JP7290203B2 - 積層体及び包装材 - Google Patents

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Description

本発明は袋として使用するのに適した、特に折り曲げ加工などの加工適性に優れた包装用積層体、当該積層体からなる包装材に関する。
近年、プラスチックゴミ問題が深刻化している。世界のプラスチックの生産量は4億トン/年を超えると言われ、その中でも包装容器セクターでのプラスチック生産量が多く、プラスチックゴミの原因になっている。プラスチックは半永久的に分解せず、そのゴミは自然環境下でマイクロプラスチック化し、生態系に深刻な悪影響を与えている。包装容器に使用されるプラスチックとしては、飲料のボトル等に使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)、レジ袋、容器のラミネートに使用されるポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)が最も多く使用されている。特に海洋の汚染は著しく、そのプラスチックゴミは回収不可能と言われている。今後、プラスチックの使用を低減することが地球環境にとって必要である。
一方で、プラスチックゴミ対策として微生物によって完全に分解され得る生分解性プラスチックの応用が世界中で提案されている。生分解プラスチックは自然界で一定期間の内に分解されるが、分解されるまではやはりゴミであり、それらの使用量及び廃棄量が低減されない限りにおいては、即効性のある対策とは言えない(特許文献1、2参照)。
即効性のある対策手段として、プラスチックを紙に代替することが提案されているが、紙を袋や容器に加工する際には、ヒートシール剤として、ポリエチレンやポリプロピレンが多量にラミネートされて使用される。これらプラスチックのラミネート量は、商品コンセプトによって様々だが、概ね20~50g/mであり、300g/mと多量になる場合もある。従って、プラスチックを紙に代替した包装容器においても、依然としてプラスチックの使用量は十分に低減されないという問題があり、早急に、直接的にプラスチックの使用を低減する手段が必要である。
特開2012-148444号公報 特開2013-141763号公報
本発明は、プラスチックの使用量を低減することができる包装用積層体を提供すること、特に、袋として使用するのに適した、特に折り曲げ加工などの加工適性に優れた包装用積層体を提供することを目的とする。
本発明は坪量が10g/m以上100g/m以下である紙基材と、紙基材に接して配置されたヒートシール層と、を有し、ヒートシール層はガラス転移温度が30℃以上60℃以下のポリエステル(A)を含む積層体に関する。
本発明によれば、プラスチックの使用量を低減することができる包装用積層体を提供すること、特に、袋として使用するのに適した、特に折り曲げ加工などの加工適性に優れた包装用積層体を提供することができる。
<積層体>
本発明の積層体は、坪量が10g/m以上100g/m以下である紙基材と、紙基材に接して配置されたヒートシール層と、を有し、ヒートシール層はガラス転移温度が30℃以上60℃以下のポリエステル(A)を含む。以下本発明の積層体について詳述する。
(紙基材)
本実施形態において用いる紙基材としては特に限定するものではなく、パルプを主成分とする公知の紙基材を用いることができる。晒または未晒クラフト紙、上質紙、板紙、ライナー紙、塗工紙、片艶紙、グラシン紙、グラファン紙、再生紙等が挙げられる。また、FSC認証紙を用いることが好ましい。紙基材の坪量は10~100g/mである。坪量が10g/m未満では、袋としての強度が劣り、また坪量が100g/mを超える場合は、袋としての柔軟性が低下する。
紙基材の主成分となるパルプとしては、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)、NBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)、LUKP(広葉樹未さらしクラフトパルプ)、NUKP(針葉樹未さらしクラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)、CGP(ケミグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプ及びケナフ、バガス、竹、コットン、マニラ麻などの非木材パルプを用いることができる。これらは、単独で使用するか、又は任意の割合で混合して使用することが可能である。
広葉樹パルプは比較的に短繊維であり、引張破断伸びに対しては不利に働く傾向がある。一方で針葉樹パルプ、非木材パルプは広葉樹パルプに比べ長繊維であり、強度が強く、引張破断伸びを大きくする傾向にある。例えば、パルプとして、NBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)やNUKP(針葉樹未さらしクラフトパルプ)などの針葉樹パルプをパルプ中5質量部以上使用することが好ましい。袋として使用する場合の強度が実用上十分であり、また耐水性と耐油性に優れる。好ましくは、NBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)を5~20質量%およびLBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)を95~80質量%を含むパルプを使用するとよい。さらに、引張破断伸びをさらに強化する場合は、NBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)を80~95質量%およびLBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)を5~20質量%を含むパルプを使用することが好ましい。
