JP2003251918A - インクジェット記録用シートおよびラベル - Google Patents

インクジェット記録用シートおよびラベル

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JP2003251918A
JP2003251918A JP2002054311A JP2002054311A JP2003251918A JP 2003251918 A JP2003251918 A JP 2003251918A JP 2002054311 A JP2002054311 A JP 2002054311A JP 2002054311 A JP2002054311 A JP 2002054311A JP 2003251918 A JP2003251918 A JP 2003251918A
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Japan
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recording sheet
layer
ink
absorbing layer
ink absorbing
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Application number
JP2002054311A
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English (en)
Inventor
Sueaki Senoo
季明 妹尾
Akitoshi Kajiwara
明敏 梶原
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク吸収性に優れ、また保存中に黄変化する
ことのないインクジェット記録シート、並びに抗菌性を
有するインクジェット記録ラベルを提供することであ
る。 【解決手段】無機顔料を主体とするインク吸収層、また
は光沢発現層中に、少なくとも1種のトロポロン化合物
類を含有したインクジェット記録シートによって達成さ
れる。トロポノイドとして、トロポロン誘導体よりもヒ
ノキチール誘導体が好ましい。インク吸収層、または、
光沢発現層中には、無機酸、または有機酸を併用すると
効果的である。さらに、インク吸収層の反対面に、トロ
ポノイドを含有した下塗り層を設け、その上に粘着層を
設けたインクジェット記録ラベルは、黄変化抑制効果だ
けでなく、優れた抗菌性も有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式を利用したプリンタやプロッタに使用される記録
シートに関するものであり、保存中に記録シートが黄変
化することを抑制したインクジェット記録シートに関す
る。また、抗菌性を有するインクジェット記録ラベルに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンタやプロッ
タの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高精細
な画像が容易に得られるようになってきた。
【0003】最近では、銀塩写真の画像に匹敵する高精
細な画像を出力できるインクジェットプリンタ等が安価
で市販されている。インクジェット記録シートは、銀塩
写真方式と比べ同品質の画像が得られながら非常に安価
であることから、大面積の画像が必要な電飾看板や商品
見本等で表示画像を頻繁に取り替える利用者にとって経
済的に大きなメリットがある。また、最近一般的になっ
てきたパーソナルコンピュータ上で画像を作成し、これ
をプリントアウトを見ながら配色やレイアウトを訂正す
ることは従来の銀塩写真方式では全く無理であったがイ
ンクジェット記録ではこのような操作が気軽にできると
いう長所もある。
【0004】インクジェットプリンタやプロッタの利用
分野として、最近、特に注目されているものとしては、
写真に近い画質が要求される印刷分野におけるカラー版
下の作製やデザイン部門でのデザインイメージのアウト
プット等のフルカラー画像記録等である。また、デジタ
ルカメラの普及からパーソナル分野に於いても、デジタ
ル画像情報の出力機としてインクジェットプリンタが広
く用いられている。
【0005】高画質で高いインク吸収性を有するインク
ジェット記録シートとして、例えば特開昭57−157
786号公報、特開昭60−232990号公報、特開
昭60−204390号公報、特開平2−198889
号公報等に記載されているが如く、無機顔料を有する多
孔質層を用いる方法が開示されている。
【0006】しかしながら、この様な多孔質な無機顔料
を有するインク吸収層をもったインクジェット記録シー
トは、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂
等からなるファイルに保存したり、テープ、糊、プリン
タのプラテンゴムロール等に長時間接触させると、記録
シートの白紙部分が黄変化する。
【0007】黄変化を抑制する方法として、特開平8−
118791号公報にはリン系酸化防止剤をインク吸収
層中に胆持させたインクジェット記録シートが、また、
特開平6−286297号公報、特開平6−31614
5号公報には鎖式多価カルボン酸や芳香環を有する有機
酸を含有する多孔質インク吸収層によって黄変化を抑制
する方法が、特開平7−314881号公報には尿素誘
導体、セミカルバジド誘導体、カルボヒドラジド誘導体
およびヒドラジン誘導体を含有する多孔質インク吸収層
によって黄変化を抑制する方法が、特開平7−3148
83号公報にはチオ尿素誘導体、チオセミカルバジド誘
導体およびチオカルボヒドラジド誘導体を含有する多孔
質インク吸収層によって黄変化を抑制する方法が開示さ
れている。
【0008】しかし、黄変化の抑制は未だ不十分であ
る。また樹脂製ファイル中に保存しなくても、インクジ
ェット記録シートは紫外線や活性酸素の存在によって白
紙部分が変色し黄変化するなど、インクジェット記録シ
ートの保存性の改良が要望されている。
【0009】一方、特開平8−300807号公報に
は、四級アンモニウム塩基を有するポリマーからなるイ
ンク吸収層に亜硝酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩またはチ
オ硫酸塩を含有するインクジェット記録シートが、特開
平10−67170号公報には、無機チオ硫酸塩、トリ
チオン酸塩、テトラチオン酸塩もしくは有機チオ硫酸塩
を含有するポリマーからなるインク吸収層をもったイン
