JP2004058440A - 光沢性に優れた感熱記録材料の製造方法 - Google Patents

光沢性に優れた感熱記録材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明の主たる目的は、光沢性に優れた感熱記録材料を得ることができる製造方法を提供することである。
【解決手段】この発明は、フィルム14に樹脂を塗布し、乾燥して光沢層18を形成した後、感熱発色層20を形成した積層体1を準備する工程と、基材24上に粘着剤層29を形成した積層体2を準備する工程と、積層体2の粘着剤層29側の面と積層体1の感熱発色層20側の面とを対向させ接合する工程と、フィルムを剥離する工程とからなる光沢性に優れた感熱記録材料の製造方法であり、光沢性に優れた感熱記録材料を提供することができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は光沢性に優れた感熱記録材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば紙などの基材上に直接、或は障壁層等の他の層を介して、感熱発色層を形成し、該感熱発色層上に直接、或は保護層等の他の層を介して、ポリビニルアルコール等の樹脂層を形成し、この樹脂層が湿潤状態にあるうちに、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフィルムを積層し、しかる後、樹脂層を加熱乾燥させて光沢層とし、その光沢層からフィルムを剥離することにより、光沢層を有する感熱記録材料が製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来法にあっては、樹脂層が湿潤状態にあるときにフィルムで覆われて乾燥されるため、樹脂層中の水、或は溶剤等の溶媒が基材側から揮散せざるを得ないことから、感熱発色層が溶剤などによる変色等のダメージを受ける恐れがあるのみならず、樹脂層はフィルムに覆われており、乾燥しにくいことから、乾燥時に大きなエネルギーを要し、そのため感熱発色層が発色してしまうというおそれもある。
また、樹脂層はフィルムに覆われており、溶媒が揮散しにくいことから、十分な厚さの光沢層を形成することができないことがあるため、十分な光沢を得られないという問題もある。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、光沢性に優れた感熱記録材料を得ることができる製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、フィルムに樹脂を塗布し、乾燥して光沢層を形成した後、感熱発色層を含む層を形成した積層体1を準備する工程1と、基材上に粘着剤層を含む層を形成した積層体2を準備する工程2と、前記積層体2の粘着剤層側の面と前記積層体1の感熱発色層側の面とを対向させ接合する工程3と、フィルムを剥離する工程4とからなる光沢性に優れた感熱記録材料の製造方法である。
【0006】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の光沢性に優れた感熱記録材料の製造方法の一例を示す図解図である。
また、図2は本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料の一例の断面図解図である。
光沢性に優れた感熱記録材料の製造装置10は、フィルム送り出し手段としてのフィルム送り出し装置30を含む。フィルム送り出し装置30では、たとえば巻回されてフィルムが収納されてあり、そこからフィルム14が引き出される。フィルム14としては、平滑な面を有するものが用いられる。そのようなフィルム14として、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミド(ナイロン)フィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニールアルコール(ビニロン)フィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、EVA共重合体フィルムやアイオノマーフィルムなどのエチレン共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルム、セロファンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、アルミニウム箔、アセテートフィルムなどのフィルムや、これ以外の平滑な面を有するフィルム単体、またはこれらのフィルムを貼り合わせた紙およびフィルムなどが使用できる。また、光沢層18との離型性をよくするために、剥離剤を塗布したものでもよい。
【0008】
フィルム送り出し装置30から送り出されたフィルム14は、光沢材料付与手段としての光沢材料塗布ローラ32に導かれる。光沢材料塗布ローラ32では、フィルム14の表面に光沢層18を形成する光沢材料が塗布される。
光沢材料は、乾燥後の厚さが少なくとも0.3μmとなるように塗布される。光沢層18の厚さが0.3μm未満であれば十分な光沢を付与することができなくなるおそれがある。
光沢材料が塗布されたフィルム14は、乾燥装置36に導かれる。
そして、感熱発色層20が形成される前に、水分あるいは有機溶剤等の溶媒が乾燥されて除去されるので、感熱発色層20の感熱発色剤に溶媒が影響を及ぼして、いわゆるカブリ現象をを回避することができる。
【0009】
光沢層18を形成する光沢材料としては、結着剤中に充填剤、滑剤、架橋剤を添加し、必要に応じて分散剤、消泡剤、耐水化剤、紫外線吸収剤などの添加剤を添加したものが用いられる。
ここで使用される結着剤たる樹脂としては、たとえば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプン、変性デンプン、カゼイン、ゼラチン、にかわ、アラビアゴム、ポリアミド、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、メチルビニル−無水マレイン酸共重合体、イソプロピレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル、アクリルニトリル、メチルビニルエーテルなどの水溶性樹脂またはエマルジョンの1種類または2種類以上を選択して使用することができる。
