JP2016035495A - 筒状シュリンクラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】白色顔料を含む印刷層が最内面を構成する筒状シュリンクラベルにおいて、容器等に対するラベルの装着性、当該印刷層の耐スクラッチ性を向上させること、特に粉吹きの発生を抑制しながら、これらの特性を向上させることである。【解決手段】筒状シュリンクラベル10は、熱収縮性を有するラベル基材11と、当該基材上に形成された、白色顔料を含む印刷層(例えば、背景印刷層13)とを備え、当該印刷層が最内面10aを構成する。背景印刷層13の表面における静摩擦係数(対印刷層)が0.5〜0.85であり、当該表面における動摩擦係数(対印刷層)が0.45以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、筒状シュリンクラベルに関し、より詳しくは白色顔料を含む印刷層を備えた筒状シュリンクラベルに関する。
ペットボトルなどの容器に装着される筒状シュリンクラベルは、通常、商品名やロゴマーク、各種デザイン、商品説明等を表示するための印刷層(以下、「デザイン印刷層」という)をその内面側に備える。筒状シュリンクラベルの印刷層としては、デザイン印刷層の他に、背景色を表示するための背景印刷層等が挙げられる。これら印刷層(特に背景印刷層)には、酸化チタン等の白色顔料が含まれることが多く(例えば、特許文献1参照)、白色顔料を含む印刷層は、比較的に隠ぺい性が高いため、他のカラー印刷層より内面側、例えば筒状シュリンクラベルの最内面に形成される場合がある。なお、筒状シュリンクラベルは、長尺状のラベル基材上に印刷層を形成した後、当該ラベル基材を筒状に成形し、所定の寸法にカットして製造される。
特開2012‐62415号公報
ところで、白色顔料を含む印刷層が筒状シュリンクラベルの最内面に形成される場合、筒状シュリンクラベルを容器等に装着する際に当該印刷層が容器表面に引っ掛かることなく、ラベルをスムーズに装着できることが求められる。また、ラベルの最内面を構成する当該印刷層は耐スクラッチ性に優れ、傷付き難いことが求められる。
なお、白色顔料を含む印刷層が筒状シュリンクラベルの最内面に形成される場合、例えば印刷工程において当該印刷層と接触するローラーに、印刷層の構成材料(白粉)が付着する、所謂粉吹きが発生する場合がある。また、当該印刷層が形成された長尺状のラベル基材は、通常、ロール状に巻かれて保管・運搬されるが、このとき基材の一方の面に形成された当該印刷層が基材の他方の面に転移し、その後の工程、例えば筒状化工程、容器等へのラベルの装着工程などにおいて粉吹きが発生する場合がある。酸化チタン等の白色顔料を含む印刷層はラベル基材との密着性が低くなり易く、このような粉吹きが発生し易くなる。
例えば、印刷層に滑剤を添加することなどによって、上記ラベルの装着性、印刷層の耐スクラッチ性を向上させようとすると、上記粉吹きが発生し易くなる傾向があり、これらの性能を両立することは容易ではない。
即ち、本発明の目的は、白色顔料を含む印刷層が最内面を構成する筒状シュリンクラベルにおいて、容器等に対するラベルの装着性、当該印刷層の耐スクラッチ性を向上させること、特に粉吹きの発生を抑制しながら、これらの特性を向上させることである。
本発明に係る筒状シュリンクラベルは、熱収縮性を有するラベル基材と、前記ラベル基材上に形成された、白色顔料を含む印刷層とを備え、前記印刷層が最内面を構成する筒状シュリンクラベルであって、前記印刷層の表面における静摩擦係数(対印刷層)が0.5〜0.85であり、当該表面における動摩擦係数(対印刷層)が0.45以下であることを特徴とする。
ここで、「印刷層の表面における静摩擦係数(対印刷層)」とは、印刷層の表面に対する印刷層の表面の静摩擦係数を意味し、「印刷層の表面における動摩擦係数(対印刷層)」とは、印刷層の表面に対する印刷層の表面の動摩擦係数を意味する。
本発明に係る筒状シュリンクラベルの一態様において、前記印刷層は、オレフィン系ワックスと、シリカとを含み、前記印刷層の総重量に対して、オレフィン系ワックスの含有量が0.1〜10重量%、前記シリカの含有量が0.5〜10重量%である。
本発明に係る筒状シュリンクラベルの一態様において、前記オレフィン系ワックス及び前記シリカを含む前記印刷層は、アクリルビーズをさらに含み、前記印刷層の総重量に対して、前記アクリルビーズの含有量が0.05〜2重量%である。
本発明に係る筒状シュリンクラベルの一態様において、前記白色顔料には、少なくとも酸化チタンが含まれ、前記印刷層の総重量に対して、前記酸化チタンの含有量が50〜85重量%である。
本発明によれば、白色顔料を含む印刷層が最内面を構成する筒状シュリンクラベルにおいて、容器等に対するラベルの装着性、当該印刷層の耐スクラッチ性を向上させることができる。さらに、粉吹きの発生を抑制することが可能となる。
即ち、本発明に係る筒状シュリンクラベルによれば、印刷層の表面における静摩擦係数及び動摩擦係数を特定の範囲に制御することで、粉吹きの発生を抑制しながら、ラベルの装着性及び印刷層の耐スクラッチ性が向上するという、従来は困難であった各特性の両立が可能となった。
本発明に係る筒状シュリンクラベルにおいて、印刷層にオレフィン系ワックス及びシリカを含有させることで、印刷層の表面における各摩擦係数を上記特定の範囲内に制御することが容易になり、上記効果が発現し易くなる。オレフィン系ワックスは、印刷層表面の滑り性を高めて、ラベルの装着性を向上させると共に、印刷層の耐スクラッチ性を向上させる。一方、印刷層にオレフィン系ワックスのみを含有させると、滑り性が高くなり過ぎて装着性が低下し易くなるが、シリカを併用することで良好な装着性が確保される。即ち、特定量のオレフィン系ワックスとシリカを併用することで、粉吹きの発生を抑制しながら、ラベルの装着性、印刷層の耐スクラッチ性を向上させることができる。印刷層に滑剤等の添加剤を含有させた場合、粉吹きがさらに発生し易くなると想定されるが、シリカを含有させることで粉吹きの発生を抑制することができる。
また、印刷層にさらに特定量のアクリルビーズを含有させることで、印刷層の表面における各摩擦係数を上記特定の範囲内に制御することがさらに容易になり、上記効果が発現し易くなる。特に、アクリルビーズは少量で滑り性を高める効果があり、優れたラベルの装着性を有しつつ、印刷層の耐スクラッチ性の向上と、粉吹き発生の抑制とができ、非常に好ましい。
本発明の実施形態の一例である筒状シュリンクラベルを示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。
なお、本発明の適用はこれに限定されない。実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは、現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
図1は、実施形態の一例である筒状シュリンクラベル10を示す図である。
