JP2020116921A - 熱転写シートと中間転写媒体の組合せ、及び印画物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印画物を効率的に製造できる熱転写シートと中間転写媒体の組合せを提供する。【解決手段】熱転写シート100は、熱転写シート基体部105と、熱転写シート基体部の一方の面上に設けられた機能層110を有し、また、機能層110の熱転写シート基体部105側の面は、接着性を有し、中間転写媒体は、中間転写媒体基体部と、中間転写媒体上に設けられた転写層を有し、また、転写層は、受容層のみからなる単層構造、又は積層構造を呈しており、熱転写シート100と中間転写媒体を、機能層110と転写層とが接するように重ね合せ、熱転写シート基体部の他方の面側からエネルギーを印加したときに、エネルギーが1のエネルギーの場合、機能層によって中間転写媒体基体部から転写層を除去でき、エネルギーが他の1のエネルギーの場合、中間転写媒体の転写層上に機能層を転写できる。【選択図】図1
Description
本発明は、熱転写シートと中間転写媒体の組合せ、及び印画物の製造方法に関する。
特許文献1に提案がされているように、被転写体上に制約を受けることがなく印画物を形成する手段として、基材上に、受容層を含む転写層(以下、転写層と言う場合がある)が剥離可能に設けられた中間転写媒体が用いられている。この中間転写媒体によれば、色材層を有する熱転写シートを用いて、中間転写媒体の受容層上に熱転写画像を形成し、その後、この受容層を含む転写層を、任意の被転写体上に転写することで、任意の被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。ところで、被転写体上に中間転写媒体の転写層を転写することで得られる印画物の種類によっては、ICチップ部、磁気ストライプ部、送受信用アンテナ部、署名部等を設ける領域を残存しておくことが必要な場合もあり、被転写体の表面には、転写層で覆われては不都合な領域が存在する場合もある。換言すれば、被転写体の表面が露出していることが必要とされる場合もある。
このような状況下、基材の一方の面にピールオフ層が設けられた熱転写シートを用い、被転写体上に、中間転写媒体の転写層を転写する前の段階で、転写層の所定の領域、例えば、被転写体への転写を所望しない転写層の領域を、予めピールオフ層によって除去する(ピールオフすると言う場合もある)試みがなされている。例えば、特許文献2には、熱転写シートのピールオフ層と中間転写媒体の転写層とを接するように重ねた後に、熱転写シートの基材の他方の面側にエネルギーを印加し、エネルギーが印加された領域に対応する転写層の所定の領域を、ピールオフ層によって除去する方法等が提案されている。
また、中間転写媒体の最表面には受容層が位置していることから、任意の被転写体上に転写層を転写するときには、当該受容層が、被転写体と直接的に接する層となる。したがって、受容層を含む転写層を、任意の被転写体上に密着性よく(転写性よく)転写するためには、受容層自体が接着性を有していることが望ましい。受容層に接着性を付与する手段としては、受容層に含有されている色材の染着性を有する成分の一部を、接着性を有する成分に置き換える手段等を例示できる。しかしながら、この手段では、接着性を有する成分の含有量が増大するにともない、色材の染着性を有する成分の含有量は減少していき、受容層への濃度の高い熱転写画像の形成が困難となるといった問題が生じ得る。
このような問題は、中間転写媒体の受容層上に、接着層(ヒートシール層と称される場合もある)を転写し、この接着層を介して、中間転写媒体の受容層を被転写体上に転写する方法により解決可能である。しかしながら、上記のようにピールオフ層によって所定の領域が除去された転写層を、被転写体上に転写する場合には、除去がされていない転写層部分にのみ、接着層を転写することが求められ、製造工程が煩雑となり、印画物の製造を効率的にできないといった新たな問題が生じ得る。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、印画物を効率的に製造できる熱転写シートと中間転写媒体の組合せを提供すること、また、この組合せを用いた印画物の製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための発明は、熱転写シートと中間転写媒体の組合せであって、前記熱転写シートは、熱転写シート基体部と、前記熱転写シート基体部の一方の面上に設けられた機能層を有し、前記機能層の面のうち前記熱転写シート基体部側に位置する面は接着性を有し、前記中間転写媒体は、中間転写媒体基体部と、前記中間転写媒体基体部の一方の面上に設けられた転写層を有し、前記転写層は、受容層のみからなる単層構造、又は前記中間転写媒体基体部から最も遠くに位置する受容層を含む積層構造を呈し、前記熱転写シートと前記中間転写媒体を、前記機能層と前記転写層とが接するように重ね合せ、前記熱転写シート基体部の他方の面側からエネルギーを印加したときに、前記エネルギーが1のエネルギーの場合、前記機能層によって前記中間転写媒体基体部から前記転写層を除去でき、前記エネルギーが他の1のエネルギーの場合、前記転写層上に前記機能層を転写できる。
また、上記課題を解決するための本発明は、熱転写シートと中間転写媒体の組合せであって、前記熱転写シートは、熱転写シート基体部と、前記熱転写シート基体部の一方の面上に設けられた機能層を有し、前記機能層の面のうち前記熱転写シート基体部側に位置する面は接着性を有し、前記中間転写媒体は、中間転写媒体基体部と、前記中間転写媒体基体部の一方の面上に設けられた転写層を有し、前記転写層は、受容層のみからなる単層構造、又は前記中間転写媒体基体部から最も遠くに位置する受容層を含む積層構造を呈し、前記熱転写シートと前記中間転写媒体を、前記機能層と前記転写層とが接するように重ね合せ、前記熱転写シート基体部の他方の面側からエネルギーを印加したときの、(密着力A)前記機能層と前記転写層の密着力、(密着力B)前記熱転写シート基体部と前記機能層の密着力、(密着力C)前記中間転写媒体基体部と前記転写層の密着力の関係が、前記エネルギーが1のエネルギーの場合、(密着力B)≧(密着力A)>(密着力C)、又は(密着力A)>(密着力B)>(密着力C)、の関係を満たし、前記エネルギーが他の1のエネルギーの場合、(密着力A)≧(密着力C)>(密着力B)、又は(密着力C)>(密着力A)>(密着力B)の関係を満たす。
