JP2015223809A - 粘着ラベルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能層4、粘着層3及び感熱記録層5の材料や材質の選択肢を拡大させ、生産性を向上させる。【解決手段】粘着ラベル1の製造方法は、剥離紙6に機能材の溶液4’を塗布する機能材塗布工程S1と、機能材の溶液4’を乾燥して機能層4を形成する機能材乾燥工程S2と、機能層4に粘着剤の溶液3’を塗布する粘着剤塗布工程S3と、粘着剤の溶液3’を乾燥して粘着層3を形成す粘着剤乾燥工程S4と、感熱記録層5を備える基材2を粘着層3に貼り付ける基材貼付工程S5と、機能層4から剥離紙6を剥離する剥離工程S6と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、保存時は非粘着性を有し、使用時に粘着性を発現させて使用する粘着ラベルの製造方法に関する。
近年、価格表示用ラベル、商品表示用ラベル、広告宣伝用ラベル、包装物のシール用ラベル等の用途に粘着ラベルが使用されている。粘着ラベルは、表示記録層を含む基材と粘着層と剥離紙(セパレータ)とから成る。被着体に貼る際には剥離紙を剥がし、露出した粘着層を介して被着体に貼り付ける。通常の粘着ラベルは、帯状の基材の裏面全体に粘着剤を塗布して形成した粘着層に帯状の剥離紙を貼り合わせ、型抜きして形成される。そのため、剥離紙を剥がして粘着ラベルを貼り付ける際に、粘着ラベルは裏面の全面にわたって被着体に貼り付けられる。また、粘着ラベルを使用する際に剥がした剥離紙は再利用されることなく廃棄されるので、環境負荷が低減できない。
従来から、基材の表面に表示記録層として感熱記録層を具備した粘着ラベルが利用されている。この粘着ラベルは、サーマルヘッド等の加熱手段により感熱記録層を発色させて記録する。例えば、特許文献1にはこの種の粘着ラベルの構成と、その製造方法が記載されている。粘着ラベルは、例えば表面に感熱発色層を設けた表面基材と、表面基材の裏面に設けた粘着層と、粘着層の表面基材とは反対側の裏面に設けた剥離基材で構成される。この粘着ラベルは次のように製造される。まず、表面に剥離処理を施したエンドレス部材の上に塗工装置により粘着剤塗料を塗布する。次に、乾燥装置で粘着剤塗料を乾燥してエンドレス部材の上に粘着層を形成する。次に、感熱発色層を設けた表面基材の裏面を上記粘着層にラミネートして、粘着層を表面基材の裏面に転写する。次に、粘着層の表面に剥離基材を張り合わせる。そのため、感熱発色層を設けた表面基材が乾燥装置を通過することがなく、表面基材の乾燥による切断や品質低下の問題を解消できることが記載されている。
また、特許文献2には弱粘タイプの粘着剤を用いる粘着ラベルが記載されている。粘着ラベルは、支持体の一方にロイコ染料と顕色剤を含有する感熱発色層を備え、支持体の他方に感圧性粘着剤層と剥離紙を備える。粘着ラベルを段ボール等に繰返し貼り剥がしを可能とするために、感圧性粘着剤層に弱粘タイプの粘着剤を使用する。そして、支持体と感圧性粘着剤層との間にアクリルエマルジョンを含有する粘着剤アンカー層を設けることにより、繰り返し貼り剥がし性が優れた粘着ラベルを構成できることが記載されている。この粘着ラベルも特許文献1に記載される製造方法により製造することができる。
上記従来公知の粘着ラベルは、粘着層の全面を被着体に貼り付けるものであり、しかも、使用の際には剥離紙が廃棄されて環境負荷が低減できない。例えば特許文献3には、従来使用される粘着ラベルを改善するものとして、剥離紙を使用せず必要とする部分のみに粘着性を発現させる粘着ラベルが提案されている。図7はこの粘着ラベル100の断面模式図である(特許文献3の図1)。粘着ラベル100は、支持体102と、支持体102の一方の表面に形成し、粘着性を有する粘着剤層103と、粘着剤層103の表面に形成する弱粘着層105と、弱粘着層105の表面に形成し、加熱することにより開口する熱反応層(機能層)104と、支持体102の他方の表面に形成し、文字や図形を記録する印刷層106とを備える。印刷層106としては、サーマルヘッドを用いて記録する感熱記録層を使用することができる。この粘着ラベル100は、サーマルヘッド等の加熱手段により熱反応層104を加熱して開口させ、下部の弱粘着層105や粘着剤層103を露出させて粘着性を発現する。従って、粘着ラベル100の用途や、被着体の性質に応じて粘着性を発現させる領域を任意に設定することができる。また、剥離紙を必要としないので、環境負荷が低減できる。更に、印刷層106を感熱記録層とすれば、印字等の記録を簡便に行うことができ、ラベル発行装置の小型化、省電力化することができる利点を備えている。
特開平5−171119号公報 特開2006−84866号公報 特開2012−63616号公報
特許文献3に記載の粘着ラベル100は、剥離紙を使用しないので環境負荷が低減できること、また、接着性を発現させる領域を任意に設定することができる点において有用である。粘着ラベル100は、基本的には機能層(熱反応層104)、粘着剤層(弱粘着層105及び粘着剤層103)、支持体102、感熱記録層(印刷層106)から成る多層構造を備える。
粘着ラベルの粘着層は、通常、粘着剤溶液を基材に塗布し、乾燥工程を通して乾燥させて形成する。しかし、感熱記録層は、粘着剤溶液の乾燥工程の温度条件により発色する。そのため、感熱記録層を備える粘着ラベルでは、感熱記録層が粘着層形成の際の温度条件下に晒されないようにする必要がある。上記特許文献1では、エンドレス部材に粘着剤塗料を塗布し、乾燥装置で乾燥して粘着層を形成し、感熱発色層(感熱記録層)を設けた表面基材にこの粘着層を転写して粘着ラベルを形成する。そのため、感熱記録層は粘着層形成の際の温度条件下に晒されない。しかし、特許文献3の粘着ラベル100は、機能層、粘着剤層、支持体、感熱記録層からなる多層構造を備えるため、上記特許文献1の製造方法をそのまま適用することができない。
