JP2024020800A - ヒートシール剤、積層体及び包装材 - Google Patents

ヒートシール剤、積層体及び包装材 Download PDF

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Abstract

【課題】 内容物の水分の蒸発等によって防曇剤が脱落することなく、最適なシール強度と内容物の視認性を長期に維持することが出来る容器蓋材や包装材の製造に適したヒートシール剤、当該ヒートシール剤を用いて製造された積層体、包装材を提供する。【解決手段】 防曇剤(A)と、ポリエステル樹脂(B)とを含み、防曇剤(A)の炭素原子数が12以上18以下のアルキル基を有するアニオン性界面活性剤であり、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度が0℃以上20℃以下であるヒートシール剤、当該ヒートシール剤を用いて製造された積層体、包装材。【選択図】 なし

Description

本発明は食品包装や医療用具の容器蓋材や包装材として使用するのに適した、特にヒートシール性や防曇性に優れたヒートシール剤、当該ヒートシール剤を用いて得られる積層体、包装材に関する。
近年、カット野菜やカットフルーツなどのチルド食品の包装体として透明性、リサイクル性に優れるポリエステル容器が幅広く使用されている。これらの包装材の蓋材には、内容物の視認性を高めるために、防曇性が求められている。これは、容器内のチルド食品からの水分の蒸散で包装材内表面に曇りが生じてしまうと、内容物が見えにくく、商品価値の低下、すなわち食品の安全と安心を求める消費者の要求に応えることができなくなることに起因する。更に、容器の蓋材には、内容物を取り出すまでの確実なシール性を有することは必須である。包装材に防曇性を付与する方法として、例えば樹脂をフィルム状に成形したのちに、内容物に接する面に防曇剤を塗布する方法が知られている(特許文献1)。
特開2004-025825号公報
しかしながら、特許文献1のような方法では、内容物からの水分の蒸散により塗布面の防曇剤が流されてしまい、防曇効果の持続性が低下するおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑み為されたものであって、内容物の水分の蒸発等によって防曇剤が脱落することなく、最適なシール強度と内容物の視認性を長期に維持することが出来る容器蓋材や包装材の製造に適したヒートシール剤を提供することを目的とする。また、当該ヒートシール剤を用いて製造された積層体、包装材を提供することを目的とする。
本発明は、防曇剤(A)と、ポリエステル樹脂(B)とを含み、防曇剤(A)の炭素原子数が12以上18以下のアルキル基を有するアニオン性界面活性剤であり、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度が0℃以上20℃以下であるヒートシール剤に関する。
本発明によれば、防曇性やヒートシール性に優れた包装用積層体を提供すること、特に、食品包装や医療用具の容器蓋材や包装材として使用するのに適した包装用積層体を提供することができる。
<ヒートシール剤>
本発明のヒートシール剤は、防曇剤(A)として、炭素数が12以上18以下のアルキル基をもつアニオン性界面活性剤を含み、さらにガラス転移温度が0℃以上20℃以下のポリエステル樹脂(B)を含む。以下本発明の積層体について詳述する。
(防曇剤(A))
本発明のヒートシール剤に用いられる防曇剤(A)は、炭素原子数が12以上18以下のアルキル基をもつアニオン性界面活性剤である。後述するポリエステル樹脂(B)と、防曇剤(A)とを併用することで、防曇性、ヒートシール性に優れたヒートシール剤とすることができる。防曇剤(A)が有するアルキル基は、直鎖アルキル基や分岐アルキル基のいずれであってもよい。
防曇剤(A)としては、例えば、脂肪酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N-メチル-N-オレイルタウリンナトリウム塩類、N-アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩類、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、アルキルエーテルカルボン酸塩などが挙げられる。
このような防曇剤(A)の具体例としては、例えば、ヘキサデシルスルホコハク酸2ナトリウム、オクタデシルスルホコハク酸2ナトリウム、1,4-ジドデシルスルホナトコハク酸ナトリウム、ビス(トリデシル)スルホコハク酸ナトリウム、1,4-ジイソトリデシルスルホコハク酸ナトリウム、1,4-ジヘキサデシルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、モノドデシルリン酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられるがこれに限定されない。
