JP4957065B2 - ポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルム及びそれを用いたポリ乳酸包装体 - Google Patents

ポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルム及びそれを用いたポリ乳酸包装体 Download PDF

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Description

本発明は、乳酸系重合体からなる箱状包装容器の蓋材のシーラントフィルム、または、袋状包装体として好適な易開封性積層フィルム、およびその基材層側に延伸基材を積層したラミネートフィルム等のポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムに関するものである。
一般にプラスチック製容器包装体は、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートといった材料で構成されている。しかしながら、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートといった樹脂は、化石資源を原料として使用していることや、使用後焼却処分する際には燃焼カロリーが大きいことや、環境中に廃棄されると長期間分解せずに残留することなどから、近年の環境保護の観点からは環境負荷の少ない材料への転換が求められている。
近年、環境に配慮する観点から、天然素材から得られる材料や、土中あるいは水中で加水分解や生分解によって最終的には二酸化炭素と水に分解される生分解性樹脂が注目されている。代表的な樹脂としては、トウモロコシやサトウキビ等から得られるポリ乳酸樹脂が注目されており、ポリ乳酸製の包装容器等の研究が精力的に行われている。
かかるポリ乳酸樹脂からなる包装容器に対して、ポリ乳酸にポリカプロラクトンを混合したフィルムを熱封緘しても容易に開封できるような易開封性を付与する技術が提案されている。(例えば特許文献1)しかしながら、このような凝集破壊による易開封性フィルムは、開封強度がヒートシール温度によって大きく変化することから、安定したシール強度を得ることが困難であるため、実用的ではなかった。
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル容器に対して、層間を剥離されることによって安定した易開封性を付与すべく、オレフィン系重合体層/接着性樹脂層/特定の引張伸びを有する非晶性ポリエステルからなるシール層の構成のフィルムが、ポリエチレンテレフタレート容器との熱接着によって、安定した開封性を付与することができるとの開示があるが、当該フィルムは、ポリ乳酸製容器には接着しないため、ポリ乳酸製樹脂容器の蓋材シーラントフィルムとして使用できなかった。
特開平11−20084号公報 特許第2901324号公報
本発明は、乳酸系重合体を主体としてなる包装容器に対して、あるいは乳酸系重合体を内側にしてなる袋状包装体の面々シールに対して、容器蓋材シーラントフィルム及び袋体シーラントとして、広範なヒートシール温度にわたって安定な易開封性を有する易開封性積層フィルムを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、乳酸系重合体からなるヒートシール樹脂層a1、酸変性オレフィン系重合体からなる接着性樹脂層a2およびオレフィン系重合体からなる基材樹脂層a3を、a1/a2/a3の順に積層してなる積層フィルムが、乳酸系重合体を主体としてなる包装容器の蓋材に対して、あるいはヒートシール樹脂層同士をつき合わせてヒートシールする面々シール等のポリ乳酸包装体に対して、広範なヒートシール温度にわたって安定な易開封性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、乳酸系重合体を主成分として含有するヒートシール樹脂層a1と、酸変性オレフィン系重合体を主成分として含有する接着性樹脂層a2と、
オレフィン系重合体を主成分として含有する基材樹脂層a3とをこの順に積層した積層フィルムであって、
前記ヒートシール樹脂層a1を接着面として、100℃〜140℃にて、1秒間、荷重100kgの条件下で、表面が平滑なポリ乳酸シートに熱圧着した後に、温度23℃、引張速度300mm/min、90度剥離の条件下で剥離強度を測定した場合、前記ヒートシール樹脂層a1と前記接着性樹脂層a2との層間剥離強度が5〜15N/15mmであるポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムを提供するものである。
