JP3355168B2 - 光沢紙の製造装置 - Google Patents

光沢紙の製造装置

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JP3355168B2 JP2000012068A JP2000012068A JP3355168B2 JP 3355168 B2 JP3355168 B2 JP 3355168B2 JP 2000012068 A JP2000012068 A JP 2000012068A JP 2000012068 A JP2000012068 A JP 2000012068A JP 3355168 B2 JP3355168 B2 JP 3355168B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光沢紙の製造装置
に関し、特にたとえば、美しい光沢を有するオーバーコ
ート層が形成された光沢紙を製造するために用いられ
る、光沢紙の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば紙などの基材上に紫外線
硬化樹脂などを塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化樹
脂を硬化させることにより、光沢を有するオーバーコー
ト層を形成する方法があった。たとえば感熱紙の感熱記
録層上にオーバーコート層を形成すれば、美しい光沢を
得ることができるだけでなく、感熱記録層を保護するこ
とができる。つまり、感熱紙では、印字ヘッドなどによ
って熱が与えられることにより、加熱された部分の感熱
記録層が変色する。このとき、オーバーコート層がある
ことにより、印字保存性、スティッキング防止性、カス
付着防止性、ヘッド磨耗防止性および印刷特性等の性能
の向上を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紫外線
硬化樹脂を用いてオーバーコート層を形成するには、紫
外線照射装置が必要であり、光沢紙の製造が面倒であっ
た。そこで、本願出願人は、乾燥することにより硬化す
る光沢材料を基材上に塗布し、光沢材料層の表面に平滑
な面を有するフィルムを貼着した後に光沢材料を硬化さ
せ、フィルムを剥離することによって平滑な面を有する
オーバーコート層が形成された光沢紙を製造する方法を
発明した。
【0004】それゆえに、この発明の主たる目的は、フ
ィルムを用いて簡単に光沢紙を得ることができる製造方
法に使用することができる、光沢紙の製造装置を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、シート状の
基材を送り出す基材送り出し手段と、表面に平滑な面を
有するフィルムを送り出すフィルム送り出し手段と、
ィルムの表面に光沢材料の層を形成するための光沢材料
付与手段と、光沢材料の層を挟んで基材とフィルムとを
接合する接合手段と、基材とフィルムとの間の光沢材料
の層を乾燥して オーバーコート層を形成するための乾燥
手段と、基材の表面に形成されたオーバーコート層から
フィルムを剥離する剥離手段とを含む、光沢紙の製造装
置である。また、この発明は、シート状の基材を送り出
す基材送り出し手段と、基材の表面に接着剤層を形成す
るための接着剤付与手段と、表面に平滑な面を有するフ
ィルムを送り出すフィルム送り出し手段と、フィルムの
表面に光沢材料の層を形成するための光沢材料付与手段
と、フィルムの表面に形成された光沢材料の層を乾燥し
てオーバーコート層を形成するための乾燥手段と、基材
の表面に形成された接着剤層上にオーバーコート層を接
合するための接合手段と、接着剤層上に接合されたオー
バーコート層からフィルムを剥離する剥離手段を含む、
光沢紙の製造装置である。これらの光沢紙の製造装置に
おいて、基材の表面上に少なくとも1つの別の層が形成
されたものを使用し、別の層の上にオーバーコート層が
形成されるようにしてもよい。
【0006】接合手段において、光沢材料を挟んで基材
とフィルムとを接合することにより、光沢材料が乾燥し
て形成されるオーバーコート層が基に接着されるとと
もに、フィルムの平滑な面がオーバーコート層に転写さ
れる。したがって、剥離手段によってフィルムが剥離さ
れると、基材の表面に平滑な面を有するオーバーコート
層が形成された光沢紙を得ることができる。このような
光沢紙の製造装置において、フィルムに光沢材料を付与
して基材と接合し、乾燥手段によって光沢材料を乾燥す
ることによってオーバーコート層を形成することができ
る。さらに、予めフィルムに光沢材料を付与して乾燥手
段で乾燥することによりオーバーコート層を形成し、接
