JP2007076259A - 熱収縮性積層フィルム、及び熱収縮性筒状ラベル - Google Patents

熱収縮性積層フィルム、及び熱収縮性筒状ラベル Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、熱収縮性のベースフィルムの表面に不織布が積層された熱収縮性積層フィルムであって、良好に熱収縮させることができ、且つ不織布表面に美麗な印刷を施すことができる熱収縮性積層フィルムを提供すること課題とする。
【解決手段】 熱収縮性を有するベースフィルム2の表面に、不織布3の裏面が接着剤6を介して積層接着されており、不織布3は、その裏面が凹凸状に形成され、且つ不織布3の表面が実質的に平坦状に形成されており、不織布3の表面に意匠印刷7が施されている熱収縮性積層フィルムを提供する。この熱収縮性積層フィルム5は、不織布3を外側にして筒状に成形することにより、熱収縮性筒状ラベルに形成される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ベースフィルムに不織布が積層されている熱収縮性積層フィルム、及び熱収縮性筒状ラベルに関する。
一般に、コーヒー、紅茶、緑茶などを充填した食品充填済み容器は、加熱、或いは冷やして食することが多い。このように容器を加熱又は冷やすと、容器の温度が持ち手に直接伝わるため、従来、容器に断熱性を有するラベルを装着することが行われている。
かかるラベルとして、特開2005−55490公報の[0032]及び図1(ハ)等には、熱収縮性の基材フィルムに、接着剤を介して不織布を積層した積層フィルムを、不織布が外側となるように筒状に成形してなる熱収縮性筒状ラベルが開示されている。
かかる熱収縮性筒状ラベルは、所定温度に加熱することにより、基材フィルムが熱収縮し、これに引っ張られて不織布が追従収縮することにより、容器胴部などに装着可能である。
ところで、不織布は、それ自体熱収縮性を有しないか、或いは、熱収縮性を有しても基材フィルムに比して非常に小さい。従って、不織布の裏面全体が、基材フィルムにベタ状に接着されていると、基材フィルムの熱収縮時、不織布がそれに追従収縮し難く、不織布の表面に皺などが生じる。特に、ボトル型容器の肩部や首部のような径差の大きい被装着部分に対面する箇所に於ける基材フィルムは、大きく熱収縮するので、不織布がこれに追従できず、不織布が部分的に剥離して皺が生じ易い。
このように不織布に皺が生じると、不織布を外側に成形してなる上記筒状ラベルの外観が悪くなり、ラベルとしての商品価値が低下する。
また、不織布を外側にした上記筒状ラベルは、不織布の表面に、商品名や図柄などの意匠表示が印刷されるので、該意匠表示を出来るだけ美麗に表さないと、同様にラベルとしての商品価値が低下する。
特開2005−55490公報の[0032]及び図1(ハ)等
そこで、本発明は、熱収縮性のベースフィルムの表面に不織布が積層された熱収縮性積層フィルムに於いて、良好に熱収縮させることができ、且つ不織布表面に美麗な印刷を施すことができる熱収縮性積層フィルムを提供することを第1の課題とする。また、本発明は、この熱収縮性積層フィルムを、不織布を外側にして筒状に成形した熱収縮性筒状ラベルを提供することを第2の課題とする。
本発明の第1の手段は、熱収縮性を有するベースフィルムの表面に、不織布の裏面が接着剤を介して積層接着されている熱収縮性積層フィルムに於いて、不織布は、その裏面が凹凸状に形成され、且つ不織布の表面が実質的に平坦状に形成されており、不織布の表面に意匠印刷が施されている熱収縮性積層フィルムを提供する。
かかる熱収縮性積層フィルムは、ベースフィルムへの接着面である不織布の裏面が凹凸状に形成されているので、不織布の裏面の凹凸の突出面がベースフィルムの表面に接着する。従って、不織布の裏面の凹み部がフィルムに対して非接着又は弱接着となるから、この部分に於いて収縮し易くなり、該熱収縮性積層フィルムを加熱した際、ベースフィルムの熱収縮に不織布が良好に追従収縮し、良好な収縮仕上がりとなる。
また、上記熱収縮性積層フィルムは、不織布の表面が実質的に平坦状に形成されているので、該不織布表面に施された意匠印刷による意匠表示を美麗に表すことができる。
また、本発明の第2の手段は、上記熱収縮性積層フィルムを、不織布を外側にして筒状に成形している熱収縮性筒状ラベルを提供する。
かかる熱収縮性筒状ラベルは、上記熱収縮性積層フィルムを用いているため、容器胴部などに外嵌し加熱することで、良好な収縮外観を以て装着することができる。また、熱収縮性筒状ラベルの外面全体又は外面一部を構成する不織布の表面には、意匠印刷が美麗に表されている。
本発明に係る熱収縮性積層フィルムは、ベースフィルムの熱収縮に不織布が良好に追従収縮するので、収縮仕上がりも良好となり、又、不織布表面に意匠表示を美麗に表すことができる。
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、上記熱収縮性積層フィルムを用いているので、収縮装着外観が良好で、且つ意匠表示も美麗に表されるので、この種ラベルとして商品価値の高いものを提供できる。