また、多層構造のメディア製造装置として、各層の塗布と乾燥を繰り返し、多層構造を1プロセスで製造する製造装置が知られている。1プロセスで塗布と乾燥工程を順次繰り返して製造するので、生産性の向上を図ることができる。しかし、感熱記録層が複数回の乾燥工程を通る製造装置では、感熱記録層の発色を防止するために感熱記録層の材料や材質の選択の範囲が狭くなるとともに、乾燥工程の乾燥条件も制約される。また、粘着ラベルを構成する機能層や粘着剤層は材質や厚さが大きく異なるので塗布速度や乾燥速度が相違する。そのため、1プロセスで粘着ラベルを製造すると、塗布速度や乾燥速度の遅い低速膜に工程が律速され、生産性が必ずしも向上せず、コスト競争力のある効率的な製造プロセスが実現できない。
本発明は、廃棄する剥離紙を使用せず、接着性が発現する領域を任意に設定可能な粘着ラベルを効率的に製造することができる製造方法を提供する。
本発明の粘着ラベルの製造方法は、剥離紙に機能材の溶液を塗布する機能材塗布工程と、前記機能材の溶液を乾燥して機能層を形成する機能材乾燥工程と、前記機能層に粘着剤の溶液を塗布する粘着剤塗布工程と、前記粘着剤の溶液を乾燥して粘着層を形成す粘着剤乾燥工程と、感熱記録層を備える基材を前記粘着層に貼り付ける基材貼付工程と、前記機能層から前記剥離紙を剥離する剥離工程と、を備えることとした。
また、前記機能材塗布工程は、グラビアコーターを用いて前記機能材の溶液を塗布する工程であることとした。
また、前記粘着剤塗布工程は、ダイコーターを用いて前記粘着剤の溶液を塗布する工程であることとした。
また、前記機能層を備える前記剥離紙を巻き取ってロールを形成する巻取工程と、前記ロールから前記機能層を備える前記剥離紙を引き出す引出工程とを更に備え、前記機能材乾燥工程の後に前記巻取工程を行い、前記引出工程の後に前記粘着剤塗布工程を行うこととした。
また、前記機能層は、加熱により開口して前記粘着層が露出することとした。
また、前記機能層は、ワックスを主体とする材、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とする材、及び、アクリルを主体とする材のいずれかを含む材料からなり、加熱により開口して前記粘着層が露出することとした。
また、前記機能層は、無機材料又は有機材料からなる微粒子が分散することとした。
また、前記微粒子はシリカ又はポリマーからなることとした。
また、前記微粒子は平均粒径が前記機能層の膜厚の0.1倍〜1.5倍であることとした。
また、前記機能層は融点が50℃〜200℃の範囲であることとした。
また、前記ワックスは、天然ワックスと合成ワックスを含むこととした。
また、前記天然ワックスは融点が40℃〜70℃であり、前記合成ワックスは融点が100℃〜200℃であることとした。
また、前記機能層は前記天然ワックスを2重量%〜35重量%含有することとした。
また、前記天然ワックスはパラフィンワックスを主体とすることとした。
本発明による粘着ラベルの製造方法は、剥離紙に機能材の溶液を塗布する機能材塗布工程と、機能材の溶液を乾燥して機能層を形成する機能材乾燥工程と、機能層に粘着剤の溶液を塗布する粘着剤塗布工程と、粘着剤の溶液を乾燥して粘着層を形成す粘着剤乾燥工程と、感熱記録層を備える基材を粘着層に貼り付ける基材貼付工程と、機能層から剥離紙を剥離する剥離工程と、を備える。これにより、機能層、粘着層及び感熱記録層の材料や材質の選択肢が拡大し、かつ、生産性を向上させることができる粘着ラベルの製造が可能となる。
本発明に係る粘着ラベルの代表的な例を示す断面模式図である。 本発明に係る粘着ラベルに粘着性を発現させる様子を説明するための図である。 本発明の第一実施形態に係る粘着ラベルの製造方法の説明図である。 本発明の第二実施形態に係る粘着ラベルの製造方法を表す工程図である。 本発明の第二実施形態に係る粘着ラベルの製造装置の概念図である。 本発明の第二実施形態に係る粘着ラベルの製造装置の概念図である。 従来公知の粘着ラベルの断面模式図である。
本発明の粘着ラベル1の製造方法を説明する前に、本発明に係る粘着ラベル1の特徴について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明に係る粘着ラベル1の代表的な例を示す断面模式図である。図1に示すように、粘着ラベル1は、記録面を成す感熱記録層5と、感熱記録層5を支持する基材2と、基材2の感熱記録層5とは反対側に設置する粘着層3と、粘着層3に設置する機能層(熱反応層)4とを備える。ここで、機能層4は、ワックスを主体とする材、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とする材、及び、アクリルを主体とする材のいずれかを含む材料からなり、加熱により開口して粘着層3が露出する。
図2は、本発明に係る粘着ラベル1に粘着性を発現させる様子を説明するための図である。加熱手段としてサーマルヘッド15を使用する。図2(a)に示すように、粘着ラベル1の機能層4にサーマルヘッド15の発熱部Hを接触する。すると、図2(b)に示すように加熱された機能層4が融解し収縮して開口部13が形成され、粘着層3が露出する。次に、図2(c)に示すように、開口部13側を被着体12に設置し、基材2側から相対的に押圧することにより、開口部13を介して粘着層3に含まれる粘着剤が被着体12に粘着する。従って、サーマルヘッド15により開口部13の数や位置を選定することにより、被着体12の性質や用途に応じて粘着ラベル1の粘着性を制御することができる。しかも、剥離紙を用いないので、環境負荷が低減できる。なお、感熱記録層5は、例えばサーマルヘッドを用いて機能層4の開口前後に記録することができる。