クジェット記録シートが開示されている。
【0010】特開平8−300807号公報や特開平1
0−67170号公報は、インクジェット記録された画
像部分の耐光性を改善したインクジェット記録シートで
あり、無機顔料を主体とする多孔質なインク吸収層をも
った記録シートで発生する白紙部分の黄変化については
何ら記載なく、記録シート自身の保存性に関しては全く
考慮されていない。
【0011】さらに、ニーズの多様化に伴って、インク
ジェット記録方式で印字された記録シートが、価格表示
用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示
用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステ
ッカー)等のラベル用途として使用することが増加して
いる。特に、バーコード用ラベルでは、インクジェット
シートの高鮮鋭性が活かせるし、広告宣伝用ラベルで
は、鮮鋭性や色彩性に優れていることから良好な画像を
得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものとなる。
さらに、パーソナルコンピュータレベルで、鮮鋭性や色
彩性といった画像再現性や色再現性に優れた画像を簡単
に得ることが可能であることもインクジェット記録シー
トが多用される理由でもある。特に、ラベルは、広い範
囲の被着体に良く接着し、貼り付け作業が簡単なため、
多くの分野で使用されており、ラベルの特徴とインクジ
ェット記録シートの良好な画像を得ることが可能である
という特徴を組み合わせた用途が広がりつつある。
【0012】インクジェット記録ラベルは、裏面に粘着
層を設けて、ポスター、壁紙等、掲示物として室内、ま
たは屋外に貼られることがある。特に室内では、キチン
等比較的高湿度雰囲気下で使用される場合、粘着層、お
よび紙支持体が水分を吸収して、空気中を漂う黴等が表
面あるいは、粘着層と壁の境界面等に付着して、環境に
より繁殖して見苦しくなり、実用性が失われることが多
かった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、保存
性に優れたインクジェット記録を提供することである。
特に、クリアーファイルなどの樹脂製のファイル材中に
保存した時に発生する黄変化を抑制したインクジェット
記録シートを提供することである。さらには、ラベルと
して使用した場合に、抗菌性が高いインクジェット記録
ラベルを提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の課題を解決する
ために鋭意検討した結果、支持体上に少なくとも1層の
多孔質なインク吸収層を有するインクジェット記録シー
トに於いて、該インク吸収層が少なくとも1種の無機顔
料と、少なくとも1種類のトロポノイドを含有するイン
クジェット記録シートによって達成された。また、支持
体上に少なくとも1層の多孔質なインク吸収層、さらに
その上に光沢発現層を設けたインクジェット記録シート
に於いて、該光沢発現層に少なくとも1種類のトロポノ
イドを含有するインクジェット記録シートであり、該イ
ンク吸収層に少なくとも1種類のトロポノイドを含有す
ることが好ましい。該トロポノイドが、ヒノキチオール
誘導体であると好ましい。該光沢発現層、または該イン
ク吸収層に、少なくとも無機酸、または有機酸が含まれ
ているとさらに好ましい。さらに、本発明の別な態様と
しては、請求項1〜6いずれか1項記載の該インクジェ
ット記録シートのインク吸収層を設けた反対面に、トロ
ポノイドを含有する下塗り層、さらにその上に粘着層を
設けたインクジェット記録用ラベルである。
【0015】好ましい態様は、該インク吸収層中の無機
顔料の含有量が、インク吸収層の単位面積当たり塗工量
の50質量%以上である。更に好ましい態様は、該無機
顔料が多孔質シリカである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。
【0017】本発明は、保存中に白紙部分が黄変化する
現象を抑制したインクジェット記録シートを提供するも
のである。
【0018】紙や布が保存中に黄変化することは、V.
Mailly等、Tappi Journal、80
(5)、176(1997)に記載されているが如く、
原因の1つとしてフェノール系化合物が関与している。
インクジェット記録シートが保存中に白紙部分が黄変化
する現象は、インク吸収層中にクリアファイルなどの樹
脂製ファイルの材料中に含まれる、例えば2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メチルフェノールなどのフェノ
ール系酸化防止剤が、揮発ないし拡散し吸着されキノン
構造を有する化合物となり着色変化すると考えられてい
る。
【0019】また、インクジェット用紙を含めふつうの
白紙や白布は可視部短波長領域(400〜450nm)
に弱い吸収があり、淡黄色を帯びている。一般に、白紙
や白布は蛍光増白剤を添加することによって紫外線領域
の光を吸収し、前記波長周辺に紫青色から青緑色の蛍光
を発して黄色みを打ち消し、輝くような白さを呈するよ
うにしている。
【0020】蛍光増白剤の多くは、紫外線、活性酸素存
在および酸性条件下で容易に分解する。蛍光増白剤によ
って白さを維持していた記録シートは、蛍光増白剤の分
解によって変色し黄変化する。
【0021】本発明者らは鋭意検討した結果、樹脂製フ
ァイル材に保存して場合や、蛍光増白剤の影響による黄
変化を共に抑制することができた。
【0022】本発明に用いられる無機顔料は、インクを
吸収する多孔質な材料が好ましく、例えば軽質炭酸カル
シウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオ
リン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化
チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチオンホワ
イト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ(乾式法シリ
カ、湿式沈殿法シリカ、湿式ゲル法シリカ等)、コロイ
ダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマ
イト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加
水ハロイサイト、水酸化マグネシウムなどの粒子を挙げ
ることができる。