より確実に防曇性を発現させるべく、本発明のヒートシール剤の固形分に占める防曇剤(A)の割合は、0.1質量%以上とすることが好ましい。また、防曇性とヒートシール性とのバランスの観点から10質量%以下であることが好ましい。
(ポリエステル樹脂(B))
ポリエステル樹脂(B)は多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物であり、ガラス転移温度が0℃以上20℃以下である。ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度が0℃未満であると、ヒートシール剤を塗布した積層体をフィルムロール状で巻き取った際に塗工した面と裏面とのブロッキングが生じる場合がある。ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度が20℃を超える場合、室温付近ではヒートシール層(本発明のヒートシール剤の乾燥塗膜)の柔軟性が乏しく、ヒートシール強度が低下するおそれがある。なおポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度は以下のようにして測定した値をいう。
示差走査熱量測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製DSC-7000、以下DSCとする)を用い、試料5mgを30mL/minの窒素気流下で室温から10℃/minで200℃まで昇温した後、10℃/minで-80℃まで冷却する。再び10℃/minで150℃まで昇温させてDSC曲線を測定し、二度目の昇温工程で観測される測定結果における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点をガラス転移点とし、このときの温度をガラス転移温度とする。また、一度目の昇温で200℃まで昇温させているが、これはポリエステル樹脂(B)が十分に溶融する温度であればよく、200℃では不十分である場合は適宜調整する。同様に、冷却温度も-80℃では不十分な場合(ガラス転移温度がより低い場合など)には適宜調整する。
ポリエステル樹脂(B)の合成に用いられる多価カルボン酸としては従来公知のものを特に制限なく用いることができ、例えばマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2-ジメチルコハク酸、無水コハク酸、アルケニル無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多塩基酸;
マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ピメリン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の脂肪族多塩基酸のアルキルエステル化物;
1,1-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサン-1,2,4-トリカルボン酸-1,2-無水物、無水ハイミック酸、無水ヘット酸等の脂環族多塩基酸;
オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸無水物、ナフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の芳香族多塩基酸;
ジメチルテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の芳香族多塩基酸のメチルエステル化物;等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステル樹脂(B)の合成に用いられる多価カルボン酸としては、芳香族多価カルボン酸を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂(B)の合成に用いられる多価カルボン酸のうち、芳香族多価カルボン酸が占める割合が40モル%以上であることが好ましく、45モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、100モル%であってもよい。これにより、ヒートシール剤の乾燥塗膜の機械的強度が良好なものとなることが期待できる。
ポリエステル樹脂(B)の合成に用いられる多価アルコールとしては従来公知のものを特に制限なく用いることができ、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2,2-トリメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-3-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;
前記脂肪族ジオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルジオール;
