JP3495338B2 - 手切れ性及びデッドフォールド性に優れた包装用構成体 - Google Patents

手切れ性及びデッドフォールド性に優れた包装用構成体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、特にキャン
デーやガム等のスティックの包装材として好適な包装用
構成体に関する。さらに詳しくは、ポリエステルフィル
ムの片面にアルミニウム箔及び/又は紙からなる剛直層
とシーラント層とを順次ラミネートしてなる、縦横方向
の手切れ性、及びデッドフォールド性に優れた包装用構
成体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、菓子、茶葉等の包装材で、手切れ
性やデッドフォールド性に優れたフィルムとしては、セ
ロハンに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体をコーティン
グした、所謂防湿セロハンや、セロハンに塩化ビニリデ
ンをコーティングしたフィルム(Kコートセロハン)、
又はプレーンセロハンが挙げられる。例えば、チューイ
ンガムやキャンデー等をスティック包装するための包装
材としては、防湿セロハン/接着剤/紙/接着剤/アル
ミニウム/ホットメルト接着剤、防湿セロハン/接着剤
/アルミニウム/接着剤/紙/ホットメルト接着剤、或
いは、セロハン/接着剤/アルミニウム/接着剤/紙/
ホットメルト接着剤というラミネート構成体が用いられ
ている。この場合、包装材に要求される性能は、手切れ
性(引き裂き性)、デッドフォールド性(折り曲げ性)
であるが、ノッチ部のみでなく、任意の端部において縦
横方向に優れた手切れ性を示し、かつ優れたデッドフォ
ールド性を有するフィルムは、防湿セロハン、Kコート
セロハン、或いはプレーンセロハンしかなかった。
【0003】しかし、防湿セロハン、Kコートセロハ
ン、或いはプレーンセロハンは、優れた手切れ性やデッ
ドフォールド性、さらに、優れたヒートシール性を有す
るものの、基材のセロハンは、高価であり、将来的に供
給不安もある。さらに、最近では、環境面の配慮(燃焼
時ダイオキシンの発生の可能性)から、脱塩素及び脱セ
ロハンの気運が高まってきており、これらの代替材料が
検討されている。防湿セロハン、Kコートセロハンの代
替材料としては、最近、二軸延伸されたポリプロピレン
フィルムに穴開け加工を施したフィルムに、紙、アルミ
ニウム箔をラミネートした構成体等が用いられている。
これらの穴開け加工した基材フィルムは、ノッチ部での
手切れ性を一応満足しているものの、ノッチ部以外の任
意の端部においては、セロハンを用いた構成体と同等
の、縦横方向の手切れ性を達成できておらず、また、一
般に印刷後、穴開け加工が施されるため、非常にコスト
が高く、かつ構成体を製造するに当り、加工工程が多く
なる等といった問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、非塩素系かつ非セロハン系のポリエステルフィルム
を基材とし、セロハンを用いた構成体と同様に、縦横方
向の手切れ性及びデッドフォールド性に優れた包装用、
特にキャンデーやチューインガム等のスティック包装用
として好適な構成体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、非塩素系のポリエステルフィルムを基
材とし、ポリエステルフィルムの厚みと各種ラミネート
構成体の手切れ性及びデッドフォールド性との関係を鋭
意検討した結果、ポリエステルフィルムが特定の厚みを
有し、基材と剛直層のラミネート強度が高い場合に、さ
らに、アルミニウム箔及び/又は紙からなる剛直層が特
定の応力率、引き裂き強度、及び破断点伸び率とを有す
る場合に、ポリエステルフィルムに該剛直層をラミネー
トした包装材料は、縦横方向の手切れ性とデッドフォー
ルド性とに優れていること、さらに、このような基材フ
ィルムの片面にヒートシール性を付与することにより、
良好な包装適性が得られることを見出した。本発明は、
これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0006】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
ポリエステルフィルムからなる基材上に、アルミニウム
箔及び/又は紙からなる剛直層と、シーラント層とが順
次ラミネートされた、引き裂き強度が50g以上500
g以下、折り曲げ角度が50°以下の包装用構成体であ
って、基材の厚みが3μm以上9μm以下、基材と剛直
層のラミネート強度が50g/15mm幅以上であり、
しかも、アルミニウム箔の厚みが3μm以上20μm以
下、紙の坪量が10g/m 以上100g/m 以下で
あることを特徴とする包装用構成体が提供される。
【0007】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、剛直層は、長手方向(MD方向)の
0.5%延伸時の応力率が1000g/mm以上10
000g/mm以下であり、かつ長手方向(MD方
向)の引き裂き強度が10g以上300g以下であり、