(第一実施形態)
図3は、本発明の第一実施形態に係る粘着ラベル1の製造方法の説明図である。図3(a)は工程図であり、図3(b)は各工程における粘着ラベル1の断面模式図である。本発明の第一実施形態に係る粘着ラベル1の製造方法は、機能材塗布工程S1、機能材乾燥工程S2、粘着剤塗布工程S3、粘着剤乾燥工程S4、基材貼付工程S5及び剥離工程S6を備える。機能材塗布工程S1において、後に剥離工程S6で剥離する剥離紙6の表面に機能材の溶液4’を塗布する。次に、機能材乾燥工程S2において、機能材の溶液が塗布された剥離紙6を乾燥して機能層4を形成する。次に、粘着剤塗布工程S3において、機能層4の表面に粘着剤の溶液3’を塗布する。次に、粘着剤乾燥工程S4において、粘着剤の溶液が塗布された機能層4及び剥離紙6を乾燥して粘着層3を形成する。次に、基材貼付工程S5において、感熱記録層5を備える基材2の感熱記録層5とは反対側の表面を粘着層3に貼り付ける。次に、剥離工程S6において、機能層4から剥離紙6を剥離する。
これにより、感熱記録層5、基材2、粘着層3及び機能層4からなる積層構造の粘着ラベル1を得る。剥離紙6に機能層4と粘着層3を形成した後に感熱記録層5を備える基材2を粘着層3に貼り付けるので、感熱記録層5が機能材乾燥工程S2や粘着剤乾燥工程S4により加熱されることがなく、また、粘着層3の溶媒が感熱記録層5に浸み込むことがない。そのため、感熱記録層5の発色や変色が抑制され、また、機能層4、粘着層3及び感熱記録層5の材料や材質の選択肢が拡大し、用途に応じた粘着ラベル1を容易に製造することができる。
具体的に説明する。機能材塗布工程S1において、剥離紙6の表面に機能材(機能層4の材料)の溶液4’を塗布する。剥離紙6は工業用剥離紙(剥離フィルム)を使用することができる。機能材は、ワックスを主体とする材、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とする材、及び、アクリルを主体とする材のいずれかを含む材料の溶液を使用する。ワックスを主体とする材には天然ワックスと合成ワックスを含めることができる。天然ワックスの融点を40℃〜70℃とし、合成ワックスの融点を100℃〜200℃とする。例えば、天然ワックスを2重量%〜35重量%含有させる。天然ワックスが2重量%を下回ると機能層4の離型性が低下し、粘着ラベル1の発熱部Hに対する走行性が不安定となる。天然ワックスが35重量%を超えると機能層4の融点が低下し、粘着ラベル1の取り扱いが難しくなる。天然ワックスとしてパラフィンを主体とする材を使用することができる。機能材には、無機材料又は有機材料からなる微粒子を分散させることができる。無機材料としてシリカ、有機材料としてポリマーを使用することができる。
機能材の溶液4’の塗布は、グラビアコーター、ロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、ブレードコーター等の塗工装置を使用することができる。機能材の溶液を乾燥した後に得る機能層4は薄膜である。従って、機能材の溶液の塗布には、薄膜形成に適するグラビアコーターを使用することが好ましい。
剥離紙6は、機能材の溶液4’に対する濡れ性が良いこと、また、乾燥後に機能層4から剥離紙6を容易に剥離できることが条件となる。機能材の溶液4’に対する濡れ性をよくすると、塗布膜のレベリング性(平滑性)が向上する。具体的には、剥離紙6の表面張力を35mN/m以下、好ましくは30mN/m以下とするのがよい(表面張力の測定はJIS K6768に準拠し、和光純薬工業株式会社製の濡れ張力試験用混合液を用いた)。また、剥離紙6の剥離性を向上させるためには、剥離紙6の表面を微細凹凸状に形成する(ロータス効果)、あるいは、剥離紙6の表面に常温硬化型のフッ素樹脂やシリコーン樹脂を塗布する。剥離紙6を繰り返して使用することを考慮すると、剥離紙6の表面に離型剤を塗布するよりも剥離紙6の表面を微細凹凸状に形成するのが好ましい。なお、剥離紙6の表面粗さは機能層4の表面に転写される。従って、機能層4の表面形状として許容できる範囲内において、剥離紙6の表面を微細凹凸状に形成することが好ましい。
機能材乾燥工程S2において、機能材の塗布膜に温風を吹き付けて乾燥させ、機能層4を形成する。この機能材乾燥工程S2の時点では感熱記録層5を含まないので、乾燥温度、乾燥速度、風量等の制約が緩和される。機能層4は、付着量が0.3gf/m2〜5gf/m2の範囲に形成し、好ましくは0.3gf/〜2gf/m2の範囲に形成する。機能層4の付着量が0.3gf/m2を下回ると、次に形成する粘着層3の被覆性が低下し、5gf/m2を超えると熱容量が増加して開口感度が低下し、開口部13の径が小さくなる。機能層4は、融点が50℃〜200℃の範囲とし、好ましくは50℃〜100℃、より好ましくは70℃〜90℃の範囲とする。融点が50℃を下回ると粘着ラベル1としての取り扱いが難しくなり、200℃を超えると開口形状の安定性が低下し、開口に必要なエネルギーが増加する。
粘着剤塗布工程S3において、機能層4の表面に粘着剤の溶液3’を塗布する。粘着剤は、水性、油性、無揮発性、紫外線硬化性等の形態、また永久接着、強粘着、中粘着、弱粘着、再剥離等の品質のものが存在するが、特に限定されない。例えば、用途に応じてシリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤を使用することができる。シリコーン系粘着剤には、高凝集力を持つシリコーンや高粘着力を持つシリコーンが含まれる。ゴム系粘着剤には、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソブチレン、ゴム系の材料が含まれる。アクリル系粘着剤には、ガラス転移の低いモノマーと架橋材を利用した架橋系の材料や、ガラス転移の低いモノマーと高いモノマーを共重合化した非架橋系の材料が含まれる。溶媒は、エマルジョン系と有機溶媒系を使用することができる。