【0023】本発明に用いられる無機顔料は、合成非晶
質シリカ(乾式法シリカ、湿式沈殿法シリカ、湿式ゲル
法シリカ等)がより好ましい。多孔質な合成非晶質シリ
カは細孔容積が大きく、合成非晶質シリカからなるイン
ク吸収層はインク吸収性に優れる。
【0024】本発明に用いられる合成非晶質シリカは、
比表面積が200m2/g以上であることが好ましい。
比表面積が200m2/g以上の合成非晶質シリカから
なるインク吸収層は、特に印字部分の画像濃度や色再現
性に優れている。
【0025】ここで、本発明のいう比表面積は、BET
法により測定された比表面積である。BET法は気相吸
着法による粉体の表面測定法の1つであり、吸着等温線
から1gの試料のもつ総表面積、即ち比表面積あるいは
比重面積を求める方法である。通常用いられる吸着気体
としては窒素ガスであり、吸着量を被吸着気体の圧、ま
たは容積の変化から測定する方法が最も多く行われてい
る。
【0026】本発明に係るインク吸収層は、無機顔料を
主成分としている。インク吸収層単位面積当たりに無機
顔料が50質量%以上であることが好ましい。より好ま
しくは、60質量%以上90質量%以下である。あまり
少ないと十分なインク吸収性が得られず、90質量%を
超えるとインク吸収層が脆くなる傾向を示す。
【0027】無機顔料を主体とするインク吸収層は、多
孔質であり優れたインク吸収性を有する反面、白紙部分
が黄変化し易い傾向を示す。多孔質な表面ではファイル
材から揮発ないし拡散するフェノール系化合物の吸着が
容易であり、またインク吸収層中にて酸化反応進行も受
け易く、フェノール系化合物の酸化や、含有する蛍光増
白剤の分解も容易に進行する。従って、ゼラチンやセル
ロース類を主体とする高分子層をインク吸収層とする記
録シートに比べて、多孔質なインク吸収層は黄変化し易
い傾向を示す。
【0028】本発明に係るトロポノイドは、不飽和7員
環の構造を有する、非ベンゼン系芳香族化合物であり、
トロポロン誘導体、ヒノキチオール誘導体等が挙げられ
る。トロポロン誘導体としては、例えば、3−ブロムト
ロポロン、3,7−ジブロモトロポロン、5−ニトロト
ロポロン、5−p−トリルアゾトロポロン等が挙げられ
る。また、ヒノキチオール誘導体としては、5−フェニ
ルアゾヒノキチオール、5−p−トリルアゾヒノキチオ
ール、7−ブロモヒノキチオール、5,7−ジニトロヒ
ノキチオールが挙げられる。本発明に用いられるトロポ
ノイドとしては、ヒノキチオール化合物が好ましい。ヒ
ノキチオールの方が、黄変化抑制効果に優れる。
【0029】本発明に用いられるトロポノイドは、通
常、無機顔料と共に分散し、粉砕され微粒子として使用
されるが、粒子径が1μm以下であれば、特に限定され
ない。また、必要にに応じてトロポノイドを内包するカ
プセルを使用する方法も可能である。マイクロカプセル
は一般に下記方法で調整できる。溶剤及び/または可塑
剤を内包するマイクロカプセルとは、水及び溶剤及び/
または可塑剤の両方に不溶な高分子物質よりなる、溶剤
および/または可塑剤を内包する1μm〜数十μmの微
小粒子である。壁材としてはゼラチン−アラビアゴムの
ようなポリカチオンとポリアニオンの組み合わせによる
ものや、ポリイソシアネート−ポリアミン、尿素−ホル
マリン、メラミン−ホルマリンのような縮合系組成物の
組み合わせによるものや、無機化合物をカプセル壁材と
して用いる徐放性マイクロカプセル等が用いられる。こ
のようなマイクロカプセルの製造方法としては、コアセ
ルベーション法、界面重合法、インサイチュ(in s
itu法)などがある。
【0030】本発明のトロポノイドは、インク吸収層中
に0.05質量%〜20質量%で含有することが好まし
い。好ましくは、0.5質量%〜10質量%、特に好ま
しくは、1.0〜5.0質量%である。インク吸収層に
含まれるトロポロン化合物類は、単独でも2種類以上の
組み合わせでもよい。インク吸収層中に含まれるトロポ
ロン化合物類の含有量が、0.05質量%に満たない場
合は黄変化抑制効果が不十分であり、20質量%を超え
るとインク吸収層の塗膜強度が低下する。
【0031】本発明のインクジェット記録シートは、更
に、インク受理層中に、種々の酸類を添加すると好まし
い。このような酸類としては、蟻酸、酢酸、グリコール
酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、
安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グ
ルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタ
ミン酸、ピメリン酸およびスベリン酸等の有機酸や、塩
酸、硝酸および燐酸等の無機酸などを挙げることができ
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】これら各種酸類を添加する方法としては、
これらの酸を適当な溶媒に溶解した溶液にインク受理層
を浸漬する方法、インク受理層に酸の溶液をスプレー等
で付与する方法、あるいは、あらかじめインク受理層を
形成させる原料に混合させておく方法等があるが、本発
明はこれらに限定されるものではない。特に、インク受
理層をこれらの酸の溶液に浸漬する方法やインク受理層
にスプレー等で付与する方法は、インク受理層の細孔構
造を変化させずに表面pHを調整できるので好ましい。
【0033】本発明に係るインク吸収層の好ましい態様
においては、インク吸収層が蛍光増白剤を有する。蛍光
増白剤としては、特開平7−68920号公報に記載さ
れている、例えばピレン誘導体、クマリン誘導体、オキ
サゾール誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾール誘導
体、イミダゾロン誘導体、ピラゾリン誘導体、ベンジジ
ン誘導体およびスチルベン誘導体などを挙げることがで
きる。好ましい蛍光白色剤としてはビス(トリアジニル
アミノ)スチルベンジスルホン酸塩誘導体である。蛍光
増白剤は、例えば、日本曹達(株)よりKaycoll
シリーズ、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)よ
りUvitexシリーズ、住友化学工業(株)よりWh
itexシリーズ、バイエル(株)よりBlankop
horシリーズなどの商品名にて種々誘導体が市販され
ている。
【0034】本発明に用いられる蛍光増白剤は、インク
吸収層中に0.01質量%以上10質量%以下を含有す
ることが好ましい。蛍光増白剤の含有量が0.01質量
%に満たない場合は、記録シートが十分な白色性を得ら