本発明のポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムを、乳酸系重合体を主体とした包装容器の容器蓋材シーラントフィルム、あるいは乳酸系重合体を主体とした袋状包装体の袋体シーラントとして使用した場合、ヒートシール樹脂層a1は乳酸系重合体を主成分として含有する樹脂層であるため、ヒートシールによりヒートシール樹脂層a1はポリ乳酸包装容器に強固に熱接着し、剥離することがなく、また、接着性樹脂層a2と基材樹脂層a3は、それぞれオレフィン系重合体を主成分としているので、やはり、剥離しない。
一方、ヒートシール樹脂層a1と接着性樹脂層a2とは、ポリ乳酸包装容器に対して、ヒートシール樹脂層a1を突合せて、100℃〜140℃の温度範囲にて、1秒間、荷重100kgの条件下でヒートシールした場合、5〜15N/15mmの層間剥離強度が安定して得られるので、開封時にはヒートシール樹脂層a1と接着性樹脂層a2との界面で剥離が生じ、しかも剥離強度が上記数値範囲内であるので、安定な易開封性を発現することができる。
ポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムによりヒートシールされているポリ乳酸製包装体から、ポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムを剥離している状態を図1、図2に模式的に示した。図中、aはポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルム、bはポリ乳酸製包装容器、cは内容物、dは鍔部、a1はヒートシール樹脂層a1、a2は接着性樹脂層a2、a3は基材樹脂層a3をそれぞれ示す。
図1は、ポリ乳酸製包装容器bの鍔部にポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムaがヒートシールされ、手前左側のポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムaの一部が剥離されている状態を模式的に示している。また、図2は、該剥離部を模式的に示した断面図である。ポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムaはポリ乳酸製包装容器bの鍔部中央でヒートシールされており、図2に示した如く、該剥離部においては、本発明のポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムaのヒートシール樹脂層a1は、ポリ乳酸製包装容器bに接着した状態を保持し、剥離しない。そして、ポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムaのヒートシール樹脂層a1と接着性樹脂層a2との界面で剥離が発生し、本発明のポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムaはポリ乳酸製包装容器bと分離する。本発明のポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムaにおいては、100℃〜140℃の温度範囲にてヒートシールした場合、ヒートシール樹脂層a1と接着性樹脂層a2との界面で剥離が生じ、安定な易開封性を発現することができる。なお、ヒートシール領域と非ヒートシール領域の境界においては、ヒートシール樹脂層a1は破断し、ヒートシール領域においては、ヒートシール樹脂層a1はポリ乳酸製包装体bに接着し、非ヒートシール領域においては、ポリ乳酸製包装体bとの界面で剥離して、接着性樹脂層a2に積層した状態で分離する。
本発明の積層フィルムは、乳酸系重合体を主体としてなる包装容器に対して、あるいはヒートシール樹脂層同士をつき合わせてヒートシールする面々シールに対して、広範なヒートシール温度にわたって安定な易開封性を有する。
(ヒートシール樹脂層a1)
本発明の積層フィルムにおいて、乳酸系重合体としては、特に限定されないが、ポリ(D−乳酸)と、ポリ(L−乳酸)と、D−乳酸とL−乳酸との共重合体と、D−乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体あるいはL−乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、あるいはこれらのブレンド物、また、ジカルボン酸およびジオールをエステル反応させて得られたポリエステル成分を乳酸成分と共重合させたものが挙げられ、なかでも、主たる構造単位がL−乳酸であるポリ乳酸が成膜安定性の点から特に好ましい。
上記ヒドロキシカルボン酸、ジオールおよびジカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカプロン酸類、カプロラクトン、ブチロラクトン、ラクチド、グリコリド等の環状ラクトン類などのヒドロキシカルボン酸;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族ジオール;テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸である。