着剤付与手段によって基材に付与された接着剤でオーバ
ーコート層を基材に接着するようにしてもよい。なお、
基材には、予め感熱記録層などの他の層を形成してお
き、その上にオーバーコート層を形成するようにしても
よい。
【0007】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の光沢紙の製造
装置の一例を示す図解図である。光沢紙の製造装置10
は、フィルム送り出し手段としてのフィルム送り出し装
置12を含む。フィルム送り出し装置12では、たとえ
ば巻回されたフィルム14が引き出される。フィルム1
4としては、平滑な面を有するものが用いられる。その
ようなフィルム14として、たとえば、ポリエチレンフ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミド(ナイロ
ン)フィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンナ
フタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニ
ールアルコール(ビニロン)フィルム、ポリエーテルケ
トンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリエーテルサ
ルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、EVA
共重合体フィルムやアイオノマーフィルムなどのエチレ
ン共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルム、セロ
ファンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビ
ニリデンフィルム、アルミニウム箔、アセテートフィル
ムなどのフィルムや、これ以外の平滑な面を有するフィ
ルム単体、またはこれらのフィルムを貼り合わせた紙お
よびフィルムなどが使用できる。また、後述のオーバー
コート層との離型性をよくするために、剥離剤を塗布し
たものでもよい。
【0009】フィルム送り出し装置12から送り出され
たフィルム14は、光沢材料付与手段としての光沢材料
塗布ローラ16に導かれる。光沢材料塗布ローラ16で
は、フィルム14の表面に光沢材料18が塗布される。
光沢材料18が塗布されたフィルム14は、後述の基
とフィルム14とを接合するための接合手段として用い
られる接合ローラ20に導かれる。
【0010】光沢材料としては、結着剤中に充填剤、滑
剤、架橋剤を添加し、必要に応じて分散剤、消泡剤、耐
水化剤、紫外線吸収剤などの添加剤を添加したものが用
いられる。ここで使用される結着剤としては、たとえ
ば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、デンプン、変性デンプン、カゼイン、ゼラチン、に
かわ、アラビアゴム、ポリアミド、ポリアクリルアミ
ド、変性ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロ
ース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、
ポリアクリル酸エステル、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイ
ソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体、メチルビニル−無水マレイン酸
共重合体、イソプロピレン−無水マレイン酸共重合体、
スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポ
リウレタン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ア
クリル酸エステル、アクリルニトリル、メチルビニルエ
ーテルなどの水溶性樹脂またはエマルジョンの一種類ま
たは二種類以上を選択して使用することができる。
【0011】また、充填剤としては、水酸化アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、重質炭酸
カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バ
リウム、シリカゲル、活性白土、タルク、クレー、カオ
リナイト、ケイソウ土、ホワイトカーボン、炭酸マグネ
シウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化
亜鉛、ポリスチレン樹脂粒子、尿素−ホルマリン樹脂粒
子、ポリオレフィン樹脂粒子などの一種類または二種類