筒状シュリンクラベル10は、熱収縮性を有するラベル基材11と、ラベル基材11上に形成された、白色顔料を含む印刷層とを備え、当該印刷層がラベルの最内面10aを構成している。図1では、白色顔料を含む上記印刷層として、背景印刷層13を例示している。筒状シュリンクラベル10は、ラベル基材11と当該印刷層のみから構成されてもよいが、後述するデザイン印刷層12等を備えていてもよい。本明細書では、筒状シュリンクラベル10の筒の内側に向いた面を内面、筒の外側に向いた面を外面とする。筒状シュリンクラベル10の内側に位置する表面が最内面10aであり、外側に位置する表面が最外面10bである。筒状シュリンクラベル10は、当該印刷層の表面における静摩擦係数(対印刷層)が0.5〜0.85であり、当該表面における動摩擦係数(対印刷層)が0.45以下である。
換言すると、上記印刷層で形成された筒状シュリンクラベル10の最内面10aにおける静摩擦係数(対印刷層)が0.5〜0.85であり、最内面10aにおける動摩擦係数(対印刷層)が0.45以下である。ここで、印刷層の表面における静摩擦係数及び動摩擦係数(対印刷層)は、印刷層の表面に対する印刷層の表面の摩擦係数(表面は濡れておらず、乾燥した状態)であって、詳しくは後述するようにJIS K 7125に準拠して測定される。測定機器には、東洋精機製のFriction Tester TR−2を用いることができる。
図1に示す例では、ラベル基材11の内面側にデザイン印刷層12及び背景印刷層13が形成され、ラベル基材11の外面側に保護層14が形成されている。背景印刷層13は、デザイン印刷層12を覆ってラベル基材11の内面側に形成され、筒状シュリンクラベル10の最内面10aを構成している。また、保護層14は、筒状シュリンクラベル10の最外面10bを構成している。ラベル基材11及び各層の詳細については後述する。
なお、ラベル基材11上には、本発明の目的を損なわない範囲で、デザイン印刷層12、背景印刷層13、保護層14以外の層が設けられていてもよい。例えば、ラベル基材11とデザイン印刷層12の間に、両者の密着性を向上させるために、アンカーコート層を設けてもよい。また、背景印刷層13を有さず、デザイン印刷層12が白色顔料を含み、最内面10aを構成する層であってもよい。
筒状シュリンクラベル10は、軸方向に沿って帯状に形成された接合部15を有する。接合部15は、ラベル基材11を筒の形状に維持する役割を果たし、例えばラベル基材11の周方向一端縁の内面をラベル基材11の周方向他端縁の外面に重ね合わせ、重ね合わせた面同士を接着して形成される。接合部15は、重ね合わせた面同士の少なくとも一部を溶剤で溶着又は接着剤で接着して形成することができる。接合部15の良好な接着性を確保するために、ラベル基材11の周方向一端縁の内面にはデザイン印刷層12、背景印刷層13を設けず、周方向他端縁の外面には保護層14を設けないことが好適である。なお、接合部15の構造は、これに限定されず、例えばラベル基材11の一端縁及び他端縁の外面同士又は内面同士を接着する合掌貼り構造であってもよい。
<ラベル基材11>
ラベル基材11は、上記のように、熱収縮性を有するシュリンク基材である。ここで、「熱収縮性を有する」とは、ラベル基材11の熱収縮率(90℃、10秒)が20%以上であることを意味する。ラベル基材11は、デザイン印刷層12、背景印刷層13の支持体であって、ラベルの物性(例えば、ラベルの強度や剛性、シュリンク特性等)に主たる影響を及ぼす。
ラベル基材11の厚みは、特に限定されないが、シュリンク特性、ラベルの強度や剛性、経済性等の観点から、好ましくは10〜100μm、より好ましくは12〜80μm、特に好ましくは15〜60μmである。ラベル基材11は、デザイン印刷層12等を透視可能とすべく、透明(無色透明又は有色透明)であることが好ましく、無色透明がより好ましい。具体的には、全光線透過率が70%以上であることが好ましく、90%以上が特に好ましい。全光線透過率は、JIS K 7105に準拠して測定される。
ラベル基材11には、従来公知の樹脂フィルムを適用することができる。ラベル基材11に適用される樹脂フィルムの樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選択される1種、又は2種以上の混合物が例示できる。また、2種以上のフィルムを積層した積層フィルムであってもよい。これらのうち、シュリンク特性等の観点からポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、及びこれらの積層体を用いることが好ましく、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂を用いることがより好ましい。なお、ポリスチレン系樹脂を含む樹脂フィルムを用いた場合、他のフィルムを用いた場合と比べて、粉吹きが発生し易い傾向にある。このため、本発明の構成はラベル基材11がポリスチレン系樹脂を含むフィルムである場合に特に有用である。
上記ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)、ポリ乳酸(PLA)等を用いることができる。中でも、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂である。上記PET系樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(CHDM共重合PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(NPG共重合PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ジエチレングリコールを共重合成分として用いた共重合ポリエステルなどのジオール変性PET;ジカルボン酸変性PET(ジカルボン酸成分において、テレフタル酸を主成分にイソフタル酸及び/又はアジピン酸で変性)などが挙げられる。
上記ポリスチレン系樹脂としては、構成モノマーとして、例えばスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体を1種又は2種以上含む樹脂が挙げられる。具体例としては、スチレンの単独重合体又はスチレン及びスチレン系単量体との共重合体であるポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体(SBIS)、スチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒系LLDPE(mLLDPE)等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、環状オレフィン樹脂などが挙げられる。特に、ポリオレフィン系フィルムとしては、環状オレフィン樹脂を外層とするものが好ましい。例えば、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層(中心層)とするものが好ましい。
ラベル基材11は、良好な熱収縮性を発現するために、少なくとも一方向に延伸(一軸延伸)されていることが好ましい。延伸温度は、フィルムを構成する樹脂の種類によっても異なるが、例えば70〜100℃である。延伸倍率は、フィルムの主延伸方向に2〜8倍程度であることが好ましい。主延伸方向と直交する方向の収縮、膨張を抑えるために、当該方向にも1.01〜2倍程度の倍率で延伸(二軸延伸)してもよい。