紙基材としては填料を含有するものも使用できる。填料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、焼成クレー、二酸化チタン、水酸化アルミニウムを例示できる。紙基材中の填料含有量は、パルプの乾燥質量100質量部に対して、例えば、1~30質量部である。例えば、パルプの乾燥質量100質量部に対して、軽質炭酸カルシウムを1~15質量部、好ましくは2~10質量部含むとよい。
また、紙基材には、パルプと填料に加えて、各種公知の製紙用添加剤が含まれていてもよい。製紙用添加剤としては、例えば、サイズ剤、水溶性高分子、湿潤紙力増強剤などの内添紙力増強剤、嵩高剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、蛍光消色剤、ピッチコントロール剤などが挙げられる。
サイズ剤としては、中性ロジンサイズ剤、強化ロジンサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、AKD(アルキルケテンダイマー)又はASA(アルケニル無水コハク酸)などが挙げられる。パルプ100質量部に対して0.05~1.0質量部、さらには0.1~0.5質量部の中性ロジンサイズ剤を含有する紙基材を用いることが好ましい。サイズ剤を含有させることでヒートシール剤等を塗工する際に、紙基材への塗工液の浸透が適度に抑えられ、耐水性や耐油性に優れた積層体となる。
水溶性高分子としては、コーン澱粉、じゃがいも澱粉、タピオカ澱粉や、これらを加工した架橋剤変性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン性澱粉、両性澱粉などの澱粉類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどを使用することができる。とくに澱粉類と、ポリアクリルアミドの使用が好ましい。水溶性高分子の添加量としてはパルプ100質量部に対して、0.05質量部以上である。さらに好ましくは0.1質量部以上である。例えば、パルプ100質量部に対して0.1~10質量部、好ましくは、0.1~7.0質量部の水溶性高分子含有させることが好ましい。さらには、パルプ100質量部に対して、0.1~7.0質量部、好ましくは0.1~5.0質量部のポリアクリルアミド、および/または、0.1~3.0質量部、好ましくは0.1~2.0質量部の澱粉、好ましくはカチオン化澱粉を含有させることが好ましい。含有させる方法としては、内添、塗布(サイズプレス、エアーナイフコーターなど)などの既知の方法を使用することができる。
紙基材の抄紙方法は、特に限定されるものではなく、長網抄紙機、長網多層抄紙機、円網抄紙機、円網多層抄紙機、長網円網コンビ多層抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種抄紙機で製造できる。また、本発明においては、紙基材としては単層抄きでも多層抄きでも、複数層の貼合品であってもよい。
紙基材には、顔料塗工層が設けられていてもよい。顔料塗工層は、顔料と、バインダーとを含む塗液を塗布して形成される。顔料としては、一般の印刷用塗工紙の塗工層に使用される公知の顔料を用いることができ、例えば、炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウム等)、カオリン(クレーを含む)、焼成クレー、タルク、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪藻土、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機顔料、又はアクリル、スチレン、塩化ビニル、ナイロンそのものや、これらを共重合して得られる有機顔料(いわゆるプラスチックピグメント)が挙げられる。例えば、顔料としては、20~40質量部のカオリンと60~80質量部の重質炭酸カルシウムの組み合わせを使用することができる。
バインダーも一般の印刷用塗工紙の塗工層に使用される公知の接着剤を用いることができ、例えば、ブタジエン系共重合ラテックス、架橋剤変性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン性澱粉、両性澱粉などの澱粉類、ゼラチン、カゼイン、大豆タンパク、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、等の合成樹脂類等を例示できる。