乳酸系重合体を主成分として含有するヒートシール樹脂層a1としては、押出成形時に良好な流動性を有する必要からメルトフローレートが190℃において好ましくは5〜20g/10min、より好ましくは6〜15g/10minである。かかるメルトフローレートの範囲であると、押出成形が容易であり、また、共押出多層化するときに、隣接層との流動性も良好でより外観に優れた積層フィルムが得られる。
(接着性樹脂層a2)
本発明の積層フィルムにおいて、接着性樹脂層a2は、オレフィン系重合体に無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト共重合してなる酸変性オレフィン系重合体である。酸変性量が2質量%未満であるとヒートシール樹脂層との接着が弱くなるため、2質量%以上が好ましい。かかるオレフィン系重合体としては、エチレンとプロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のαオレフィンとの共重合体等が挙げられる。この場合、コモノマーの含量が多くなると低密度となり、軟質化するために接着性は強くなる傾向があるため、0.91g/cm以下の密度であればより強く接着するため好ましい。また、かかるオレフィン系重合体としては、密度にかかわらず、エチレンと(メタ)アクリル酸メチルや酢酸ビニル等との共重合体でも同様に軟質化するため、これらを用いても構わないし、これらを適宜混合しても構わない。
ヒートシール樹脂層a1との層間接着強度を上げるために、粘着付与剤、反応触媒などを添加してもよく、粘着付与剤としては、天然樹脂や合成樹脂からなる常温で粘着性を有する樹脂が挙げられ、例えば、天然樹脂ロジン、重合ロジン、水素添加ロジン、グリセルネステルロジン、ペンタエリスリトール等のロジン系樹脂;テルペン、芳香族テルペン、テルペンフェノール、水素添加テルペン等のテルペン系樹脂;脂肪族石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水素脂環式系石油樹脂;常温で液状のポリブタジエン、常温で液状のポリイソプレン、常温で液状のポリイソブチレン等が挙げられる。
(基材樹脂層a3)
本発明の積層フィルムにおいて、基材樹脂層a3は、熱可塑性樹脂であれば良いが、接着性樹脂層a2と強固に接着する組成であることが必須である。例えばエチレン系樹脂を主体とする接着性樹脂を使用した場合には、エチレン系樹脂を主体とする熱可塑性樹脂であれば、基材樹脂層a3と接着性樹脂層a2との層間が強固に接着するため、開封時にヒートシール樹脂層a1と接着性樹脂層a2との層間で容易に剥離させることができる。
(厚さ)
本発明の積層フィルムの厚さ(全厚)と、乳酸系重合体を含有するヒートシール樹脂層a1、接着性樹脂層a2および基材樹脂層a3の厚さについては、用途等によって異なり、特に限定されるものではないが、全厚は包装用フィルムとして好適に使用できることから、通常15〜200μmであり、なかでも20〜100μmが好ましい。かかるヒートシール樹脂層の厚さは、1〜10μmであることが好ましい。ヒートシール樹脂層が1μmよりも薄い場合には、剥離強度が低くなり、包装体の破袋が発生する可能性があり、また、10μmよりも厚くなった場合には、剥離時にヒートシール樹脂層が破断しにくくなるために毛羽立ちや膜残りが起こるため好ましくない。
(剥離強度)
前記ヒートシール樹脂層a1を接着面として、100℃〜140℃にて、1秒間、荷重100kgの条件下で、表面が平滑なポリ乳酸シートに熱圧着した後に、温度23℃、引張速度300mm/min、90度剥離の条件下で剥離強度を測定した場合、本発明の積層フィルムのヒートシール樹脂層a1と接着性樹脂層a2との層間剥離強度は、5〜15N/15mmであることが、包装体として内容物を保護でき、且つ、容易に開封できる強度であることから好ましい。層間剥離強度は、8〜12N/15mmであることがより好ましい。
かかる表面が平滑なポリ乳酸シートとは、ポリ乳酸が実質的に100%使用されており、目視により確認できるような凹凸が無い、表面が平滑なシートである。なお、基材樹脂層a3の弾性率が低く、前記層間剥離強度が正しく測定できないときは、基材樹脂層a3の表面に延伸基材フィルム等の高弾性率のフィルムを貼り合わせて測定を行っても良い。
(ラミネートフィルム)
本発明の積層フィルムを蓋材フィルムとして使用する際には、基材樹脂層a3上に任意の延伸基材を積層接着したものが、熱封着性、開封性、強度等の性能に優れる点から好ましい。この積層接着される基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、塩化ビニリデン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ乳酸等からなる基材がある。またこれらの積層接着する基材は単層に限らず多層に積層したもの等が任意に選択できる。この積層接着する基材は二軸延伸加工されたフィルムをラミネート加工等で積層接着することが望ましく、ラミネート加工としては、ドライラミネート、サーマルラミネート、押出ラミネート等任意の方法を用いることができる。また、接着性樹脂を介して、共押出ラミネートで積層しても良い。この基材の厚さは特に限定されるものではないが、熱封着性、易開封性に優れるラミネートフィルムが得られることから5〜300μmが好適である。