れない。一方、10質量%を超える場合は、蛍光増白剤
による着色が問題になるばかりか、インク吸収層のイン
ク吸収性が阻害される。
【0035】本発明にかかるインク吸収層は、バインダ
ーを含有してもよい。バインダーとしては、酸化澱粉、
エーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉などの澱粉誘導
体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチ
ン、大豆蛋白質、ポリビニルアルコールまたはその誘導
体、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブ
タジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテック
ス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの
重合体または共重合体のアクリル系重合体ラテックス、
エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラ
テックス、あるいはこれら各種重合体のカルボキシ基等
の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテック
ス、あるいはこれら各種重合体にカチオン基を用いてカ
チオン化したもの、カチオン性界面活性剤にて重合体表
面をカチオン化したもの、カチオン性ポリビニルアルコ
ール存在下で重合し重合体表面に該ポリビニルアルコー
ルを分布させたもの、カチオン性コロイド粒子の懸濁分
散液中で重合を行い、重合体表面に該粒子が分布してい
るものなど、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチ
ラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂などである。
【0036】インク吸収層中に含まれるバインダー量
は、無機顔料100質量部に対し5質量部以上70質量
部以下、好ましくは10質量部以上50質量部以下であ
る。5質量部に満たない場合はインク吸収層の物理的強
度が得られず、70質量部を超えるとインク吸収性が低
下する。
【0037】また、インク吸収層中には必要に応じて分
散剤、増粘剤、流動性改質剤、消泡剤、抑泡剤、離型
剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、硬膜剤、耐水化
剤、染料定着剤、顔料定着剤などを添加してもよい。
【0038】本発明にかかるインク吸収層は、支持体上
に各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイ
フコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、
カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズ
プレス等の各種装置を用い、オンマシンあるいはオフマ
シンで塗設される。
【0039】該インク吸収層の塗工量は、適用する顔料
やバインダーの種類および量によって異なるが、2g/
2以上、好ましくは5g/m2以上40g/m2以下で
ある。
【0040】該インク吸収層を塗工、乾燥後、平坦化を
目的としてマシンカレンダー、TGカレンダー、ソフト
カレンダー、スーパーカレンダー等のカレンダー装置を
オンマシンあるいはオフマシンで使用してもよい。平坦
化をすることにりインクジェット記録シートの光沢が高
まるために好ましい。しかし、平坦化のために過度のカ
レンダー処理を施した場合、インク吸収層中の細孔容量
が著しく低下し、インク吸収性が低下する傾向を示す。
【0041】本発明のインクジェット記録シートは、光
沢を高める目的でインク吸収層上に光沢発現層を設けて
もよい。光沢発現層を設ける方法は、特開昭63−26
5680号公報や特開平11−11011号公報などに
記載されているが如くキャストコーティング法が好まし
い。キャストコーティング法は、光沢発現層が湿潤状態
にある間に加熱された鏡面ロールに圧接し乾燥する方法
であり、一般に印刷用キャストコート紙と同じ方法であ
る。キャストコーティング法に係る鏡面ロールの表面粗
度、直径、圧接時の圧力および塗工速度は市販のキャス
トコート紙の製造方法と同様に適宜選択できる。
【0042】キャストコーティング法には、直接法、凝
固法および再湿潤法(リウェット法)などがある。直接
法は、光沢発現層を塗工後、未乾燥状態(湿潤状態)で
加熱された鏡面ロールに圧接し乾燥する方法である。凝
固法は、光沢発現層を塗工後、未乾燥の状態にある該層
を凝固液によって凝固させ、加熱された鏡面ロールに圧
接し乾燥する方法である。再湿潤法は、光沢発現層を塗
工し乾燥後、水を主体とする湿潤液によって該層を再湿
潤させ、加熱された鏡面ロールに圧接し乾燥する方法で
ある。
【0043】本発明に係る光沢発現層には、顔料あるい
は粒子を単独ないし適宜組み合わせて用いることができ
る。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜
鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケ
イソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非
晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、
アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リト
ポン、ゼオライト、加水ハロサイトおよび水酸化マグネ
シウムなどの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメ
ント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレ
ン、ポリウレタン、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機
粒子などをである。好ましくはアルミナ水和物あるいは
コロイダルシリカである。アルミナ水和物やコロイダル
シリカでは光沢発現層の透明性が高く、キャストコーテ
ィング後の光沢も高い。
【0044】本発明の光沢発現層においては、本発明の
トロポノイドを含有する。光沢発現層中に、0.05質
量%〜20質量%で含有することが好ましい。好ましく
は、0.5質量%〜10質量%、特に好ましくは、1.