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1及び図2に於いて、1は、熱収縮性のベースフィルム2の表面に不織布3が積層接着された熱収縮性積層フィルム5を、不織布3を外側にして筒状に丸めてセンターシールすることにより成形された熱収縮性筒状ラベル(以下、単に筒状ラベルと略記する場合がある)を示す。
該筒状ラベル1は、熱収縮性積層フィルム5を所定の大きさの矩形状に形成し、この矩形状の熱収縮性積層フィルム5を筒状に丸め、該熱収縮性積層フィルム5の一側端部5aの裏面を、同フィルム5の他側端部5bの表面に重ね合わせ、両面を溶剤又は接着剤にて貼着してセンターシール部4を形成することによって構成されている。尚、図3にも示すように、熱収縮性積層フィルム5の一側端部5aの裏面には、センターシール用の貼着部41としてベースフィルム2の一側端部の裏面が露出され、熱収縮性積層フィルム5の他側端部5bの表面には、センターシール用の貼着部41としてベースフィルム2の他側端部の表面が露出されている。従って、センターシール部4は、ベースフィルム2の一側端部の裏面と他側端部の表面が接着されて構成されている。
そして、筒状ラベル1は、容器胴部などに外嵌し、所定温度(例えば、80〜120℃程度)に加熱することにより、ベースフィルム2が熱収縮すると共に、該ベースフィルム2の熱収縮に引っ張られて不織布3が追従収縮することにより、容器胴部などに装着される。
具体的には、熱収縮性積層フィルム5は、図3にも示すように、熱収縮性のベースフィルム2の表面の一部に、接着剤層6を介して不織布3の裏面が積層接着されている。従って、熱収縮性積層フィルム5は、ベースフィルム2の表面に不織布3が積層されていない一部領域21を有し、この一部領域21に於いてベースフィルム2の表面が露出している(以下、この一部領域の表面を「ベースフィルム露出面」という)。
このベースフィルム露出面21及び不織布3の表面には、意匠印刷層7が設けられており、更に、ベースフィルム2の裏面には、内面印刷層8が設けられている。
ベースフィルム2は、少なくとも一方向に熱収縮性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種、又は2種以上の混合物などからなるフィルムが例示され、中でも、不織布3を引張って収縮させるため、収縮力の強いポリエステル系樹脂フィルムを用いることが好ましい。また、異なる2種以上の熱収縮性のフィルムを積層した積層フィルムで構成されていてもよい。また、ベースフィルム2は、透明なフィルムを用いることが好ましい。フィルムは公知の製法で製膜し延伸処理することにより熱収縮性フィルムを得ることができる。延伸処理は、通常、70〜110℃程度の温度で、幅方向(筒状ラベル1とした場合に周方向、以下同じ)に2.0〜8.0倍、好ましくは3.0〜7.0倍程度延伸することにより行われる。さらに、縦方向(幅方向に直交する方向。筒状ラベル1とした場合に縦方向。以下同じ)にも、例えば1.5倍以下の低倍率で延伸処理を行ってもよい。得られたフィルムは、一軸延伸フィルム又は主延伸方向と直交する方向に若干延伸された二軸延伸フィルムとなる。ベースフィルム2の厚みは、概ね20〜60μm程度のものが好ましい。
上記ベースフィルム2は、例えば、幅方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)が約30%以上、好ましくは約40%以上のものが例示される。また、縦方向に於ける熱収縮率は、約−3〜15%程度のものが例示される。
但し、熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)−(幅方向(又は縦方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)]×100。
さらに、ベースフィルム2は、90℃の温水中に侵漬した際の幅方向の収縮応力が、3MPa以上、更に5MPa以上の熱収縮性フィルムを用いることが好ましい。かかる収縮応力を有する熱収縮性フィルムを用いることにより、不織布3を十分に引っ張り、良好な熱収縮特性を有する熱収縮性積層フィルム5を構成できる。
尚、この収縮応力は、フィルムを幅150mm、縦15mmの長方形状に切り取り、このフィルム片の幅方向の両端部を応力測定器((株)島津製作所製、商品名:オートグラフ)のチャックに保持し(チャック間距離100mm)、90℃の温水中に10秒間浸漬し、その間に生じる最大収縮応力(MPa)を言う。
次に、不織布3としては、特に限定されず、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン紙、ナイロン、キュプラなどの繊維を、スパンボンド法、接着法、ニードルパンチ法、メルトブロー法などによってシート状に作製された不織布や、パルプ繊維などを紙漉き法などによって作製した和紙調の不織布などを用いることができる。不織布3を構成する繊維は、中実繊維、中空繊維、又はこれらの混合繊維を用いることができ、断熱性が求められる場合には、より断熱性に優れることから中空繊維又はその混合繊維を用いることが好ましい。また、繊維長については、繊維同士の絡み合いにより形成される3次元網目構造による強度やシートの取扱い性などの点では長繊維不織布が好ましく、ラベル切断時のカット適正では短繊維不織布が好ましい。不織布3は、例えば目付量約10〜50g/m2が好ましく、更に、15〜30g/m2程度がより好ましく、厚み約30〜300μm程度のものが好ましい。不織布3の繊維の太さは、意匠表示を美麗に表すことができることから出来るだけ細いものが好ましく、例えば10d(デニール)以下、更に、5d以下のものを用いることが好ましい。また、不織布3として、少なくとも幅方向に若干熱収縮するものを用いてもよい。