さらに、長手方向(MD方向)の引っ張り試験における
破断点伸び率が0.01%以上20%以下であることを
特徴とする包装用構成体が提供される。
【0008】また、本発明の第3の発明によれば、第1
又は第2の発明において、基材は、厚みが3μm以上7
μm以下であることを特徴とする包装用構成体が提供さ
れる。
【0009】
【0010】
【0011】また、本発明の第の発明によれば、第1
〜第のいずれかの発明において、基材は、剛直層がラ
ミネートされる面の反対面に、ヒートシール層を有する
ことを特徴とする包装用構成体が提供される。
【0012】また、本発明の第の発明によれば、第
の発明において、ヒートシール層は、ヒートシール層同
士のヒートシール強度が50g/15mm幅以上である
ことを特徴とする包装用構成体が提供される。
【0013】また、本発明の第の発明によれば、第
又は第の発明において、ヒートシール層は、ガラス転
移温度又は融点が40℃以上120℃以下であることを
特徴とする包装用構成体が提供される。
【0014】また、本発明の第の発明によれば、第
〜第のいずれかの発明において、ヒートシール層は、
厚みが0.2μm以上5μm以下であることを特徴とす
る包装用構成体が提供される。
【0015】さらに、本発明の第の発明によれば、第
〜第のいずれかの発明において、ヒートシール層
は、共重合ポリエステル樹脂又は共重合アクリル樹脂か
らなることを特徴とする包装用構成体が提供される。
【0016】一方、本発明の第の発明によれば、第1
〜第のいずれかの発明において、基材は、剛直層がラ
ミネートされる面に、無機酸化物層を有することを特徴
とする包装用構成体が提供される。
【0017】また、本発明の第10の発明によれば、第
の発明において、無機酸化物層は、アルミニウム及び
/又は珪素の酸化物からなることを特徴とする包装用構
成体が提供される。
【0018】さらに、本発明の第11の発明によれば、
又は第10の発明において、無機酸化物層は、真空
蒸着法により形成されることを特徴とする包装用構成体
が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の包装用構成体につ
いて、詳細に説明する。
【0020】1.基材 本発明においては、基材であるポリエステルフィルム
は、主としてポリエステル系樹脂からなる。該ポリエス
テル系樹脂の主成分であるポリエステルとしては、特に
制限はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリ1,4−シクロヘキシルジメチ
レンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート
樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチ
レン−2,6−ナフタレート等のポリアルキレンナフタ
レート樹脂等が挙げられる。これらはホモポリマーに限
らず、ポリエステルの構成成分であるジカルボン酸及び
/又はジオールの一部を、他のジカルボン酸及び/又は
他のジオールと置換えたものであってもよい。さらに、
本発明の作用を阻害しない範囲で、上記ポリエステルの
他に他の成分を含有していてもよい。
【0021】他の成分としては、例えば、表面のすべり
性を付与するために、シリカビーズや、シリコンビー
ズ、ポリメタクリレート等の架橋ビーズ等を添加しても
よい。さらに、帯電防止剤を添加してもよい。また、帯
電防止剤による帯電防止性付与については、樹脂に練り
込んでもよいし、コーティングにより付与してもよい。
【0022】本発明においては、基材であるポリエステ
ルフィルムの厚みが重要であり、その範囲は、3μm以
上11μm未満であり、好ましくは3μm以上9μm以
下、特に好ましくは3μm以上6μm以下であるのがよ
い。厚みが3μm未満であると、強度が低下し、印刷工
程、ラミネート工程でのフィルム切れを起こしたり、巻
き取り等が困難になったりしやすくなる。また、厚みが
11μm以上になると、すなわち、一般的に包装用資材
として用いられている12μmや16μmのポリエステ
ルフィルムでは、構成体の縦横方向の手切れ性、デッド
フォールド性が低下する。
【0023】なお、ポリエステルフィルムは、通常二軸
延伸されるが、フィルムの引き裂き強度は延伸倍率の影
響を強く受けるため、本発明においては、縦横方向の延
伸倍率がほぼ等しいフィルム、例えば縦横方向の延伸倍
率が約3倍のもの、を用いることが好ましい。
【0024】また、本発明においては、基材であるポリ
エステルフィルムは、剛直層がラミネートされる面に、
無機酸化物層が設けられていてもよい。無機酸化物層と
しては、透明性を有し、かつ酸素、水蒸気等のガスバリ
ア性を有するものであれば特に制限されないが、例え
ば、アルミニウム及び/又は珪素の酸化物により構成さ
れる。
【0025】基材上に無機酸化物層を形成する方法とし
ては、種々あり、通常の真空蒸着法により形成すること
ができるが、その他の薄膜形成法であるスパッタリング
法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法等を
