JP2012076424A - 情報通信体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長尺状用紙を用いて、ミシン目等の開封用剥離手段が正確且つ確実に穿設された情報通信体を、用紙やそれにラミネートされた疑似接着フィルムの皴や破れ等の発生なしに、連続的、効率的に製造する方法を提供する。
【解決工程】 前記ラミネート工程において、サポートローラ42を介して供給される長尺状用紙Sを、その片面に疑似接着フィルムGを供給し、整合させながら、前記被動ヒートローラ43a、43bの間に加熱・加圧下に通過させると共にそれらの通過により該被動ヒートローラ43a、43bを回転駆動させるように駆動ニップローラ44a、44bで牽引して、該長尺状用紙Sに適度のテンションを掛け、また前記ラミネート工程とその下流の折り畳み工程の間で、前記長尺状用紙Sに、左右側の縁辺と対向して、マージナル部17a、17bより内側において、折り曲げ操作により剥離開口部を形成する開封用マイクロミシン目Mを穿設する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、折り畳まれ或いは切り離されて複数層に重ね合わされた葉片が剥離可能に積層されているため内部に多量の情報が隠蔽されている、ダイレクトメール、葉書、往復葉書、封書、名詞、パンフレット、その他あらゆる情報を記載したアイテムを包含する情報通信体を製造するための製造方法に関する。
前記情報通信体の製造方法として、例えば本発明者等の発明に係る特開2000−168273号及び特開2010−000785号等の公報には、長尺状用紙を連続的に供給しつつ、その疑似接着予定面に疑似接着フィルムを連続的にラミネートするラミネート工程と、前記ラミネート工程の後に、前記用紙を、ラミネート面を内側にして折り線から折り畳む折り畳み工程と、前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前及び/又は後に、前記用紙を左右側の各縁辺で同時に又は段階的に断裁すると共に各側マージナル部を切除する左右側断裁工程と、前記折り畳み工程の後で、且つ前記左右側断裁工程の後に、前記用紙を天地側の各縁辺で断裁する天地側断裁工程と、前記左右側断裁工程の後で、且つ前記天地側断裁工程の前又は後に、前記用紙に加圧又は加熱・加圧処理を施すと共にそれによって対向葉片間を各葉片上の疑似接着フィルムを介して剥離可能に接着一体化させる接着一体化工程とからなる製造方法が開示されている。
また、前記の特開2010−000785号公報には、前記情報通信体の製造方法におけるラミネート工程において、用紙搬送経路に沿って連続的に供給される長尺状用紙を、その片面に疑似接着フィルムを供給し、整合させながら、少なくとも一対の被動ヒートローラの間に加熱・加圧下に通過させると共にそれらの通過により該被動ヒートローラを回転駆動させるようにし、前記被動ヒートローラの間を通過して、片面に疑似接着フィルムがラミネートされた前記用紙を、該被動ヒートローラの下流に配備された少なくとも一対の駆動ニップローラにより、被動ヒートローラを回転駆動させつつ下流の次工程へと牽引し、排出させるようにすることが記載されている。
前記構成によれば、前記被動ヒートローラを通過して、片面に疑似接着フィルムがラミネートされた用紙を駆動ニップローラにより強制的に牽引することにより、前記被動ヒートローラと前記駆動ニップローラとの間に適度なテンションが掛かり、被動ヒートローラの幅方向における不均一なニップ圧に起因する用紙の進行方向の偏位や蛇行等が抑制され、用紙の進行方向に対して確固たる方向性を与えると共に、用紙やそれにラミネートされた疑似接着フィルムにおける皴や破れ等の発生を防止することが可能になる。
しかしながら、前記構成のラミネート工程では、既述のように、前記被動ヒートローラと前記駆動ニップローラとの間に適度なテンションを掛けることにより前記の優れた作用効果が得られるもの、前記被動ヒートローラの上流側で用紙の進行方向の偏位や皴、破れ等が発生した場合には、前記構成のみで対応することが困難であり、そのままではラミネート工程以降に悪影響を及ぼすことになる。
一方、既述の製造方法で得られる情報通信体では、該情報通信体の受取人は、各葉片上の疑似接着フィルムを介して剥離可能に接着一体化された用紙の対向葉片間を剥離、展開して、該情報通信体を開封することにより、各葉片上の各種情報を、疑似接着フィルムを透して視認することができる。前記情報通信体は、前記二重構造から明らかなように、通常の単層の情報通信体より多くの情報を通常の場合の料金で、しかも封書と同様に秘匿状態で受取人に送付することが可能である。しかしながら、前記構成の情報通信体では、本来、開封可能な構造とされているため、郵送途上で不測の事故により開封したり、他人が故意ではなく誤って気付かずに開封したりする事故が後を断たない。最近はプライバシー保護が盛んに言われるようになり、前記のような不測の開封も賠償問題にまで発展する可能性があるため、たとえ不可抗力により発生した事故といえども看過できない状況になりつつある。
前記問題の改善策として、例えば特開平1−16691号には、対向する各葉片の裏面における中央折り線と対向する端縁部分を剥離不能に接着すると共にそれ以外の部分を剥離可能に接着し、開封に際しては前記剥離不能な端縁部分を鋏等により、或いは予め形成されたミシン目等から手指で切り落とした後に開封可能な状態とする形態の通常はがき材からなる情報通信体が開示されている。しかしながら、前記構成の情報通信体では、対向する各葉片の裏面における前記剥離不能な接着部分と剥離可能な接着部分を、形成方法や物性等の全く異なる接着媒体で接着する必要があるため、製造工程や加工条件が非常に複雑になる問題がある。
前記問題に対して、本発明者等は、特開2008−155610号公報に示すように、剥離可能に一体化された対向葉片における折り線と対向する側の開封縁辺にその内方に沿ってミシン目等の開封用剥離手段を形成し、且つ折り畳んだ対向葉片同士及び該対向葉片間に介在する疑似接着媒体の形成域を完全に一致させるようにした密封情報通信体を提案している。前記構成の情報通信体では、意図的、強制的に剥離展開しない限り、前記開封用剥離手段からも、端面からも容易に開封することがなく、また対向葉片間の接着に複数種類の接着剤や粘着剤等を使用する必要がないので、既述の改善策の場合に比較して製品コストを低下させると共に、製造工程の簡素化により製造コストを低下させることができる。