粘着剤の塗布は、グラビアコーター、ロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、ブレードコーター等の塗工装置を使用することができる。粘着層3は機能層4よりも厚く形成するために、粘着剤の溶液3’の塗布はダイコーターを使用するのが好ましい。
粘着剤乾燥工程S4において、粘着剤の溶液3’に温風を吹き付けて乾燥させ、粘着層3を形成する。この場合も、粘着剤乾燥工程S4の時点では感熱記録層5を含まないので、乾燥温度、乾燥速度、風量等の制約が緩和される。粘着剤の溶媒として有機溶媒系を使用する場合は、有機溶媒の沸点を乾燥時の温度とすることができる。例えば、有機溶媒としてトルエンを使用する場合は乾燥時の温度を70℃とすることができる。有機溶媒として酢酸エチル系を使用する場合は乾燥時の温度を75℃とすることができる。エマルジョン系の溶媒を使用する場合は乾燥時の温度を100℃とすることができる。1有機溶媒や2有機溶媒において乾燥工程の温度を沸点以下に設定し、風量等を調節してもよい。
基材貼付工程S5において、感熱記録層5を備える基材2を粘着層3に貼り付ける。基材2の、感熱記録層5を備える表面とは反対側の表面に粘着層3をラミネートする。基材2は、図2(c)に示すように基材2側から押圧したときに、粘着層3と被着体12との間の接触面積が大きくなる材料が好ましい。また、その接触面積が長時間にわたって維持できる材料が好ましい。基材2として剛性の大きい材料を使用すると、開口部13を介して粘着層3が被着体12の表面に接触し難くなるとともに、接触した後に、基材の剛性により被着体12の表面から粘着層3が剥離し、所定の粘着力を維持することができなくなる。そこで、基材2として剛性の小さい紙やポリオレフィン系ポリマーを使用する。感熱記録層5は、発色剤として例えばロイコ染料を使用し、顕色剤として熱によりロイコ染料に接触して発色させる化合物や酸化物を使用することができる。
剥離工程S6において、機能層4から剥離紙6を剥離して、機能層4、粘着層3、基材2及び感熱記録層5を含む積層構造の粘着ラベル1を形成する。機能層4から剥離した剥離紙6を再び機能材塗布工程S1において利用することができ、環境負荷を低減できる。また、感熱記録層5は、機能材乾燥工程S2や粘着剤乾燥工程S4により加熱されることがない。そのため、機能層4、粘着層3及び感熱記録層5の材料や材質を選択する際の選択肢が拡大する。
(第二実施形態)
図4は本発明の第二実施形態に係る粘着ラベル1の製造方法を表す工程図であり、図5及び図6は本発明の第二実施形態に係る粘着ラベル1の製造装置の概念図である。第一実施形態の製造工程と異なる点は、機能材乾燥工程S2と粘着剤塗布工程S3の間に一次フィルム巻取工程S21と一次フィルム引出工程S22を備える点である。第一実施形態と同一の工程及び同一の部分については同一の符号を付している。
図4に示すように、本発明の第二実施形態に係る粘着ラベル1の製造方法は、機能材塗布工程S1、機能材乾燥工程S2、一次フィルム巻取工程S21、一次フィルム引出工程S22、粘着剤塗布工程S3、粘着剤乾燥工程S4、基材貼付工程S5、剥離工程S6及び粘着ラベル巻取工程S7を備える。即ち、機能材塗布工程S1において、後に剥離する剥離紙6の表面に機能材の溶液4’を塗布する。機能材乾燥工程S2において、機能材の溶液4’を乾燥して機能層4を形成する。一次フィルム巻取工程S21において、機能層4を備える剥離紙6からなる一次フィルム20(図5参照)を巻き取って一次フィルム巻取ロール29を形成する。更に、一次フィルム引出工程S22において、一次フィルム巻取ロール29(図6参照)から一次フィルム20を引き出す。粘着剤塗布工程S3において、機能層4に粘着剤の溶液3’を塗布する。粘着剤乾燥工程S4において、粘着剤の溶液3’を乾燥し粘着層3を形成する。基材貼付工程S5において、感熱記録層5を備える基材2の感熱記録層5とは反対側の表面を粘着層3に貼り付ける。剥離工程S6において、機能層4から剥離紙6を剥離する。そして、粘着ラベル巻取工程S7において、剥離紙6を剥離した粘着ラベル1を巻き取って粘着ラベル巻取ロール40(図6参照)を形成する。
このように、機能層4を形成した剥離紙6からなる一次フィルム20を一旦一次フィルム巻取ロール29に巻き取る。そして、一次フィルム巻取ロール29から一次フィルム20を引き出して粘着層3を形成し、基材2を貼り付ける。そのため、例えば機能材乾燥工程S2により形成する機能層4の形成速度と、粘着剤乾燥工程S4により形成する粘着層3の形成速度とが大きく異なる場合でも、効率よく粘着ラベル1を製造することができる。また、第一実施形態と同様に、剥離紙6に機能層4と粘着層3を形成した後に感熱記録層5を備える基材2を粘着層3に貼り付けるので、感熱記録層5が機能材乾燥工程S2や粘着剤乾燥工程S4により加熱されることがない。そのため、感熱記録層5の発色や変色が抑制され、加えて、機能層4、粘着層3及び感熱記録層5の材料や材質の選択肢が拡大し、用途に応じた特性の粘着ラベル1を製造することができる。
