JP2022133143A - ピールオフシート、該ピールオフシートと中間転写媒体との組合せ、及び該組合せを用いた印画物の製造方法 - Google Patents

ピールオフシート、該ピールオフシートと中間転写媒体との組合せ、及び該組合せを用いた印画物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄膜の基材を使用しても、破断を抑制できると共に、優れたピールオフ性能を有するピールオフシートの提供。【解決手段】本開示は、第一基材と、第一基材の一方の面側に位置するピールオフ層とを備える、ピールオフシートであって、ピールオフ層は、第1ポリエステルと、第2ポリエステルとを含み、第1ポリエステルのガラス転移温度が、80℃以上120℃以下であり、第2ポリエステルのガラス転移温度が、40℃以上70℃以下であり、第1ポリエステルの質量に対する第2ポリエステルの質量の比が、0.05以上0.8以下である、ピールオフシートである。【選択図】図1

Description

本開示は、ピールオフシート、該ピールオフシートと中間転写媒体との組合せ、及び該組合せを用いた印画物の製造方法に関する。
特許文献1に提案されているように、被転写体上に制約を受けることなく印画物を形成する手段として、中間転写媒体が使用されている。この中間転写媒体は、基材上に、受容層を含む転写層が剥離可能に設けられたものである。このような中間転写媒体によれば、色材層を有する熱転写シートを用いて、中間転写媒体の受容層上に熱転写画像を形成し、その後、この受容層を含む転写層を、任意の被転写体上に転写することで、任意の被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。特に、中間転写媒体は、色材が移行しにくく、高画質の画像を直接形成できない被転写体、及び熱転写時に色材層と融着し易い被転写体等に対して使用されている。
被転写体上に中間転写媒体の転写層を転写することで得られる印画物には、種々のものがある。例えば、ICカード等の印画物では、ICチップ部、磁気ストライプ部、送受信用アンテナ部、及び署名部等を設ける領域を残存しておくことが必要なものがあり、被転写体の表面には、転写層で覆われては不都合な領域が存在する場合がある。即ち、被転写体の表面が露出していることが必要とされる場合がある。
このような状況下において、基材の一方の面にピールオフ層が設けられた熱転写シートを使用し、被転写体上に、中間転写媒体の転写層を転写する前に、転写層の所定の領域、例えば、被転写体への転写を所望しない転写層の領域を、予めピールオフ層によって除去する(以下、「ピールオフ」とも称する)試みがなされている。例えば、特許文献2には、熱転写シートのピールオフ層と、中間転写媒体の転写層とが接するように重ねた後に、熱転写シートの基材の他方の面側からエネルギーを印加し、エネルギーが印加された領域に対応する転写層の所定の領域を、ピールオフ層によって除去する方法等が提案されている。特許文献2の熱転写シートにおいて、ピールオフ層には、例えば、ポリエステルが使用されている。
特開2014-80016号公報 特開2003-326865号公報
近年では、コストダウンの要求に伴い、ピールオフ性能を有する熱転写シート(以下、「ピールオフシート」とも称する)において、基材の厚さを薄膜化する試みがなされている。また、印画物の生産性の向上を目的として、ピールオフ時の印画エネルギーを高くし、ピールオフを高速化する試みもなされている。
今般、本発明者らは、薄膜の基材を備えるピールオフシートを使用して、ピールオフを高速化したところ、ピールオフ時にピールオフシートが破断する場合があることに気が付いた。
本発明者らは、上記問題を解決するために検討したところ、ピールオフシートの破断には、ピールオフ層を構成するポリエステルのガラス転移温度が関係しており、高いガラス転移温度を有するポリエステルから構成される層とすることで、ピールオフシートの破断を抑制できることに気が付いた。
しかしながら、このようなピールオフ層を備えるピールオフシートにおいては、ピールオフ性が低下するという新たな問題が生じた。
本開示は上記知見に鑑みてなされたものであり、その目的は、薄膜の基材を使用しても、破断を抑制できると共に、優れたピールオフ性能を有するピールオフシートを提供することである。
本開示の目的は、該ピールオフシートと、中間転写媒体との組合せを提供することである。
本開示の目的は、該組合せを用いた印画物の製造方法を提供することある。
本開示は、第一基材と、第一基材の一方の面側に位置するピールオフ層とを備える、ピールオフシートであって、
ピールオフ層は、第1ポリエステルと、第2ポリエステルとを含み、
第1ポリエステルのガラス転移温度が、80℃以上120℃以下であり、
第2ポリエステルのガラス転移温度が、40℃以上70℃以下であり、
第1ポリエステルの質量に対する第2ポリエステルの質量の比が、0.05以上0.8以下である、ピールオフシートである。
本開示は、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せであって、
ピールオフシートは、本開示によるピールオフシートであり、
中間転写媒体は、第二基材と、第二基材の一方の面側に位置する転写層とを備え、転写層は受容層を備え、受容層は中間転写媒体の最表層である、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せである。
本開示は、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せを準備する工程と、
中間転写媒体の除去領域の少なくとも一部において、受容層と、ピールオフ層とを加熱圧着した後、除去領域に設けられた転写層を、中間転写媒体からピールオフする工程と、
被転写体上に、中間転写媒体から、非除去領域における転写層を転写する工程と、を備える、印画物の製造方法である。
本開示によれば、薄膜の基材を使用しても、破断を抑制できると共に、優れたピールオフ性能を有するピールオフシートを提供できる。
本開示によれば、該ピールオフシートと、中間転写媒体との組合せを提供できる。