塗工剤中の顔料とバインダーの配合割合は特に限定されるものではないが、顔料100質量部に対しバインダー5~50質量部とすることが好ましい。例えば、顔料100質量部に対して、バインダーとして1~5質量部のリン酸エステル化澱粉と5~15質量部のスチレンブタジエンラテックスの組み合わせを使用することができる。塗工剤には、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で各種助剤を含んでもよく、例えば、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、耐水化剤、分散剤、流動変性剤、紫外線吸収剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、pH調節剤、消泡剤、可塑剤、防腐剤が含まれていてもよい。また、このような塗工剤の塗工量としては、例えば、紙基紙の片面あたり、固形分換算で、2~40g/mである。本発明の包装用紙の実施形態の一つとして、ヒートシール層はこのような顔料塗工層の上に設けられてもよく、また、別の実施形態としては一方の面のみに顔料塗工層が設けられた紙基材の顔料塗工層が設けられていない面にヒートシール層が設けられていてもよい。
(ヒートシール層)
ヒートシール層は、ガラス転移温度が30℃以上60℃以下のポリエステル(A)と、有機溶剤とを含むヒートシール剤を、紙基材に塗布、乾燥することで形成された塗膜である。このようなヒートシール剤は、種々の紙基材との組み合わせにおいて良好なヒートシール性を示す。
ポリエステル(A)は多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物であり、ガラス転移温度が30℃以上60℃以下である。なおポリエステル(A)のガラス転移温度は以下のようにして測定した値をいう。ポリエステル(B)についても同様である。
示差走査熱量測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製DSC-7000、以下DSCとする)を用い、試料5mgを30mL/minの窒素気流下で室温から10℃/minで200℃まで昇温した後、10℃/minで-80℃まで冷却する。再び10℃/minで150℃まで昇温させてDSC曲線を測定し、二度目の昇温工程で観測される測定結果における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点をガラス転移点とし、このときの温度をガラス転移温度とする。また、一度目の昇温で200℃まで昇温させているが、これはポリエステル(A)、(B)が十分に溶融する温度であればよく、200℃では不十分である場合は適宜調整する。同様に、冷却温度も-80℃では不十分な場合(ガラス転移温度がより低い場合など)には適宜調整する。
ポリエステル(A)の合成に用いられる多価カルボン酸としては従来公知のものを特に制限なく用いることができ、例えばマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2-ジメチルコハク酸、無水コハク酸、アルケニル無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多塩基酸;
マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ピメリン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の脂肪族多塩基酸のアルキルエステル化物;
1,1-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサン-1,2,4-トリカルボン酸-1,2-無水物、無水ハイミック酸、無水ヘット酸等の脂環族多塩基酸;
オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸無水物、ナフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の芳香族多塩基酸;
ジメチルテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の芳香族多塩基酸のメチルエステル化物;等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステル(A)の合成に用いられる多価アルコールとしては従来公知のものを特に制限なく用いることができ、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2,2-トリメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-3-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のエーテルグリコール;
前記脂肪族ジオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルジオール;
前記脂肪族ジオールと、ラクタノイド、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールにエチレンオキサイド、プロプレンオキサイド等を付加して得られるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記3官能以上のポリオールは、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール;
前記脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;