前記の従来技術に係る情報通信体の製造方法では、ミシン目等の前記開封用剥離手段は、通常、疑似接着予定面に疑似接着媒体が形成された枚葉状又は長尺状等の用紙を単品のサイズに断裁し、折り機で折り畳み、さらに用紙の対向葉片を、疑似接着媒体を介して加圧又は加熱・加圧処理下に剥離可能に一体化した後に形成されるが、また疑似接着予定面に疑似接着媒体が形成された用紙に、単品サイズへの断裁時やその前後に形成されてもよいとされる。しかしながら、前記従来技術は、長尺状用紙を用いて、開封用剥離手段が正確且つ確実に穿設された情報通信体を連続的、効率的に製造する方法を提示するものではなかった。
特開2000−168273号公報 特開2010−000785号公報 特開2008−155610号公報
本発明の課題は、前記問題点に鑑み、長尺状用紙を用いて、ミシン目等の開封用剥離手段が正確且つ確実に穿設された情報通信体を、用紙やそれにラミネートされた疑似接着フィルムの皴や破れ等の発生なしに、連続的、効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明に係る情報通信体の製造方法は、請求項1に記載のように、折り線を介して横幅方向に連接された2葉片からなる単位用紙が横区分線を介して縦方向に連接されてなり、該折り線と対向する左右側の各縁辺に縦区分線を介して送り孔付きマージナル部が形成された長尺状用紙を、該マージナル部の送り孔に搬送手段を係合させて連続的に供給しつつ、該用紙における折り畳み時に対向する一対の葉片の疑似接着予定面に、表面に疑似接着層を有する疑似接着フィルムを連続的にラミネートするラミネート工程と、前記ラミネート工程の後に、前記用紙を、ラミネート面を内側にして折り線から折り畳む折り畳み工程と、前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前及び/又は後に、前記用紙を左右側の各縁辺で同時に又は段階的に断裁すると共に各側マージナル部を切除する左右側断裁工程と、前記折り畳み工程の後で、且つ前記左右側断裁工程の後に、前記用紙を天地側の各縁辺で断裁する天地側断裁工程と、前記折り畳み工程の後で、且つ前記左右側断裁工程の前若しくは後に、又は前記天地側断裁工程の前若しくは後に、前記用紙に加圧又は加熱・加圧処理を施すと共にそれによって対向葉片間を各葉片上の疑似接着フィルムを介して剥離可能に接着一体化させる接着一体化工程とからなる情報通信体の製造方法であって、
前記ラミネート工程において、用紙搬送経路の上流から下流に沿ってサポートローラ、少なくとも一対の被動ヒートローラ及び少なくとも一対の駆動ニップローラを順次配置し、前記サポートローラを介して連続的に供給される長尺状用紙を、その片面に疑似接着フィルムを供給し、整合させながら、少なくとも一対の被動ヒートローラの間に加熱・加圧下に通過させると共にそれらの通過により該被動ヒートローラを回転駆動させるようにし、前記サポートローラを介し、前記被動ヒートローラの間を通過して、片面に疑似接着フィルムがラミネートされた前記用紙を、少なくとも一対の駆動ニップローラにより、被動ヒートローラを回転駆動させつつ下流の次工程へと牽引し、排出させると共に、それによって前記用紙に、前記サポートローラと前記被動ヒートローラとの間及び前記被動ヒートローラと前記駆動ニップローラとの間で適度なテンションを掛けるようにし、
前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前に、前記長尺状用紙に、左右側の何れか一方の縁辺の内方に該縁辺と対向して、折り曲げ操作により破壊されて剥離開口部を形成する開封用剥離手段を穿設するようにし、且つ前記左右側断裁工程及び天地側断裁工程により、単品のサイズに断裁された用紙における対向葉片の各断裁端面及び該対向葉片間に介在する疑似接着フィルムの断裁端面を、左右側及び天地側の各側において、互いに同一面に整合させたことを特徴としている。
前記構成によれば、前記ラミネート工程において、前記サポートローラと前記被動ヒートローラとの間で適度なテンションが掛けられるので、被動ヒートローラの上流側において用紙の進行方向の偏位や皴、破れ等の発生が抑制され、それによって、長尺状用紙を、偏位のない正確な方向で、皴、破れ等の発生なしに被動ヒートローラへと供給することができ、さらに、前記被動ヒートローラと前記駆動ニップローラとの間でも適度なテンションが掛けられるので、被動ヒートローラの幅方向における不均一なニップ圧に起因する用紙の進行方向の偏位や蛇行等が抑制されると共に、用紙の進行方向に対して確固たる方向性が与えられ、それによって、長尺状用紙に、用紙やそれにラミネートされた疑似接着フィルムにおける皴や破れ等の発生なしに、疑似接着フィルムを確実にラミネートすることができる。
さらに、前記構成によれば、前記のように被動ヒートローラの上流及び下流において適度なテンションが掛けられた状態の下に、疑似接着フィルムがラミネートされた長尺状用紙にミシン目等からなる開封用剥離手段が連続的に穿設されるので、開封用剥離手段が正確且つ確実に穿設された情報通信体を連続的、効率的に製造することができる。なお、前記開封用剥離手段は、前記長尺状用紙に、左右側の何れか一方の縁辺の内方に該縁辺と対向して、換言すれば前記何れか一方の縁辺における縦区分線から折り線に至る間の任意の位置に該縦区分線と対向して設けられるが、開封の容易性を確保し、また開封後に表示される情報の分断を回避するためには、前記何れか一方の縁辺の内方に該縁辺に近接して設けられることが好ましい。
また、前記構成により得られた情報通信体は、単品のサイズに断裁された用紙における対向葉片の各断裁端面及び該対向葉片間に介在する疑似接着フィルムの断裁端面を、左右側及び天地側の各側において、互いに同一面に整合させているので、製造から郵送、配達までの通常の条件下では、前記の各断裁端面から容易に開封することはなく、実際には、配達後、専ら受取人による前記開封用剥離手段の折り曲げ操作により破壊されて形成される剥離開口部を端緒として開封されることになる。