上記の組合せにおいて、前記1のエネルギーが、前記他の1のエネルギーよりも高いエネルギーであってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、印画物の製造方法であって、上記の熱転写シートと中間転写媒体の組合せを用い、前記熱転写シートの一部の領域に前記1のエネルギーを印加して、前記機能層により前記転写層の一部を除去する除去工程と、前記熱転写シートの他の一部の領域に前記他の1のエネルギーを印加して、前記転写層上の少なくとも一部に前記機能層を転写する機能層転写工程と、前記除去工程、及び前記機能層転写工程がなされた前記中間転写媒体の前記転写層を、被転写体上に転写する転写層転写工程と、を含む。
また、上記の印画物の製造方法において、前記転写層転写工程よりも前に、前記中間転写媒体の前記転写層に、熱転写画像を形成する工程を、さらに含んでいてもよい。
本発明の熱転写シートと中間転写媒体の組合せや、印画物の製造方法によれば、印画物を効率的に且つ、精度よく製造できる。
<<熱転写シートと中間転写媒体の組合せ>>
以下、本開示の実施の形態に係る熱転写シートと中間転写媒体の組合せ(以下、本開示の組合せと言う)について説明する。図1(a)〜(c)は、本開示の組合せを構成する熱転写シートの一例を示す概略断面図であり、図2(a)〜(c)は、本開示の組合せを構成する中間転写媒体の一例を示す概略断面図であり、図3(a)、(b)、図4は、本開示の組合せを用い、熱転写シートに所定のエネルギーを印加したときの状態の一例を示す概略断面図である。
以下、本開示の実施の形態に係る熱転写シートと中間転写媒体の組合せ(以下、本開示の組合せと言う)について説明する。図1(a)〜(c)は、本開示の組合せを構成する熱転写シートの一例を示す概略断面図であり、図2(a)〜(c)は、本開示の組合せを構成する中間転写媒体の一例を示す概略断面図であり、図3(a)、(b)、図4は、本開示の組合せを用い、熱転写シートに所定のエネルギーを印加したときの状態の一例を示す概略断面図である。
本開示の組合せは、熱転写シート100の機能層110と中間転写媒体200の転写層210とが接するように重ねあわせ、熱転写シート基体部105の他方の面側にエネルギーを印加したときに、(i)印加するエネルギーが1のエネルギーである場合、当該1のエネルギーが印加された領域に対応する中間転写媒体200の転写層210を機能層110によって除去でき、また(ii)印加するエネルギーが他の1のエネルギーである場合、機能層110を、中間転写媒体200の転写層210上に転写できる、との関係を満たす。また、熱転写シート100の機能層110の熱転写シート基体部105側の面は、接着性を有することから、中間転写媒体200の転写層210上に、機能層110を転写することで、中間転写媒体200の転写層210に接着性を付与できる。
本開示の組合せによれば、熱転写シート100の機能層110に、複数の機能を付与でき、中間転写媒体200の転写層210を被転写体に転写することで得られる印画物を効率的に製造できる。つまり、1つの機能層110に、印加されるエネルギーによって異なる機能を付与できる。要約すれば、1つの機能層110に、中間転写媒体200の転写層210の一部を除去するピールオフ機能と、被転写体上に転写される転写層210に接着性を発現できるヒートシール機能を付与できる。
図3(a)、(b)、図4は、本開示の実施の形態に係る熱転写シートと中間転写媒体の組合せを用い、熱転写シートに所定のエネルギーを印加したときの状態の一例を示す概略断面図である。図3(a)では、本開示の組合せを用い、熱転写シート基体部105の他方の面側から1のエネルギーを印加したときの状態を示している。図3(a)に示す形態では、1のエネルギーが印加された領域に対応する中間転写媒体200の転写層210を、機能層110によって除去できる。図3(b)では、本開示の組合せを用い、熱転写シート基体部105の他方の面側から他の1のエネルギーを印加したときの状態を示している。図3(b)に示す形態では、他の1のエネルギーが印加された領域に対応する熱転写シート100の機能層110を、中間転写媒体200の転写層210上に転写できる。
図4では、本開示の組合せを用い、熱転写シート基体部105の他方の面側から、中間転写媒体200の転写層210の除去を所望する領域に1のエネルギーを印加し、それ以外の領域に他の1のエネルギーを印加したときの状態を示している。図4に示す形態では、1のエネルギーが印加された領域に対応する中間転写媒体200の転写層210を機能層110によって除去できる。さらに、この形態では、中間転写媒体200の転写層210が残存する領域部分にのみ、機能層110を転写できる。
なお、中間転写媒体の転写層の除去、及び中間転写媒体の転写層上への接着性の付与は、中間転写媒体の転写層を除去するためのピールオフ層を有する熱転写シート、及び中間転写媒体の転写層に接着性を付与するための接着層を有する熱転写シートを組合せて用いる、或いは、ピールオフ層と、接着層が面順次に設けられた熱転写シートを用いても実現可能である。しかしながら、このような熱転写シートにおいては、複数の熱転写シートが必要となる、或いは、中間転写媒体の転写層の除去と、中間転写媒体の転写層への接着性の付与をそれぞれ、別工程で行う必要があり、工程が煩雑となる。また、転写層の一部が除去された中間転写媒体の、残存する転写層への接着性の付与は、残存する転写層部分にのみ正確に行う必要がある。しかしながら、中間転写媒体の転写層の除去と、中間転写媒体の転写層への接着性の付与を別工程で行った場合、位置合わせの精度によっては、接着層の転写を所望しない部分、例えば、除去された転写層部分側にはみ出すように、接着層が転写されやすくなる。他方で、本開示の組合せによれば、エネルギーを可変させることで、中間転写媒体の転写層の除去、及び残存する転写層上への接着性の付与を一括して行うことができ、また、残存する転写層上へのみ接着性を付与できる。
なお、本開示の組合せの使用用途について限定はなく、熱転写シート100の機能層110は、中間転写媒体200の転写層210の一部を除去するためにのみ用いてもよく、中間転写媒体200の転写層210に接着性を付与するためにのみ用いてもよい。