前記脂肪族ジオールと、ラクタノイド、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールにエチレンオキサイド、プロプレンオキサイド等を付加して得られるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記3官能以上のポリオールは、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール;
前記脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;
前記脂肪族ポリオールと、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂(B)の合成に用いられる多価アルコールとしては、脂肪族多価アルコールを用いることが好ましい。ポリエステル樹脂(B)の合成に用いられる多価アルコールのうち、脂肪族多価アルコールが占める割合が40モル%以上であることが好ましく、45モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、100モル%であってもよい。これにより、ヒートシール剤の乾燥塗膜の機械的強度が良好なものとなることが期待できる。
ポリエステル樹脂(B)の数平均分子量は特に限定されないが、一例として10,000以上30,000以下である。なお、本明細書における数平均分子量は下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC-8320GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSKgel 4000HXL、TSKgel 3000HXL、TSKgel 2000HXL、TSKgel 1000HXL
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC-8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
ポリエステル樹脂(B)は非晶性であることが好ましい。ただし、ガラス転移温度が上述の範囲にあるのであれば、結晶性のポリエステル樹脂であっても構わない。結晶性樹脂の場合、その融点は200℃以下が好ましく、より好ましくは180℃以下であり、160℃以下がさらに好ましい。融点が200℃を超えると、良好なヒートシール性を示さない場合がある。
本発明でいう結晶性のポリエステル樹脂とは、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、-80℃から250℃まで10℃/分で昇温し、該昇温過程に明確な融解ピークを示すものを指し、非晶性のポリエステル樹脂とは、同条件で測定した昇温過程に明確な融解ピークを示さないものを指す。
また、ポリエステル樹脂(B)の水酸基価は25mgKOH/g以下が好ましく、酸価は10mgKOH/gが好ましい。
(ポリエステル樹脂(C))
本発明のヒートシール剤は、ポリエステル樹脂(B)に加えてガラス転移温度が70℃以上100℃以下であるポリエステル樹脂(C)をさらに含むことが好ましい。これにより、容器の蓋材として使用した場合、ヒートシールして密封後、開封時にヒートシール層と基材フィルムとの層間での剥離が発生してしまい、きれいに開封出来ない、いわゆる二重蓋や膜残りといった不具合を回避しやすくなる。ポリエステル樹脂(C)のガラス転移温度はポリエステル樹脂(B)と同様の方法で測定される。
ポリエステル樹脂(C)は多価カルボン酸と多価アルコールとの反応生成物である。ポリエステル樹脂(C)の合成に用いられる多価カルボン酸は、ポリエステル樹脂(B)と同様のものを用いることができる。またポリエステル樹脂(C)の合成に用いられる多価カルボン酸としては、芳香族多価カルボン酸を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂(C)の合成に用いられる多価カルボン酸のうち、芳香族多価カルボン酸が占める割合が40モル%以上であることが好ましく、45モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、100モル%であってもよい。これにより、ヒートシール剤の乾燥塗膜の機械的強度が良好なものとなることが期待できる。
ポリエステル樹脂(C)の合成に用いられる多価アルコールはポリエステル樹脂(B)と同様のものを用いることができる。またポリエステル樹脂(C)の合成に用いられる多価アルコールとしては、脂肪族多価アルコールを用いることが好ましい。ポリエステル樹脂(C)の合成に用いられる多価アルコールのうち、脂肪族多価アルコールが占める割合が40モル%以上であることが好ましく、45モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、100モル%であってもよい。これにより、ヒートシール剤の乾燥塗膜の機械的強度が良好なものとなることが期待できる。
ポリエステル(C)の数平均分子量は特に限定されないが、一例として10,000以上30,000以下である。
また、ポリエステル樹脂(C)の水酸基価は25mgKOH/g以下が好ましく、酸価は10mgKOH/gが好ましい。