0〜5.0質量%である。光沢発現層に含まれるトロポ
ノイドは、単独でも2種類以上の組み合わせでもよい。
インク吸収層中に含まれるトロポノイドの含有量が、
0.05質量%に満たない場合は黄変化抑制効果が不十
分であり、20質量%を超えると光沢発現層塗膜強度が
低下し、さらにインク吸収層と光沢発現層との層間強度
も低下することがあるので、好ましくない。また、本発
明のトロポノイドをさらに、インク吸収層にも添加する
と、効果はさらに向上する。
【0045】本発明に係る光沢発現層には、顔料あるい
は粒子以外にバインダーを含むことができる。例えば酸
化澱粉、エーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉などの澱
粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼ
ラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールまたはその誘
導体、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、ス
チレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−
ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテッ
クス、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重
合体または共重合体などのアクリル系重合体ラテック
ス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合
体ラテックス、あるいはこれら各種重合体のカルボキシ
基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテ
ックス、あるいはこれら各種重合体にカチオン基を用い
てカチオン化したもの、カチオン性ポリビニルアルコー
ル下で重合し重合体表面に該ポリビニルアルコールを分
布させたもの、カチオン性界面活性剤にて重合体表面を
カチオン化したもの、カチオン性コロイド粒子の懸濁分
散液中で重合し、重合体表面に該粒子が分布しているも
の、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体などである。
【0046】該光沢発現層中のバインダー量は、顔料あ
るいは粒子100質量部に対して、5質量部〜70質量
部、好ましくは10質量部〜50質量部である。5質量
部未満では光沢発現層の皮膜が形成し難い傾向となり、
70質量部を超えるとインク吸収性が低下する傾向を示
す。
【0047】該光沢発現層の塗工量としては、適用する
顔料ないし粒子やバインダーの種類ないし量によって異
なるが、2g/m2以上、好ましくは5g/m2以上30
g/m2以下である。
【0048】また、該光沢発現層には、その他の添加剤
として分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡
剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色剤、光安定剤、紫外
線吸収剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、架橋剤、イン
ク定着剤などを必要に応じて添加することができる。
【0049】本発明のインクジェット記録ラベルは、イ
ンク吸収層を設ける反対面に、トロポノイドを含有する
下塗り層を設け、さらにその上に粘着層を設ける。本発
明における下塗り層を支持体上に設ける方法としては、
デンプン、デンプン誘導体、ポリビニルアルコール等の
水溶性高分子の水溶液中に、トロポノイドを水溶性高分
子に対して、0.01質量%〜10質量%で含有するこ
とが好ましい。好ましくは、0.01質量%〜5質量
%、特に好ましくは、0.05〜2.0質量%である。
インク吸収層に含まれるトロポノイドは、単独でも2種
類以上の組み合わせでもよい。下塗り層中に含まれるト
ロポノイドの含有量が、0.01質量%に満たない場合
は抗菌性効果が不十分であり、10質量%を超えると下
塗り層の塗膜強度が低下する。さらにインク吸収層、も
しくは光沢発現層中にトロポノイドを添加すると黄変化
抑制効果ばかりでなく、抗菌性効果も相乗効果で発揮す
ることが可能である。
【0050】本発明の下塗り層は、従来公知のエアーナ
イフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレ
ードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、
ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコータ
ー、ショートドエルブレードコーター、サイズプレスな
どの各種装置により支持体上に塗工することができる。
また、下塗り層の塗工後には、マシンカレンダー、TG
カレンダー、スーパカレンダー、ソフトカレンダーなど
のカレンダー装置を用いて平滑化処理を行うこともでき
る。
【0051】本発明に係る粘着層は、以下に述べる剥離
紙の剥離剤塗布面に粘着剤を設け、粘着剤面と該記録シ
ートのインク受理層が塗設されていない面を重ねて、プ
レスロール等で圧着する方法が一般に行われるが、該記
録シートに粘着剤を先に塗布して、剥離紙と貼り合わせ
ても良い。該粘着剤には、ゴム系またはアクリル樹脂系
の粘着剤を用いることができる。ゴム系の主原料は天然
ゴムまたはスチレン・ブタジエンラバーであり、天然ゴ
ムでは、ロジン系樹脂や可塑剤なとが添加され、通常ノ
ルマルヘキサンを溶媒として塗工する。また、スチレン
・ブタジエンラバーを主原料とした場合は溶融して塗工
する。アクリル樹脂系においては、2−エチルヘキシル
アクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、アクリル酸、β−ヒドロキシエチルアクリレートな
どのアクリル系モノマーを重合して作る。重合の方法に
より、酢酸エチルやトルエンなどの有機溶媒を用いた
り、界面活性剤を用いて水中で乳化させながら重合した
エマルジョンタイプを用いることができる。
【0052】また、粘着剤の耐熱性や耐溶剤性等の物性
を向上させるために、上記原料に、イソシアネート系、
メラミン系、金属キレート系等の架橋剤を用いて架橋反