本開示によれば、該組合せを用いた印画物の製造方法を提供できる。
本開示によるピールオフシートの一実施形態を示す概略断面図である。 本開示によるピールオフシートの一実施形態を示す概略断面図である。 本開示による、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せの一実施形態を示す概略断面図である。 本開示による印画物の製造方法を説明するための概略図である。
〔ピールオフシート〕
本開示によるピールオフシートは、第一基材と、第一基材の一方の面側に位置するピールオフ層とを備える。
一実施形態において、本開示によるピールオフシートは、第一基材とピールオフ層との間に、プライマー層を備えてもよい。プライマー層は、第一基材及びピールオフ層と隣接してもよい。
以下、図を参照して、本開示によるピールオフシートの一実施形態を説明する。
一実施形態において、ピールオフシート10は、図1に示すように、第一基材11と、第一基材11の一方の面側に位置するピールオフ層12とから構成されている。
一実施形態において、ピールオフシート10は、図2に示すように、第一基材11と、プライマー層13と、ピールオフ層とから順に構成されている。即ち、プライマー層13は、第一基材11とピールオフ層12との間に位置する。また、プライマー層13は、第一基材11及びピールオフ層12と隣接する。
一実施形態において、ピールオフシート10は、ピールオフ層12と面順次となるように色材層を備えてもよい(図示せず)。ピールオフシート10が色材層を備える場合、ピールオフシートは、第一基材11と色材層との間に、プライマー層、剥離層及び離型層からなる群から選択される少なくとも1つの層を備えてもよい(図示せず)。
一実施形態において、ピールオフシート10は、第一基材11の他方の面側、即ち、第一基材11の一方の面側に位置するピールオフ層12とは反対の面側に背面層を備えてもよい(図示せず)。
上記のピールオフシート10の層構成は、適宜組み合わせることが可能である。
以下、本開示によるピールオフシートが備え得る各層について説明する。
<第一基材>
第一基材は、中間転写媒体が備える転写層をピールオフする際に、加えられる熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドによる熱)に耐え得る耐熱性を有し、ピールオフ層等の各層を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有するものであれば、特に制限なく使用できる。
第一基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート及びテレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリレート及びポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のイミド樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂、ポリカーボネート、並びにアイオノマー樹脂等の樹脂材料から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用できる。
上記した樹脂材料の中でも、耐熱性及び機械的強度という観点から、ポリエステルが好ましく、PETが特に好ましい。
なお、本開示において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の両方を包含することを意味する。また、「(メタ)アクリレート」とは「アクレート」と「メタクレート」の両方を包含することを意味する。
第一基材は、上記した樹脂フィルムが積層された積層体でもよい。積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用して作製できる。
樹脂フィルムは、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでもよい。樹脂フィルムは、強度の観点からは、好ましくは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムである。
第一基材の厚さは、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは3μm以上である。一方、第一基材の厚さは、好ましくは6μm未満、より好ましくは5.5μm以下である、更に好ましくは4.5μm以下である。
第一基材の厚さを1μm以上とすることにより、ピールオフシートの機械的強度を向上できる。
第一基材の厚さを6μm未満とすることにより、ピールオフシートにおける熱転写時の熱エネルギーの伝達を向上できる。また、ピールオフシートの生産コストをより向上できる。
第一基材は、他の層との密着性を向上するために、その表面に接着処理を施してもよい。即ち、ピールオフシートの第一基材として、接着処理が施された第一基材を使用してもよい。接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理及びグラフト化処理等の公知の樹脂表面改質技術が挙げられる。これらの接着処理を2種以上併用してもよい。
<ピールオフ層>
本明細書において、ピールオフ層は、中間転写媒体が備える転写層をピールオフするための層である。
本開示によるピールオフシートにおいて、ピールオフ層は、第1ポリエステルと、第2ポリエステルとを備える。第1ポリエステルは、80℃以上120℃以下のガラス転移温度(以下、「Tg」とも称する)を有する。第2ポリエステルは、40℃以上70℃以下のTgを有する。ピールオフ層において、第1ポリエステルの質量(W)に対する第2ポリエステルの質量(W)の比(W/W)は、0.05以上0.8以下である。
本開示によるピールオフシートは、上記したピールオフ層を備えることにより、薄膜の基材を使用しても破断を抑制でき、且つ、ピールオフ性に優れる。このような効果が得られるメカニズムは、現在のところ必ずしも明らかとはなっていないが、高いTgを有する第1ポリエステルと、低いTgを有する第2ポリエステルとを含み、且つ、これらのポリエステルの質量比を特定の範囲内としたピールオフ層とすることで、ピールオフシートの耐破断性及びピールオフ性が優れることは、後述する実施例及び比較例の結果からも明らかである。