ラベル基材11の熱収縮率は、主延伸方向に対して、20%以上であり、好ましくは30〜80%、特に好ましくは40〜80%である(加熱処理条件:90℃の温水に10秒間浸漬)。主延伸方向に直交する方向に対しては、好ましくは−3〜15%、より好ましくは−1〜10%、特に好ましくは−1〜5%である(加熱処理条件:同上)。延伸方式は、ロール方式、テンター方式、チューブ方式等を使用できる。なお、筒状シュリンクラベル10は、ラベル基材11の主延伸方向が筒の周方向となるように成形されることが好適である。
ラベル基材11は、市販品を用いることも可能である。例えば、東洋紡績製「スペースクリーン S7042」、「SV−808」、三菱樹脂製「LX−10S」、「LX−18S」(以上、ポリエステル系フィルム);シーアイ化成製「ボンセット」、グンゼ製「GMGS」(以上、ポリスチレン系フィルム);グンゼ製「FL」(ポリオレフィン系フィルム);三菱樹脂製「エコロージュ」(ポリ乳酸系フィルム);三菱樹脂製「DL」、グンゼ製「HGS」(以上、表層がポリエステル系樹脂、中心層がポリスチレン系樹脂の積層フィルム)などが挙げられる。
<デザイン印刷層12>
デザイン印刷層12は、例えば商品名や製造者名、ロゴマーク、各種デザイン、商品説明、バーコード等を表示するための印刷層である。図1に示す例では、ラベル基材11の内面にデザイン印刷層12が形成されているが、デザイン印刷層12はラベル基材11の外面に形成されてもよく、内面及び外面の両方に形成されてもよい。デザイン印刷層12は、例えば色材及びバインダ樹脂を含み、また各種添加剤を含んでいてもよい。より具体的には、デザイン印刷層12は、色材を含む1の印刷層によって、又は異なる色材を含む2以上の印刷層を組み合わせることによってデザインが形成される。
デザイン印刷層12の厚みは、特に限定されず、例えば0.5〜5μmである。デザイン印刷層12は、表示のデザイン等に応じて任意のパターンで形成することができる。デザイン印刷層12の色相、色調も特に限定されず、デザイン印刷層12は任意の色材を用いて形成できる。デザイン印刷層12には、背景印刷層13を構成する白色顔料等が含まれていてもよい。
デザイン印刷層12は、従来公知の溶剤系インキ又は水性インキを用いて形成できる。これらインキは、例えばバインダ樹脂と、色材と、任意の添加剤と、溶媒又は分散媒(以下、溶媒等という)とを含有し、バインダ樹脂や色材が溶媒等に溶解又は分散したものである。溶媒等は、バインダ樹脂等を溶解又は分散させることができれば特に限定されない。また、デザイン印刷層12は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、凸版輪転印刷法、及びインクジェット印刷法などの従来公知の印刷法により形成することができる。これらの印刷法により、ラベル基材11上にインキを塗工した後、溶媒等を揮発除去して、色材と、バインダ樹脂と、任意の添加剤とを含むデザイン印刷層12が形成される。
[色材]
色材としては、従来公知の染料や顔料を用いることが可能であり、特に顔料を用いることが好適である。顔料としては、無機顔料、有機顔料のいずれを用いてもよい。具体例としては、銅フタロシアニンブルー等の藍(青)顔料、縮合アゾ系顔料などの赤顔料、アゾレーキ系顔料等の黄顔料、カーボンブラック等の黒顔料、酸化チタン等の白顔料、その他、アルミフレーク、雲母(マイカ)などが挙げられる。また、光沢調整などの目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料を使用してもよい。顔料は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
顔料の含有量は、顔料の種類や目的の色の濃度等に応じて任意に設計できるが、デザイン印刷層12の総重量に対して、合計で1〜70重量%が好ましく、より好ましくは2〜60重量%である。
[バインダ樹脂]
バインダ樹脂は、デザイン印刷層12の塗膜を形成し、色材を保持する。バインダ樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂などから選択される1種、又は2種以上の混合物が例示できる。水性インキ用のバインダ樹脂は、分子構造に水系溶媒(例えば、水や水とアルコールとの混合溶媒)に溶解又は分散するために必要な極性基(例えば、カルボキシ基やアミノ基、スルホン酸基)を有することが好適である。
[添加剤]
デザイン印刷層12は、必要に応じて、可塑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で含んでいてもよい。
<背景印刷層13>
背景印刷層13は、背景色を表示するための印刷層である。背景印刷層13は、上記のように、白色顔料を含む印刷層であって、筒状シュリンクラベル10の最内面10aを構成している。背景印刷層13は、白色顔料以外の色材(例えば、デザイン印刷層12に含まれる色材と同種のもの)を含んでいてもよいが、本実施形態では色材として白色顔料のみを含むものとし、背景印刷層13は白色を呈する。背景印刷層13は、白色顔料の他にバインダ樹脂を含み、デザイン印刷層12と同様の添加剤を含んでいてもよい。背景印刷層13は、さらにオレフィン系ワックスと、シリカとを含むことが好適であり、またこれらに加えてアクリルビーズを含むことも好適である。
図1に示す例では、デザイン印刷層12を覆って背景印刷層13が形成されている。デザイン印刷層12は、表示のデザイン等に応じてラベル基材11上に任意のパターンで形成され、デザイン印刷層12が形成されない領域では、背景印刷層13がラベル基材11上に直接形成されている。背景印刷層13は、例えば接合部15が形成される領域を除くラベル基材11上の略全域(デザイン印刷層12が形成された領域を含む)に形成される。本実施形態では、所謂白ベタ印刷層として背景印刷層13が形成されている。
背景印刷層13の厚みは、特に限定されず、例えば0.5〜10μmであり、好ましくは1〜8μm、特に好ましくは1.5〜5μmである。背景印刷層13は、後述の印刷インキを用いて、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、凸版輪転印刷法、及びインクジェット印刷法など、デザイン印刷層12と同様の方法で形成することができる。デザイン印刷層12、背景印刷層13、及び保護層14は、詳しくは後述するように、例えばグラビア印刷により連続的に形成することが好ましい。
背景印刷層13は、その表面における静摩擦係数(対印刷層)が0.5〜0.85であり、動摩擦係数(対印刷層)が0.45以下である。背景印刷層13の表面における各摩擦係数が当該特定の限定された範囲に制御されることにより、粉吹きの発生が抑制されると共に、背景印刷層13の耐スクラッチ性、容器等に対するラベルの装着性を向上させることができる。当該静摩擦係数(対印刷層)は、好ましくは0.55〜0.8である。
背景印刷層13の表面における静摩擦係数(対PET、DRY)は、例えば0.25〜0.45である。動摩擦係数(対PET、DRY)は、例えば当該静摩擦係数と同程度で、0.25〜0.45ある。また、背景印刷層13の表面における静摩擦係数(対PET、WET)は、例えば0.2〜0.35であり、動摩擦係数(対PET、WET)は、例えば0.7〜2.0である。ここで、背景印刷層13の表面における静摩擦係数及び動摩擦係数(対PET、DRY)は、印刷層の表面にPETフィルムを接触させた状態(PETフィルムの表面は濡れておらず、乾燥した状態)における摩擦係数である。背景印刷層13の表面における静摩擦係数及び動摩擦係数(対PET、WET)は、印刷層の表面にPETフィルムを接触させた状態(PETフィルムの表面が濡れた状態)における摩擦係数である。