以上を選択して使用することができる。
【0012】さらに、活剤としては、オレイン酸などの
脂肪酸類、パラフィンワックスなどの酸化ワックス類、
ポリエチレンワックスなどのポリオレフィンワックス
類、ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸類、カルナバワッ
クスなどのエステルワックス類、シリコンオイル、鯨油
などの油類を一種類または二種類以上を選択して使用す
ることができる。
【0013】また、架橋剤としては、グリオキザール、
ポリアルデヒド、アミノ−ホルムアルデヒドなどのジア
ルデヒド系、ポリエチレンアミンなどのポリアミン系、
ポリエチレンイミンなどのポリイミン系、エポキシ系、
ポリアミド樹脂、グリセリンジグリシジルエーテルなど
のジグリシジル系、炭酸ジルコニウムアンモニウムなど
のジルコニウム塩などを一種類または二種類以上を選択
して使用することができる。
【0014】また、光沢紙の製造装置10は、基材送り
出し手段としての基材送り出し装置22を含む。基材送
り出し装置22では、たとえば巻回された基材24が引
き出される。基材24としては、たとえば上質紙などの
一般紙が用いられる。そして、基材24は接合ローラ2
0に導かれ、フィルム14の光沢材料18塗布面に密着
させられる。このようにして、基材24とフィルム14
とが、光沢材料18の層を介して接合される。
【0015】接合された基材24とフィルム14は、乾
燥手段として用いられる乾燥装置26に導かれる。この
乾燥装置26において、基材24とフィルム14との間
に挟まれた光沢材料18が乾燥成膜化して、オーバーコ
ート層28が形成される。このとき、基材24とオーバ
ーコート層28とが接着され、オーバーコート層28の
フィルム14側には平滑な面が転写される。
【0016】乾燥装置26でオーバーコート層が形成さ
れたのち、剥離手段として用いられる剥離装置30によ
って、オーバーコート層28からフィルム14が剥離さ
れる。剥離されたフィルム14は、フィルム巻き取りロ
ーラ32によって巻き取られる。フィルム14が剥離さ
れることにより、基材24の表面にオーバーコート層2
8が露出する。このオーバーコート層28の表面にはフ
ィルム14の平滑な面が転写されているため、オーバー
コート層28は光沢を有する層となっている。
【0017】オーバーコート層28が形成された基材2
4は、バックコート層を形成するための樹脂塗布ローラ
34に導かれる。樹脂塗布ローラ34では、基材24の
オーバーコート層28形成面と反対の面に、バックコー
ト用の樹脂36が塗布される。樹脂36が塗布された基
材24は、乾燥装置38に導かれ、ここで樹脂36を乾
燥することによってバックコート層40が形成される。
このバックコート層40が形成されることによって、基
材24に皺が発生したり、丸まったりすることを防止す
ることができる。バックコート層40が形成された基材
24は、光沢紙巻き取りローラ42に巻き取られる。な
お、バックコート層40は必要に応じて形成すればよ
く、必ずしも形成しなければならないものではない。し
たがって、バックコート層40を形成しない場合には、
樹脂塗布ローラ34や乾燥装置38などは設ける必要が
ない。
【0018】このようにして得られた光沢紙では、基材
24の一方面上にオーバーコート層28が形成され、他
方面上にバックコート層40が形成されている。このよ
うなオーバーコート層28が形成されることにより、美
しい光沢を有する光沢紙を得ることができる。このよう
な光沢紙は、たとえば印刷用紙やラベル用紙などとして
用いられる。
【0019】 また、 図3に示すように、フィルム送り出
し装置12の後に光沢材料塗布ローラ16を設け、その
後に、乾燥装置26を設けてもよい。この場合、フィル
ム14に光沢材料が塗布され、乾燥装置26で光沢材料
18を乾燥することによって、予めフィルム14上にオ
ーバーコート層28が形成される。また、この製造装置
10では、基材送り出し装置22の後に、接着剤塗布装
置44が設けられる。接着剤塗布装置44では、基材2
4の表面に接着剤46が塗布され、接合ローラ20で接
着剤46の面とフィルム14上のオーバーコート層28
とが接合される。そして、接合ローラ20で接合された
基材24,オーバーコート層28およびフィルム14
は、剥離装置30に導かれる。ここで、フィルム14が
剥離されることによって、光沢紙が製造される。したが
って、この製造装置で製造された光沢紙は、接着剤46
の層を介して、基材24とオーバーコート層28とが接
合されている。
【0020】 このように、この光沢紙の製造装置10を
用いれば、紫外線照射装置などを用いる必要がなく、簡