第1ポリエステルのTgは、ピールオフシートの耐破断性の観点から、好ましくは85℃以上であり、より好ましくは90℃以上である。一方、第1ポリエステルのTgは、110℃以下でもよい。
なお、本明細書において、Tgは、JIS K 7121:2012に準拠して、示差走査熱量測定(DSC)により求めた値である。
/Wが0.05以上0.8以下を満たす範囲において、第1ポリエステルの含有量は、ピールオフシートの耐破断性の観点から、ピールオフ層における固形分総量に対して、好ましくは45質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上である。一方、第1ポリエステルの含有量は、ピールオフ層における固形分総量に対して、例えば95質量%以下であり、90質量%以下でもよく、85質量%以下でもよい。
第1ポリエステルの数平均分子量(以下、「Mn」とも称する)は、例えば10,000以上であり、12,000以上でもよい。一方、第1ポリエステルのMnは、例えば、30,000以下であり、20,000以下でもよい。
なお、本明細書において、Mnは、ポリスチレンを標準物質としてゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した値を意味し、JIS K 7252-3:2016に準拠した方法で測定する。
第2ポリエステルのTgは、ピールオフシートのピールオフ性の観点から、好ましくは68℃以下である。一方、第2ポリエステルのTgは、50℃以上でもよい。
/Wが0.05以上0.8以下を満たす範囲において、第2ポリエステルの含有量は、ピールオフシートのピールオフ性の観点から、ピールオフ層における固形分総量に対して、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、更に好ましくは10質量%以上である。一方、第2ポリエステルの含有量は、ピールオフ層における固形分総量に対して、例えば35質量%以下であり、30質量%以下でもよく、20質量%以下でもよい。
第2ポリエステルのMnは、好ましくは5,000以上であり、より好ましくは10,000以上である。第2ポリエステルのMnを5,000以上とすることにより、ピールオフ層中において各ポリマー同士が複雑に絡み合い、この結果、ピールオフ時におけるピールオフ層の凝集破壊を抑制でき、ピールオフ性をより向上できる。
一方、第2ポリエステルのMnは、例えば50,000以下であり、30,000以下でもよい。
/Wは、好ましくは0.1以上であり、よりに好ましくは0.2以上である。一方、W/Wは、好ましくは0.65以下であり、より好ましくは0.5以下であり、更に好ましくは0.3以下である。
/Wを0.1以上とすることにより、ピールオフシートのピールオフ性をより向上できる。
一方、W/Wを0.65以下とすることにより、ピールオフシートの耐破断性をより向上できる。
一実施形態において、ピールオフ層は、好ましくは粒子を含む。ピールオフ層が粒子を含むことにより、ピールオフシートの耐ブロッキング性を向上できる。粒子は、有機粒子でも、無機粒子でも、これらの組合せでもよい。
有機粒子としては、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド、フッ素樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、ポリオレフィン、シリコーン樹脂及びこれら樹脂を構成するモノマーの共重合体等の樹脂からなる粒子(樹脂粒子)が挙げられる。
無機粒子としては、タルク及びカオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、並びに窒化ホウ素等が挙げられる。
粒子の形状は、不定形状、球状、楕円状、円柱状及び角柱状等のいずれでもよい。また、粒子の表面は、シランカップリング剤等の表面処理材により処理されてもよい。
粒子の平均粒径は、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは3μm以下である。粒子の平均粒径を5μm以下とすることにより、ピールオフ層の表面の平滑性を維持でき、ピールオフ性を向上できる。
一方、粒子の平均粒径は、例えば0.5μm以上である。
なお、本明細書において、平均粒径は、体積平均粒径を意味し、JIS Z 8819-2:2019に準拠して測定する。
粒子の含有量は、ピールオフ層における固形分総量に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上である。一方、粒子の含有量は、ピールオフ層における固形分総量に対して、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下である。
粒子の含有量を1質量%以上とすることにより、ピールオフシートの耐ブロッキング性を向上できる。
一方、粒子の含有量を10質量%以下とすることにより、中間転写媒体が備える転写層に対するピールオフ層の密着性を向上でき、ピールオフシートのピールオフ性を向上できる。
ピールオフ層は、本開示によるピールオフシートの特性を損なわない範囲において、充填材、可塑材、紫外線吸収材及び分散材等の添加材を1種又は2種以上含んでもよい。
ピールオフ層はポリエステルを含むため、ポリエステルを含む層との密着性に特に優れる。そのため、本開示によるピールオフシートは、ポリエステルを含む層を最表層として備える中間転写媒体に好適に使用できる。中間転写媒体の最表層は、例えば、色材層の印画により画像が形成される受容層である。中間転写媒体の最表層が受容層である場合、受容層は、ピールオフ層との密着性及び印画適性の観点から、好ましくは、ポリエステル及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む。