かかる不織布の具体例としては、ユニチカ株式会社製「マリックス」、株式会社東洋紡製「ボンデン」、「エクーレ」、ユニセル株式会社製「ユニセル」などが挙げられる。
この不織布3は、図4にも示すように、ベースフィルム2への接着面である裏面が、複数の凹凸を有する凹凸状に加工されており、且つ意匠表示の印刷面である表面が、実質的に平坦状に形成されている。この不織布3の裏面に於ける凹凸は、ベースフィルム2の熱収縮時、不織布3がこれに追従して良好に収縮するように形成されるものである。
不織布3の裏面の凹凸は、例えば、不織布3の裏面にエンボスロールを押圧する機械的エンボス加工にて形成することができる。また、該凹凸は、加熱したエンボスロールを用いて形成してもよい。
尚、不織布3の表面には、繊維の絡み合いによって多少の凹凸があるため、不織布3の表面が「実質的に平坦状」とは、上記エンボス加工などによる凹凸形成がほとんど行われておらず、不織布製造時に於ける不織布表面と略同様の状態を言う。
不織布3の裏面に於ける凹み部31の深さHは、特に限定されないが、余りに深いと、凹み底部に於いて不織布3が圧縮されて硬くなり過ぎ、一方、余りに浅いと凹み底部がベースフィルム2に接着して凹み部31を形成したことが無意義となるので、凹み部31の深さHは、5〜100μm程度が好ましく、更に、10〜30μm程度がより好ましい。例えば、ポリエステル系スパンボンド不織布(ユニチカ株式会社製、商品名:マリックス。70281WTO。目付量28g/m)を用いた場合には、凹み部31の深さHは、5〜20μm程度に形成することが好ましい。
また、不織布3の裏面に於ける凹み部31の形成比率(単位面積当たりの凹み部形成面積)は、特に限定されないが、凹み部31の形成比率が極端に大きすぎたり又は小さすぎると、ベースフィルム2の熱収縮によって不織布3が良好に追従しない虞があるので、凹み部31の形成比率((不織布裏面の単位面積当たりの凹み部31の表面積の和/不織布裏面の単位面積)×100)は、5〜60%程度が好ましく、更に、10〜50%程度がより好ましい。
さらに、熱収縮性積層フィルム5を筒状ラベル1に成形し、これを径差の大きい部分を有する容器(例えば、飲料容器等として一般に用いられているボトル型容器では、筒状胴部とこれに続く肩部を有し、肩部の周長は胴部に比して短く、径差が大きく異なる部分を有する)に熱収縮装着した場合、筒状ラベル1のうち、容器の径差の大きい部分に対面する領域は、大きく熱収縮する。よって、この領域に於ける不織布3は、ベースフィルム2に追従して大きく収縮しなければならない。従って、筒状ラベル1のうち、容器の径差の大きい部分に対面する領域に於ける不織布3の凹み部31は、他の領域(容器の径差の小さい部分に対面する領域。例えば容器胴部に対面する領域)よりも多数又は大面積で形成されていることが好ましい。具体的には、容器の径差の大きい部分に対面する領域に於ける不織布3の凹み部31の形成比率を、10〜50%程度に形成し、他の領域に於ける凹み部31の比率を、5〜30%程度に形成することが好ましい。
また、凹み部31の平面形状は、特に限定されず、例えば、図4(a)に示すような平面視略正方形、その他、平面視略長方形、略円形、略楕円形のような無数点状に形成されているものの他、格子状や斜め格子状などに形成されていてもよい。凹み部31は、不規則に形成されているものでも良いが、同図に示すように規則的に形成されていることが好ましい。
尚、不織布3として、着色された不織布を用いることもできる。この着色不織布の色彩は、好ましくは、意匠印刷層7や内面印刷層8とデザイン的に一体を成すようなもの例えば内面印刷層8のベタ印刷と同様の色彩のものや、或いは容器の外面と同様の色彩などが例示される。
この不織布3は、ベースフィルム2の一部を除いて、ベースフィルム2の表面に接着剤層6を介して積層接着されている。裏面に凹凸が形成された不織布3は、主としてその突出面32が、接着剤層6を介してベースフィルム2に接着している。
具体的には、図3に示すように、不織布3の一側縁3aを、ベースフィルム2の一側縁2aに一致させ、且つ、不織布3の他側縁3bを、ベースフィルム2の他側縁2bから所定幅W内側へ寄ったところに位置させて、不織布3の裏面が、ベースフィルム2の表面に積層接着されている。従って、熱収縮性積層フィルム5は、その他側縁から所定幅Wの領域に、ベースフィルム露出面21が形成され、他の領域に於いては、不織布3の表面が露出している。
この所定幅W(ベースフィルム露出面21の幅)は、熱収縮性積層フィルム5の他側端部5bに於いて、センターシール用の貼着部41の幅W1(通常、5mm〜15mm程度)を少なくとも確保できる程度に形成され、更に、このセンターシール用の貼着部41の幅W1以上の長さ(例えば、下記機械的読取記号や細小文字などの高精度意匠表示を印刷可能な面積を確保できる長さ)に形成されていることが好ましい。具体的には、所定幅Wは、筒状ラベル1の周長の1/10〜1/3程度の長さに形成される。余りに所定幅Wが長いと、それに応じて不織布3の占める面積割合が小さくなり、不織布3を積層する意義が低下し、一方、余りに所定幅Wが短いと、ベースフィルム露出面21が狭くなって意匠表示を印刷するスペースを確保できないからである。