図5及び図6を参照して本第二実施形態に係る粘着ラベル1の製造方法を説明する。剥離紙6、機能層4、粘着層3、基材2及び感熱記録層5の材料や材質は第一実施形態と同様なので説明を省略する。図5を参照して、まず、機能材塗布部22は剥離紙巻取ロール21から引き出される剥離紙6の表面に機能材の溶液3’を塗布する(機能材塗布工程S1)。剥離紙6は、機能材の溶液を塗布する側の表面の濡れ性が良く、かつ、乾燥後に機能層4から剥離紙6を容易に剥離できることが好ましい。機能材の溶液を塗布する側の剥離紙6の表面は、表面張力が35mN/m以下、好ましくは30mN/m以下とするのがよい。また、機能材の溶液を塗布する側の剥離紙6の表面は微細凹凸状に形成するのが好ましい。機能材塗布部22は、グラビアコーター、ロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、ブレードコーター等の塗工装置を使用し、好ましくは薄膜形成に適するグラビアコーターを使用する。
次に、機能材乾燥部25は、ローラ23、24を介して機能材の溶液4’が塗布される剥離紙6を引き込み、機能材の溶液4’を乾燥して機能層4を形成し、機能層4を備える剥離紙6からなる一次フィルム20を送り出す(機能材乾燥工程S2)。機能材乾燥部25は加温部及び送風部を備え、加温部及び送風部により生成する温風を機能材の溶液4’に送風し、乾燥して機能層4を形成する。温風の温度は機能層4の溶融温度を超えない温度とする。搬送ローラ27、28は、ローラ26を介して機能材乾燥部25から一次フィルム20を引き込み、一次フィルム巻取ロール29に送り出す。一次フィルム巻取ロール29は一次フィルム20を巻き取る(一次フィルム巻取工程S21)。
次に、図6を参照して、一次フィルム巻取ロール29から一次フィルム20を引き出す(一次フィルム引出工程S22)。粘着剤塗布部30は一次フィルム20を引き込み、機能層4に粘着剤の溶液3’を塗布する(粘着剤塗布工程S3)。粘着剤塗布部30は、グラビアコーター、ロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーター、ブレードコーター等の塗工装置を使用することができ、好ましくはダイコーターを使用する。次に、粘着剤乾燥部33は、ローラ31、32を介して粘着剤の溶液3’が塗布される一次フィルム20を引き込み、粘着剤の溶液3’を乾燥して粘着層3を形成し、粘着層3を備える一次フィルム20を送り出す(粘着剤乾燥工程S4)。粘着剤乾燥部33は加温部及び送風部を備え、加温部及び送風部により生成する温風を粘着剤の溶液3’に送風し、乾燥して粘着層3を形成する。粘着剤乾燥部33は粘着層3を機能層4よりも厚く形成する。
次に、貼り合せ部35は感熱記録層5を備える基材2と粘着層3を備える一次フィルム20とを貼り合せる(基材貼付工程S5)。貼り合せ部35は貼り合せローラ36、37からなる一対のローラを備える。貼り合せ部35は、粘着剤乾燥部33からローラ34を介して粘着層3を備える一次フィルム20と、基材巻取ロール38から感熱記録層5を備える基材2とを一対の貼り合せローラ36、37間に引き込んで、一次フィルム20の粘着層3と基材2とを貼り合せる。これにより、剥離紙6、機能層4、粘着層3、基材2及び感熱記録層5からなる二次フィルム41を形成する。次に、ローラ39を介して二次フィルム41から剥離紙6を剥離し、粘着ラベル1を生成する(剥離工程S6)。剥離紙巻取ロール21は剥離紙6を巻き取り、粘着ラベル巻取ロール40は粘着ラベル1を巻き取る(粘着ラベル巻取工程S7)。従って、機能材塗布部22及び機能材乾燥部25と、粘着剤塗布部30及び粘着剤乾燥部33との間の層形成速度が大きく異なる場合でも、層形成速度の遅い製造工程を複数設置するなどすれば、効率よく粘着ラベル1を製造する製造ラインを構成することができる。また、剥離紙6は繰り返し使用することができる。
以上、第一及び第二実施形態において説明した粘着ラベル1の製造方法において、基材貼付工程S5の前に、粘着層3の表面、又は、基材2の感熱記録層5とは反対側の表面に、バリア材の溶液を塗布するバリア材塗布工程と、バリア材の溶液を乾燥してバリア層を形成するバリア材乾燥工程を追加することができる。この場合、粘着ラベル1は、機能層4、粘着層3、バリア層、基材2及び感熱記録層5からなる積層構造となる。
基材2と粘着層3の間のバリア層は、粘着層3に含まれる溶媒の基材2側への浸み出しを制限し、感熱記録層5に意図しない発色や変色が生じるのを防止することができる。これにより、感熱記録層5に使用可能な発色剤や顕色剤の種類が増加する。また、基材2の秤量を小さくする、つまり薄く形成することが可能となり、使用できる基材2の材料や材質の選択幅が増加する。なお、バリア材塗布工程は、粘着層3の表面にバリア材を塗布するほうが、基材2側にバリア材を塗布するよりも好ましい。感熱記録層5の加熱を避けることができるからである。以下、第一及び第二実施形態の製造方法により製造する粘着ラベル1の各層について、より具体的に説明する。
「機能層(熱反応層)」
機能層4として、ワックスを主体とする材は、包材分野のコーティングやセラミック加工用のバインダー、化粧品、印刷用インク、研磨剤、クレヨンなど多くの業界や製品に使用されており、特に高分子成形加工の分野においては成形助剤や離型剤として広く樹脂に添加される。
具体的には、天然ワックスとして、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどを使用することができる。また、合成ワックスとして、酸化ワックス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、低分子量ポリエチレン、フィッシャートロプシュワックス、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合ワックスなどを使用することができる。また、脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステルなどのエステル類、オレイルアミドなどのアミド類及びビスアミド類をワックスに添加することができる。なお、天然ワックスはパラフィンワックスを主体とすることができる。