応させても良いし、シリカ、カオリン、クレー、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、メラミン樹脂粒子、澱粉粒子等の顔料を添加した
り、水溶性高分子、石油系樹脂、各種パラフィンワック
ス、脂肪酸又はその誘導体、高級アルコール類、金属石
鹸類、シリコーン類、さらには帯電防止剤、増粘剤、分
散剤、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤等を添加しても良
い。これらの粘着剤は、ラベル用インクジェット記録シ
ートの使用される用途に合わせた選択をすれば良い。
【0053】該粘着剤を設ける装置には、エアーナイフ
コータ、ブレードコータ、バーコータ、ロールコータの
他、スロットノズル、スロットダイ、ロータリースクリ
ーンプリンタ、グラビアコータ、オフセットグラビアコ
ータ、ホットメルトホイール、スパイラルスプレー等が
あり、粘着剤の種類及び塗布量、塗布した粘着剤にパタ
ーンを付与する必要性など、用途に合った選択を適宜行
えば良い。
【0054】また、剥離紙の基材としては、上質紙、ク
ラフト紙、グラシン紙、プラスチックフィルム等があ
り、これらの基材上に剥離剤として、シリコーン樹脂を
塗布する。紙系基材の場合には、基材に熱可塑性樹脂を
ラミネートし、平滑な面を得た方が剥離性が向上する。
シリコーン樹脂を紙系基材に直接塗布したものはダイレ
クトタイプ、紙基材上に熱可塑性樹脂をラミネートした
後に塗布したものはポリラミタイプ、プラスチックフィ
ルム上に直接塗布したものはフィルムタイプと呼ばれ、
それぞれの中から剥離紙として選択する基準は、インク
ジェット記録装置内で、剥離紙が搬送途中で剥がれるこ
とのない接着力を有すること、自動ラベラーによる貼り
付け時に、該ラベラーの剥離力以下の接着力であること
にある。従って、用途にあった剥離紙の選択をすれば良
く、さらに、カール適性の確保が必要な場合には、シリ
コーン樹脂を塗布した基材の反対面に裏面処理として、
熱可塑性樹脂をラミネートしたり、合成樹脂をコーティ
ングすることが好ましい。また、特殊な用途には、非シ
リコーン系の剥離剤を使用しても構わない。
【0055】本発明のインクジェット記録シートは、イ
ンクジェット記録する以外に記録時に液状であるインク
を使用する如何なる記録シートとして用いてもよい。例
えば、熱溶融性物質、染料、顔料などを主成分とする熱
溶融性インクを樹脂フィルム、高密度紙および合成紙な
どの薄い支持体上に塗布したインクシートを、その裏面
より加熱し、インクを溶融させて転写する熱転写記録用
受像シート、熱溶融性インクを加熱溶融して微小液滴化
し飛翔記録するインクジェット記録シート、油溶性染料
を溶剤に溶解したインクを用いたインクジェット記録シ
ート、光重合性モノマーおよび染料や顔料を内包したマ
イクロカプセルを用いた感光感圧型記録に対応した受像
シートなどが挙げられる。
【0056】これらの記録シートの共通点は、記録時に
インクが液体状態である点である。液状インクは、硬
化、固化または定着までに記録シートのインク吸収層の
深さ方向ないし水平方向に対して浸透ないし拡散する。
前記した各種記録シートは、各々の方法に応じたインク
吸収性を必要とし、本発明のインクジェット記録シート
を前記した各種方法の記録シートとして用いても何らか
まわない。
【0057】更に、複写機やプリンタなどに広く使用さ
れている電子写真方式のトナーを加熱定着する記録シー
トとして、本発明におけるインクジェット記録シートを
用いてもよいし、粘着剤層を設けてラベル用途に使用す
ることも可能である。
【0058】また、インク吸収層ないし光沢発現層は、
支持体の少なくとも片面に設けられるが、カールを防止
する等の目的で、支持体の両面に設けてもよい。
【0059】本発明のインクジェット記録シートの支持
体としては、例えば、 (1)ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ノル
ボルネン、ビニロン、ポリビニルアルコール、ナイロン
などの2軸延伸合成樹脂フィルムやこれら材料に顔料、
発泡剤などを含有して透明度を低下させた半透明2軸延
伸合成樹脂フィルム類。 (2)LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、P
GW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなど
の機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パル
プと従来公知の顔料を主成分として、バインダーおよび
サイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙
力増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長
網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各
種装置で製造された原紙類または、段ボール紙類。 (3)原紙に、澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサ
イズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それら
の上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャスト
コート紙などの塗工紙類。 (4)および、原紙、塗工紙にマシンカレンダー、TG
カレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を
用いて平滑化処理を施した原紙・塗工紙類。 (5)原紙、塗工紙の両面または片面に溶融押し出し法
などにて高密度、低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステルなどをコートしたレジンコート紙類。 (6)或いは、これら支持体の表面にコロナ放電処理、
火炎処理、プラズマ処理、アンカー層塗工処理などの易
接着性を改良したようなものを好適に用いることができ
る。 (7)これ以外にも、ゴム板、ガラス板、銅板、アルミ
板、蒸着紙、蒸着フィルム、布帛などを支持体とするこ
とができる。さらに、よりインク吸収性の高いインクジ
ェット記録シートを製造する目的で本発明のインクジェ