上記の関係を実現できる具体的な手段について限定はなく、上記1のエネルギーや、上記他の1のエネルギーを印加したときの、熱転写シート基体部105と機能層110の密着力、中間転写媒体基体部205と転写層210の密着力、機能層110と転写層210の密着力を考慮して調整すればよい。
具体的には、熱転写シート100と中間転写媒体200を、機能層110と転写層210とが接するように重ね合せ、熱転写シート基体部105の他方の面側からエネルギーを印加したときの、機能層110と転写層210の密着力を「密着力A」、熱転写シート基体部105と機能層110の密着力を「密着力B」、中間転写媒体基体部205と転写層210の密着力を「密着力C」としたときに、これら、密着力の関係が、印加するエネルギーを1のエネルギーとした場合、密着力B≧密着力A>密着力C、又は密着力A>密着力B>密着力Cの関係を満たし、印加するエネルギーを他の1のエネルギーとした場合、密着力A≧密着力C>密着力B、又は密着力C>密着力A>密着力Bの関係となるようにすればよい。
印加するエネルギーを1のエネルギーとしたときの密着力の関係を上記の関係となるように構成することで、その密着力が最も小さい、中間転写媒体基体部205と転写層210との界面での剥離が最初に開始され、1のエネルギーが印加された領域に対応する転写層210を、機能層110によって除去できる。つまり、この場合、機能層110は、ピールオフ層としての役割を果たす。
他方、印加するエネルギーを他の1のエネルギーとしたときの密着力の関係を上記の関係となるように構成することで、その密着力が最も小さい、熱転写シート基体部105と機能層110との界面での剥離が最初に開始され、他の1のエネルギーが印加された領域に対応する機能層110を、中間転写媒体200の転写層210上に転写できる。上記の通り、熱転写シート100の機能層110の熱転写シート基体部105側の面は、接着性を有することから、転写層210上に転写される機能層110は、中間転写媒体200の転写層210に接着性を付与するための、接着層(ヒートシール層と称される場合もある)としての役割を果たす。
上記1のエネルギー、及び他の1のエネルギーについて限定はなく、1のエネルギーと他の1のエネルギーが、異なるエネルギーであり、異なるエネルギーを印加したときに、密着力の関係が、それぞれ上記関係を満たせばよい。なお、上記関係を満たす構成の実現性の観点では、1のエネルギーは、他の1のエネルギーよりも高いことが好ましく、1のエネルギーは、他の1のエネルギーの1.2倍以上がより好ましい。
1のエネルギー、及び他の1のエネルギーを印加したときの、密着力の関係を上記の関係とする手段としては、例えば、以下を例示できる。なお、本開示の組合せは、以下の構成に限定されるものではなく、結果として、(i)印加するエネルギーを1のエネルギーとしたときに、当該1のエネルギーが印加された領域に対応する中間転写媒体200の転写層210の所定の領域を機能層110によって除去でき、また(ii)印加するエネルギーを他の1のエネルギーとしたときに、中間転写媒体200の転写層210側に機能層110が転写できる、との関係を満たせばよい。
一例としての方法は、熱転写シート基体部105と機能層110の密着力B、中間転写媒体基体部205と転写層210の密着力Cの関係を、エネルギーを印加する前の初期状態において、密着力C>密着力Bとなるように構成する。この初期状態において、1のエネルギーを印加したときに、熱転写シート基体部105と機能層110の密着力Bが、密着力Cよりも高くなるように、熱転写シート基体部105、及び機能層110の材料を選定し、且つ、密着力Cよりも、機能層110と転写層210の密着力Aが高くなるように、機能層110、及び転写層210の材料を選定することで、1のエネルギーを印加したときに、中間転写媒体200の転写層210の所定の領域を機能層110によって除去できる。また、この関係を満たしつつ、他の1のエネルギーを印加したときには、密着力C>密着力Bの関係を維持しつつ、密着力Bよりも、機能層110と転写層210の密着力Aが高くなるような機能層110、及び転写層210の材料を選定することで、他の1のエネルギーを印加したときに、中間転写媒体200の転写層210側に機能層110が転写できる。
<熱転写シート>
図1(a)〜(c)に示すように、本開示の組合せを構成する熱転写シート100は、熱転写シート基体部105と、熱転写シート基体部105の一方の面上に位置する機能層110を有する。
図1(a)〜(c)に示すように、本開示の組合せを構成する熱転写シート100は、熱転写シート基体部105と、熱転写シート基体部105の一方の面上に位置する機能層110を有する。
(機能層)
機能層110は、本開示の組合せを用いて、熱転写シート100の機能層110と中間転写媒体200の転写層210とが接するように重ねあわせ、熱転写シート基体部105の他方の面側にエネルギーを印加したときに、(i)印加するエネルギーが1のエネルギーである場合、当該1のエネルギーが印加された領域に対応する中間転写媒体200の転写層210の所定の領域を除去できる機能(図3(a)参照)、及び(ii)印加するエネルギーが他の1のエネルギーである場合、中間転写媒体200側に転写され、中間転写媒体200の転写層210の接着性を付与する機能(図3(b)参照)を有する。
機能層110は、本開示の組合せを用いて、熱転写シート100の機能層110と中間転写媒体200の転写層210とが接するように重ねあわせ、熱転写シート基体部105の他方の面側にエネルギーを印加したときに、(i)印加するエネルギーが1のエネルギーである場合、当該1のエネルギーが印加された領域に対応する中間転写媒体200の転写層210の所定の領域を除去できる機能(図3(a)参照)、及び(ii)印加するエネルギーが他の1のエネルギーである場合、中間転写媒体200側に転写され、中間転写媒体200の転写層210の接着性を付与する機能(図3(b)参照)を有する。
図1(a)に示すように、機能層110は、1つの層からなる単層構造を呈していてもよく、図1(b)、(c)に示すように、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈していてもよい。なお、機能層110を積層構造とする場合、1のエネルギーを印加したときの機能層110を構成する各層間の密着力は、上記密着力Cよりも高く、他の1のエネルギーを印加したときの機能層110を構成する各層間の密着力は、上記密着力Bよりも高いことを条件とする。このことは、後述する熱転写シート基体部105、中間転写媒体基体部205、転写層210を積層構造とする場合についても同様である。
