度である。
【0032】
以上のようにして構成される本発明の感熱接着シートは、感熱接着剤層12a,12bと記録材21との剥離強度がフィルム基材11と易剥離性を持たせた感熱接着剤層、例えば感熱接着剤層12aとの90度剥離強度よりも十分大きくなるように加熱接着して貼り合わせることにより、記録材21をフィルム基材11と感熱接着剤層12aとの界面で剥離して見開くことができる。このため、記録材21に記載された情報(文字)部分が剥がれ落ちたりすることが無く、確実に情報(文字)を読むことができる。また、フィルム基材11は十分に高い透明性を有するため、記録材上に貼着されたままのフィルム基材11を通して記録材上の記録情報を極めて鮮明に視認することができる。さらに、フィルム基材11は微細孔11aの形成によって易裂性が付与されているため、フィルム基材11が貼着されたままの記録材を簡単に手で引き裂くことができる。
【0033】
また、複数の微細孔11aの形成による引き裂き性は、引き裂き方向が制限されない。これにより、フィルム基材11が貼着されたままの記録材を手で任意の方向に簡単に引き裂くことが可能になり、例えば感熱接着葉書にクーポン券や往復葉書等が印刷されている場合、その部分を容易に手で切り取ることができる。
【0034】
尚、本発明の情報記録体20に使用する記録材21は、通常の葉書や便箋等に使用する紙やコンピューター用記録材等の公知の材料の中から適宜選択して使用することができる。
【0035】
図3は本発明の感熱接着シートの別の構成例を示す断面模式図であり、図4は図3の感熱接着シートを用いた本発明の情報記録体の断面模式図である。
【0036】
図3の感熱接着シート30は、微細孔31aが形成されて易裂性が付与されたフィルム基材31の一方の面に熱可塑性樹脂層33及び感熱接着剤層32aを有し、他方の面に感熱接着剤層32bを有するものである。また、図4の情報記録体40は、情報記録面を有する記録材41a,41bの該情報記録面を、図3の感熱接着シート30の両面に感熱接着して一体化せしめたものである。尚、フィルム基材31には前述のフィルム基材11と同様のものを用いることができる。
【0037】
この感熱接着シート30は、易剥離性を持たせる側の感熱接着剤層を熱可塑性樹脂層33及び感熱接着剤層32aの2層構成としている。
【0038】
熱可塑性樹脂層33は前述したような熱可塑性樹脂を用いることができ、フィルム基材31上に例えば溶融押出しして形成される。このため、フィルム基材31と熱可塑性樹脂層33との界面における接着は、単に溶融時の濡れ接触後の固着によるものに過ぎず、容易に剥離できる程度の剥離強度に簡単に調整することができる。
【0039】
このような感熱接着シート30は、感熱接着剤層32a,32bと記録材41a,41bとの剥離強度がフィルム基材11と易剥離性を持たせた熱可塑性樹脂層33との剥離強度よりも十分大きくなるように加熱接着して貼り合わせることにより、記録材41aをフィルム基材31と熱可塑性樹脂層33との界面で剥離することができる。そして、フィルム基材31は十分に高い透明性を有するため、記録材41b上に貼着されたままのフィルム基材31を通して記録材41b上の記録情報を極めて鮮明に視認することができる。さらに、フィルム基材31は微細孔31aの形成によって易裂性が付与されているため、フィルム基材31が貼着されたままの記録材41bを任意の方向に簡単に引き裂くことができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)
図1に示した感熱接着シートを作製し、この感熱接着シートを用いて図2に示したような情報記録体(感熱接着葉書)を作製した。
【0042】
厚さ12μmのPETフィルムに多数の微細孔11aを形成したフィルム基材11を用意した。この微細孔11aは、孔径が0.1μm乃至100μmのものが約2500個/cm2の密度で形成されており、全光線透過率Tt=90.2%、ヘーズH=4.5、である。
【0043】
このフィルム基材11の片面に、EVA/ポリエステル/ポリエチレンワックス=8重量部/12重量部/1部、の配合比で調製した水系感熱エマルジョン樹脂を塗布し(塗布量=10g/m2)、感熱接着剤層12aとした。また、フィルム基材11のもう一方の面には、ディレードタック粘着剤「エコブリットTM−100」(ダイセル化成(株)製)を塗布し(塗布量=10g/m2)、感熱接着剤層12bとした。
【0044】
以上のようにして得られた感熱接着シートの感熱接着剤層12a,12bに、図5に示すような絵柄(クーポン券)及び不図示の文字情報を印刷した秤量120.5g/m2の記録材(上質コート紙)21の情報記録面を80℃でヒートシールして、情報記録体(感熱接着葉書)20を得た。
【0045】
本実施例で得られた感熱接着シートの感熱接着剤層12a,12bとフィルム基材11との90度剥離強度を測定した結果、感熱接着剤層12aは10g/25mm、感熱接着剤層12bは120g/25mmであった。また、記録材21と感熱接着剤層12a,12bとの90度剥離強度を測定したところ、いずれも100g/25mm以上であった。