上記静摩擦係数(対PET、DRY)及び動摩擦係数(対PET、DRY)、並びに静摩擦係数(対PET、WET)及び動摩擦係数(対PET、WET)は、いずれも、JIS K 7125に準拠して測定される。
測定機器、測定条件、手順等は、下記の通りである。
測定機器;東洋精機製の「Friction Tester TR−2」
錘;200g±2g(=1.96Nの法線力FPが生じる)、63mm×63mmの底面を有し、当該底面に同寸法のフェルトが貼られたものを用いる。
サンプル;65mm×160mmにカットしたラベル片(未収縮品)
摩擦相手;PETフィルム(東洋紡製、E5100、一方の面がコロナ処理されている)
手順;背景印刷層13(白色顔料を含む印刷層)が外側を向くようにサンプルを錘に巻装し、サンプル付き錘を得る。前記サンプル付き錘は、錘の底面がサンプルに覆われ、サンプルの前記印刷層が錘の底面全体にわたって存在し測定面(63×63mm)を形成している。上記PETフィルムが固定された平滑なテーブル上にサンプル付き錘の測定面がPETフィルムの非コロナ処理面と接触するようにサンプル付き錘を載置する。なお、WET条件の場合は、PETフィルムの表面に水0.1ccをスポイトで滴下し、測定面とPETフィルムとの間から滴下した水が漏れでない状態で測定を開始する。
測定距離:60mm(WETの場合は150mm)
速度:100mm/min(WETの場合は500mm/min)
[白色顔料]
白色顔料としては、酸化チタン、亜鉛華(亜鉛白)、鉛白、リトボン(硫酸バリウムと硫化亜鉛の混合物)などが例示できる。白色顔料には、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよいが、少なくとも酸化チタンが含まれることが好適である。本実施形態では、白色顔料として酸化チタンのみを用いる。
酸化チタンには、印刷インキに用いられる従来公知の酸化チタンを適用することができる。酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型のいずれを用いることも可能であるが、好ましくはルチル型が用いられる。酸化チタンには、市販品を用いることができる。
酸化チタンの一次粒子の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.05〜1μm、より好ましくは0.1〜0.7μm、特に好ましくは0.15〜0.5μmである。ここで、酸化チタンの平均粒径(以下、単に粒径という)とは、顕微鏡により観察される粒子の投影面積円相当径の個数平均粒径として求めた値であり、顕微鏡で観察される任意の100個の粒子について測定された投影面積円相当径の積算値を個数で割ったものを意味する(オレフィン系ワックス、シリカ、アクリルビーズの粒径についても同様)。酸化チタンの粒径が0.05μm未満では、分散状態が悪かったり、白濃度が不足する場合や、グラビア印刷の際に所謂版かぶり(版の画線部以外の部分のインキ掻き取り不良による印刷不良)を生じる場合がある。一方、当該粒径が1μmを超えると加飾性が不足する場合がある。
白色顔料の含有量は、要求される背景色濃度等に応じて調整されるが、例えば背景印刷層13の総重量に対して50〜85重量%である。白色顔料として酸化チタンを用いる場合、酸化チタンの含有量は、背景印刷層13の総重量に対して55〜80重量%が好ましく、60〜75重量%が特に好ましい。
[バインダ樹脂]
バインダ樹脂は、背景印刷層13の塗膜を形成し、白色顔料等を保持する。バインダ樹脂は、特に限定されず、例えばデザイン印刷層12の場合と同様に、アクリル系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂などから選択される1種、又は2種以上の混合物を用いることができる。中でもバインダ樹脂は、比較的良好な耐スクラッチ性が得られる観点から、アクリル系樹脂又はアクリル系樹脂及びセルロース系樹脂の混合物を用いることが好ましく、当該混合物の場合にはアクリル系樹脂を主成分として用いることが特に好ましい。
上記アクリル系樹脂としては、特に限定されず、従来公知の印刷インキ用のアクリル系樹脂を用いることができる。アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基含有モノマーに由来する構成単位を有する重合体(共重合体)であって、例えば当該モノマーに由来する構成単位のみから構成される。なお、アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基含有モノマー以外のモノマーに由来する構成単位を含んでいてもよい。ここで、(メタ)アクリロイルとの記載は、メタアクリロイル及びアクリロイルを意味する((メタ)アクリル等についても同様)。
上記(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類などが挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(メタ)アクリロイル基含有モノマー以外のモノマー成分としては、例えばクロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどが挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アクリル系樹脂は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びメタクリル酸からなる群より選ばれた(メタ)アクリロイル基含有モノマーに由来する構成単位を含むことが特に好ましい。上記アクリル系樹脂には、市販品を用いることができる。
上記セルロース系樹脂としては、特に限定されず、従来公知の印刷インキ用のセルロース系樹脂を用いることができる。例えば、ニトロセルロース(硝化綿)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等のエステル化されたセルロース樹脂などを用いることができる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、セルロースアセテートブチレート(CAB)、ニトロセルロースが特に好ましい。上記セルロース系樹脂には、市販品を用いることができる。
バインダ樹脂の含有量は、例えば背景印刷層13の総重量に対して、例えば合計で10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%である。バインダ樹脂として、アクリル系樹脂とセルロース系樹脂を併用する場合、セルロース系樹脂の含有量は、アクリル系樹脂の総重量に対して1〜30重量%であることが好ましい。
[オレフィン系ワックス]