ット記録シートを支持体として用いることもできる。こ
れら支持体の坪量としては、通常50〜300g/m2
程度のものが用いられる。
【0060】本発明に用いられる支持体には、インク吸
収層ないし光沢発現層と支持体との接着性向上等の目的
でアンカー層を設けてもよい。アンカー層にはゼラチン
等の親水性バインダー、ブチラール樹脂等の溶剤可溶性
バインダー、また、ラテックス、顔料、界面活性剤等を
適宜組み合わせて添加せしめることができる。
【0061】本発明に用いられる支持体には、帯電防止
性、搬送性、カール防止性、筆記性、糊付け性等のため
に、各種のバックコート層を塗設することができ、その
際の顔料としては、平板状顔料や加水ハロイサイトが好
ましく、バックコートを設けない場合でも、フリューデ
ックスなどの加湿器により水蒸気を噴射することでカー
ル強制を行うこともできる。バックコート層には、無機
帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテ
ックス、顔料、滑剤、界面活性剤等を適宜組み合わせて
添加せしめることができる。
【0062】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
また、実施例において示す部および%は、特に明示しな
い限り固形分の質量部および質量%を示す。
【0063】<支持体の作製>LBKP(濾水度400
mlcfs)90部とNBKP(濾水度450mlcf
s)10部からなる木材パルプ100部に対して、軽質
炭酸カルシウム10部、アルキルケテンダイマー0.1
部、カチオン性ポリアクリルアミド0.05部、カチオ
ン化澱粉1.0部を調成後、長網抄紙機を用いて坪量1
25g/m2に抄造した後、オンマシンのインクライン
ドサイズプレス装置で酸化澱粉を付着させ、坪量127
g/m2の原紙を得た。該原紙を支持体として用いた。
【0064】実施例1〜10 前記支持体上に塗被組成物を塗設してインク吸収層を得
た。塗被組成物は、無機粒子として、多孔性合成非晶質
シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ社製)を1
00部、バインダーとしてポリビニルアルコール(PV
A117、クラレ社製)を40部、カチオン性定着剤
(スミレーズレジン1001、住友化学社製)20部、
下記表1に示されるトロポノイド乳化液をそれぞれ12
部添加し、スチルベンジスルホン酸塩誘導体である蛍光
増白剤(ケイコールBBL、日本曹達社製)を2部を調
合して得た。塗被組成物の固形分濃度は17%であっ
た。該塗被組成物をエアナイフコーターによって絶乾塗
工量11g/m2となるように支持体上に塗工し乾燥し
た。塗工乾燥後にオンマシンによってカレンダー処理を
行い、インク吸収層を設けた。得られた記録シートを実
施例1〜10のインクジェット記録シートとした。
【0065】<トノポノイド乳化液>表1に記載される
トロポノイドを20部をハイゾールSAS N−296
(日本石油化学製)90部に加熱溶解し、さらにフタル
酸ジオクチル30部を加えて溶解させ、溶解液を調製し
た。次いで、この溶解液を6%のスチレン/無水マレイ
ン酸共重合体水溶液160部を加えて激しく分散して乳
化し、トロポノイド乳化液を調製した。
【0066】
【表1】
【0067】比較例1 実施例6において、ヒノキチオールを除く以外は同様に
操作し、支持体上にインク吸収層を設けた。得られた記
録シートを比較例1のインクジェット記録シートとし
た。
【0068】実施例11 実施例6において、ヒノキチオールを除く以外は同様に
操作し、支持体上にインク吸収層を設けた。次に、支持
体上に塗工されたインク吸収層上に塗被組成物を塗設
し、光沢発現層を得た。光沢発現層の塗被組成物は、無
機微粒子としてアルミナ水和物(カタロイドAS−3、
触媒化成社製)を30部、コロイダルシリカ(スノーテ
ックスAK、日産化学社製)を70部、バインダーとし
てポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)
を20部、離型剤としてノニオン性オレイン酸乳化物
(DEF7100、日新化学社製)1部、実施例6で使
用したチノキチオール乳化液1.5部を調合して得た。
該塗被組成物の固形分濃度は12%であった。該塗被組
成物をエアナイフコーターにて絶乾塗工量5g/m2
なるように該インク吸収層上に塗工し、湿潤状態の間に
表面温度が100℃に保たれた鏡面ロールに約10秒間
圧接し乾燥して、実施例11のインクジェット記録シー
トを得た。
【0069】実施例12 実施例6のインクジェット記録シート上に塗工されたイ
ンク吸収層上に、塗被組成物を塗設し、光沢発現層を得
た。光沢発現層の塗被組成物は、実施例11と同様に行
い、実施例12のインクジェット記録シートを得た。
【0070】比較例2 実施例11において、光沢発現層にヒノキチオールを除
く以外は同様に操作し、支持体上にインク吸収層および
光沢発現層を設けた。得られた記録シートを比較例2の
インクジェット記録シートとした。
【0071】実施例13〜18 前記支持体上に塗被組成物を塗設してインク吸収層を得
た。塗被組成物は、無機粒子として、多孔性合成非晶質
シリカ(ファインシールX37B、トクヤマ社製)を1
00部、バインダーとしてポリビニルアルコール(PV
A117、クラレ社製)を40部、カチオン性定着剤
(スミレーズレジン1001、住友化学社製)20部、
さらに、表2に記載される組み合わせでトロポノイド乳
化液を18部と、酸類を0.75部を添加し、スチルベ
ンジスルホン酸塩誘導体である蛍光増白剤(ケイコール
BBL、日本曹達社製)を2部を調合して得た。塗被組
成物の固形分濃度は17%であった。該塗被組成物をエ
アナイフコーターによって絶乾塗工量11g/m2とな
るように支持体上に塗工し乾燥した。塗工乾燥後にオン
マシンによってカレンダー処理を行い、インク吸収層を
設けた。得られた記録シートを実施例13〜18のイン
クジェット記録シートとした。
【0072】比較例3 実施例14において、トロポロンを除く以外は同様に操
作し、支持体上にインク吸収層を設けた。得られた記録
シートを比較例3のインクジェット記録シートとした。
【0073】
【表2】
【0074】実施例19〜22 前記支持体のインク吸収層を設ける面の反対面に、オフ
マシンのエアナイフ塗工装置を用いて、さらに、下塗り
層として、酸化澱粉と酸化澱粉に対して、固形分で0.