機能層110を単層構造とする場合には、当該単層構造の機能層110は、ピールオフ性を有する材料と、接着性を有する材料を含有している、或いは、ピールオフ性、及び接着性の双方を有する材料を含有している。
ピールオフ性を有する材料としては、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール、エポキシ樹脂、ポリアミド等を例示できる。また、接着性を有する材料としては、ポリウレタン等のポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シアノアクリレート等を例示できる。ピールオフ性、及び接着性を有する材料としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂等を例示できる。
単層構造の機能層110の厚みは、0.2μm以上5μm以下が好ましい。
また、機能層110を積層構造とし、ピールオフ性の機能と、接着性を有する機能を分離してもよい。例えば、図1(b)、(c)に示すように、機能層110を、熱転写シート基体部105の一方の面側から、接着層110A、ピールオフ層110Bをこの順で積層してなる積層構造としてもよい。接着層110A、ピールオフ層110Bの材料としては、上記ピールオフ性を有する材料や、接着性を有する材料を適宜選択すればよい。
好ましい形態の機能層110は、熱転写シート基体部105の一方の面側から、接着層110A、ピールオフ層110Bをこの順で積層してなる積層構造を呈している。この形態の機能層によれば、熱転写シート基体部105の表面に位置する部材の材料を適宜選択することで、一定のエネルギーの印加により、熱転写シート基体部105と機能層110とを容易に熱融着でき、これにより、熱転写シート基体部105と、機能層110との密着性を、当初の状態より高くできる。例えば、エネルギーを印加する前の状態の、密着力B(熱転写シート基体部105と機能層110の密着力)、密着力C(中間転写媒体基体部205と転写層210の密着力)の関係が、密着力C>密着力Bである場合に、一定のエネルギーの印加により、この関係を逆転できる。ここで言う、一定のエネルギーは、1のエネルギーに相当する。また、一定のエネルギーを印加したときの熱転写シート基体部105と機能層110との融着の容易性を考慮すると、熱転写シート基体部105と、当該熱転写シート基体部105と接する接着層110Aは、主成分として同種の樹脂材料を含有していることが好ましい。熱転写シート基体部105と接着層110Aに同種の樹脂成分を含有せしめることで、所定のエネルギー(1のエネルギー)の印加により、上記好ましい機能層110(接着層110A)と融着でき、他方で、他の所定のエネルギー(他の1のエネルギー)をこれよりも弱いエネルギーとすることで、熱転写シート基体部105と機能層110(接着層110A)の密着力を、エネルギー印加前の状態とほぼ同じ密着力で維持できる。同様に、機能層110を単層構造とする場合には、熱転写シート基体部105と、機能層110は、同種の樹脂材料を含有していることが好ましい。ここで言う同種の樹脂材料とは、基本構造を共通にするという意味であり、完全同一の樹脂に限られない。例えば、アクリル樹脂という場合には、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーや、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーを主成分として含むものがあるが、これらは、全て、同種の樹脂として定義できる。また、ポリエステルと言う場合には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等を例示できるが、これらも同種の樹脂として定義できる。また、基本構造を共通にするとは、主体とするモノマーを共通にするものも含まれる。例えば、主体とするモノマーをモノマーAとした場合に、モノマーAの単独重合体、モノマーAとモノマーBの共重合体、モノマーAとモノマーCの共重合体も同種の樹脂として定義できる。
また、接着層110Aと、ピールオフ層110Bとの間に、他の層を位置させてもよい。例えば、接着層110Aとピールオフ層110Bとの密着性を高めるためのプライマー層(図示しない)等を位置させてもよい。
接着層110Aの厚みは、0.1μm以上3μm以下が好ましく、ピールオフ層110Bの厚みは、0.1μm以上3μm以下が好ましい。
(熱転写シート基体部)
図1に示すように、本開示の組合せを構成する熱転写シート100は、機能層110を保持する熱転写シート基体部105を有する。
図1に示すように、本開示の組合せを構成する熱転写シート100は、機能層110を保持する熱転写シート基体部105を有する。
本願明細書でいう熱転写シート基体部105は、他の1のエネルギーを印加したときに中間転写媒体200の転写層210上へ転写される機能層110以外の構成部材であり、図1(a)、(b)に示すように、基材105Aのみからなる単層構造を呈していてもよく、図1(c)に示すように、機能層110との密着性を調整するための層(例えば、離型層105B)を、基材105A上に位置させた積層構造としてもよい。
(基材)
基材105Aとしては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムを例示できる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用できる。基材105Aの厚みは、2μm以上10μm以下が好ましい。
基材105Aとしては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムを例示できる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用できる。基材105Aの厚みは、2μm以上10μm以下が好ましい。
(離型層)