用いることもできる。真空蒸着法による真空蒸着装置の
加熱手段としては、電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘
導加熱方式が好ましく、薄膜と基材との密着性及び薄膜
の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイ
オンビームアシスト法を用いることも可能である。ま
た、蒸着膜の透明性を上げるために、蒸着の際に酸素ガ
ス等を吹き込んでもよい。
【0026】また、無機酸化物層の厚みは、用いる無機
化合物の種類によって異なるが、一般的には5nm以上
100nm以下、好ましくは10nm以上50nm以下
であることが望ましい。厚みが5nm未満であると、均
一な膜が得られないことがあり、厚みが100nmを超
えると、柔軟性が不足して薄膜に亀裂を生じる恐れがあ
る。
【0027】2.剛直層 本発明の包装用構成体においては、基材としてのポリエ
ステルフィルムの片面に、特定の応力率、引き裂き強
度、及び破断点伸び率を有する、アルミニウム箔及び/
又は紙からなる剛直層をラミネートする。
【0028】本発明に用いる剛直層は、長手方向(MD
方向)の0.5%延伸時の応力率が1000g/mm
以上10000g/mm以下であることが必要であ
る。長手方向の0.5%延伸時の応力率が1000g/
mm未満であると、任意の位置で引き裂く際に伸び
て、包装用構成体の手切れ性が悪化し、10000g/
mmを超えると、包装用構成体の硬度が必要以上に高
くなる。
【0029】また、剛直層は、長手方向(MD方向)の
引き裂き強度が10g以上300g以下であることが必
要である。長手方向の引き裂き強度が10g未である
と、包装用構成体としての強度が不足し、300gを超
えると、包装用構成体の手切れ性が悪化する。
【0030】また、剛直層は、延伸時、長手方向(MD
方向)の引張り試験における破断点伸び率が0.01%
以上20%以下であることが必要である。長手方向の破
断点での伸び率が0.01%未満であると、ラミネート
加工時に剛直層の破断が生じ、20%を超えると、任意
の位置で引き裂く際に伸びて、包装用構成体の手切れ性
が悪化する。
【0031】さらに、剛直層は、基材の片面にラミネー
トされるが、基材とのラミネート強度は、50g/15
mm幅以上であることが必要である。ラミネート強度が
50g/15mm幅未満であると、任意の位置で引き裂
く際にポリエステルフィルムと剛直層が剥離し、手切れ
性が悪化する。
【0032】剛直層を構成するアルミニウム箔として
は、一般的に用いられているアルミニウム箔を用いるこ
とができる。一般的に、アルミニウム箔は、アルミニウ
ムの純度により区別されているが、包装用に用いられて
いるのは、IN30材と呼ばれているものが挙げられ
る。なお、圧延油の除去が不完全なアルミニウム箔を用
いると、接着剤の濡れが不安定であり、また、積層体を
ヒートシールする際に圧延油が滲み出してアルミニウム
箔が剥離する恐れがあるため、圧延油を焼鈍、除去した
アルミニウム箔を用いることが望ましい。用いられるア
ルミニウム箔の厚みは、剛直層の応力率、引き裂き強
度、及び破断点伸び率が上記範囲にある限りは特に制限
されないが、3μm以上20μm以下であり、好ましく
は5〜9μmである。アルミニウム箔の厚みが3μm未
満であると、ラミネートする際の作業効率が悪化し、2
0μmを超えると、コスト的に不利になったり、包装用
構成体の硬度が高くなり過ぎる。
【0033】また、剛直層を構成する紙としては、一般
的に包装材用途に用いられている紙、例えば、純白ロー
ル紙、片艶クラフト紙、模造紙、グラシン紙等を用いる
ことができる。用いられる紙の坪量は、剛直層の応力
率、引き裂き強度、及び破断点伸び率が上記範囲にある
限りは特に制限されないが、10g/m以上100g
/m以下であり、好ましくは30g/m以上60g
/m以下である。紙の坪量が10g/m未満である
と、ラミネートする際の作業効率が悪化したり、構成体
の厚みが足りずに包装適性が悪化する。一方、100g
/mを超えると、コスト的に不利になったり、構成体
の厚みが過剰となり包装適性が悪化する。
【0034】なお、剛直層として、アルミニウム箔に
紙、又は、紙にアルミニウム箔をラミネートしたものを
用いる場合は、当然のことながら、両者のラミネート強
度も、引き裂く際に剥離し、剛直層の応力率、引き裂き
強度、及び破断点伸び率が上記範囲を外れないように、
50g/15mm幅以上であることが必要である。
【0035】3.シーラント層 本発明の包装用構成体においては、構成体の剛直層側に
ヒートシール性を有するシーラント層を設ける。ヒート
シール性を有する材料としては、剛直層と密着性が発現
する材料であり、かつヒートシールが可能な材料であれ
ば、特に制限されないが、例えば、ポリエチレン、エチ
レン酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル等のホットメ
ルト材料、ワックスを含浸させた薄い紙、また、ポリエ
チレン、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂等を用いること