単に光沢紙を製造することができる。なお、上述のよう
に、オーバーコート層28を形成するために、フィルム
14に光沢材料18を塗布し、未乾燥の状態でフィルム
14と基材24とを接合した後、光沢材料18を乾燥さ
せることによりオーバーコート層28を形成することが
できる。また、フィルム14に光沢材料18を塗布して
乾燥し、接着剤46を用いて基材24とフィルム14に
形成されたオーバーコート層28とを接合してもよい。
つまり、未乾燥の状態で光沢材料18をフィルム14に
密着させ、それを乾燥して成膜化することにより、光沢
を有するオーバーコート層28を形成することができ
る。
【0021】 なお、基材24とオーバーコート層28と
の間、または基材24と接着剤層46との間には、他の
層が形成されてもよい。このような層としては、たとえ
ば感熱記録層などがあり、感熱記録層を形成することに
より、光沢のあるオーバーコート層28で被覆された感
熱紙を得ることができる。このような感熱紙では、印字
ヘッドなどによって熱が与えられることにより、加熱さ
れた部分の感熱記録層が変色する。このとき、オーバー
コート層28があることによって、印字保存性、スティ
ッキング防止性、カス付着防止性、ヘッド磨耗防止性お
よび印刷特性等の性能の向上を図ることができる。
【0022】 また、このような感熱記録層を形成する
際、感熱記録材料が基材24に吸収されることを防ぐた
めに、基材24と感熱記録層との間にアンダーコート層
を形成してもよい。さらに、感熱記録層とオーバーコー
ト層28との間に中間層を形成してもよい。これらのオ
ーバーコート層28以外の層は、基材24に予め形成し
ておいてもよいし、基材送り出し装置22によって基材
24を引き出した後に形成してもよい。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、紫外線照射装置など
の大掛かりな装置を必要とせず、簡単に連続的に光沢紙
を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光沢紙の製造装置の一例を示す図解
図である。
【図2】この発明の光沢紙の製造装置の他の例を示図解
図である。
【符号の説明】
10 光沢紙の製造装置 12 フィルム送り出し装置 14 フィルム 16 光沢材料塗布ローラ 18 光沢材料 20 接合ローラ 22 基材送り出し装置 24 基材 26 乾燥装置 28 オーバーコート層 30 剥離装置 32 フィルム巻き取りローラ 34 樹脂塗布ローラ 36 樹脂 38 乾燥装置 40 バックコート層 42 光沢紙巻き取りローラ 44 接着剤塗布装置 46 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42 B05C 1/00 - 21/00 B05D 1/00 - 7/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の基材を送り出す基材送り出し
    手段、 表面に平滑な面を有するフィルムを送り出すフィルム送
    り出し手段、前記フィルムの表面に光沢材料の層を形成するための光
    沢材料付与手段、 前記 光沢材料の層を挟んで前記基材と前記フィルムとを
    接合する接合手段、前記基材と前記フィルムとの間の前記光沢材料の層を乾
    燥してオーバーコート層を形成するための乾燥手段、
    よび前記基材の表面に形成された前記オーバーコート層
    から前記フィルムを剥離する剥離手段を含む、光沢紙の
    製造装置。
  2. 【請求項2】 シート状の基材を送り出す基材送り出し
    手段、 前記基材の表面に接着剤層を形成するための接着剤付与
    手段、 表面に平滑な面を有するフィルムを送り出すフィルム送
    り出し手段、 前記フィルムの表面に光沢材料の層を形成するための光
    沢材料付与手段、 前記フィルムの表面に形成された光沢材料の層を乾燥し
    てオーバーコート層を形成するための乾燥手段、 前記基材の表面に形成された前記接着剤層上に前記オー
    バーコート層を接合するための接合手段、および 前記接
    着剤層上に接合された前記オーバーコート層から前記フ
    ィルムを剥離する剥離手段を含む、 光沢紙の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記基材の表面上に少なくとも1つの別
    の層が形成され、前記別の層の上に前記オーバーコート
    層が形成される、請求項1または請求項2に記載の光沢
    紙の製造装置。
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