前記ラミネート工程に供される疑似接着フィルムには、請求項2に記載のように、多数の微細孔を全面的に穿設するフィルム穿孔工程を設けてもよく、その場合、前記多数の微細孔が穿設された疑似接着フィルムを用いて製造された情報通信体は、その廃棄に際して、任意の辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、あらゆる方向へ容易に破断されると共に、任意の方向の引裂き操作の繰り返しにより容易に細分化されるので、該情報通信体と共にそれに表示された各種情報等を容易に破壊して、環境問題の改善やプライバシーの保護等に資することができる。
前記微細孔は、疑似接着フィルムがラミネートされた用紙の表面の美観や耐久性に悪影響を与えないように、好ましくは0.3mm以下、特に0.1mm以下の大きさを有していてもよい。また、前記微細孔は、廃棄時の引裂き操作による情報通信体の円滑な破断のために、好ましくは5個/cm2以上、特に10個/cm2以上の分布密度で、好ましくは5mm以内、特に3mm以内の孔間距離で、全面的に、好ましくは均一又は略均一に穿設されてもよく、さらに前記微細孔は、廃棄時の引裂き操作により任意の辺の任意の位置から破断が容易に開始されるように、用紙の各辺から可能な限り近い位置、好ましくは5mm以内、特に3mm以内の位置から内方へと分布配置されてもよい。
なお、前記情報通信体の廃棄に際しての引裂き破断に関しては、前記の方法に代えて、又は前記の方法と共に、特開2009−274436号公報に記載されるように、ラミネート工程を経た用紙を、左右側断裁工程及び/又は天地側断裁工程において、左右側及び/又は天地側の各縁辺でマイクロミシンの破断により断裁する方法を採用してもよく、その場合、前記用紙は、それにラミネートされた疑似接着フィルムを含めて、前記マイクロミシンの破断により断裁された縁辺の端面が多数の切れ目を含む微細な凹凸状態に形成されているので、廃棄に際して、前記破断による断裁に係る辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、該引裂き開始位置から内方への破断が一層容易に開始されると共に一定方向へと破断が拡大することになる。
前記左右側断裁工程では、例えば、前記折り畳み工程の後に、前記用紙を左右側の各縁辺で同時に断裁すると共に両側マージナル部を一挙に切除してもよいが、一方、請求項3に記載のように、前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前及び後に、前記用紙を左右側の各縁辺で段階的に断裁すると共に各側マージナル部を段階的に切除することもできる。
前記後者の段階的な左右側断裁工程では、例えば、請求項4に記載のように、前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前に、前記用紙を、左右側における一方の縁辺、例えば開封用剥離手段が穿設されない側の縁辺で断裁すると共に同側マージナル部を切除し、続く折り畳み工程の後に、左右側における他方の縁辺、例えば開封用剥離手段が穿設された側の縁辺を下にすると共に同側マージナル部の送り孔を介して搬送し、左右側における前記他方の縁辺で、前記一方の縁辺の断裁端面と整合するように断裁すると共に同側マージナル部を除去することもできる。
前記の場合、用紙は、折り畳み工程の後、下側のマージナル部の送り孔を介して良好に搬送されるが、仮に上側のマージナル部の送り孔を介して走行させた場合には、前記上側のマージナル部を除去する左右側断裁工程において、前記上側の縁辺で断裁しようとしても、先に断裁された下側の縁辺の断裁端面が下に隠れて確認できないために、該断裁端面に整合するように前記上側の縁辺で正確に断裁することが困難であり、また仮に上側の縁辺で断裁したとしても、用紙の上側葉片がスリッタ等の断裁機により抵抗を受けて膨らみを生じ、結果として左右側における両縁辺の断裁端面に不整合が生じ易くなる。
前記段階的な左右側断裁工程では、請求項5に記載のように、前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前における前記第一の左右側断裁工程と同時に、前記用紙に開封用剥離手段を穿設することもできる。前記構成によれば、前記左右側断裁工程及び前記開封用剥離手段の穿設工程における各装置を共通の駆動源で、さらには共通の駆動軸を介して駆動させることができるので、装置のコンパクト化、省力化に寄与する。
前記開封用剥離手段は、例えば、請求項6に記載のように、前記用紙における紙葉部分に又は該紙葉部分から疑似接着フィルム部分にまで切れ込みが入ったミシン目、好ましくはマイクロミシン目からなるものでもよく、或いは請求項7に記載のように、前記用紙における紙葉部分に、疑似接着フィルム部分に達しない切れ込みが入ったハーフカットによる切れ目からなるものでもよい。
前記左右側断裁工程においては、前記用紙における断裁により切除された各縁辺のマージナル部、即ち前記用紙の左右側の各縁辺で段階的或いは同時に断裁されて生じた各縁辺のマージナル部を、通常のように自然落下させて、断裁位置の下方に設置したボックス等の受容器内に廃棄してもよいが、必要に応じて、例えば請求項8に記載のように、巻取り機等の除去手段により断裁位置から強制的に順次排出させてもよい。前記構成によれば、断裁により切除された各縁辺のマージナル部が断裁位置付近に滞留しないので、これらが前記左右側断裁工程における断裁の動作を阻害することがない。なお、
前記ラミネート工程においては、請求項9に記載のように、前記用紙における疑似接着フィルムと接する側の被動ヒートローラの表面温度をラミネート可能温度に保持する一方、前記用紙における紙葉と接する側の被動ヒートローラの表面温度を、該紙葉表面への印刷に用いられたトナーの溶融温度より低く保持するようにしてもよく、この場合、前記紙葉と接する側の被動ヒートローラ表面への前記トナー印刷の転写を抑制することができる。前記各側の被動ヒートローラの表面材料に特別の制限はなく、例えば少なくとも紙葉と接する側の被動ヒートローラの表面材料には種々の合成ゴム、天然ゴム材料やそれらの外側にさらにフッ素樹脂を積層した材料等を好適に使用することができ、また疑似接着フィルムと接する側の被動ヒートローラの表面材料には前記と同様のゴム系材料や金属材料等を使用することができる。