ができる。
【0036】4.ヒートシール層 本発明の包装用構成体においては、必須の構成要件では
ないが、基材として用いられるポリエステルフィルム
は、一方の面にヒートシール層を有していることが望ま
しい。ヒートシール性を有する材料としては、基材のポ
リエステルフィルムと密着性が発現する材料であり、か
つヒートシールが可能な材料であれば、特に限定されな
い。また、付与されるヒートシール層は、フィルム全面
に付与されていても、包装適性上必要な部分のみに付与
されていてもよい。このような材料としては、例えば、
エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、熱可塑性共重合ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0037】熱可塑性共重合ポリエステル樹脂として
は、具体的には、テレフタル酸やイソフタル酸等のジカ
ルボン酸や、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族カルボ
ン酸と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等
のジオールとの共重合体等が挙げられる。これらは、1
種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても
よい。
【0038】また、アクリル樹脂の構成モノマーとして
は、例えばスチレン、エチルメタクリレート、メチルメ
タクリレート、アクリロニトリル、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、クロトン酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアク
リレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げ
られる。これらの成分種、構成比により樹脂のガラス転
移温度は決まる。これらの樹脂は、水性エマルジョンと
してコーティングしたり、有機溶剤に溶解してコーティ
ングすることにより、基材に付与することができる。
【0039】また、基材フィルムとの密着性を向上させ
るために、イソシアネート等の硬化剤を用いることがで
きる。硬化剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を
混合して使用してもよい。硬化剤の添加量は、ヒートシ
ール層を構成する材料の主体となる樹脂100重量部に
対して、1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部で
ある。硬化剤の添加量が1重量部未満であると、十分な
密着性が得られず、一方、20重量部を超えると、ヒー
トシール開始温度が高くなる等して好ましくない。
【0040】さらに、基材ポリエステルフィルムとの密
着性を発現させるために、架橋剤を併用してもよい。架
橋剤としては、カルボジイミド基を含有するポリカルボ
ジイミド樹脂の水性エマルジョン等が挙げられる。ま
た、架橋剤を添加しても密着性が得られない場合は、ア
クリル層の下に密着性を向上させるためにアンカーコー
ト層を設けてもよい。アンカーコート材としては、ポリ
エチレンイミン等の水溶液等がある。
【0041】また、これらの主剤とは別に、ブロッキン
グを防止するために、アンチブロッキング剤として、P
MMA樹脂微粒子、シリカ微粒子、或いはアクリル樹脂
微粒子、コロイダルシリカ等の微粒子から選ばれる少な
くとも1種類の微粒子を配合することが好ましい。アン
チブロッキング剤の配合量は、特に限定されないが、主
剤となるヒートシール性樹脂100重量部に対して0.
1〜1重量部、好ましくは0.2〜0.8重量部、さら
に好ましくは0.4〜0.6重量部である。アンチブロ
ッキング剤の配合量が0.1重量部未満であると、効果
が不十分であり、一方、1重量部を超えると、フィルム
の透明性が悪化する。なお、アンチブロッキング剤は、
1種類単独でも、2種類以上を併用してもよい。
【0042】さらに、コーティング面のスベリ性を向上
させるために、ワックス類を用いてもよい。ワックス類
としては、例えば、カルナウパワックス等の植物ワック
ス、ラノリン等の動物ワックス、オゾケライト等の鉱油
ワックス、ビートワックス等を含む人工ワックス、ステ
アリルアルコール等の脂肪族アルコール等が挙げられ
る。ワックス類の添加量は、ヒートシール性樹脂100
重量部に対して、0.2〜2重量部である。0.2重量
部よりも少ないと、効果が発現されず、一方、2重量部
よりも多いと、ヒートシール性を阻害する可能性があ
る。
【0043】一方、ヒートシール層の厚みは、0.2μ
m以上5μm以下であり、好ましくは0.5μm以上3
μm以下である。ヒートシール層が0.2μmより薄い
と、十分なシール強度を得ることができない。一方、5
μmより厚いと、コスト的に不利になる。
【0044】ヒートシール層のガラス転移温度又は融点
は、40℃以上120℃以下が好ましく、さらに好まし
くは、50℃以上100℃以下である。ガラス転移温度
又は融点が40℃未満であると、フィルムのブロッキン