このようにベースフィルム露出面21を幅広にすることで、その露出面21に、バーコード、2次元コードなどの機械的読取記号や、製造元、内容物表示、説明書きなどの細小文字(例えば、8ポイント以下)などの高精度意匠表示を印刷することができる。
本発明は、不織布3の表面を実質的に平坦状にすることにより、その表面に意匠表示を美麗に印刷できるように工夫したものであるが、不織布3の表面に印刷された意匠表示は、ベースフィルム2に印刷される場合に比べ、その正確性が劣ることは否めない。
この点、上記のようにベースフィルム露出面21を、機械的読取記号などを印刷可能な面積に確保することで、意匠表示のうち、正確性が要求される高精度意匠表示(機械的読取記号や細小文字など)を正確に表すことができる。
上記接着剤層6に用いる接着剤としては、例えば、公知のドライラミネート接着剤、ウェットラミネート接着剤などが挙げられる。ドライラミネート接着剤としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ゴム系などの溶剤型接着剤又は2液型接着剤などが例示される。中でも、ドライラミネートにより接着することが好ましい。
接着剤層6は、余りに多く塗工すると、不織布3に多量の接着剤が含浸して凹み部31を形成した意義が失われるので、接着剤層6の厚み(塗工時厚)は、例えば2〜10μm程度が好ましい。また、接着剤層6は、上記接着剤をベタ塗り状に塗工することが簡便で好ましいが、接着剤を網状などに塗工して設けることも可能である。
次に、意匠印刷層7は、ベースフィルム露出面21及び不織布3の表面に跨って設けられている。具体的には、ベースフィルム露出面21(但し、熱収縮性積層フィルム5の他側端部5bに於けるセンターシール用の貼着部41を除く)及び不織布3の表面全体に、意匠印刷層7が設けられている。ベースフィルム露出面21及び不織布3の表面に表される意匠表示の種類は、特に限定されないが、上述のように、ベースフィルム露出面21には、より正確な印刷を施すことができることから、ベースフィルム露出面21に、細小文字や機械的読取記号などの高精度意匠表示を主として印刷することが好ましい。他方、不織布3の表面には、高精度意匠表示ほどには正確性が求められない低精度意匠表示(例えば、デザイン絵柄、商標など)を主として施すことが好ましい。特に、不織布3の表面には、布地や和紙の風合いを活かしたデザインを施すのが良い。
このようにベースフィルム露出面21及び不織布3の表面の両面には、1〜8色程度の意匠表示が印刷されているが、該意匠表示の印刷は、凸版印刷、平版印刷、凹版印刷などの各種印刷法で印刷することができる。中でも、フレキソ印刷、凸版輪転印刷などの凸版印刷や、オフセット印刷などの平版印刷によって行うことが好ましく、更に、凸版印刷で行うことがより好ましく、特に、凸版印刷の中でも、弾性を有する版(例えば、ゴム版など)を用いるフレキソ印刷で行うことが好ましい。
尚、特に図示しないが、ベースフィルム露出面21及び不織布3の表面に設けられた意匠印刷層7の表面全体には、透明なオーバーコート層が設けられている。オーバーコート層としては、例えば、ポリエステル系、エポキシ系、アクリル系などの透明ニス等を用いることができ、例えば厚み0.5〜5μm程度に形成される。
オーバーコート層は、印刷インキの脱落を防止すると共に、不織布3の表面に於ける不織布繊維の毛羽立ちを防止する。
次に、ベースフィルム2の裏面に設けられた内面印刷層8は、ベースフィルム2の裏面の略全体(但し、熱収縮性積層フィルム5の一側端部5aに於けるセンターシール用の貼着部41を除く)にベタ状に設けられている。内面印刷層8のベースフィルム2に対するベタ状印刷は、グラビア印刷法にて行うことが好ましい。
内面印刷層8のインキは、特に限定されず、例えば、白色インキ、透明インキ、青色インキなどの各種インキを公知の印刷法にて設けられている。中でも、白色インキを用いることにより、ベースフィルム露出面21に印刷された意匠表示を鮮明に見せることができる。
白色インキとしては、例えば、白色顔料、ビヒクル及び必要に応じて添加される各種添加剤からなるインキが例示される。白色顔料としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、炭酸カルシウム、クレー、アルミナホワイトなどを用いることができ、中でも、滑り性及び隠蔽性に優れることから、二酸化チタン(特に、ルチル型)を用いることが好ましい。ビヒクルとしては、例えば、水又は水とアルコールに、アクリル樹脂、アクリル共重合体、ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、水性ポリアミド樹脂などを分散させたエマルジョンなどの水性のものや、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコールなどの溶剤に、ロジン、ケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル−ウレタン共重合体、ポリエステル樹脂などを溶解させた溶剤型のものなどが例示される。尚、添加剤としては、ワックス類、シリコーンなどの滑剤、シリカなどの微粒子、分散剤、安定剤、増粘剤、消泡剤、防かび剤、水溶化剤などが例示される。