オレフィン系ワックスは、背景印刷層13の表面の滑り性を高めて、容器等に対するラベルの装着性を向上させると共に、背景印刷層13の耐スクラッチ性を向上させる機能を有する。オレフィン系ワックスは、アクリルビーズよりも耐スクラッチ性を向上させる効果が高い。なお、背景印刷層13にオレフィン系ワックスのみを含有させると、滑り性が高くなり過ぎ、かえってラベルの装着性が低下することがあるが、シリカを併用することで良好な装着性が得られる。オレフィン系ワックスとしては、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックスが好ましく、ポリエチレン系ワックスが特に好ましい。
上記ポリエチレン系ワックスは、エチレンに由来する構成単位を主要構成単位とし、例えばエチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体である。炭素原子数3〜12のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。
オレフィン系ワックスは、例えば示差走査熱量計(DSC)で測定される融点が70℃〜140℃であり、JIS K 2207に準拠して測定される針入硬度が15dmm以下である。オレフィン系ワックスは、アクリルビーズよりも融点が低く(加熱により溶融し易く)、柔らかい微粒子であることが好ましい。
オレフィン系ワックスの粒径は、2〜10μmが好ましく、3〜8μmが特に好ましい。オレフィン系ワックスの粒径が2μm未満であると、例えば背景印刷層13の塗膜中にオレフィン系ワックスが埋もれて表面に現れ難くなり、ラベルの装着性、耐スクラッチ性を十分に向上させることができない場合がある。一方、オレフィン系ワックスの粒径が10μmを超えると、例えば背景印刷層13から脱落し易くなり、粉吹きの原因となる場合がある。
オレフィン系ワックスの含有量は、背景印刷層13の総重量に対して、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.3〜6重量%である。オレフィン系ワックスの含有量が0.1重量%未満であると、例えば背景印刷層13の表面に現れるオレフィン系ワックスが減少して、ラベルの装着性、耐スクラッチ性を十分に向上させることができない場合がある。一方、オレフィン系ワックスの含有量が10重量%を超えると、例えば背景印刷層13の表面に現れるオレフィン系ワックスが多くなり過ぎて、粉吹きの原因となる場合がある。
[シリカ]
シリカは、背景印刷層13の構成材料が印刷工程や接合部15の形成工程においてローラー等に付着すること(粉吹き)を抑制し、滑り過ぎを抑えてラベルの装着性を向上させる機能を有する。シリカは、背景印刷層13の表面に微細な凹凸を形成して当該表面の静摩擦係数を大きくすることで、これらの効果を奏するものと考えられる。シリカとしては、非晶質シリカ、結晶質シリカのいずれを用いることも可能であるが、好ましくは非晶質シリカ(非晶質合成シリカ)が用いられる。
上記非晶質シリカは、乾式シリカ、湿式シリカのいずれであってもよいが、その粒径は、2〜10μmが好ましく、3〜7μmが特に好ましい。シリカの粒径が2μm未満であると、背景印刷層13の表面(最内面10a)にシリカに起因する微細な凹凸が形成され難くなり、例えば静摩擦係数が低下してラベルの装着性が悪くなり、粉吹きの抑制効果が小さくなる場合がある。一方、シリカの粒径が10μmを超えると、静摩擦係数が高くなり過ぎて滑り性が低下し、例えばラベルの装着不良が発生し易くなる。
シリカの含有量は、背景印刷層13の総重量に対して、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1.5〜6重量%である。シリカの含有量が0.5重量%未満であると、背景印刷層13の表面に現れるシリカが減少して、例えば静摩擦係数が低下し、粉吹きの抑制効果が小さくなり、またラベルの装着性が悪くなる場合がある。一方、シリカの含有量が10重量%を超えると、例えば背景印刷層13の表面に現れるシリカが多くなり過ぎて滑り性が低下し、ラベルの装着不良等が発生する場合がある。
[アクリルビーズ]
アクリルビーズは、オレフィン系ワックスと同様に、背景印刷層13の耐スクラッチ性を向上させると共に、背景印刷層13の表面における滑り性を向上させる機能を有する。アクリルビーズは、少量で滑り性を高める効果があり、さらに優れたラベルの装着性、耐スクラッチ性を付与し、また粉吹き発生を抑制する効果も期待できる。アクリルビーズは、アクリル系樹脂から構成される微粒子であって、例えば示差走査熱量計(DSC)で測定される融点がオレフィン系ワックスよりも高く、或いは明確な融点を有さず、またオレフィン系ワックスよりも硬い微粒子である。アクリルビーズを用いる場合は、背景印刷層13における分散性向上等の観点から、バインダ樹脂として上記アクリル系樹脂を適用することが好ましい。
アクリルビーズを構成するアクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基含有モノマーに由来する構成単位を有する重合体(共重合体)であって、架橋構造を有していることが好適である。即ち、当該アクリル系樹脂には、(メタ)アクリロイル基含有モノマーと共重合可能な架橋性モノマーに由来する構成単位が含まれる。(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、例えばバインダ樹脂を構成する上記アクリル系樹脂と同様のモノマーを用いることができる。中でも、(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましく、メタクリル酸メチルを主成分とすることが特に好ましい。架橋性モノマーとしては、例えば1,4−ヘキサジエン、ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,6−オクタジエン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、エチレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
アクリルビーズの粒径は、2〜10μmが好ましく、3〜8μmが特に好ましい。アクリルビーズの粒径が4μm未満であると、例えば背景印刷層13の塗膜中にアクリルビーズが埋もれて表面に現れ難くなり、アクリルビーズを添加する効果が十分に得られず、例えばラベルの装着性等を十分に向上させることができない場合がある。一方、アクリルビーズの粒径が7μmを超えると、例えば背景印刷層13から脱落し易くなり、粉吹きの原因となる場合がある。
アクリルビーズの含有量は、背景印刷層13の総重量に対して、好ましくは0.05〜2重量%、より好ましくは0.1〜1.8重量%である。アクリルビーズの含有量が0.05重量%未満であると、例えば背景印刷層13の表面に現れるアクリルビーズが減少して、アクリルビーズを添加する効果が十分に得られず、例えばラベルの装着性等を十分に向上させることができない場合がある。一方、アクリルビーズの粒径の含有量が2重量%を超えると、例えば背景印刷層13の表面に現れるアクリルビーズが多くなり過ぎて、粉吹きの原因となる場合がある。
[印刷インキ]
背景印刷層13の形成に用いられる印刷インキは、上記白色顔料、上記バインダ樹脂、溶剤、及び必要により添加剤等を含む。さらに、当該印刷インキは、上記オレフィン系ワックス、上記シリカ、及び上記アクリルビーズを含むことが好適である。溶剤等は、印刷インキをラベル基材11上に塗布した後、乾燥により除去することができる。