前記脂肪族ポリオールと、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリエステル(A)の数平均分子量は特に限定されないが、一例として10,000以上30,000以下である。なお、本明細書における数平均分子量は下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC-8320GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSKgel 4000HXL、TSKgel 3000HXL、TSKgel 2000HXL、TSKgel 1000HXL
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC-8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
ヒートシール剤は、ポリエステル(A)に加えてガラス転移温度が-10℃以上20℃以下であるポリエステル(B)をさらに含むことが好ましい。これにより、種々の紙基材に適用した際により好適なヒートシール性を示すとともに、幅広い温度域において優れたヒートシール性を発現する。ポリエステル(B)は多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物である。ポリエステル(B)の合成に用いられる多価カルボン酸、多価アルコールはポリエステル(A)と同様のものを用いることができる。
ポリエステル(B)の数平均分子量は特に限定されないが、一例として10,000以上30,000以下である。
ヒートシール剤がポリエステル(B)を含む場合、ポリエステル(A)、(B)の総量の20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。また、ポリエステル(A)、(B)の総量の80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いられるヒートシール剤は、ポリエステル(A)、ポリエステル(B)以外の熱可塑性樹脂(C)を含んでいてもよい。樹脂(C)としては、ポリエステル(A)、(B)以外のポリエステル、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、スチレン-アクリル酸エステル系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、ブタジエン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン-ビニルアルコール系樹脂、エチレン-アクリル酸エステル系樹脂、エチレン-アクリル酸系樹脂、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン-イソプレン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の配合量は、ポリエステル(A)、(B)との総量の15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。換言すれば、ヒートシール層に含まれる樹脂分のうち、ポリエステル(A)、(B)の総量が占める割合が85質量%以上であることが好ましい。
有機溶剤としては、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、n-ヘキサン、シクロヘキサン等を使用して希釈してもよい。近年の溶剤規制の観点からは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n-ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらの中でもポリエステル(A)、(B)の溶解性に優れることから酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)が好ましく用いられ、特に酢酸エチルが好ましい。
ヒートシール剤に占めるポリエステル(A)、(B)の総量は適宜調整され得るが、一例として20質量%以上40質量%以下である。これにより、作業性、塗工適性に優れたヒートシール剤とすることができる。
ヒートシール層の形成に用いられるヒートシール剤は、さらに他の成分、例えばワックス、フィラー、脂肪族ジオールなどの滑剤、消泡剤、可塑剤、レベリング剤、乳化剤、分散安定剤、界面活性剤、粘着性付与剤、防腐剤、抗菌剤、防錆剤、酸化防止剤、架橋剤、硬化剤、硬化触媒、光安定剤、紫外線吸収剤、光触媒性化合物、染料、無機顔料、有機顔料、体質顔料、帯電防止剤等を含んでいてもよい。
ワックスとしては、脂肪酸アミドワックス、カルバナワックス、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、みつろう、マイクロクリスタリンワックス、酸化ポリエチレンワックス、アマイドワックスなどのワックス、ヤシ油脂肪酸や大豆油脂肪酸などが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし併用してもよい。これにより、耐ブロッキング性を向上させることができる。ヒートシール性を低下させずに耐ブロッキング性を向上させることができることから、ポリエチレンワックスを用いることが好ましい。
ワックスの配合量は適宜調整され得るが、ポリエステル(A)、(B)の総量100質量%全量に対し0.1~20質量%であることが好ましい。ヒートシール性と耐ブロッキング性のバランスの観点から、3質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