【0046】
上記の如く作製した感熱接着葉書はフィルム基材11と感熱接着剤層12aとの間で容易に剥がすことができ、フィルム基材を通して記録材21上の文字を極めて鮮明に視認することができた。また、フィルム基材が貼着されたままの記録材を任意の方向に手で簡単に引き裂くことができ、ほぼ絵柄(クーポン券)通りの引き裂きが可能であった。
【0047】
(比較例1)
フィルム基材として微細孔を形成していない厚さ12μmのPETフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に感熱接着シートを作製し、この感熱接着シートを用いて情報記録体(感熱接着葉書)を作製した。
【0048】
本比較例で得られた感熱接着葉書においてもフィルム基材11と感熱接着剤層12aとの間で容易に剥がすことができ、フィルム基材を通して記録材上の文字を極めて鮮明に視認することができた。しかしながら、フィルム基材が貼着されたままの記録材は手で引き裂くことは難しく、図5に示した絵柄(クーポン券)通りの引き裂きは不可能であった。
【0049】
(比較例2)
フィルム基材としてナーリング処理を施した厚さ12μmのPETフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に感熱接着シートを作製し、この感熱接着シートを用いて情報記録体(感熱接着葉書)を作製した。尚、このフィルム基材の全光線透過率Tt=89.9%、ヘーズH=5.7、であった。
【0050】
本比較例で得られた感熱接着葉書においてもフィルム基材11と感熱接着剤層12aとの間で容易に剥がすことができ、フィルム基材を通して記録材上の文字を視認することができた。しかしながら、フィルム基材が貼着されたままの記録材は手で引き裂くことは難しく、図5に示した絵柄(クーポン券)通りの引き裂きは不可能であった。
【0051】
(比較例3)
フィルム基材としてサンドマット処理を施した厚さ75μmのPETフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に感熱接着シートを作製し、この感熱接着シートを用いて情報記録体(感熱接着葉書)を作製した。尚、このフィルム基材の全光線透過率Tt=86.8%、ヘーズH=77.2、であった。
【0052】
本比較例で得られた感熱接着葉書においてもフィルム基材11と感熱接着剤層12aとの間で容易に剥がすことができた。しかしながら、フィルム基材の透明性が低いため記録材上の文字は不鮮明であった。また、フィルム基材が貼着されたままの記録材は手で引き裂くことはできたものの、図5に示した絵柄(クーポン券)通りには引き裂くことはできなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、高い透明性を持ちながら引裂き性にも優れる感熱接着シートを実現でき、例えば感熱接着葉書等の情報記録体に用いることにより、情報記載面を表出させた際、フィルム基材を通して情報を綺麗に視認できるとともに、フィルム基材が貼着されたままの情報記録紙等の紙片を任意の方向に簡単に引き裂くことができて廃棄が容易な情報記録体が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱接着シートの一構成例を示す断面図である。
【図2】図1の感熱接着シートを用いた情報記録体の断面図である。
【図3】本発明の感熱接着シートの別の構成例を示す断面図である。
【図4】図3の感熱接着シートを用いた情報記録体の断面図である。
【図5】情報記録紙の一例を示す図である。
【符号の説明】
10、30 感熱接着シート
11、31 フィルム基材
11a、31a 微細孔
12a、12b、32a、32b、 感熱接着剤層
20、40 情報記録体
21、41a,41b 記録材
33 熱可塑性樹脂層
【発明の属する技術分野】
本発明は、易裂性の透明フィルム基材を用いた感熱接着シート及びそれを用いた情報記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、クレジット、預貯金、電信電話・電気・水道・ガス等の各種請求書、支払い通知票、受領書等の個人のプライバシーに関わる情報の郵送が感熱接着葉書で行われている。
【0003】
このような個人情報が記録された葉書は、受取人がこれを見終わった後、情報隠蔽の為、細かく引裂き、破棄できることが望ましい。
【0004】
感熱接着葉書に用いられ、引裂き破棄の可能な感熱接着シートが特開平5−64995号公報に開示されている。この感熱接着シートは、3つ折りタイプの情報記録体における宛先記入面の裏面と情報記録面の裏面との間に挿入されて感熱接着され、この宛先記入面の裏面と情報記録面の裏面との間を見開きできないように接着するものである。
【0005】