ピールオフ層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、第一基材又はプライマー層等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
<プライマー層>
一実施形態において、ピールオフシートは、第一基材とピールオフ層との間に、プライマー層を備えてもよい。このような構成とすることにより、第一基材とプライマー層との間の密着性を向上でき、残存すべきピールオフ層が中間転写媒体側に移行してしまう現象、所謂、ピールオフ層の逆転写現象を抑制できる。特に、印画エネルギーが高い場合には、ピールオフ層の逆転写が発生しやすい傾向にあるため、プライマー層を備えるピールオフシートが好適である。
一実施形態において、後述する色材層が昇華転写型の色材層である場合には、ピールオフシートは、色材層と第一基材との間にプライマー層を備えてもよい。
プライマー層は、1種又は2種以上の樹脂材料を含んでもよい。プライマー層に含まれる樹脂材料としては、例えば、ポリエステル、ビニル樹脂、ポリウレタン、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエーテル、スチレン樹脂及びセルロース樹脂等が挙げられる。これらの中でも、樹脂材料は、第一基材とピールオフ層との密着性の観点から、好ましくはポリエステルである。
プライマー層は、上記添加材を含んでもよい。
プライマー層の厚さは、例えば、0.05μm以上2.0μm以下である。
プライマー層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、第一基材等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
<色材層>
色材層は、中間転写媒体が備える受容層等に画像を形成するための層である。色材層は、色材層に含まれる昇華性染料のみが転写する昇華転写型の色材層でも、色材層自体が転写する溶融転写型の色材層でもよい。ピールオフシートは、色材層として、昇華転写型の色材層及び溶融転写型の色材層の両方を備えてもよい。
色材層は、1種又は2種以上の色材を含む。色材は、顔料でも、染料でもよい。染料は昇華性染料でもよい。
色材層に含まれる色材としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒煙、鉄黒、アニリンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、カドミウムレッド、カドモポンレッド、クロムレッド、バーミリオン、ベンガラ、アゾ系顔料、アリザリンレーキ、キナクリドン、コチニールレーキペリレン、イエローオーカー、オーレオリン、カドミウムイエロー、カドミウムオレンジ、クロムイエロー、ジンクイエロー、ネイプルスイエロー、ニッケルイエロー、アゾ系顔料、グリニッシュイエロー、ウルトラマリン、岩群青、コバルト、フタロシアニン、アントラキノン、インジコイド、シナバーグリーン、カドミウムグリーン、クロムグリーン、フタロシアニン、アゾメチン、ペリレン及びアルミニウム顔料等の顔料、並びに、ジアリールメタン染料、トリアリールメタン染料、チアゾール染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン染料、インドアニリン染料、アセトフェノンアゾメチン染料、ピラゾロアゾメチン染料、キサンテン染料、オキサジン染料、チアジン染料、アジン染料、アクリジン染料、アゾ染料、スピロピラン染料、インドリノスピロピラン染料、フルオラン染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料及びキノフタロン染料等の染料が挙げられる。
色材層は、1種又は2種以上の樹脂材料を含んでもよい。色材層に含まれる樹脂材料としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ビニル樹脂、ビニルアセタール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート、ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂及びアイオノマー樹脂等が挙げられる。
色材層は、上記添加材を含んでもよい。
色材層の厚さは、例えば、0.1μm以上3μm以下である。
色材層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、第一基材、プライマー層、剥離層又は離型層等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
<剥離層>
色材層が溶融転写型の色材層である場合に、ピールオフシートは、第一基材と色材層との間に剥離層を備えてもよい。剥離層は、加熱によりピールオフシートから中間転写媒体等へ転写される層である。第一基材と色材層との間に剥離層が位置することにより、色材層の転写性を向上できる。
剥離層は、1種又は2種以上の樹脂材料を含んでもよい。剥離層に含まれる樹脂材料としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、イミド樹脂、セルロース樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート及びアイオノマー樹脂等が挙げられる。
剥離層における樹脂材料の含有量は、例えば、50質量%以上99質量%以下である。
剥離層は、上記添加材を含んでもよい。
剥離層の厚さは、例えば、0.1μm以上3μm以下である。
剥離層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、第一基材又は離型層等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
<離型層>
色材層が、溶融転写型色材層である場合に、ピールオフシートは、第一基材と色材層との間、又は第一基材と剥離層との間に離型層を備えてもよい。離型層は、熱転写時に、ピールオフシート側に第一基材上に留まる層、即ち、非転写層である。第一基材と色材層との間、又は第一基材と剥離層との間に離型層が位置することにより、色材層及び剥離層の転写性を向上できる。