本発明のヒートシール剤がポリエステル樹脂(C)を含む場合、耐ブロッキング性、膜残り、ヒートシール性のバランスの観点から、ポリエステル樹脂(B)、(C)の総量に占めるポリエステル樹脂(C)の割合が5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、ポリエステル樹脂(B)、(C)の総量に占めるポリエステル樹脂(C)の割合が70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下がより好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。
本発明のヒートシール剤は一般的に水や溶剤に溶解または分散させた状態で使用される。ヒートシール剤の全量に占めるポリエステル樹脂(B)、(C)の総量は適宜調整され得るが、一例として10質量%以上60質量%以下である。これにより、作業性、塗工適性に優れたヒートシール剤とすることができる。
ヒートシール剤が、水または水系の有機溶剤に溶解または分散させた状態で使用される場合は、ポリエステル樹脂(B)、(C)を合成する際にスルホン酸塩やカルボン酸塩の様な親水性基を樹脂骨格に導入しておき、自己乳化させてもよいし、乳化剤を用いてポリエステル樹脂樹脂(B)、(C)を強制的に分散させる強制乳化の手法を採ってもよい。
(ブロッキング防止剤(D)) 本発明のヒートシール剤は、ブロッキング防止剤(D)をさらに含んでいてもよい。これにより、より耐ブロッキング性に優れたヒートシール剤とすることができる。
ブロッキング防止剤(D)としては、脂肪酸アミドワックス、カルバナワックス、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、みつろう、マイクロクリスタリンワックス、酸化ポリエチレンワックス、アマイドワックスなどのワックス、ヤシ油脂肪酸や大豆油脂肪酸、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、タルク、ウレタンビーズ、アクリルビーズ、メラミンビーズなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし併用してもよい。これにより、耐ブロッキング性を向上させることができる。ヒートシール性を低下させずに耐ブロッキング性を向上させることができることから、ポリエチレンワックス、シリカ、アクリルビーズを用いることが好ましい。ブロッキング防止剤(D)の平均粒子径は、適宜調整されるが、一例として0.1~10μmである。
ブロッキング防止剤(D)の配合量は適宜調整され得るが、固形分の総量100質量%全量に対し0.1~10質量%であることが好ましい。ヒートシール性と耐ブロッキング性のバランスの観点から、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
本発明のヒートシール剤は、水や溶剤等の溶媒を含む。本発明のヒートシール剤に用いられる溶媒としては、水、トルエン、キシレン、ソルベッソなどの芳香族系炭化水素溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン(MEK) 、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤、更にはこれらをアセチルエステル化した、グリコールエーテルエステル系溶剤、乳酸エチル、乳酸メチルなどの乳酸エステル系溶剤などが挙げられ、一種単独または二種以上を組合わせて用いることができる。これらの中でもポリエステル樹脂(B)、(C)の溶解性に優れることから酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)が好ましく用いられ、特に酢酸エチルが好ましい。
ヒートシール層の形成に用いられるヒートシール剤は、さらに他の成分、例えばポリエステル樹脂(B)、(C)以外の樹脂、脂肪族ジオールなどの滑剤、消泡剤、可塑剤、レベリング剤、乳化剤、分散安定剤、界面活性剤、粘着性付与剤、防腐剤、抗菌剤、防錆剤、酸化防止剤、架橋剤、硬化剤、硬化触媒、光安定剤、紫外線吸収剤、光触媒性化合物、染料、無機顔料、有機顔料、体質顔料、帯電防止剤等を含んでいてもよい。
ポリエステル樹脂(B)、(C)以外の樹脂としては、ポリエステル(A)、(B)以外のポリエステル、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、スチレン-アクリル酸エステル系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、ブタジエン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン-ビニルアルコール系樹脂、エチレン-アクリル酸エステル系樹脂、エチレン-アクリル酸系樹脂、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン-イソプレン系樹脂等が挙げられる。