上記溶剤等は、グラビア印刷、フレキソ印刷等に適用可能な印刷インキに通常用いられる有機溶剤等を用いることができる。具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類などが挙げられる。中でも、溶解性、安全性の観点から、酢酸エステル類、ケトン類、アルコール類が好ましい。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤等の含有量は、特に限定されないが、例えばグラビア印刷やフレキソ印刷の場合、印刷インキの総重量に対して、好ましくは25〜60重量%、特に好ましくは30〜55重量%である。ゆえに、印刷インキの固形分濃度(不揮発性分)は、好ましくは40〜75重量%、特に好ましくは45〜70重量%である。印刷インキの粘度(23±2℃)は、特に限定されないが、例えばグラビア印刷の場合、10〜1000mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜500mPa・sである。印刷インキの粘度は、E型粘度計(円錐平板形回転粘度計)を用い、23±2℃、円筒の回転速度50rpmの条件下、JIS Z 8803に準拠して測定した値である。
<保護層14>
保護層14は、上記のように、ラベル基材11の外面に形成され、筒状シュリンクラベル10の最外面10bを構成している。保護層14は、ラベル基材11の外面を保護する役割を果たす。なお、ラベル基材11の外面側にデザイン印刷層12が設けられる場合は、当該印刷層を覆って保護層14が形成される。保護層14は、デザイン印刷層12等を透視可能とすべく、ラベル基材11と同様に、透明(無色透明又は有色透明)であることが好ましい。保護層14は、例えば接合部15が形成される領域を除くラベル基材11上の略全域に形成される。保護層14の厚みは、特に限定されず、例えば0.5〜5μmである。
保護層14は、例えば樹脂成分及び滑剤を含むメジウムインキを用いて、デザイン印刷層12、背景印刷層13と同様に、グラビア印刷等の従来公知の印刷法によって形成できる。メジウムインキは、色材を含まない印刷インキである。メジウムインキの樹脂成分は、乾燥型硬化型、紫外線硬化型のいずれであってもよい。
上記樹脂成分としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが例示できる。上記滑剤としては、オレフィン系ワックス(例えば、背景印刷層13に含まれるワックスと同じものであってもよい)、脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、カルナウバワックス等などが例示できる。
<筒状シュリンクラベル10(長尺体)の製造方法>
図1に示す筒状シュリンクラベル10の製造方法の一例について以下説明する。筒状シュリンクラベル10の製造過程では、まず初めに、ラベル基材11の長尺体(以下、「長尺体11」とする)が準備される。長尺体11としては、例えば長手方向に直交する幅方向(以下、「TD方向」という)に対して2〜8倍程度の延伸倍率で延伸処理され、少なくとも当該方向に20%以上の熱収縮性(90℃の温水に10秒間浸漬)を有するものを用いる。長尺体11は、長手方向(以下、「MD方向」という)に対して1.01〜2倍程度の延伸倍率で延伸されていてもよい。延伸処理は、例えば70℃〜100℃の温度で、テンター方式を用いて行われる。長尺体11は、TD方向が主延伸方向、即ち主収縮方向となる。
なお、長尺体11は、生産性等の観点から、TD方向にラベルの列を複数形成可能な幅広のものを用いることが好ましい。この場合、長尺体11にデザイン印刷層12、背景印刷層13、及び保護層14を形成した後、MD方向に沿ってスリットしてラベル1枚分の幅の長尺体11とされる。
デザイン印刷層12は、後工程で接合部15となるMD方向に沿った所定幅の領域を除く長尺体11の一方の面上に、表示のデザイン等に応じて任意のパターンで、長尺体11のMD方向に沿って連続的に形成される。デザイン印刷層12は、従来公知の溶剤系インキ又は水性インキを用いて、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、凸版輪転印刷法、インクジェット印刷法などの従来公知の印刷法により形成することができる。
ここでは、グラビア印刷によりデザイン印刷層12、背景印刷層13、及び保護層14が連続的に形成されるものとして説明する。即ち、長尺体11が搬送される方向に複数のグラビア版及び乾燥機(印刷ユニット)が配置され、各印刷ユニットで各層がそれぞれ形成される。例えば、デザイン印刷層12を形成する印刷ユニットは、一般的にデザインに使用される色ごとに複数配置され、まず、その複数の印刷ユニットによって長尺体11の一方の面上にデザイン印刷層12が形成される。次に、背景印刷層13を形成する印刷ユニットによってデザイン印刷層12を覆って長尺体11の一方の面上に背景印刷層13が形成される。また、背景印刷層13を形成する印刷ユニットと保護層14を形成する印刷ユニットの間には長尺体11の面を反転させる反転機構が設けられており、反転機構によって長尺体11が反転された後、保護層14を形成する印刷ユニットによって長尺体11の他方の面上に保護層14が形成される。なお、各層が形成された長尺体11は、ロール状に巻かれて保管・運搬され、後述の筒状化工程に供給されるが、上記のように、背景印刷層13は転移し難い特性を有するため、筒状化工程等における粉吹きの発生が抑制される。
背景印刷層13は、デザイン印刷層12が形成された長尺体11の一方の面上において、後工程で接合部15となるMD方向に沿った所定幅の領域を除く、デザイン印刷層12が形成された領域を含む略全域にMD方向に沿って連続的に形成されることが好ましい。背景印刷層13は、例えば酸化チタン等の白色顔料、アクリル系樹脂等のバインダ樹脂、オレフィン系ワックス、シリカ、アクリルビーズ、溶剤等、及び必要により添加剤を含む上記印刷インキを用いてグラビア印刷により形成される。
保護層14は、デザイン印刷層12、背景印刷層13が形成された長尺体11の一方の面と反対側の他方の面上において、後工程で接合部15となるMD方向に沿った所定幅の領域を除く略全域にMD方向に沿って連続的に形成されることが好ましい。保護層14は、例えば従来公知のメジウムインキを用いて、グラビア印刷により形成される。なお、保護層14は、背景印刷層13等と反対側の面に形成されるため、当該他方の面がグラビア版に接触するように、背景印刷層13を形成する印刷ユニットと保護層14を形成する印刷ユニットの間で長尺体11を反転させる。このため、保護層14を形成する際に、背景印刷層13の表面にはグラビア版に長尺体11を押し付ける圧着ローラー(圧胴)が接触するが、上記のように、背景印刷層13はローラーに付着し難い特性を有するため、当該印刷工程における粉吹きの発生が抑制される。
次に、上記各層が形成された長尺体11に接合部15を形成して筒状に成形する。具体的には、長尺体11のMD方向に沿った端縁の少なくとも一方に、MD方向に沿って所定幅で溶剤を塗布した後、溶剤塗布部を他方の端縁に重ね合わせることでMD方向に連続した接合部15を形成する。これにより、筒状に形成された長尺体11(筒状シュリンクラベル10の長尺体)が得られる。なお、当該接合部15の形成工程(筒状化工程)において、慣用の方法によりミシン目を設けてもよい。