また、本発明に係る情報通信体の製造方法では、請求項10に記載のように、前記長尺状用紙における各単位用紙を区分する横区分線がミシン目からなる場合に、該横区分線を、ミシン目のアンカット部で開封用剥離手段と交差させるように、換言すればそのミシン目のカット部で開封用剥離手段と交差させないようにすることが好ましい。
即ち、既述のように剥離展開可能で、開封用剥離手段が形成された情報通信体は、配達後、受取人による前記開封用剥離手段の折り曲げ操作により破壊されて形成される剥離開口部を端緒として開封される。本発明者等の製造経験によれば、実際に完成された情報通信体では、前記天地側断裁工程に際して、天地側の一方又は両方に、前記長尺状用紙における各単位用紙を区分するミシン目等の横区分線が残存することがあり、これは情報通信体の外観に支障を及ぼすことは殆んどないが、前記開封用剥離手段が前記横区分線のミシン目のカット部と交差する部分では、前記開封用剥離手段の折り曲げ操作によっても剥離が円滑に進まない現象が見い出された。これは、前記ラミネート工程において、用紙への疑似接着フィルムのラミネートに使用された感熱接着剤層の感熱接着剤が溶融して前記横区分線のミシン目のカット部内に侵入し、前記開封用剥離手段を横断するように固化し、該開封用剥離手段の折り曲げ操作による円滑な破壊を阻害したことによるものと現時点で推定される。そこで、前記のように、前記横区分線を、ミシン目のアンカット部で開封用剥離手段と交差させるように、換言すればそのミシン目のカット部で開封用剥離手段と交差させないようにすることにより、前記のような開封用剥離手段の剥離不良を防止することが可能となる。
なお、前記横区分線が、情報通信体の完成後には開封口となり難い側、例えば天地側の内の上縁辺に近接して常時現れるようにシステムを設定すれば、前記のような剥離困難性の問題が生じることはないが、前記システムの調整に関して別の問題が発生する可能性がある。
また、既述のような情報通信体の製造方法では、請求項11に記載のように、前記開封用剥離手段穿設工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前に、前記用紙を所要の長さにわたって滞留させる用紙滞留工程を設け、それによって、前記折り畳み工程以降の下流工程における用紙詰まり等のトラブルによる緊急稼動停止時においても、前記ラミネート工程の稼動を停止させることなく、所要時間だけ稼動を継続させて前記紙葉と接する側の被動ヒートローラ表面への前記トナー印刷の転写を抑制すると共にその間に前記緊急稼動停止の問題を早急に処理し、停止中の工程を復旧、再稼動させ得るようにしてもよく、その場合、さらに、請求項12に記載にように、前記折り畳み工程以降の下流工程の緊急稼動停止時に、該緊急稼動停止の問題を処理し、停止中の工程の復旧、再稼動させるための十分な時間を確保するために、前記ラミネート工程の稼動速度を正常なラミネートを確保しうる範囲で低下させると共にラミネート工程の稼動可能時間を延長させるようにすることが好ましい。なお、前記折り畳み工程以降の下流工程の緊急稼動停止時に前記ラミネート工程が停止すると、回転を停止した被動ヒートローラの間で紙葉表面への印刷に用いられたトナーが加熱されて溶融し、該紙葉と接する側の被動ヒートローラ表面に転写されてしまうので、この後、前記トラブル等の解決により前記折り畳み工程以降の下流工程及びラミネート工程の各稼動が再開されたときに、前記被動ヒートローラ表面に転写されていたトナーが後続の用紙に連続的に再転写されてそれらを汚損することになる。
請求項1に記載の発明によれば、長尺状用紙を用いて、ミシン目等の開封用剥離手段が正確且つ確実に穿設された情報通信体を、用紙やそれにラミネートされた疑似接着フィルムの皴や破れ等の発生なしに、連続的、効率的に製造することができる。
請求項2に記載の発明によれば、前記情報通信体の製造方法において、多数の微細孔が全面的に穿設された疑似接着フィルムがラミネート工程で長尺状用紙にラミネートされるので、得られた情報通信体は、その廃棄に際して、任意の辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、あらゆる方向へ容易に破断されると共に、任意の方向の引裂き操作の繰り返しにより容易に細分化されるので、該情報通信体と共にそれに表示された各種情報等を容易に破壊して、環境問題やプライバシーの保護等に資することができる。
請求項3に記載の発明によれば、前記情報通信体の製造方法において、長尺状用紙をラミネート工程から折り畳み工程を経て第二の左右側断裁工程に至るまで、何れか一方側のマージナル部の送り孔を介して正確に搬送することができ、特に請求項4に記載の発明の場合は、前記上側のマージナル部を除去する左右側断裁工程において、左右側における両縁辺の断裁端面に不整合が生じ難くなる。
請求項5に記載の発明によれば、前記情報通信体の製造方法において、前記左右側断裁工程及び前記開封用剥離手段の穿設工程における各装置を共通の駆動源で、さらには共通の駆動軸を介して駆動させることができるので、装置のコンパクト化、省力化に寄与する。
請求項6及び7に記載の発明によれば、形成容易で好適な前記開封用剥離手段を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、前記情報通信体の製造方法において、断裁により切除された各縁辺のマージナル部が断裁位置付近に滞留しないので、これらが前記左右側断裁工程における断裁の動作を阻害することがない。
請求項9に記載の発明によれば、前記情報通信体の製造方法のラミネート工程において、前記紙葉と接する側の被動ヒートローラ表面への前記トナー印刷の転写を抑制することができる。
請求項10に記載の発明によれば、前記情報通信体の製造方法において、前記長尺状用紙における各単位用紙を区分する横区分線がミシン目からなる場合に、該横区分線と開封用剥離手段との交差に起因する開封用剥離手段の剥離不良を防止することができる。