上記公報には、感熱接着シートの支持体(基材)の具体例として、上質紙等の紙、トリアセテートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、メチルペンテンコーポリマーフィルム、防湿セロファン等の単体フィルム或いは一軸延伸フィルム若しくはナーリング処理若しくはサンドマット処理により粗面化して成るフィルム等が挙げられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記支持体材料として挙げられているプラスチックフィルムは、ノッチ等の傷がなければ簡単には手で引裂くことができない。また、一軸延伸処理を施したフィルムでは、引き裂き方向が限定されて破棄が煩わしいという問題がある。また、サンドマット処理等による粗面化においては、良好な引裂き性を得ようとすると白濁等の大きなダメージをフィルムに与えてしまうという問題がある。
【0007】
また、特開平5−64995号公報に記載の感熱接着シートは、接着面同士を見開きできないように接着するものであり、開封後にこれを通して記録情報を読み取るといったことがないため、支持体自体に高い透明性は要求されない。
【0008】
一方、接着面同士を見開き可能な易剥離性の感熱接着シートとし、情報記録紙上に貼着されたままの支持体(基材)を通して記録情報を読み取り可能にする場合には、引裂き性のみならず、高い透明性が要求される。
【0009】
しかしながら、特開平5−64995号公報の感熱接着シートの支持体材料として挙げられている上質紙等の紙は、引裂き性には非常に優れているものの、透明性が無く上記のような使用目的で使用することはできない。また、サンドマット処理等により粗面化して成るプラスチックフィルムでは、引裂き性を重視すると透明性が犠牲にされ、情報が見えにくくなるいう問題がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、情報記載面を表出させた際、感熱接着シートの支持体(基材)を通して情報を綺麗に視認できるとともに、基材が貼着されたままの情報記録紙等の紙片を任意の方向に簡単に引き裂くことができて廃棄が容易な感熱接着シート、及びこの感熱接着シートを用いた情報記録体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、高い透明性を持ちながら引裂き性にも優れる感熱接着シートを実現すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成を有する本発明に至った。
【0012】
即ち、本発明は、複数の微細孔が形成された易裂性の透明フィルム基材の両面にそれぞれ剥離強度の異なる感熱接着剤層を有することを特徴とする感熱接着シートである。
【0013】
また、前記透明フィルム基材は、孔径0.1μm乃至100μmの微細孔が1000個/cm2以上の密度で形成されていることを特徴とする感熱接着シートである。
【0014】
さらに、前記透明フィルム基材は、全光線透過率が85%以上、ヘーズ(曇価)が5.0以下であることを特徴とする感熱接着シートである。
【0015】
そしてまた、上記本発明の感熱接着シートの感熱接着剤層上に記録材の情報記録面を接着し、前記透明フィルム基材との剥離強度が小さい側の感熱接着剤層と該透明フィルム基材の界面で剥離されるように構成したことを特徴とする情報記録体である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の感熱接着シートの一構成例を示す断面模式図であり、図2は図1の感熱接着シートを用いた本発明の情報記録体(感熱接着葉書)の断面模式図である。
【0017】
図1の感熱接着シート10は、フィルム基材11の両面に感熱接着剤層12a,12bを有する。また、図2の情報記録体20は、記録材21の情報記録面を、図1の感熱接着シート10の感熱接着剤層12a,12bに感熱接着して一体化せしめたものである。
【0018】
本発明で用いるフィルム基材11としては、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム等の公知の透明な合成樹脂フィルムの中から適宜選択して使用することができるが、特には安価で透明性に優れる二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、低温接着性に優れるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が好適である。
【0019】
フィルム基材11には、複数の微細孔11aが形成されて引裂き性(易裂性)が付与されている。この微細孔11aは貫通孔であっても未貫通孔であってもよく、それらが混在したものであってもかまわない。
【0020】
微細孔11aの孔径は0.1μm〜100μmが好ましく、より好ましくは0.5μm〜90μm、特に好ましくは5μm〜80μmである。孔径が0.1μm未満のものでは易裂性を付与することが難しくなり、100μmを超えると孔が肉眼で観察できるようになり外観が悪くなるとともに透明性も低下する。
【0021】