透明インキとしては、例えば、実質的に顔料を含まないメジウムインキなどが例示される。このインキは、実質的に顔料を含まず、例えば、水又は水とアルコールに、アクリル樹脂、アクリル共重合体、ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、水性ポリアミド樹脂などを分散させたエマルジョンなどの水性のものや、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコールなどの溶剤に、ロジン、ケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル−ウレタン共重合体、ポリエステル樹脂などを溶解させた溶剤型のものなどが例示される。尚、必要に応じて滑剤などの各種添加剤が混合されていてもよく、透明性を損ねない程度で滑剤を含んでいる透明インキが好ましい。
上記内面印刷層8の裏面は、筒状ラベル1の容器接触面となるので、該内面印刷層8は、容器表面に対して滑り性に優れているものが好ましく、例えば、内面印刷層8の裏面は、その静摩擦係数が0.1〜0.6程度となるように形成されていることが好ましく、更に、0.2〜0.4程度となるように形成されていることがより好ましい。このような内面印刷層8を設けることで、容器などに外嵌挿し易く、又、収縮仕上がりも良好となる。
尚、この静摩擦係数は、一面に乾燥厚2μmの内面印刷層がベタ状に印刷されたフィルム基材を、80mm×100mm(幅×長さ)に切り取り、二軸延伸のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、A1101#100の未処理面)を100mm×300mm(幅×長さ)に切り取り、内面印刷層の裏面をこのポリエチレンテレフタレートフィルムに重ね、JIS K 7125に準じて、引張りスピード200mm/分、温度23±2℃、湿度50±5%で、測定された数値をいう。
このような滑り性に優れた内面印刷層8は、微粒子や滑剤などの滑り成分を含むインキを用いることで形成できる。滑り成分としては、例えば、シリカ、二酸化チタンなどの無機微粒子、ワックス類、シリコーンなどの滑剤が挙げられる。
滑り性に優れた白色インキとしては、上記白色インキのうち、白色顔料として二酸化チタンを含むものや、添加剤としてシリカを含むものが例示される。
前者の白色インキに於いて、二酸化チタンは、白色インキの固形分全量に対して、10〜80重量%程度混合されていることが好ましく、更に、30〜60重量%程度混合されていることがより好ましい。
また、滑り性に優れた透明インキとしては、上記透明インキに、シリカを含むものが挙げられる。
上記シリカは、粒子径1〜10μm程度のものを主として用いることが好ましく、特に、粒子径1〜5μm程度のものがより好ましい。シリカは、これらインキの固形分全量に対して、10〜40重量%程度混合されていることが好ましく、更に、15〜30重量%程度混合されていることがより好ましい。また、滑剤は、0.5〜20重量%程度含まれていることが好ましい。
尚、筒状ラベル1のセンターシール部4に於ける熱収縮性積層フィルム5の両側端部5a,5bの貼着は、上述のように溶剤又は接着剤を用いることができるが、ベースフィルム2が溶剤接着可能なフィルムの場合には、貼着部分の厚みを薄くでき、しかも熱収縮を阻害しないことから、樹脂成分などの固形分を含まない溶剤を用いて貼着することが好ましい。例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、表裏面に非晶性環状ポリオレフィン系樹脂を積層したフィルムなどをベースフィルム2を用いる場合には、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル系溶剤、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル系溶剤、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤などの1種、又は2種以上の混合溶剤などの有機溶剤が例示される。
上記熱収縮性積層フィルム5及び筒状ラベル1は、例えば、下記機械的製造方法で製造することができる。以下、ベースフィルム原反から偶数倍(例えば2列)の積層フィルムを製造する方法について工程毎に詳述する。
(ベースフィルム原反作製工程)
図5に示すように、切断予定線Xにて縦方向に切断することにより、2列の熱収縮性積層フィルム5を得ることができる所定幅のベースフィルム原反20を準備する。つまり、このベースフィルム原反20は、後述する各工程を経た後、幅方向略中央部の切断予定線Xで長手方向(縦方向)に切断することにより、2列の熱収縮性積層フィルム5,5を得ることができるものである。
このベースフィルム原反20の裏面のうち、切断予定線Xを挟んだ幅方向中央部に於ける所定幅(センターシール用の貼着部41の約2倍幅)を除き、白色インキなどをベタ状に印刷することにより内面印刷層8を設ける。