これらのワックスは、分子設計範囲が広く、分子量や融点を幅広く制御できる点から多くの業界製品で利用され供給安定性も良い。この場合に、天然ワックスは融点が40℃〜70℃の範囲から選択し、合成ワックスは融点が100℃〜200℃、好ましくは融点が100℃〜150℃の範囲から選択する。また、機能層4の融点を50℃〜200℃、好ましくは50℃〜100℃、より好ましくは70℃〜90℃の範囲とすれば、開口感度が良好となる。またワックスを改質する際に、アクリル樹脂変性、スチレン−アクリル樹脂変性、又はスチレン樹脂変性等のビニル変性、及び酸変性等を用いることも可能である。更に、ワックスは一般的な熱可塑性樹脂と比較して低分子量体であることから、メディアの構成用途に応じて耐熱性を考慮する必要がある場合には層形成後のブリードアウトやそれによるべたつき発生を回避する材料を選択すればよい。
また、炭化水素系合成ワックスは、一酸化炭素と水素を反応させるタイプと、ポリエチレンワックスと呼ばれているエチレン重合やポリエチレンの熱分解によるタイプがある。炭化水素系合成ワックスは、天然ワックスと比較すると物性上融点が高くなり(100℃以上)、機能層4の主剤として安定した膜強度を維持することができる。そのため、粘着剤に対するバリア性を確保できるが、膜の開口感度は低下する。そこで、炭化水素系合成ワックスに、融点が40℃〜70℃と低い天然ワックスであるパラフィンワックスを溶解して用いることにより、膜の開口感度を向上させ、サーマルヘッド15に対して離型性を向上させる機能層4を得ることができる。このように、パラフィンワックスを分散剤として用いる場合は、選択した合成ワックスの溶質との溶解性に依存するが、パラフィンワックスを組成物全量に対して2重量%〜35重量%、好ましくは2重量%〜20重量%、より好ましくは2〜10重量%とするのがよい。
また、機能層4として、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とする材は、エチレン−酢酸ビニル共重合体にワックスを含有するものでもよい。メディアの構成用途に応じて耐熱性を考慮する必要がある場合には、高溶解粘度の熱溶融性材料であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を選択する。所望の機能層4の開口感度が得られない場合、例えば開口作用を得るための粘度変化が乏しい場合には低融点のワックスを含有する構成とするのが好ましい。ワックスを併用する場合、ワックス含有割合は、組成物全量に対して20重量%以下とするのが好ましい。含有割合が20重量%を超えると、ガラス転移温度が低下し、耐ブロッキング特性が悪化する。
また、機能層4として、アクリルを主体とする材は、低分子アクリル系の材料、又は、低分子アクリル系の材料にワックスを含有するものでもよい。アクリル系の材料は、ガラス転移温度Tgが常温以上、例えば50℃以上、好ましくは70℃以上であり、融点が200℃以下、例えば170℃以下、好ましくは150℃以下とし、低分子量で水溶性又はエマルジョン型とする。
機能層4として上記材料を選定し、開口感度を高くするために低融点、小融解熱量で、常温で固体であり、かつ、溶液化して薄膜塗布を可能とする。具体的には、上記材料を溶媒に溶かして溶液化し、塗布した後に乾燥して薄膜化する。上記材料は、溶媒に対する分散性がよく固形成分も少ないので、塗布による薄膜化に適する。
なお、一般にフィルムを形成する場合は、樹脂を溶融押出しして製膜したあと、縦と横にそれぞれ延伸を行って膜形成する。溶融押出しでランダムな方向を向いていた樹脂の分子鎖を延伸工程で一定方向に配向させてフィルムを形成する。分子鎖はランダムな方向を向いているよりも配向している方がその方向での強度が高くなり、薄膜化が可能となる。しかし、機能層4を開口させるための熱エネルギーを低減しようとすると、樹脂の分子間結合エネルギーが低下し、膜強度が低下して薄くフィルム化することが困難となりやすい。そこで、本発明のように、溶液化して塗布・乾燥により薄膜化して機能層4を形成する。また、一見、物性上の融点が低い一般汎用のポリオリフィン系のPE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)は、膜の選定上有利と考えられる。しかし、ガラス転移点が低く、フィルム又は塗布膜の何れにおいても常温では軟化状態となり、膜の開口制御は困難になる。そこで、機能層4は、常温で固体であり、低融点、小融解熱量で開口し、接触型熱源に対して離型性の優れた特性を有し、かつ、溶液化が容易で薄膜塗布が可能な材料を選択する。
「微粒子」
機能層4に微粒子を分散させることができる。微粒子は、無機材料又は有機材料から選択する。無機材料の微粒子としてはシリカ(二酸化ケイ素)粒子を利用することができる。シリカは、天産品と合成品、結晶性を有するものと非結晶性を有するもの等と、多種類で多岐にわたる分野で利用されている。一般にシリカは不定型な形状も含まれるが、化学的な合成方法を用いることにより粒径の真球度が高く、シャープな粒度分布が得られる。機能層4に球状形状のシリカを分散させてアンチブロッキング性を付与することができる。シリカを組成物全量に対して0.05体積%〜10体積%、好ましくは1体積%〜5体積%とするのが良い。微粒子の平均粒径は、機能層4の膜厚の0.1倍〜1.5倍とするのが良い。例えば、機能層4の膜厚が3μmである場合は、微粒子の平均粒径は0.3μm〜4.5μmにする。微粒子の平均粒径が機能層4の膜厚の0.1倍を下回ると微粒子が機能層4に埋没し機能層4にアンチブロッキング性が付与されない。微粒子の平均粒径が機能層4の膜厚の1.5倍を超えると、サーマルヘッド15の発熱部Hと機能層4の間の接触面積が減少して開口制御が難しくなるとともに、機能層4の表面から突出する微粒子によって発熱部Hに擦れ傷が生じるおそれがある。なお、無機材料からなる微粒子としてアルミナ、炭酸カルシウム、カリオン、酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック等を使用することができる。