グ現象が生じやすく、一方、120℃を超えると、ヒー
トシール可能な温度領域が高くなり、好ましくない。
【0045】また、本発明の構成体のヒートシール層
は、ヒートシール層同士のヒートシール強度が50g/
15mm幅以上であるのが好ましい。ヒートシール強度
が50g/15mm幅未満であると、本発明の包装用構
成体の包装適性が低下する。
【0046】ヒートシール層を有する基材フィルムの製
造方法については、特に限定されない。例えば、ポリエ
ステルフィルム製造時に共押し出し法等によりヒートシ
ール層を設ける方法や、ポリエステルフィルム上にホッ
トメルトコーティングを行う方法、或いは、ポリエステ
ルフィルム上に溶液コーティングによりヒートシール層
を設ける方法等が挙げられる。溶液でのコーティング
は、有機溶剤系、水系でのコーティングのどちらでもよ
い。また、ポリエステルフィルムに部分的にヒートシー
ル層を付与する場合は、グラビア印刷機等を用いて、パ
ターン的に彫刻されたグラビア版を用いることができ
る。
【0047】5.包装用構成体 本発明の包装用構成体は、基材のポリエステルフィルム
に、必要に応じて印刷を施した後、剛直層のラミネート
を行って包装用構成体とするものである。剛直層を構成
するアルミニウム箔と紙は、前述したように、包装用構
成体に用いる場合、どちらか一方だけをラミネートして
もよいし、又は、アルミニウム箔、紙の両方をラミネー
トしても構わない。また、アルミニウム箔、紙の両方を
ラミネートする場合は、そのラミネート順序は、特に規
定されず、ポリエステルフィルム/接着剤/アルミニウ
ム箔/接着剤/紙、或いはポリエステルフィルム/接着
剤/紙/接着剤/アルミニウム箔と、どちらでも可能で
ある。ポリエステルフィルム基材は、必要に応じて、印
刷、ラミネート加工が入るため、その面は、コロナ処理
面が好ましい。また、ラミネート方法は、通常の包装用
構成体を作成する際のラミネート方法を用いることがで
きる。例えば、接着剤を使用するドライラミネーション
や、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を押し出すと同時に
ラミネートを行う押し出しラミネーション、水分散系の
ポリ酢酸ビニル等の水性接着剤を使用するウエットラミ
ネーション等を用いることができる。また、ポリエステ
ルフィルム側にヒートシール層を付与する場合は、印刷
工程の前に付与してもよいし、印刷工程の後で付与して
もよい。
【0048】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例及び比較例において、剛直
層の応力率、手切れ性(引き裂き強度)、及び破断点伸
び率、また、剛直層と基材フィルムのラミネート強度、
包装用構成体の手切れ性(引き裂き強度)、デッドフォ
ールド性及びヒートシール性(ヒートシール強度)を下
記の試験方法により評価した。
【0049】(1)応力率試験方法 剛直層の0.5%延伸時の応力率(応力値を試料の断面
積で割った値)は、JIS K 7127に準じて測定
した。試験片が0.5%伸長したときの応力値を試験片
の断面積で除した値を応力率とした。試験片の厚みの測
定は、マイクロメーターにて10回測定し、最小値、最
大値を除いた8点の平均値を厚みとした。応力率は、1
000g/mm以上の場合は良好であると判断され
る。
【0050】(2)ラミネート強度試験方法 包装用構成体を裁断して、長方形の構成体小片を作製
し、該小片の基材と剛直層をアルコール或いは酢酸エチ
ル等の有機溶剤により適当な面積まで剥離させた後、1
5mm幅にカットして試験片を得た。試験片の基材と剛
直層を引張試験機(株式会社オリエンテック製、商品名
テンシロン)により、それぞれ反対方向にクロスヘッド
スピード300mm/分の速さで引張り、最高剥離強度
をラミネート強度とした。測定は3回行い、得られた測
定値の平均値をラミネート強度とした。ラミネート強度
は、50g/15mm幅以上の場合は良好であると判断
される。
【0051】(3)破断点伸び率試験方法 剛直層の引っ張り試験における破断点伸び率の測定はJ
IS K 7127に準じて測定した。
【0052】(4)ヒートシール性(ヒートシール強
度)試験方法 包装用構成体を裁断して、長方形の構成体小片の2枚を
作製し、該小片のそれぞれヒートシール層面を互いに密
着させて、2kg/cm、150℃の条件で1秒間ヒ
ートシールした後、15mm幅にカットして試験片を得
た。該試験片の2枚の構成体端部を引張試験機(株式会
社オリエンテック製、商品名テンシロン)により、それ
ぞれ反対方向にクロスヘッドスピード300mm/分の
速さで引張り、最高剥離強度をヒートシール強度とし
た。また、ヒートシール性は、引張試験を3回行い、得
られた測定値の平均値で表し、評価した。ヒートシール
性は、ヒートシール層同士のヒートシール強度が50g
/15mm幅以上の場合は良好であると判断される。
【0053】(5)手切れ性(引き裂き強度)試験方法 包装用構成体を裁断して、長方形の構成体小片を作製
し、構成体小片の一端を挟んで、その両面から粘着テー
プを貼付して引き裂き試験用の試験構成体を作製した。