(一般的な添加剤)
本発明の積層フィルムには、上記各樹脂層のいずれかあるいは全ての層に他の熱可塑性樹脂、造核剤、熱安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、防曇剤等を本発明の目的を損なわない範囲で添加しても良い。
(共押出多層化製造法)
本発明の積層フィルムの製造方法としては、上記各樹脂層が隣接して積層される共押出積層成形法であることが必要であり、例えば、2台以上の押出機を用いて溶融押出する、共押出多層ダイス法、フィードブロック法等の公知の共押出法により溶融状態で各樹脂層を積層した後、インフレーション、Tダイ・チルロール法等の方法で長尺巻フィルムに加工する方法が好ましく、Tダイを用いた共押出法がより好ましい。
(一般的な表面処理)
本発明の共押出積層フィルムの製造に際して最外樹脂層には、印刷の接着性や接着剤との接着性を向上させるために、表面処理を施してもよい。
この表面処理の方法は、本発明の共押出積層フィルムを連続的に処理でき、かつ、製膜時に巻き取る前に容易に実施でき、処理の度合いも任意に調整できるコロナ放電処理が望ましい。なお、表面処理に関しては加熱下または不活性ガスの雰囲気下でコロナ放電もしくはプラズマ放電等の効果促進手法を用いても良い。
(ポリ乳酸包装容器及びヒートシール)
ポリ乳酸包装容器としては、ポリ乳酸を主成分とする200〜600μm程度のシートを成形して得られるトレーやカップ等を使用することができる。例えば、幅2〜10mm程度で、直径70〜120mmの円形又は一辺が50〜150mm程度の長方形であり、厚さが200〜600μm程度の鍔部を有する容器を使用できる。
ヒートシールは、容器鍔部の下部を受ける金型に容器をセットし、本発明の積層フィルムのヒートシール樹脂層a1と容器鍔部をつき合わせ、100〜140℃に加熱された鍔部の形状に合わせたシール金型をエアシリンダー等で押圧し、ヒートシールするものである。
以下に実施例と比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、例中の部及び%は全て質量基準である。
実施例1
ヒートシール樹脂層a1としてL−乳酸を主体とする乳酸系重合体〔三井化学(株)製レイシアH−100、メルトフローレート8g/10min;以下PLAという〕を用い、接着性樹脂層a2として酸変性量が2.9質量%で密度が0.89g/cmの酸変性エチレン−プロピレン−ブテン共重合体(以下接着性樹脂(b1)という)を用い、基材樹脂層a3として直鎖状低密度ポリエチレン〔密度0.93g/cm、メルトフローレート6g/10min;以下LLDPEという〕用い、ヒートシール樹脂層a1用押出機(口径30mm)と接着性樹脂層a2用押出機(口径30mm)と基材樹脂層a3用押出機(口径40mm)のそれぞれに樹脂を供給し、共押出法により押出温度230℃でTダイから(A)/(B)/(C)の各層の厚さが5μm/10μm/15μmになるように押出し、30℃の水冷金属冷却ロールで冷却し、基材樹脂層a3の濡れ張力が40mN/mとなるようにコロナ放電処理を施した後、ロールに巻き取り、35℃の熟成室で48時間熟成させて、全厚が30μmの本発明の共押出積層フィルムを得た。
実施例2
ヒートシール樹脂層a1として、L−乳酸を主体とする乳酸系重合体〔三井化学(株)製レイシアH−100:メルトフローレート8g/10min〕85質量%と乳酸系共重合体〔大日本インキ化学工業(株)製プラメートPD−150;以下CPLAという〕15質量%との混合物を用いた以外は実施例1と同様にして実施例2の共押出積層フィルムを得た。
比較例1
ヒートシール樹脂層a1として、非晶性ポリエチレンテレフタレート共重合体〔イーストマンケミカル製PETG6763;以下PETGという〕を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1の共押出積層フィルムを得た。
比較例2
L−乳酸を主体とする乳酸系重合体〔三井化学(株)製レイシアH−100:メルトフローレート8g/10min〕50質量%とポリカプロラクトン〔ダイセル化学工業(株)製セルグリーンPH7:メルトフローレート1.7g/10min;以下PCLという〕50質量%との混合物をヒートシール樹脂層a1用押出機(口径30mm)と接着性樹脂層a2用押出機(口径30mm)と基材樹脂層a3用押出機(口径40mm)のそれぞれに供給した以外は実施例1と同様にして比較例2の共押出積層した同一樹脂組成の積層フィルムを得た。
比較例3