有機材料の微粒子としてはポリマー材を使用することができる。ポリマー材としてアクリル系、スチレン系及び合成ワックス系があり、粒子径分布の狭い単分散系から粒子径分布の広い多分散系を使用することができる。
「基材」
基材2として紙を使用する場合は、グラシン紙、上質紙、アート紙、意匠紙、和紙、不織布、合成紙、再生紙、コート紙、微塗工紙、キャスト塗工紙、板紙のいずれかを含むようにする。上質紙は、広葉樹パルプ(NBKP)、針葉樹パルプ(LBKP)などの木材パルプ、藁、バガス、麻などの植物原料を主原料にし、かつ顔料コーティングがされていないものが好ましい。上質紙は、「紙・板紙統計年表」に記載の「紙・板紙の品種分類表」(日本製紙連合会発表)において印刷情報用紙に分類されるもののうち、非塗工印刷用紙に分類されるもの、及び、情報用紙に分類されるフォーム用紙、PPC用紙等に該当するものが好ましい。再生紙は、上記上質紙に分類されるもののうち、再生古紙原料を使用しているものが好ましい。
アート紙及びコート紙は、上記「紙・板紙の品種分類表」において塗工印刷用紙に分類されるものであり、軽量コート紙に分類されるものが含まれる。微塗工紙は、上記「紙・板紙の品種分類表」において微塗工印刷用紙1〜3に分類されるものが含まれる。意匠紙は、特殊印刷用紙やその他の塗工印刷用紙に分類されるファンシーペーパーやエンボス紙等が含まれる。
キャスト塗工紙は、上記「紙・板紙の品種分類表」においてその他の印刷用紙に分類されるキャストコート紙であり、平滑性に優れた高級印刷用途に使用されるものである。板紙は、上記「紙・板紙の品種分類表」においてダンボール原紙、紙器用板紙に分類されるものである。和紙には、こうぞ、みつまた等の植物原料を用いた手漉き紙の他、これを模した機械抄紙和紙等も含まれる。不織布には、水を用いずにシート形成したものも含まれる。合成紙は、合成樹脂原料を軸延伸加工等でシート状に形成したものである。
基材2として上記のいずれを用いるかは、ラベル用途や表示記録内容等を考慮して決定される。例えば、粘着ラベル1の用途が、各種食品包装ラベルやカタログ、ポスター等への貼合わせ用途等である場合は、基材としてコート紙、アート紙、キャスト塗工紙等の塗工紙が好ましい。また、粘着ラベル1が特殊ラベル用途では、基材として意匠紙、不織布、合成紙、板紙などが好適である。また、基材2の感熱記録層5に文字やバーコードを主体に記録する場合は、基材として微塗工紙や上質紙が好ましい。
基材2として、ポリオレフィン系ポリマーを使用することができる。ポリオレフィン系ポリマーは、環境適性に優れた植物由来の樹脂を用い、低温収縮性、柔軟な腰、かつ自然収縮率が小さく、優れた耐破弾性、剛性及び収縮仕上がり性を有し、かつ自然収縮及び層間剥離を抑える特性を有する。なお、これらはあくまでも例示であり、要は、粘着力が容易に発現できるものであれば、上記材の内からいかようなものも基材2として使用することができる。つまり、用途に応じて適宜調整すればよい。
「粘着層」
粘着層3として感圧型粘着剤を用いることができる。感圧型粘着剤は、水、溶剤、熱等を印加することなく常温で小さい圧力を加えただけで接着することができる。更に、凝集力と弾性を持ち、強く接着するとともに、硬い平滑面から剥がすこともできる。具体的には、用途に応じてシリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤を使用することができる。シリコーン系粘着剤には、高凝集力を持つシリコーンや高粘着力を持つシリコーンが含まれる。ゴム系粘着剤には、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソブチレン、ゴム系の材料が含まれる。アクリル系粘着剤には、ガラス転移の低いモノマーと架橋材を利用した架橋系の材料や、ガラス転移の低いモノマーと高いモノマーを共重合化した非架橋系の材料が含まれる。
「バリア層」
バリア層は、耐溶剤性及び溶剤を遮蔽するバリア効果を有する。バリア層は、耐バリア性、耐溶剤性の他に耐熱性、耐水性、耐可塑性を有する材料を使用することが好ましい。バリア層は速乾性の材料を使用する。例えば1m/min以上、好ましくは3m/min以上の速乾性のある材料を使用するのが好ましい。バリア層は、0.5gf/m2〜5gf/m2の範囲に形成することが好ましい。バリア層が0.5gf/m2を下回ると溶剤を遮蔽するバリア効果が低下し、5gf/m2を超えると加工性が低下する。バリア層は、基材2の感熱記録層5とは反対側の粘着層3に対する目止め層としても機能する。
バリア層として水溶性高分子材料を使用することができる。水溶性高分子材料として、水溶性アクリル樹脂を使用することができる。他の水溶性高分子材料として、ポリビニルアルコール、澱粉及びイタコン酸変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等のビニルアルコールの誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等を用いることができる。