請求項11に記載の発明によれば、前記情報通信体の製造方法において、前記折り畳み工程以降の下流工程の緊急稼動停止時においても、前記ラミネート工程の稼動を停止させることなく、所要時間だけ稼動を継続させて前記紙葉と接する側の被動ヒートローラ表面への前記トナー印刷の転写を抑制すると共にその間に前記緊急稼動停止の問題を早急に処理し、停止中の工程を復旧、再稼動させることが可能であり、特に請求項12に記載の発明によれば、前記緊急稼動停止の問題を処理し、停止中の工程の復旧、再稼動させるための十分な時間を確保することが可能である。
図1(A)及び(B)は、本発明に係る情報通信体の製造方法に使用し得る二つ折り葉書用の長尺状用紙の各々表面図及び裏面図であり、該長尺状用紙の裏面における折り畳み時に対向する葉片の対向面に疑似接着フィルムがラミネートされた状態にある。また、同図(C)は、本発明に係る情報通信体の製造方法に使用し得る疑似接着フィルムの厚み方向を拡大して示す横断面図である。 図2は本発明に係る情報通信体の製造方法の要部概略図である。 図3は本発明に係る別態様の情報通信体の製造方法の要部概略図である。 図4(A)及び(B)は、本発明に係る情報通信体の製造方法により完成され、未開封状態にある情報通信体の各々平面図及び特に厚み方向を拡大した拡大中央横断面図である。また、同図(C)は、本発明に係る情報通信体の製造方法により完成され、開封用マイクロミシン目の折り曲げ操作により破壊されると共に半開きの状態の剥離開口部が形成された情報通信体の拡大中央横断面図である。 図5(A)は、本発明に係る情報通信体の製造方法により完成され、下縁辺に近接して横区分線が残存表出した未開封状態の情報通信体の平面図、同図(B)は前記図5(A)における二点鎖線による小円内の開封用マイクロミシン目と横区分線の交差部付近を拡大して示す部分拡大平面図である。 図6(A)、(B)及び(C)は、何れも、本発明に係る情報通信体の製造方法におけるフィルム穿孔工程で、疑似接着フィルムが孔あけローラと受けローラとの間を通過して穿孔される状態を例示する説明図である。 図7(A)及び(B)は、図6に示すフィルム穿孔工程で微細孔が全面的に穿設された疑似接着フィルムがラミネート工程でラミネートされてなる二つ折り葉書用の長尺状用紙の各々裏面図及び厚み方向を拡大して模式的に示す横断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
[情報通信体の製造に使用される長尺状用紙及び疑似接着フィルム]
本実施例における二つ折り葉書用の長尺状用紙Sとしては、図1(A)、(B)に示すように、第一葉片11、第二葉片12が折り線13を介して横幅方向に連接された2葉片からなる単位用紙tが横区分線14を介して縦方向に連接されると共に、該折り線13と対向する左右側の各縁辺に縦区分線15を介して送り孔16付きのマージナル部17a、17bが形成されてなる二つ折り葉書用のものが使用される。前記折り線13、横区分線14及び縦区分線15は必ずしも表示される必要はなく、例えば縦区分線15は見当線(トンボ)であってもよいが、本実施例では一例として何れもミシン目にて形成されている。
図1(A)において、長尺状用紙Sの右側縁辺、即ち第二葉片12の縁辺の内方に該縁辺に近接して表示される二点鎖線は、後述する開封用剥離手段の穿設工程において該開封用剥離手段としての開封用マイクロミシン目Mが穿設される位置を示す開封用ミシン目仮想線Kであり、図5(A)及び(B)に示すように、完成後の情報通信体における開封口付近の下縁辺に近接して横区分線14が残留した場合でも、該横区分線14は、ミシン目のアンカット部Uで前記開封用マイクロミシン目Mと交差するように、換言すれば前記横区分線14が、ミシン目のカット部で前記開封用マイクロミシン目Mと交差しないように予め設定されている。
なお、前記開封用マイクロミシン目Mの穿設位置を示す前記開封用ミシン目仮想線Kは、必要に応じて、長尺状用紙Sの左側縁辺、即ち第一葉片11の縁辺の内方に設定されてもよい。また、前記開封用ミシン目仮想線Kは、長尺状用紙Sの右側縁辺や左側縁辺から折り線13に至る間の任意の位置に設定されればよく、本実施例のように前記右側縁辺や左側縁辺に近接した位置以外に、必要に応じて、例えば前記右側縁辺や左側縁辺から折り線13に至る間の中間付近や折り線13に近接した位置等に設定されてもよい。
第一葉片11の表面には一般情報20が記載され、第二葉片12の表面には郵便切手欄21、郵便番号欄22、受取人の住所氏名23等がプリンタ等により記載され、情報通信体の完成後には内部に隠蔽される第一葉片11、第二葉片12の各裏面には個人的な秘密を要する個人情報24が記載されている。なお、必要に応じて、前記個人情報24に代えて、必ずしも秘密を要しない情報、例えば宣伝広告等の一般情報やそれらと個人情報とが混在した情報等が記載されても差し支えない。
また、疑似接着フィルムGとしては、図1(C)に示すように、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートのような腰のしっかりした基材31の一方の面に公知の感熱接着剤層32を形成すると共に他方の面には加圧又は加熱・加圧処理により剥離可能に疑似接着するように疑似接着層33を形成してなるものが一例として使用される。前記疑似接着フィルムとしては、前記構成に制限されるものではなく、公知のものを適宜使用することができる。
なお、第一葉片11、第二葉片12の各裏面には、図1(B)に斜線で示すように、後述するラミネート工程において、前記疑似接着フィルムGがラミネートされている。
[情報通信体の製造方法−1]
図2において、既述の二つ折り葉書用の長尺状用紙Sは、例えば横区分線14から蛇腹状にブロック単位に折り畳まれて図中、左側下方に配置され、そこから上方のピントラクタ41により、両側のマージナル部17a、17bの送り孔16を該ピントラクタ41のピンと嵌合させて下流へと移送され、サポートローラ42を介してラミネート工程へと移送される。