離型層は、1種又は2種以上の樹脂材料を含んでもよい。離型層に含まれる樹脂材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン、アセタール樹脂、ポリアミド、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリオール樹脂、セルロース樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
離型層は、1種又は2種以上の離型材を含んでもよい。離型材としては、例えば、フッ素化合物、リン酸エステル化合物、シリコーンオイル及び高級脂肪酸アミド化合物、金属石けん及びパラフィンワックス等のワックス等が挙げられる。
離型層における離型材の含有量は、例えば、0.1質量%以上10質量%以下である。
離型層は、上記添加材を含んでもよい。
離型層の厚さは、例えば、0.1μm以上2.0μm以下である。
離型層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、第一基材等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
<背面層>
背面層は、熱転写時の加熱によるスティッキングやシワの発生を抑制するために設けられる層である。
背面層は、1種又は2種以上の樹脂材料を含む。背面層に含まれる樹脂材料としては、例えば、ビニル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、セルロース樹脂及びフェノール樹脂等が挙げられる。
背面層は、少なくとも1種のイソシアネート化合物を含んでもよい。背面層に含まれるイソシアネート組成物としては、例えば、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
背面層は、上記添加材を含んでもよい。
背面層の厚さは、例えば、0.01μm以上3.0μm以下である。
背面層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、第一基材等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
〔ピールオフシートと中間転写媒体との組合せ〕
本開示による、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せにおいて、ピールオフシートは、本開示によるピールオフシートであり、中間転写媒体は、第二基材と、第二基材の一方の面側に位置する転写層とを備え、転写層は受容層を備え、受容層は中間転写媒体の最表層である。
以下、図を参照して、本開示による、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せの一実施形態を説明する。
一実施形態において、ピールオフシート10と中間転写媒体20との組合せは、図3に示すように、第一基材11と、第一基材11の一方の面側に位置するピールオフ層12とを備えるピールオフシート10と、第二基材21と、転写層23とを備える中間転写媒体20とを備える。転写層23は、受容層22を備える。受容層22は中間転写媒体20の最表層である。
一実施形態において、中間層媒体20が備える転写層23は、第二基材21と受容層22との間に、剥離層を備えてもよい(図示せず)。
一実施形態において、中間層媒体20は、第二基材21と受容層22との間に、離型層を備えてもよい(図示せず)。中間転写媒体20が、剥離層及び離型層を備える場合、中間転写媒体20は、第二基材21と、離型層と、剥離層と、受容層22とをこの順に備える。
一実施形態において、中間転写媒体20が備える転写層23は、第二基材21と受容層22との間に、保護層26を備えてもよい(図示せず)中間転写媒体20の転写層23が、剥離層及び保護層を備える場合、中間転写媒体20は、第二基材21と、剥離層と、保護層と、受容層22とをこの順に備える。
上記の中間転写媒体20の層構成は、適宜組み合わせることが可能である。
以下、中間転写媒体が備え得る各層について説明する。なお、ピールオフシートについては、上記したため、記載を省略する。また、中間転写媒体が備え得る剥離層及び離型層については、ピールオフシートと同様であるため、記載を省略する。
<第二基材>
第二基材としては、上記第一基材に使用できる材料を適宜選択して使用できる。
<受容層>
受容層は、色材層の印画により画像が形成される層である。受容層は、中間転写媒体から被転写体等へ転写される層である。
受容層は、1種又は2種以上の樹脂材料を含んでもよい。受容層に含まれる樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等のビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂及びアイオノマー樹脂等が挙げられる。
本開示によるピールオフシートが備えるピールオフ層はポリエステルを含むため、受容層は、ピールオフ性の観点から、好ましくはポリエステルを含む。受容層は、ピールオフ層との密着性及び印画適性の観点から、好ましくは、ポリエステル及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む。
受容層における樹脂材料の含有量は、受容層における固形分総量に対して、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。受容層における樹脂材料の含有量を50質量%以上とすることにより、ピールオフ性をより向上できると共に、画像濃度をより向上できる。
受容層は、上記離型材を含んでもよい。これにより、ピールオフシートが備える色材層等との離型性を向上できる。
受容層は、添加材を含んでもよい。
受容層の厚さは、好ましくは0.5μm以上であり、より好ましくは1μm以上である。一方、受容層の厚さは、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。受容層をこのような厚さにすることにより、画像濃度をより向上できる。