尚、内面印刷層8を設けた後、通常、ベースフィルム原反20は、一旦ロール状に巻き取られ、下記積層工程に移行されるが、この点、図示しない。また、下記不織布原反30や、積層フィルム原反50などについても、必要に応じて、工程毎にロール状に巻き取られることがあるが、この点、図示及び説明を省略することがある。
(不織布原反作製工程)
他方、同様に2列の熱収縮性積層フィルム5を得ることができる不織布原反30を準備し、この不織布原反30の裏面に、公知のエンボスロールを押し当て、不織布原反30の裏面にエンボス加工を施すことにより上記凹凸を形成する。
エンボスロールの押圧力、不織布の種類などによっては、裏面に形成した凹凸が不織布原反30の表面に浮き出て、不織布原反30の表面に少し凹凸が形成されることがある。このような場合には、周面が鏡面状に形成された平坦ロールを不織布原反30の表面に押し当て、不織布原反30の表面に生じた凹凸を平坦状に均すことが好ましい。
かかる工程を経ることで、裏面が凹凸状に形成され且つ表面が平坦状に形成された不織布原反30を得ることができる。
該不織布原反30は、その幅が後述する積層工程に於ける接着剤層6の塗布幅と略一致するように、一側端部又は両側端部を長手方向に切り取って除去することで、幅調整が行われる。尚、この幅調整は、エンボス加工前に行うこともできる。
(積層工程)
次に、ベースフィルム原反20の表面のうち、図6に示すように、ベースフィルム原反20の両側縁から所定幅Wの領域をそれぞれ除いて、接着剤を塗工して接着剤層6を形成する。接着剤の塗工は、グラビア印刷などの公知の印刷法にて行うことができる。
そして、該接着剤層6の表面に、不織布原反30の裏面を貼り合わせ、ベースフィルム原反20の表面に不織布原反30を積層接着することにより、積層フィルム原反50を作製する。
得られた積層フィルム原反50の表面の両側には、ベースフィルム露出面21が形成されている。また、積層フィルム原反50の裏面の中央部には、センターシール用の貼着部41の約2倍幅に相当するベースフィルム原反20の裏面が露出している。
尚、上記積層方法は、予め幅調整の行われた不織布原反30を用いるが、予め所定幅に形成されていない不織布原反30を用いることも可能である。
具体的には、上記積層工程に於いて、幅未調整の不織布原反30を、接着剤層6に貼り合わす直前に、接着剤層6の幅と略同幅となるように、不織布原反30の両側端部をカッターで長手方向に切断除去し、切断された不織布原反30の両側縁が接着剤層6の両側縁に略重なるように貼り合わせる。このように不織布原反30を、貼り合わせる直前に切断することにより、不織布原反30の貼り合わせ位置を調整し易いという利点がある。
また、かかる積層方法に代えて、予め所定幅に形成されていない不織布原反30を、接着剤層6に重なるように貼り合わせ、その後、接着剤層6の両側縁からはみ出ている不織布原反30の両側端部(非接着部分)を、カッターなどで除去してもよい。
(印刷工程)
上記積層フィルム原反50の表面のうち、図7(a)に示すように、両側端部の所定幅(センターシール用の貼着部41の幅)を除いて、フレキソ印刷版などの凸版9を用いて、ベースフィルム露出面21及び不織布原反30の表面の両面に意匠印刷層7を同時に印刷する。この凸版9は、弾性変形可能なゴム製の凸版で、同図(b)に示すように、ベースフィルム露出面21に対応する部分には、高精度意匠表示を含む意匠表示を印刷できる凸部91(画線部)が刻設されており、不織布原反30の表面に対応する部分には、低精度意匠表示を含む意匠表示を印刷できる凸部92(画線部)が刻設されている。
尚、同図(a)は、不織布原反30を含む積層フィルム原反50の厚く表しているため、凸版9の表面がベースフィルム露出面21から離れているが、実際は、不織布原反30などは非常に薄く、これに対して凸版9は非常に大きいものである。
上記のように凸版印刷法にて印刷することにより、ベースフィルム露出面21と不織布原反30の表面の両面同時に、良好な意匠表示を印刷することができる。
すなわち、積層フィルム原反50は、ベースフィルム原反20の表面の一部に不織布原反30が積層接着されているので、ベースフィルム露出面21と不織布原反30の境界線(上記では、不織布原反30の両側縁)に於いて、不織布原反30の厚み分だけ高低差が生じている。従って、グラビア印刷などの凹版印刷では、画線部である凹部に詰められたインキが不織布原反30の表面に付着しても、不織布原反30の厚み分だけ凹版と離れているベースフィルム露出面21には、凹部のインキが付着し難い。従って、凹版印刷の場合には、ベースフィルム露出面21に美麗な印刷を施せないため、ベースフィルム露出面21と、不織布原反30の表面とを、別個に印刷しなければならない。
この点、凸版印刷の場合には、凸版9の印圧によって、同図(b)に示すように、凸版9の凸部のうち、不織布原反30の表面に接する凸部92が僅かに変形して高低差を吸収するので、ベースフィルム露出面21に対応する凸版の凸部91がベースフィルム露出面21に接する。よって、凸版印刷にて行うことにより、高低差のあるベースフィルム露出面21と不織布原反30の表面に、その幅方向に、意匠表示を同時に且つ美麗に印刷することが可能となる。
凸版印刷にて印刷する場合であっても、ベースフィルム露出面21と不織布3の表面の高低差はできるだけ小さいことが好ましく、この観点からすれば、不織布3は、300μm以下程度が好ましく、更に、200μm以下程度のものが好ましい。