ラミネート工程では、一対の被動ヒートローラ43a、43bがラミネートローラとして配置され、長尺状用紙Sは前記サポートローラ42を介して若干下方に向って移送されると共に前記被動ヒートローラ43a、43bの間を通過させられる。前記被動ヒートローラ43a、43bの間への長尺状用紙Sの通過に際して、被動ヒートローラ43aには上方に待機したフィルムロールRから繰り出された疑似接着フィルムGが長尺状用紙Sの表面と整合されながら送り込まれる。
このように、前記のように上方から送り込まれた疑似接着フィルムGは、長尺状用紙Sの表面と整合されながら被動ヒートローラ43a、43bの間を加熱且つ加圧されつつ通過し、それによって、図1(B)に示すように、疑似接着フィルムGがその感熱接着剤層32を介して長尺状用紙Sの表面に接着されると共にラミネートされる。前記被動ヒートローラ43a、43bにおいて、疑似接着フィルムGと接する側の被動ヒートローラ43aの表面温度はラミネート可能温度に保持され、また、紙葉と接する側の被動ヒートローラ43bの表面温度は、該紙葉の表面側への印刷に用いられたトナーの溶融温度より低く保持されている。
前記のように疑似接着フィルムGが表面にラミネートされた長尺状用紙Sは、前記被動ヒートローラ43a、43bの下流に配置された一対の駆動ニップローラ44a、44bの間をそれらにより牽引されつつ通過する。前記駆動ニップローラ44a、44bは、それらの間を通過する長尺状用紙Sを、用紙搬送速度が上流の前記ピントラクタ41のそれと同等又はそれよりやや早めの速度となるように駆動する。一方、前記被動ヒートローラ43a、43bは、フリーな状態で互いに加圧されているため、それらの間を通過する長尺状用紙Sを自ら駆動するのではなく、逆に長尺状用紙Sの通過によって駆動され、通過する長尺状用紙Sの正確な進行を阻害することなく回転することになる。即ち、疑似接着フィルムGが表面にラミネートされた長尺状用紙Sは、前記駆動ニップローラ44a、44bに挟圧されて搬送方向に牽引され、それによって被動ヒートローラ43a、43bが回転駆動されると共に疑似接着フィルムGがロールから繰り出されて長尺状用紙Sの表面と整合される。従って、長尺状用紙Sの搬送方向や速度は、ピントラクタ41の位置合わせ機構、前記サポートローラ42の設置及び駆動ニップローラ44a、44bの牽引力等により安定して確保されているので、前記サポートローラ42と被動ヒートローラ43a、43bの間及び被動ヒートローラ43a、43bと駆動ニップローラ44a、44bの間に適度なテンションが掛かり、被動ヒートローラ43a、43bによる疑似接着フィルムGのラミネートに際して長尺状用紙Sの動きが左右されることがない。
前記被動ヒートローラ43a、43bと駆動ニップローラ44a、44bの間には、第一の左右側断裁工程と開封用剥離手段の穿設工程が介設され、それらの工程を実施するためにスリッタ45とマイクロミシン装置46が同軸線上に配置されている。前記長尺状用紙Sは、前記スリッタ45により左右側における一方の縁辺、ここでは第一葉片11の縁辺で縦区分線15に沿って断裁され、切除されたマージナル部17aは巻取り機47により順次巻き取られて強制的に排出される。また、前記マイクロミシン装置46により、前記長尺状用紙Sにおける前記開封用ミシン目仮想線Kの位置に、ここでは第二葉片12の縁辺に近接して開封用剥離手段としての開封用マイクロミシン目Mが穿設される。前記の両工程は、既述のように長尺状用紙Sに適度なテンションが掛かった状態で正確且つ確実に実施される。
前記ラミネート工程、並びに第一の左右側断裁工程及び開封用剥離手段の穿設工程を経て、駆動ニップローラ44a、44bから排出された長尺状用紙Sは、下流の用紙滞留工程で所要長さにわたる緩みを形成され、必要に応じてシートストッカ48内で、例えば図示するようなU字状やZ字状、ジグザグ状、折り重ね状等の緩んだ状態に保持されると共に滞留させられ、それにより下流工程の緊急稼動停止時にも前記ラミネート工程の稼動を直ちには停止させる必要がないようにしている。また、これと関連して、前記下流工程の緊急稼動停止時に、前記ラミネート工程の稼動速度が、ピントラクタ41、駆動ニップローラ44a、44b等の自動又は手動による速度制御により正常なラミネートを確保しうる範囲で低下させられると共にラミネート工程の稼動可能時間が延長され、それにより前記緊急稼動停止の問題を処理し、停止中の工程の復旧、再稼動させるための十分な時間を確保するようにしている。
前記用紙滞留工程を経た長尺状用紙Sは、サポートローラ49を介して下流の折り畳み工程へと移送され、折り畳みアングル51を通過してサポートローラ52に到達するまでの間に、ラミネート面同士を対向させて折り線13から二つ折り状態に折り畳まれる。
前記折り畳み工程を経た長尺状用紙Sは、前記サポートローラ52を介して水平方向に進行し、ピントラクタ53により、第二葉片12側のマージナル部17bの送り孔16を該ピントラクタ53のピンと嵌合させ、且つ該第二葉片12の縁辺を下にして下流へ移送され、第二の左右側断裁工程で、スリッタ54により左右側における第二葉片12の縁辺で縦区分線15に沿って、前記第一葉片11の縁辺の断裁端面と整合するように断裁され、切除されたマージナル部17bは巻取り機55により順次巻き取られて強制的に排出される。
前記第二の左右側断裁工程を経た長尺状用紙Sは、続く天地側断裁工程で、ダイカットローラ56により天地側の各縁辺で横区分線14に沿って断裁される。
前記のように二段階にわたる左右側断裁工程と天地側断裁工程により左右側及び天地側の各縁辺で断裁分離されて二つ折り状態の単位用紙tは、その対向葉片間の対向面にそれらと同サイズの疑似接着フィルムGがラミネートされた形態で下流に搬送され、接着一体化工程で、ヒートローラ57を通過して加圧又は加熱・加圧処理を施されると共にそれによって対向する疑似接着フィルムGの疑似接着層同士が剥離可能に接着一体化され、図4(A)及び(B)に示すような二つ折り葉書Jに仕上げられて、後部のベルトコンベア等からなるスタッカ58に順次積載される。
前記の完成された二つ折り葉書Jでは、図4(C)に示すように、受取人側において前記開封用マイクロミシン目Mが折り曲げ操作により破壊されて剥離開口部Pが形成され、これを端緒として開封されることになる。