筒状シュリンクラベル10の長尺体は、自動ラベル装着装置(シュリンクラベラー)に供給される。シュリンクラベラーでは、筒状シュリンクラベル10の長尺体を個々の容器に装着可能なサイズ(筒状シュリンクラベル10)にカットした後、筒状シュリンクラベル10を容器に外嵌する。即ち、シュリンクラベラーにおいて、筒状シュリンクラベル10が得られる。なお、筒状シュリンクラベル10が外嵌された容器は、例えば所定温度の熱風トンネルやスチームトンネル(例えば、80〜100℃のスチームを使用)に供給される。当該加熱処理により、ラベル基材11が熱収縮し、容器形状に追従して筒状シュリンクラベル10が装着されたラベル付き容器が得られる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の異なる実施形態を採用できる。例えば、上記実施形態では、背景印刷層13にオレフィン系ワックス、シリカ、アクリルビーズを含有させることで、当該印刷層の表面における各摩擦係数(対印刷層)を特定の範囲に制御したが、これら以外の他の添加剤を用いて摩擦係数を制御することも可能である。他の添加剤としては、例えばオレフィン系ワックス以外のワックスやシリカ以外の無機化合物粒子、アクリルビーズ以外のポリマー粒子などが挙げられる。
また、上記実施形態では、白色顔料を含む印刷層として、背景印刷層13を例示し、背景印刷層13として構成を説明したが、当該説明は背景印刷層13以外の白色顔料を含む印刷層の構成説明として適用できる。例えば、上述した背景印刷層13の構成説明は、白色顔料を含む印刷層がデザイン印刷層だった場合の当該デザイン印刷層に適用することができる。この場合、背景印刷層13の構成説明における背景印刷層13の用語は、デザイン印刷層と読み替えることができるものとする。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例における評価結果等を表1に示す。
<実施例1>
長尺状のラベル基材として、TD方向が主収縮方向であるポリスチレン系シュリンクフィルム(シーアイ化成製、BS55S)を用いた。ラベル基材の一方の面上に、グラビア印刷によって、白色顔料を含む印刷層(以下、「印刷層A1」とする)を形成した。印刷層A1は、ラベル基材のTD方向両端縁から接合部となる所定幅の部分を除くラベル基材の一方の面上の全域に、2μmの厚みで形成した。印刷層A1を形成した長尺状のラベル基材は、ロール状に巻き取った。また、印刷層A1を形成した長尺状のラベル基材の一部を所定のサイズにカットして、摩擦係数測定及びスクラッチ試験用のラベル片C1を得た。なお、本実施例では、印刷層A1以外の層(デザイン印刷層や保護層)を省略している。
印刷層A1を形成する印刷インキB1には、バインダ樹脂(合計で13.0重量%)としてアクリル系樹脂(三菱レイヨン製、BR113)を12.5重量部、及びセルロース系樹脂(イーストマンケミカル製、CAB−381−20)を0.5重量部と、白色顔料として酸化チタン(テイカ製、JR−707、粒径0.2μm)を36.0重量部と、オレフィン系ワックスとしてポリエチレン系ワックス(サゾールワックス製、SPRAY 105、粒径6μm)を1.5重量部と、シリカ(東ソー・シリカ製、ニップシール E−1030、粒径4.6μm)を1.0重量部と、アクリルビーズとして架橋ポリメタクリル酸メチルビーズ(日本触媒製、EPOSTAR MA1006、粒径6μm)を0.2重量部と、これらを溶解又は分散する溶媒(合計で48.3重量部)として酢酸エチルを11.0重量部、酢酸プロピルを12.5重量部、及びイソプロピルアルコールを24.8重量部とを混合したものを用いた。印刷インキB1を用いて形成される印刷層A1の組成及び組成比は、表1に示す通りである(後述の実施例、比較例についても同様)。
ロール状に巻き取った上記ラベル基材を巻き出して、100m/minの速度で搬送しながら、ラベル基材のTD方向一端縁に3mm幅でテトラヒドロフランを塗布すると共に、当該塗布部をTD方向他端縁に重ね合わせて接合部を形成し、長尺状の筒状シュリンクラベル(周長217mm)を得た。当該筒状シュリンクラベルは、印刷層A1が筒の内側に向くように成形した。即ち、印刷層A1が筒状シュリンクラベルの最内面を構成する。なお、当該筒状化工程において、ラベル基材の印刷層A1が形成された面と反対側の面に接触するローラーに対する、印刷層A1の構成材料(白粉)の付着の有無を確認した(後述の粉吹き評価)。
上記ラベル片C1について、以下の方法で摩擦係数を測定し、且つ、以下の方法で耐スクラッチ性の評価をすると共に、上記筒状シュリンクラベルの装着適正の評価を行った。また、上記筒状化工程において、以下の方法で粉吹き評価を行った。測定結果、評価結果は表1に示した。
[摩擦係数の測定]
JIS K 7125に準拠して、上記ラベル片C1の印刷層の表面における静摩擦係数(対印刷層)及び動摩擦係数(対印刷層)を測定した。
測定機器、測定条件、手順等は、下記の通りである。
測定機器;東洋精機製の「Friction Tester TR−2」
錘;200g±2g(=1.96Nの法線力FPが生じる)、63mm×63mmの底面を有し、当該底面に同寸法のフェルトが貼られたものを用いる。
サンプル;65mm×160mmにカットしたラベル片C1(未収縮品)
摩擦相手;110mm×300mmにカットしたラベル片C1(未収縮品)
手順;印刷層A1が外側を向くようにサンプルを錘に巻装し、サンプル付き錘を得る。当該サンプル付き錘は、錘の底面がサンプルに覆われ、サンプルの印刷層A1が錘の底面全体にわたって存在し測定面(63×63mm)を形成している。上記摩擦相手のラベル片C1が印刷層A1を上に向けた状態で固定された平滑なテーブル上に、サンプル付き錘の測定面が摩擦相手の印刷層A1と接触するようにサンプル付き錘を載置して測定を開始する。
測定距離:60mm
速度:100mm/min
[装着適正の評価]
上記筒状シュリンクラベルを丸型PET容器(東洋製罐製、直径67mm、500mL)にシュリンクラベラー(フジアステック社製)を用いて装着し(10000本)、下記の基準で判断した。
目的とする位置に装着できない不良発生率が1%未満:装着適正良好(○)
不良発生率が1%以上:装着適正不良(×)
[耐スクラッチ性(スクラッチ試験)の評価]
上記ラベル片C1を平滑なテーブルの上に置き、印刷層A1が形成された一方の面を手の爪の先で5往復(長手方向20mmの区間)こすった後、当該一方の面を観察し、下記の基準で判断した。
印刷層A1は全く剥離していない:耐スクラッチ性良好(○)
印刷層A1が剥離している:耐スクラッチ性不良(×)
[粉吹き評価]
上記筒状化工程において、ロール状で保管された長尺状ラベル基材を1000m巻き出した際の、ラベル基材の印刷層A1が形成された面と反対側の面に接触するニップローラーに対する、印刷層A1の構成材料(白粉)の付着の有無を観察し、下記の基準で判断した。
ローラーに白粉が付着していない:粉吹きなし(○)
ローラーに白粉が付着している:粉吹き発生(×)
<実施例2>