本発明のヒートシール剤がこれらの樹脂を含む場合、その配合量はポリエステル樹脂(B)との総量の55質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、2級水酸基を有する炭素原子数10以上の脂肪族ジオールが好ましく用いられる。具体例としては、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ウンデカンジオール、オクタデカン-1,12-ジオール(別名ヒドロキシステアリルアルコール)、1,2-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、1,2-ヘプタデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール、1,2-ノナデカンジオール、1,2-オクタデカンジオール等が挙げられる。中でもオクタデカン-1,12-ジオールが好ましい。
脂肪族ジオールの配合量は適宜調整され得るが、一例としてポリエステル(B)、(C)の総量100質量部に対し、0.3~5質量%であることが好ましく、1~2,5質量%であることがより好ましい。脂肪族ジオールは滑剤としての効果に加え、ブロッキング防止剤としての効果も期待できる。
消泡剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸塩類、液体脂肪油硫酸エステル類、脂肪族アミン及び脂肪族アミドの硫酸塩類、脂肪族アルコールリン酸エステル類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アクリル系ポリマー、シルコーン混合アクリル系ポリマー、ビニル系ポリマー、ポリシロキサン化合物などが挙げられる。
可塑剤としては、ポリエステル(B)、(C)と相溶して軟化してヒートシール性を向上させる、極性を持つエステル化合物が好ましい。このような化合物の具体例としては、ジシクロヘキシルフタレート等のフタル酸エステル化合物、安息香酸スクロース、安息香酸ジエチレングリコールエステル、安息香酸グリセリド、安息香酸ペンタエリトリットエステル、安息香酸トリメチロールエタンエステル、安息香酸トリメチロールプロパンエステル等の安息香酸エステル化合物、
トリエチレングリコールビス〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔3-(3 ,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)プロピオネート〕、1 ,6-ヘキサンジオールビス〔3 -(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサンジオールビス〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサンジオールビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が挙げられる。特に好ましい固体可塑剤としては、トリエチレングリコールビス〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサンジオールビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオビス〔エチレン3-(3 ,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のヒンダードフェノールエステル化合物、
ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸などのエチレングリコール、ブタンヂオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオールとのエステル化物、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの二塩基酸のラウリルアルコール、ステアリルアルコールのエステル化物等の脂肪酸エステル化合物等が挙げられる。安全衛生面から安息香酸エステル化合物、ヒンダードフェノールエステル化合物、脂肪酸エステル化合物等を用いることが好ましい。
可塑剤は、耐ブロッキング性、低温ヒートシール性のバランスの観点からガラス転移温度が50℃以上150℃以下のものを用いることが好ましく、50℃以上80℃以下のものを用いることがより好ましい。また、ヒートシール時に速やかに溶融してポリエステル樹脂(B)、(C)を軟化させるとともに、自身の揮発を抑制する観点から数平均分子量が200以上1000以下であることが好ましい。