フィラーとしては、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、タルク、ウレタンビーズ、アクリルビーズ、メラミンビーズ等が挙げられ、単独または複数を組合わせて用いることができる。シリカ、アクリルビーズのいずれかまたは両方を用いることが好ましい。これにより、耐ブロッキング性を向上させることができる。また、例えば本発明の積層体を高温下で保管した場合にヒートシール層が流れ出し、膜厚が薄くなるのを抑制することもできる。
フィラーの形状は特に限定されないが、熱による変形の影響が少なく、塗膜中での分散の仕方によらず安定的な耐ブロッキング効果を得られることから球状であることが好ましい。フィラーの平均粒子径は、用いるフィラーにより適宜調整されるが、一例として0.5~10μmである。
脂肪族ジオールとしては、2級水酸基を有する炭素原子数10以上の脂肪族ジオールが好ましく用いられる。具体例としては、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ウンデカンジオール、オクタデカン-1,12-ジオール(別名ヒドロキシステアリルアルコール)、1,2-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、1,2-ヘプタデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール、1,2-ノナデカンジオール、1,2-オクタデカンジオール等が挙げられる。中でもオクタデカン-1,12-ジオールが好ましい。
脂肪族ジオールの配合量は適宜調整され得るが、一例としてポリエステル(A)、(B)、樹脂(C)の総量100質量部に対し、0.3~5質量部であることが好ましく、1~2,5質量部であることがより好ましい。
消泡剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸塩類、液体脂肪油硫酸エステル類、脂肪族アミン及び脂肪族アミドの硫酸塩類、脂肪族アルコールリン酸エステル類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アクリル系ポリマー、シルコーン混合アクリル系ポリマー、ビニル系ポリマー、ポリシロキサン化合物などが挙げられる。
可塑剤としては、ポリエステル(A)、(B)と相溶して軟化してヒートシール性を向上させる、極性を持つエステル化合物が好ましい。このような化合物の具体例としては、ジシクロヘキシルフタレート等のフタル酸エステル化合物、安息香酸スクロース、安息香酸ジエチレングリコールエステル、安息香酸グリセリド、安息香酸ペンタエリトリットエステル、安息香酸トリメチロールエタンエステル、安息香酸トリメチロールプロパンエステル等の安息香酸エステル化合物、
トリエチレングリコールビス〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔3-(3 ,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)プロピオネート〕、1 ,6-ヘキサンジオールビス〔3 -(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサンジオールビス〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサンジオールビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が挙げられる。特に好ましい固体可塑剤としては、トリエチレングリコールビス〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサンジオールビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3-(3 ,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のヒンダードフェノールエステル化合物、
ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸などのエチレングリコール、ブタンヂオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオールとのエステル化物、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの二塩基酸のラウリルアルコール、ステアリルアルコールのエステル化物等の脂肪酸エステル化合物等が挙げられる。安全衛生面から安息香酸エステル化合物、ヒンダードフェノールエステル化合物、脂肪酸エステル化合物等を用いることが好ましい。
可塑剤は、耐ブロッキング性、低温ヒートシール性のバランスの観点からガラス転移温度が50℃以上150℃以下のものを用いることが好ましく、50℃以上80℃以下のものを用いることがより好ましい。また、ヒートシール時に速やかに溶融してポリエステル(A)、(B)を軟化させるとともに、自身の揮発を抑制する観点から数平均分子量が200以上1000以下であることが好ましい。