印刷インキB1の代わりに、上記バインダ樹脂を13.0重量部と、上記酸化チタンを36.0重量部と、上記ポリエチレン系ワックスを3.0重量部と、上記シリカを3.0重量部と、上記架橋ポリメタクリル酸メチルビーズを1.0重量部と、上記溶媒を44.0重量部(酢酸エチルを11.0重量部、酢酸プロピルを11.0重量部、イソプロピルアルコールを22.0重量部)とを混合してなる印刷インキB2を用いて、印刷層A2を形成した以外は、実施例1と同様にして摩擦係数測定及びスクラッチ試験用のラベル片C2、及び筒状シュリンクラベルを得た。また、実施例1と同様に、摩擦係数の測定、装着適正評価、耐スクラッチ性評価、及び粉吹き評価を行い、その結果を表1に示した。
<実施例3>
印刷インキB1の代わりに、上記バインダ樹脂を13.0重量部と、上記酸化チタンを36.0重量部と、上記ポリエチレン系ワックスを0.3重量部と、上記シリカを0.8重量部と、上記架橋ポリメタクリル酸メチルビーズを0.05重量部と、上記溶媒を49.9重量部(酢酸エチルを12.0重量部、酢酸プロピルを12.9重量部、イソプロピルアルコールを25.0重量部)とを混合してなる印刷インキB3を用いて、印刷層A3を形成した以外は、実施例1と同様にして摩擦係数測定及びスクラッチ試験用のラベル片C3、及び筒状シュリンクラベルを得た。また、実施例1と同様に、摩擦係数の測定、装着適正評価、耐スクラッチ性評価、及び粉吹き評価を行い、その結果を表1に示した。
<実施例4>
印刷インキB1の代わりに、上記バインダ樹脂を13.0重量部と、上記酸化チタンを36.0重量部と、上記ポリエチレン系ワックスを1.5重量部と、上記シリカを1.0重量部と、上記溶媒を48.5重量部(酢酸エチルを11.5重量部、酢酸プロピルを12.0重量部、イソプロピルアルコールを25.0重量部)とを混合してなる印刷インキB4を用いて、印刷層A4を形成した以外は、実施例1と同様にして摩擦係数測定及びスクラッチ試験用のラベル片C4、及び筒状シュリンクラベルを得た。また、実施例1と同様に、摩擦係数の測定、装着適正評価、耐スクラッチ性評価、及び粉吹き評価を行い、その結果を表1に示した。
<実施例5>
印刷インキB1の代わりに、上記バインダ樹脂を13.0重量部と、上記酸化チタンを36.0重量部と、上記ポリエチレン系ワックスを2.0重量部と、上記シリカを1.0重量部と、上記架橋ポリメタクリル酸メチルビーズを0.2重量部と、上記溶媒を47.8重量部(酢酸エチルを11.0重量部、酢酸プロピルを11.8重量部、イソプロピルアルコールを25.0重量部)とを混合してなる印刷インキB5を用いて、印刷層A5を形成した以外は、実施例1と同様にして摩擦係数測定及びスクラッチ試験用のラベル片C5、及び筒状シュリンクラベルを得た。また、実施例1と同様に、摩擦係数の測定、装着適正評価、耐スクラッチ性評価、及び粉吹き評価を行い、その結果を表1に示した。
<実施例6>
印刷インキB1の代わりに、上記バインダ樹脂を13.0重量部と、上記酸化チタンを36.0重量部と、上記ポリエチレン系ワックスを1.0重量部と、上記シリカを1.0重量部と、上記架橋ポリメタクリル酸メチルビーズを0.2重量部と、上記溶媒を48.8重量部(酢酸エチルを12.0重量部、酢酸プロピルを11.8重量部、イソプロピルアルコールを25.0重量部)とを混合してなる印刷インキB6を用いて、印刷層A6を形成した以外は、実施例1と同様にして摩擦係数測定及びスクラッチ試験用のラベル片C6、及び筒状シュリンクラベルを得た。また、実施例1と同様に、摩擦係数の測定、耐スクラッチ性評価、及び粉吹き評価を行い、その結果を表1に示した。
<実施例7>
印刷インキB1の代わりに、上記バインダ樹脂を13.0重量部と、上記酸化チタンを36.0重量部と、上記ポリエチレン系ワックスを1.5重量部と、上記シリカを0.5重量部と、上記架橋ポリメタクリル酸メチルビーズを0.2重量部と、上記溶媒を48.8重量部(酢酸エチルを12.0重量部、酢酸プロピルを11.8重量部、イソプロピルアルコールを25.0重量部)とを混合してなる印刷インキB7を用いて、印刷層A7を形成した以外は、実施例1と同様にして摩擦係数測定及びスクラッチ試験用のラベル片C7、及び筒状シュリンクラベルを得た。また、実施例1と同様に、摩擦係数の測定、耐スクラッチ性評価、及び粉吹き評価を行い、その結果を表1に示した。
<比較例1>
印刷インキB1の代わりに、オレフィン系ワックスを含まない印刷インキY1を用いて、印刷層X1を形成した以外は、実施例1と同様にして摩擦係数測定及びスクラッチ試験用のラベル片Z1、及び筒状シュリンクラベルを得た。印刷インキY1は、上記バインダ樹脂を13.0重量部と、上記酸化チタンを36.0重量部と、上記シリカを1.0重量部と、上記架橋ポリメタクリル酸メチルビーズを0.2重量部と、上記溶媒を49.8重量部(酢酸エチルを12.0重量部、酢酸プロピルを12.8重量部、イソプロピルアルコールを25.0重量部)とを含有する。また、実施例1と同様に、摩擦係数の測定、装着適正評価、耐スクラッチ性評価、及び粉吹き評価を行い、その結果を表1に示した。
<比較例2>
印刷インキB1の代わりに、シリカを含まない印刷インキY2を用いて、印刷層X2を形成した以外は、実施例1と同様にして摩擦係数測定及びスクラッチ試験用のラベル片Z2、及び筒状シュリンクラベルを得た。印刷インキY2は、上記バインダ樹脂を13.0重量部と、上記酸化チタンを36.0重量部と、上記ポリエチレン系ワックスを1.5重量部と、上記架橋ポリメタクリル酸メチルビーズを0.2重量部と、上記溶媒を49.3重量部(酢酸エチルを12.0重量部、酢酸プロピルを12.3重量部、イソプロピルアルコールを25.0重量部)とを含有する。また、実施例1と同様に、摩擦係数の測定、装着適正評価、耐スクラッチ性評価、及び粉吹き評価を行い、その結果を表1に示した。
Figure 2016035495
10 筒状シュリンクラベル、10a 最内面、10b 最外面、11 ラベル基材、12 デザイン印刷層、13 背景印刷層、14 保護層、15 接合部

Claims (4)

  1. 熱収縮性を有するラベル基材と、
    前記ラベル基材上に形成された、白色顔料を含む印刷層と、
    を備え、前記印刷層が最内面を構成する筒状シュリンクラベルであって、
    前記印刷層の表面における静摩擦係数(対印刷層)が0.5〜0.85であり、当該表面における動摩擦係数(対印刷層)が0.45以下であることを特徴とする筒状シュリンクラベル。
  2. 前記印刷層は、オレフィン系ワックスと、シリカとを含み、
    前記印刷層の総重量に対して、オレフィン系ワックスの含有量が0.1〜10重量%、前記シリカの含有量が0.5〜10重量%である、請求項1に記載の筒状シュリンクラベル。
  3. 前記印刷層は、アクリルビーズを含み、
    前記印刷層の総重量に対して、前記アクリルビーズの含有量が0.05〜2重量%である、請求項2に記載の筒状シュリンクラベル。
  4. 前記白色顔料には、少なくとも酸化チタンが含まれ、
    前記印刷層の総重量に対して、前記酸化チタンの含有量が50〜85重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の筒状シュリンクラベル。
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