ポリエステル樹脂(B)、(C)の少なくとも一種が水酸基やグリシジル基、カルボキシル基等の反応性基を有する場合、これらの反応性基と熱反応しうるイソシアネート硬化剤やポリアミン硬化剤等の硬化剤と組み合わせてもよい。硬化剤の具体例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の分子構造内に芳香族構造を持つポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのNCO基の一部をカルボジイミドで変性した化合物;これらのポリイソシアネートに由来するアルファネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の分子構造内に脂環式構造を持つポリイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖状脂肪族ポリイソシアネート、及びこのアルファネート化合物;これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体;これらのポリイソシアネートに由来するアロファネート体;これらのポリイソシアネートに由来するビゥレット体;トリメチロールプロパン変性したアダクト体;前記した各種のポリイソシアネートとポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネート等の多官能イソシアネートや、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、オクタエチレンノナミン、ノナエチレンデカミン、ピペラジンあるいは、炭素原子数が2~6のアルキル鎖を有するN-アミノアルキルピペラジン等のポリエチレンポリアミンや、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン、もしくはIPDA)等のアミン化合物が挙げられる。
<積層体>
本発明の積層体は、基材と、ヒートシール層とを有し、ヒートシール層は本発明のヒートシール剤の乾燥塗膜である。本発明の積層体に用いられる基材としては特に限定されることなく通常包装材で使用されるような公知のフィルム、紙、金属等を使用することができる。具体的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PBT(ポリブチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、PLA(ポリ乳酸)フィルム等のポリエステルフィルムや、OPP(2軸延伸ポリプロピレン)フィルム、MDOPE(1軸延伸ポリエチレンフィルム)、OPE(2軸延伸ポリエチレン)フィルム、HDPE(高密度ポリエチレン)フィルム等のポリオレフィンフィルム、PS(ポリスチレン)フィルム、ナイロンフィルム、EVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)フィルム、VMPET(アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の金属蒸着層を有するフィルム、アルミ箔、紙等が挙げられる。
基材が透明である場合は本発明のヒートシール剤の効果が発揮され、内容物が水分を含み、低温で貯蔵される場合であっても視認性に優れた積層体が得られる。加えて本発明のヒートシール剤は、ヒートシール層に水滴が生じるのを抑制する効果に優れるため、例えば冷凍食品など、包材の内面に氷の塊が生じるのを避けることが好ましい用途にも好適に用いることができる。
基材の膜厚は10μm~50μmが好ましい。10μm以下の場合は十分なヒートシール強度が発現できなくなる恐れがあり、50μm以上である場合は蓋材や包装材として実用性が低い。
ヒートシール剤の塗工方法としては、特に限定されないが、一例としてグラビアコート法、リバースコート法、キスコート法、エアナイフコート法、メイヤーバーコート法、ロールコート法、ディップコート法等が挙げられる。ヒートシール剤は一度に塗布してもよいし、二度塗布してもよい。二度に分けて塗布することにより、基材上に設けた場合であってもヒートシール性に優れたヒートシールを形成することができる。ヒートシール層は、基材の全面に設けられていてもよいし、製袋する際にヒートシールする部分のみに設けられていてもよい。
基材上にヒートシール剤を塗布した後、乾燥させることでヒートシール層が形成される。乾燥温度は50~180℃、乾燥時間は0.5秒~1分程度である。乾燥方法は特に限定されないが、一例として熱風乾燥が挙げられる。ヒートシール剤を二度に分けて塗布する場合は都度乾燥を行う。必要に応じ、後処理としてコロナ放電処理などを施してもよい。また、ヒートシール剤が硬化剤を含む場合には、常温~40℃で12~72時間のエージングを行うことが好ましい。
ヒートシール剤の塗布量(固形分)は一例としてヒートシール層の膜厚が0.5μm以上10μm以下となるよう調整される。一例として、1.0~15.0g/mである。3.0~10.0g/mであることが好ましい。二度に分けてヒートシール剤を塗布する場合は、合計の塗布量がこの範囲に収まるように調製する。