受容層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、第二基材等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
<保護層>
保護層は、中間転写媒体から被転写体等へ転写される層である。
保護層は、1種又は2種以上の樹脂材料を含んでもよい。保護層に含まれる樹脂材料としては、例えば、ポリエステル、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリウレタン、電離放射線硬化性樹脂及び紫外線吸収性樹脂等が挙げられる。
保護層は、イソシアネート化合物を含んでもよい。イソシアネート化合物としては、例えば、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
保護層は、上記添加材を含んでもよい。
保護層の厚さは、好ましくは0.5μm以上であり、より好ましくは1μm以上である。一方、保護層の厚さは、好ましくは7μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。保護層をこのような厚さにすることにより、保護層の耐久性をより向上できる。
保護層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、第二基材等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
〔印画物の製造方法〕
図4を参照して、本開示による印画物の製造方法を説明する。
本開示による印画物30の製造方法は、
ピールオフシート10と中間転写媒体20との組合せを準備する工程と(4(a)参照)、
中間転写媒体20の除去領域の少なくとも一部において、受容層22と、ピールオフ層12とを加熱圧着した後、除去領域に設けられた転写層23を、中間転写媒体20からピールオフする工程と(図4(b)参照)、
被転写体31上に、中間転写媒体20から、非除去領域における転写層23を転写する工程と(図4(c)参照)を備える。
これにより、印画物30を製造できる(図4(d)参照)。
一実施形態において、印画物の製造方法は、転写層23のピールオフ工程の前、又は転写層23のピールオフ工程の後で、且つ転写層23の転写工程前に、受容層22上に画像を形成する工程を備えてもよい。
以下、本開示による印画物の製造方法が備え得る各工程について説明する。
<ピールオフシート及び中間転写媒体の準備工程>
本開示による印画物の製造方法は、ピールオフシート及び中間転写媒体を準備する工程を含む。ピールオフシート及び中間転写媒体の作製方法については上記した通りであるため、ここでは記載を省略する。
<ピールオフ工程>
本開示による印画物の製造方法は、中間転写媒体の除去領域に設けられた転写層をピールオフする工程を含む。
一実施形態において、中間転写媒体の除去領域に設けられた転写層のピールオフは、除去領域の少なくとも一部において、中間転写媒体が備える受容層と、ピールオフシートが備えるピールオフ層とを重ねあわせ、次いで、ピールオフシートを背面層側からサーマルヘッド等を用いて加熱すると共に、圧着させ、ピールオフシートを剥離することにより実施できる。
本工程において、転写層とピールオフ層との加熱圧着は、好ましくは除去領域の全域にわたり実施される。これにより、除去領域に設けられた転写層をより正確にピールオフできる。
<被転写体上への転写工程>
本開示による印画物の製造方法は、被転写体上に、中間転写媒体の非除去領域における転写層を転写する工程を含む。該転写は、市販される熱転写プリンタを用い、従来公知の方法により実施できる。
被転写体は、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択して使用できる。被転写体としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙及び含浸紙等の紙基材や上記樹脂フィルム等が挙げられる。
<画像形成工程>
印画物の製造方法は、中間転写媒体が備える受容層上に画像を形成する工程を含んでもよい。画像形成には、上記ピールオフシートが備える色材層を使用してもよく、別途、色材層を備える熱転写シート等を使用してもよい。
画像の形成は、転写層のピールオフ前に行われてもよく、ピールオフ後に行われてもよい。
以下に、本開示による、ピールオフシート、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せ、及び印画物の製造方法の一実施形態を示す。なお、本開示による、ピールオフシート、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せ、及び印画物の製造方法が、これらの実施形態に限定されない。
本開示は、第一基材と、第一基材の一方の面側に位置するピールオフ層とを備える、ピールオフシートであって、
ピールオフ層は、第1ポリエステルと、第2ポリエステルとを含み、
第1ポリエステルのガラス転移温度が、80℃以上120℃以下であり、
第2ポリエステルのガラス転移温度が、40℃以上70℃以下であり、
第1ポリエステルの質量に対する第2ポリエステルの質量の比が、1/20以上4/5以下である、ピールオフシートである。
一実施形態において、第1ポリエステルの含有量は、ピールオフ層における固形分総量に対して、45質量%以上95質量%以下でもよい。
一実施形態において、第2ポリエステルの数平均分子量は、5,000以上でもよい。
一実施形態において、第一基材の厚さは、1μm以上5.5μm以下でもよい。
一実施形態において、ピールオフシートは、第一基材とピールオフ層との間に、プライマー層を備え、
プライマー層は、第一基材及びピールオフ層と隣接してもよい。
一実施形態において、ピールオフ層は、粒子を含んでもよい。
一実施形態において、粒子の平均粒径は、0.5μm以上5μm以下でもよい。
一実施形態において、粒子の含有量は、ピールオフ層における固形分総量に対して、1質量%以上10質量%以下でもよい。
本開示は、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せであって、