なお、図5(A)及び(B)に示す二つ折り葉書Jでは、前記天地側断裁工程の結果として、下縁辺に近接して横区分線14が残存し、表出しているが、該横区分線14は、既述のように、前記開封用マイクロミシン目Mとはミシン目のアンカット部Uで交差するように予め設定されているので、既述のような剥離不良の問題は生じることがなく、開封口として前記交差部付近の開封用マイクロミシン目Mの折り曲げ操作により容易に剥離開口部が形成される。
[情報通信体の製造方法−2]
既述の実施例における前記情報通信体の製造方法における左右側断裁工程を若干変形し、前記のように、前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前及び後に、前記長尺状用紙Sを左右側の各縁辺で、各縦区分線15に沿って段階的に断裁すると共に各側マージナル部17a及び17bを段階的に切除する代わりに、図3に示すように、前記折り畳み工程の後に、前記用紙を左右側の各縁辺で、各縦区分線15に沿って同時に断裁すると共に各側マージナル部17a及び17bを一挙に切除するように構成することもできる。
即ち、前記被動ヒートローラ43a、43bと駆動ニップローラ44a、44bの間には、開封用剥離手段の穿設工程の実施のためにマイクロミシン装置46が設けられ、既述の実施態様におけるようなスリッタ45は設けられず、前記マイクロミシン装置46により、前記のように前記長尺状用紙Sにおける第二葉片12の縁辺に近接して、前記開封用ミシン目仮想線Kの位置に開封用剥離手段としての開封用マイクロミシン目Mが穿設される。
前記開封用剥離手段の穿設工程の後、既述の実施態様と同様に用紙滞留工程及び折り畳み工程を経た長尺状用紙Sは、サポートローラ52を介して水平方向に進行し、ピントラクタ53により、第一葉片11側及び第二葉片12側のマージナル部17a、17bの送り孔16を該ピントラクタ53のピンと嵌合させて下流へ移送され、左右側断裁工程で、スリッタ54により左右側の両縁辺で、縦区分線15に沿って、一挙、同時に両縁辺の断裁端面が互いに整合するように断裁され、切除された各マージナル部17a、17bは巻取り機55により順次巻き取られて強制的に排出される。
なお、前記以外の工程及び装置等については、既述の実施態様と基本的に同様であるので、説明を省略する。
前記の両実施態様の構成において、必要に応じて、例えば、ヒートローラ57がダイカットローラ56の前に配置されると共に、前記接着一体化工程が前記天地側断裁工程の前に実施されてもよく、またヒートローラ57がスリッタ54の前に配置されると共に、前記接着一体化工程が左右側断裁工程の前に実施されても差し支えない。また、前記の加圧又は加熱・加圧処理による接着一体化に際して、ヒートローラ57を配置する代わりに、例えば複数のヒーターパネルと搬送ローラを交互に上下対向するように配置して、最終の排出口ーラで加圧するように構成してもよい。さらに、前記構成において、例えば、被動ヒートローラ43a、43bと駆動ニップローラ44a、44bの間に、疑似接着フィルムGがラミネートされた前記長尺状用紙Sに折り線13を形成するための折り用ミシン刃装置等が介設されていてもよい。
[フィルム穿孔工程を含む情報通信体の製造方法]
前記情報通信体の製造方法には、図6(A)、(B)及び(C)に示すようなフィルム穿孔工程を設けることができる。
即ち、フィルムロールRと被動ヒートローラ43a、43bとの間には、孔あけローラ61と、該孔あけローラ61とばね等(図示省略)を介して互いに圧接された受けローラ62が疑似接着フィルムGの経路を挟んで配置され、前記孔あけローラ61の表面には多数の棘状突起61aが突設されると共に前記受けローラ62の表面には弾性材料62aが形成されている。前記構成において、フィルムロールRから連続的に繰り出される疑似接着フィルムGが、前記孔あけローラ61と受けローラ62との間を通過する時に、それに同調して、前記孔あけローラ61と受けローラ62が前者の棘状突起61aを後者の弾性材料62aに食い込ませながら回転し、同時に前記疑似接着フィルムGに所要の多数の微細孔Hが全面的に穿設される。
なお、前記疑似接着フィルムGは、皺等の発生なしに前記多数の微細孔Hをより効果的に穿設するために、図6(B)及び(C)に示すように、フィルムロールRから連続的に繰り出されると共に孔あけローラ61と受けローラ62との間を通過して被動ヒートローラ43a、43bに至る間に、前記孔あけローラ61又は受けローラ62を押圧する方向に適度のテンションが掛けられてもよい。
前記多数の微細孔Hが全面的に穿設された疑似接着フィルムGは、図7(A)及び(B)に示すように、既述のようなラミネート工程において二つ折り葉書用の長尺状用紙Sの表面に接着されると共にラミネートされる。前記多数の微細孔Hが全面的に穿設された疑似接着フィルムGを用いて、既述のような工程を経て製造された情報通信体としての二つ折り葉書は、その廃棄に際して、任意の辺の任意の位置に所要の引裂き操作を加えることにより、あらゆる方向へ容易に破断されると共に、任意の方向の引裂き操作の繰り返しにより容易に細分化される
S 長尺状用紙
t 単位用紙
R フィルムロール
G 疑似接着フィルム
H 微細孔
K 開封用ミシン目仮想線
M 開封用マイクロミシン目(開封用剥離手段)
P 剥離開口部
U 横区分線におけるミシン目のアンカット部
J 二つ折り葉書(情報通信体)
11 第一葉片
12 第二葉片
13 折り線
14 横区分線
15 縦区分線
16 送り孔
17a、17b マージナル部
20 一般情報
21 郵便切手欄
22 郵便番号欄
23 受取人住所氏名
24 個人情報
31 基材
32 感熱接着剤層
33 疑似接着層
41 ピントラクタ
42 サポートローラ
43a、43b 被動ヒートローラ
44a、44b 駆動ニップローラ
45 スリッタ
46 マイクロミシン装置
47 巻取り機
48 シートストッカ
49 サポートローラ
51 折り畳みアングル
52 サポートローラ
53 ピントラクタ
54 スリッタ
55 巻取り機
56 ダイカットローラ
57 ヒートローラ
58 スタッカ
61 孔あけローラ
61a 棘状突起
62 受けローラ
62a 弾性材料

Claims (12)