また、微細孔11aの数(密度)は孔径によって異なるが、前記した孔径範囲では1000個/cm2以上が好ましく、より好ましくは2000個/cm2以上である。1000個/cm2未満では、本発明の目的とする十分な易裂性を付与することが難しい。一方、微細孔11aの数(密度)の上限については特に限定はないが、フィルム基材の強度低下による不具合を避けるためには20000個/cm2以下とするのがよい。
【0022】
フィルム基材の厚さは、易裂性を付与する観点から10μm以上の厚さを有することが好ましい。なお、上限厚さは特に制限されないが、コストの面から30μm以下にすることが好ましい。
【0023】
以上のような微細孔11aを形成して易裂性が付与されたフィルム基材11は、微細孔が引裂きの起点として作用して引き裂かれ、さらに隣接する他の微細孔が順次引裂き点として作用する。その結果、フィルム基材11は任意の箇所から任意の方向に容易に引き裂くことができる。
【0024】
また、上記孔径および密度の微細孔11aを形成することにより、フィルム自体の透明性を損なうことなく易裂性を付与することができる。
【0025】
易裂性が付与されたフィルム基材11は、透明性に関し、全光線透過率が85%以上、ヘーズ(曇価)が5.0以下であれば特に好ましい。これにより、詳しくは後述するが、図2のような情報記録体の記録材21の情報記録面を表出させた際、記録材21上に貼着されたままのフィルム基材11を通して記録材21上の記録情報を極めて鮮明に視認することができる。尚、フィルム基材11の全光線透過率およびヘーズは、JIS K 7105に準拠した測定法による。
【0026】
本発明の感熱接着シートは、上記のように高い透明性を有し且つ易裂性が付与されたフィルム基材11の両面にそれぞれ剥離強度(界面接着強度)の異なる感熱接着剤層12a,12bを有する。
【0027】
フィルム基材11の両面にそれぞれ剥離強度(界面接着強度)の異なる感熱接着剤層を形成する方法は特に限定されるものではなく、例えば以下のような方法を用いることができる。
【0028】
(1)フィルム基材11の片面に表面張力(表面自由エネルギー)を上げるための表面処理を施す。
具体的には、コロナ放電処理、フレーム処理、プライマー処理(コーティングあるいは化学エッチング)、プラズマ処理、遠紫外線照射処理等である。このような表面処理を施した面は、非処理面に比べ感熱接着剤層との剥離強度(界面接着強度)が高まり、フィルム基材11の両面に形成された感熱接着剤層はそれぞれ剥離強度の異なるものとなる。
【0029】
(2)フィルム基材の両面に異なる材料の感熱接着剤層を形成する。
具体的には、例えば強剥離強度を持たせる面にディレードタック型接着剤を用い、易剥離性を持たせる他方の面には熱可塑性樹脂層を形成したり、若しくはヒートシール型接着剤を用いることができる。
上記のディレードタック型接着剤は、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン/アクリル共重合系樹脂、スチレン/ブタジエン共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂などの分散液に、1種あるいは数種の結晶性(固体)可塑剤、粘着付与剤等を含有せしめたものである。
また、上記の熱可塑性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック、それらの混合物、エチレンとのランダム共重合体又はブロック共重合体等のポリプロピレン;その他ポリ−3−メチルペンテン−1、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エバール、エチレン酢酸ビニル共重合体等を単独或は混合して使用できる。
ヒートシール型接着剤は、例えばポリオレフィン樹脂、ポリエステル、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂)、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、などの有機溶剤溶液、あるいは水分散溶液などの形で用いられる。特に、EVA、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂等の水系感熱性粘着剤とポリエチレンワックス水分散物と水分散型ポリエステル樹脂を含有してなる水系感熱エマルジョン樹脂が好適に用いられる。
【0030】
尚、感熱接着剤層12a,12bは本発明の目的より十分な透明性を有する必要があり、その厚みは10〜100μm程度が好ましい。
【0031】
本発明において、フィルム基材11と易剥離性を持たせる側の感熱接着剤層との90度剥離強度は5〜15g/25mm、他方の90度剥離強度は100g/25mm以上となるようにするのが好ましい。本明細書で言う「90度剥離強度」とは、JIS K6854−1「接着剤のはく離接着強さ試験方法 第1部:90度はく離」に準拠し、20℃、65%RHの環境下、剥離速度300mm/分の条件で測定される剥離強度である。