ピールオフシートは、本開示によるピールオフシートであり、
中間転写媒体は、第二基材と、第二基材の一方の面側に位置する転写層とを備え、転写層は受容層を備え、受容層は中間転写媒体の最表層である、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せである。
本開示は、
本開示による、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せを準備する工程と、
中間転写媒体の除去領域の少なくとも一部において、受容層と、ピールオフ層とを加熱圧着した後、除去領域に設けられた転写層を、中間転写媒体からピールオフする工程と、
被転写体上に、中間転写媒体から、非除去領域における転写層を転写する工程と、を備える、印画物の製造方法である。
次に実施例を挙げて、本開示を更に詳細に説明するが、本開示は、これら実施例に限定されない。以下、固形分比率が書いてある材料については固形分換算前の含有量を示す。
実施例及び比較例において使用したポリエステルを表1に示す。実施例及び比較例において使用した粒子を表2に示す。
Figure 2022133143000002
Figure 2022133143000003
[実施例1]
第一基材として、4.5mの厚さを有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製、ルミラー(登録商標))を準備した。
第一基材の一方の面上に、下記組成のプライマー層用塗工液を塗布し、乾燥し、0.3μmの厚さを有するプライマー層を形成した。
次いで、プライマー層上に、下記組成のピールオフ層用塗工液を塗布し、乾燥し、1μmの厚さを有するピールオフ層を形成した。
次いで、第一基材の他方の面上に、下記組成の背面層用塗工液を塗布し、乾燥し、0.8μmの厚さを有する背面層を形成し、ピールオフシートを得た。
<プライマー層用塗工液>
・ポリエステルD 10質量部
・メチルエチルケトン(MEK) 25質量部
・トルエン 25質量部
<ピールオフ層用塗工液>
・ポリエステルA 27.075質量部
・ポリエステルD 1.425質量部
・粒子A 1.5質量部
・MEK 35質量部
・トルエン 35質量部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール 2質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)BX-1)
・ポリイソシアネート 9.2質量部
(DIC(株)製、バーノック(登録商標)D750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフ(登録商標)A208N)
・タルク 0.3質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエース(登録商標)P-3)
・MEK 43.6質量部
・トルエン 43.6質量部
[実施例2~10、比較例1~4]
ピールオフ層の組成を表3に示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてピールオフシートを作製した。なお、比較例2のピールオフ層は、第1ポリエステルを含まないため、表3における「W/W」は「-」で示す。
[中間転写媒体の作製]
第二基材として、12μmの厚さを有するPETフィルムを準備した。
次いで、第二基材の一方の面上に、下記組成の、中間転写媒体の剥離層用塗工液を塗布し、乾燥し、1.6μmの厚さを有する中間転写媒体の剥離層を形成した。
次いで、InTM剥離層上に、下記組成の、中間転写媒体の保護層用塗工液を塗布し、乾燥し、4.7μmの厚さを有する中間転写媒体の保護層を形成した。
次いで、InTM保護層上に、下記組成の、中間転写媒体の受容層用塗工液を塗布し、乾燥し、2μmの厚さを有する受容層を形成し、中間転写媒体を得た。中間転写媒体における転写層は、剥離層、保護層及び受容層から構成されている。
<中間転写媒体の剥離層用塗工液>
・アクリル樹脂 20質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナール(登録商標)BR83)
・ポリエステル 1質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)600)
・MEK 79質量部
<中間転写体の保護層用塗工液>
・ポリエステル 20質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)GK-250)
・MEK 80質量部
<中間転写媒体の受容層用塗工液>
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 20質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)CNL)
・シリコーンオイル 1質量部
(信越化学工業(株)製、X-22-3000T)
・MEK 79質量部
<<ピールオフ性の評価>>
上記で作製した中間転写媒体の受容層上に、昇華転写の写真調の熱転写画像を形成した。次いで、熱転写画像が形成された中間転写媒体の受容層と、実施例及び比較例におけるピールオフシートのピールオフ層とが接するように重ね合せて、以下のプリンタを用いて、ピールオフシートの背面側から加熱することで、転写層の所定領域を中間転写媒体から取り除いた。このときの転写層の除去状況を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて、ピールオフ性を評価した。評価結果を表3に示す。
(プリンタ)
サーマルヘッド:KEE-57-12GAN2-STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
ライン周期:2(msec./line)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85(%)
印画電圧:21(V)
搬送速度:42.3mm/sec.