本発明においては、上述の樹脂等のなかから、1種類または2種類以上を選択し、たとえば、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、トルエンなどの溶剤に溶解したものを用いることができる。
【0010】
また、充填剤としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカゲル、活性白土、タルク、クレー、カオリナイト、ケイソウ土、ホワイトカーボン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ポリスチレン樹脂粒子、尿素−ホルマリン樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粒子などの1種類または2種類以上を選択して使用することができる。
【0011】
さらに、滑剤としては、オレイン酸などの脂肪酸類、パラフィンワックスなどの酸化ワックス類、ポリエチレンワックスなどのポリオレフィンワックス類、ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸類、カルナバワックスなどのエステルワックス類、シリコンオイル、鯨油などの油類を1種類または2種類以上を選択して使用することができる。
【0012】
また、架橋剤としては、グリオキザール、ポリアルデヒド、アミノ−ホルムアルデヒドなどのジアルデヒド系、ポリエチレンアミンなどのポリアミン系、ポリエチレンイミンなどのポリイミン系、エポキシ系、ポリアミド樹脂、グリセリンジグリシジルエーテルなどのジグリシジル系、炭酸ジルコニウムアンモニウムなどのジルコニウム塩などを1種類または2種類以上を選択して使用することができる。
【0013】
光沢層18を形成した後、感熱発色層20を形成する前に、感熱発色層を保護する保護層16を形成してもよい。
図3は本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、保護層16を形成した一例の断面図解図である。
保護層16を形成する場合は、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプン、変性デンプン、カゼイン、ゼラチン、にかわ、アラビアゴム、ポリアミド、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体,メチルビニル−無水マレイン酸共重合体、イソプロピレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メチルビニルエーテルなどの水溶性樹脂またはエマルジョンの1種類以上を結着剤として選択して使用することができ、感熱発色層20の耐水性、耐薬品性、耐可塑剤性等に優れたものとするように形成される。
【0014】
また、光沢層18と保護層16の間にオーバーコート層22を形成してもよい。
図4は本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、オーバーコート層22を形成した一例の断面図解図である。
オーバーコート層22を形成する材料としては、結着剤に充填剤を添加し、必要に応じ、滑剤、架橋剤、分散剤、消泡剤、耐水化剤などの添加剤を添加したものが用いられる。
オーバーコート層22を形成する結着剤として、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール;ポリビニルピロリドン;ポリビニルカルバゾール;デンプン類;セルロース誘導体;アルギン酸塩;アクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂;アルキッド樹脂;マレイン酸樹脂;アクリロニトリル樹脂;エポキシ樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;スチレン樹脂;ウレタン樹脂;ビニリデン樹脂等の1種類以上を選択して使用することができる。
また、充填剤としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカゲル、活性白土、タルク、クレー、カオリナイト、ケイソウ土、ホワイトカーボン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ポリスチレン樹脂粒子、尿素−ホルマリン樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粒子などの1種類または2種類以上を選択して使用することができる。
オーバーコート層22は、光沢層18とともに、サーマルヘッドに対する感熱記録材料のマッチング性を向上させ、感熱発色層20の発色が順調に行われるよう形成される。
従って、積層体1は、光沢層が形成された後、感熱発色層が形成される前に、光沢層上にさらに、保護層、オーバーコート層から選択された1種以上の層が形成されることがある。
【0015】
乾燥装置36から送り出されたフィルム14は、感熱発色材料付与手段としての感熱発色材料塗布ローラ34に導かれる。
乾燥装置36と感熱発色材料塗布ローラ34との間に吸熱用のロールを設ける、
乾燥装置36と感熱発色材料塗布ローラ34との間を長く形成する等により乾燥装置36で与えられた熱の放熱を行い、感熱発色材料への熱的影響を更に少なくすることも行われる。
感熱発色材料塗布ローラ34では、フィルム14の表面に感熱発色材料が塗布される。感熱発色材料が塗布されたフィルム14は、乾燥装置36に導かれる。
【0016】
感熱発色層20は、感熱色素、顕色剤及び結着剤等を含む塗液(感熱発色材料)を塗布して乾燥させることにより形成される。塗液の調整は、たとえば特開平6−180548号に記載のような材料が用いられる。
また、感熱発色層20の塗液には、必要に応じて、顔料、ワックス類、消泡剤などの添加剤、感熱発色層20に任意の着色をするための填料や、感熱発色層20の熱に対する感度を高めるための増感剤、保存性を向上させるための安定剤等が添加されることがある。