接着性樹脂層a2に酸変性量が約1.5質量%で密度が0.88g/cmの酸変性エチレン−プロピレン−ブテン共重合体(以下接着性樹脂(b2)という)を用いた以外は実施例1と同様にして比較例3の共押出積層フィルムを得た。
得られた共押出多層フィルムの基材樹脂層a3側に、ウレタン系接着剤を使用して膜厚12μmの2軸延伸ポリエステルフィルムをラミネートして、ラミネートフィルムを得た。
次いで、ラミネートフィルムを蓋材として、そのヒートシール樹脂層a1と、ポリ乳酸(実質的にポリ乳酸100%)のシートからなり、幅5mm、一辺の長さが90mmの正方形で、厚さが300μmの表面が平滑な鍔部を有する、容量80cm容器の該鍔部とを重ね合わせ、包装機を使用して、温度100℃、120℃および140℃、時間1秒間、荷重100kgの条件でヒートシールして、各温度でヒートシールしてなる3種類の包装体を得た。
前記包装体3個の鍔部(ヒートシール部)から、ヒートシール強度測定用サンプル(サンプル幅15mm)をそれぞれ等間隔で4サンプル切り出して得た合計12サンプルについて、温度23℃、引張速度300mm/min、90度剥離の条件下で万能型引張試験機(株式会社エー・アンド・デー製RTC−1210A)を用いて、ヒートシール強度を測定した。結果を表1に示す。
また、前記、包装体を手で開封し、適度な力で容易に滑らかに開封できたものを○、容易には開封せず開封しづらいもの、または極めて弱い力で開封してしまうものを△、開封に特に強い力が必要できれいに開封できないものを×と開封感を評価した。これらの結果も第1表に示す。
Figure 0004957065
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例3では、ヒートシール樹脂層a1と接着性樹脂層a2との界面で剥離しているのが観察された。一方、比較例2ではヒートシール樹脂層a1と接着性樹脂層a2との界面では剥離せず、ヒートシール樹脂層a1内部で凝集破壊が生じ、ヒートシール温度の影響を強く受け、ヒートシール温度が高くなるに連れて剥離強度が増加して安定した開封感は得られなかった。
本発明の積層フィルムおよびそのラミネートフィルムは、良好な易開封性と透明性を有しており、乳酸系重合体からなる包装容器の蓋材のシーラントフィルム、または、袋状包装体に好適に使用できる。
ポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムaによりヒートシールされているポリ乳酸製包装容器bから、ポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムaを剥離しているところを示した模式図である。 ポリ乳酸製包装体bから、ポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルムaを剥離しているところを示した断面模式図である。
符号の説明
a:ポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルム
b:ポリ乳酸製包装容器
c:内容物
d;鍔部
a1:ヒートシール樹脂層a1
a2:接着性樹脂層a2
a3:基材樹脂層a3

Claims (5)

  1. 乳酸系重合体を主成分として含有するヒートシール樹脂層a1と、酸変性オレフィン系重合体を主成分として含有する接着性樹脂層a2と、
    オレフィン系重合体を主成分として含有する基材樹脂層a3とをこの順に積層した積層フィルムであって、
    前記酸変性オレフィン系重合体が、酸変性エチレン−αオレフィン共重合体であり、
    該酸変性エチレン−αオレフィン共重合体の酸変性量が2質量%以上、且つ、密度が0.91g/cm 以下であり、
    前記ヒートシール樹脂層a1を接着面として、100℃〜140℃にて、1秒間、荷重100kgの条件下で、表面が平滑なポリ乳酸シートに熱圧着した後に、温度23℃、引張速度300mm/min、90度剥離の条件下で剥離強度を測定した場合、前記ヒートシール樹脂層a1と前記接着性樹脂層a2との層間剥離強度が5〜15N/15mmであるポリ乳酸包装体用易開封性積層フィルム。
  2. 前記乳酸系重合体を主成分として含有するヒートシール樹脂層a1のメルトフローレートが5〜20g/10minである請求項1記載の積層フィルム
  3. 前記ヒートシール樹脂層a1の厚さが1〜10μmであり、全体の厚さが15〜200μmである請求項1乃至のいずれか1項に記載の易開封性積層フィルム。
  4. 更に、前記基材樹脂層a3上に延伸基材フィルムを積層した請求項1乃至のいずれか1項に記載の易開封性積層フィルム。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の易開封性積層フィルムを使用し、前記ヒートシール樹脂層a1をヒートシール面としてヒートシールされたポリ乳酸包装体。
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