尚、繊維が絡み合った不織布3の表面は、完全な平滑面ではないので、不織布3表面への印刷は、凸版印刷が良い。
尚、上記意匠表示を印刷する際には、同図(c)に示すように、切断予定線Xを切断することで得られる左右一対の熱収縮性積層フィルム5,5の意匠表示が、左右の積層フィルム5,5で、それぞれ上下逆向きになるように印刷される。
次に、この意匠印刷層7の上に重ね塗りするように、オーバーコート層をベタ状に設け、該積層フィルム原反50を切断予定線Xにて長手方向に切断することにより(但し、幅調整のため、必要に応じて、ベースフィルム原反20の両側縁から所定幅を長手方向に切断する場合もある)、同一の2列の熱収縮性積層フィルム5,5が得られる。かかる切断工程後、得られた熱収縮性積層フィルム5は、ロール状に巻き取られて積層フィルムロールの態様で、保管、運搬などに供される。
そして、2列同時に作製された熱収縮性積層フィルム5のうち、一方の熱収縮性積層フィルム5については印刷方向が上下逆になっているため、巻き直しを行うことにより、同じ印刷向きに巻き取られた同一の積層フィルムロールが得られる。
尚、上記製法では、2列同時に作製する方法を例示したが、例えば、4列同時に作製することもできる。4列同時に作製する場合には、上記2列同時作製で用いたベースフィルム原反の略2倍幅の原反を用い、以下同様にして作製すればよい。
(筒状ラベル作製工程)
上記積層フィルムロールは、センターシール装置に装填される。センターシール装置に於いては、該ロールから熱収縮性積層フィルム5を引き出し、不織布3を外側にして筒状にしつつ熱収縮性積層フィルム5の一側端部5aの裏面又は他側端部5bの表面に、溶剤又は接着剤を長手方向に塗工し、一側端部5aの裏面と他側端部5bの表面とを重ね合わせてすることにより筒状ラベル連続体が作製される。この筒状ラベル連続体は、通常、ロール状に巻き取られる。
(容器装着工程)
最後に、この筒状ラベル連続体ロールは、シュリンクラベラーに装填される。このシュリンクラベラーに於いては、筒状ラベル連続体を繰り出しながら所定長さ位置で幅方向に切断することにより、筒状ラベル1を作製し、続いて、これを容器胴部などに外嵌挿する。そして、この外嵌済み容器は、シュリンクトンネルなどのシュリンクゾーンに導かれ、筒状ラベル1を熱収縮させることにより、筒状ラベル1が容器の胴部などに装着されたラベル付き容器が得られる。
上記熱収縮性積層フィルム5は、ベースフィルム2に対する接着面である不織布3の裏面が、凹凸状に形成されているので、不織布3の裏面の突出面32がベースフィルム2の表面に接着する。従って、不織布3の裏面の凹み部31がフィルム2に対して非接着又は弱接着となって収縮し易く、該熱収縮性積層フィルム5を加熱した際、ベースフィルム2の熱収縮によって不織布3が良好に追従収縮し、良好な収縮仕上がりとなる。
また、上記熱収縮性積層フィルム5は、不織布3の表面が実質的に平坦状に形成されているので、該不織布3の表面に印刷された意匠表示を美麗に表すことができる。
かかる熱収縮性積層フィルム5を、不織布3を外側にして筒状に成形した筒状ラベル1は、加熱収縮時に、不織布3がベースフィルム2から不均一に剥離する等して不織布3に皺が生じず、良好な装着仕上がりを以て容器胴部などに装着できる。
特に、ベースフィルム2の裏面には、滑り性に優れた内面印刷層8が設けられているので、筒状ラベル1の装着仕上がりが良好となる。すなわち、ベースフィルム露出面21が形成された熱収縮性積層フィルム5を用いた筒状ラベル1は、センターシール部4を除いて、不織布3が積層された領域と、不織布3が積層されていない領域(ベースフィルム露出面21に相当する領域)とを有する。この筒状ラベル1を加熱すると、不織布3が積層されていない領域は、不織布3が積層された領域よりも早く熱収縮する。この収縮時間差によって、筒状ラベル1の内面のうち、不織布3が積層されていない領域が、先ず容器に密着する。この不織布3が積層されていない領域に対応する内面が、容器に対して滑り難いものであると、筒状ラベル1の動きが制限され、遅れて収縮する不織布3が積層された領域は略均一に熱収縮できず、例えば、不織布3の他側縁3b近傍(ベースフィルム露出面21と不織布3の境界部分)で、皺が生じる。この点、上記のように、滑り性に優れた内面印刷層8が設けられていることにより、不織布3が積層されていない領域が、容器に対して円滑に動き、加熱収縮時の皺の発生を防止できる。
但し、径差の大きい部分を有する容器に筒状ラベル1を装着した場合、容器の径差の大きい部分に対面する領域は、大きく熱収縮する(例えば、飲料用PETボトルなどのボトル型容器の場合、筒状ラベル1の上方側が大きく熱収縮する)。このため、この領域に於いては、不織布3が収縮して分厚くなり、皺が生じたように見えることもあるが、細かな皺が均一に分布するため、仕上がり不良になり難い。
次に、本発明の変形例を示す。以下、主として上記各実施形態と異なる部分を説明し、同様の構成については、明細書及び図面に於いて、用語及び図番を援用し、その説明を省略することがある。