さらに、結着剤を架橋させるための架橋剤や、溶剤、紫外線吸収剤などが添加されることもある。
【0017】
感熱発色層20が形成された後、必要に応じて感熱発色層20を保護するために、障壁層26を形成してもよい。
図5は本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、障壁層26を形成した一例の断面図解図である。
障壁層26を形成する場合は、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプン、変性デンプン、カゼイン、ゼラチン、にかわ、アラビアゴム、ポリアミド、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体,メチルビニル−無水マレイン酸共重合体、イソプロピレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メチルビニルエーテルなどの水溶性樹脂またはエマルジョンの1種類以上を選択し、結着剤として使用することができ、感熱発色層20の耐水性、耐薬品性、耐可塑剤性等に優れたものとするように形成される。
【0018】
また、感熱発色層20と障壁層26との間にアンダー層28を形成してもよい。
図6は本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、アンダー層28を形成した一例の断面図解図である。
アンダー層28を形成する材料としては、結着剤に充填剤を添加し、必要に応じ、架橋剤、分散剤、消泡剤、耐水化剤、紫外線吸収剤などの添加剤を添加したものが用いられる。
アンダー層28を形成する場合は、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプン、変性デンプン、カゼイン、ゼラチン、にかわ、アラビアゴム、ポリアミド、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体,メチルビニル−無水マレイン酸共重合体、イソプロピレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メチルビニルエーテルなどの水溶性樹脂またはエマルジョンの1種類以上を選択して使用することができる。
また、充填剤としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカゲル、活性白土、タルク、クレー、カオリナイト、ケイソウ土、ホワイトカーボン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ポリスチレン樹脂粒子、尿素−ホルマリン樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粒子などの1種類または2種類以上を選択して使用することができる。
アンダー層28は、感熱発色層20が発色するためにサーマルヘッドから与えられた熱の放散を防ぐ断熱層としての機能を有する。
従って、積層体1は、感熱発色層が形成された後、積層体2の粘着剤層側の面と接合する層であって、感熱発色層上にさらに、障壁層、アンダー層から選択された1種以上の層が形成されることがある。
【0019】
光沢性に優れる感熱記録材料の製造装置10は、基材送り出し手段としての基材送り出し装置38を含む。
基材送り出し装置38では、たとえば巻回された基材24が引き出される。
基材24としては、たとえば紙、合成紙、フィルム、シート等からなる長尺状基材であり、特に制限はない。
そして、基材24は粘着剤付与ローラ40に導かれ、基材24に粘着剤が塗布され、乾燥され、粘着剤層29が形成される。
なお、粘着剤層29を形成する前に、障壁層26を形成してもよい。
図7は本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、粘着剤層29と基材24との間に障壁層26を形成した一例の断面図解図である。また、図8は本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、感熱発色層20と粘着剤層29との間にアンダー層28が形成され、粘着剤層29と基材24との間に障壁層26を形成した一例の断面図解図である。
【0020】
粘着剤層29を形成する粘着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体を主成分とするSBR系粘着剤、天然ゴム、SBRゴム、ブチルゴムを主成分とする再生ゴム系粘着剤、ポリイソブチレン系を主成分とするポリイソブチレン系粘着剤、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマーを主成分とするブロックゴム系粘着剤、アクリル酸エステルにアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン等のモノマーを共重合したものを主成分とするアクリル系粘着剤等が用いられる。
【0021】
粘着剤層29が形成された基材24と、感熱発色層20等が形成されたフィルム14は、接合ロール42において接合(積層)される。
このように形成された感熱記録材料は、粘着剤層29が設けられており、粘着剤は弾性を有することから、サーマルヘッドで印字したとき、感熱記録材料とサーマルヘッドとの密着性を向上させることができ、鮮明な画像を形成できる。
この接合においては、ドライラミネーションによって積層されるので、この工程でもカブリ現象が生ずるおそれはない。
【0022】
フィルム14と基材24とが接合ロール42で接合されたのち、剥離手段として用いられる剥離装置44によって、光沢層18からフィルム14が剥離される。剥離されたフィルム14は、フィルム巻き取りローラ46によって巻き取られる。 フィルム14が剥離されることにより、基材24の表面に光沢層18が露出する。この光沢層18の表面にはフィルム14の平滑な面が転写されているため、光沢を有する層となっている。
また、巻回されたフィルム14は再使用することができる。
かかるフィルム14の剥離は接合後連続して行ってもよく、また、一旦フィルム14が存在したままで基材24を巻回し、ロールとした後にフィルム14を剥離してもよい。フィルム14を存在させたまま、基材24を巻回、保持することにより、感熱記録材料として使用するまで、該材料の光沢層側表面を保護することができる。