離型層105Bの材料は、離型層105Bと機能層110の密着力と、中間転写媒体基体部205と転写層210の密着力を考慮して適宜選択できる。例えば、エネルギーを印加する前の状態における、中間転写媒体基体部205と転写層210の密着力Cよりも、離型層105Bと機能層110の密着力Bが低く、且つ、1のエネルギーを印加したときに、密着力Cよりも、離型層105Bと機能層110の密着力Bを高くできる材料を適宜選択すればよい。離型層105Bの材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を例示できる。
離型層105Bの材料は、離型層105Bと機能層110の密着力と、中間転写媒体基体部205と転写層210の密着力を考慮して適宜選択できる。例えば、エネルギーを印加する前の状態における、中間転写媒体基体部205と転写層210の密着力Cよりも、離型層105Bと機能層110の密着力Bが低く、且つ、1のエネルギーを印加したときに、密着力Cよりも、離型層105Bと機能層110の密着力Bを高くできる材料を適宜選択すればよい。離型層105Bの材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を例示できる。
離型層の厚みは0.5μm以上5μm以下が一般的である。また、基材105A上に離型層105Bを設ける場合、基材105Aと離型層105Bとの密着性の向上を図るべく、基材105Aの離型層側の面に接着処理を施してもよい。接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用できる。また、それらの処理を2種以上併用することもできる。
(背面層)
また基材105Aの離型層105Bが位置する面とは反対側の面に位置する背面層(図示しない)を有していてもよい。
また基材105Aの離型層105Bが位置する面とは反対側の面に位置する背面層(図示しない)を有していてもよい。
(染料層)
また、熱転写シート100は、機能層110と面順次に設けられた、染料層(図示しない)を有していてもよい。染料層を有する熱転写シート100とすることで、本開示の組合せにより、中間転写媒体の転写層の表面に位置する層(受容層)に、染料層を用いた熱転写画像を形成できる。
また、熱転写シート100は、機能層110と面順次に設けられた、染料層(図示しない)を有していてもよい。染料層を有する熱転写シート100とすることで、本開示の組合せにより、中間転写媒体の転写層の表面に位置する層(受容層)に、染料層を用いた熱転写画像を形成できる。
染料層は、昇華性染料、バインダー樹脂およびその他の任意成分を含有している。昇華性染料、バインダー樹脂等は、従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。染料層の厚みは、通常0.2μm以上3μm以下の範囲である。
<中間転写媒体>
図2(a)〜(c)に示すように、本開示の組合せを構成する中間転写媒体200は、中間転写媒体基体部205と、中間転写媒体基体部205の一方の面上に位置する転写層210を有する。
図2(a)〜(c)に示すように、本開示の組合せを構成する中間転写媒体200は、中間転写媒体基体部205と、中間転写媒体基体部205の一方の面上に位置する転写層210を有する。
(転写層)
転写層210は、中間転写媒体基体部205から剥離可能に設けられており、エネルギーの印加等により、中間転写媒体基体部205から剥離され、被転写体上に転写される層である。転写層210は、図2(a)に示すように受容層210Aのみからなる単層構造を呈していてもよく、図2(b)、(c)に示すように中間転写媒体基体部205から最も遠くに位置する受容層210Aを含む積層構造を呈していてもよい。
転写層210は、中間転写媒体基体部205から剥離可能に設けられており、エネルギーの印加等により、中間転写媒体基体部205から剥離され、被転写体上に転写される層である。転写層210は、図2(a)に示すように受容層210Aのみからなる単層構造を呈していてもよく、図2(b)、(c)に示すように中間転写媒体基体部205から最も遠くに位置する受容層210Aを含む積層構造を呈していてもよい。
(受容層)
受容層210Aの材料について限定はなく、機能層110と受容層210Aの密着力の関係が、上記で説明した関係となるような材料を適宜選択すればよい。受容層210Aの材料としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、或いはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、エチレン、或いはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体、アイオノマー、或いはセルロースジアスターゼ等のセルロース樹脂、ポリカーボネート等を含有している。
受容層210Aの材料について限定はなく、機能層110と受容層210Aの密着力の関係が、上記で説明した関係となるような材料を適宜選択すればよい。受容層210Aの材料としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、或いはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、エチレン、或いはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体、アイオノマー、或いはセルロースジアスターゼ等のセルロース樹脂、ポリカーボネート等を含有している。
(剥離層)
図2(b)、(c)に示すように、中間転写媒体基体部205と、転写層210との密着性を調整するべく、転写層210を、中間転写媒体基体部205側から、剥離層210B、受容層210Aがこの順で積層されてなる積層構造としてもよい。
図2(b)、(c)に示すように、中間転写媒体基体部205と、転写層210との密着性を調整するべく、転写層210を、中間転写媒体基体部205側から、剥離層210B、受容層210Aがこの順で積層されてなる積層構造としてもよい。
剥離層210Bの材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を例示できる。
剥離層210Bの厚みは、0.5μm以上5μm以下が好ましい。
(中間転写媒体基体部)
図2に示すように、本開示の組合せを構成する中間転写媒体200は、転写層210を保持する中間転写媒体基体部205を有する。
図2に示すように、本開示の組合せを構成する中間転写媒体200は、転写層210を保持する中間転写媒体基体部205を有する。