本発明の積層体は、基材、ヒートシール層以外の層を有していてもよい。一例として印刷層や、他の基材(ヒートシール層が設けられる基材以外の基材)が挙げられる。本発明の積層体が他の基材を含まない場合、印刷層は基材を挟んでヒートシール層とは反対側に設けられる。印刷層は基材上に直接設けられていてもよいし、印刷層と基材との間にバリア層やアンカーコート層が設けられていてもよい。さらに印刷層上に、印刷層の保護を目的としたオーバーコート層が設けられていてもよい。印刷層は、グラビアインキ、フレキソインキ、オフセットインキ、孔版インキ、インクジェットインク等各種印刷インキにより、従来、フィルム基材への印刷に用いられてきた一般的な印刷方法で形成される。バリア層としては、ポリビニルアルコール等のガスバリア性樹脂を含む公知のガスバリアコート剤を塗布して形成される。アンカーコート層、オーバーコート層は、従来公知のコート剤を好適に用いることができる。
本発明の積層体が他の基材を含む場合、基材(ヒートシール層が設けられる基材)と他の基材とは、例えば2液硬化型のウレタン系接着剤を介して貼り合わせられる。本発明の積層体が2つのフィルムからなる場合、印刷層は一般的に、他の基材のいずれかの面に設けられる。本発明の積層体が3つ以上のフィルムからなる場合、印刷層は基材から最も離れた他の基材(包装材となった場合に内容物からみて最も外側に位置する基材)のいずれかの面に設けられる。印刷層は、上記と同様の方法で設けることができる。印刷層と他の基材との間にバリア層やアンカーコート層を設けてもよいし、印刷層上に必要に応じてオーバーコート層を設けてもよい。他の基材としては、上述の基材と同様のものを目的に応じて選択すればよい。
<容器蓋材>
本発明の積層体は、食品や医薬品などのプラスチック容器の蓋材を目的とする容器蓋材として使用することができる。蓋材として使用する場合には、内容物や使用環境、使用形態に応じて、単独、もしくは積層フィルムで使用してもよく、その層構成は変化し得る。
<包装材>
本発明の積層体は、食品や医薬品などの保護を目的とする多層包装材料として使用することができる。多層包装材料として使用する場合には、内容物や使用環境、使用形態に応じてその層構成は変化し得る。
本発明の包装材は、本発明の積層体を製袋し、その周辺端部をヒートシールして得られる。製袋方法としては、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、その他のヒートシール型等の形態によりヒートシールする方法が挙げられる。本発明の包装材は内容物や使用環境、使用形態に応じて種々の形態をとり得る。自立性包装材(スタンディングパウチ)等も可能である。ヒートシールする部分は、対向する両方の面にヒートシール層が設けられていてもよいし、片方の面のみに設けられていてもよい。
ヒートシールの際の加熱方法としては、バーナー等の熱源、熱風、電熱、赤外線、電子線等の従来公知の手段を用いる事ができる。バーナーや熱風で加熱する方法や、成形の形によっては熱溶着シール法や超音波シール法、あるいは高周波シール法が好ましい。この時の加熱温度は80~250℃、加熱時間は0.1~3秒が好ましい。
ヒートシール層を加熱軟化させた後、圧着させる。圧着方法としては特に限定なく、熱板方式、超音波シール、高周波シールの方法で行うことができる。
以下、本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ表す。
<防曇剤(A)>
防曇剤(A)として、以下を用いた。
防曇剤(A-1):1,4-ジドデシルスルホナトコハク酸ナトリウム
防曇剤(A-2):ビス(トリデシル)スルホコハク酸ナトリウム
防曇剤(A-3):オクタデシルスルホナトコハク酸2ナトリウム
防曇剤(X-1):グリセリンモノカプリレート(HLB7.0)
防曇剤(X-2):ジグリセリンモノオレエート(HLB7.3)
防曇剤(X-3):ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム
<ポリエステル樹脂の合成>
(ポリエステル(B-1)の合成)
テレフタル酸30モル、イソフタル酸4モル、セバシン酸15モル、エチレングリコール29モル、ネオペンチルグリコール22モルを用い、定法に従いポリエステル(B-1)を得た。ポリエステル(B-1)の数平均分子量(Mn)は30,000、ガラス転移温度は7℃であった。
(ポリエステル(B-2)の合成)
テレフタル酸35モル、セバシン酸15モル、エチレングリコール14モル、プロピレングリコール36モルを用い、定法に従いポリエステル(B-2)を得た。ポリエステル(B-2)の数平均分子量(Mn)は17,000、ガラス転移温度は16℃であった。
(ポリエステル(C-1)の合成)
テレフタル酸51モル、エチレングリコール14モル、プロピレングリコール36モルを用い、定法に従いポリエステル(C-1)を得た。ポリエステル(C-1)の数平均分子量(Mn)は18,000、ガラス転移温度は84℃であった。
(ポリエステル(Y-1)の合成)
テレフタル酸45モル、セバシン酸5モル、エチレングリコール15モル、プロピレングリコール35モルを用い、定法に従いポリエステル(Y-1)を得た。ポリエステル(Y-1)の数平均分子量(Mn)は18,000、ガラス転移温度は55℃であった。
(ポリエステル(Y-2)の合成)
テレフタル酸23モル、イソフタル酸20モル、セバシン酸6モル、エチレングリコール28モル、ネオペンチルグリコール23モルを用い、定法に従いポリエステル(Y-2)を得た。ポリエステル(Y-2)の数平均分子量(Mn)は16,000、ガラス転移温度は47℃であった。