【0023】
光沢層18等が形成された基材24は、巻取りローラ48に導かれ、巻回される。
【0024】
フィルム14に光沢層18等を形成し積層体1を準備する工程と、基材24に粘着剤層29等を形成し積層体2を準備する工程は同時になされてもよく、また、別個になされてもよい。更に、積層体1はあらかじめ製造しておき、積層体2は図1に示すような装置でインライン製造し、両積層体を積層して本発明の感熱記録材料を製造してもよい。
該工程が同時に行われる場合には、光沢性に優れる感熱記録材料が連続的に製造されるため、生産効率がよい。また、該工程が別個に行われる場合には、一貫した設備がなくても光沢性に優れる感熱記録材料を製造することができる。
【0025】
以下、実施例に基き、さらに説明する。
【実施例】
【0026】
フィルム14として、厚さ38μmのPETフィルムを用い、光沢層18の光沢材料としては、表1に示す塗液を乾燥後の厚さが1μmとなるように、常法により塗布した。
その後、感熱発色層20を形成するために、感熱発色層20として感熱色素として2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオランを含む塗液を乾燥後の厚さが5μmなるようにコーティングし、積層体1を準備した。
【0027】
【表1】
Figure 2004058440
【0028】
基材24として米坪60g/mの上質紙を用い、粘着剤として、アクリル系粘着剤を乾燥後の厚さが10μmとなるようにコーティングし、積層体2を準備した。
【0029】
積層体1と積層体2とを、接合ロール42に導き、加圧接合した後、剥離装置44にてPETフィルムを剥離し、感熱記録材料は巻取りロール48にて、PETフィルムは巻取りロール46にて巻き取った。
【0030】
【発明の効果】
この発明によれば、光沢層を形成した後、感熱発色層を形成するので、感熱発色層上に光沢層を形成する方法に比べ、カブリ現象を抑制でき、光沢層の光沢性に優れている感熱記録材料が提供される。
また、感熱発色層の下側には、ドライラミネート法によって形成された粘着剤層が設けられており、粘着剤層が弾性を有することから、感熱記録材料とサーマルヘッドとの密着性が向上し、感熱記録材料にサーマルヘッドで印字したとき、サーマルヘッドからのエネルギーを有効に利用することができ、アンダー層に微小中空粒子等を含有させずとも、鮮明な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光沢性に優れる感熱記録材料の製造装置の一例を示す図解図である。
【図2】本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料の一例の断面図解図である。
【図3】本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、保護層16を形成した一例の断面図解図である。
【図4】本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、オーバーコート層22を形成した一例の断面図解図である。
【図5】本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、障壁層26を形成した一例の断面図解図である。
【図6】本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、アンダー層28を形成した一例の断面図解図である。
【図7】本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、粘着剤層18と基材24との間に障壁層26を形成した一例の断面図解図である。
【図8】本製造方法により製造された光沢性に優れた感熱記録材料であって、感熱発色層20と粘着剤層18との間にアンダー層28が形成され、粘着剤層18と基材24との間に障壁層26を形成した一例の断面図解図である。
【符号の説明】
10 光沢性に優れる感熱記録材料の製造装置
14 フィルム
16 保護層
18 光沢層
20 感熱発色層
22 オーバーコート層
24 基材
26 障壁層
28 アンダー層
29 粘着剤層
30 フィルム送り出し装置
32 光沢材料塗布ローラ
34 感熱発色材料塗布ローラ
36 乾燥装置
38 基材送り出し装置
40 粘着剤塗布ローラ
42 接合ローラ
44 剥離装置
46 フィルム巻き取りローラ
48 光沢性に優れる感熱記録材料巻き取りローラ

Claims (1)

  1. フィルムに樹脂を塗布し、乾燥して光沢層を形成した後、感熱発色層を含む層を形成した積層体1を準備する工程1と、
    基材上に粘着剤層を含む層を形成した積層体2を準備する工程2と、
    前記積層体2の粘着剤層側の面と前記積層体1の感熱発色層側の面とを対向させ接合する工程3と、
    フィルムを剥離する工程4とからなる、光沢性に優れた感熱記録材料の製造方法。
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JP2011529813A (ja) * 2008-08-04 2011-12-15 ズィンク イメージング, インコーポレイテッド サーマルプリント可能表面および耐圧縮性層を有する光学ディスク
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DE102018113022A1 (de) * 2018-05-30 2019-12-05 Mitsubishi Hitec Paper Europe Gmbh Wärmeempfindliches Aufzeichnungsmaterial mit glänzender und bedruckbarer Rückseite und Verfahren zur Herstellung eines wärmeempfindlichen Aufzeichnungsmaterials

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