【0032】
以上のようにして構成される本発明の感熱接着シートは、感熱接着剤層12a,12bと記録材21との剥離強度がフィルム基材11と易剥離性を持たせた感熱接着剤層、例えば感熱接着剤層12aとの90度剥離強度よりも十分大きくなるように加熱接着して貼り合わせることにより、記録材21をフィルム基材11と感熱接着剤層12aとの界面で剥離して見開くことができる。このため、記録材21に記載された情報(文字)部分が剥がれ落ちたりすることが無く、確実に情報(文字)を読むことができる。また、フィルム基材11は十分に高い透明性を有するため、記録材上に貼着されたままのフィルム基材11を通して記録材上の記録情報を極めて鮮明に視認することができる。さらに、フィルム基材11は微細孔11aの形成によって易裂性が付与されているため、フィルム基材11が貼着されたままの記録材を簡単に手で引き裂くことができる。
【0033】
また、複数の微細孔11aの形成による引き裂き性は、引き裂き方向が制限されない。これにより、フィルム基材11が貼着されたままの記録材を手で任意の方向に簡単に引き裂くことが可能になり、例えば感熱接着葉書にクーポン券や往復葉書等が印刷されている場合、その部分を容易に手で切り取ることができる。
【0034】
尚、本発明の情報記録体20に使用する記録材21は、通常の葉書や便箋等に使用する紙やコンピューター用記録材等の公知の材料の中から適宜選択して使用することができる。
【0035】
図3は本発明の感熱接着シートの別の構成例を示す断面模式図であり、図4は図3の感熱接着シートを用いた本発明の情報記録体の断面模式図である。
【0036】
図3の感熱接着シート30は、微細孔31aが形成されて易裂性が付与されたフィルム基材31の一方の面に熱可塑性樹脂層33及び感熱接着剤層32aを有し、他方の面に感熱接着剤層32bを有するものである。また、図4の情報記録体40は、情報記録面を有する記録材41a,41bの該情報記録面を、図3の感熱接着シート30の両面に感熱接着して一体化せしめたものである。尚、フィルム基材31には前述のフィルム基材11と同様のものを用いることができる。
【0037】
この感熱接着シート30は、易剥離性を持たせる側の感熱接着剤層を熱可塑性樹脂層33及び感熱接着剤層32aの2層構成としている。
【0038】
熱可塑性樹脂層33は前述したような熱可塑性樹脂を用いることができ、フィルム基材31上に例えば溶融押出しして形成される。このため、フィルム基材31と熱可塑性樹脂層33との界面における接着は、単に溶融時の濡れ接触後の固着によるものに過ぎず、容易に剥離できる程度の剥離強度に簡単に調整することができる。
【0039】
このような感熱接着シート30は、感熱接着剤層32a,32bと記録材41a,41bとの剥離強度がフィルム基材11と易剥離性を持たせた熱可塑性樹脂層33との剥離強度よりも十分大きくなるように加熱接着して貼り合わせることにより、記録材41aをフィルム基材31と熱可塑性樹脂層33との界面で剥離することができる。そして、フィルム基材31は十分に高い透明性を有するため、記録材41b上に貼着されたままのフィルム基材31を通して記録材41b上の記録情報を極めて鮮明に視認することができる。さらに、フィルム基材31は微細孔31aの形成によって易裂性が付与されているため、フィルム基材31が貼着されたままの記録材41bを任意の方向に簡単に引き裂くことができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)
図1に示した感熱接着シートを作製し、この感熱接着シートを用いて図2に示したような情報記録体(感熱接着葉書)を作製した。
【0042】
厚さ12μmのPETフィルムに多数の微細孔11aを形成したフィルム基材11を用意した。この微細孔11aは、孔径が0.1μm乃至100μmのものが約2500個/cm2の密度で形成されており、全光線透過率Tt=90.2%、ヘーズH=4.5、である。
【0043】
このフィルム基材11の片面に、EVA/ポリエステル/ポリエチレンワックス=8重量部/12重量部/1部、の配合比で調製した水系感熱エマルジョン樹脂を塗布し(塗布量=10g/m2)、感熱接着剤層12aとした。また、フィルム基材11のもう一方の面には、ディレードタック粘着剤「エコブリットTM−100」(ダイセル化成(株)製)を塗布し(塗布量=10g/m2)、感熱接着剤層12bとした。
【0044】
以上のようにして得られた感熱接着シートの感熱接着剤層12a,12bに、図5に示すような絵柄(クーポン券)及び不図示の文字情報を印刷した秤量120.5g/m2の記録材(上質コート紙)21の情報記録面を80℃でヒートシールして、情報記録体(感熱接着葉書)20を得た。
【0045】
本実施例で得られた感熱接着シートの感熱接着剤層12a,12bとフィルム基材11との90度剥離強度を測定した結果、感熱接着剤層12aは10g/25mm、感熱接着剤層12bは120g/25mmであった。また、記録材21と感熱接着剤層12a,12bとの90度剥離強度を測定したところ、いずれも100g/25mm以上であった。