  1. 折り線を介して横幅方向に連接された2葉片からなる単位用紙が横区分線を介して縦方向に連接されてなり、該折り線と対向する左右側の各縁辺に縦区分線を介して送り孔付きマージナル部が形成された長尺状用紙を、該マージナル部の送り孔に搬送手段を係合させて連続的に供給しつつ、該用紙における折り畳み時に対向する一対の葉片の疑似接着予定面に、表面に疑似接着層を有する疑似接着フィルムを連続的にラミネートするラミネート工程と、前記ラミネート工程の後に、前記用紙を、ラミネート面を内側にして折り線から折り畳む折り畳み工程と、前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前及び/又は後に、前記用紙を左右側の各縁辺で同時に又は段階的に断裁すると共に各側マージナル部を切除する左右側断裁工程と、前記折り畳み工程の後で、且つ前記左右側断裁工程の後に、前記用紙を天地側の各縁辺で断裁する天地側断裁工程と、前記折り畳み工程の後で、且つ前記左右側断裁工程の前若しくは後に、又は前記天地側断裁工程の前若しくは後に、前記用紙に加圧又は加熱・加圧処理を施すと共にそれによって対向葉片間を各葉片上の疑似接着フィルムを介して剥離可能に接着一体化させる接着一体化工程とからなる情報通信体の製造方法であって、
    前記ラミネート工程において、用紙搬送経路の上流から下流に沿ってサポートローラ、少なくとも一対の被動ヒートローラ及び少なくとも一対の駆動ニップローラを順次配置し、前記サポートローラを介して連続的に供給される長尺状用紙を、その片面に疑似接着フィルムを供給し、整合させながら、少なくとも一対の被動ヒートローラの間に加熱・加圧下に通過させると共にそれらの通過により該被動ヒートローラを回転駆動させるようにし、前記サポートローラを介し、前記被動ヒートローラの間を通過して、片面に疑似接着フィルムがラミネートされた前記用紙を、少なくとも一対の駆動ニップローラにより、被動ヒートローラを回転駆動させつつ下流の次工程へと牽引し、排出させると共に、それによって前記用紙に、前記サポートローラと前記被動ヒートローラとの間及び前記被動ヒートローラと前記駆動ニップローラとの間で適度なテンションを掛けるようにし、
    前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前に、前記長尺状用紙に、左右側の何れか一方の縁辺の内方に該縁辺と対向して、折り曲げ操作により破壊されて剥離開口部を形成する開封用剥離手段を穿設するようにし、且つ前記左右側断裁工程及び天地側断裁工程により、単品のサイズに断裁された用紙における対向葉片の各断裁端面及び該対向葉片間に介在する疑似接着フィルムの断裁端面を、左右側及び天地側の各側において、互いに同一面に整合させたことを特徴とする情報通信体の製造方法。
  2. 前記ラミネート工程に供される疑似接着フィルムに多数の微細孔を全面的に穿設するフィルム穿孔工程を設けた、請求項1に記載の情報通信体の製造方法。
  3. 前記左右側断裁工程が、前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前及び後に、前記用紙を左右側の各縁辺で段階的に断裁すると共に各側マージナル部を切除するものである、請求項1又は2に記載の情報通信体の製造方法。
  4. 前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前に、前記用紙を、左右側における一方の縁辺で断裁すると共に同側マージナル部を切除し、続く折り畳み工程の後に、左右側における他方の縁辺を下にすると共に同側マージナル部の送り孔を介して搬送し、左右側における前記他方の縁辺で、前記一方の縁辺の断裁端面と整合するように断裁すると共に同側マージナル部を除去するようにした、請求項3に記載の情報通信体の製造方法。
  5. 前記ラミネート工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前における前記第一の左右側断裁工程と同時に、前記用紙に開封用剥離手段を穿設するようにした、請求項3又は4に記載の情報通信体の製造方法。
  6. 前記開封用剥離手段が、前記用紙における紙葉部分又は該紙葉部分及び疑似接着フィルム部分に切れ込みが入ったミシン目からなる、請求項1〜5の何れかに記載の情報通信体の製造方法。
  7. 前記開封用剥離手段が、前記用紙における紙葉部分に、疑似接着フィルム部分に達しない切れ込みが入ったハーフカットによる切れ目からなる、請求項1〜5の何れかに記載の情報通信体の製造方法。
  8. 前記左右側断裁工程において、前記用紙における断裁により切除された各縁辺のマージナル部を断裁位置から強制的に順次排出させるようにした、請求項1〜5の何れかに記載の情報通信体の製造方法。
  9. 前記ラミネート工程において、前記用紙における疑似接着フィルムと接する側の被動ヒートローラの表面温度をラミネート可能温度に保持する一方、前記用紙における紙葉と接する側の被動ヒートローラの表面温度を、該紙葉表面への印刷に用いられたトナーの溶融温度より低く保持するようにした、請求項1又は2に記載の情報通信体の製造方法。
  10. 前記長尺状用紙における各単位用紙を区分する横区分線がミシン目からなる場合に、該横区分線を、ミシン目のアンカット部で開封用剥離手段と交差させるようにした、請求項1又は2に記載の情報通信体の製造方法。
  11. 前記開封用剥離手段穿設工程の後で、且つ前記折り畳み工程の前に、前記用紙を所要の長さにわたって滞留させる用紙滞留工程を設け、それによって、前記折り畳み工程以降の下流工程の緊急稼動停止時においても、前記ラミネート工程の稼動を停止させることなく、所要時間だけ稼動を継続させ得るようにした、請求項1〜5の何れかに記載の情報通信体の製造方法。
  12. 前記折り畳み工程以降の下流工程の緊急稼動停止時に、前記ラミネート工程の稼動速度を正常なラミネートを確保しうる範囲で低下させると共にラミネート工程の稼動可能時間を延長させるようにした、請求項11に記載の情報通信体の製造方法。
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