中間転写媒体基体部205は、1のエネルギーを印加したときに中間転写媒体200から除去される転写層210以外の構成部材であり、図2(a)、(b)に示すように、基材205Aのみからなる単層構造を呈していてもよく、図2(c)に示すように、転写層210との密着性を調整するための層(例えば、離型層205B)を、基材205A上に位置させた積層構造としてもよい。
中間転写媒体基体部205は、転写層210との密着性等を考慮して決定すればよい。中間転写媒体基体部205の構成は、上記熱転写シート基体部105で説明した構成を適宜選択して用いることができる。
<<印画物の製造方法>>
次に、本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法(以下、本開示の印画物の製造方法)について説明する。本開示の印画物の製造方法は、熱転写シートと中間転写媒体を用いた印画物の製造方法であって、熱転写シートと中間転写媒体として、上記本開示の組合せを用いる。そして、本開示の印画物の製造方法は、図5(a)に示すように、熱転写シート100の一部の領域に上記1のエネルギーを印加して、機能層110により転写層210の一部を除去する除去工程と、図5(a)に示すように、熱転写シート100の他の一部の領域に上記他の1のエネルギーを印加して、転写層210上の少なくとも一部に機能層110を転写する機能層転写工程と、図5(b)に示すように、除去工程、及び機能層転写工程がなされた中間転写媒体の転写層210を、被転写体300上に転写する転写層転写工程と、を含む。本工程を経ることで、印画物400が製造される。
次に、本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法(以下、本開示の印画物の製造方法)について説明する。本開示の印画物の製造方法は、熱転写シートと中間転写媒体を用いた印画物の製造方法であって、熱転写シートと中間転写媒体として、上記本開示の組合せを用いる。そして、本開示の印画物の製造方法は、図5(a)に示すように、熱転写シート100の一部の領域に上記1のエネルギーを印加して、機能層110により転写層210の一部を除去する除去工程と、図5(a)に示すように、熱転写シート100の他の一部の領域に上記他の1のエネルギーを印加して、転写層210上の少なくとも一部に機能層110を転写する機能層転写工程と、図5(b)に示すように、除去工程、及び機能層転写工程がなされた中間転写媒体の転写層210を、被転写体300上に転写する転写層転写工程と、を含む。本工程を経ることで、印画物400が製造される。
本開示の印画物の製造方法によれば、印加するエネルギーを異ならせるだけで、1つの機能層110により、転写層210の除去、及び転写層210への接着性の付与を実現できる。したがって、本開示の印画物の製造方法によれば、印画物を効率的に製造できる。
<除去工程、及び機能層転写工程>
除去工程、及び機能層転写工程は、別工程として行ってもよく、一体として行ってもよい。別工程として行う場合、除去工程、機能層転写工程の前後は問わない。なお、所定の領域毎に、印加するエネルギーを、1のエネルギー、他の1のエネルギーと可変させ、機能層による転写層の除去、及び転写層上への機能層の転写を一括して行う方法によれば、より効率的に印画物を製造でき、好適である。
除去工程、及び機能層転写工程は、別工程として行ってもよく、一体として行ってもよい。別工程として行う場合、除去工程、機能層転写工程の前後は問わない。なお、所定の領域毎に、印加するエネルギーを、1のエネルギー、他の1のエネルギーと可変させ、機能層による転写層の除去、及び転写層上への機能層の転写を一括して行う方法によれば、より効率的に印画物を製造でき、好適である。
1のエネルギー、及び他の1のエネルギーの印加は、例えば、サーマルヘッド等を用いて行うことができる。
<転写層転写工程>
被転写体上への転写層の転写は、例えば、ヒートロール、ホットスタンプ、サーマルヘッド等を用いて行うことができる。
被転写体上への転写層の転写は、例えば、ヒートロール、ホットスタンプ、サーマルヘッド等を用いて行うことができる。
<熱転写画像形成工程>
また、転写層転写工程よりも前に、中間転写媒体200の転写層210に、熱転写画像を形成する工程を、さらに含んでいてもよい。熱転写画像の形成は、上記の除去工程や、機能層転写工程よりも前、或いは、この間に行ってもよく、上記の除去工程や、機能層転写工程よりも後に行ってもよい。また、予め、熱転写画像が形成されている中間転写媒体を用いてもよい。
また、転写層転写工程よりも前に、中間転写媒体200の転写層210に、熱転写画像を形成する工程を、さらに含んでいてもよい。熱転写画像の形成は、上記の除去工程や、機能層転写工程よりも前、或いは、この間に行ってもよく、上記の除去工程や、機能層転写工程よりも後に行ってもよい。また、予め、熱転写画像が形成されている中間転写媒体を用いてもよい。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部は質量基準である。
(熱転写シート1の作成)
熱転写シート基体部として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、当該基材の一方の面である易接着処理面上に、下記組成の機能層用塗工液を厚みが1μmとなるように塗布・乾燥して機能層を形成し、基材の他方の面上に、下記組成の背面層用塗工液を厚みが0.8μmとなるように塗布・乾燥して背面層を形成し熱転写シート1を得た。
熱転写シート基体部として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、当該基材の一方の面である易接着処理面上に、下記組成の機能層用塗工液を厚みが1μmとなるように塗布・乾燥して機能層を形成し、基材の他方の面上に、下記組成の背面層用塗工液を厚みが0.8μmとなるように塗布・乾燥して背面層を形成し熱転写シート1を得た。
<機能層用塗工液1>
・ポリエステル(粘度平均分子量(Mv):20000、Tg:45℃) 20部
(エリーテル(登録商標)UE−3210 ユニチカ(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
・ポリエステル(粘度平均分子量(Mv):20000、Tg:45℃) 20部