図1に試験構成体の構成を示す。図1において、1は構
成体小片であり、2は粘着テープ(株式会社スリオンテ
ック製 ポリエステル粘着テープ6200)である。ま
た、構成体小片のサイズは、10cm(図1中a)×7
cm(b)であり、粘着テープのサイズは、10cm
(d)×5cm(c)であり、粘着テープにより両面か
ら挟まれた構成体小片のサイズは、5cm(e)×5c
m(c)である。また3は、張り合わせた粘着テープに
入れた切れこみ(ノッチ)である。さらに、図1中矢印
は、構成体小片のMD方向(ロール長さ方向を意味す
る)を表す。ノッチ3は、構成体小片を挟んでいない部
分の粘着テープに、構成体小片のMD方向と平行に入れ
た切れこみであり、構成体にノッチが入らないようにし
て作製したものである。また、構成体の90°回転方向
の手切れ性(引き裂き強度)を評価するために、上記と
同様に、同構成体の縦横を代えて試験構成体を作製し
た。
【0054】該試験構成体を、引張試験機(株式会社オ
リエンテック製、商品名テンシロン)により、ノッチの
両側の粘着テープをそれぞれ反対方向へクロスヘッドス
ピード30mm/分で引っ張り、試験構成体が引き裂か
れる際の最大強度(引き裂き強度)(g)を測定し、手
切れ性を評価した。また、剛直層の手切れ性も、構成体
と同様にして評価した。手切れ性は、構成体について
は、引き裂き強度が50g未満、或いは500gを超え
る値を不可とし、剛直層については、引き裂き強度が1
0g未満、或いは300gを超える値を不可とした。な
お、手切れ性の測定結果の例を、図2に示すが、縦軸は
構成体の引き裂き強度で、横軸はクロスヘッドの移動距
離であり、構成体が引き裂かれる際には、強度とクロス
ヘッドの移動距離に図2に示すような関係が見られた。
図2の(f)の点が、本発明構成体が引き裂かれ始める
強度であり、本発明でいう引き裂き強度とは、本点
(f)のことをいう。
【0055】(6)デッドフォールド性(折り曲げ角
度)試験方法 包装用構成体を裁断して、長方形の構成体小片(60m
m(図3中f)×70mm(g+h))を作製し、構成
体小片の一端から10mm(h)を折り返した後、折り
返した部分を挟んで、ガラス板を構成体小片上に載置
し、さらにガラス板の上に2kg重の重りを、60秒間
載置して荷重(F)をかけた。重り及びガラス板を除去
した後、10秒経過後、折り返し部分の跳ね返りの角度
(折り曲げ角度)(°)を測定し、デッドフォールド性
の評価値とした。図3(a)に構成体小片の構成を示
す。図3(b)において、4は構成体小片であり、5は
ガラス板(60mm×60mm、厚み2mm)であり、
6は重りである。また、Fは荷重で、矢印は荷重方向を
表す。
【0056】図3(c)は、重り及びガラス板を除去し
た後、10秒経過後の構成体小片の状態を表す断面図で
あり、Dは折り返し部分の跳ね返りの角度(折り曲げ角
度)(°)を表す。デッドフォールド性は、跳ね返りの
角度が50°以下の場合は良好であり、120°以上の
場合は不良であると判断される。
【0057】[実施例1]坪量35g/mの純白ロー
ル紙と厚み7μmのアルミニウム箔をドライラミネート
し、剛直層を作製した。次いで、得られた剛直層につい
て、剛直層の応力率、手切れ性、及び破断点伸び率を評
価した。次に、基材フィルムとして、厚み6μmのポリ
エステルフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム
(株)製、K233 タイプ6E)を用いて、その片面
に剛直層をドライラミネートした後、剛直層上にエチレ
ン酢酸ビニル樹脂(シーラント層)を10μmコーティ
ングして包装用構成体を作製した。得られた包装用構成
体について、手切れ性及びデッドフォールド性を評価す
るとともに、基材フィルムと剛直層とのラミネート強度
を評価した。また、官能評価として、包装用構成体の引
き裂き性を手で引き裂くことにより評価した。その結果
を、表1に示す。
【0058】[実施例2]基材として、厚み9μmのポ
リエステルフィルム(東洋紡績(株)製、T4100)
を用いた以外は、実施例1と同様にして包装用構成体を
作製し、剛直層の応力率、手切れ性、及び破断点伸び率
とともに、包装用構成体の手切れ性、デッドフォールド
性、さらに、基材フィルムと剛直層とのラミネート強度
を評価した。また、官能評価として、包装用構成体の引
き裂き性を手で引き裂くことにより評価した。その結果
を、表1に示す。
【0059】[実施例3]剛直層として、坪量70g/
の純白ロール紙を用いた以外は、実施例1と同様に
して包装用構成体を作製し、剛直層の応力率、手切れ
性、及び破断点伸び率とともに、包装用構成体の手切れ
性、デッドフォールド性、さらに、基材フィルムと剛直
層とのラミネート強度を評価した。また、官能評価とし
て、包装用構成体の引き裂き性を手で引き裂くことによ
り評価した。その結果を、表1に示す。
【0060】[実施例4]剛直層の片面に、厚み30μ
mのポリエチレンフィルムをドライラミネートしてシー
ラント層を設けた以外は、実施例1と同様にして包装用
構成体を作製し、剛直層の応力率、手切れ性、及び破断
点伸び率とともに、包装用構成体の手切れ性、デッドフ