(評価基準)
A・・・「所定領域」に対応する転写層が正確に除去されている。
B・・・「所定領域」に対応する転写層の一部が僅かに残存、或いは「所定領域」を僅かにはみだすようにして転写層が除去されているが使用する際に問題ないレベルである。
C・・・「所定領域」に対応する転写層の一部が残存、或いは「所定領域」をはみだすようにして転写層が除去されているが使用する際に問題ないレベルである。
NG・・・「所定領域」に対応する転写層が正確に除去されておらず不良である。
<<耐破断性の評価>>
上記ピールオフ性の評価後において、ピールオフシートの状態を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて、耐破断性を評価した。評価結果を表3に示す。
(評価基準)
OK・・・ピールオフシートが破断しなかった。
NG・・・ピールオフシートが破断した。
Figure 2022133143000004
10:ピールオフシート、11:第一基材、12:ピールオフ層、13:プライマー層、20:中間転写媒体、21:第二基材、22:受容層、23:転写層、31:被転写体

Claims (10)

  1. 第一基材と、前記第一基材の一方の面側に位置するピールオフ層とを備える、ピールオフシートであって、
    前記ピールオフ層は、第1ポリエステルと、第2ポリエステルとを含み、
    前記第1ポリエステルのガラス転移温度が、80℃以上120℃以下であり、
    前記第2ポリエステルのガラス転移温度が、40℃以上70℃以下であり、
    前記第1ポリエステルの質量に対する前記第2ポリエステルの質量の比が、0.05以上0.8以下である、ピールオフシート。
  2. 前記第1ポリエステルの含有量が、前記ピールオフ層における固形分総量に対して、45質量%以上95質量%以下である、請求項1に記載のピールオフシート。
  3. 前記第2ポリエステルの数平均分子量が、5,000以上である、請求項1又は2に記載のピールオフシート。
  4. 前記第一基材の厚さが、1μm以上6μm未満である、請求項1~3のいずれか一項に記載のピールオフシート。
  5. 前記第一基材と前記ピールオフ層との間に、プライマー層を備え、
    前記プライマー層は、前記第一基材及び前記ピールオフ層と隣接する、請求項1~4のいずれか一項に記載のピールオフシート。
  6. 前記ピールオフ層は、粒子を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のピールオフシート。
  7. 前記粒子の平均粒径が、0.5μm以上5μm以下である、請求項6に記載のピールオフシート。
  8. 前記粒子の含有量が、前記ピールオフ層における固形分総量に対して、1質量%以上10質量%以下である、請求項6又は7に記載のピールオフシート。
  9. ピールオフシートと中間転写媒体との組合せであって、
    前記ピールオフシートは、請求項1~8のいずれか一項に記載のピールオフシートであり、
    前記中間転写媒体は、第二基材と、前記第二基材の一方の面側に位置する転写層とを備え、前記転写層は受容層を備え、前記受容層は前記中間転写媒体の最表層である、ピールオフシートと中間転写媒体との組合せ。
  10. 請求項9に記載のピールオフシートと中間転写媒体との組合せを準備する工程と、
    前記中間転写媒体の除去領域の少なくとも一部において、前記受容層と、前記ピールオフ層とを加熱圧着した後、除去領域に設けられた前記転写層を、前記中間転写媒体からピールオフする工程と、
    被転写体上に、前記中間転写媒体から、非除去領域における前記転写層を転写する工程と、を備える、印画物の製造方法。
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