1質量%のヒノキチオールと、酸を表3に記載される組
み合わせで添加し、塗工して、坪量130g/m2の原
紙を得た。さらに、前記支持体の下塗り層を設けた反対
面上に塗被組成物を塗設してインク吸収層を得た。塗被
組成物は、無機粒子として、多孔性合成非晶質シリカ
(ファインシールX37B、トクヤマ社製)を100
部、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA1
17、クラレ社製)を40部、カチオン性定着剤(スミ
レーズレジン1001、住友化学社製)20部、表3に
記載される組み合わせでヒノキチオール乳化液を3.0
部と、酸類を0.75部添加し、スチルベンジスルホン
酸塩誘導体である蛍光増白剤(ケイコールBBL、日本
曹達社製)を2部を調合して得た。塗被組成物の固形分
濃度は17%であった。該塗被組成物をエアナイフコー
ターによって絶乾塗工量11g/m2となるように支持
体上に塗工し乾燥した。塗工乾燥後にオンマシンによっ
てカレンダー処理を行い、インク吸収層を設けた。得ら
れた記録シートを実施例19〜22のインクジェット記
録シートとした。
【0075】
【表3】
【0076】比較例4 実施例19において、ヒノキチオールを除く以外は同様
に操作し、支持体上にインク吸収層を設けた。得られた
記録シートを比較例1にインクジェット記録シートとし
た。
【0077】実施例および比較例に関する評価結果を表
4、5に示す。なお、表4、5に示す評価は下記の操作
によって行った。
【0078】<黄変化評価法A>市販のポリプロピレン
製クリアファイルの片面中央に直径5cmの穴を開け、
各記録シートのインク吸収層側を穴の開いているファイ
ル面に当たるように入れ、20℃、60%RHの環境下
に75日間保存した。保存前後について、記録シートの
インク吸収層側のL***を色彩色差計(CR−20
0、ミノルタ社製)で測定した。黄変化の程度は、保存
前後のb*値の差(以下、△b*と記す)で表すことがで
きる。△b*は2.0以下、好ましくは1.5以下であ
る。1.5以下の場合は色味の違いがはっきりしない
が、2.0を超えると明らかに黄変化が感じられる。
【0079】<黄変化評価法B>各インクジェット記録
シートを、キセノンフェードメーター、ATLAS−C
i35W(東洋精機社製)に入れ、照射条件を0.39
W/m2、48時間とした。照射前後について、記録シ
ートのインク吸収層側のL***を色彩色差計(CR
−200、ミノルタ社製)で測定した。黄変化の程度
は、黄変化評価法Aと同様である。
【0080】<インク吸収性>インクジェットプリンタ
(BJC430J、フォトインク使用、キヤノン社製)
を用いて、シアンインクとマゼンタインクからなる混色
ベタパターン中に白色線(非印字部)の格子パターンを
作成し、格子へのインクの滲み出しを観察した。評価c
は実用上問題となるレベルである。 a:格子が鮮明である。 b:格子が狭くなり、僅かにインクが滲み出している。 c:インクが滲み出し、格子が部分的に欠如している。
【0081】<抗菌性>インクジェットラベルに、イン
クジェットプリンタ(BJC430J、フォトインク使
用、キヤノン社製)を用いて、フルカラーの写真画像を
印字し、剥離シートを剥がして、給湯室に貼り付けた。
約6ヶ月間放置して、表面の状態と剥がした裏面の状況
を目視で観察した。評価cは実用上問題となるレベルで
ある。 a:表面の画像は鮮明であるとともに、表裏面とも黴が
認められない。 b:表面にはほとんど変化がないが、裏面に僅かに黴と
思われるシミが観察さた。 c:表面に僅かであるが、黴によると思われるシミが認
められ、裏面には黴が認められた。
【0082】
【表4】
【0083】表4の実施例から明らかなように、比較例
に比べてトロポロン誘導体を含有するインク吸収層をも
ったインクジェット記録シートは黄変化が抑制されてい
る。実施例6〜10の結果から、トロポノイドとして
は、トロポロン誘導体よりもヒノキチオール誘導体が好
ましいことがわかり、特に、ヒノキチオール黄変化がが
良好であり、効果的に抑制されていることがわかる。ま
た、実施例11、12の結果から、トロポノイドがイン
ク吸収層中に含まれるだけでなく、光沢発現層にも含ま
れる方が黄変抑制に良いことがわかる。さらに、実施例
13〜18のように、インク吸収層に無機酸や有機酸を
併用して添加すると、効果的に黄変化が抑制されること
がわかる。
【0084】
【表5】
【0085】表5の実施例19〜22の結果から、明ら
かにトロポノイドを含有する下塗り層をもったインクジ
ェット記録ラベルは、黄変化が抑制されているだけでな
く、抗菌性も優れていることがわかる。トロポノイドに
有機酸であるクエン酸を併用して添加するとさらに黄変
化抑制と抗菌性が効果的に優れており、実施例21のよ
うに下塗り層とインク吸収層の表裏面に添加すると、黄
変化抑制と抗菌性が最も効果的に作用することがわか
る。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
無機顔料を主体とするインク吸収層をもったインクジェ
ット記録シートにおいて、優れたインク吸収性を持ちつ
つ、トロポノイドをインク吸収層、または光沢発現層に
添加することによって黄変化を著しく抑制したインクジ
ェット記録シートを提供することができる。また、トロ
ポノイドと無機酸、または有機酸を併用することにより
黄変化抑制がより効果的となる。さらに、これらの裏面
にトロポノイドを含有する下塗り層を設けたインクジェ
ット記録ラベルの場合、黄変化を抑制するだけではな
く、抗菌性も優れたインクジェット記録ラベルを得るこ
とができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の多孔質なイ
    ンク吸収層を有するインクジェット記録シートに於い
    て、該インク吸収層が少なくとも1種の無機顔料と、少
    なくとも1種類のトロポノイドを含有することを特徴と
    するインクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも1層の多孔質なイ
    ンク吸収層、さらにその上に光沢発現層を設けたインク
    ジェット記録シートに於いて、該光沢発現層に少なくと
    も1種類のトロポノイドを含有することを特徴とするイ
    ンクジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 該インク吸収層に少なくとも1種類のト
    ロポノイドを含有することを特徴とする請求項2記載の
    インクジェット記録シート。
  4. 【請求項4】 該トロポノイドが、ヒノキチオール誘導
    体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    記載のインクジェット記録シート。
  5. 【請求項5】 該光沢発現層に、少なくとも無機酸、ま
    たは有機酸が含まれていることを特徴とする請求項2〜
    4いずれか1項記載のインクジェット記録シート。
  6. 【請求項6】 該インク吸収層に、少なくとも無機酸、
    または有機酸が含まれていることを特徴とする請求項1
    〜4いずれか1項記載のインクジェット記録シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれか1項記載の該イン
    クジェット記録シートのインク吸収層を設けた反対面
    に、トロポノイドを含有する下塗り層、さらにその上に
    粘着層を設けたことを特徴とするインクジェット記録用
    ラベル。
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Cited By (4)

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