ポリエステル(A)、(B)、熱可塑性樹脂(C)の少なくとも一種が水酸基やグリシジル基、カルボキシル基等の反応性基を有する場合、これらの反応性基と熱反応しうるイソシアネート硬化剤やポリアミン硬化剤等の硬化剤と組み合わせてもよい。硬化剤の具体例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の分子構造内に芳香族構造を持つポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのNCO基の一部をカルボジイミドで変性した化合物;これらのポリイソシアネートに由来するアルファネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の分子構造内に脂環式構造を持つポリイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖状脂肪族ポリイソシアネート、及びこのアルファネート化合物;これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体;これらのポリイソシアネートに由来するアロファネート体;これらのポリイソシアネートに由来するビゥレット体;トリメチロールプロパン変性したアダクト体;前記した各種のポリイソシアネートとポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネート等の多官能イソシアネートや、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、オクタエチレンノナミン、ノナエチレンデカミン、ピペラジンあるいは、炭素原子数が2~6のアルキル鎖を有するN-アミノアルキルピペラジン等のポリエチレンポリアミンや、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン、もしくはIPDA)等のアミン化合物が挙げられる。
(製造方法)
本発明の積層体は、紙基材上にヒートシール層を設けてなる。ヒートシール剤の塗工方法としては、特に限定されないが、一例としてグラビアコート法、リバースコート法、キスコート法、エアナイフコート法、メイヤーバーコート法、ロールコート法、ディップコート法等が挙げられる。ヒートシール剤は一度に塗布してもよいし、二度塗布してもよい。二度に分けて塗布することにより、紙基材上に設けた場合であってもヒートシール性に優れたヒートシールを形成することができる。ヒートシール層は、紙基材の全面に設けられていてもよいし、製袋する際にヒートシールする部分のみに設けられていてもよい。
紙基材上にヒートシール剤を塗布した後、乾燥させることでヒートシール層が形成される。乾燥温度は50~180℃、乾燥時間は0.5秒~1分程度である。乾燥方法は特に限定されないが、一例として熱風乾燥が挙げられる。ヒートシール剤を二度に分けて塗布する場合は都度乾燥を行う。必要に応じ、後処理としてコロナ放電処理などを施してもよい。また、ヒートシール剤が硬化剤を含む場合には、常温~40℃で12~72時間のエージングを行うことが好ましい。
ヒートシール剤の塗布量(固形分)は特に制限されないが、一例として1.0~15.0g/mである。3.0~10.0g/mであることが好ましく、5.0~8.0g/mであることがより好ましい。二度に分けてヒートシール剤を塗布する場合は、合計の塗布量がこの範囲に収まるように調製する。
本発明の積層体は、紙基材、ヒートシール層以外の層を有していてもよい。一例として印刷層が挙げられる。印刷層は、紙基材を挟んでヒートシール層とは反対側に設けられる。印刷層は紙基材上に直接設けられていてもよいし、印刷層と紙基材との間にバリア層やアンカーコート層が設けられていてもよい。さらに印刷層上に、印刷層の保護を目的としたオーバーコート層が設けられていてもよい。印刷層は、グラビアインキ、フレキソインキ、オフセットインキ、孔版インキ、インクジェットインク等各種印刷インキにより、従来、紙基材への印刷に用いられてきた一般的な印刷方法で形成される。バリア層としては、ポリビニルアルコール等のガスバリア性樹脂を含む公知のガスバリアコート剤を塗布して形成される。アンカーコート層、オーバーコート層は、従来公知のコート剤を好適に用いることができる。
<包装材>
本発明の積層体は、食品や医薬品などの保護を目的とする多層包装材料として使用することができる。多層包装材料として使用する場合には、内容物や使用環境、使用形態に応じてその層構成は変化し得る。
本発明の包装材は、本発明の積層体を製袋し、その周辺端部をヒートシールして得られる。製袋方法としては、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、その他のヒートシール型等の形態によりヒートシールする方法が挙げられる。本発明の包装材は内容物や使用環境、使用形態に応じて種々の形態をとり得る。自立性包装材(スタンディングパウチ)等も可能である。ヒートシールする部分は、対向する両方の面にヒートシール層が設けられていてもよいし、片方の面のみに設けられていてもよい。
ヒートシールの際の加熱方法としては、バーナー等の熱源、熱風、電熱、赤外線、電子線等の従来公知の手段を用いる事ができる。バーナーや熱風で加熱する方法や、成形の形によっては熱溶着シール法や超音波シール法、あるいは高周波シール法が好ましい。この時の加熱温度は200~500℃、加熱時間は0.1~3秒が好ましい。
ヒートシール層を加熱軟化させた後、圧着させる。圧着方法としては特に限定なく、熱板方式、超音波シール、高周波シールの方法で行うことができる。