ォールド性、さらに、基材フィルムと剛直層とのラミネ
ート強度を評価した。また、官能評価として、包装用構
成体の引き裂き性を手で引き裂くことにより評価した。
その結果を、表1に示す。
【0061】[実施例5]共重合熱可塑性ポリエステル
樹脂(ユニチカ(株)製、エリーテル3201、ガラス
転移温度65℃)をトルエンとメチルエチルケトンの混
合溶剤に固形分濃度10wt%になるように溶解し、イ
ソシアネート(日本ポリウレタン(株)製、コロネート
L)を樹脂100重量部に対して5重量部、また、アン
チブロッキング剤(平均粒径1.5μmのアクリル系樹
脂)を樹脂100重量部に対して0.4重量部添加し、
塗布液を調製した。厚み6μmのポリエステルフィルム
(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、K233
タイプ6E)の片面に、この塗布液を乾燥時の塗布量で
1.0g/mになるように塗布した後、乾燥してヒー
トシール層を形成し、基材とした。この基材を用いた以
外は、実施例1と同様にして包装用構成体を作製し、剛
直層の応力率、手切れ性、及び破断点伸び率とともに、
包装用構成体の手切れ性、デッドフォールド性、さら
に、基材フィルムと剛直層とのラミネート強度、ヒート
シール層のヒートシール性を評価した。また、官能評価
として、包装用構成体の引き裂き性を手で引き裂くこと
により評価した。その結果を、表1に示す。
【0062】[実施例6]厚み6μmのポリエステルフ
ィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、K2
03E)の易接着面に真空蒸着法により酸化アルミニウ
ム膜を設けたフィルムを基材とした以外は、実施例3と
同様にして包装用構成体を作製し、剛直層の応力率、手
切れ性、及び破断点伸び率とともに、包装用構成体の手
切れ性、デッドフォールド性、さらに、基材フィルムと
剛直層とのラミネート強度を評価した。また、官能評価
として、包装用構成体の引き裂き性を手で引き裂くこと
により評価した。その結果を、表1に示す。
【0063】[実施例7]剛直層に厚み12μmのアル
ミニウム箔を用いた以外は、実施例5と同様にして包装
用構成体を作製し、剛直層の応力率、手切れ性、及び破
断点伸び率とともに、包装用構成体の手切れ性、デッド
フォールド性、さらに、基材フィルムと剛直層とのラミ
ネート強度、ヒートシール層のヒートシール性を評価し
た。また、官能評価として、包装用構成体の引き裂き性
を手で引き裂くことにより評価した。その結果を、表1
に示す。
【0064】[比較例1]基材として厚み12μmのポ
リエステルフィルム(東洋紡績(株)製、T5100)
を用いた以外は、実施例1と同様にして包装用構成体を
作製し、剛直層の応力率、手切れ性、及び破断点伸び率
とともに、包装用構成体の手切れ性、デッドフォールド
性、さらに、基材フィルムと剛直層とのラミネート強度
を評価した。また、官能評価として、包装用構成体の引
き裂き性を手で引き裂くことにより評価した。その結果
を、表1に示す。
【0065】[比較例2]基材として、厚み20μmの
2軸延伸されたポリプロピレンフィルム(ダイセル化学
工業(株)製、D1)を用いた以外は、実施例1と同様
にして包装用構成体を作製し、剛直層の応力率、手切れ
性、及び破断点伸び率とともに、包装用構成体の手切れ
性、デッドフォールド性、さらに、基材フィルムと剛直
層とのラミネート強度を評価した。また、官能評価とし
て、包装用構成体の引き裂き性を手で引き裂くことによ
り評価した。その結果を、表1に示す。
【0066】[比較例3]厚み6μmのポリエステルフ
ィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、K2
33 タイプ6E)の片面に、シーラント層として厚み
30μmのポリエチレンフィルムをラミネートし、包装
用構成体を作製した。構成体の手切れ性、デッドフォー
ルド性を評価した。また、官能評価として、包装用構成
体の引き裂き性を手で引き裂くことにより評価した。そ
の結果を、表1に示す。
【0067】[比較例4]厚み9μmのポリエステルフ
ィルム(東洋紡績(株)製、T4100)の片面に、シ
ーラント層として厚み30μmのポリエチレンフィルム
をラミネートし、包装用構成体を作製した。構成体の手
切れ性、デッドフォールド性を評価した。また、官能評
価として、包装用構成体の引き裂き性を手で引き裂くこ
とにより評価した。その結果を、表1に示す。
【0068】[比較例5]剛直層として、秤量が150
g/mの紙を用いた以外は、実施例1と同様にして包
装用構成体を作製し、剛直層の応力率、手切れ性、及び
破断点伸び率とともに、包装用構成体の手切れ性、デッ
ドフォールド性、さらに、基材フィルムと剛直層とのラ
ミネート強度を評価した。また、官能評価として、包装
用構成体の引き裂き性を手で引き裂くことにより評価し
た。その結果を、表1に示す。
【0069】[参考例]基材として、厚み20μmの塩
化ビニリデンコートセロハン(ダイセル化学工業(株)
製、セルシKM)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て包装用構成体を作製した。構成体の手切れ性、デッド