(エリーテル(登録商標)UE−3210 ユニチカ(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール 2.0部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 9.2部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.3部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 43.6部
・メチルエチルケトン 43.6部
・ポリビニルブチラール 2.0部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 9.2部
(バーノック(登録商標)D750 DIC(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.3部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 43.6部
・メチルエチルケトン 43.6部
(熱転写シート2の作成)
機能層用塗工液1を、下記組成の機能層用塗工液2に変更して機能層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様にして、熱転写シート2を作成した。
機能層用塗工液1を、下記組成の機能層用塗工液2に変更して機能層を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様にして、熱転写シート2を作成した。
<機能層用塗工液2>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル樹脂 5部
(ダイヤナール(登録商標)BR−113 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・アクリル樹脂 5部
(ダイヤナール(登録商標)BR−113 三菱ケミカル(株))
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(中間転写媒体1の作成)
基板として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラー 東レ(株))を用い、該基板上に、下記組成の剥離層用塗工液を厚みが0.7μmとなるように塗布・乾燥して剥離層を形成した。次いで、剥離層上に下記組成の保護層用塗工液を厚みが1.5μmとなるように塗布・乾燥して保護層を形成した。次いで、保護層上に下記組成の受容層用塗工液を厚みが0.7μmとなるように塗布・乾燥して受容層を形成し中間転写媒体1を作成した。剥離層、保護層、受容層は、転写層を構成する。
基板として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラー 東レ(株))を用い、該基板上に、下記組成の剥離層用塗工液を厚みが0.7μmとなるように塗布・乾燥して剥離層を形成した。次いで、剥離層上に下記組成の保護層用塗工液を厚みが1.5μmとなるように塗布・乾燥して保護層を形成した。次いで、保護層上に下記組成の受容層用塗工液を厚みが0.7μmとなるように塗布・乾燥して受容層を形成し中間転写媒体1を作成した。剥離層、保護層、受容層は、転写層を構成する。
<剥離層用塗工液>
・アクリル樹脂 20部
(ダイヤナール(登録商標)BR−83 三菱ケミカル(株))
・ポリエステル 1部
(バイロン(登録商標)600 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 79部
・アクリル樹脂 20部
(ダイヤナール(登録商標)BR−83 三菱ケミカル(株))
・ポリエステル 1部
(バイロン(登録商標)600 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 79部
<保護層用塗工液>
・ポリエステル 20部
(バイロン(登録商標)GK−250 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 80部
・ポリエステル 20部
(バイロン(登録商標)GK−250 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 80部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・シリコーンオイル 1部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 79部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・シリコーンオイル 1部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 79部
(エネルギーの印加)
上記で作成した熱転写シート1と中間転写媒体1の組合せを「組合せ1」とし、上記で作成した熱転写シート2と中間転写媒体1の組合せを「組合せ2」とした。この組合せの中間転写媒体の受容層と熱転写シートの機能層とが接するように重ねあわせ、下記プリンタを用い、熱転写シートの背面側から図6に示すA領域、及びB領域にそれぞれ、表1に示すエネルギーを印加した。なお、組合せ1は、本開示の組合せの要件を充足する実施例の組合せであり、組合せ2は、本開示の組合せの要件を充足しない比較例の組合せである。
上記で作成した熱転写シート1と中間転写媒体1の組合せを「組合せ1」とし、上記で作成した熱転写シート2と中間転写媒体1の組合せを「組合せ2」とした。この組合せの中間転写媒体の受容層と熱転写シートの機能層とが接するように重ねあわせ、下記プリンタを用い、熱転写シートの背面側から図6に示すA領域、及びB領域にそれぞれ、表1に示すエネルギーを印加した。なお、組合せ1は、本開示の組合せの要件を充足する実施例の組合せであり、組合せ2は、本開示の組合せの要件を充足しない比較例の組合せである。
(プリンタ)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
1ライン周期:2.0(msec.)
印字開始温度:35(℃)
印加電圧:22(V)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
1ライン周期:2.0(msec.)