以下、本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ表す。
<ポリエステル樹脂の合成>
(ポリエステル(A-1)の合成)
イソフタル酸222.2部、テレフタル酸353.0部、セバシン酸79.6部、ネオペンチルグリコール237.7部、エチレングリコール107.5部を用い、定法に従いポリエステル(A-1)を得た。ポリエステル(A-1)の数平均分子量(Mn)は18,000、ガラス転移温度は40℃であった。
(ポリエステル(A-2)の合成)
イソフタル酸282.7部、テレフタル酸323.1部、アジピン酸59.2部、ネオペンチルグリコール194.1部、エチレングリコール140.8部を用い、定法に従いポリエステル(A-2)を得た。ポリエステル(A-2)の数平均分子量(Mn)は23,000、ガラス転移温度は47℃であった。
(ポリエステル(A-3)の合成)
イソフタル酸284.2部、テレフタル酸324.7部、アジピン酸59.5部、ネオペンチルグリコール195.1部、エチレングリコール136.5部を用い、定法に従いポリエステル(A-3)を得た。ポリエステル(A-3)の数平均分子量(Mn)は16,000、ガラス転移温度は47℃であった。
(ポリエステル(AH-1)の合成)
イソフタル酸332.2部、テレフタル酸332.2部、ネオペンチルグリコール216.6部、エチレングリコール119.1部を用い、定法に従いポリエステル(AH-1)を得た。ポリエステル(AH-1)の数平均分子量(Mn)は17,000、ガラス転移温度は67℃であった。
(ポリエステル(B-1)の合成)
イソフタル酸196.6部、テレフタル酸210.6部、アジピン酸247.0部、ネオペンチルグリコール193.7部、エチレングリコール152.1部用い、定法に従いポリエステル(B-1)を得た。ポリエステル(B-1)の数平均分子量(Mn)は23,000、ガラス転移温度は4℃であった。
<ヒートシール剤の調製>
ポリエステル(A)、(B)、滑剤、有機溶剤を表1、2に示す配合で調製して、実施例、比較例のヒートシール剤を得た。
Figure 0007290203000001
Figure 0007290203000002
<積層体の製造>
(積層体1)
三菱片アート紙(ラベル用、坪量84.9g/m)に、調製したヒートシール剤を塗工量(固形分)が5.0g/mになるようワイヤーバーにて塗工し、70℃で30秒乾燥させて積層体1を得た。
(積層体2)
紙基材として、クラフト紙(坪量50.0g/m)を用いた以外は積層体1と同様にして積層体2を得た。
<評価>
(ヒートシール性)
熱傾斜式ヒートシールテスター(テスター産業(株)製)を用い、シール温度80~180℃(20℃間隔)で圧力1kg/cm 、時間1秒でヒートシール剤の塗工面同士をヒートシールした。サンプル幅を15mmとし、引張り速度200mm/minで180°ピール強度を2回測定し、この平均値をヒートシール強度とした。
(耐ブロッキング性)
4cm角にカッティングしたテストピースの塗工面/非塗工面を重ね合せ、40℃ において、荷重5kgをかけ、24時間静置した。室温に戻した後、テストピース剥離時の塗膜の状態、基材フィルムの破れ方などを目視で5段階評価した。2回測定し、平均値を表3、4にまとめた。
5:易剥離
4:剥離可能、剥離時にパリパリと音がする
3:剥離可能、剥離後の塗膜に跡残りあり
2:剥離困難、基材破壊なし
1:剥離困難、基材破壊あり
Figure 0007290203000003
Figure 0007290203000004

Claims (7)

  1. 坪量が10g/m以上100g/m以下である紙基材と、
    前記紙基材に接して配置されたヒートシール層とを有する積層体の製造方法であって、
    前記紙基材上に、
    ガラス転移温度が30℃以上60℃以下のポリエステル(A)及び溶剤として、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、n-ヘキサン、又はシクロヘキサンからなる群から選ばれる少なくとも1つの有機溶剤を含有するヒートシール剤を塗工後乾燥させ、前記乾燥させる温度が、50~70℃であることを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 前記ヒートシール層はガラス転移温度が-10℃以上20℃以下のポリエステル(B)を含む請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記ポリエステル(A)およびポリエステル(B)の総量に占める前記ポリエステル(B)の含有量が20質量%以上80質量%以下である請求項2に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記ヒートシール剤に占めるポリエステル(A)、(B)の総量が20質量%以上40質量%以下である請求項2に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記ヒートシール層の塗布量が1.0~15.0g/mである請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
  6. 前記ヒートシール層は、二層である請求項1に記載の積層体の製造方法。
  7. 請求項1に記載の製造方法で得た積層体を製袋してなる包装材の製造方法。
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