水溶性アクリル樹脂は、バリア層に10重量%〜40重量%の範囲で含まれるのが好ましい。水溶性アクリル樹脂が10重量%を下回ると、溶剤を遮蔽するバリア効果が低下し、40重量%を超えると加工性が低下する。水溶性アクリル樹脂は、固形成分を好ましくは10重量%〜30重量%、より好ましくは略20重量%含むものとする。また、水溶性アクリル樹脂は粘度を500mPa・s〜3000mPa・sの範囲とし、より好ましくは粘度を略1000mPa・sとする。その他各層の材料や構成は第一実施形態と同様なので説明を省略する。
以上、本発明の粘着ラベル1について、第一実施形態と第二実施形態について説明してきたが、いずれかの層に帯電防止剤を含めることにより、粘着ラベル1の静電気による帯電を防止することができる。基材2、バリア層、粘着層3又は機能層4のいずれかに帯電防止剤を含めることが好ましい。帯電防止剤を含めることにより粘着ラベル1の搬送不良を防止することができる。帯電防止剤として、例えばグリセリンモノ脂肪酸エステルを使用することができる。帯電防止剤を上記いずれかの層に配合する、或いは層表面に塗布する。塗布方法としては、例えば帯電防止剤を水やアルコール液などの溶剤で希釈し、スプレー、浸漬、刷毛、ロールコーター等を用いて塗布し、その後乾燥すればよい。帯電防止剤の含有量又は塗布量は特に限定されない。帯電防止機能が発揮でき、かつ、サーマルヘッド15を用いて機能層4に開口部13を形成可能な範囲で任意に設定することができる。帯電防止剤を含めることにより、粘着ラベル1が手に付着する、あるいは放電によって機能層4に穴が開くことを防ぐことができる。
以上のとおり、本発明による粘着ラベル1の製造方法によれば、感熱記録層5が機能材乾燥工程S2や粘着剤乾燥工程S4に晒されることがないので感熱記録層5の意図しない発色や変色が抑制される。その結果、粘着層3、機能層4及び感熱記録層5の材料や材質の選択肢が拡大し、かつ、生産性を向上させることができる。加えて、使用の際に廃棄される剥離紙が無いので環境負荷を低減できる。また、剥離紙が無い分厚さが薄くなるので、ロール当たりの有効粘着ラベルの発行数を増やすことができる。
1 粘着ラベル
2 基材
3 粘着層、3’ 粘着剤の溶液
4 機能層(熱反応層)、4’ 機能材の溶液
5 感熱記録層
6 剥離紙
12 被着体
13 開口部
15 サーマルヘッド
20 一次フィルム
21 剥離紙巻取ロール
22 機能材塗布部
23、24、26、31、32、39 ローラ
25 機能材乾燥部
27、28 搬送ローラ
29 一次フィルム巻取ロール
30 粘着剤塗布部
33 粘着剤乾燥部
35 貼り合せ部
36、37 貼り合せローラ
38 基材巻取ロール
40 粘着ラベル巻取ロール
41 二次フィルム
H 発熱部

Claims (14)

  1. 剥離紙に機能材の溶液を塗布する機能材塗布工程と、
    前記機能材の溶液を乾燥して機能層を形成する機能材乾燥工程と、
    前記機能層に粘着剤の溶液を塗布する粘着剤塗布工程と、
    前記粘着剤の溶液を乾燥して粘着層を形成す粘着剤乾燥工程と、
    感熱記録層を備える基材を前記粘着層に貼り付ける基材貼付工程と、
    前記機能層から前記剥離紙を剥離する剥離工程と、を備える粘着ラベルの製造方法。
  2. 前記機能材塗布工程は、グラビアコーターを用いて前記機能材の溶液を塗布する工程である請求項1に記載の粘着ラベルの製造方法。
  3. 前記粘着剤塗布工程は、ダイコーターを用いて前記粘着剤の溶液を塗布する工程である請求項1又は2に記載の粘着ラベルの製造方法。
  4. 前記機能層を備える前記剥離紙を巻き取ってロールを形成する巻取工程と、前記ロールから前記機能層を備える前記剥離紙を引き出す引出工程とを更に備え、
    前記機能材乾燥工程の後に前記巻取工程を行い、前記引出工程の後に前記粘着剤塗布工程を行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着ラベルの製造方法。
  5. 前記機能層は、加熱により開口して前記粘着層が露出する請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着ラベルの製造方法。
  6. 前記機能層は、ワックスを主体とする材、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とする材、及び、アクリルを主体とする材のいずれかを含む材料からなり、加熱により開口して前記粘着層が露出する請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着ラベルの製造方法。
  7. 前記機能層は、無機材料又は有機材料からなる微粒子が分散する請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着ラベルの製造方法。
  8. 前記微粒子はシリカ又はポリマーからなる請求項7のいずれか一項に記載の粘着ラベルの製造方法。
  9. 前記微粒子は平均粒径が前記機能層の膜厚の0.1倍〜1.5倍である請求項7又は8に記載の粘着ラベルの製造方法。
  10. 前記機能層は融点が50℃〜200℃の範囲である請求項1〜9のいずれか一項に記載の粘着ラベルの製造方法。
  11. 前記ワックスは、天然ワックスと合成ワックスを含む請求項6に記載の粘着ラベルの製造方法。
  12. 前記天然ワックスは融点が40℃〜70℃であり、前記合成ワックスは融点が100℃〜200℃である請求項11に記載の粘着ラベルの製造方法。
  13. 前記機能層は前記天然ワックスを2重量%〜35重量%含有する請求項11又は12に記載の粘着ラベルの製造方法。
  14. 前記天然ワックスはパラフィンワックスを主体とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の粘着ラベルの製造方法。
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