(ポリエステル(Y-3)の合成)
テレフタル酸26モル、イソフタル酸20モル、エチレングリコール28モル、ネオペンチルグリコール19モルを用い、定法に従いポリエステル(Y-3)を得た。ポリエステル(Y-3)の数平均分子量(Mn)は15,000、ガラス転移温度は60℃であった。
<ヒートシール剤の調製>
防曇剤(A)、ポリエステル(B)、(C)、溶剤を表1~3に示す配合で調製して、実施例、比較例のヒートシール剤を得た。
<積層体の製造>
東洋紡エステルフィルムE5102(ポリエチレンテレフタレート(PET)を主原料とした二軸延伸フィルム)25μmに、調製したヒートシール剤を塗工量(固形分)が5.0g/mになるようワイヤーバーにて塗工し、70℃で30秒乾燥させて積層体を得た。
<評価>
(防曇性)
積層体を10cm×10cmにカットして蓋材とした。リスパック製クリーンカップ88角(素材A-PET、サイズ88×88×27mm)に水道水10mlを入れ、蓋材のヒートシール層をカップの口に合わせ、カップヒートシーラー機(テスター産業(株)製)を用いて、積層体のヒートシール層側と容器をヒートシールして密封した。得られた容器を冷蔵庫(約2~6℃)に24時間静置した。24時間保管後、容器を取り出し、積層体の表面状態を目視で確認し、以下の3段階で評価して、表1~3にまとめた。
〇:水滴もなく、視認性が良好。
△:水滴が部分的にあるが視認性は良好。
×:水滴が多く、視認性が悪い。
(耐ブロッキング性)
4cm角にカッティングした積層体のヒートシール剤塗工面と非塗工面を重ね合せ、40℃において、荷重5kgをかけ、24時間静置した。室温に戻した後、テストピース剥離時の塗膜の状態、基材フィルムの破れ方などを以下の3段階で評価した。表1~3にまとめた。
〇:易剥離
△:剥離可能、剥離時にやや抵抗あり
×:剥離困難、基材破壊あり
(膜残り)
積層体を10cm×10cmにカットして蓋材とした。リスパック製クリーンカップ88角(素材A-PET、サイズ88×88×27mm)に水道水10mlを入れ、蓋材のヒートシール層をカップの口に合わせ、カップヒートシーラー機(テスター産業(株)製)を用いて、積層体のヒートシール層側と容器をヒートシールして密封した。得られた容器を冷蔵庫(約2~6℃)に24時間静置した。24時間保管後、容器を取り出し、蓋材の角の端部を手で持ち、対角線上に約1秒以内で素早く蓋材を開封した。以下の3段階で評価し表1~3にまとめた。
〇:容器側にヒートシール層が残ることなく、きれいに開封できる。
△:容器側にヒートシール層が僅かに残るがきれいに開封できる。
×:蓋材とヒートシール層間で剥離してしまい、容器側にヒートシール層の膜がのこってしまう(膜残り、二重蓋)
(ヒートシール性)
A-PETシート(0.3mm)に積層体のヒートシール層側を重ね合わせて、熱傾斜式ヒートシールテスター(テスター産業(株)製)を用い、シール温度120~150℃(10℃間隔)で圧力0.2MPa・s、時間1秒でヒートシールした。サンプル幅を15mmとし、引張り速度200mm/minで180°シール強度を2回測定し、以下の3段階で評価して、結果を表1~3にまとめた。
〇:120~150℃のいずれかの温度でシール強度5.0N/15mm以上
△:120~150℃のいずれかの温度でシール強度3.0~5.0N/15mm
×:120~150℃のいずれかの温度でシール強度3.0N/15mm以下
Figure 2024020800000001
Figure 2024020800000002
Figure 2024020800000003

Claims (9)

  1. 防曇剤(A)と、ポリエステル樹脂(B)とを含み、
    前記防曇剤(A)は炭素原子数が12以上18以下のアルキル基を有するアニオン性界面活性剤であり、
    前記ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度が0℃以上20℃以下であるヒートシール剤。
  2. ガラス転移温度が70℃以上100℃以下であるポリエステル樹脂(C)をさらに含む請求項1に記載のヒートシール剤。
  3. 前記ポリエステル樹脂(B)と前記ポリエステル樹脂(C)の総量に占める前記ポリエステル樹脂(C)の割合が5質量%以上70質量%以下である請求項1に記載のヒートシール剤。
  4. 前記防曇剤(A)の含有量が前記ヒートシール剤の固形分の0.1質量%以上10質量%以下である請求項1に記載のヒートシール剤。
  5. 基材と、前記基材上に設けられたヒートシール層とを含み、前記ヒートシール層が請求項1~4のいずれか一項に記載のヒートシール層の乾燥塗膜である積層体。
  6. 前記ヒートシール層の膜厚が1μm以上10μm以下である請求項5に記載の積層体。
  7. 請求項5に記載の積層体からなる蓋材。
  8. 請求項7に記載の蓋材を含む包装容器。
  9. 請求項5に記載の積層体からなる包装材。
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