上記実施形態では、ベースフィルム露出面21は、ベースフィルム2の他側縁2bから所定幅W内側に寄った領域に形成されているが、例えば、図8(a)に示すように、ベースフィルム2の幅方向中央部に不織布3を積層することで、ベースフィルム2の両側領域にベースフィルム露出面21,21が形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、ベースフィルム露出部21は、熱収縮性積層フィルム5の縦方向に帯状に設けられているが、例えば、同図(b)に示すように、一部分が窓状に切り抜かれた不織布3をベールフィルム2に積層接着することにより、熱収縮性積層フィルム5の表面に窓状のベースフィルム露出面21を形成することもできる。
また、上記実施形態では、ベースフィルム露出面21が形成されているため、高精度意匠表示を正確に表すスペースが確保できるので好ましいが、本発明の熱収縮性積層フィルム5及び筒状ラベル1は、ベースフィルム露出面21が形成されていない態様に変更することもできる。この場合に於いても、センターシール用の貼着部41を確保するため、ベースフィルム2の表面の他側端部5bには、不織布3を積層しないことが好ましい。もっとも、筒状ラベル1を成形する際、センターシール部4を適当な接着剤で接着したり、センターシール部4をテープ貼りで形成する等の手段を採用することもできるから、かかる筒状ラベル1に用いる熱収縮性積層フィルム5は、他側端部5bを含むベースフィルム2の表面全体に不織布3が積層接着されているものでもよい。また、センターシール部4を適当な接着剤で接着したり、テープ貼りなどで形成する場合には、ベースフィルム2の一側端部5aや他側端部5bに、センターシール用の貼着部41としてベースフィルム2を露出させず、この貼着部41に内面印刷層8や意匠印刷層7を設けてもよい。
また、上記実施形態では、滑り成分を含む内面印刷層8が、ベースフィルム2の裏面の略全体に設けられているが、例えば、ベースフィルム2の裏面のうち、少なくともベースフィルム露出面21に対応する裏面に、滑り成分を含む内面印刷層8が設けられた態様に変更することもできる。かかる変形例の態様でも、収縮時間差に起因する皺の発生を防止できる。
尚、本発明の熱収縮性積層フィルム5は、熱収縮性筒状ラベル1として使用される用途に限られず、ラベル内側に感熱性接着剤層を有する熱収縮性巻付け感熱ラベルや、オーバーラップフィルムなどの他の用途に用いることもできる。
また、本発明の筒状ラベル1は、飲料容器やボトル型容器に装着される用途に限られず、従来公知のものに適宜装着することができる。さらに、筒状ラベル1は、その不織布の断熱性から、断熱が求められる容器などに装着することが好ましいが、特に、このような用途に限定されるものではない。
(a)は、本発明の熱収縮性筒状ラベルの一実施形態を示す参考斜視図、(b)は、同筒状ラベルを上側から見た参考上面図。 図1のA−A線断面図。但し、オーバーコート層は省略している(以下、同様)。 本発明の熱収縮性積層フィルムの一実施形態を示す中央部省略斜視図。尚、幅方向断面を併せて示す。 同熱収縮性積層フィルムに用いられる不織布を示し、(a)は、その不織布を裏面側から見た一部省略背面図、(b)は、同B−B線断面図。 同熱収縮性フィルムの製造工程を示し、(a)は、内面印刷層を印刷したベースフィルム原反を表面側から見た一部省略平面図、(b)は、同フィルム原反を上側から見た上面図。 同熱収縮性フィルムの製造工程を示し、(a)は、更に、不織布を積層したベースフィルム原反を表面側から見た一部省略平面図、(b)は、同フィルム原反を上側から見た上面図。 同熱収縮性フィルムの製造工程を示し、(a)は、ベースフィルム原反に不織布が積層されてなる積層フィルムの表面に、凸版によって意匠印刷を施す状態を参考的に表した参考上面図、(b)は、同(a)の丸囲いC部分の拡大断面図、(c)は、意匠印刷層が設けられた積層フィルムを表面側から見た一部省略平面図。 (a)、(b)共に、他の実施形態に係る熱収縮性積層フィルム(筒状ラベル用に矩形状に裁断されているもの)を表面側から見た平面図。尚、便宜上、不織布が積層されている部分を薄塗りで表している。
符号の説明
1…熱収縮性筒状ラベル、2…ベースフィルム、2a…ベースフィルムの一側縁、2b…ベースフィルムの他側縁、20…ベースフィルム原反、21…ベースフィルム露出面、3…不織布、3a…不織布の一側縁、3b…不織布の他側縁、30…不織布原反、31…凹み部、32…突出面、4…センターシール部、5…熱収縮性積層フィルム、5a…熱収縮性積層フィルムの一側端部、5b…熱収縮性積層フィルムの他側端部、50…積層フィルム原反、6…接着剤層、7…意匠印刷層、8…内面印刷層、9…凸版、91,92…凸部、W…ベースフィルム露出部の幅、W1…他側端部のセンターシール用貼着部の幅、H…凹み部の深さ、X…切断予定線

Claims (2)

  1. 熱収縮性を有するベースフィルムの表面に、不織布の裏面が接着剤を介して積層接着されている熱収縮性積層フィルムに於いて、
    不織布は、その裏面が凹凸状に形成され、且つ表面が実質的に平坦状に形成されており、不織布の表面に意匠印刷が施されていることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
  2. 請求項1記載の熱収縮性積層フィルムを、不織布を外側にして筒状に成形していることを特徴とする熱収縮性筒状ラベル。
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