フォールド性を評価した。また、官能評価として、包装
用構成体の引き裂き性を手で引き裂くことにより評価し
た。その結果を、表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】表1から明らかなように、実施例1〜6の
包装用構成体は、ノッチ部を設けることなく、いずれも
手切れ性は、縦横方向の引き裂き強度が230〜480
gであり、官能評価においても、手切れ性は満足できる
ものであった。また、デッドフォールド性評価は、折り
曲げ角度が35°であって、包装用構成体として優れた
性能を示した。さらに、実施例5の包装用構成体は、ヒ
ートシール層のヒートシール強度が200g/15mm
幅であり、優れた包装適性を示した。これに対して、比
較例においてはいずれも、手切れ性は、縦横方向の引き
裂き性の官能評価が△〜×で、引き裂き強度も500g
以上であることから、引き裂き性構成体としては満足で
きるものではない。なお、実施例1、2と比較例3、4
の結果より、包装用構成体の手切れ性は、基材フィルム
の厚みとともに、剛直層の特性にも大きく影響されるこ
とが明白である。
【0072】
【発明の効果】本発明の構成体は、セロハンを用いた構
成体と同様に、縦横方向の手切れ性、かつデッドフォー
ルド性に優れており、供給不安があるセロハンに塩素系
樹脂をコーティングした防湿セロハンや、Kコートセロ
ハンを用いた構成体の代替が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 手切れ性評価試験において、図1(a)は、
試験構成体の構成を表す図であり、図1(b)は、試験
構成体を側面方向から表す図である。
【図2】 手切れ性評価試験において、試験構成体の引
き裂き強度とクロスヘッドの移動距離の関係を表す図で
ある。
【図3】 デッドフォールド性評価試験において、図3
(a)は、試験構成体の構成を表す図であり、図3
(b)は、折り曲げ角度の測定方法を表す図であり、図
3(c)は、折り曲げ角度の測定箇所を表す図である。
【符号の説明】
1、4 構成体 2 粘着テープ 3 ノッチ 5 ガラス板 6 重り

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムからなる基材上
    に、アルミニウム箔及び/又は紙からなる剛直層と、シ
    ーラント層とが順次ラミネートされた、引き裂き強度が
    50g以上500g以下、折り曲げ角度が50°以下の
    包装用構成体であって、 基材の厚みが3μm以上9μm以下、基材と剛直層のラ
    ミネート強度が50g/15mm幅以上であり、しか
    も、アルミニウム箔の厚みが3μm以上20μm以下、
    紙の坪量が10g/m 以上100g/m 以下である
    ことを特徴とする包装用構成体。
  2. 【請求項2】 剛直層は、長手方向(MD方向)の0.
    5%延伸時の応力率が1000g/mm以上1000
    0g/mm以下であり、かつ長手方向(MD方向)の
    引き裂き強度が10g以上300g以下であり、さら
    に、長手方向(MD方向)の引っ張り試験における破断
    点伸び率が0.01%以上20%以下であることを特徴
    とする請求項1に記載の包装用構成体。
  3. 【請求項3】 基材は、厚みが3μm以上7μm以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用構
    成体。
  4. 【請求項4】 基材は、剛直層がラミネートされる面の
    反対面に、ヒートシール層を有することを特徴とする請
    求項1〜のいずれか1項に記載の包装用構成体。
  5. 【請求項5】 ヒートシール層は、ヒートシール層同士
    のヒートシール強度が50g/15mm幅以上であるこ
    とを特徴とする請求項に記載の包装用構成体。
  6. 【請求項6】 ヒートシール層は、ガラス転移温度又は
    融点が40℃以上120℃以下であることを特徴とする
    請求項4又は5に記載の包装用構成体。
  7. 【請求項7】 ヒートシール層は、厚みが0.2μm以
    上5μm以下であることを特徴とする請求項4〜6のい
    ずれか1項に記載の包装用構成体。
  8. 【請求項8】 ヒートシール層は、共重合ポリエステル
    樹脂又は共重合アクリル樹脂からなることを特徴とする
    請求項4〜7のいずれか1項に記載の包装用構成体。
  9. 【請求項9】 基材は、剛直層がラミネートされる面
    に、無機酸化物層を有することを特徴とする請求項1〜
    のいずれか1項に記載の包装用構成体。
  10. 【請求項10】 無機酸化物層は、アルミニウム及び/
    又は珪素の酸化物からなることを特徴とする請求項
    記載の包装用構成体。
  11. 【請求項11】 無機酸化物層は、真空蒸着法により形
    成されることを特徴とする請求項9又は10に記載の包
    装用構成体。
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