印字開始温度:35(℃)
印加電圧:22(V)
(ピールオフ性評価)
表1の組合せにおける、中間転写媒体の転写層のA領域のピールオフ性を下記評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。
表1の組合せにおける、中間転写媒体の転写層のA領域のピールオフ性を下記評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
A:A領域の転写層の全てを除去できる。
NG(1):A領域の転写層を部分的にしか除去できない。
NG(2):A領域の転写層を全く除去できない。
A:A領域の転写層の全てを除去できる。
NG(1):A領域の転写層を部分的にしか除去できない。
NG(2):A領域の転写層を全く除去できない。
(転写層の転写)
A領域に表1に示すエネルギーを印加した後の中間転写媒体を用い、ヒートロールを用いて、被写体であるポリカーボネート製カード上に中間転写媒体の転写層を転写し、このときの転写性を下記評価基準に基づいて評価した。なお、B領域の転写層の転写性が良好であるということは、中間転写媒体の転写層上に、熱転写シートのB領域の機能層の全てが転写できていることを意味する。
A領域に表1に示すエネルギーを印加した後の中間転写媒体を用い、ヒートロールを用いて、被写体であるポリカーボネート製カード上に中間転写媒体の転写層を転写し、このときの転写性を下記評価基準に基づいて評価した。なお、B領域の転写層の転写性が良好であるということは、中間転写媒体の転写層上に、熱転写シートのB領域の機能層の全てが転写できていることを意味する。
「評価基準」
A:被転写体上にB領域の転写層の全てを転写できる。
NG(1):被転写体上にB領域の転写層を部分的にしか転写できない。
NG(2):被転写体上にB領域の転写層を全く転写できない。
A:被転写体上にB領域の転写層の全てを転写できる。
NG(1):被転写体上にB領域の転写層を部分的にしか転写できない。
NG(2):被転写体上にB領域の転写層を全く転写できない。
表1の結果からも明らかなように、本開示の組合せの要件を充足する組合せ1では、1のエネルギー、及び他の1のエネルギーを、表1に示す条件2〜4、7、8、11の印加エネルギーとすることで、中間転写媒体の転写層の除去、及び転写層上への接着性の付与を、1つの熱転写シートを用いて一括して行うことができた。他方、本開示の組合せの要件を充足しない組合せ2では、印加エネルギーを、いかなるエネルギーとしても、ピールオフ性を十分なものとできず、中間転写媒体の転写層の除去、及び転写層上への接着性の付与を、1つの熱転写シートを用いて一括して行うことができない。
100・・・熱転写シート
105・・・熱転写シート基体部
105A・・・基材
105B・・・離型層
110・・・機能層
110A・・・接着層
110B・・・ピールオフ層
200・・・中間転写媒体
205・・・中間転写媒体基体部
205A・・・基材
205B・・・離型層
210・・・転写層
210A・・・受容層
210B・・・剥離層
300・・・被転写体
400・・・印画物
105・・・熱転写シート基体部
105A・・・基材
105B・・・離型層
110・・・機能層
110A・・・接着層
110B・・・ピールオフ層
200・・・中間転写媒体
205・・・中間転写媒体基体部
205A・・・基材
205B・・・離型層
210・・・転写層
210A・・・受容層
210B・・・剥離層
300・・・被転写体
400・・・印画物
Claims (5)
- 熱転写シートと中間転写媒体の組合せであって、
前記熱転写シートは、熱転写シート基体部と、前記熱転写シート基体部の一方の面上に設けられた機能層を有し、前記機能層の面のうち前記熱転写シート基体部側に位置する面は接着性を有し、
前記中間転写媒体は、中間転写媒体基体部と、前記中間転写媒体基体部の一方の面上に設けられた転写層を有し、前記転写層は、受容層のみからなる単層構造、又は前記中間転写媒体基体部から最も遠くに位置する受容層を含む積層構造を呈し、
前記熱転写シートと前記中間転写媒体を、前記機能層と前記転写層とが接するように重ね合せ、前記熱転写シート基体部の他方の面側からエネルギーを印加したときに、
前記エネルギーが1のエネルギーの場合、前記機能層によって前記中間転写媒体基体部から前記転写層を除去でき、
前記エネルギーが他の1のエネルギーの場合、前記転写層上に前記機能層を転写できる、
熱転写シートと中間転写媒体の組合せ。 - 熱転写シートと中間転写媒体の組合せであって、
前記熱転写シートは、熱転写シート基体部と、前記熱転写シート基体部の一方の面上に設けられた機能層を有し、前記機能層の面のうち前記熱転写シート基体部側に位置する面は接着性を有し、
前記中間転写媒体は、中間転写媒体基体部と、前記中間転写媒体基体部の一方の面上に設けられた転写層を有し、前記転写層は、受容層のみからなる単層構造、又は前記中間転写媒体基体部から最も遠くに位置する受容層を含む積層構造を呈し、
前記熱転写シートと前記中間転写媒体を、前記機能層と前記転写層とが接するように重ね合せ、前記熱転写シート基体部の他方の面側からエネルギーを印加したときの、(密着力A)前記機能層と前記転写層の密着力、(密着力B)前記熱転写シート基体部と前記機能層の密着力、(密着力C)前記中間転写媒体基体部と前記転写層の密着力の関係が、
前記エネルギーが1のエネルギーの場合、(密着力B)≧(密着力A)>(密着力C)、又は(密着力A)>(密着力B)>(密着力C)の関係を満たし、
前記エネルギーが他の1のエネルギーの場合、(密着力A)≧(密着力C)>(密着力B)、又は(密着力C)>(密着力A)>(密着力B)の関係を満たす、
熱転写シートと中間転写媒体の組合せ。 - 前記1のエネルギーが、前記他の1のエネルギーよりも高いエネルギーである、
請求項1又は2に記載の熱転写シートと中間転写媒体の組合せ。 - 印画物の製造方法であって、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱転写シートと中間転写媒体の組合せを用い、
前記熱転写シートの一部の領域に前記1のエネルギーを印加して、前記機能層により前記転写層の一部を除去する除去工程と、
前記熱転写シートの他の一部の領域に前記他の1のエネルギーを印加して、前記転写層上の少なくとも一部に前記機能層を転写する機能層転写工程と、
前記除去工程、及び前記機能層転写工程がなされた前記中間転写媒体の前記転写層を、被転写体上に転写する転写層転写工程と、を含む、
印画物の製造方法。 - 前記転写層転写工程よりも前に、前記中間転写媒体の前記転写層に、熱転写画像を形成する工程を、さらに含む、
請求項4に記載の印画物の製造方法。
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