【0046】
上記の如く作製した感熱接着葉書はフィルム基材11と感熱接着剤層12aとの間で容易に剥がすことができ、フィルム基材を通して記録材21上の文字を極めて鮮明に視認することができた。また、フィルム基材が貼着されたままの記録材を任意の方向に手で簡単に引き裂くことができ、ほぼ絵柄(クーポン券)通りの引き裂きが可能であった。
【0047】
(比較例1)
フィルム基材として微細孔を形成していない厚さ12μmのPETフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に感熱接着シートを作製し、この感熱接着シートを用いて情報記録体(感熱接着葉書)を作製した。
【0048】
本比較例で得られた感熱接着葉書においてもフィルム基材11と感熱接着剤層12aとの間で容易に剥がすことができ、フィルム基材を通して記録材上の文字を極めて鮮明に視認することができた。しかしながら、フィルム基材が貼着されたままの記録材は手で引き裂くことは難しく、図5に示した絵柄(クーポン券)通りの引き裂きは不可能であった。
【0049】
(比較例2)
フィルム基材としてナーリング処理を施した厚さ12μmのPETフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に感熱接着シートを作製し、この感熱接着シートを用いて情報記録体(感熱接着葉書)を作製した。尚、このフィルム基材の全光線透過率Tt=89.9%、ヘーズH=5.7、であった。
【0050】
本比較例で得られた感熱接着葉書においてもフィルム基材11と感熱接着剤層12aとの間で容易に剥がすことができ、フィルム基材を通して記録材上の文字を視認することができた。しかしながら、フィルム基材が貼着されたままの記録材は手で引き裂くことは難しく、図5に示した絵柄(クーポン券)通りの引き裂きは不可能であった。
【0051】
(比較例3)
フィルム基材としてサンドマット処理を施した厚さ75μmのPETフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に感熱接着シートを作製し、この感熱接着シートを用いて情報記録体(感熱接着葉書)を作製した。尚、このフィルム基材の全光線透過率Tt=86.8%、ヘーズH=77.2、であった。
【0052】
本比較例で得られた感熱接着葉書においてもフィルム基材11と感熱接着剤層12aとの間で容易に剥がすことができた。しかしながら、フィルム基材の透明性が低いため記録材上の文字は不鮮明であった。また、フィルム基材が貼着されたままの記録材は手で引き裂くことはできたものの、図5に示した絵柄(クーポン券)通りには引き裂くことはできなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、高い透明性を持ちながら引裂き性にも優れる感熱接着シートを実現でき、例えば感熱接着葉書等の情報記録体に用いることにより、情報記載面を表出させた際、フィルム基材を通して情報を綺麗に視認できるとともに、フィルム基材が貼着されたままの情報記録紙等の紙片を任意の方向に簡単に引き裂くことができて廃棄が容易な情報記録体が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱接着シートの一構成例を示す断面図である。
【図2】図1の感熱接着シートを用いた情報記録体の断面図である。
【図3】本発明の感熱接着シートの別の構成例を示す断面図である。
【図4】図3の感熱接着シートを用いた情報記録体の断面図である。
【図5】情報記録紙の一例を示す図である。
【符号の説明】
10、30 感熱接着シート
11、31 フィルム基材
11a、31a 微細孔
12a、12b、32a、32b、 感熱接着剤層
20、40 情報記録体
21、41a,41b 記録材
33 熱可塑性樹脂層
Claims (4)
- 複数の微細孔が形成された易裂性の透明フィルム基材の両面にそれぞれ剥離強度の異なる感熱接着剤層を有することを特徴とする感熱接着シート。
- 前記透明フィルム基材は、孔径0.1μm乃至100μmの微細孔が1000個/cm2以上の密度で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の感熱接着シート。
- 前記透明フィルム基材は、全光線透過率が85%以上、ヘーズ(曇価)が5.0以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱接着シート。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感熱接着シートの感熱接着剤層上に記録材の情報記録面を接着し、前記透明フィルム基材との剥離強度が小さい側の感熱接着剤層と該透明フィルム基材の界面で剥離されるように構成したことを特徴とする情報記録体。
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